JP2004303778A - 絶縁膜形成材料及びそれを用いた絶縁膜 - Google Patents

絶縁膜形成材料及びそれを用いた絶縁膜 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体素子などにおける層間絶縁膜として、適当な均一な厚さを有する塗膜が形成可能な、しかも耐熱性に優れ、クラックが生じ難く、更に誘電率特性に優れた膜形成用組成物を提供する。
【解決手段】式(I)で表される構造を有する低分子化合物又は式(I)で表される構造を繰り返し単位として有する樹脂を含有する絶縁膜形成用材料{式(I)中、複数のRは、各々1〜4価の炭化水素基若しくはディールス−アルダー反応と引き続く脱離反応により炭化水素基になり得る1〜4価の基、又は1〜4価の炭化水素基の炭素原子の一部を珪素原子に置き換えた基若しくはディールス−アルダー反応と引き続く脱離反応により炭化水素基になり得る1〜4価の基の炭素原子の一部を珪素原子に置き換えた基を表し、かつ上記構造1個に対しての8つのRのうち少なくとも1つのRが一定の条件を満たす}。
Figure 2004303778

【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁膜形成用材料に関し、さらに詳しくは、半導体素子などにおける層間絶縁膜材料として、適当な均一な厚さを有する塗膜が形成可能な、しかもクラックが生じ難く、誘電率特性などに優れた絶縁膜形成用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子などにおける層間絶縁膜として、CVD法などの真空プロセスで形成されたシリカ(SiO)膜が多用されている。そして、近年、より均一な層間絶縁膜を形成することを目的として、SOG(Spin on Glass)膜と呼ばれるテトラアルコキシランの加水分解生成物を主成分とする塗布型の絶縁膜も使用されるようになっている。また、半導体素子などの高集積化に伴い、配線遅延の問題を解決する目的で有機SOGと呼ばれるポリオルガノシロキサンを主成分とする低誘電率の層間絶縁膜が開発されている。
【0003】
しかし、無機材料の膜の中で最も低い誘電率を示すCVD−SiO膜で、誘電率は約4程度である。また、低誘電率CVD膜として最近検討されているSiOF膜で、誘電率は約3.3〜3.5であるが、この膜は吸湿性が高く、使用しているうちに誘電率が上昇するという問題がある。
【0004】
一方、2.5〜3.0と低い値の誘電率を示す有機高分子膜では、ガラス転移温度が200〜350℃と低く、熱膨張率も大きいことから、配線へのダメージが問題となっている。また、有機SOG膜では、多層配線パターン形成時においてレジスト剥離などに用いられている酸素プラズマアッシングにより酸化を受け、クラックを生じるという欠点がある。また、有機SOGを含む有機系樹脂は、配線材料であるアルミニウム及びアルミニウムを主体とした合金や、銅及び銅を主体とした合金に対する密着性が低いため、配線脇にボイド(配線と絶縁材料との間にできる空隙)を生じ、そこへ水分が侵入して配線腐食を招く可能性があり、更にこの配線脇ボイドは多層配線を形成するためのビアホール開口時に位置ずれが生じた際に配線層間でのショートを招き、信頼性を低下させる問題がある。
【0005】
かかる状況下、絶縁性、耐熱性、耐久性に優れた絶縁膜材料として、籠型構造を有するオルガノポリシロキサン、具体的には、水素化オクタシルセスキオキサンを含有する共重合体を含有する絶縁膜形成用塗布型組成物が知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。また、特許文献3には、T籠型構造のシロキサン(シルセスキオキサン)を含有する絶縁膜形成用塗布型組成物が記載されており、架橋による高分子化で低密度な絶縁膜を形成することによって誘電率の低減化を達成できることが記載されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−265065号公報
【特許文献2】
特開2000−265066号公報
【特許文献3】
特開平11−40554号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、半導体素子などのさらなる高集積化や多層化に伴い、より優れた導体間の電気絶縁性が要求されており、より低誘電率でかつクラック耐性、耐熱性に優れる層間絶縁膜材料が求められるようになっている。上記のような公知の籠型構造を有するポリシロキサン(ポリシルセスキオキサン)を含有する絶縁膜形成材料では、依然、耐熱性、耐クラック性、誘電率特性が不十分であった。
従って本発明は、上記問題点を解決するための膜形成用組成物に関し、さらに詳しくは、半導体素子などにおける層間絶縁膜として、適当な均一な厚さを有する塗膜が形成可能な、しかも耐熱性に優れ、クラックが生じ難く、更に誘電率特性に優れた膜形成用組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記の(1)〜(2)の構成により達成されることが見出された。
(1)下記一般式(I)で表される構造を有する低分子化合物又は下記一般式(I)で表される構造を繰り返し単位として有する樹脂を含有することを特徴とする絶縁膜形成用材料。
【0009】
【化2】
Figure 2004303778
【0010】
式(I)中、複数のRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ、1〜4価の炭化水素基もしくはディールス−アルダー反応と引き続く脱離反応により炭化水素基になり得る1〜4価の基、又は1〜4価の炭化水素基の炭素原子の一部を珪素原子に置き換えた基もしくはディールス−アルダー反応と引き続く脱離反応により炭化水素基になり得る1〜4価の基の炭素原子の一部を珪素原子に置き換えた基を表し、かつ上記構造1個に対しての8つのRのうち少なくとも1つのRが下記の(i)〜(iii)のうちの少なくとも1つの条件を満たすものである。
(i)炭素−炭素三重結合を少なくとも1つ有する。
(ii)芳香族基と共役した炭素−炭素二重結合もしくは芳香族基と共役した炭素−窒素二重結合を少なくとも1つ有する。
(iii)炭素数10以上の芳香環を少なくとも1つ有する。
【0011】
(2)上記(1)記載の絶縁膜形成用材料を用いて得られる絶縁膜。
【0012】
本発明の絶縁膜形成用材料は、上記の通り、式(I)で表される特定の籠型構造を有するオルガノポリシロキサン(ポリシルセスキオキサン)を含有することを大きな特徴とするものである。すなわち、本発明の上記式(I)のRが特定の有機基を含有するT籠型構造のシロキサン(シルセスキオキサン)は、立方体構造によって分子内に微小空間を有することに加え、熱処理による架橋反応により二次元から三次元的な構造をとり高分子化されることで、更に低密度な絶縁膜が形成され、優れた低誘電率化が達成される。特に、Rとして水素原子を含有していないため、化学安定性が向上し、誘電率の経時上昇が抑制され、また収縮率が減少してクラックしにくいという優れた効果を有することが見出された。また、フッ素原子を含まないため、密着性(接着性ともいう)の低下がなく、また界面剥離の原因となるバリアメタルに用いられる金属との反応がないという点で優れていることも判った。更に、条件(i)〜(iii)の条件を満たす特定の有機基を有することによって、優れた耐熱性が達成できることが見出された。
【0013】
本発明のポリオルガノシロキサン(ポリシルセスキオキサン)をベースポリマーとして含有する組成物を、浸漬またはスピンコート法などにより、シリコンウエハなどの基材に塗布すると、例えば、微細パターン間の溝を充分に埋めることができ、加熱により、有機溶剤の除去と架橋反応を行なうと、ガラス質または巨大高分子あるいはこれらの混合体の膜を形成することができる。得られる膜は、耐熱性が良好で、低誘電率性に優れ、クラックの発生がない、厚膜の絶縁体を形成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に用いられる低分子化合物又は樹脂について詳述する。
上記一般式(I)で表される構造を有する低分子化合物又は樹脂は、上記の通り、Rとして特定の有機基を有する T籠型構造を有するオルガノポリシロキサン(ポリシルセスキオキサン)である。本発明の式(I)で表される構造を有する低分子化合物又は樹脂の好ましい分子量は、数平均分子量で500〜5,000,000であり、この範囲内で、分子量の高低にかかわらず本発明のオルガノポリシロキサン(ポリシルセスキオキサン)を絶縁膜形成用材料に好適に用いることができる。
【0015】
なお、本発明において、式(I)で表される低分子化合物とは、分子量3000程度までの低分子化合物を意味し、熱処理により架橋反応を行うことにより高分子化を行うことにより、絶縁性高分子膜が形成される。合成が容易であるという利点がある。一方、式(I)で表される構造を有する樹脂とは、分子量3000程度以上の高分子化合物を意味し、塗布性、密着性などの取り扱い性に優れるという利点がある。樹脂の場合においても、熱による架橋反応を行うことにより、更に低誘電率化を図ることができる。更に、分子量2,000〜20,000程度の化合物又は樹脂が、両者の性能を両立し得る点で、好ましく用いることができる。
【0016】
複数のRは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、1〜4価の炭化水素基若しくはディールス−アルダー反応と引き続く脱離反応により炭化水素基になり得る1〜4価の基、又は1〜4価の炭化水素基の炭素原子の一部を珪素原子に置き換えた基若しくはディールス−アルダー反応と引き続く脱離反応により炭化水素基になり得る1〜4価の基の炭素原子の一部を珪素原子に置き換えた基を表し、かつ上記構造1個に対しての8つのRのうち少なくとも1つのRが下記の(i)〜(iii)のうちの少なくとも1つの条件を満たすものである。
【0017】
(i)炭素−炭素三重結合を少なくとも1つ有する。
(ii)芳香族基と共役した炭素−炭素二重結合を少なくとも1つ有する。
(iii)炭素数10以上の芳香環を少なくとも1つ有する。
【0018】
一般式(I)のT構造(シルセスキオキサン骨格)1個につき、Rは8個であるが、分子中に複数のT構造を有する場合、複数のRが2価以上になって共通化されてもよい。低分子化合物の場合、共通化されるRは2〜4価のいずれも好ましいが、樹脂の場合共通化されるRは2価であることが、樹脂の溶剤溶解性の観点から好ましい。
【0019】
条件(i)としては、T構造1個あたりに1〜8個の三重結合を有することが好ましく、より好ましくは、1〜4個である。条件(ii)としては、T構造1個あたりに1〜16個の芳香族基と共役した炭素―炭素二重結合あるいは、芳香族基と共役した炭素−窒素二重結合を有することが好ましい。より好ましくは、1〜4個である。条件(iii)としては、T構造1個あたりに1〜8個の炭素数10以上の芳香環を有することが好ましい。より好ましくは、1〜2個である。これらの条件の中では、さらに(i)及び/または(ii)が好ましい。
【0020】
としての、1〜4価の炭化水素基としては、以下のものが挙げられる。これらは炭素数が20以下であることが好ましい。また、Rの少なくとも1つが炭素数7以上であることが好ましい。
【0021】
(a−1) 1〜4価の直鎖、分岐、環状の飽和炭化水素基、
(a−2) エチレン性炭素−炭素二重結合を有する1〜4価の直鎖、分岐又は環状の炭化水素基、
(a−3) 炭素−炭素三重結合を有する1〜4価の直鎖、分岐又は環状の炭化水素基、
(a−4) エチレン性炭素−炭素二重結合と炭素−炭素三重結合を共に有する1価の直鎖、分岐又は環状の炭化水素基、
【0022】
(b−1)上記(a−1)〜(a−4)の基の水素原子の1〜10個を1価の芳香族炭化水素基で置換した基、
(b−2)上記(a−1)〜(a−4)、(b−1)の基のメチレン基の1〜10個を2価の芳香族炭化水素基で置き換えた基、
(b−3)上記(a−1)〜(a−4)、(b−1)〜(b−2)の基のメチン基、の1〜10個を3価の芳香族炭化水素基で置き換えた基、
(b−4)上記(a−1)〜(a−4)、(b−1)〜(b−3)の基の4級炭素の1〜10個を4価の芳香族炭化水素で置き換えた基、
この場合、置き換える個数は1〜8個が好ましく、さらに好ましくは1〜6個である。
としての、1〜4価の炭化水素基の炭素原子の一部を珪素原子に置き換えた基とは以下である。これらは炭素数が20以下であることが好ましい。また、Rの少なくとも1つが炭素数7以上であることが好ましい。
【0023】
(c)上記(a−1)〜(a−4)、(b−1)〜(b−4)の基の炭素原子の1個〜10個を珪素原子で置き換えた基。ただし、(c)は少なくとも1個の炭素を含む。
この場合、珪素原子への置き換えは、好ましくは1〜8個、さらに好ましくは1〜6個である。
としての、ディールス−アルダー反応と引き続く脱離反応により炭化水素基になり得る1〜4価の基とは、ヘテロ原子を有する共役ジエンあるいは共役した2つの二重結合を有する基であり、置換アルケン、アルキンなどのジエノフィル(親ジエン体)と協奏的[4+2]付加を行い、その後へテロ原子を含む架橋部位が脱離して、ベンゼン環などの炭化水素基となる部位を有するものである。ジエンとしては、シクロペンタジエノン構造や、オキサゾール環、フラン環などが挙げられる。以下にその形式の例を示す。
【0024】
【化3】
Figure 2004303778
【0025】
としては、以下のものが挙げられる。
(d−1)上記(b−1)〜(b−4)または(c)の芳香環の1個〜3個を、同じ価数の、シクロペンタジエノン構造もしくは、芳香族炭化水素基で置換されたシクロペンタジエノン構造で置き換えた基、
(d−2)上記(b−1)〜(b−4)または(c)の芳香環の1個〜3個を、同じ価数の、フラン構造又は芳香族炭化水素基で置換されたフラン構造で置き換えた基、
(d−3)上記((b−1)〜(b−4)または(c)の芳香環の1個〜3個を、同じ価数の、オキサゾール構造又は芳香族炭化水素基で置換されたオキサゾール構造で置き換えた基、
また、炭化水素基であって反応して別の炭化水素基になる構造として、ベンゾシクロブテン構造が挙げられる。
好ましいRとしては以下のものが挙げられる。
【0026】
(e)上記(b)または(c)の芳香環の1個〜3個を、同じ価数の、ベンゾシクロブテン構造もしくは、芳香族炭化水素基で置換されたベンゾシクロブテン構造で置き換えた基、
【0027】
(f)上記(d−1)〜(d−3)、(e)の基の炭素原子の1個〜10個を珪素原子で置き換えた基。ただし、(f)は少なくとも1個の炭素を含む。
この場合、珪素原子への置き換えは、好ましくは1〜8個、さらに好ましくは1〜6個である。
【0028】
は、上記の群の中から、条件(i)〜(iii)の少なくとも1つを満たすような制限内において任意に選ばれる。
は、上記(a−3)〜(a−4)、(b−2)〜(b−4)、(d−1)〜(d−3)、(e)を含む組み合わせで選ばれることが好ましい、 (a−3)、(b−2)〜(b−3)、(d−1)〜(d−3)を含む組み合わせで選ばれることがさらに好ましい。
【0029】
(a)の例としては、以下が挙げられる。
(a−1)メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、t−ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、等の直鎖、分岐、又は環状のアルキル基、1−アダマンチル基等の架橋環式炭化水素基(脂環式基)、スピロビシクロヘキシル等のスピロ炭化水素基、メチレン、プロピレン等のアルキレン基、イソプロピリデンなど2価の基、メチリジン(メチン)、1,2,3−プロパントリイル、1−プロパニル−3−イリデンなど3価の基、 4級炭素、ブタンジイリデン、1,3−プロパンジイル−2−イリデンなど4価の基、
【0030】
(a−2)アリル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、2−メチル−プロペン−1−イル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、2−メチルーブテン−1−イルなどの直鎖、分岐、又は環状のアルケニル基、5−ノルボルネン−2−イルなど二重結合を有する環式テルペン系炭化水素基、1,4−ヘキサジエニルなどの二重結合を2つ有するアルカンジエニル基、二重結合を3つ有するアルカントリエニル基、ビニリデンなど2価の基、プロパジエンジイリデンなど4価の基、
【0031】
(a−3)エチニル、プロパルギルなどのアルキニル基、三重結合を2つ有するアルカンジイニル基、三重結合を3つ有するアルカントリイニル基、エチニレンなど2価の基、
(a−4) 二重結合と三重結合を併せ持つ、5−エチニル−1,3,6−ヘプタトリエニルなどのエンイニル基など1価の基、エンジイン構造を有する2価の基、
【0032】
また(b−1)〜(b−4)の置換する芳香族炭化水素基としては、次が挙げられる。フェニル、ナフチル、アンスリル、フェナントリル、ピレニルなどの1価の芳香族炭化水素基、
1,4−フェニレン、2,7−フェナントレン、4,4’−ビス(フェニル)などのアリーレンや以下に示す2価の芳香族炭化水素基、
【0033】
【化4】
Figure 2004303778
【0034】
1,3,5−ベンゼントリイル、1,2,6−ナフタレントリイルなどの3価の芳香族炭化水素基、
1,2,4,5−ベンゼンテトライル、1,4,5,8−アントラセンテトライルなど 4価の芳香族炭化水素基、
三重結合を有する(a)の炭素を一価の芳香族炭化水素基、
【0035】
更に、2価の芳香族炭化水素基で置換した(b−1)〜(b−4)の例としては以下が挙げられる。
【0036】
【化5】
Figure 2004303778
【0037】
環状炭化水素を含有する(a)の炭素を2価の芳香族炭化水素基で置換した(b−1)〜(b−4)の例としては以下が挙げられる
【0038】
【化6】
Figure 2004303778
【0039】
(c)の例としては、トリメチルシリル基、トリス(トリメチルシリル)シリル基の他、以下の基が挙げられる。
【0040】
【化7】
Figure 2004303778
【0041】
(d−1)〜(d−3)の例としては以下が挙げられる。
【0042】
【化8】
Figure 2004303778
【0043】
【化9】
Figure 2004303778
【0044】
(e)の構造としては、以下が挙げられる。
【0045】
【化10】
Figure 2004303778
【0046】
(f)の構造としては、例えば以下が挙げられる。
【0047】
【化11】
Figure 2004303778
【0048】
本発明の一般式(I)で表される構造を有する低分子化合物又は樹脂としては、下記一般式(1)〜(30)で表される化合物又は樹脂が挙げられる。
【0049】
【化12】
Figure 2004303778
【0050】
【化13】
Figure 2004303778
【0051】
【化14】
Figure 2004303778
【0052】
【化15】
Figure 2004303778
【0053】
【化16】
Figure 2004303778
【0054】
【化17】
Figure 2004303778
【0055】
【化18】
Figure 2004303778
【0056】
【化19】
Figure 2004303778
【0057】
【化20】
Figure 2004303778
【0058】
【化21】
Figure 2004303778
【0059】
【化22】
Figure 2004303778
【0060】
【化23】
Figure 2004303778
【0061】
上記式(1)〜(30)において、Rは芳香族環を含まない炭化水素基を表し、Rは芳香族環を含む炭化水素基を表し、R11は脂肪族炭化水素基を表し、R21は脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表す。ここで、R、R、R11及びR21が複数のときは、いずれも同一でも異なっていてもよい。
Ar及びAr′は、それぞれ芳香族炭化水素基を表す。
【0062】
(1)〜(5)においては、lは1から4の整数、 m、nはm+n=7を満たす0以上の整数、x、は0以上の整数であって、l+xがArの3級炭素の数以下の数である。
(6)〜(10)において、lは1から8の整数であって、m、nはl+m+n=8となる0以上の整数、(6)〜(7)においてxは0以上の整数であってx+1がArの三級炭素数以下となる数である。
【0063】
(8)においてxは0〜3の整数、aは1または2であり、bは1である、
(9)〜(10)において、xは0以上の整数であってx+2がArの三級炭素数以下となる数、yは0以上の整数であってy+1がAr’の三級炭素の数以下の数、aは1である。
(11)〜(16)において、m、nはm+n=6となる0以上の整数、p、qは1または2であってp+q=2または3、rは重合度を表し、正の整数である。(11)〜(12)、(15)及び(16)においてxは0以上の整数であってx+2がArの三級炭素の数以下となる数、yは0以上の整数であってy+2がAr’の三級炭素の数以下となる数、aは0または1、(13)(14)においてx、yは0〜3の整数である。
【0064】
(17)及び(18)において、lは1から8の整数であって、m、nはl+m+n=8となる0以上の整数、(17)においてxは0以上の整数であってx+1がArの三級炭素数以下となる数、yは1から3の整数、(18)においてxは0以上の整数であってx+2がArの三級炭素数以下となる数、yは0以上の整数であってy+1がAr’の三級炭素数以下となる数、zは0〜2の整数、
(19)(20)(23)(24)(25)及び(26)において、lは1から4の整数、 m、nはm+n=7を満たす0以上の整数、(19)及び(23)においてxは0以上の整数であって、l+xがArの3級炭素の数以下の数である。yは0〜2の整数、(20)及び(24)において、xは0以上の整数であってx+2がArの3級炭素数以下の数、yは0以上の整数であってy+1がAr’の3級炭素数以下の数、zは0〜2の整数、(25)において、xは0以上の整数であって、l+xがArの3級炭素の数以下の数であり、yは0または1である。
(26)において、xは0以上の整数であってx+2がArの3級炭素数以下の数、yは0以上の整数であってy+1がAr’の3級炭素数以下の数、zは0または1である。
【0065】
(21)(22)(27)(28)(29)及び(30)においてm、nはm+n=6である0以上の整数、p、qは1または2であってp+q=2または3、rは重合度を表し、正の整数である。(21)及び(27)おいてx、yは0〜2の整数、zは0以上の整数であってz+2がArの三級炭素の数以下となる数、aは0または1であり、(29)において、x、yは0〜2の整数、zを0または1、aは0または1であり、(22)(28)において、xは0以上の整数であってx+2がArの三級炭素数以下の数、yは0以上の整数であってy+2がAr’の三級炭素の数以下となる数、zは0〜2の整数である。(30)において、xは0以上の整数であってx+2がArの三級炭素数以下の数、yは0以上の整数であってy+2がAr’の三級炭素の数以下となる数、zは0または1である。
【0066】
の芳香環を含まない炭化水素基としては(a−1)のような基が例として挙げられ、Rの芳香環を含む基としてはフェニル、ナフチルや(b−1)〜(b−4)の基のうちの1価のものなどが好適に挙げられる。
【0067】
本発明の一般式(I)で表される低分子化合物又は樹脂は、所望の目的物に応じて、Rとして特定の基が置換したトリクロロシラン混合物を、速度論的な条件で加水分解−縮合することにより前駆体のTトリシラノールを含む混合物となり、これを置換トリクロロシランと塩基触媒下で反応させることにより、T(POSS=ポリオクタヘドラルシルセスキオキサン;籠型)構造を製造することができる。例えば、J.Am.Chem.Soc.,111巻、1741−1748頁、(1989)Feherら、WO01/10871A1等に記載される方法を参照して製造することができる。
また、籠型POSSとした後、珪素原子上の置換基を所望の官能基Rに置換して製造することもできる。反応としては白金触媒を用いるハイドロシリレーションなどが挙げられる。このような反応例は特許文献1や特許文献2などにも開示されている。
【0068】
〔その他の添加剤〕
本発明の絶縁膜形成用材料には、さらにコロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、有機ポリマー、界面活性剤などの成分を添加してもよい。コロイド状シリカとは、例えば、高純度の無水ケイ酸を前記親水性有機溶媒に分散した分散液であり、通常、平均粒径が5〜30mμ、好ましくは10〜20mμ、固形分濃度が10〜40質量%程度のものである。このような、コロイド状シリカとしては、例えば、日産化学工業(株)製、メタノールシリカゾルおよびイソプロパノールシリカゾル;触媒化成工業(株)製、オスカルなどが挙げられる。コロイド状アルミナとしては、日産化学工業(株)製のアルミナゾル520、同100、同200;川研ファインケミカル(株)製のアルミナクリアーゾル、アルミナゾル10、同132などが挙げられる。有機ポリマーとしては、例えば、ポリアルキレンオキサイド構造を有する化合物、糖鎖構造を有する化合物、ビニルアミド系重合体、(メタ)アクリレート化合物、芳香族ビニル化合物、デンドリマー、ポリイミド、ポリアミック酸、ポリアリーレン、ポリアミド、ポリキノキサリン、ポリオキサジアゾール、フッ素系重合体などを挙げることができる。界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、さらには、シリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、含フッ素界面活性剤などを挙げることができる。
【0069】
[一般式(I)の構造を含む低分子化合物又は樹脂を用いた組成物の調製方法]
本発明の膜形成組成物は、上記各成分を溶解する溶剤に溶かして支持体上に塗布する。本発明の膜形成用組成物を調製するに際しては、上記のように、溶媒中に、上記本発明の式(I)の構造を有する低分子化合物又は樹脂を混合すればよく、特に限定されない。低分子化合物にくらべ樹脂の場合特に溶解に時間がかかるが、100℃以下の温度で溶解することが好ましい。
【0070】
ここで使用する溶媒としては以下が好適である。エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、ジメチルイミダゾリジノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、イソプロパノール、エチレンカーボネート、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が好ましく、これらの溶剤を単独又は混合して使用する。
【0071】
上記の中でも、好ましい溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレンカーボネート、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、キシレン、メシチレン、ジイソプロピルベンゼンを挙げることができる。
【0072】
このようにして得られる本発明の組成物の全固形分濃度は、好ましくは、2〜30質量%であり、使用目的に応じて適宜調整される。組成物の全固形分濃度が2〜30質量%であると、塗膜の膜厚が適当な範囲となり、保存安定性もより優れるものである。また、式(I)で表される構造を有する低分子化合物又は樹脂の数平均分子量は、通常500〜5,000,000、好ましくは1,000〜100,000程度である。さらに好ましくは2,000〜20,000程度である。
【0073】
このようにして得られる本発明の絶縁膜形成用材料を、シリコンウエハ、SiOウエハ、SiNウエハなどの基材に塗布する際には、スピンコート、浸漬法、ロールコート法、スプレー法などの塗装手段が用いられる。
【0074】
この際の膜厚は、乾燥膜厚として、1回塗りで厚さ0.05〜1.5μm程度、2回塗りでは厚さ0.1〜3μm程度の塗膜を形成することができる。その後、常温で乾燥するか、あるいは80〜600℃程度の温度で、通常、5〜240分程度加熱して乾燥することにより、ガラス質もしくは巨大高分子又はこれらの混成体の絶縁膜を形成することができる。この際の加熱方法としては、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用することが出来、加熱雰囲気としては、大気下、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空下、酸素濃度をコントロールした減圧下などで行うことができる。
【0075】
より具体的には、本発明の絶縁膜形成材料を、例えばスピンコート法により、基板(通常は金属配線を有する基板)上に塗布し、300℃以下の温度で第一の熱処理を行うことにより溶媒を乾燥させ、次いで300℃より高く450℃以下の温度で第二の熱処理(アニール)を行うことにより低誘電率の絶縁膜を形成できる。第一の熱処理を300℃以下とするのは、架橋が過度に進行しないようにして架橋の度合いを調節しやすくするためであり、第二の熱処理を300℃より高く450以下の温度とするのは、この温度範囲がアニールにとって一般に都合がよいからである。
【0076】
第一の熱処理による架橋は、300℃以下で処理することから有機部分の酸化は考慮しなくてよいため、この第一の熱処理は大気中でも行うことができる。また、形成した絶縁膜の示す誘電率を調節するために架橋の度合いを調整してもよく、この架橋度合いの調整は熱処理温度と時間を調整することで行うことができる。
【0077】
このようにして得られる層間絶縁膜は、絶縁性に優れ、塗布膜の均一性、誘電率特性、塗膜の耐クラック性、塗膜の表面硬度に優れることから、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAMなどの半導体素子用層間絶縁膜、半導体素子の表面コート膜などの保護膜、多層配線基板の層間絶縁膜、液晶表示素子用の保護膜や絶縁防止膜などの用途に有用である。
【0078】
【実施例】
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中の部および%は、特記しない限り、それぞれ質量部および質量%であることを示している。また、実施例中における膜形成用組成物の評価は、次のようにして測定したものである。
【0079】
〔数平均分子量(Mn)〕
下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定した。
<試料>テトラヒドロフランを溶媒として使用し、試料0.01gを、2ccのテトラヒドロフランに溶解して調製した。
<標準ポリスチレン>東ソー社製の標準ポリスチレンTSKスタンダードを使用した。
<装置>東ソー社製の高速ゲル浸透クロマトグラム(HLC−8220GPC)<カラム>東ソー社製のTSK−gel(GMX)
<測定温度>40℃ 流速:1cc/分
【0080】
〔面内均一性〕
形成用組成物を、6インチシリコンウエハ上に、スピンコーターを用いて、回転数1,500〜2,500rpm、20秒の条件で以て塗布した。その後、80℃の温度に保持したホットプレートを用いて、膜形成用組成物を塗布したシリコンウエハを5分間加熱し、有機溶媒を飛散させた。次いで、200℃の温度に保持したホットプレートを用いて、膜形成用組成物を塗布したシリコンウエハを5分間加熱し、シリコンウエハ上に塗膜を形成させた。このようにして得られた塗膜の膜厚を、光学式膜厚計(大日本スクリーン社製、ラムダエース)を用いて塗膜面内で50点測定した。得られた膜厚の3σを計算し、下記基準で評価した。
○;塗膜の3σが80nm未満
×;塗膜の3σが80nm以上
【0081】
〔耐クラック性〕
6インチシリコンウエハ上に、スピンコート法を用いて組成物試料を塗布し、ホットプレート上で80℃で5分間、200℃で5分間基板を乾燥し、さらに450℃の窒素雰囲気のオーブン中で60分基板を焼成した。得られた塗膜の外観をピーク社製ポケットマイクロルーペ(50倍)で観察し、下記基準で評価した。また、PCT(JDECJESD22−A102−B条件:121℃ 100%RH15psig)を96h行い、同様な基準で評価した。
○;塗膜表面にクラックが認められない。
×;塗膜表面にクラックが認められる。
【0082】
〔誘電率〕
6インチシリコンウエハ上に、スピンコート法を用いて組成物試料を塗布し、ホットプレート上で80℃で5分間、200℃で5分間基板を乾燥し、さらに450℃の窒素雰囲気のオーブン中で60分基板を焼成した。得られた基板上にアルミニウムを蒸着し、誘電率評価用基板を作製した。誘電率は、横川・ヒューレットパッカード(株)製のHP16451B電極およびHP4284AプレシジョンLCRメーターもしくはソーラトロン社製システム1296/1260を用いて、10kHzにおける容量値から算出した。また、PCT(JDECJESD22−A102−B条件:121℃ 100%RH 15psig)を96h行い、その後測定及び算出を行った。
【0083】
合成例1
エチルトリクロロシラン/4ブロモフェニルトリクロロシランのモル比1/1混合物30gをアセトン200mlに溶解し、水10gを滴下により加えた。続いて2当量の水酸化テトラメチルアンモニウムを水10gに溶解したものを滴下により加えた。その後反応液を12時間還流した。反応液を冷却して減圧下濃縮して得られた固体をクロマトグラム精製して中間体(A)を得た。収率90%。
【0084】
【化24】
Figure 2004303778
【0085】
続いて、中間体(A)と当量のフェニルアセチレンの末端スズ塩をTHF中に溶解し、ゼロ価パラジウムを触媒としたカップリング反応により、三重結合を有する化合物を得た。常法で処理して得られた固体をクロマトグラム精製して試料(A−1)を得た(25g:分子量1240)
【0086】
【化25】
Figure 2004303778
【0087】
同様にして2−フェニルフランを反応させて、試料(A−2)を合成した。
【0088】
【化26】
Figure 2004303778
【0089】
合成例2
合成例1において、エチルトリクロロシラン/ブロモフェニルトリクロロシランのモル比を6/2とし、カップリング時のスズ塩を1,3−ジエチニルベンゼンの塩に変更して重合を行い、樹脂を得た。試料(A−3)Mn13,000(GPC)
【0090】
【化27】
Figure 2004303778
【0091】
実施例1
合成例1で得られた試料(A−1)5gをシクロヘキサノン/プロピレングリコールモノメチルエーテル混合溶媒45gに溶解した溶液を0.2μm孔径のテフロン製フィルターでろ過を行い、スピンコート法でシリコンウエハ上に塗布した。得られた塗膜の塗膜の膜厚は600nmであり、3σは20nmと良好であった。塗膜の膜厚を変えてクラックの発生しない最大膜厚を評価したところ、1,600nmと優れたクラック耐性を示した。また、塗膜の誘電率を評価したところ、2.60と非常に低い誘電率を示した。
【0092】
実施例2
試料(A−3)を使用した以外は、実施例1と同様に塗膜を評価した。評価結果を表1に示す。
【0093】
実施例3
試料(A−1)/試料(A−2)の質量比1/1混合物5gを使用した以外は実施例1と同様に塗膜を評価した。溶媒量は調整した。評価結果を表1に示す。
【0094】
実施例4〜6
試料(A−1)/ジフェニルアセチレン、試料(A−2)/ジフェニルアセチレン及び試料(A−1)/ジフェニルアセチレンのそれぞれ質量比約8/1混合物5gを使用した以外は実施例1と同様に塗膜を評価した。溶媒量は適宜調整した。評価結果を表1に示す。
【0095】
【表1】
Figure 2004303778
【0096】
比較例として、特開平11−40554号の実施例1と同様にして作成した絶縁膜を、本実施例1の絶縁膜と同様に評価したところ、誘電率2.80であり、PCT後に誘電率3.20と上昇していることが観察された。
【0097】
【発明の効果】
本発明によれば、特定の籠型構造を有するオルガノポリシロキサン(ポリシルセスキオキサン)を含有させることにより、塗布膜における厚さの均一性、クラック耐性、誘電率特性などのバランスに優れた膜形成用組成物(層間絶縁膜用材料)を提供することができる。

Claims (2)

  1. 下記一般式(I)で表される構造を有する低分子化合物又は下記一般式(I)で表される構造を繰り返し単位として有する樹脂を含有することを特徴とする絶縁膜形成用材料。
    Figure 2004303778
    式(I)中、複数のRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ、1〜4価の炭化水素基もしくはディールス−アルダー反応と引き続く脱離反応により炭化水素基になり得る1〜4価の基、又は1〜4価の炭化水素基の炭素原子の一部を珪素原子に置き換えた基もしくはディールス−アルダー反応と引き続く脱離反応により炭化水素基になり得る1〜4価の基の炭素原子の一部を珪素原子に置き換えた基を表し、かつ上記構造1個に対しての8つのRのうち少なくとも1つのRが下記の(i)〜(iii)のうちの少なくとも1つの条件を満たすものである。
    (i)炭素−炭素三重結合を少なくとも1つ有する。
    (ii)芳香族基と共役した炭素−炭素二重結合もしくは芳香族基と共役した炭素−窒素二重結合を少なくとも1つ有する。
    (iii)炭素数10以上の芳香環を少なくとも1つ有する。
  2. 請求項1記載の絶縁膜形成用材料を用いて得られる絶縁膜。
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