JP2004099888A - 耐熱性樹脂組成物および絶縁耐熱性樹脂材料 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、耐熱性樹脂組成物に関し、さらに詳しくは、半導体素子などにおける層間絶縁膜材料として耐熱性、クラック耐性、低誘電性に優れた塗膜が形成可能な耐熱性樹脂組成物に関するものである。
近年、電子材料用途において、高集積化、多機能化、高性能化に伴い、回路抵抗や配線間のコンデンサー容量が増大して、消費電力が増加するだけでなく、遅延時間も増大して、デバイスの信号スピードが低下したり、クロストークの大きな要因となっている。そのため、寄生抵抗や寄生容量を下げることが求められており、その解決策の一つとして、配線の周辺を低誘電の層間絶縁膜で被うことにより、寄生容量を下げてデバイスの高速化に対応しようとしている。
この要求に適応する耐熱性の有機材料として、ポリイミドが広く知られているが、極性の高いイミド基を含むため、誘電性、吸水性の面で、さらに着色するという面で問題があり、満足なものは得られていない。一方、極性基を含まない高耐熱性の有機材料として、ポリフェニレンが知られている。このポリフェニレンは耐熱性に優れるが、有機溶媒可溶性に劣るため、一般に側鎖に可溶性基を導入することが行われている。このようなポリフェニレンとしては、基本的にポリパラフェニレン構造を主としており、屈曲性モノマーを一部共重合するなどしているものの、特定の有機溶媒にしか溶けず、また剛直分子に起因し高粘度溶液となる問題もあり、加工性として、決して満足したものではない(特許文献1、2参照)。
さらに、耐溶剤性の付与、物理的耐熱性、機械的性質の改善などのために、ポリフェニレン系ポリマーの架橋についても検討され、従来から、アセチレン結合を利用した架橋反応が知られている。しかしながら、この構造を導入適用できるポリフェニレン(ポリアリーレン)構造や反応にも限界があり、また原料的にも特殊なアセチレン化合物を使用し、また硬化温度も高いという加工の汎用性に問題がある。また、ポリアリーレンの加工性や溶解性を高めるため、ポリマー中にエーテル元素を導入することも検討されているが、得られるポリマーの耐熱性に問題がある。
このように、半導体素子などの層間絶縁膜に求められる耐熱性、低誘電性、クラック耐性を兼ね備えたポリマーの技術は極めて少ないのが現状である。
国際公開第96/28491号パンフレット
欧州特許出願公開第629217号明細書
そこで本発明は、上記問題点を解決し、半導体素子などにおける層間絶縁膜として、耐熱性、低誘電性、クラック耐性に優れた耐熱性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、(A)下記一般式(1)で表される化合物と、(B)環状構造を有するアセチレン化合物とを反応させて得られる重合体、ならびに(C)有機溶剤を含有することを特徴とする耐熱性樹脂組成物である。
本発明の耐熱性樹脂組成物は、特定の化合物の重合体と、有機溶剤とを含有する組成物であるため、耐熱性、低誘電性、クラック耐性などのバランスに優れた絶縁耐熱性樹脂材料(層間絶縁膜用材料)を提供することが可能である。
本発明において、(A)成分として用いられる化合物は、上記一般式(1)で表されるものである。
本発明の耐熱性樹脂組成物において、(A)成分を用いることにより、高耐熱性、かつ低比誘電率の塗膜が得られる。上記一般式(1)において、R2〜R10はそれぞれ独立に炭素数1〜30のアルキル基、シリル基または芳香族基を示す。またアルキル基、シリル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。R2〜R10の具体例として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、トリメチルシリル基、さらに下記構造群に示す基を挙げることができる。
一般式(1)において、R1 は(h+1)価の芳香族基または直接結合であり、hは0〜6、好ましくは1〜3の整数を示す。R1 の具体例として、下記構造群に示す基を挙げることができる。
特に、上記一般式(1)におけるYが下記群(Z)から選ばれる少なくとも1つで表される化合物であることが好ましい。
上記(A)成分の具体例としては、例えば、下記の構造群(10−1〜10−9)に示す化合物を挙げることができる。
本発明においては上記(A)成分と、(B)成分として使用される環状構造を有するアセチレン化合物とを反応させた重合体が用いられる。(B)成分としては、下記一般式(2)で表される環状芳香族アセチレン化合物、もしくは下記一般式(3)で表されるアセチレン基を有するかご状シルセスキオキサン化合物が好ましく挙げられ、それぞれ単独で用いても、混合して使用してもよい。環の数は1つであってもよいし、2つ以上であっても良い。
上記一般式(2)において、R11〜R15は炭素数6〜30の2価の芳香族基を示し、それぞれ独立であり、同じであっても、異なっていても良い。o、p、q、r、sは0以上の整数、tは1以上の整数であり、o+p+q+rは1以上である。R11〜R15は例えば、下記構造群に示す化合物を挙げることができる。
上記一般式(2)で表される化合物は、例えば、Mooreらの論文に記載された方法により合成することができる。これら(B)成分は、2種以上を同時に使用しても良い。
一般式(3)において、R16は、水素、炭素数1〜30のアルキル基、シリル基、芳香族基、または、下記一般式(4)で表されるアセチレン含有基のいずれかを示し、u個あるR16は同じであっても、異なっていても良いが、2個以上の一般式(4)で表されるアセチレン含有基を含む。また、uは6〜64までの整数である。またアルキル基、シリル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。
一般式(4)の具体例を下記構造群すがこれに限定されない。
本発明の耐熱性樹脂組成物に含有される重合体は、上記(A)成分と(B)成分を反応させて得られるものであるが、さらに(D)成分として下記一般式(8)および/または下記一般式(9)で表される化合物を(B)成分と併用し、これらを(A)成分と反応させ、重合体を製造することもできる。
本発明の耐熱性樹脂組成物において、(D)成分を用いることにより、クラック耐性により優れる塗膜が得られる。上記一般式(8)において、Arは炭素数6〜30までの2価の芳香族基である。Arの好ましい具体例として下記構造群を挙げることができる。
また、R49は炭素数1〜30、好ましくは1〜10のアルキル基、シリル基または芳香族基である。また、アルキル基またはシリル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。R49の好ましい具体例として、下記構造群に示す化合物を挙げることができる。
上記一般式(8)で表される(D)成分の具体例としては、例えば、下記構造群(12−1〜12−16)に示す化合物を挙げることができる。
本発明の耐熱性樹脂組成物は、上記(A)成分および(B)成分、好ましくは、さらに(D)成分を含む成分を溶剤中で反応させた重合体を含有する。この重合には、(A)成分中のジエンと成分(B)、(D)中のアセチレンとのディールスアルダー反応が関与する。
この際に使用する溶剤としては、例えば、n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、i−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、i−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、i−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−i−プロピルベンゼン、n−アミルナフタレン、トリメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒;ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチルなどのエステル系溶媒;エチルエーテル、i−プロピルエーテル、n−ブチルエーテル、n−ヘキシルエーテル、2−エチルヘキシルエーテル、エチレンオキシド、1,2−プロピレンオキシド、ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、ジオキサン、ジメチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノ−2−エチルブチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、テトラエチレングリコールジ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジフェニルエーテルなどのエーテル系溶媒;N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドンなどの含窒素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、2−ヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、ジアセトンアルコール、アセトフェノン、フェンチョンなどのケトン系溶媒を挙げることができる。
これらの中で、特にN−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、トリメチルベンゼン、ジフェニルエーテルが好ましい。これらの溶剤は、1種または2種以上を同時に使用しても良い。
本発明の耐熱性樹脂組組成物は、上記反応溶媒中で(A)成分と(B)成分、好ましくはさらに(D)成分を含む成分と反応させることにより得られるが、(B)成分は単独で反応させてポリマーとすることも可能である。
(A)、(B)、(D)成分の使用割合としては、(A)成分1モルに対する(B)成分および(D)成分が0.01〜30モルが好ましく、より好ましくは0.05〜12モルである。(B)成分および(D)成分の使用割合が0.01モル未満の場合や、30モルを超える場合は、得られる塗膜の機械的強度が劣る傾向がある。(B)成分と(D)成分とはそれぞれ単独で用いても良いが、好ましくは(B)成分1モルに対して(D)成分が0〜100モル、さらに好ましくは0〜10モルの範囲で併用するのが良い。(B)成分が少ないとポリマー中の空孔率が少なくなり、誘電率の低減効果が低くなる傾向がある。
また、反応中における(A)成分と(B)成分および(D)成分の総量の濃度は、通常、2〜80重量%、好ましくは5〜50重量%である。
さらに、上記重合体を重合する際の重合温度は、通常、50〜250℃、好ましくは80〜220℃である。また、重合時間は、通常、0.5〜100時間、好ましくは1〜40時間である。なお、上記重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量は、通常、1,000〜1,000,000である。
特に、塗膜の機械特性を向上させるために、(A)成分の一般式(1)中のhが3以上、または(B)もしくは(D)いずれかの成分の分子中の3重結合の数が4つ以上である化合物を用いることが好ましい。
次に(C)成分として用いる有機溶剤について説明する。本発明の耐熱性樹脂組成物は、(A)成分と(B)成分、必要に応じ(D)成分との反応重合体と、(C)成分としての有機溶剤を含有する。この際使用する(C)成分としては、先に述べた反応溶剤と同様な溶剤を挙げることができる。(C)成分は、1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
また、本発明の耐熱性樹脂組成物は、塗膜の架橋密度を向上させるため、(E)成分としてラジカル発生剤を含有することが好ましい。
この際のラジカル発生剤としては、例えば、イソブチリルパーオキサイド、α,α′−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ−nプロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、ジメトキブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、スクシニックパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、m−トルオイルアンドベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルパーオキシ−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロデカン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t− ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ヘキシルヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジベンジル、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、α,α′−ジメトキシ−α,α′−ジフェニルビベンジル、α,α′−ジフェニル−α−メトキシビベンジル、α,α′−ジフェニル−α,α′−ジメトキシビベンジル、α,α′−ジメトキシ−α,α′−ジメチルビベンジル、α,α′−ジメトキシビベンジル、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニル−n−ヘキサン、2,2,3,3−テトラフェニルコハク酸ニトリルなどを挙げることができる。これらは、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
(A)成分と(B)成分、好ましくはさらに(D)成分から得られる重合体に対する(E)成分の使用割合は、重合体100重量部に対して0.1〜30重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜25重量部である。(E)成分の使用割合が0.1重量部未満であると、塗膜の耐熱性が劣る場合がある。一方30重量部を超えると、塗膜の塗布均一性が劣るものとなる傾向がある。
本発明の耐熱性樹脂組成物には、塗膜の強度向上、膜表面の平坦性の向上、SiNなどの下地基板との密着性向上のために、さらにコロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、有機ポリマー、界面活性剤、シランカップリング剤、トリアゼン化合物などの成分を添加してもよい。
コロイド状シリカとは、例えば、高純度の無水ケイ酸を上記親水性有機溶媒に分散した分散液が挙げられ、通常、平均粒径が5〜30μm、好ましくは10〜20μm、固形分濃度が10〜40重量%程度のものである。このような、コロイド状シリカとしては、例えば、メタノールシリカゾルおよびイソプロパノールシリカゾル[日産化学工業(株)製]、オスカル[触媒化成工業(株)製]などが挙げられる。
コロイド状アルミナとしては、アルミナゾル520、同100、同200[日産化学工業(株)製]、アルミナクリアーゾル、アルミナゾル10、同132[川研ファインケミカル(株)製]などが挙げられる。
有機ポリマーとしては、例えば、糖鎖構造を有する重合体、ビニルアミド系重合体、(メタ)アクリル系重合体、芳香族ビニル化合物系重合体、デンドリマー、ポリイミド,ポリアミック酸、ポリアリーレン、ポリアミド、ポリキノキサリン、ポリオキサジアゾール、フッ素系重合体、ポリアルキレンオキサイド構造を有する重合体などを挙げることができる。これらの有機ポリマーの構造は、線状より、分岐状のほうが好ましい。
上記ポリアルキレンオキサイド構造としては、ポリメチレンオキサイド構造、ポリエチレンオキサイド構造、ポリプロピレンオキサイド構造、ポリテトラメチレンオキサイド構造、ポリブチレンオキシド構造などが挙げられる。ポリアルキレンオキサイド構造を有する重合体の具体例としては、ポリオキシメチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、アルキルフェノールホルマリン縮合物の酸化エチレン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのエーテル型化合物、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド硫酸塩などのエーテルエステル型化合物、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエーテルエステル型化合物などを挙げることができる。ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマーとしては、下記のようなブロック構造を有する化合物が挙げられる。
−(X′)l −(Y′)m −
−(X′)l −(Y′)m −(X′)n −
〔式中、X′は−CH2 CH2 O−で表される基を、Y′は−CH2 CH(CH3 )O−で表される基を示し、lは1〜90、mは10〜99、nは0〜90の数を示す。〕 これらの中で、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、などのエーテル型化合物をより好ましい例として挙げることができる。これらは、1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
−(X′)l −(Y′)m −(X′)n −
〔式中、X′は−CH2 CH2 O−で表される基を、Y′は−CH2 CH(CH3 )O−で表される基を示し、lは1〜90、mは10〜99、nは0〜90の数を示す。〕 これらの中で、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、などのエーテル型化合物をより好ましい例として挙げることができる。これらは、1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられ、さらには、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、ポリ(メタ)アクリレート系界面活性剤などを挙げることができ、好ましくはフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤を挙げることができる。これら界面活性剤の分子構造は、線状よりも分岐状のほうが好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、1,1,2,2−テトラフロロオクチル(1,1,2,2−テトラフロロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフロロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、パーフロロドデシルスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフロロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロデカン、N−[3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]−N,N′−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタイン、パーフルオロアルキルスルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル−N−エチルスルホニルグリシン塩、リン酸ビス(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−エチルアミノエチル)、モノパーフルオロアルキルエチルリン酸エステルなどの末端、主鎖および側鎖の少なくとも何れかの部位にフルオロアルキルまたはフルオロアルキレン基を有する化合物からなるフッ素系界面活性剤を挙げることができる。また、市販品としては、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183〔以上、大日本インキ化学工業(株)製〕、エフトップEF301、同303、同352〔新秋田化成(株)製〕、フロラードFC−430、同FC−431〔住友スリーエム(株)製〕、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106〔旭硝子(株)製〕、BM−1000、BM−1100〔裕商(株)製〕、NBX−15〔(株)ネオス〕などの名称で市販されているフッ素系界面活性剤を挙げることができる。これらの中でも、上記メガファックF172,BM−1000,BM−1100,NBX−15が特に好ましい。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、SH28PA、SH7PA、SH21PA、SH30PA、ST94PA〔いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製〕などを用いることが出来る。これらの中でも、上記SH28PA、SH30PAが特に好ましい。
界面活性剤の使用量は、(A)成分と(B)成分、好ましくはさらに(D)成分からなる重合体100重量部に対して、通常、0.00001〜1重量部である。これらは、1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
シランカップリング剤としては、例えば、3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アミノグリシジロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらは、1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
トリアゼン化合物としては、例えば、1,2−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)ベンゼン、1,3−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)ベンゼン、1,4−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)ベンゼン、ビス(3,3−ジメチルトリアゼニルフェニル)エーテル、ビス(3,3−ジメチルトリアゼニルフェニル)メタン、ビス(3,3−ジメチルトリアゼニルフェニル)スルホン、ビス(3,3−ジメチルトリアゼニルフェニル)スルフィド、2,2−ビス〔4−(3,3−ジメチルトリアゼニルフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(3,3−ジメチルトリアニルフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,3,5−トリス(3,3−ジメチルトリアゼニル)ベンゼン、2,7−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)−9,9−ビス[4−(3,3−ジメチルトリアゼニル)フェニル]フルオレン、2,7−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)−9,9−ビス[3−メチル−4−(3,3−ジメチルトリアゼニル)フェニル]フルオレン、2,7−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)−9,9−ビス[3−フェニル−4−(3,3−ジメチルトリアゼニル)フェニル]フルオレン、2,7−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)−9,9−ビス[3−プロペニル−4−(3,3−ジメチルトリアゼニル)フェニル]フルオレン、2,7−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)−9,9−ビス[3−フルオロ−4−(3,3−ジメチルトリアゼニル)フェニル]フルオレン、2,7−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)−9,9−ビス[3,5−ジフルオロ−4−(3,3−ジメチルトリアゼニル)フェニル]フルオレン、2,7−ビス(3,3−ジメチルトリアゼニル)−9,9−ビス[3−トリフルオロメチル−4−(3,3−ジメチルトリアゼニル)フェニル]フルオレンなどが挙げられる。これらは、1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
本発明の耐熱性樹脂組成物の全固形分濃度は、好ましくは、2〜30重量%であり、使用目的に応じて適宜調整される。該組成物の全固形分濃度が2〜30重量%であると、塗膜の膜厚が適当な範囲となり、保存安定性もより優れるものである。
本発明の耐熱性樹脂組成物を、シリコンウエハ、SiO2ウエハ、SiNウエハなどの基材に塗布する際には、スピンコート、浸漬法、ロールコート法、スプレー法などの塗装手段が用いられる。
この際の膜厚は、乾燥膜厚として、1回塗りで厚さ0.05〜1.5μm程度、2回塗りでは厚さ0.1〜3μm程度の塗膜を形成することができる。その後、常温で乾燥するか、あるいは80〜600℃程度の温度で、通常、5〜240分程度加熱して乾燥することにより、層間絶縁膜となる塗膜(硬化膜)を形成することができる。この際の加熱方法としては、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用することができ、加熱雰囲気としては、大気下、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空下、酸素濃度をコントロールした減圧下などで行うことができる。また、電子線や紫外線を照射することによっても塗膜を形成させることができる。
このようにして得られる層間絶縁膜は、耐熱性、比誘電率3.0以下の低誘電性、クラック耐性に優れることから、LSI、システムLSI、DRAM、SDRAM、RDRAM、D−RDRAMなどの半導体素子用層間絶縁膜や、エッチングストッパー膜やCMPストッパー膜、半導体素子の表面コート膜などの保護膜、多層レジストを用いた半導体作製工程の中間層や反射防止膜、多層配線基板の層間絶縁膜、液晶表示素子用の保護膜や絶縁膜などの用途に有用である。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中における耐熱性樹脂組成物の各評価は、次のようにして測定したものである。
(1)重量平均分子量(Mw)
ゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)(装置:Waters製Model510、カラム:東ソー(株)製TSKガードカラムα;TSK−GELα−2500;TSK−GELα−4000)を接続し、展開溶媒として、N−メチルピロリドン(LiCl(0.05mol/l), H3PO4 (0.05 mol/l))を用い、流速0.4 ml/minで標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量(Mw)を測定した。
ゲルパーミネーションクロマトグラフィー(GPC)(装置:Waters製Model510、カラム:東ソー(株)製TSKガードカラムα;TSK−GELα−2500;TSK−GELα−4000)を接続し、展開溶媒として、N−メチルピロリドン(LiCl(0.05mol/l), H3PO4 (0.05 mol/l))を用い、流速0.4 ml/minで標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量(Mw)を測定した。
(2)クラック耐性
4インチシリコンウエハ上に、スピンコート法を用いて組成物試料を塗布し、ホットプレート上で80℃で1分間、さらに400℃の窒素雰囲気のオーブン(光洋サーモシステムズ(株)製)中で30分基板を焼成した。この際の最終的な塗膜の膜厚は、2μmとした。得られた塗膜付き基板を純水中に2時間浸漬し、塗膜の外観を表面観察用ランプで観察し、下記基準で評価した。○;塗膜表面にクラックが認められない。
×;塗膜表面にクラックが認められる。
4インチシリコンウエハ上に、スピンコート法を用いて組成物試料を塗布し、ホットプレート上で80℃で1分間、さらに400℃の窒素雰囲気のオーブン(光洋サーモシステムズ(株)製)中で30分基板を焼成した。この際の最終的な塗膜の膜厚は、2μmとした。得られた塗膜付き基板を純水中に2時間浸漬し、塗膜の外観を表面観察用ランプで観察し、下記基準で評価した。○;塗膜表面にクラックが認められない。
×;塗膜表面にクラックが認められる。
(3)5%重量減少温度(Td5)
4インチシリコンウエハ上に、スピンコート法を用いて組成物試料を塗布し、ホットプレート上で80℃で1分間、さらに400℃の窒素雰囲気のオーブン中で30分基板を焼成した。この基板から塗膜を剥離し、熱重量測定装置TGA−50(島津製作所(株)製)を用い、窒素雰囲気中、昇温速度10℃/分の条件で熱重量減少率を測定し、測定開始時重量に対し重量減少率5%の時の温度を求めた。
4インチシリコンウエハ上に、スピンコート法を用いて組成物試料を塗布し、ホットプレート上で80℃で1分間、さらに400℃の窒素雰囲気のオーブン中で30分基板を焼成した。この基板から塗膜を剥離し、熱重量測定装置TGA−50(島津製作所(株)製)を用い、窒素雰囲気中、昇温速度10℃/分の条件で熱重量減少率を測定し、測定開始時重量に対し重量減少率5%の時の温度を求めた。
(4)赤外吸収スペクトル(IR)
KBr法で測定した。装置:FT−720(堀場製作所(株)製)
合成例1 環状芳香族アセチレン(11−3)の合成
化合物Aの合成
下記の反応式に従って合成した。
KBr法で測定した。装置:FT−720(堀場製作所(株)製)
合成例1 環状芳香族アセチレン(11−3)の合成
化合物Aの合成
下記の反応式に従って合成した。
化合物Bの合成
下記の反応式に従って合成した。
下記の反応式に従って合成した。
化合物Cの合成
下記の反応式に従って合成した。
下記の反応式に従って合成した。
化合物Dの合成
上記の反応式に従って合成した。
上記の反応式に従って合成した。
化合物Eの合成
上記の反応式に従って合成した。
上記の反応式に従って合成した。
化合物Fの合成
上記の反応式に従って合成した。
上記の反応式に従って合成した。
化合物Gの合成
上記の反応式に従って合成した。
上記の反応式に従って合成した。
環状芳香族アセチレン(11−3)の合成
上記の反応式に従って合成した。
上記の反応式に従って合成した。
実施例1
化合物(11−3)3gと化合物(10−1、Y:C=O)(みどり化学(株)製)6.90gを蒸留N−メチルピロリドン60gに溶解させ、窒素雰囲気下で200℃、10時間反応させることによって、反応液Aを得た。このようにして得られた重合体の重量平均分子量は、3400であった。
化合物(11−3)3gと化合物(10−1、Y:C=O)(みどり化学(株)製)6.90gを蒸留N−メチルピロリドン60gに溶解させ、窒素雰囲気下で200℃、10時間反応させることによって、反応液Aを得た。このようにして得られた重合体の重量平均分子量は、3400であった。
実施例2
化合物(11−3)3gと化合物(10−3、Y:C=O)7.82gを蒸留γ−ブチロラクトン60gに溶解させ、窒素雰囲気下で200℃、10時間反応させることによって、反応液Bを得た。このようにして得られた重合体の重量平均分子量は、4400であった。
化合物(11−3)3gと化合物(10−3、Y:C=O)7.82gを蒸留γ−ブチロラクトン60gに溶解させ、窒素雰囲気下で200℃、10時間反応させることによって、反応液Bを得た。このようにして得られた重合体の重量平均分子量は、4400であった。
実施例3
化合物(11−5)3.84gと化合物(10−1、Y:Si(CH3)2)3.50gとN−メチルピロリドン60gに溶解させ、窒素雰囲気下で170℃、15時間反応させることによって、反応液Cを得た。このようにして得られた重合体の重量平均分子量は、3800であった。
化合物(11−5)3.84gと化合物(10−1、Y:Si(CH3)2)3.50gとN−メチルピロリドン60gに溶解させ、窒素雰囲気下で170℃、15時間反応させることによって、反応液Cを得た。このようにして得られた重合体の重量平均分子量は、3800であった。
実施例4
化合物(11−3)3gと化合物(10−3、Y:Si(CH3)2)4.21g、化合物(12−13)0.25gを蒸留γ−ブチロラクトン60gに溶解させ、窒素雰囲気下で200℃、10時間反応させることによって、反応液Dを得た。このようにして得られた重合体の重量平均分子量は、4300であった。
化合物(11−3)3gと化合物(10−3、Y:Si(CH3)2)4.21g、化合物(12−13)0.25gを蒸留γ−ブチロラクトン60gに溶解させ、窒素雰囲気下で200℃、10時間反応させることによって、反応液Dを得た。このようにして得られた重合体の重量平均分子量は、4300であった。
実施例5
反応溶液Bに2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンを重合体に対して1wt%加え、反応溶液Eを得た。
反応溶液Bに2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンを重合体に対して1wt%加え、反応溶液Eを得た。
実施例6
合成例2で得られた反応液Aを、0.2μm孔径のデュポン社製ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))製フィルターでろ過を行い、本発明の耐熱性樹脂組成物を得た。得られた組成物をスピンコート法でシリコンウエハ上に塗布した。塗膜は2μmの膜厚でもクラックが生じておらず、高いクラック耐性を示した。また、塗膜の5%重量減少温度を測定したところ、560℃と優れた耐熱性を示した。
合成例2で得られた反応液Aを、0.2μm孔径のデュポン社製ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))製フィルターでろ過を行い、本発明の耐熱性樹脂組成物を得た。得られた組成物をスピンコート法でシリコンウエハ上に塗布した。塗膜は2μmの膜厚でもクラックが生じておらず、高いクラック耐性を示した。また、塗膜の5%重量減少温度を測定したところ、560℃と優れた耐熱性を示した。
実施例7〜10
実施例6と同様にして、表1に示す組成で評価を行った。
実施例6と同様にして、表1に示す組成で評価を行った。
実施例11
窒素雰囲気下、オクタフェニルPOSS(ハイブリットプラスチック社)12.1g(11.7mmol)に臭素15g(94.2mmol)を室温で加え、3時間攪拌した。その後、四塩化炭素を50ml加えさらに4時間攪拌した。この中に、亜硫酸水素ナトリウム飽和水溶液を加え、攪拌し、水洗後、有機層を抽出した。この有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターで濃縮、さらに減圧乾燥機で乾燥し、12.4g(収率63.6%)の臭素化物を得た。IR:750、2923、3058cm-1(フェニル基)、1118cm-1(シロキサン)。
窒素雰囲気下、オクタフェニルPOSS(ハイブリットプラスチック社)12.1g(11.7mmol)に臭素15g(94.2mmol)を室温で加え、3時間攪拌した。その後、四塩化炭素を50ml加えさらに4時間攪拌した。この中に、亜硫酸水素ナトリウム飽和水溶液を加え、攪拌し、水洗後、有機層を抽出した。この有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターで濃縮、さらに減圧乾燥機で乾燥し、12.4g(収率63.6%)の臭素化物を得た。IR:750、2923、3058cm-1(フェニル基)、1118cm-1(シロキサン)。
次に、窒素雰囲気下、前述の臭素化物10g(6.0mmol)に、フェニルアセチレン 7.35g(72mmol)、よう化銅0.3g、トリフェニルホスフィン0.68g、ジクロロビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(II)0.03gをトリエチルアミン100mlに溶解させ、80℃で12時間攪拌した。析出した塩を濾過で取り除き、エバポレーターで溶媒を留去した。この反応物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:ヘキサン=2:1)で精製しアセチレン基を有するかご状シルセスキオキサン化合物(POSS−A)を3g得た。IRのピークからアセチレンのピークがあり、目的物であることが確認された。IR:2217cm-1(アセチレン)、688、754、2923、3056cm-1(フェニル基)、1118cm-1(シロキサン)。
実施例12
窒素雰囲気下、ドデカフェニルPOSS(ハイブリットプラスチック社)2.4g(1.51mmol)に臭素2.9g(18.2mmol)を室温で加え、3時間攪拌した。その後、四塩化炭素を50ml加えさらに4時間攪拌した。この中に、亜硫酸水素ナトリウム飽和水溶液を加え、攪拌し、水洗後、有機層を抽出した。この有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターで濃縮、さらに減圧乾燥機で乾燥し、2.1gの臭素化物を得た。IR:1132cm-1(シロキサン)、750、2917、3052cm-1(フェニル基)。
窒素雰囲気下、ドデカフェニルPOSS(ハイブリットプラスチック社)2.4g(1.51mmol)に臭素2.9g(18.2mmol)を室温で加え、3時間攪拌した。その後、四塩化炭素を50ml加えさらに4時間攪拌した。この中に、亜硫酸水素ナトリウム飽和水溶液を加え、攪拌し、水洗後、有機層を抽出した。この有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターで濃縮、さらに減圧乾燥機で乾燥し、2.1gの臭素化物を得た。IR:1132cm-1(シロキサン)、750、2917、3052cm-1(フェニル基)。
次に、窒素雰囲気下、前述の臭素化物2g(0.8mmol)に、フェニルアセチレン 1.5g(14.4mmol)、よう化銅0.06g、トリフェニルホスフィン0.13g、ジクロロビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(II)0.07gをトリエチルアミン100mlに溶解させ、80℃で12時間攪拌した。析出した塩を濾過で取り除き、エバポレーターで溶媒を留去した。この反応物をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:ヘキサン=2:1)で精製しアセチレン基を有するかご状シルセスキオキサン化合物(POSS−B)を0.5g得た。IR:1130cm-1(シロキサン)、688、752、2925、3058cm-1(フェニル基)。
実施例13
化合物(POSS−A)0.25gと化合物(10−1、Y:C=O)0.12g、(10−3、Y:C=O)0.12gを蒸留γ−ブチロラクトン4gに溶解させ、窒素雰囲気下で200℃、10時間反応させることによって、反応液Fを得た。このようにして得られた重合体の重量平均分子量は、4200であった。
化合物(POSS−A)0.25gと化合物(10−1、Y:C=O)0.12g、(10−3、Y:C=O)0.12gを蒸留γ−ブチロラクトン4gに溶解させ、窒素雰囲気下で200℃、10時間反応させることによって、反応液Fを得た。このようにして得られた重合体の重量平均分子量は、4200であった。
実施例14
化合物(POSS−B)0.25gと化合物(10−3、Y:C=O)0.12g、(10−3、Y:C=O)0.12gを蒸留γ−ブチロラクトン4gに溶解させ、窒素雰囲気下で200℃、10時間反応させることによって、反応液Gを得た。このようにして得られた重合体の重量平均分子量は、6000であった。
化合物(POSS−B)0.25gと化合物(10−3、Y:C=O)0.12g、(10−3、Y:C=O)0.12gを蒸留γ−ブチロラクトン4gに溶解させ、窒素雰囲気下で200℃、10時間反応させることによって、反応液Gを得た。このようにして得られた重合体の重量平均分子量は、6000であった。
実施例15
化合物(POSS−B)0.25gと化合物(10−3、Y:C=O)0.25gを蒸留γ−ブチロラクトン4gに溶解させ、窒素雰囲気下で200℃、10時間反応させることによって、反応液Hを得た。このようにして得られた重合体の重量平均分子量は、55000であった。
化合物(POSS−B)0.25gと化合物(10−3、Y:C=O)0.25gを蒸留γ−ブチロラクトン4gに溶解させ、窒素雰囲気下で200℃、10時間反応させることによって、反応液Hを得た。このようにして得られた重合体の重量平均分子量は、55000であった。
実施例16〜18
実施例6と同様にして、表1に示す組成で評価を行った。
実施例6と同様にして、表1に示す組成で評価を行った。
比較例1
石英製セパラブルフラスコ中で、メチルトリメトキシシラン77.04gとテトラメトキシシラン24.05gとテトラキス(アセチルアセトナート)チタン0.48gを、プロピレングリコールモノプロピルエーテル290gに溶解させたのち、スリーワンモーターで攪拌させ、溶液温度を60℃に安定させた。次に、イオン交換水84gを1時間かけて溶液に添加した。その後、60℃で2時間反応させたのち、アセチルアセトン25gを添加し、さらに30分間反応させ、反応液を室温まで冷却した。50℃で反応液からメタノールと水を含む溶液を149gエバポレーションで除去し、反応液Fを得た。このようにして得られた加水分解縮合物(加水分解物および/またはその縮合物)の重量平均分子量は、8,900であった。この反応溶液Iを用いて、実施例1のように評価した。結果を表1に示す。
石英製セパラブルフラスコ中で、メチルトリメトキシシラン77.04gとテトラメトキシシラン24.05gとテトラキス(アセチルアセトナート)チタン0.48gを、プロピレングリコールモノプロピルエーテル290gに溶解させたのち、スリーワンモーターで攪拌させ、溶液温度を60℃に安定させた。次に、イオン交換水84gを1時間かけて溶液に添加した。その後、60℃で2時間反応させたのち、アセチルアセトン25gを添加し、さらに30分間反応させ、反応液を室温まで冷却した。50℃で反応液からメタノールと水を含む溶液を149gエバポレーションで除去し、反応液Fを得た。このようにして得られた加水分解縮合物(加水分解物および/またはその縮合物)の重量平均分子量は、8,900であった。この反応溶液Iを用いて、実施例1のように評価した。結果を表1に示す。
比較例2
化合物(10−3)7.83gと化合物(12−5)3.87gをN−メチルピロリドン60gに溶解させ、窒素雰囲気下で200℃で10時間反応させることによって、反応液Jを得た。このようにして得られた重合体の平均分子量は2500であった。この反応溶液Gを用いて、実施例6のように評価した。結果を表1に示す。
化合物(10−3)7.83gと化合物(12−5)3.87gをN−メチルピロリドン60gに溶解させ、窒素雰囲気下で200℃で10時間反応させることによって、反応液Jを得た。このようにして得られた重合体の平均分子量は2500であった。この反応溶液Gを用いて、実施例6のように評価した。結果を表1に示す。
Claims (10)
- 一般式(3)が下記一般式(5)〜(7)の中から少なくとも1つ含むことを特徴とする請求項3記載の耐熱性樹脂組成物。
- 重合体がさらに(E)成分としてラジカル発生剤を含有するものである請求項1記載の耐熱性樹脂組成物。
- (A)成分の化合物と(B)および(D)成分の化合物の使用割合が、(A)成分1モルに対して(B)および(D)成分が0.05〜2.5モルである請求項5記載の耐熱性樹脂組成物。
- 一般式(1)中のhが3以上、または(B)もしくは(D)のいずれかの成分の分子中の3重結合の数が4つ以上である請求項1または5記載の耐熱性樹脂組成物。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の耐熱性樹脂組成物を含んで成ることを特徴とする絶縁耐熱性樹脂材料。
Priority Applications (1)
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2003
- 2003-08-22 JP JP2003298347A patent/JP2004099888A/ja active Pending
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