JP2004216270A - 低誘電性表面保護膜、液晶表示素子および半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】式(I)で表される繰り返し単位を有する、ポリエーテル系樹脂を含む感光性樹脂組成物から形成される表面保護膜、およびこれを有する液晶表示素子、半導体装置。
【化1】
(式中、Aは炭素数1〜10の2価のアルキレン基、−SO2−、−SO−、−S−、−O−、または−CO−を示す。aおよびbは各々独立して0〜4の整数を示し、mは0または1の整数、nは1〜3の整数を示す。R1〜R6は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子のいずれかを示し、R1〜R4の少なくとも1つは、水素原子以外の基である。)
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性樹脂組成物から形成される表面保護膜、該表面保護膜を有する液晶表示素子並びに該表面保護膜を有する半導体装置に関する。より詳細には、低誘電性・低誘電正接に優れた特性を有し、さらには耐熱性、機械特性、低吸湿性および感光性に優れたポリエーテル系樹脂を含む感光性樹脂組成物から形成される表面保護膜、該表面保護膜を有する液晶表示素子並びに該表面保護膜を有する半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高度情報化が進む近年、情報通信技術分野は、今後も大きな進展が見込まれる。まず情報処理技術分野においては、機器の高速化・大容量化がより一層必要となり、電子回路の高密度・高精細化が求められる。また、通信技術分野においては、高周波領域の使用が拡大する傾向にある。今後発展が期待される衛星通信・衛星放送や、移動体通信ではGHz(ギガヘルツ)領域のデジタル化高周波が用いられる。よって、今後情報通信機器に用いられる回路基板には、高周波領域において誘電損失が少なく伝送特性に優れた材料を用いなければならない。このような背景から、GHz領域における低誘電正接・低誘電性に優れた特性を示す材料開発が求められてきた。
【0003】
半導体装置においては通常、最上層配線の上に配線保護を目的に表面保護膜が形成される。表面保護膜を形成することにより、半導体装置の高品質化、特性の安定化を図ることができ、半導体装置は外界の影響を受け難くなる。表面保護膜用材料は、大きく有機材料と無機材料に分類される。一般に有機材料は、窒化シリコン等の無機材料に比べ、耐熱性に劣る反面、低誘電性で優れた特性を示す。有機材料の中では高耐熱性樹脂のポリイミドが、半導体装置の表面保護膜や絶縁膜用途に多く検討されてきており、その一部は実用化されている。これらポリイミドの開発において、すでに低誘電率化を図った試みはいくつか行われてきているものの、GHz領域で低誘電性・低誘電正接性の特性を満たし実用化に耐えるポリイミドを開発するには至っていない。また、ポリイミドは最終膜形成時に前駆体の環化反応のため、300℃程度の高温下でキュアする必要があり、生産性の理由から好ましくない。また、さらにポリイミドは一般に吸水率が高く、半導体装置の信頼性低下の要因の一つとなっていた。
【0004】
耐熱性樹脂としてポリイミドと並んで知られる、ポリエーテル系樹脂(例えば、特許文献1参照)は、ポリイミド同等の高耐熱性に加え、力学的強度、寸法安定性が優れ、難燃性、電気絶縁性などを併せ持つことが知られている。また、ポリエーテル系樹脂は、ポリイミドに比べ、可視・紫外光領域で高い光線透過率を有することから、感光性を付与した場合、感度の向上につながり好ましい。ポリエーテル系樹脂のうち感光性を備えた樹脂についても報告例がある(非特許文献参照)。しかしながら上記文献には特定のポリエーテル系樹脂が耐熱性・感光性を有することについてしか記載されていなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開昭58−167622号公報
【0006】
【非特許文献】
Mohanty、D.K.et al.,Polym. Prepr., 25(2),19〜頁(1984年)
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐熱性・低吸水率に加え、特に高周波領域における低誘電率・低誘電正接に優れた特性を示す表面保護膜、およびこれを有する液晶表示素子、半導体装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本研究者らは鋭意検討した結果、特定ポリエーテル系樹脂が、ポリイミド等の一般的な耐熱性樹脂に比べ低誘電性・低吸湿性に優れた特性を示すことを見出し、これを用いることで、特に高周波領域において低誘電性・低誘電正接等に優れた特性を示す表面保護膜が製造できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
即ち本発明は、一般式(I)で表される繰り返し単位を有する、ポリエーテル系樹脂を含む感光性樹脂組成物から形成される表面保護膜、
【化2】
【0009】
(式中、Aは炭素数1〜10の2価のアルキレン基、−SO2−、−SO−、−S−、−O−、または−CO−を示す。aおよびbは各々独立して0〜4の整数を示し、mは0または1の整数、nは1〜3の整数を示す。R1〜R6は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子のいずれかを示し、R1〜R4の少なくとも1つは、水素原子以外の基である。)、該表面保護膜を有する液晶表示素子、並びに該表面保護膜を有する半導体装置に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の表面保護膜は、一般式(I)で表される繰り返し単位を有する、ポリエーテル系樹脂を含む感光性樹脂組成物から形成されることを特徴とする。
【0011】
【化3】
(式中、Aは炭素数1〜10の2価のアルキレン基、−SO2−、−SO−、−S−、−O−、または−CO−を示す。aおよびbは各々独立して0〜4の整数を示し、mは0または1の整数、nは1〜3の整数を示す。R1〜R6は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子のいずれかを示し、R1〜R4の少なくとも1つは、水素原子以外の基である。)
【0012】
表面保護膜とは、一般に半導体装置や液晶表示素子、回路材料等において、半導体層や電極、配線等の上層に形成される保護膜である。表面保護膜は、ここではパッシベーション膜、α線遮断膜およびバッファーコート膜を指す。
【0013】
本発明の一般式(I)において、Aは炭素数1〜10の2価のアルキレン基、−SO2−、−SO−、−S−、−O−、または−CO−であれば特に限定されない。炭素数1〜10の2価のアルキレン基としては、例として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。
【0014】
本発明の一般式(I)において、R1〜R6は、各々独立して、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子のいずれかを示し、R1〜R4の少なくとも1つは、水素原子以外の基であれば特に限定されない。
【0015】
本発明の一般式(I)において、R1〜R6のより好ましい態様としては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、n―プロピル基、イソプロピル基、炭素数4〜8のアルキル基等が挙げられる。
【0016】
本発明の一般式(I)において、aおよびbは各々独立して0〜4の整数である。mは0または1の整数、nは1〜3の整数であれば特に限定されない。
【0017】
本発明で使用するポリエーテル系樹脂は、いかなる方法で製造されたものであっても構わない。本発明に係わる、ポリエーテル系樹脂の好ましい製造方法は、ジオール化合物とジハライド化合物を原料として反応させる方法である。
【0018】
本発明で使用するポリエーテル系樹脂の製造に用いるジオール化合物としては例えば、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2―ビス(3’,5’−ジメチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2―ビス(3’,5’−ジメチル−4’−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ケトン、3,3’,5,5’―テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、1,1−ビス(3’,5’−ジメチル−4’−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等を挙げることができる。これらは単独で用いても構わないし、2種以上を用いて共重合体としても構わない。
【0019】
本発明で使用するポリエーテル系樹脂の製造に用いるジハライド化合物としては、ビス(4−クロロフェニル)ケトン、ビス(4−フルオロフェニル)ケトン等を挙げることができる。これらは単独で用いても構わないし、2種以上を用いて共重合体としても構わない。
【0020】
本発明に使用するポリエーテル系樹脂は、上記一般式(I)で表される構造の繰返し単位成分以外に、各種ジオールおよびジハライド化合物を、各種物性、例えば耐熱性、吸湿性、熱膨張係数、誘電率、屈折率または複屈折率等を制御することを目的に、必要に応じて共重合させても良いが、一般式(I)で表わされる構造のポリエーテル系樹脂が組成物中に5〜100重量%、より好ましくは10〜100重量%含むのが好ましい態様である。
【0021】
本発明に使用するポリエーテル系樹脂は、いかなる方法で製造されたものであっても構わず、公知の方法を利用して製造可能である。一般式(I)の化合物の製造方法としては、例えば、特開昭58−167622号公報記載の方法を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
【0022】
本発明に係わる感光性樹脂組成物には、その組成成分として、目的に応じて他のいかなる成分、例えば、増感剤、光重合開始剤、レベリング剤、カップリング剤、モノマー、オリゴマー、安定剤、湿潤剤、顔料、染料等を添加しても構わない。
【0023】
本発明の表面保護膜は、一般式(I)で表される繰り返し単位を有するポリエーテル系樹脂を含む感光性樹脂組成物から形成されれば、形成方法は特に限定されないが、例えば以下のようにして形成することができる。
【0024】
すなわち、本発明に係わる感光性樹脂組成物を、基板表面に塗布し、プリベークにより溶媒を乾燥除去することによって膜を形成できる。塗布方法としては、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法、バー塗布法などの公知の方法を適宜用いることができる。プリベークの条件は、配合成分の種類、配合割合などによっても異なるが、通常60〜200℃で0.5〜30分間程度の条件が最適である。プリベーク後の膜厚は感光性組成物の固形分濃度や塗布条件により所望の値とすることができるが、0.1〜100μm程度とすることができる。
【0025】
露光工程においては150〜500nmの紫外線及び/または近紫外―可視光線を照射するが、特に365nmの波長を中心とする波長領域が、高い効果が得られ望ましい。露光工程において、所望の形状のフォトマスクパターンを用いることができる。現像工程において、未照射部を現像液で溶解除去することでレリーフパターン状の表面保護膜を得る。現像液としては、例えばシクロペンタノン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。また、例えば上記有機溶剤2種以上を混合して用いても良い。現像によって形成した表面保護膜は、例えばメタノールやエタノール、水等を用いてリンスしても構わない。最後に加熱処理を行い、溶剤を除去する。加熱乾燥時の温度は、特に限定されないが、25℃〜300℃、より好ましくは40℃〜300℃で処理することが好ましい。また乾燥時間は通常0.5〜30分間程度で充分である。
【0026】
本発明の表面保護膜は、電子線照射法の他、フォトリソグラフィー法によりパターン形成加工が可能である。一般に、電子線照射法は、微細加工が必要であったり、シリコン基板を用いる分野には応用できない。本発明の表面保護膜は、このような分野にも広く応用可能であり、その有用性は極めて高い。
【0027】
本発明の表面保護膜は、耐熱性・低吸水率に加え、特に高周波領域における低誘電率・低誘電正接に優れた特性を示すことから、液晶表示素子、半導体装置等の用途に極めて有用である。
【0028】
本発明の液晶表示素子は、一般式(I)で表される繰り返し単位を有する、ポリエーテル系樹脂を含む感光性樹脂組成物から形成される表面保護膜を有することを特徴とする。
【0029】
本発明の液晶表示素子は、前記の表面保護膜を有していれば、その構成・構造は特に限定されない。
【0030】
本発明の液晶表示素子の製造方法は、特に限定されないが、例えば以下のようにして製造できる。すなわち、ガラス等の基板上にフォトリソグラフィー等により所望のゲート電極を設置する。ゲート電極に用いる材料としては、例えば、Taや、AlやMo、Tiなどの材料を用いることができる。このゲート電極上に、例えば窒化シリコンのような絶縁膜を形成する。絶縁膜の形成には公知のプラズマCVD法を用いることができる。この絶縁膜に、アモルファスシリコン、n+アモルファスシリコン、チャネル保護膜、ソース電極、ドレイン電極が形成できる。また、ゲート絶縁膜の上部には、ITO(Indium Tin Oxide)膜による透明電極(画素電極)を、ドレイン電極側のn+アモルファスシリコンに接するように形成する。
【0031】
以上形成された、チャネル保護膜、ソース電極、ドレイン電極、透明電極を被覆するように、本発明に係わる感光性樹脂組成物から表面保護膜を形成する。この表面保護膜の形成は、前記表面保護膜形成の処方により達成される。
【0032】
表面保護膜の上面に被処理基板としての基板を形成する。この基板上に、遮光膜用の被膜をスパッタ法等により製膜する。遮光膜用の被膜を成膜された前記基板は、その後、加熱処理されて被膜中の水分等の不純物を除去するのが望ましい。加熱処理として、例えば減圧下または窒素雰囲気下で200℃〜600℃にて30分以上の熱処理を行っても構わない。加熱処理後、PEP(Photo Engraving Process)工程にてパターニングして、液晶表示素子上の画素電極を除いた部分に遮光膜を形成する。遮光膜まで形成されたガラス基板と、別途形成された共通電極(ITO膜)を有する対向基板(第2のガラス基板)を、スペーサの高さほどのわずかな隙間を残してシール材で張り合わせた後、その隙間に液晶材を封入して、液晶表示素子を製造する。
【0033】
本発明の半導体装置は、一般式(I)で表される繰り返し単位を有する、ポリエーテル系樹脂を含む感光性樹脂組成物から形成される表面保護膜を有することを特徴とする。
【0034】
本発明の半導体装置は、前記の表面保護膜を有していれば、その構成・構造は特に限定されない。
【0035】
本発明の半導体装置の製造方法は、特に限定されないが、例えば以下のように製造できる。すなわち、Si 基板等の半導体基板上に、公知の方法で導体層および層間絶縁膜を形成し多層配線を製造した後、感光性樹脂組成物から前記の処方により表面保護膜を形成し、半導体装置を得る。形成された表面保護膜は、外部からの応力やα線等から回路を保護し、半導体装置の信頼性を高める。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何等制限されるものではない。
〔評価方法〕
実施例中の試験の試験方法は次に示すとおりである。
(イ)ポリエーテル系樹脂の対数粘度
ポリエーテル系樹脂0.50gをN−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略記することがある)100mlに溶解した後、35℃においてウベローデ型粘度計により測定した。なお、コントロールユニットとして、ラウダ製PVS1を使用した。
【0037】
(ロ)吸水率評価
50×50mm、50μm厚の膜の両面をメタノールで2回ずつ拭き取り、これを濾紙に包んで50℃設定のオーブンにて24時間乾燥させた。乾燥後、この膜を直ちにデシケータ内に移し23℃−相対湿度50%の恒温恒湿室にて秤量した(W1g)。秤量後の膜をイオン交換水に浸積し、24時間静置した。膜を水から引き上げ、直ちに表面の水を濾紙で拭き取り秤量した(W2)。吸水率は下記式
【0038】
【数1】
を算出することで求まった。なお、評価に際しては、各々3点ずつ測定を行い、これらの吸水率の平均値を示した。
【0039】
合成例1
〔ポリエーテル系樹脂溶液の製造〕
式(II)で表される繰り返し単位を有するポリエーテル系樹脂を特開昭58−167622号公報記載の方法、すなわち、2,2’−ビス(3,5―ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパンのクロロベンゼン/DMSO混合溶液を加熱し、窒素雰囲気下44.8%水酸化カリウム水溶液を滴下した後、4,4’−ジフルオロベンゾフェノンの粉末を加える方法にて合成した(ηinh 0.75dl/g)。このポリエーテル系樹脂20gにNMP80gを加えることで、20wt%NMP溶液100gを得た。
【0040】
【化4】
【0041】
〔ポリエーテル系樹脂膜の吸水率評価〕
合成例1で得られた、ポリエーテル系樹脂の20wt%NMP溶液を、スピンコート法によりガラス基板上に塗布し、窒素雰囲気下200℃−30分間乾燥し、50μm厚の膜を得た。50×50mmサイズに切り出し、吸水率評価を行ったところ、0.1%であった。
【0042】
実施例1
〔表面保護膜および液晶表示素子の製造〕
合成例1で得られた溶液を、液晶トランジスタ上にスピンコーターで塗布し、続いて150℃―5分間乾燥し表面保護膜を形成した。この保護膜の膜厚は1μmであった。得られた液晶表示素子の動作特性を評価したところ、良好な動作を確認できた。
【0043】
実施例2
〔表面保護膜および半導体装置の製造〕
市販の離型フィルム(ユーピレックス75S:宇部興産株式会社製)上に、合成例1で得られた溶液をロールコーターで、乾燥後の厚みが25μmになるように塗布し、150℃―5分間乾燥し表面保護膜を形成した。半導体素子の素子電極用メタルポストが形成された8インチシリコンウエハ上に表面保護膜を重ね合わせ、真空プレスを用いて減圧、2.0MPa下で300℃―15分間加熱・圧着を行なった。室温に冷却した後、離型フィルムを剥し、保護膜表面を機械的に研磨してメタルポスト表面を露出させ、露出したメタルポスト表面に半田ボールを形成した。ウエハーの裏面研磨を施し、チップ状にダイシングすることにより、CSPタイプの半導体装置を得た。
【0044】
合成例2
〔感光性ポリイミド前駆体組成物の製造〕
乾燥空気気流下、2リットルの4つ口フラスコに無水ピロメリット酸52.3g(0.261モル)、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物49.6g(0.16モル)、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル62.4g(0.48モル)、エタノール14.7g(0.32モル)、γ−ブチロラクトン320gを入れ、氷冷下、かきまぜながらピリジン64.2gを加えた。発熱終了後室温まで放冷し16時間放置した後、ジシクロヘキシルカルボジイミド166gをγ−ブチロラクトン120gに溶かした溶液を氷冷下、かきまぜながら40分間で加え、続いて4,4’−ジアミノジフェニルエーテル74.5g(0.372モル)をγ−ブチロラクトン150gに懸濁したものを氷冷下、かきまぜながら60分間で加えた。室温で2時間かきまぜた後、エタノール30gを加えて1時間かきまぜ、ジメチルアセトアミド250gとテトラヒドロフラン400gを加えた後、沈殿を濾過により除いて得られた反応液を15リットルのエタノールに加え、生成した沈殿を濾別した後、真空乾燥してポリマー粉末を得た。これをNMPに溶解させて、ポリマー濃度が30重量%になるように調製し、ポリマー重量に対して、NPG、BOX、NNAP、プロノン204(日本油脂株式会社製)をそれぞれ2、0.5、0.05、0.008重量%添加し、さらにワニス粘度が10ポイズ程度になるようNMPで希釈することで、公知のポリイミド前駆体組成物を得た。
【0045】
〔感光性ポリイミド膜の吸水率評価〕
合成例2により得られた、感光性ポリイミド前駆体組成物を、スピンコート法によりガラス基板上に塗布し、窒素雰囲気下4時間かけて室温から350℃まで定率で昇温し、さらに30分間加熱処理することで、50μm厚のポリイミド膜を得た。50×50mmサイズに切り出し、吸水率評価を行ったところ、2.9%であった。
【0046】
比較例1
〔表面保護膜および液晶表示素子の製造〕
合成例2で得られた溶液を、液晶トランジスタ上にスピンコーターで塗布した。続いて150℃―5分間乾燥し表面保護膜の形成を試みたが、イミド化が充分達成されず、得られた膜は脆かった。
【0047】
比較例2
〔表面保護膜および半導体装置の製造〕
市販の離型フィルム(ユーピレックス75S:宇部興産株式会社製)上に、合成例2で得られた溶液をロールコーターで、乾燥後の厚みが25μmになるように塗布した。150℃―5分間乾燥し表面保護膜の形成を試みたが、イミド化が充分達成されず得られた膜は脆かったため、半導体装置の製造には至らなかった。
【0048】
【発明の効果】
本発明は、耐熱性・低吸水率に加え、特に高周波領域における低誘電率・低誘電正接に優れた特性を示す表面保護膜、およびこれを有する液晶表示素子、半導体装置を提供することが可能となった。
Claims (3)
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