JP4841128B2 - 光電変換装置およびそれを用いた光発電装置 - Google Patents

光電変換装置およびそれを用いた光発電装置 Download PDF

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Description

本発明は、高い光電変換効率が期待できる新規な材料を用いた太陽電池や受光素子等の光電変換装置およびそれを用いた光発電装置に関するものである。
光電変換装置の一つである色素増感型太陽電池は、高温処理や真空装置を必要としないことから低コスト化に有利であると考えられ、近年急速に研究開発が進められている。この色素増感型太陽電池は、例えば、導電性ガラス基板上に粒径20nm程度の微粒子を焼結して得られる多孔質酸化チタン層を設け、この多孔質酸化チタン層の粒子表面に色素を単分子吸着させた電極を光作用極として用い、白金をスパッタした導電性ガラス対極との間に、ヨウ素/ヨウ化物レドックス対を含む電解質溶液を満たし、この電解質溶液を封止した構造を有する。このような多孔質化により光作用極の表面積を1000倍以上に高めて、吸着色素による光吸収を効率よく行ない光発電することができる。
しかし、高変換効率を与える金属錯体色素とりわけルテニウム錯体色素は、短波長光感度を有する色素であり、このような色素を多孔質半導体層に担持した単独の光電変換装置では変換効率が不十分であった。このため、長波長光感度を高めたブラックダイ等の新しいルテニウム錯体色素が開発され、光吸収波長域が長波長領域に拡大されたが、期待されたほどの変換効率の向上に至っていない。
また、ルテニウムは希少金属であり、高価であるため、金属フリー、特にルテニウムの無い有機色素が種々開発されているが、ルテニウム錯体色素を超えるものは見出されておらず、精力的に研究開発が行なわれている。
また、有機色素では、色素に長波長感度を持たせるために、色素分子の共役長を大きくする等の手法が研究開発されている。このように、変換効率に限っても市場投入に至るには厳しい状況であり、更なる光電変換効率の向上が必要とされている。
これに対し、非特許文献1では、5,10,15,20−テトラキス(4−カルボキシフェニル)ポルフィリン等について、光電変換特性を検討した結果が報告されている。しかしながら、その光電変換特性は実用化し得る状態には至っていない。
次に、色素が単独でない従来の光電変換装置、および色素を担持した多孔質半導体層が単独でない光電変換装置の例について説明する。
特許文献1には、少なくとも2種の異なった色素からなる色素層を用いて、光吸収波長領域を有効に利用した太陽電池が開示されている。具体的には、このような太陽電池は、所定の極性に帯電した第1の色素を含む溶液に多孔質半導体層を接触させて、前記第1の色素を吸着させる工程と、前記第1の色素とは逆極性に帯電した第2の色素を含む溶液に第2の色素を接触させて、第1の色素に第2の色素を吸着させる工程により形成される。
また、特許文献2には、2種の異なった色素がそれぞれ異なった入射波長に対入射光量子収率の最大値を示す色素であり、広範囲の波長の光を利用し、高い変換効率を有する光電変換装置が開示されている。
また、特許文献3には、異なる吸収波長を有する色素を担持した複数の半導体層を有する太陽電池(光電変換素子)が開示されている。この太陽電池の作製を行なう場合、酸化物半導体粒子に色素を吸着させ、乾燥させた後、アルコールに溶解したバインダと混合しペースト化したものを使用して成膜・乾燥させる工程を繰り返すことにより、それぞれの色素を吸着させた酸化物半導体層を形成させている。
また、特許文献4に開示されている色素増感型太陽電池によれば、増感色素として異なる最大光吸収波長を有する少なくとも2種の色素が互いに化学吸着結合した複合体色素を吸着した多孔質半導体層を備え、2つの発色系を有することにより、従来の太陽電池に比べて、光吸収波長領域が広く、光吸収量が多く、光電変換効率の高い太陽電池を提供することができるとしている。具体的には、透明基板の表面に形成された透明導電膜と導電性基板との間に、色素が吸着された多孔質半導体層とキャリア輸送層とを有する色素増感型太陽電池の作製方法において、(1)多孔質半導体層を形成した基板を最大感度波長領域が短い第1色素を溶解した溶液に浸漬して、第1色素を多孔質半導体層に吸着させるか、あるいは透明導電膜を形成した基板を多孔質半導体層となる半導体材料と第1色素との混合溶液に浸漬し、電気化学反応により第1色素が吸着された多孔質半導体層を透明導電膜上に形成し、次いで、第1色素が吸着された多孔質性半導体層を最大感度波長領域が長い第2色素を溶解した溶液に浸漬し、第1色素(カルボキシル基を有する)と第2色素(水酸基を有する)とを化学反応(化学吸着結合)させて、複合体色素を形成することを特徴とするものがある。また、(2)最大感度波長領域が短い第1色素と最大感度波長領域が長い第2色素とを化学反応(化学吸着結合)させて、複合体色素を調製し、次いで、多孔質半導体層を形成した基板を複合体色素を溶解した溶液に浸漬して、複合体色素を多孔質半導体層に吸着させることを特徴とするものが提案されている。
ティングリ・マ(Tingli Ma),他8名、「フォトエレクトロケミカル・プロパティーズ・オブ・TiO2・エレクトローズ・センシタイズド・バイ・ポルフィリン・デリバティブズ・ウイズ・ディファレント・ナンバーズ・オブ・カルボキシル・グループス(Photoelectrochemical properties of TiO2 electrodes sensitized by porphyrin derivatives with different numbers of carboxyl groups)」,ジャーナル・オブ・エレクトロアナリティカル・ケミストリィ(Journal of Electroanalytical Chemistry),2002年,第537巻,p.31−38 特開2000−195569号公報 特開2000−268892号公報 特開2000−243466号公報 特開2002−343455号公報
上述したように、色素増感型太陽電池は、高温処理や真空装置を必要としないことから最も低コストで製造が可能な太陽電池と考えられている。しかしながら、変換効率が低く、バルク型結晶系シリコン太陽電池や積層型薄膜シリコン系太陽電池に及ばない。この変換効率向上が第1の課題である。また、長波長光感度を高めたブラックダイ等の新しいルテニウム錯体色素が開発されたが、期待されたほどの変換効率の向上に至っていない。さらに、金属フリー、特にルテニウムの無い有機色素がいろいろと開発されているが、ルテニウム錯体色素を超えるものは見出されておらず、様々な研究開発が盛んに行なわれている。例えば、色素に長波長感度を持たせるために、色素分子の共役長を大きくする等の手法が行なわれているが、色素分子自身も大きくなり、高分子量化するため、溶媒への溶解が困難となり、多孔質の酸化物半導体への吸着が困難となる。
前述のように、非特許文献1に開示された技術によれば、5,10,15,20−テトラ(4−カルボキシフェニル)ポルフィリン等について、光電変換特性を検討した結果が報告されている。しかしながら、その光電変換特性は実用化しうる状態には至っていない。
特許文献1および特許文献2に開示された技術によれば、少なくとも2種の異なった色素からなる色素層を用いて、光吸収波長領域を有効に利用できるとされている。具体的には、所定の極性に帯電した第1の色素を含む溶液に多孔質半導体層を接触させて、前記第1の色素を吸着させる工程と、前記第1の色素とは逆極性に帯電した第2の色素を含む溶液に第1の色素を接触させて、第1の色素に第2の色素を吸着させる工程により形成される。このように2種以上の異なった色素からなる色素層を用いた太陽電池では、2種の色素間の工程中の相互作用によって様々な支障がでて光電変換効率が不安定となり、多孔質半導体層への担持工程が増える問題がある。また、2種以上の異なった色素を同時に吸着させる場合、各色素の吸着速度が異なるために、所定量の色素を吸着させることが困難である。
また、特許文献3においては、異なる吸収波長を有する色素を担持した複数の半導体層を有する太陽電池(光電変換素子)が提案されている。この太陽電池の作製を行なう場合は、酸化物半導体粒子に色素を吸着させ、乾燥させた後、アルコールに溶解したバインダと混合しペースト化したものを使用して成膜・乾燥させる工程を繰り返すことにより、それぞれの色素を吸着させた酸化物半導体層を形成させている。このような作製方法では、焼結工程が行なえないため、酸化物半導体粒子間の接触が悪く、抵抗が大きくなり高性能な太陽電池の作製は不可能である。
また、特許文献4に開示された色素増感型太陽電池では、増感色素として、異なる最大光吸収波長を有する少なくとも2種の色素が互いに化学吸着結合した複合体色素を吸着した多孔質半導体層を備え、2つの発色系を有するので、従来の太陽電池に比べて、光吸収波長領域が広く、光吸収量が多く、光電変換効率の高い太陽電池を提供することができるとしている。しかしながら、2種以上の色素を順次担持する第1の作製方法では、2種の色素間の相互作用によって様々な支障がでて光電変換効率が不安定であり、多孔質半導体層への担持工程が増える問題がある。また、予め2種以上の色素を化学反応(化学吸着結合)させて、複合体色素を調製し、担持するという、第2の作製方法では複合体色素が溶液中で3分子以上に化学反応(化学吸着結合)して複合体色素の分子が大きくなり、多孔質半導体層中に色素が浸透しない問題がある。
また、色素増感型太陽電池には耐久性の課題があり、特に屋外用途ではこの耐久性の課題解決が重要である。色素増感型太陽電池では色素を二酸化チタン等に担持しており、紫外線や短波長光によって色素の光劣化が生じることが懸念されている。強い照度の太陽光下では、光入射側に紫外線吸収フィルム等を挿入して、色素の光劣化を抑制することが考えられているが、この手法で光劣化が完全に抑制できるかどうかは疑問であり、紫外線吸収フィルム等の挿入は可視光の吸収も生じてしまい光電変換効率の低下を招く。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、変換効率を高め、また低コスト化と高耐久性の達成が可能な光電変換装置およびそれを用いた光発電装置を提供することにある。
本発明の光電変換装置は、1)ポルフィリン骨格単量体が縦長に結合してなり、吸着置換基を前記縦長の末端に有するとともにジターシャルブチルフェニル基から成る電子供与性置換基を有する多量体を光電変換材料として用いたことを特徴とするものである。
また、本発明の光電変換装置は、上記1)の構成において、2)前記多量体は、前記ポルフィリン骨格単量体がメゾ−メゾ結合してなるものであることを特徴とするものである。
また、本発明の光電変換装置は、上記1)の構成において、3)前記多量体は、前記ポルフィリン骨格単量体がメゾ−メゾ結合およびβ−β結合してなるものであることを特徴とするものである。
また、本発明の光電変換装置は、上記1)の構成において、4)前記多量体は、前記ポルフィリン骨格単量体がメゾ−β結合してなるものであることを特徴とするものである。
また、本発明の光電変換装置は、上記1)の構成において、5)前記吸着置換基はカルボキシル基であることを特徴とするものである。
さらに、本発明の光発電装置は、上記1)の構成の本発明の光電変換装置を発電手段として用い、この発電手段の発電電力を負荷へ供給するように成したことを特徴とするものである。
本発明の光電変換装置は、ポルフィリン骨格単量体が結合してなり、吸着置換基を有する多量体を光電変換材料として用いたので、多量体が光電変換装置において電子輸送体として用いられる多孔質酸化物半導体の表面に化学吸着でき、多量体から多孔質酸化物半導体への電子移動がスムーズに行なえ、またエキシトンカップリングやπ電子共役系の拡大により、従来見出せなかった入射太陽光の長波長側(450nm以上)に高感度で広範囲の
応答が得られ、変換効率を向上させることができる。また、色素である多量体の構造がかさ高いので、色素間の凝集を抑制することができ、これによっても変換効率を向上させることができる。また、入射光の短波長側にも高感度を有するので、長波長側との重畳作用によって、本発明のポルフィリン骨格単量体が結合してなる多量体単独にて、より高効率の太陽電池や受光素子等の光電変換装置を提供することができる。
また、多量体が、ポルフィリン骨格単量体がメゾ−メゾ結合してなるものであるときには、単量体間のエキシトンカップリングによって長波長側(450nm以上)に光吸収を得ることができるので、より高効率の色素増感型太陽電池等の光電変換装置を容易に提供することができる。
また、多量体が、ポルフィリン骨格単量体がメゾ−メゾ結合およびβ−β結合してなるものであるときには、単量体間にπ電子共役を構成し、多量体の共役長を拡大して、長波長側に光吸収を得ることができるので、より高効率の色素増感型太陽電池等の光電変換装置を容易に提供することができる。
また、多量体が、ポルフィリン骨格単量体がメゾ−β結合してなるものであるときには、単量体間にπ電子共役を構成し、多量体の共役長を拡大して、長波長側に光吸収を得ることができるので、より高効率の色素増感型太陽電池等の光電変換装置を容易に提供することができる。
また、吸着置換基がカルボキシル基であるときには、色素である多量体が多孔質半導体層に化学吸着できるので、より高効率の色素増感型太陽電池等の光電変換装置を容易に提供することができる。
さらに、本発明の光発電装置は、上記本発明の光電変換装置を発電手段として用い、この発電手段の発電電力を負荷へ供給するように成したことから、高効率の光発電装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態の例について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、図面において同一部材には同一符号を付すものとする。
色素増感型太陽電池の基本構造をなす光電変換装置を模式的に説明する断面図を図1に、積層型の光電変換装置を模式的に説明する断面図を図2にそれぞれ示す。図1および図2において、図中の矢印Lは光の入射する様子(方向)を示す。
図1に示す光電変換装置1は、導電性支持体である導電性基板11上に、ポルフィリン骨格単量体が結合してなり、吸着置換基を有する多量体13を吸着させた金属酸化物半導体からなる一導電型輸送体である電子輸送体(金属酸化物半導体)12を、他方導電型輸送体である電解質中に存在する状態で配設したことを特徴とするものである。この構造は、多量体13の増感作用により光電変換を行なう色素増感型光電変換体をなしており、この色素増感型光電変換体は、導電性基板11上に形成され多量体13を担持した多孔質の電子輸送体12、この電子輸送体12を埋めるように形成した逆多孔質の逆導電型輸送体である電解質14、白金やカーボンを担持させた透明導電層17および透光性被覆体18からなる。
図2の光電変換装置1は、一主面側から光を入射させる導電性基板11の一主面上に、多量体13を有しこの多量体13の増感作用により光電変換を行なう色素増感型光電変換体と、薄膜形成法により作製し、光電変換を行なう無機半導体層を有し光を透過させる薄膜光電変換体とを積層してなる積層型光電変換装置を構成したものであり、色素増感型光電変換体が薄膜光電変換体より長波長側にピーク感度を有し、薄膜光電変換体を透過した光を吸収する。
薄膜光電変換体は、第1の透明導電層15上に、薄膜光電変換層16、第2の透明導電層17および透光性被覆体18が順次積層された構成を有する。なお、薄膜光電変換層16としては、シリコン系の薄膜pin接合層でもよく、CIGS(CuInGaSe)等の化合物半導体系の薄膜接合層でもよい。また、これらの接合層はpin接合型,pn接合型,ショットキー接合型,ヘテロ接合型等の内部電界を生じるものがよい。シリコン系としては、アモルファスシリコン系,ナノサイズ結晶を含むアモルファスシリコン系,微結晶シリコン系などがよく、特に短波長感度を有するアモルファスシリコン系や光劣化が抑制されるナノサイズ結晶を含むアモルファスシリコン系がよい。ここで、アモルファスシリコン系とは、アモルファスシリコンカーバイト,アモルファスシリコンナイトライド等の合金系を含む。
薄膜光電変換体からの第1の出力と、色素増感型光電変換体からの第2の出力とは、それぞれ独立して出力しても、接続して出力してもよい。図2に示すような積層型光電変換装置の場合であれば、第1の出力の電流と第2の出力の電流とが同じになるように両光電変換装置の性能を合わせてやれば、第1の透明導電層15から外部に出力を取り出す必要がなく、集積化等を行なう際の電極配線構造がシンプルになって具合がよい。両光電流を合わせるには、それぞれの膜厚や感度等を調整すればよい。
また、本発明の光電変換装置1は、図3に断面図で示すように、多量体13と異なる吸収スペクトルを有する色素19を適当な比率で混合させた構成を有するものでもよい。この光電変換装置によれば、多量体13と異なる吸収スペクトルを有する色素19と多量体13とを混合していることから、吸収波長を広くすることができ、変換効率や耐久性の向上を図ることができる。
また、本発明の光電変換装置1は、図4に断面図で示すように、導電性基板11を間に挟んで、多量体13と異なる吸収スペクトルを有する色素19を有する光電変換体2aと、多量体13を設けた光電変換体2bとを積層させた構造とすることも可能である。この積層型光電変換装置によっても、導電性基板11の両側に多量体13と異なる吸収スペクトルを有する色素19と多量体13とを設けたことから、光吸収波長を広くすることができ、変換効率の向上と耐久性を図ることができる。
次に、上述した光電変換装置1の各構成について詳細に説明する。
<導電性基板>
導電性基板11としては、図1に示す光電変換装置1の場合は、薄い金属シートを単独で用いればよく、チタン,ステンレス,アルミニウム,銀,銅,ニッケル等がよい。また、カーボンや金属の微粒子や微細線を含浸した樹脂、導電性有機樹脂等がよい。また、金属薄膜のチタン,ステンレス,アルミニウム,銀,銅,ニッケル等、あるいは透明導電膜のITO,SnO:F,ZnO:Al等、あるいは積層体のTi/ITO/Ti等の導電膜11b付き絶縁基板11a等がよい。絶縁基板11aの材料としては、PET(ポリエチレンテレフタレート),PEN(ポリエチレンナフタレート),ポリイミド,ポリカーボネート等の樹脂材料や青板ガラス,ソーダガラス,硼珪酸ガラス,セラミックス等の無機質材料,導電性有機樹脂材料,有機無機ハイブリッド材料等がよい。
導電性基板11に光反射性を持たせると、透過光を反射させて再利用することができる。導電性基板11に金属基板を用いる場合は、銀やアルミニウム等がよい。また、導電膜11bを形成する場合は、銀,密着層付きTi/Ag/Ti等の積層膜等がよく、それらは真空蒸着法,イオンプレーティング法,スパッタリング法,電解析出法等で形成するのがよい。導電性基板11の厚みは0.01mm〜5mm、好ましくは0.02mm〜3mmがよい。導電膜11bの厚みは0.001μm〜10μm、好ましくは0.05μm〜2μmがよい。また、導電性基板11が透光性の場合(SnO:F膜付き青板ガラス等)には、基板の裏面に光反射性のアルミニウムや銀等のシートや膜等を用いて光反射性を持たせるようにしても構わない。
また、図1〜図3に示した例の場合には、導電性基板11に透光性を持たせれば、光入射を電子輸送体12側からとすることもできる。この場合、絶縁基板11aの材料としては、PET(ポリエチレンテレフタレート),PEN(ポリエチレンナフタレート),ポリイミド,ポリカーボネート等の樹脂シートや白板ガラス,ソーダガラス,硼珪酸ガラス,セラミックス等の無機質シート,有機無機ハイブリッドシート等がよい。また同様に、透明な導電膜11bとしては、低温成長のスパッタリング法や低温スプレー熱分解法で作製したスズドープ酸化インジウム膜(ITO膜)や不純物ドープの酸化インジウム膜(In膜)等がよい。他に、溶液成長法で作製した不純物ドープの酸化亜鉛膜(ZnO膜)等がよく、これらを積層して用いてもよい。また熱CVD法で形成したフッ素ドープの二酸化スズ膜(SnO:F膜)等を用いてもよい。他に、不純物ドープの酸化インジウム膜(In膜)等が使える。他の成膜法として、真空蒸着法,イオンプレーティング法,ディップコート法,ゾル・ゲル法等がある。これらの膜成長によって入射光の波長オーダーの表面凹凸を形成すると、光閉じ込め効果を持たせることができて、なおよいものとなる。また、第1の透明導電層15としては、真空蒸着法やスパッタリング法等で形成したAu,Pd,Al等の薄い金属膜でもよい。
また、導電性基板11の光入射側の表面は、両面が平坦なものでよいが、入射光の波長オーダーの凹凸を有する表面とすると、光閉じ込め効果を持たせることができて、なおよいものとなる。
<電子輸送体>
一導電型輸送体である電子輸送体12としては、多孔質の二酸化チタン等の電子輸送体(n型金属酸化物半導体)が特に好ましい。図1に示す光電変換装置1の場合は、導電性基板11上にこの多孔質の一導電型輸送体12を形成する。
電子輸送体12は、n型の金属酸化物半導体が好適であり、粒状体または線状体(針状体,チューブ状体,柱状体等)の複数が集合してなるものが最適である。
電子輸送体12を多孔質体等とすることにより、粒状体間または線状体間の接合面積が拡がり、多量体13を担持する表面積が増えて、光電変換効率を高めることができる。
また、電子輸送体12を多孔質体等とすることにより、色素増感型光電変換体の表面が凹凸形状となり、薄膜光電変換体や色素増感型光電変換体に光閉じ込め効果をもたらして、光電変換効率をより高めることができる。
金属酸化物半導体の材料や組成としては、酸化チタン(TiO)が最適であり、他の材料や組成としては、チタン(Ti),亜鉛(Zn),スズ(Sn),ニオブ(Nb),インジウム(In),イットリウム(Y),ランタン(La),ジルコニウム(Zr),タンタル(Ta),ハフニウム(Hf),ストロンチウム(Sr),バリウム(Ba),カルシウム(Ca),バナジウム(V)等の金属元素の少なくとも1種以上からなる酸化物半導体がよい。また、窒素(N),炭素(C),弗素(F),硫黄(S),塩素(Cl),リン(P)等の非金属元素の1種以上を含有させてもよい。これらはいずれも電子エネルギーバンドギャップが可視光のエネルギーより大きい2eV〜5eVの範囲にあり、かつ電子エネルギー準位において金属酸化物半導体の伝導帯が多量体13の伝導帯より低いn型半導体がよい。
この金属酸化物半導体は、空孔率が20%〜80%、より好適には40%〜60%の多孔質体状がよい。この理由は、この程度の空孔率の多孔質化により光作用極の表面積を1000倍以上に高めることができて、光吸収と発電と電子伝導とを効率よく行なうことができるからである。多孔質体の形状は、その表面積が大きくなり、かつ電気抵抗が小さい形状がよく、通常は、微細粒子もしくは微細線状からなるのがよい。その平均粒径もしくは平均線径は5nm〜500nmとするのがよく、より好適には10nm〜200nmとするのがよい。ここで、平均線径の5nm〜500nmにおける下限値は、これ以下になると材料の微細化が困難になるからであり、上限値は、これ以上になると接合面積が小さくなり光電流が著しく小さくなるからである。
また、金属酸化物半導体の膜厚は0.1μm〜50μmがよく、より好適には1μm〜20μmとするのがよい。ここで、0.1μm〜50μmにおける下限値は、これより膜厚が小さくなると光電変換作用が著しく小さくなって実使用が困難となるからであり、上限値は、これ以上膜厚が厚くなると光が透過しなくなって光が入射しなくなるからである。
チタン酸化物半導体の製造方法は、まず、TiOのアナターゼ粉末にアセチルアセトンを添加した後、脱イオン水とともに混練し、界面活性剤で安定化させた酸化チタンのペーストを作製する。作製したペーストをドクターブレード法によって、透光性導電膜が形成されている面上に一定の速度で塗布し、大気中において300℃〜600℃、好適には400℃〜500℃で、10分〜60分、好適には20分〜40分の条件で加熱処理することにより、多孔質体の金属酸化物半導体を作製する。この手法は簡便であり、図1に示す例のように、耐熱性の導電性基板11上に予め形成できる場合に有効である。
このような金属酸化物半導体の低温成長法としては、電析法,泳動電着法,水熱合成法等がよく、後処理としてマイクロ波処理,CVDUV処理等を行なうのがよい。金属酸化物半導体の材料としては、電析法による多孔質ZnO,泳動電着法による多孔質TiO等がよい。
<色素>
色素である多量体13としては、ポルフィリン骨格単量体が結合してなり、吸着置換基を有する多量体13とする。本発明の光電変換装置1によれば、ポルフィリン骨格単量体が結合してなり、吸着置換基を有する多量体13を光電変換材料として用いたことから、多量体を構成するポルフィリン骨格単量体間のエキシトンカップリングやπ電子共役系の拡大により、光吸収範囲が拡大するので、従来見出せなかった入射太陽光の長波長側(450nm以上)に高感度で広範囲の応答が得られ、変換効率を向上させることができる。また、ポルフィリン骨格単量体が三次元的に組み立てられていることから、色素である多量体13の構造がかさ高いので、色素(多量体)13間の凝集を抑制することができ、色素(多量体)13同士の間のエネルギー移動および電子移動によるエネルギー損失を低減することができて、色素(多量体)13から多孔質酸化物半導体(電子輸送体)12への電子移動がスムーズに行なえることとなり、これによっても変換効率を向上させることができる。また、ポルフィリン骨格単量体が結合してなる多量体である化合物はその分子の対称性が高いので、基底状態と励起S状態との間の遷移確率が大きく、光吸収が強いことから、入射光の短波長側にも高感度を有するので、長波長側との重畳作用によって、本発明のポルフィリン骨格単量体が結合してなる多量体13単独にて、より高効率の太陽電池や受光素子等の光電変換装置1を提供することができる。
また、効率よく太陽光吸収させるために、多孔質体の金属酸化物半導体(電子輸送体)12の表面に多量体13を吸着させる必要があるので、多量体13に少なくとも1個以上の吸着置換基、すなわちカルボキシル基,スルホニル基,ヒドロキサム酸基,アルコキシ基,アリール基,ホスホリル基等を置換基として有することが必要である。多量体13は、吸着置換基を1個以上有していればよいが、より好ましくは吸着置換基を多量体13の長軸の末端に有しているとよく、その場合には、長細い分子の多量体13が金属酸化物半導体(電子輸送体)12に縦長に化学吸着するようになるので、金属酸化物半導体(電子輸送体)12の表面に高濃度の多量体13が吸着でき、より高効率の色素増感型太陽電池等の光電変換装置1を容易に提供することができるものとなる。
ここで、吸着置換基としては、金属酸化物半導体(電子輸送体)12に強固に化学吸着することができ、励起状態の色素(多量体)13から金属酸化物半導体へ容易に電荷移動できるものであればよい。
中でも、吸着置換基がカルボキシル基であるときには、金属酸化物半導体(電子輸送体)12の表面のOH基と反応して化学結合を形成するので、色素である多量体13が電子輸送体12の多孔質半導体層に化学吸着できることから、電子輸送体12の表面全体に高濃度の色素(多量体)13を強固に吸着することとなり、また、色素(多量体)13から電子輸送体12へスムーズな電子移動が行なえることとなり、より高効率の色素増感型太陽電池等の光電変換装置1を容易に提供することができる。
また、色素(多量体)13から電子輸送体12の多孔質半導体層への電子移動を効率よく行なわせるために、色素(多量体)13に少なくとも1個以上の電子供与性置換基、すなわちメチル基,エチル基,イソプロピル基等のアルキル基、メトキシ基,エトキシ基等のアルコキシ基、フェニル基,ナフチル基等のアリール基、塩素,臭素等のハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、チオシアナート基、シアノ基、ターシャルブチル基、3,5−ジターシャルブチルフェニル基等を置換基として有することが好ましい。
色素(多量体)13吸着置換基に加えて電子供与性置換基を有する。これにより、色素(多量体)13から電子輸送体12の多孔質半導体層への電子を供給する能力がさらに高まるので、より高効率の色素増感型太陽電池等の光電変換装置1を容易に提供することができるものとなる。
ここで、電子供与性置換基としては、電解質14から効率よく電子を捕獲することができ、電解質14の還元体、例えばヨウ素レドックスを用いた場合に電解質14から色素(多量体)13へ容易に電荷移動できるものであればよい。
そのような電子供与性置換基としてジターシャルブチルフェニル基を用いる。これにより、ターシャルブチル基の体積が大きいので、色素である多量体13の構造をかさ高くでき、溶媒への溶解性を高めることができることから、電子輸送体12の多孔質半導体層への化学吸着が容易なものとなり、電子輸送体12に高濃度の多量体13を吸着させることができ、光をより多く吸収することとなるので、変換効率を向上させることができる。また、色素の凝集を抑制できることから、色素(多量体)13同士の間のエネルギー移動および電子移動によるエネルギー損失を低減でき、色素(多量体)13から多孔質酸化物半導体(電子輸送体)12への電子移動がスムーズに行なえることとなり、これによっても変換効率を向上させることができる。
ポルフィリン骨格単量体が結合してなる多量体13としては、好適にはポルフィリン骨格単量体がメゾ−メゾ結合してなる多量体13を挙げることができる。具体例として、二量体を下記化1に、三量体以上を下記化2に示す構造を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。M,M’をメタルフリーあるいはMg,Ca,Sr,Ba,Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tn,Yb,Lu,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Th,U,Cr,Mo,W,Mn,Tc,Re,Fe,Ru,Os,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,Cu,Ab,Au,Cd,Hg,Al,Ga,In,Tl,Si,Ge,Sn,Pb,As,Sb,Biで各々置換してもよい。R2,R3,R4,R5は、少なくとも1つがジターシャルブチルフェニル基であれば、他をカルボキシル基、スルホニル基、ヒドロキサム酸基、アルコキシ基、アリール基、ホスホリル基、メチル基,エチル基,イソプロピル基等のアルキル基、メトキシ基,エトキシ基等のアルコキシ基、フェニル基,ナフチル基等のアリール基、塩素,臭素等のハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、チオシアナート基、シアノ基、ターシャルブチル基で各々置換してもよい。
Figure 0004841128
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多量体13がこのようなポルフィリン骨格単量体がメゾ−メゾ結合してなるものであるときには、単量体間のエキシトンカップリングによって長波長側(450nm以上)に光吸収を得ることができるので、単量体に比べ、多量体13の方が光吸収波長領域を拡大でき、太陽光の白色光を効率良く吸収することとなり、より高効率の色素増感型太陽電池等の光電変換装置1を容易に提供することができる。
また、ポルフィリン骨格単量体が結合してなる多量体13としては、好適にはポルフィリン骨格単量体がメゾ−メゾ結合およびβ−β結合してなる多量体13を挙げることもできる。具体例として、二量体を下記化3に、三量体以上を下記化4に示す構造を挙げることができる。
Figure 0004841128
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多量体13がこのようなポルフィリン骨格単量体がメゾ−メゾ結合およびβ−β結合してなるものであるときには、単量体間にπ電子共役を構成し、多量体の共役長を拡大して、長波長側に光吸収を得ることができるので、単量体に比べ、多量体13の方が光吸収波長領域を拡大でき、太陽光の白色光を効率良く吸収することとなり、より高効率の色素増感型太陽電池等の光電変換装置1を容易に提供することができる。
また、ポルフィリン骨格単量体が結合してなる多量体13としては、ポルフィリン骨格単量体がメゾ−β結合してなる多量体13を挙げることもできる。具体例として、二量体を下記化5に示す構造を挙げることができるが、これに限定されるものではない。M,M’をメタルフリーあるいはMg,Ca,Sr,Ba,Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tn,Yb,Lu,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Th,U,Cr,Mo,W,Mn,Tc,Re,Fe,Ru,Os,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,Pt,Cu,Ab,Au,Cd,Hg,Al,Ga,In,Tl,Si,Ge,Sn,Pb,As,Sb,Biで各々置換してもよい。R2,R3,R4,R5は、少なくとも1つがジターシャルブチルフェニル基であれば、他をカルボキシル基、スルホニル基、ヒドロキサム酸基、アルコキシ基、アリール基、ホスホリル基、メチル基,エチル基,イソプロピル基等のアルキル基、メトキシ基,エトキシ基等のアルコキシ基、フェニル基,ナフチル基等のアリール基、塩素,臭素等のハロゲン基、ヒドロキシ基、アミノ基、チオシアナート基、シアノ基、ターシャルブチル基で各々置換してもよい。
Figure 0004841128
多量体13がこのようなポルフィリン骨格単量体がメゾ−β結合してなるものであるときには、単量体間にπ電子共役を構成し、多量体の共役長を拡大して、HOMO−LUMO間バンドギャップを小さくできることから長波長側に光吸収を得ることができるので、単量体に比べ、多量体13の方が光吸収波長領域を拡大でき、太陽光の白色光を効率良く吸収することとなり、より高効率の色素増感型太陽電池等の光電変換装置1を容易に提供することができる。
多孔質体の金属酸化物半導体(電子輸送体)12に色素(多量体)13を吸着させる方法としては、金属酸化物半導体(電子輸送体)12を形成した導電性基板11を、色素(多量体)13を溶解した溶液に浸漬する方法が挙げられる。多孔質体の金属酸化物半導体(電子輸送体)12を形成した導電性基板11を、色素(多量体)13を溶解した溶液に浸漬する際は、溶液および雰囲気の温度は特に限定されるものではなく、例えば、雰囲気は大気圧下とし、温度は室温とすればよく、浸漬時間は色素(多量体)13の種類,溶媒の種類,溶液の濃度、温度等により適宜調整することができる。これにより色素(多量体)13を多孔質体の金属酸化物半導体(電子輸送体)12に吸着させることができる。
色素(多量体)13を溶解させるために用いる溶媒は、エタノール等のアルコール類,アセトン等のケトン類,ジエチルエーテル等のエーテル類,アセトニトリル等の窒素化合物等を1種または2種以上混合したものが挙げられる。
また、溶液中の色素(多量体)13の濃度は5×10−5〜2×10−3mol/l程度が好ましい。
また、色素(多量体)13の凝集を抑制するために、添加剤として弱塩基性化合物、例えばターシャルブチルピリジンや弱酸性化合物、例えばデオキシコール酸を色素(多量体)13の溶液に溶解し、色素(多量体)13と添加剤とを多孔質体の金属酸化物半導体(電子輸送体)12に共吸着させる方法を用いるとよい。さらにこのような方法だけでなく、多孔質体の金属酸化物半導体(電子輸送体)12に色素(多量体)13を吸着させた後、その多孔質体の金属酸化物半導体(電子輸送体)12を上記の添加剤溶液に浸漬して添加剤を吸着させる方法により、金属酸化物半導体(電子輸送体)12に注入された電子が酸化状態の色素(多量体)13と、金属酸化物半導体(電子輸送体)12に注入された電子が電解質14の酸化状態物質とそれぞれ再結合反応(電子のリーク)することが抑制でき、変換効率を向上させることができる。
<電解質>
逆多孔質で他方導電型輸送体である電解質14としては、ゲル電解質等の正孔輸送体(p型半導体,液体電解質,固体電解質,電解塩等)が特によい。ここで、逆多孔質体とは前記多孔質体を埋めるように形成するものであり、電解液が最もよいキャリア移動を示すが、液体の場合には液漏れ等の問題があるのでゲル化や固体化したものを用いることが好ましい。
電解質14の材料としては、透明導電性酸化物,電解質溶液,ゲル電解質や固体電解質等の電解質、有機正孔輸送剤、極薄膜金属等が挙げられる。透明導電性酸化物としては、一価の銅を含む化合物半導体やGaP,NiO,CoO,FeO,Bi,MoO,Cr等がよく、中でも一価の銅を含む半導体がよい。好適な化合物半導体としては、CuI,CuInSe,CuO,CuSCN,CuS,CuInS,CuAlSe等がよく、この中ではCuIおよびCuSCNがよく、CuIが製造しやすく最も望ましい。
電解質溶液としては第4級アンモニウム塩やLi塩等を用いる。電解質溶液の組成としては例えば、炭酸エチレン,アセトニトリル,またはメトキシプロピオニトリル等に、ヨウ化テトラプロピルアンモニウム,ヨウ化リチウム,ヨウ素等を混合して調製したものを用いることができる。
ゲル電解質は、大別して化学ゲルと物理ゲルとに分けられる。化学ゲルは架橋反応等により化学結合でゲルを形成しているものであり、物理ゲルは、物理的な相互作用により室温付近でゲル化しているものである。ゲル電解質としては、アセトニトリル,エチレンカーボネート,プロピレンカーボネートまたはそれらの混合物に対し、ポリエチレンオキサイド,ポリアクリロニトリル,ポリフッ化ビニリデン,ポリビニルアルコール,ポリアクリル酸,ポリアクリルアミド等のホストポリマーを混入して重合させたゲル電解質が好ましい。なお、ゲル電解質や固体電解質を使用する場合には、低粘度の前駆体を酸化物半導体層に含有させ、加熱,紫外線照射,電子線照射等の手段で二次元,三次元の架橋反応を起こさせることによってゲル化または固体化させることができる。
イオン伝導性の固体電解質としては、ポリエチレンオキサイド,ポリエチレンオキサイドもしくはポリエチレン等の高分子鎖に、スルホンイミダゾリウム塩,テトラシアノキノジメタン塩,ジシアノキノジイミン塩等の塩を持つ固体電解質が好ましい。ヨウ化物の溶融塩としては、イミダゾリウム塩,第4級アンモニウム塩,イソオキサゾリジニウム塩,イソチアゾリジニウム塩,ピラゾリジウム塩,ピロリジニウム塩,ピリジニウム塩等のヨウ化物を用いることができる。
上述のヨウ化物の溶融塩としては、例えば、1,1−ジメチルイミダゾリウムアイオダイド、1,メチル−3−エチルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−ペンチルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−イソペンチルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−ヘキシルイミダゾリウムアイオダイド、1−メチル−3−エチルイミダゾリウムアイオダイド、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾールアイオダイド、1−エチル−3−イソプロピルイミダゾリウムアイオダイド、ピロリジニウムアイオダイド等を挙げることができる。
有機正孔輸送剤として機能する電解質14には、トリフェニルジアミン(TPD1,TPD2,TPD3)やOMeTAD等が挙げられる。
<透明導電層>
透明導電層(第2の透明導電層)17および第1の透明導電層15としては、低温成長のスパッタリング法や低温スプレー熱分解法で作製したスズドープ酸化インジウム膜(ITO膜)や不純物ドープの酸化インジウム膜(In膜)等がよい。他に、溶液成長法で作製した不純物ドープの酸化亜鉛膜(ZnO膜)等がよく、これらを積層して用いてもよい。また、熱CVD法で形成したフッ素ドープの二酸化スズ膜(SnO:F膜)等を用いてもよい。他に、不純物ドープの酸化インジウム膜(In膜)等が使える。他の成膜法としては、真空蒸着法,イオンプレーティング法,ディップコート法,ゾル・ゲル法等がある。これらの膜成長によって表面に入射光の波長オーダーの凹凸を形成すると、光閉じ込め効果を持たせることができて、なおよいものとなる。また、第1の透明導電層15としては、真空蒸着法やスパッタリング法等で形成したAu,Pd,Al等の薄い金属膜でもよい。
<薄膜光電変換層>
薄膜光電変換層16としては、プラズマCVD法によって連続堆積したpin接合の水素化アモルファスシリコン系半導体膜がよい。第1の透光性導電膜側にp型半導体膜を設けたpin接合とするとよいが、逆接合のnip接合でも構わない。ここで、一導電型シリコン系半導体層と逆導電型シリコン系半導体層とは、それぞれp型半導体とn型半導体と、もしくはn型半導体とp型半導体とからなるものを意味する。また実質的に真性であるシリコン系半導体層はi型半導体を意味する。
ここで、i型半導体膜がアモルファス(非晶質)であれば、p型半導体膜およびn型半導体膜は少なくともいずれかが微結晶を有するもの、または水素化アモルファスシリコン(a−Si:H)合金系の膜を用いるとよい。また、光入射側のp型半導体膜には水素化アモルファスシリコンカーバイドを用いると、透光性を高めて光の侵入ロスが少なくなるので、より好ましい。他の成膜法として触媒CVD法を用いて成膜してもよい。プラズマCVD法と触媒CVD法とを組み合わせると、成膜した半導体膜における光劣化が抑制できて、信頼性を高めることができる。これらのシリコン系半導体層は、化学気相成長法によりそれぞれの成膜条件で連続して成膜することができるので具合がよい。
より詳しく説明すると、例えば、p型a−Si:H膜の場合は、原料ガスとしてSiH+HガスおよびB(Hで500ppmに希釈したもの)ガスを用い、これらのガスの流量をそれぞれ最適化して成膜する。膜厚は50Å〜200Åの範囲がよく、好適には80Å〜120Åがよい。薄過ぎると十分な内部電界が形成できず、厚過ぎると光量損失が増えることとなる。続いて、i型a−Si:Hの原料ガスとしてSiH+Hガスを用い、これらのガスの流量を最適化して成膜する。膜厚は500Å〜5000Å(0.05μm〜0.5μm)の範囲がよく、好適には1500Å〜2500Å(0.15μm〜0.25μm)がよい。薄過ぎると充分な光電流が得られず、厚過ぎると色素増感型光電変換装置に光を十分に透過できないこととなる。続いて、n型a−Si:H膜の場合は、原料ガスとしてSiH+HガスおよびPH(Hで1000ppmに希釈したもの)ガスを用い、これらのガスの流量をそれぞれ最適化して成膜する。膜厚は50Å〜200Åの範囲がよく、好適には80Å〜120Åがよい。薄過ぎると十分な内部電界が形成できず、厚過ぎると光量損失が増えることとなる。成膜時の基板温度は、pin膜のいずれも150℃〜300℃の範囲がよく、好適には180℃〜240℃がよい。低過ぎても高過ぎてもよい光半導体が得られないこととなる。
<透光性被覆体>
透光性被覆体18としては、フッ素樹脂,シリコンポリエステル樹脂,高耐候性ポリエステル樹脂,ポリ塩化ビニル樹脂PET(ポリエチレンテレフタレート),PEN(ポリエチレンナフタレート),ポリイミド,ポリカーボネート等の樹脂シートや白板ガラス,ソーダガラス,硼珪酸ガラス,セラミックス等の無機質シート,有機無機ハイブリッドシート等がよい。この透光性被覆体18の厚みは0.1μm〜6mm、好ましくは1μm〜4mmがよい。また、防眩性,遮熱性,耐熱性,低汚染性,抗菌性,防かび性,意匠性,高加工性,耐疵付き性,耐摩耗性,滑雪性,帯電防止性,遠赤外線放射性,耐酸性,耐食性,環境対応性等を透光性被覆体18に付与することにより、光電変換装置1の信頼性や商品性をより高めることができる。
また、透光性被覆体18の光入射側の表面は両面が平坦なものでよいが、入射光の波長オーダーの凹凸を有する表面としておく方が、光閉じ込め効果を持たせることができて、なおよいものとなる。
<下地層>
下地層は図示していないが、図1に示す例の構成では、導電性基板11と多孔質体で一導電型の電子輸送体12との間に、多孔質の一導電型輸送体の薄い緻密層を挿入すると、逆電流が流れなくなるのでよい。
<触媒層>
触媒層は図示していないが、図1に示す例の構成では、第1の透明導電層15と逆多孔質体で逆導電型の輸送体である電解質14との間に、白金あるいはカーボン等の極薄膜を挿入すると、正孔の移動がよくなるので具合がよい。
なお、第1の透明導電層15および第2の透明導電層17にそれぞれ集電極を設けて、電気抵抗を小さくするとよい。
かくして、本発明の光電変換装置によれば、ポルフィリン骨格単量体が結合してなり、吸着置換基を有する多量体を用いることにより、また、さらに電子供与性置換基を有する多量体を用いることにより、良好な長波長感度を有し、光吸収波長幅を広げることができ、光電変換効率の向上ができる。
また、本発明の積層型光電変換装置は、主面側から光を入射させる導電性基板の主面上に、色素(多量体)を有しこの色素の増感作用により光電変換を行なう色素増感型光電変換体と、光電変換を行なう半導体層を有する薄膜光電変換体とが、この順で積層され、この薄膜光電変換体で短波長光がよく光電変換され、薄膜光電変換体を透過した光を、吸収し色素の増感作用により光電変換を行なう色素増感型光電変換体が吸収するので、両光電変換体の変換効率を合わせた高い変換効率が得られるものとなる。
また、薄膜光電変換体も色素増感型光電変換体もそれぞれが低温プロセスで作製できるので、積層構成をとっても従来の太陽電池より簡便容易にかつ低コストで製造可能である。さらに、光の入射側に薄膜光電変換体を配し、その後側に色素増感型光電変換体を配したことにより、後側の色素増感型光電変換体が太陽光等の強い光を直接受けることがない。しかも、光入射側の薄膜光電変換体では、よりよく短波長光を吸収し、長波長光をほとんど透過する。よって、後側に配置された色素増感型光電変換体は、太陽光等の強い光を直接受けることがなく、紫外線が無く短波長光が激減するので色素の光劣化を大幅に軽減して解消させることができる。また強い光を直接受けることがなく、背面側の導電性基板の他の主面側(裏面側)から容易に色素増感型光電変換体を冷却することができるので、これにより温度上昇が抑制できて、色素(多量体)の熱劣化を抑制することができる。
以上の実施の形態の例においては、本発明の光電変換装置として、導電性基板上に、ポルフィリン骨格単量体が結合してなり、吸着置換基を有する多量体を吸着させた金属酸化物半導体(電子輸送体)を、電解質中に存在する状態で配設した例について説明したが、この構成に限定されるものではない。例えば、基板上に金属等の導電層と、ポルフィリン骨格単量体が結合してなり、吸着置換基を有する多量体を含む層と、無機または有機半導体層および透明導電層とを順次積層した薄膜太陽電池とすることも可能であり、ポルフィリン骨格単量体が結合してなり、吸着置換基を有する多量体を光電変換材料として用いたものであれば、いずれも本発明の光電変換装置として実施することが可能である。
上述した光電変換装置を発電手段として用い、この発電手段からの発電電力を負荷へ供給するように成すことによって、本発明の光発電装置とすることができる。
すなわち、上述した光電変換装置を1つ以上(複数であれば、直列,並列または直並列に)接続したものを発電手段として用い、この発電手段から直接に直流負荷へ発電電力を供給するようにすればよい。また、上述した光電変換装置から出力された直流電力をインバータ等の電力変換手段を介して適当な交流電力に変換した後で、この発電電力を商用電源系統や各種の電気機器等の交流負荷に供給することが可能な光発電装置としてもよい。さらに、このような光発電装置を日当たりのよい建物に設置する等して、各種態様の太陽光発電システム等の光発電装置として利用することも可能であり、これにより、高効率で耐久性のある光発電装置を提供することができる。
以下、本発明をより具体化した実施例について説明する。
まず導電性基板として、フッ素ドープ酸化スズの透明導電膜付ガラス基板を用い、その上に多孔質の二酸化チタンを形成した。電子輸送体である二酸化チタンの製造方法は、まず、TiOのアナターゼ粉末にアセチルアセトンを添加した後、脱イオン水とともに混練し、界面活性剤で安定化させた酸化チタンのペーストを作製した。作製したペーストをドクターブレード法でチタニウム基板上に一定の速度で塗布し、大気中において450℃で30分間焼成した。
色素(多量体)としては化1で示されるポルフィリン骨格単量体が多数結合してなるものを用い、色素(多量体)を溶解させるために用いる溶媒としてはエタノールを用い、多孔質酸化チタン層を形成した導電性支持体を、色素(多量体)を溶解した溶液(0.3mM)に12時間浸漬して、色素(多量体)を多孔質酸化チタン層に担持させた。この色素溶液の吸収スペクトルを図5に特性図で示す。また、比較例として、化6で示されるポルフィリン単量体のテトラキス(4−カルボキシフェニル)ポルフィリンのエタノール溶液の吸収スペクトルを図5に併せて示す。なお、図5において、横軸は光の波長(単位:nm)を、縦軸は光の吸収度(単位:無(吸収比の対数値))を表わし、太線の特性曲線は化1で示されるポルフィリン骨格多量体が結合してなる多量体を用いた本発明の実施例における吸収スペクトルを、細線の特性曲線は化6で示されるポルフィリン単量体による比較例における吸収スペクトルを示している。
Figure 0004841128
図5に示す結果から、化6の単量体では、対称性がよいことを反映して420nmにS2遷移にあたるSoret−bandによる強く鋭い吸収と500〜700nm付近にS1遷移にあたるQ−bandによる幅広く弱い吸収が見られるが、化1の単量体が結合してなる多量体では、非対称性とエキシトンカップリングによる相互作用とにより、430nmと460nmとにS2遷移にあたるSoret−bandが2つに大きく分裂した強く幅広い吸収と、長波長側の570nmと610nm付近にS1遷移にあたるQ−bandによる幅広く比較的強い吸収とが見られ、長波長の光吸収領域が増加していることが分かる。
その後、上記基板をエタノールにて洗浄してから乾燥させた。
この化1の単量体が結合してなる多量体が吸着した多孔質酸化チタン層を設けた導電性基板の吸収スペクトルを図6に図5と同様の特性図で示す。図6に示す結果から、化1の単量体が結合してなる多量体と化6の単量体とを比較すると、化6に比べ、化1の吸収スペクトルが長波長側(図において右側、420nm〜460nm付近)にあり、化1の単量体が結合してなる多量体の方が、長波長の光吸収がより強く、化1の単量体が結合してなる多量体も化6の単量体と同程度に多孔質酸化チタン層に吸着していることが分かる。
なお、これらの吸収スペクトルの測定は、日本分光株式会社製の吸光度測定装置V−570を用い、分析条件はスペクトルバンド幅を0.5nmとし、波長走査速度を100nm/分として測定を行なった。
次に、正孔輸送層(電解質)として、0.1MのLiIおよび0.05MのIをプロピルカーボネートに入れ、電解質が溶解するまで攪拌して溶液を調製した。
また、対極として、Ptを膜厚50nmでスパッタリング蒸着させたフッ素ドープ酸化スズの透明導電膜付ガラス基板を用いた。
そして、上記の化1の多量体または化6の単量体を吸着させた導電性基板と対極基板とをハイミラン等の熱可塑性樹脂をスペーサとして用いて対向させ、開口部より電解質の溶液を注入し、熱可塑性樹脂(反応性樹脂でもよい)を用いて封止して、光電変換装置のセルを形成した。
ここで、化6で示される単量体の分光感度(spectral sensitivity)スペクトルを図7に、化1で示される単量体が結合してなる多量体の入射光変換効率(IPCE)スペクトルを図8に、それぞれ特性図で示す。なお、図7において、横軸は光の波長(単位:nm)を、縦軸は分光感度(単位:A/W)を表わし、特性曲線は分光感度スペクトルを示している。また、図8において、横軸は光の波長(単位:nm)を、縦軸はIPCE(単位:無(比率))を表わし、特性曲線は入射光変換効率スペクトルを示している。図7に示す化6の結果では、300nm〜450nmの光に対して光電変換効率(1W光強度に対する光電変換電流量A)が高く、450nm〜700nmまで弱い光電変換効率があるのに対して、図8に示す化1の結果では、300nm〜600nmの光に対して光電変換効率(単位光子数(光強度)に対する光電変換電子数(電流))が高いことから、化1で示される単量体が結合してなる多量体の方が、長波長光に感度が強いことが分かる。
また、電流電圧特性を測定したところ、化6で示される単量体を用いた比較例の光電変換装置では、開放電圧Vocが0.350V、短絡電流Jscが0.67mA/cm、形状因子FFが0.50、変換効率が0.12%と低い光電変換効率であった。これに対して、化1で示される単量体が結合してなる多量体を用いた本発明の実施例の光電変換装置では、開放電圧Vocが0.577V、短絡電流Jscが3.98mA/cm、形状因子FFが0.64、変換効率が1.47%であり、大幅な光電変換効率の向上を図ることができた。
なお、ここでは本実施例において、置換基として電子供与性の強いジターシャルブチルフェニル基を用いたが、置換基としてフェニル基を主に用いた場合には光電変換効率は若干低下したことから、強い電子供与性置換基を有することにより、大幅な光電変換効率の向上を図ることができることも確認できた。
以上の結果から、本発明の光電変換装置は、簡便容易に作製することができ、しかも高い光電変換効率を実現できるものであることが確認できた。
本発明の光電変換装置の実施の形態の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の光電変換装置の実施の形態の他の例を模式的に示す断面図である。 本発明の光電変換装置の実施の形態の他の例を模式的に示す断面図である。 本発明の光電変換装置の実施の形態の他の例を模式的に示す断面図である。 吸収スペクトルを説明する特性図である。 吸収スペクトルを説明する特性図である。 分光感度を説明する特性図である。 入射光変換効率を説明する特性図である。
符号の説明
1:光電変換装置
11:導電性基板
11a:絶縁基板
11b:導電膜
12:電子輸送体(金属酸化物半導体)
13:多量体(色素)
14:電解質
15:第1の透明導電層
16:薄膜光電変換層
17:透明導電層(第2の透明導電層)
18:透光性被覆体
19:多量体と異なる吸収スペクトルを有する色素

Claims (7)

  1. ポルフィリン骨格単量体が縦長に結合してなり、吸着置換基を前記縦長の末端に有するとともに前記ジターシャルブチルフェニル基から成る電子供与性置換基を有する多量体を光電変換材料として用いたことを特徴とする光電変換装置。
  2. 前記多量体は、前記ポルフィリン骨格単量体がメゾ−メゾ結合してなるものであることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 前記多量体は、前記ポルフィリン骨格単量体がメゾ−メゾ結合およびβ−β結合してなるものであることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
  4. 前記多量体は、前記ポルフィリン骨格単量体がメゾ−β結合してなるものであることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
  5. 前記ジターシャルブチルフェニル基は、前記多量体を構成する前記ポルフィリン骨格単量体のそれぞれに結合していることを特徴とする請求項1記載の光電変換装置。
  6. 前記吸着置換基はカルボキシル基であることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
  7. 請求項1記載の光電変換装置を発電手段として用い、該発電手段の発電電力を負荷へ供給するように成したことを特徴とする光発電装置。
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