JP4841093B2 - 細胞性nadphの増加によるl−アミノ酸の生成方法 - Google Patents

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    • C12P13/04Alpha- or beta- amino acids
    • C12P13/08Lysine; Diaminopimelic acid; Threonine; Valine

Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、概してL−アミノ酸の生成方法およびホスホグルコイソメラーゼをコードする遺伝子に関する。
【0002】
(背景情報)
細菌細胞は発酵プロセスによるアミノ酸生成のために産業上使用される(Ishino, S.ら、J. Gen. Appl. Microbiol. 37:157−165(1991)、Kinoshita, S., Nakayama, K.およびNagasaki, S., J. Gen. Appl. Microbiol. 4:128−129(1958))。多数の研究レポートおよびレビューが発酵プロセスおよびアミノ酸蓄積のメカニズムについて明らかにされているとはいえ、微生物からのアミノ酸収率を増加させるためには、さらなる進歩が必要である(Ishino, S.ら、J. Gen. Appl. Microbiol. 37:157−165(1991)、 Aida, K.ら、編、“Biotechnology of Amino Acid Production,”講談社(東京)/Elsevier(New York)(1986)およびMark, A.ら、Metabolic Engineering 1:35−48(1999))。
【0003】
グルコース誘導体化炭素のフラックスを芳香族アミノ酸形成の方へ指向させる代謝工学を使用する成功例がいくつかある(Flores, N.ら、Nature Biotechnol. 14:620−623(1996))。しかし、プロデューサー株での成功した応用はまだ実証されていない(Berry, A., TIBTECH 14:250−256(1996))。
【0004】
代謝工学は、発酵中の様々な代謝経路を通した開始物質(例えば炭水化物および有機酸)の炭素フローの操作に関する。例えば、13C NMR研究を使用したCorynebacterium glutamicumの中心的代謝における研究がなされた(Ishino, S.ら、 J. Gen. Appl. Microbiol. 37:157−165(1991),Mark, A.ら、 Biotechnology and Bioengineering 49:111−129(1996))。さらにまた、13C NMRを使用して、Walkerら(Walker, T.ら、J. Biol. Chem. 257:1189−1195(1982))はMicrobacterium ammoniaphilumによるグルタミン酸発酵を解析し、そしてInbarら(Inbar, L.ら、 Eur. J. Biochem. 149:601−607(1985))はBrevibacterium flavumによるリジン発酵を研究した。
【0005】
本発明は、代謝工学を使用して発酵中のアミノ酸収率の改善の問題を解決する。
【0006】
(発明の要旨)
本発明は、非改変細菌細胞と比較してNADPH量を増加させた改変細菌細胞を培養することによってL−アミノ酸を生成する方法を提供し、それによってこの改変細菌細胞からのL−アミノ酸収率を非改変細菌細胞からの収率よりも増加させる。
【0007】
本発明はまた、変異ホスホグルコースイソメラーゼ(pgi)遺伝子を有する細菌細胞の生成方法も提供し、この方法は、
(a)このpgi遺伝子の内部領域を自殺ベクターにサブクローニングする工程、および
(b)相同組換えを介してこの自殺ベクターを細菌ゲノムへ挿入する工程
を包含し、それによって改変pgi遺伝子を有する細菌細胞が生成される。さらに本発明は、この方法によって生成される改変細菌細胞を提供する。
【0008】
本発明はまた、この方法に有用なベクターを提供する。
【0009】
さらに本発明は、単離された核酸分子を提供し、この核酸分子はCorynebacterium glutamicumホスホグルコースイソメラーゼポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、このポリペプチドは図1(配列番号(SEQ ID NO:)2)に見られるアミノ酸配列、または1999年8月17日にNRRL受託番号B−30174として細菌宿主中に寄託されたDNAクローンによってコードされるアミノ酸配列の1つを有する。
【0010】
本発明はまた、本発明の単離された核酸分子を含む組換えベクターおよびこの組換えベクターを含む宿主細胞、ならびに、そのようなベクターおよび宿主細胞を作製する方法、ならびに組換え技術によってPgiポリペプチドまたはペプチドの生成にそのようなベクターおよび宿主細胞を使用する方法に関する。
【0011】
本発明はさらに、本明細書に記載のポリヌクレオチドによってコードされたアミノ酸配列を有する単離されたPgiペプチドを提供する。
【0012】
本発明のさらなる利点は以下の記載から明らかである。
【0013】
(発明の詳細な説明)
細菌細胞中の増加させたNADPH量は、特にNADPHが律速因子である同化プロセスにおいて生成収率を増加することが本明細書中で確認された。異化反応からエネルギーを要求する生合成反応(例えば、アミノ酸の形成)に化学エネルギーを運ぶ方法は、水素原子または電子の形である。還元媒体として効果的であるためには、水素原子は、かなりの自由エネルギーを有していなければならない。そのような高エネルギー水素原子は、デヒドロゲナーゼによって細胞燃料から得られ、この酵素は、水素原子の燃料分子からの除去および特異的補酵素、特にニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸の酸化型(NADP+)への移動を触媒する。NADPHと命名されたこの補酵素の還元型あるいは水素運搬型は、異化反応から電子要求生合成反応へのエネルギー豊富な電子のキャリアーである。
【0014】
本発明は、非改変細菌細胞と比較してNADPH量を増加させた改変細菌細胞を培養することによるL−アミノ酸生成方法を提供し、それによってこの改変細菌細胞からのL−アミノ酸収率を非改変細菌細胞からの収率よりも増加させる。好ましいアミノ酸はL−リジン、L−スレオニンおよびL−イソロイシンである。本明細書で使用される、改変細菌細胞は、非改変細菌細胞と比較してNADPH量を増加した細菌細胞として定義される。
【0015】
1つの好ましい実施形態では、「変化」細菌細胞は「変異した」細菌細胞である。「変異(mutation)」は娘細胞へ伝えられ得る遺伝物質における任意の検出可能な変化である。変異は任意の検出可能な化学的あるいは物理的な構造に影響を及ぼす不自然な変化、変異性、複製、表現型機能あるいは1つ以上のデオキシリボヌクレオチドの組換え(ヌクレオチドが逆位を伴なって、または逆位を伴なわずに、付加され、欠失され、置換され、反転されあるいは新しい位置へ転位され得る)(あるいはそれらの組み合わせ)であり得る。変異は自然に起こり得、変異誘発物質の適用または組換えDNA技術の適用によって実験的に引き起こされ得る。核酸分子の変異変化は、変異から生じる。変異ポリペプチドは変異核酸分子から生じ得る。
【0016】
さらに、改変あるいは変異した細菌細胞は、遺伝的に「変異されていない(unmutated)」細胞と比較してNADPHの増加した量を得るために、遺伝的に「変異」され得る。
【0017】
改変細菌細胞中の増加したNADPHの量は、結果としてアミノ酸の生成増加を生じる。好ましくは、改変細菌細胞中でアミノ酸収率が非改変細胞からの収率を超えて増加し、この範囲は約1%より高く、そして好ましくは約1%から約100%まで、好ましくは約2%から約80%まで、そしてより好ましくは約5%から約60%まで、そしてなおさらに好ましくは約10%から約80%である。本明細書で使用される「収率」は生成されたアミノ酸のグラムを、消費されたグルコースのグラムで除算し、100を乗算したものと規定される。
【0018】
本発明に従って、本発明の改変細菌細胞は炭素源および窒素源を含む培養培地で培養される。例えば、炭素源はアラビノース、セロビオース、フルクトース、グルコース、ラクトース、マルトース、マンノース、ラムノース、ラフィノース、ソルボース、スクロース、トレハロース、ピルビン酸塩あるいはコハク酸塩であり得る。この炭素源は好ましくは0.1〜10重量%、好ましくは、0.5〜6.0重量%の初期濃度である。炭素源のすべては培養開始前に培地に加えられ得るか、あるいは培養中段階的にあるいは連続的に加えられ得る。
【0019】
本明細書で使用する培地は、固形あるいは液体、合成(すなわち人工的)あるいは天然であり得、そして本発明の改変細菌細胞の培養に十分な栄養素を含む。好ましくは、使用された培地が液体培地であり、さらに好ましくは合成液体培地である。
【0020】
本発明の実施形態に記載した上記および以下に使用された、天然あるいは合成培養培地はまた、窒素源、適切な無機塩、および(適切な場合)改変細菌細胞の培養に適切な様々な微量栄養素、成長因子などを含み、そしてまた少なくとも1つの補充炭素源を含み得る。使用されるこれらの添加成分のそれぞれの量は、好ましくはアミノ酸生成を最大にするよう選択される。当該分野で公知の様々な方法および技術によって、そのような量は当業者によって経験的に決定され得る。
【0021】
適切な補充炭素源の実例となる例としては以下が挙げられるが、これらに限定されない:他の炭水化物(例えばグルコース、フルクトース、スクロース、デンプンあるいはデンプン加水分解物、セルロース加水分解物および糖液);有機酸(例えば酢酸、プロピオン酸、乳酸、蟻酸、リンゴ酸、クエン酸およびフマル酸);およびアルコール(例えばグリセロール、イノシトール、マンニトールおよびソルビトール)。
【0022】
適切な窒素源の実例となる例として以下が挙げられるが、これらに限定されない:アンモニアガスおよびアンモニア水を含むアンモニア;無機塩または有機酸のアンモニア塩(例えば塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウムおよび酢酸アンモニウム);尿素;亜硝酸塩あるいは硝酸塩、および純粋あるいは粗製調製物のいずれかとしてのアミノ酸を含む他の窒素含有原料であって、肉抽出物、ペプトン、魚ミール、魚加水分解物、コーン染出液(corn steep liquor)、カゼイン加水分解物、大豆油粕加水分解物、酵母抽出物、乾燥酵母、エタノール酵母留出物、大豆粉、綿実粕、などである。
【0023】
適切な無機塩の実例となる例として以下が挙げられるが、これらに限定されない:カリウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、銅、モリブデン、タングステンおよび他の微量元素の塩、ならびにリン酸。
【0024】
適切な微量栄養素、成長因子などの実例となる例として以下が挙げられるが、これらに限定されない:補酵素A、パントテン酸、ピリドキシン−塩化水素、ビオチン、チアミン、リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、DL−6,8−チオクト酸、葉酸、ビタミンB12、他のビタミン、アデニン、ウラシル、グアニン、チミンおよびシトシンなどの塩基、Lアミノ酸、チオ硫酸ナトリウム、p−またはr−アミノ安息香酸、ナイアシンアミド、ニトリロ酢酸などであって、これらは精製もしくは部分的に精製された化合物として、または天然原料中に存在するかどちらかである。本発明の微生物株の培養は、当業者にとって公知である任意のサブマージ(submerged)発酵技術(例えばエアリフト、伝統的分散撹拌型あるいは振とう培養)を使用して成し遂げられ得る。
【0025】
温度、pH、通気速度、撹拌速度、培養時間などを含む、使用された前記培養の条件は、アミノ酸生成を最大にするように当業者によって経験的に決定され得る。特異的培養条件の選択は、例えば培地組成、および型、培養技術ならびに同様の検討材料などの因子に依存する。
【0026】
十分な期間培養後、細胞中および/あるいは培養ブロス中に蓄積された1つ以上の種類のアミノ酸が、アミノ酸はイオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過法、溶媒抽出、アフィニティークロマトグラフィーあるいはそれらの任意の組み合わせを含む任意の公知の方法によって単離され得る。培養に使用した条件に適した任意の方法が使用され得る。
【0027】
好ましい細菌細胞はCorynebacterial種およびEscherichia coliである。細菌細胞中で好まれるのはCorynebacterium glutamicum細胞である。本明細書で使用する、Brevibacterium flavumおよびBrevibacterium lactofermentumは、Corynebacterium glutamicumと同義である。
【0028】
本発明において、概して微生物中のNADPHの増加は、この生物体の解糖系とペントースリン酸系との間の炭素フラックス配分を変化させて達成される。本明細書で使用する「炭素フラックス」は競合経路に関して特定の代謝経路を下方に進めるグルコース分子の数をいう。
【0029】
好ましくは、ペントースリン酸経路の酸化分岐(oxidative branch)を通じて炭素フラックスが増加することによって、NADPHの利用能が増加する。理論的にはグルコースが独占的にペントースリン酸経路で代謝されると、1つのグルコースあたり12個のNADPHが発生する、しかしTCA回路(トリカルボン酸回路、クエン酸回路とも呼ばれる)でグルコースが代謝されると、1つのグルコースあり2個のNADPHしか生成されない。Ishino, S.ら、J. Gen. Appl. Microbiol. 37:157−165(1991)。本発明は、改変細菌細胞の培養によってL−アミノ酸を生成する方法を提供し、この細胞はペントースリン酸経路を通した炭素フラックスの増加を有する。
【0030】
生体中で異化されるグルコースのほとんどは解糖系へ進み、結果としてピルビン酸塩を生成する。ペントースリン酸経路は、ヘキソースモノリン酸シャントとも呼ばれ、グルコース異化の代替経路である。ペントースリン酸経路はNADPHを生成し、そしてリジン発酵条件下でより活性である。Ishino, S.ら、J. Gen. Appl. Microbiol. 37:157−165(1991)。
【0031】
本発明において、改変細菌細胞は、その細胞中でペントースリン酸経路の酸化分岐を通じて炭素フラックスが増加する細胞であり得る。特に本発明では、改変細菌細胞はペントースリン酸経路に含まれる1つ以上の酵素の量が増加した細胞であり得る。そのようなペントースリン酸酵素は、グルコース6−リン酸デヒドロゲナーゼ、トランスケトラーゼ、トランスアルドラーゼ、リブロース5−リン酸−3−エピメラーゼ、リブロース5−リン酸イソメラーゼおよび6−ホスホグルコネートデヒドロゲナーゼならびに6−ホスホグルコノラクトナーゼを含む群から選択される。
【0032】
好ましい実施形態において、本発明はさらに非改変細胞と比較して、リンゴ酸酵素の量が増加した改変細菌細胞を培養することによってL−アミノ酸を生成する方法を提供する。リンゴ酸酵素はNADPH+を使用したリンゴ酸の反応を触媒し、ピルビン酸塩、二酸化炭素、NADPHおよびH+を生成する。
【0033】
好ましい実施形態として、本発明はさらに非改変細胞と比較してイソクエン酸デヒドロゲナーゼの量が増加した改変細菌細胞を培養することによってL−アミノ酸を生成する方法を提供する。イソクエン酸デヒドロゲナーゼは、NADPH+とのイソクエン酸の反応を触媒し、α−ケトグルタレート、二酸化炭素、NADPHおよびH+を生成する。
【0034】
解糖系およびペントースリン酸経路の両方はグルコースについて競合する。本発明において、改変細菌細胞は、この細胞中で解糖系を通じた炭素フラックスの減少あるいは遮断が結果としてペントースリン酸経路の酸化分岐を通した炭素フラックスを増加させる細胞であり得る。本発明で用いられる場合、改変細菌細胞は、細胞中で解糖系を通じた炭素フラックスの減少が解糖系に含まれる1つ以上の酵素の量の減少を通して達成される細胞であり得る。好ましい酵素は、6−ホスホグルコースイソメラーゼ、フルクトースジホスフェートアルドラーゼ、D−グリセルアルデヒドホスフェートデヒドロゲナーゼ、ホスホグリセレートキナーゼ、ホスホグリセレートムターゼ、エンドラーゼあるいはピルベートキナーゼである。好ましい酵素は6−ホスホグルコースイソメラーゼである。
【0035】
改変細菌細胞中の解糖系酵素の量を減少させる好ましい方法は、この酵素をコードする遺伝子を変異させることによる。本明細書中で使用される場合、好ましいのは、6−ホスホグルコースイソメラーゼ(「pgi」)をコードする遺伝子の発現をブロックする(無効)か、または弱める(減少)ことである。
【0036】
解糖系に含まれる酵素をコードする遺伝子の発現をブロックする(無効)か、または弱める(減少)好ましい方法は、自殺ベクター(組み込みベクターとも呼ばれる)を使用することである。本明細書で使用される場合、自殺ベクターは、特定の生物体内では自律複製を行わず、次いで細胞中に導入され、そして生物体の染色体の相同領域を組換えて相同遺伝子の挿入性の不活化を引き起こすベクターとして定義される。遺伝子の挿入性不活化はこの遺伝子のリーディングフレームを崩壊させることによって達成される。この遺伝子の挿入性不活化は、遺伝子の内部位置が相同性領域として使用された場合にのみ生じる。
【0037】
組換え構築物は、本発明の細菌細胞の中へ、形質導入、トランスフェクション、トランスベクション(transvection)、結合体化、エレクトロポレーション、電気的形質転換、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクションおよび形質転換あるいはその他の方法などの周知の技術を用いて、導入され得る。そのような方法はDavisら、“Basic Methods in Molecular Biology,”(1986)などの多くの標準的実験室マニュアルに記載されている。
【0038】
好ましい実施形態として、改変細菌細胞は以下によって作製される:
(a)pgi遺伝子の内部領域を自殺ベクターにサブクローニングする工程、
および
(b)相同組換えを介してこの自殺ベクターを細菌ゲノムへ挿入する工程。内部領域は該当のオープンリーディングフレーム(ORF)の開始コドンと終止コドンを含まないそれらの間の連続したDNA配列として定義され得る。好ましくは内部領域はゲノム組み込みを促進し、そして結果としてこの当該ORFから機能を有さないポリペプチドを発現するよう選択される。
【0039】
特定の好ましい実施形態において、自殺ベクターは、変異特異的および/あるいは条件特異的に誘導され得る。そのようなベクターの間で特に好ましいのは、温度および栄養添加物などの操作しやすい環境因子によって誘導可能なベクターである。他の適切な環境因子は当業者にとって容易に明白である。
【0040】
本発明の改変細菌細胞は少なくとも1つのマーカー遺伝子を必要に応じて含む自殺ベクターを用いて形質転換され得る。そのようなマーカーとしては、アミカシン、アウグメンチン(augmentin)(アモキシリンおよびクラブロニック酸(clavulonic acid))、アンピシリン、セファゾリン、セフォキシチン、セフタジジム、セフチオフール(ceftiofur)、セファロチン、クロラムフェニコール、エンロフロキサシン(enrofloxacin)、エリスロマイシン、フロールフェニコール(florfenicol)、ゲンタマイシン、イミペネム、カナマイシン、サラフロキシシン(sarafloxicin)、テトラサイクリン、チカルシリン、ストレプトマイシン、スペクチノマイシン、ハイグロマイシン、トリメトプリムあるいはチルマイコシン(tilmicosin)の耐性遺伝子が挙げられる。好ましいマーカーとしては、クロラムフェニコールおよび/またはカナマイシン耐性遺伝子が挙げられる。他の適切なマーカーは当業者にとって容易に明白である。
【0041】
自殺ベクターの使用の例示的な例は、以下の通りである:遺伝子の内部領域は、ポリメラーゼ連鎖反応を介して増幅され、そしてこの増幅によって得られるフラグメントは、抗生物質耐性マーカー遺伝子を含む自殺ベクターにサブクローニングされ、そしてこの自殺ベクターは、本来の生物に形質転換される。抗生物質耐性クローンの回収は、相同遺伝子の挿入性不活性化を意味する。この自殺ベクターは、標的生物において自律複製できないプラスミドを含み得る。標的生物がEscherichia coliではない場合、Col E1ベースのレプリコンが好ましい。Col E1ベースのレプリコンの中でも、pBGS131(American Type Culture Collection(ATCC)、Manassas,VA、受託番号37443)が好ましい。
【0042】
好ましい実施形態において、本発明はさらに、変異pgi遺伝子を有する細菌細胞を作製する方法を提供する。特に好ましい実施形態において、本発明は、変異pgi遺伝子を有する細菌細胞を作製する方法を提供し、この方法は、(a)pgi遺伝子の内部領域を自殺ベクターにサブクローニングする工程;および(b)この自殺ベクターを相同組換えを介して細菌ゲノムに挿入する工程を包含し、これによって、改変されたpgi遺伝子を有する細菌細胞が作製される。
【0043】
さらなる実施形態において、本発明は、上記の方法に従って作製された細菌細胞を提供する。
【0044】
改変細菌細胞の作製の例示的な例は、以下である。6−ホスホグルコースイソメラーゼ(解糖系酵素)をコードする、Corynebacterium glutamicum(C.glutamicum)pgi遺伝子の領域が、適切なプライマーを用いてPCRによって増幅される。好ましくは、このPCRプライマーは、配列番号3および配列番号4(これらは、制限酵素HindIIIのための認識配列を含む)において列挙されるプライマーである。HindIIIでの制限後、次いでこのPCR産物は、自殺ベクターpBGS131にサブクローニングされる。得られるサブクローンは、pDPTpgi2と命名される。次いで、サブクローンpDPTpgi2は、C.glutamicumに形質転換され、そしてカナマイシン耐性コロニーが適切な培地において選択される。カナマイシン耐性コロニーの単離は、組み込み事象が生じたことを意味する。主に、組み込みは、相同組換えを介して起こり、pgi遺伝子の破壊を生じる。
【0045】
改変細菌細胞を作製する別の好ましい方法は、遺伝子の前にあるプロモーターの変更によって適切な遺伝子の発現をブロックすること、または弱めることによる。任意の供給源由来の異なるプロモーターを使用することまたはネイティブプロモーターのヌクレオチド配列を変化させることによるのが好ましい。ネイティブプロモーターのヌクレオチド配列を変化させる方法の中でもPCR変異誘発が好ましい。本発明におけるこの使用に適切な公知の細菌プロモーターとしては、E.coliのlacIプロモーターおよびlacZプロモーター、T3およびT7プロモーター、gptプロモーター、λPRプロモーターおよびλPLプロモーター、trpプロモーター、tacプロモーターまたは本発明の細菌細胞に対して内因性であるプロモーターが挙げられる。ペントースリン酸経路に関与する酵素をコードする遺伝子のアップレギュレーションがまた好ましい。これは、この遺伝子を制御するプロモーターの改変によってなされ得、その結果、ネイティブプロモーターよりも強力なプロモーターが使用される。ペントースリン酸経路の遺伝子をアップレギュレートする別の好ましい方法は、ゲノム組み込みプラスミドまたは自律複製プラスミドの使用を介して問題の遺伝子のコピー数を増加させることである。
【0046】
好ましい実施形態において、本発明はまた、改変細菌細胞を培養する工程を包含するLアミノ酸を生成する方法を提供し、ここでこの細菌細胞は、変異pgi遺伝子からなる群より選択される遺伝子を有するCorynebacterium glutamicum細胞である。
【0047】
改変細菌細胞を生成する別の好ましい方法は、解糖系に関与する酵素をコードする遺伝子を変異させ、解糖系酵素をコードする遺伝子のブロックされた発現または弱められた発現を生じさせる工程を包含する。変異遺伝子を調製するための適切な方法の例示的な例としては、PCR変異誘発、インビトロ化学変異誘発、オリゴヌクレオチド変異誘発、紫外線光またはX線での照射による変異誘発または化学的変異誘発物質(例えば、ニトロソグアニジン(N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン)、メチルメタンスルホネート、ナイトロジェンマスタードなど)を用いる処理による変異誘発、遺伝子組み込み技術(挿入エレメントまたはトランスポゾンによって、あるいは、線状もしくは環状DNA分子を形質転換する相同組換えによって媒介される組み込み技術)、およびバクテリオファージ(例えば、P1)によって媒介される形質導入が挙げられるが、これらに限定されない。これらの方法は、当該分野において周知であり、そして例えば、J.H.Miller,Experiments in Molecular Genetics,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York(1972);J.H.Miller,A Short Course in Bacterial Genetics,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York(1992);M.SingerおよびP.Berg,Genes & Genomes,University Science Books,Mill Valley,California(1991);J.Sambrook,E.F.FritschおよびT.Maniatis,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York(1989);P.B.Kaufmanら、Handbook of Molecular and Cellular Methods in Biology and Medicine,CRC Press,Boca Raton, Florida(1995);Methods in Plant Molecular Biology and Biotechnology,B.R.GlickおよびJ.E.Thompson編、CRC Press,Boca Raton,Florida(1993);ならびにP.F.Smith−Keary,Molecular Genetics of Escherichia coli,The Guilford Press,New York,NY(1989)に記載される。
【0048】
好ましい実施形態において、本発明はさらに、変異pgi遺伝子を含む単離された細菌細胞または精製された細菌細胞を提供する。
【0049】
本発明はさらに、図1(配列番号2)に示されたアミノ酸配列を有するPgiポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を提供する。図1(配列番号1)に示されたヌクレオチド配列は、DNAクローンを配列決定することによって得られ得る。このDNA分子は、ブダペスト条約規約の下で1999年8月17日にAgricultural Research Service Culture Collection(NRRL)(1815 North University Street,Peoria,Illionis 61604,USA)に寄託され、そして受託番号B−30174を得た。この寄託されたクローンは、p41−13(C01)プラスミド中にある。
【0050】
本発明は、以下からなる群より選択された単離された核酸分子を提供する:
(a)配列番号2におけるアミノ酸約1〜約540を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(b)NRRL受託番号B−30174に含まれるDNAクローンによってコードされるアミノ酸配列のうち1つを含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(c)(a)または(b)の相補鎖;
(d)(a)のポリヌクレオチドを変更することによって作製されたポリヌクレオチド改変体であって、ここで
(1)この変更が、ヌクレオチドの挿入、欠失、もしくは置換、またはその任意の組み合わせを含み;そして
(2)変更数が(a)に存在するヌクレオチドの総数の5%以下である、ポリヌクレオチド改変体;
(e)(b)のポリヌクレオチドを変更することによって作製されたポリヌクレオチド改変体であって、ここで、
(1)この変更が、ヌクレオチドの挿入、欠失、もしくは置換、またはその任意の組み合わせを含み;そして
(2)変更数が(b)に存在するヌクレオチドの総数の5%以下である、ポリヌクレオチド改変体;
(f)(c)のポリヌクレオチドを変更することによって作製されたポリヌクレオチド改変体であって、ここで、
(1)この変更が、ヌクレオチドの挿入、欠失、もしくは置換、またはその任意の組み合わせを含み;そして
(2)変更数が(c)に存在するヌクレオチドの総数の5%以下である、ポリヌクレオチド改変体。
【0051】
本発明はさらに、上記の核酸分子を提供し、ここで、このポリヌクレオチドは、配列番号1における完全なヌクレオチド配列を有する。
【0052】
本発明はさらに、上記の核酸分子を提供し、ここで、このポリヌクレオチドは、配列番号2における完全なアミノ酸配列を有するPgiポリペプチドをコードする配列番号1におけるヌクレオチド配列を有する。
【0053】
本発明はさらに、上記の核酸分子を提供し、ここで、このポリヌクレオチドは、NRRL受託番号B−30174において含まれるDNAクローンによってコードされるPgiポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を有する。
【0054】
本発明はさらに、上記核酸分子の(a)、(b)、または(c)におけるヌクレオチド配列と同一なヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドに、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を提供し、ここで、ハイブリダイズするこのポリヌクレオチドは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、A残基のみ、またはT残基のみからなるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドにハイブリダイズしない。
【0055】
本発明はさらに、組換えベクターを作製する方法を提供し、該方法は、上記の単離された核酸分子をベクターに挿入する工程を包含する。
【0056】
本発明はさらに、上記の核酸分子を含むベクターを提供する。本発明はさらに、組換え宿主細胞を作製する方法を提供し、該方法は、上記のベクターを、宿主細胞に導入する工程を包含する。本発明はさらに、上記のベクターを含む宿主細胞を提供する。本発明はさらに、Pgiポリペプチドを生成する方法を提供し、該方法は、上記の組換え細胞を、このポリペプチドが発現され、そしてこのポリペプチドを回収するような条件下で培養する工程を包含する。
【0057】
本発明はさらに、以下からなる群より選択される単離されたポリペプチドを提供する:
(a)配列番号2におけるアミノ酸約1〜約540を含むポリペプチド;
(b)NRRL受託番号B−30174に含まれるDNAクローンによってコードされるアミノ酸配列を含むポリペプチド;
(c)(a)のアミノ酸配列を変更することによって作製されたポリペプチド改変体であって、ここで
(1)この変更が、挿入、欠失、もしくは置換、またはその任意の組み合わせを含み;そして
(2)変更数が(a)に存在するアミノ酸の総数の5%以下である、ポリペプチド改変体;
(d)(b)のポリヌクレオチドを変更することによって作製されたポリペプチド改変体であって、ここで、
(1)この変更が、挿入、欠失、もしくは置換、またはその任意の組み合わせを含み;そして
(2)変更数が(b)に存在するアミノ酸の総数の5%以下である、ポリペプチド改変体。
【0058】
(核酸分子)
他に示さない限り、DNA分子の配列決定をすることによって本明細書中で決定された全てのヌクレオチド配列は、自動DNA配列決定機(例えば、Applied Biosystems,Inc.のModel373)を用いて決定され、そして本明細書中で決定されたDNA分子によってコードされるポリペプチドの全てのアミノ酸配列は、上記のように決定されたDNA配列の翻訳によって推定された。従って、この自動化アプローチによって決定された任意のDNA配列について当該分野において公知であるように、本明細書中で決定された任意のヌクレオチド配列は、いくつかの誤りを含み得る。自動操作によって決定されたヌクレオチド配列は、代表的に、配列決定されたDNA分子の実際のヌクレオチド配列に少なくとも約90%同一、より代表的には少なくとも約95%同一〜少なくとも約99.9%同一である。当該分野でも公知であるように、実際の配列と比較して決定されたヌクレオチド配列における単一の挿入または欠失は、ヌクレオチド配列の翻訳におけるフレームシフトの原因となり、その結果、決定されたヌクレオチド配列によってコードされる推定アミノ酸配列は、このような挿入または欠失の位置から始まる、配列決定されたDNA分子によって実際にコードされるアミノ酸配列とは完全に異なる。
【0059】
本明細書中で提供される情報(例えば、図1におけるヌクレオチド配列)を使用することで、Pgiポリペプチドをコードする本発明の核酸分子は、標準的なクローニング手順およびスクリーニング手順を使用して得られ得る。
【0060】
従って、本発明は、NRRL受託番号B−30174として同定され、かつ図1(配列番号1および配列番号2)において示される、宿主において含まれるクローンによってコードされるアミノ酸配列を有するPgiポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を提供する。
【0061】
当業者が理解するように、配列決定の誤りの可能性のために、寄託されたクローンによってコードされる推定Pgiポリペプチドは、約540アミノ酸を含むが、500〜580個のアミノ酸範囲のいずれでかであり得る。
【0062】
示されるように、本発明の核酸分子は、RNAの形態(例えば、mRNA)またはDNAの形態(例えば、クローニングによって得られたか、または合成的に生成されたcDNAおよびゲノムDNAを含む)であり得る。このDNAは、二本鎖または一本鎖であり得る。一本鎖DNAまたはRNAは、センス鎖としても公知であるコード鎖であり得るか、またはこれは、アンチセンス鎖とも言われる非コード鎖であり得る。
【0063】
「単離された」核酸分子によって、そのネイティブ環境から取り出された核酸分子(DNAまたはRNA)が意図される。例えば、ベクター中に含まれる組換えDNA分子は、本発明の目的のために単離されたとみなされる。単離されたDNA分子のさらなる例としては、異種宿主細胞において維持された組換えDNA分子あるいは溶液中の精製された(部分的にまたは実質的に)DNA分子が挙げられる。単離されたRNA分子としては、本発明のDNA分子のインビボまたはインビトロでのRNA転写物が挙げられる。本発明に従って単離された核酸分子としては、さらに、このような合成的に生成された分子が挙げられる。
【0064】
本発明の単離された核酸分子としては、図1(配列番号1)に示されるオープンリーディングフレーム(ORF)を含むDNA分子;図1(配列番号2)に示されるPgiタンパク質についてのコード配列を含むDNA分子;および上記の配列とは実質的に異なる配列を含むが、遺伝コードの縮重に起因して、なおPgiタンパク質をコードするDNA分子が挙げられる。当然のことながら、遺伝コードは当該分野において周知である。従って、このような縮重改変体を作製することは、当業者には慣用的である。
【0065】
さらに、本発明は、配列番号1の大部分に関連するヌクレオチド配列を有する核酸分子を提供する。
【0066】
別の局面において、本発明は、1999年8月17日にNRRL受託番号B−30174として寄託された核酸分子によってコードされるアミノ酸配列を有するPgiポリペプチドをコードする単離された核酸分子を提供する。本発明はさらに、図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド配列または上記の寄託されたクローンにおいて含まれるpgiゲノム配列のヌクレオチド配列を有する単離された核酸分子、あるいは上記の配列のうち1つに相補的な配列を有する核酸分子を提供する。このような単離された分子、特にDNA分子は、染色体とのインサイチュハイブリダイゼーションによる遺伝マッピングのためのプローブとして有用である。
【0067】
本発明はさらに、本明細書中に記載される単離された核酸分子のフラグメントに関する。寄託されたクローンのヌクレオチド配列または図1(配列番号1)において示されたヌクレオチド配列を有する単離された核酸分子のフラグメントによって、本明細書中で議論される診断プローブおよびプライマーとして有用である、少なくとも約15ヌクレオチド(nt)長、およびより好ましくは少なくとも約20nt長、なおより好ましくは少なくとも約30nt長、およびさらにより好ましくは少なくとも約40nt長のフラグメントが意図される。当然、より長い50nt長、75nt長、100nt長、125nt長、150nt長、175nt長、200nt長、225nt長、250nt長、300nt長、325nt長、350nt長、375nt長、400nt長、425nt長、450nt長、475nt長、500nt長、525nt長、550nt長のフラグメントはまた、寄託されたクローンのヌクレオチド配列、または図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド配列の全てではないが、ほとんどに対応するフラグメントとして本発明に従って有用である。少なくとも20nt長のフラグメントによって、例えば、寄託されたクローンのヌクレオチド配列または図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド配列由来の20以上連続する塩基を含むフラグメントが意図される。
【0068】
別の局面において、本発明は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、上記の本発明の核酸分子(例えば、NRRL受託番号B−30174において含まれる寄託されたクローン)におけるポリヌクレオチドの一部にハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を提供する。「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」によって、50%ホルムアミド、5×SSC(150mM NaCl、15mM クエン酸三ナトリウム)、50mM リン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハルト溶液、10%硫酸デキストラン、および20g/ml変性剪断サケ精子DNAを含む溶液における42℃での一晩のインキュベーション、続いて約65℃での0.1×SSCにおけるフィルターの洗浄が意図される。
【0069】
ポリヌクレオチドの「一部」にハイブリダイズするポリヌクレオチドによって、参照ポリヌクレオチドの少なくとも約15ヌクレオチド(nt)、およびより好ましくは少なくとも約20nt、なおより好ましくは少なくとも約30nt、そしてさらにより好ましくは30〜70ntにハイブリダイズするポリヌクレオチド(DNAまたはRNAのいずれか)が意図される。これらは、上記および以下でより詳細に議論された診断プローブおよびプライマーとして有用である。
【0070】
例えば、「少なくとも20nt長」のポリヌクレオチドの一部によって、参照ポリヌクレオチド(例えば、寄託されたクローンあるいは図1(配列番号1)に示されるヌクレオチド配列)のヌクレオチド配列由来の20以上連続するヌクレオチドが意図される。当然、ポリA配列(例えば、図1(配列番号1)に示されるpgi cDNAの3’末端のポリ(A)領域)に、またはT(もしくはU)残基の相補性ストレッチにのみハイブリダイズするポリヌクレオチドは、本発明の核酸の一部にハイブリダイズするために使用される本発明のポリヌクレオチドにおいて含まれない。なぜなら、このようなポリヌクレオチドは、ポリ(A)ストレッチまたはその相補鎖を含む任意の核酸分子(例えば、実際には、任意の二本鎖cDNAクローン)にハイブリダイズするからである。
【0071】
示されたように、Pgiポリペプチドをコードする本発明の核酸分子は、1つの核酸分子だけでポリペプチドのアミノ酸配列をコードする核酸分子;ポリペプチドおよびさらなる配列についてのコード配列(例えば、アミノ酸リーダー配列または分泌配列(例えば、プレタンパク質配列、またはプロタンパク質配列、またはプレプロタンパク質配列));さらなる非コード配列(例えば、非コード5’配列および非コード3’配列(例えば、転写、mRNAのプロセシング(例えば、リボソーム結合)およびmRNAの安定性に役割を果たす転写非翻訳配列)を含むが、これらに限定されない)と一緒に上記のさらなるコード配列を有するか、またはこれを有さないポリペプチドのコード配列;さらなるアミノ酸(例えば、さらなる機能性を提供するアミノ酸)についてコードするさらなるコード配列を含むが、これらに限定されない。従って、ポリペプチドをコードする配列は、マーカー配列(例えば、融合ポリペプチドの精製を容易にするペプチドをコードする配列)と融合され得る。本発明のこの局面の特定の好ましい実施形態において、マーカーアミノ酸配列は、特に、ヘキサヒスチジンペプチド(例えば、pQEベクター(Qiagen,Inc.)に提供されるタグ)であり、その多くは、市販されている。Gentzら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:821−824(1989)に記載されるように、例えば、ヘキサヒスチジンは、融合タンパク質の好都合な精製のために提供される。「HA」タグは、インフルエンザ赤血球凝集タンパク質由来のエピトープに対応する精製に有用である別のペプチドである。このインフルエンザ赤血球凝集タンパク質は、Wilsonら、Cell 37:767(1984)によって記載されている。以下に議論するように、他のこのような融合タンパク質は、N末端またはC末端においてFcに融合されるPgiを含む。
【0072】
上記のプローブ、プライマー、および/または核酸フラグメントを使用して、発酵中のpgi遺伝子の発現をモニターし得る。
【0073】
本発明はさらに、本発明の核酸分子の改変体に関する。この改変体は、Pgiタンパク質の一部、アナログまたは誘導体をコードする。改変体は天然に存在し得る(例えば、天然の対立遺伝子改変体)。「対立遺伝子改変体」によって、生物の染色体の所定の遺伝子座を占有する遺伝子のいくつかの代替形態のうちの1つが意図される。Genes II,Lewin,B.編、John Wiley & Sons,New York(1985)。天然に存在しない改変体は、当該分野で公知の変異誘発技術を使用して作製され得る。
【0074】
このような改変体としては、1つ以上のヌクレオチドが関与し得るヌクレオチドの置換、欠失または付加によって作製される改変体が挙げられる。この改変体は、コード領域、非コード領域、またはその両方において改変され得る。コード領域における改変は、保存的もしくは非保存的なアミノ酸の置換、欠失または付加を生じ得る。これらの中で特に好ましいのは、サイレントな置換、付加および欠失であり、これらは、Pgiタンパク質またはその一部の特性および活性を変更しない。これに関して保存的置換が特に好ましい。
【0075】
本発明のさらなる実施形態としては、(a)配列番号2におけるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(b)NRRL受託番号B−30174において含まれるクローンによってコードされる完全なアミノ酸配列を有する全長Pgiポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;または(c)(a)または(b)におけるヌクレオチド配列のいずれかに相補的なヌクレオチド配列に少なくとも95%、96%、97%、98%または99%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子が挙げられる。
【0076】
Pgiポリペプチドをコードする参照ヌクレオチド配列に少なくとも、例えば、95%「同一」であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドによって、このポリヌクレオチド配列が、Pgiポリペプチドをコードする参照ヌクレオチド配列の各100ヌクレオチドあたり5つまでの点変異を含み得ることを除いてこのポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が、参照配列と同一であることが意図される。すなわち、参照配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを得るために、参照配列における5%までのヌクレオチドが、欠失または別のヌクレオチドで置換され得るか、あるいは参照配列における全ヌクレオチドの5%までのヌクレオチド数が、参照配列に挿入され得る。この参照配列のこれらの変異は、参照配列におけるヌクレオチド、または参照配列内の1つ以上連続する基におけるヌクレオチドのいずれかの間で個々に散在して、この参照ヌクレオチド配列の5’末端位置もしくは3’末端位置、あるいはこれらの末端位置間のいずれの場所においてでも起こり得る。
【0077】
実際問題として、任意の特定の核酸分子が、例えば、図1に示されるヌクレオチド配列に、または寄託されたクローンのヌクレオチド配列に少なくとも95%、96%、97%、98%または99%同一であるか否かを、Bestfitプログラム(Wisconsin Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix(登録商標),Genetics Computer Group,University Research Park,575 Science Drive,Madison,WI 53711)のような公知のコンピュータープログラムを用いて慣用的に決定され得る。Bestfitは、SmithおよびWaterman(Advances in Applied Mathematics 2:482−489(1981))の局所相同性アルゴリズムを使用し、2つの配列間の相同性の最良のセグメントを見出す。Bestfitまたは任意の他の配列アライメントプログラムを使用して、特定の配列が、本発明に従う参照配列に、例えば95%同一であるか否かを決定する場合、当然、パラメーターは、同一性のパーセンテージが、参照ヌクレオチド配列の全長にわたって計算され、かつ参照配列におけるヌクレオチドの総数の5%までの、相同性におけるギャップを可能にするように設定される。
【0078】
本願は、核酸分子がPgi活性を有するポリペプチドをコードするか否かに関係なく、図1(配列番号1)に示される核酸配列あるいは寄託されたクローンの核酸配列に少なくとも95%、96%、97%、98%または99%同一である核酸分子に関する。これは、特定の核酸分子が、Pgi活性を有するポリペプチドをコードしない場合でさえも、当業者はなお、例えば、ハイブリダイゼーションプローブまたはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プライマーとして核酸分子の使用方法を知っているからである。Pgi活性を有するポリペプチドをコードしない本発明の核酸分子の使用は、とりわけ、pgi mRNA発現を検出するためにゲノムライブラリーおよびノーザンブロット分析においてpgi遺伝子またはその対立遺伝子改変体を単離する工程を含む。
【0079】
しかし、図1に示される核酸配列(配列番号1)に、または寄託されたクローンの核酸配列(実際には、Pgiタンパク質活性を有するポリペプチドをコードする)に少なくとも95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一の配列を有する核酸分子が好ましい。「Pgi活性を有するポリペプチド」とは、類似の活性を示すポリペプチドを意図するが、特定の生物学的アッセイで測定した場合、本発明のPgiタンパク質の活性と同一である必要はない。
【0080】
当然ながら、遺伝子コードの縮重性に起因して、当業者は、寄託されたクローンの核酸配列に、または図1に示される核酸配列(配列番号1)に、少なくとも95%、96%、97%、98%、もしくは99%同一である配列を有する多数の核酸分子が、「Pgiタンパク質活性を有する」ポリペプチドをコードすることを直ちに認識する。実際、これらのヌクレオチド配列の縮重改変体は全て、同じポリペプチドをコードするので、これは、上記に記載の比較アッセイを実施しなくても当業者に明白である。縮重してない改変体であるこのような核酸分子について、適切な数が、Pgiタンパク質活性を有するポリペプチドをコードすることも、さらに当該分野で認識される。これの理由によって、当業者は、タンパク質機能にほとんど影響しそうにないか、または有意に影響しなさそうな、アミノ酸置換(例えば、第1の脂肪族アミノ酸の第2の脂肪族アミノ酸での置換)に完全に気づく。
【0081】
例えば、表現型がサイレントなアミノ酸置換を作製する方法に関する手引きは、Bowie,J.U.ら、「Deciphering the Message in Protein Sequences:Tolerance to Amino Acid Substitutions」I:1306〜1310(1990)(ここで、著者らは、タンパク質がアミノ酸置換に驚くほど耐性であることを示す)に提供される。
【0082】
(ベクターおよび宿主細胞)
本発明はまた、本発明の単離されたDNA分子を含むベクター、組換えベクターで遺伝子操作されている宿主細胞、および組換え技術によるPgiポリペプチドまたはそのフラグメントの生成に関する。
【0083】
このポリヌクレオチドは、宿主において増殖するための選択マーカーを含むベクターに連結され得る。ベクターがウイルスである場合、このベクターは、適切なパッケージング細胞株を用いてインビトロでパッケージングされ得、そして宿主細胞に形質導入され得る。
【0084】
このDNAインサートは、いくつか名前を挙げれば、ファージλPLプロモーター、E.coli lac、trpおよびtacプロモーターのような適切なプロモーターに作動可能に連結されなければならない。他の適切なプロモーターは、当業者に公知である。発現構築物はさらに、転写領域において、転写開始部位、転写終止部位、および翻訳のためのリボソーム結合部位を含む。構築物により発現される成熟転写物のコード部分は、好ましくは、開始部位で翻訳開始コドンを、そして翻訳されるポリペプチドのほぼ末端に位置する終止コドン(UAA,UGAまたはUAG)を含む。
【0085】
示されるように、発現ベクターは、好ましくは、少なくとも1つの選択マーカーを含む。このようなマーカーとしては、E.coliおよび他の細菌における培養のための、カナマイシン、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、またはアンピシリンに耐性の遺伝子が挙げられるがこれらに限定されない。適切な宿主の代表的な例としては、細菌細胞(例えば、E.coli,StreptomycesおよびSalmonella typhimurium細胞);真菌細胞(例えば、酵母細胞);昆虫細胞(例えば、Drosophila S2およびSpodoptera Sf9細胞)が挙げられるがこれらに限定されない。上記の宿主細胞のための適切な培養培地および条件は、当該分野で公知である。
【0086】
本発明のタンパク質の生成において用いるために適切な公知の細菌プロモーターの中には、E.coliのlacIプロモーターおよびlac Zプロモーター、T3プロモーターおよびT7プロモーター、gptプロモーター、λPRおよびPLプロモーターならびにtrpプロモーターが挙げられる。
【0087】
従って、本発明はまた、本発明のタンパク質の生成に有用な発現ベクターに関する。
【0088】
細菌における使用に好ましいベクターには、pQE70、pQE60およびpQE−9(Qiagenから入手可能);pBSベクター、Phagescriptベクター、Bluescriptベクター、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A(Stratageneから入手可能);およびptrc99a、pKK223−3、pKK233−3、pDR540、pRIT5(Pharmaciaから入手可能)が挙げられる。他の適切なベクターは、当業者に容易に明白である。
【0089】
宿主細胞への構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAEデキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染または他の方法により達成され得る。このような方法は、Davisら、Basic Methods In Molecular Biology(1986)のような、多くの標準的実験マニュアルに記載されている。
【0090】
このポリペプチドは、融合機能的タンパク質のような改変形態で発現され得、そして分泌シグナルだけでなく、さらなる異種機能性領域を含み得る。例えば、さらなるアミノ酸(特に荷電したアミノ酸)の領域が、ポリペプチドのN末端に付加され、精製の間、または引き続く操作および貯蔵の間、宿主細胞における安定性および永続性を改善し得る。ペプチド部分はまた、ポリペプチドに付加され、精製を容易にし得る。このような領域は、ポリペプチドの最終調製の前に除去され得る。とりわけ、分泌または排出を発生させるための、安定性を改善するための、そして精製を容易にするための、ポリペプチドへのペプチド部分の付加は、当該分野では、精通され、かつ慣用的な技術である。
【0091】
Pgiタンパク質は、周知の方法により、組換え細胞培養物から回収され、そして精製され得る。この方法は、硫酸アンモニウム沈殿またはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオン交換クロマトグラフィーまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、リン酸セルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含む。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)が精製に使用される。本発明のポリペプチドとしては、天然に精製された産物、化学合成手順の産物、および原核生物宿主または真核生物宿主(例えば、細菌細胞、酵母細胞、高等植物細胞、昆虫細胞および哺乳動物細胞を含む)から、組換え技術によって生成された産物が挙げられる。組換え生成手順において使用される宿主に依存して、本発明のポリペプチドは、グリコシル化されてもよいし、またはグリコシル化されなくてもよい。さらに、本発明のポリペプチドはまた、宿主媒介プロセスの結果としてある場合には、最初に改変されたメチオニン残基を含み得る。
【0092】
(Pgiポリペプチドおよびフラグメント)
本発明はさらに、寄託されたクローンによってコードされるアミノ酸配列を有する単離されたPgiポリペプチド、または図1のアミノ酸配列(配列番号2)、または上記のポリペプチドの一部を含むペプチドもしくはポリペプチドを提供する。
【0093】
Pgiポリペプチドの同じアミノ酸配列が、このタンパク質の構造または機能への有意な影響なしに、変化され得ることが当該分野で認識される。配列においてこのような差異が意図される場合、タンパク質上に活性を決定する重要な領域が存在することを忘れてはならない。
【0094】
従って、本発明はさらに、実質的なPgiポリペプチド活性を示すか、またはPgiタンパク質の領域(例えば、以下に考察されるタンパク質部分)を含む、Pgiポリペプチドの改変体を含む。このような変異体は、欠失、挿入、逆位、反復、およびタイプ置換を含む。上記のように、どのアミノ酸変化が表現型的にサイレントでありそうかに関するガイダンス(手引き)は、Bowie,J.U.ら、「Deciphering the Message in Protein Sequences:Tolerance to Amino Acid Substitutions」Science 247:1306〜1310(1990)に見出され得る。
【0095】
従って、図1のポリペプチド(配列番号2)、または寄託されたクローンによりコードされるPgiポリペプチドのフラグメント、誘導体もしくはアナログは、以下であり得る:(i)アミノ酸残基の1つ以上が、保存的アミノ酸残基または非保存的アミノ酸残基(好ましくは、保存的アミノ酸残基)で置換されているもの、そしてこのような置換されたアミノ酸残基は、遺伝コードによりコードされたものであってもよいし、そうでなくてもよい、または(ii)アミノ酸残基の1つ以上が置換基を含んでいるもの、または(iii)このポリペプチドが別の化合物(例えば、ポリペプチドの半減期を延長する化合物(例えば、ポリエチレングリコール))と融合されているもの、または(iv)さらなるアミノ酸が、成熟ポリペプチド(例えば、IgG Fc融合領域ペプチド、またはリーダー配列もしくは分泌配列)、またはポリペプチドもしくはプロタンパク質配列の精製のために使用される配列と融合されているもの。このようなフラグメント、誘導体およびアナログは、本明細書の教示から、当業者の範囲内であるとみなされる。
【0096】
示されるように、変化は、マイナーな性質の変化(例えば、タンパク質の折り畳み、または活性に有意に影響しない保存的アミノ酸置換)であることが好ましい(表1を参照のこと)。
【0097】
【表1】
Figure 0004841093
当然ながら、当業者によって作製されるアミノ酸置換基の数は、上記の因子を含む多くの因子に依存する。一般に、任意の所定のPgiポリペプチドについてのアミノ酸置換の数は、50、40、30、20、10、5、または3より多くない。
【0098】
機能に必須である本発明のPgiタンパク質中のアミノ酸は、当該分野で公知の方法(例えば、部位特異的変異誘発、またはアラニンスキャンニング変異誘発)により同定され得る(CunnighamおよびWells,Science 244:1081〜1085(1989))。後者の手順は、分子中のあらゆる残基に、単一のアラニン変異を導入する。次いで、得られた変異分子を、ホスホグルコースイソメラーゼ活性について試験する。
【0099】
本発明のポリペプチドは、好ましくは、単離形態で提供され、そして好ましくは、実質的に精製される。「単離されたポリペプチド」とは、その天然の環境から取り出されたポリペプチドを意図する。従って、生成されたポリペプチドおよび/または組換え宿主細胞内に含まれるポリペプチドは、本発明の目的にのために単離が考慮される。また、「単離されたポリペプチド」は、組換え宿主細胞から、部分的に、または実質的に、精製されたポリペプチドを意図する。例えば、組換え的に生成されたバージョンのPgiポリペプチドは、SimthおよびJohnson、Gene 67:31〜40(1988)に記載の1工程方法によって実質的に精製され得る。
【0100】
本発明のポリペプチドは、寄託されたDNAによってコードされるPgiポリペプチド、および寄託されたクローンによってコードされるポリペプチドに、図1のポリペプチド(配列番号2)に、少なくとも95%同一、なおより好ましくは、少なくとも96%、97%、98%または99%同一であるポリペプチドを含み、そしてまた、少なくとも30アミノ酸およびより好ましくは少なくとも50アミノ酸を有するこのようなポリペプチドの一部を含む。
【0101】
Pgiポリペプチドの参照アミノ酸配列に少なくとも、例えば、95%「同一」である、アミノ酸配列を有するポリペプチドとは、このポリペプチド配列がPgiポリペプチドの参照アミノ酸の各100アミノ酸について5つまでのアミノ酸変化を有し得る以外は、このポリペプチドのアミノ酸配列が、参照配列に同一であることを意図する。言換えれば、参照アミノ酸配列に少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドを得るためには、参照配列におけるアミノ酸残基の5%までが、欠失されるか、もしくは別のアミノ酸で置換されてもよく、または参照配列中の総アミノ酸残基の5%までのアミノ酸のアミノ酸数が、参照配列に挿入されてもよい。参照配列のこれらの変更は、参照アミノ酸配列のアミノ末端もしくはカルボキシ末端の位置で、またはそれらの末端位置間のどこでも、参照配列内の残基の間で個々にか、または参照配列内の1つ以上の連続する基でのいずれかに分散して、生じ得る。
【0102】
実際問題として、任意の特定のポリペプチドが、例えば、図1に示されるアミノ酸配列(配列番号2)に、または寄託されたクローンによりコードされるアミノ酸配列番号に、少なくとも95%、96%、97%、98%もしくは99%同一であるか否かは、Bestfitプログラム(Wisconsin,Sequence Analysis Package,Version 8 for Unix(登録商標),Genetics Computer Group,University Research Park,575 Science Drive,Madison,WI 53711)のような公知のコンピュータープログラムを用いて従来的に決定され得る。Bestfitまたは任意の他の配列アラインメントプログラムを用いて、特定の配列が、例えば、本発明による参照配列に95%同一であるか否かを決定する場合、当然ながら、パラメーターは同一性パーセンテージが参照アミノ酸配列の全長にわたって算出されるように、そして参照配列中のアミノ酸残基の総数の5%まで相同性におけるギャップが許されるように設定する。
【0103】
本発明のポリペプチドは、当業者に周知の方法を用いて、SDS−PAGEゲル上の、または分子ふるいゲル濾過カラム上の分子量マーカーとして用いられ得る。
【0104】
(N末端欠失およびC末端欠失の変異体)
1つの実施形態において、本発明は、図1に示されるPgiポリペプチドのアミノ酸配列のアミノ末端から1つ以上の残基を欠失しているポリペプチド、または寄託されたクローンのDNAによりコードされるポリペプチドを提供する。詳細には、1つの実施形態において、PgiポリペプチドのN末端欠失は、一般式m〜540により記載され得、ここでmは、2〜539の任意の1つの整数であり、配列番号2において同定されたアミノ酸残基の位置に対応し、そして、好ましくは、本明細書に特定されるN末端欠失において同定されたN末端アミノ酸残基の1つに対応する。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドはまた、本発明により包含される。
【0105】
本発明のさらなる実施形態は、本発明のPgiポリペプチドのC末端欠失に関し、これは、一般式1〜nにより記載され、ここでnは、2〜539の任意の1つの整数であり、配列番号2において同定されたアミノ酸残基の位置に対応し、そして好ましくは、本明細書に特定されるC末端欠失の1つにおいて同定された残基に対応する。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドはまた、本発明により包含される。
【0106】
本発明のさらなる実施形態は、一般式m〜nで記載されるアミノ酸残基を含むポリペプチドフラグメント、またはこのアミノ酸残基から構成されるポリペプチドフラグメントに関し、mおよびnは、それぞれ、これらのシンボルについて上記で特定されたアミノ酸残基のいずれか1つに対応する。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドはまた、本発明により包含される。
【0107】
以下の実施例は、例示のみであり、そして添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲を限定することは意図しない。種々の改変およびバリエーションが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の方法においてなされ得ることは当業者には明白である。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその均等の範囲内ならば、本発明の改変およびバリエーションをカバーすることが意図される。
【0108】
(実施例)
(実施例1−DNA単離および精製)
DNAを、NRRL B−11474細胞の培養物から単離した。NRRL B−11474細胞を、CM培地(表B)から収集し、そして10mlのTE pH8(10mM Tris*Cl、1mM EDTA)に懸濁した。40μgのRNase Aおよび10mgのリゾチームを懸濁物1mlあたりに添加し、そしてこの懸濁物を37℃で30分間インキュベートした。この懸濁物をドデシル硫酸ナトリウム(SDS)中で1.0%にし、そして0.1mg/lのプロテイナーゼKを添加した。そして細胞を37℃で10分間インキュベートすることにより溶解した。核酸をTE飽和フェノール(pH7)で3回抽出し、続いてエタノール沈殿で精製した。核酸沈殿物を80%エタノールで2回洗浄し、そしてTE pH8に再溶解した。DNAの濃度を分光光度計で260nmで定量した。DNA調製物の純度を、分光光度計で(A260/A280比およびA260/A230比)、そしてアガロースゲル電気泳動(1×TAE中、0.8%アガロース)により決定した。
【0109】
ゲノムDNAの配列決定を、当業者に公知のように、それぞれ、pGEM3およびLorist6を用いて、プラスミドおよびコスミドのライブラリーを作製することにより、実施した。C.glutamicum pgi遺伝子を、Mycobacterium tuberculosis(Swiss Prot 登録番号P77895、Swiss Prot ID G6PI_MYCTU)のグルコース−6−ホスフェートイソメラーゼに対する相同性により同定した。
【0110】
(実施例2−pgiを破壊させることによるNADPH利用性の増大)
ペントースリン酸経路の酸化分岐を通した炭素フラックスの増大が、6−グルコースリン酸イソメラーゼをコードするpgi遺伝子を破壊することにより達成された。2つのPCRプライマーを、上記のゲノムDNA配列から設計し、C.glutamicum pgi遺伝子の680bpの内部領域の増幅を促進した。これらのプライマーは以下であった:
pgif*(配列番号3)5’gctgatgtccacgaagctttgggac3’
pgif*(配列番号4)3’gctgagaaccttggaataaggtagg3’。
【0111】
プライマーpgif*およびpgif*は、制限酵素HindIIIの認識配列を含む。pgif*の場合、C.glutamicumヌクレオチド配列から3つの変化を作製し、Hind III認識配列を組み込むことが必要であった。これらのHindIII認識部位は、サブクローニングを容易にした。
【0112】
PCR増幅条件を以下のとおり使用した。各PCR反応の最終容量は、100μlであった。各プライマーの100ngを、50ngの高分子量C.glutamicum ATCC 21799ゲノムDNAおよび2.5ユニットのTaq DNAポリメラーゼとともに用いた。反応緩衝液は、製造業者(Stratagene)により推奨される濃度で含み、そしてdNTPをまた、最終濃度200μMで含んだ。サイクルのパラメーターは以下の通りであった:94℃1分、続いて、94℃30秒、60℃30秒、そして72℃1分(30サイクル)、72℃7分、続いて凍結。
【0113】
Hind IIIでの制限消化の際、PCR産物を約660bpのサイズに低下させた。次いでこのフラグメントを自殺ベクターpBGS131中にサブクローニングした。得られたサブクローンをpDPTpgi2と名付けた。
【0114】
コンピテントC.glutamicum(NRRLB11474)細胞への電気的形質転換後に、最終濃度10μg/mlでカナマイシンを含有するCM(表B)寒天プレート上で組み込みを選択した。変異株においてグルコースリン酸イソメラーゼ活性が存在しないことを酵素アッセイで確認した。このことは、これらの株においてpgi遺伝子が破壊されていることを示す。
【0115】
振盪フラスコ実験により、C.glutamicum(NRRL B11474)pgi変異体が、C.glutamicum(NRRL B11474)に比べて、リジン力価および収率を改善していることが示される(表A)。
【0116】
【表2】
Figure 0004841093
【0117】
【表3】
Figure 0004841093
【0118】
【表4】
Figure 0004841093
(実施例3:6−ホスホフルクトキナーゼ(pfkA)をコードする遺伝子の破壊)
6−ホスホフルクトキナーゼ(pfkA)をコードする遺伝子を、実施例2のpgi遺伝子について記載した方法と同様の方法で破壊した。pfkA遺伝子の破壊を変異体の抽出物の酵素アッセイにより確認し、そして6−ホスホフルクトキナーゼ活性が欠失していることを示した。予想に反して、C.glutamicum(NRRL B−11474)pfkA変異体は、グルコースを利用することができなかった。
【0119】
本明細書において引用した全ての特許および刊行物は、その全体が参考として本明細書中に明白に援用されている。
【0120】
前述の発明は、明確さおよび理解の目的でいくらか詳細に記載してきたが、形態および詳細の種々の変更が、本発明の真の範囲および添付の特許請求の範囲から逸脱することなく成され得ることは、本開示の内容から当業者に明白である。
【0121】
【表5】
Figure 0004841093

【図面の簡単な説明】
【図1A】 図1Aは、pgiのヌクレオチド(SEQ ID NO:1)配列および推定アミノ酸(SEQ ID NO:2)配列を示す。Pgiペプチドは約59kDaの推定分子量を有する。
【図1B】 図1Bは、pgiのヌクレオチド(SEQ ID NO:1)配列および推定アミノ酸(SEQ ID NO:2)配列を示す。Pgiペプチドは約59kDaの推定分子量を有する。
【図1C】 図1Cは、pgiのヌクレオチド(SEQ ID NO:1)配列および推定アミノ酸(SEQ ID NO:2)配列を示す。Pgiペプチドは約59kDaの推定分子量を有する。
【配列表】
Figure 0004841093
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Claims (13)

  1. L−リジン、L−スレオニンおよびL−イソロイシンからなる群より選択されるL−アミノ酸を生成する方法であって、非改変Corynebacterium glutamicumに比較して、増加したペントースリン酸経路の酸化分岐を通した炭素フラックス、および減量された6−ホスホグルコースイソメラーゼ酵素活性を有する改変Corynebacterium glutamicum細胞を培養する工程を包含する方法であって、該改変Corynebacterium glutamicum細胞からのL−アミノ酸収率が非改変Corynebacterium glutamicum細胞からの収率よりも高く、該改変Corynebacterium glutamicum細胞が変異体pgi遺伝子を有該pgi遺伝子は、配列番号1に示すとおりであるか、または配列番号2に示すアミノ酸配列をコードする、方法。
  2. 前記改変Corynebacterium glutamicum細胞が、非改変Corynebacterium glutamicum細胞に比較して、増量したNADPHを有する、請求項1に記載の方法。
  3. 請求項2に記載の方法であって、ここで、前記改変Corynebacterium glutamicum細胞がグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、ラクトナーゼおよび6−ホスホグルコネートデヒドロゲナーゼを包含する群から選択される増量された1つ以上の酵素を有する、方法。
  4. 前記改変Corynebacterium glutamicum細胞が解糖系を通した炭素フラックスの減少を有する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記改変Corynebacterium glutamicum細胞からの前記L−アミノ酸収率が前記非改変Corynebacterium glutamicum細胞からの収率よりも%〜00%高い、請求項1に記載の方法。
  6. 請求項1に記載の方法であって、前記改変Corynebacterium glutamicum細胞が以下:
    (a)pgi遺伝子の内部領域をサブクローニングする工程、および
    (b)工程(a)から生じるベクターを相同組換えを介してCorynebacterium glutamicumゲノムへ挿入する工程、
    によって生成され、該pgi遺伝子は、配列番号1に示すとおりであるか、または配列番号2に示すアミノ酸配列をコードする、方法。
  7. 前記L−アミノ酸がL−リジンを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 変異したpgi遺伝子を有するCorynebacterium glutamicum細胞の生成方法であって、以下:
    (a)pgi遺伝子の内部領域を自殺ベクターにサブクローニングする工程、および
    (b)工程(a)から生じるベクターをCorynebacterium glutamicumゲノムへ挿入し、それによって改変されたpgi遺伝子を有するCorynebacterium glutamicum細胞を生成する工程であって、相同なpgi遺伝子の変異は、(a)の自殺ベクターによって生じる、工程、
    を包含該pgi遺伝子は、配列番号1に示すとおりであるか、または配列番号2に示すアミノ酸配列をコードする、方法。
  9. 前記自殺ベクターが、選択可能なマーカーを有するpBGS131ベースのレプリコンおよび選択可能なマーカーを有するColE1ベースのレプリコンを包含する群から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. L−リジン、L−スレオニンおよびL−イソロイシンからなる群より選択されるL−アミノ酸を生成する方法であって、以下:
    非改変Corynebacterium glutamicum細胞と比較して減量された6−ホスホグルコースイソメラーゼ酵素活性を有する改変Corynebacterium glutamicum細胞を培養する工程であって、該改変Corynebacterium glutamicum細胞からのL−アミノ酸収率が非改変Corynebacterium glutamicum細胞からの収率よりも高い工程、を包含する、方法。
  11. 前記改変Corynebacterium glutamicum細胞からの前記L−アミノ酸収率が、前記非改変Corynebacterium glutamicum細胞からの収率よりも%〜00%高い、請求項10に記載の方法。
  12. 請求項10に記載の方法であって、前記改変Corynebacterium glutamicum細胞が以下:
    (a)pgi遺伝子の内部領域をサブクローニングする工程、および
    (b)工程(a)から生じるベクターを相同組換えを介してCorynebacterium glutamicumゲノムへ挿入する工程、
    によって生成され、該pgi遺伝子は、配列番号1に示すとおりであるか、または配列番号2に示すアミノ酸配列をコードする、方法。
  13. 前記L−アミノ酸がL−リジンを含む、請求項10に記載の方法。
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