複写機、プリンタや複合機等の従来の画像形成装置は、例えば、画像形成部において記録用紙等のシート上にトナーを用いてトナー像を形成することで、該シート上に画像を形成するように構成されている。
斯かる従来の画像形成装置のうち、電子写真方式の画像形成プロセスによって画像形成を行う画像形成装置は、例えば、画像形成部において感光体等の像担持体表面を帯電させ、その帯電域に画像露光して静電潜像を形成し、該静電潜像を現像して形成されたトナー像を、所定のシート搬送方向に搬送されるシートに静電的に転写し、定着機構において該シートに転写されたトナー像を定着させることにより、該シート上に画像を形成するように構成されている。
また、近年の画像形成装置の多機能化によって、片面の画像形成を行うだけでなく両面画像形成機能を備えた画像形成装置が一般的となっている。
この両面画像形成機能を備えた画像形成装置は、古くは、シートの一方の面(表面)に画像形成を連続して行い、一方の面の画像形成が終了した後、他方の面(裏面)に画像形成して該シートに両面画像形成を行っていた。このような画像形成装置では、一方の面の画像形成が終了したシートを画像形成装置内部に一旦収納する“ストックトレイ”が必要であり、画像形成装置の高速化及びコンパクト設計の弊害となっていた。
このため、画像形成装置のコンパクト設計の観点から、“スイッチバック手法”と呼ばれる両面画像形成手法を用いた両面画像形成機能を有する画像形成装置が主流となっている(例えば、下記特許文献1参照)。
“スイッチバック手法”とは、一方の面の画像形成を終了したシートを継続して、主搬送路の一部でシート搬送方向を異にしてシートを搬送すると共に該シートを反転搬送路に導いて該反転搬送路にて表裏が逆転するように反転させることで、該シートの他方の面に画像形成を行う手法である。かかる手法は、一方の面の画像形成の際に、主搬送路の一部でシートをシート搬送方向とは逆方向に搬送する搬送部分が形成され、この搬送部分を“スイッチバック搬送路”と呼ぶことから、一般的に、このような両面画像形成の一手法を“スイッチバック手法”と称している。
図6は、両面画像形成を行う従来の画像形成装置において、スイッチバック手法によるシート搬送路構造の一例を説明するための概略側面図である。
図6に示す画像形成装置は、画像形成部3において感光体(図示せず)上に形成されたトナー像を転写機構(図示せず)によってシートP上に転写し、定着機構39において該シートP上に形成されたトナー像を加熱溶融して固着させることで該シートP上に定着させるようになっている。
この画像形成装置におけるシート搬送路構造30’は、主搬送路36と、該主搬送路36上に配設された一対の反転ローラ35,35と、反転搬送路37とを備えている。主搬送路36の一部にはスイッチバック搬送路51が形成されている。また、反転ローラ35,35の近傍にはシート検知センサー35aが設けられている。
図6に示す画像形成装置において、両面画像形成が行われる際には、画像形成部3にて一方の面に画像が形成されたシートPが、主搬送路36を通って反転ローラ35,35へ搬送されると、該反転ローラ35,35に挟持された状態で一旦停止する。次に、反転ローラ35,35は、該シートPをシート搬送方向(図中X方向)へ搬送する回転方向(順方向)とは逆方向の回転を再開し、一方の面に画像が形成されたシートPをシート搬送方向Xとは逆方向のシート逆搬送方向(図中X’方向)に逆搬送する。即ち、反転ローラ35,35は、該シートPのシート搬送方向X上流側端部(後端部)P2を前にして該シートPの逆搬送を行う。この時、逆搬送されたシートPの後端部(逆搬送時のシート逆搬送方向X’下流側端部(先端部))P2は定着機構39に戻るのではなく、分岐爪38によって画像形成装置内に配置された反転搬送路37に導かれる。
なお、シート搬送路構造30’において、主搬送路36の一部を構成する搬送路51を“スイッチバック搬送路”という名称で表現している。この“スイッチバック搬送路”は、主搬送路36と反転搬送路37との分岐部50から該主搬送路36上の反転ローラ35,35までの搬送路を示していて、反転ローラ35,35の順方向の回転によるシートPの搬送と、逆方向の回転によるシートPの逆搬送とが可能な搬送路の名称として用いることが多い。
分岐爪38は、シートPを反転ローラ35,35から反転搬送路37へ導く第1分岐姿勢と、シートPを画像形成部3から反転ローラ35,35へ導く第2分岐姿勢とをとり得るように構成されており、分岐部50に配置されている。
図示例の分岐爪38は、通常状態では、スイッチバック搬送路51と反転搬送路37とを直結する形態で配置され(第1分岐姿勢、図中実線参照)、画像形成部3で画像形成されたシートPがシート搬送方向Xに搬送される際には(第2分岐姿勢、図中鎖線参照)、該シートPのシート搬送方向下流側端部(先端部)P1が分岐爪38を押し上げて該シートPをスイッチバック搬送路51へ導くようになっている。分岐爪38は爪部38aが自重で落下するように反転ローラ35,35の軸線方向に沿った揺動軸Q回りに揺動自在とされている。また、分岐爪38には、シートPの先端部P1の搬送力で上昇可能な程度に爪部38aの落下方向に付勢力を付与する付勢部材(例えばコイルスプリング)が設けられている。そして、分岐爪38は、シートPが逆方向に回転する反転ローラ35,35にてシート逆搬送方向X’に逆搬送される際には、該シートPを反転搬送路37へ導くようになっている。
反転搬送路37に導かれたシートPは、他方の面への画像形成のために該反転搬送路37にて表裏が逆転するように反転し、画像形成部3よりシート搬送方向X上流側に搬送され、前記転写機構、定着機構39を通過して両面に画像形成される。こうして両面画像形成されたシートPは、その後、主搬送路36、該主搬送路36の一部を構成するスイッチバック搬送路51を通過して順方向に回転する反転ローラ35,35を介してシート搬送方向X下流側に設けられた排出部(図示せず)に排出される。
図7は、図6に示す従来のシート搬送路構造30’において、複数シートへの連続した両面画像形成を行う際のシートPの搬送状態を示す図である。
このシート搬送路構造30’において、複数シートへの連続した両面画像形成の際には、一方の面に画像形成された先行シートPは、分岐爪38を押し上げてスイッチバック搬送路51に導かれる(図7(a)参照)。スイッチバック搬送路51に導かれた先行シートPは反転ローラ35,35にて挟持された状態で一旦停止する(図7(b)参照)。この停止タイミングは、反転ローラ35,35の近傍に配置されたシート検知センサー35aがシートPの先端部P1を検出した後、所定時間の経過によって、反転ローラ35,35の回転を停止することで常に一定の挟持位置で停止するようになっている。
反転ローラ35,35に挟持された状態で停止している先行シートPは、反転ローラ35,35が逆回転することで、搬送方向Xとは逆方向X’に搬送され、スイッチバック搬送路51から反転搬送路37に導かれる(図7(c))。こうして反転搬送路37に導かれた先行シートPの先端部(逆搬送時のシート逆搬送方向X’上流側端部(後端部))P1が分岐爪38を配置した分岐部50を通過するタイミングで、定着機構39を通過した後続シートPの先端部P1が分岐爪38を押し上げ、スイッチバック搬送路51に導かれる(図7(d))。
このような従来のシート搬送路構造30’においては、複数シートへの連続した画像形成の際に、反転ローラ35,35から反転搬送路37へ向かう先行シートPと、画像形成部3から反転ローラ35,35へ向かう後続シートPとを該先行シートP及び該後続シートPが同一時期にスイッチバック搬送路51内に位置するように搬送すると、それらのシートP,Pの衝突を招く。例えば、先行シートPが分岐部50を通過するタイミングによっては、先行シートPの後端部(逆搬送時のシート逆搬送方向X’下流側端部(先端部))P2と後続シートPの先端部P1とが正面衝突したり、或いは、後続シートPの一方の面に先行シートPの後端部P2が衝突したりする。そうすると、スイッチバック搬送路51内での搬送JAM(シート詰まり)の発生を招く。
このため、先行シートPと後続シートPとを、これらのシートP,Pが同一時期にスイッチバック搬送路51内に位置するように搬送することはできず、先行シートPの先端部(逆搬送時のシート逆搬送方向X’上流側端部(後端部))P1が分岐部50を通過した後に後続シートPの先端部P1をスイッチバック搬送路51内に進入させる必要があり、それだけ両面画像形成を行う際の処理効率の低下を招来していた。
このような不都合は、近年の100枚/分(A4横通し)相当のプロセス速度以上の画像形成装置において顕著となる。例えば、画像形成部で500mm/秒以上の画像形成プロセス速度、さらには画像形成部以外でその1.5倍〜2.0倍程度の画像形成プロセス速度として、画像形成装置における各処理機構の処理時間を確保することが好ましい。従って、複数シートへの連続した両面画像形成の際の処理効率を向上させることが急務の課題となっている。
さらに、連続して画像形成される場合において、先行シートPと後続シートPとの間の空間距離(一般的に“シート間隔”と呼ぶ。)は、近年の高速化された画像形成装置では短縮傾向にあり、例えば、30mm〜50mm程度に短縮されてきているため、このように短縮されたシート間隔を維持した状態で、両面画像形成を行うことが困難となっている。
特開平11−341231号公報
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係るシート搬送路構造を備えた画像形成装置の一例の斜視図である。また、図2は、図1に示す画像形成装置の内部構成を示す図である。
[画像形成装置1の概略構成について]
図1及び図2に示す画像形成装置1は、ここでは、電子写真方式の画像形成プロセスによって画像形成を行う複合機とされており、原稿読取手段としてのスキャナ部2と、画像形成部3と、シート搬送路構造30を含むシート搬送部32と、原稿自動給紙部4とを備えている。
この画像形成装置1は、記録用紙等のシートPに画像を形成する画像形成モードとして、コピアモード、プリンタモード、FAXモードを有し、各モードはユーザによって選択される。以下、画像形成装置1の各部について説明する。
まず、スキャナ部2について説明する。スキャナ部2は、透明なガラス等よりなる原稿台41上に載置された原稿の画像や、原稿自動給紙部4により1枚ずつ給紙される原稿の画像を読み取って原稿画像データを作成する部分である。このスキャナ部2は、露光光源21、複数の反射鏡22,23,24、結像レンズ25、光電変換素子(CCD;Charge Coupled Device)26を備えている。
露光光源21は、原稿自動給紙部4の原稿台41上に載置された原稿や、原稿自動給紙部4を搬送される原稿に対して光を照射するものである。各反射鏡22,23,24は、図2中、一点鎖線Aで光路を示すように、原稿からの反射光を、一旦、図2中、左方向に反射させた後、下方に反射させ、その後、結像レンズ25に向かうように、図2中、右方向に反射させるようになっている。
原稿の画像読取動作には、次の2つがある。原稿台41上に載置された原稿を読み取る場合(「シート固定方式」として使用する場合)には、露光光源21および各反射鏡22,23,24が、原稿台41に沿って水平方向に走査して、原稿全体の画像を読み取ることになる。一方、原稿自動給紙部4を搬送される原稿を読み取る場合(「シート移動方式」として使用する場合)には、露光光源21および各反射鏡22,23,24が、図2に示す位置に固定され、後述する原稿自動給紙部4の原稿読取部42を原稿が通過する際にその画像を読み取ることになる。
各反射鏡22,23,24で反射されて結像レンズ25を通過した光は、光電変換素子26に導かれ、この光電変換素子26において反射光が電気信号(原稿画像データ)に変換されるようになっている。
次に、画像形成部3について説明する。画像形成部3は、表面に静電潜像が形成される像担持体31bと、像担持体31b表面を帯電させる帯電機構と、像担持体31b表面に静電潜像を形成する露光装置31aと、像担持体31b表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像機構31cと、像担持体31b表面のトナー像をシートPに転写する転写機構と、像担持体31b表面を清浄化するクリーニング機構31eと、トナー像をシートPに定着させる定着機構39とを備えている。
詳しくは、画像形成部3は、露光装置としてのレーザスキャニングユニット31aおよびドラム型の像担持体としての感光体ドラム31bを備えている。レーザスキャニングユニット31aは、光電変換素子26において変換された原稿画像データ、または、外部の端末装置等から入力された画像データに基づいたレーザ光を感光体ドラム31bの表面に照射するものである。感光体ドラム31bは、図2中、矢印で示す方向に回転し、レーザスキャニングユニット31aからのレーザ光が照射されることによってその表面に静電潜像が形成されるようになっている。
また、感光体ドラム31bの外周囲には、前記したレーザスキャニングユニット31aの他に、現像ユニット(現像機構の一例)31c、転写ローラ31dを有する転写ユニット(転写機構の一例)、クリーニングユニット(クリーニング機構の一例)31e、図示しない除電器、帯電ローラ31fを有する帯電ユニット(帯電機構の一例)が周方向にわたって順に配設されている。
現像ユニット31cは、感光体ドラム31bの表面に形成された静電潜像をトナー(顕像化物質)により可視像に現像するものである。転写ローラ31dは、感光体ドラム31bの表面に形成されたトナー像を所定のシート搬送方向(図2中X方向)に搬送されるシートPに転写するものである。クリーニングユニット31eは、トナー転写後において感光体ドラム31bの表面に残留したトナーを除去するものである。除電器は、感光体ドラム31bの表面の残留電荷を除去するものである。帯電ローラ31fは、静電潜像が形成される前の感光体ドラム31bの表面を所定の電位に帯電させるものである。
シートPに画像を形成する際には、帯電ローラ31fによって感光体ドラム31bの表面が所定の電位に帯電され、レーザスキャニングユニット31aが原稿画像データに基づいたレーザ光を感光体ドラム31bの表面に照射する。その後、現像ユニット31cが感光体ドラム31bの表面にトナーによる可視像を現像し、転写ローラ31dによって、トナー像がシートPに転写される。さらに、その後、感光体ドラム31bの表面に残留したトナーはクリーニングユニット31eによって除去されるとともに、感光体ドラム31bの表面の残留電荷が除電器によって除去される。これにより、シートPへの画像形成動作(印字動作)の1サイクルが終了する。このサイクルが繰り返されることにより、複数枚のシートPに対して連続的に画像形成を行うことができるようになっている。
転写ローラ31dの配設位置よりもシート搬送方向X下流側には、シートPに転写されたトナー像を加熱により定着させるための一対の加熱ローラ39a、加圧ローラ39bを備えた定着ユニット(定着機構の一例)39が配設されている。
画像形成部3において、転写ローラ31dの配設位置よりもシート搬送方向X上流側には、一対のレジストローラ36d,36dが配設されている。このレジストローラ36d,36dは、シート搬送方向Xに搬送されるシートPを感光体ドラム31b上の静電潜像と同期をとって搬送するものである。
一方、シート搬送路構造30を含むシート搬送部32は、シート供給手段としてのカセット33に収納されたシートPを1枚ずつ搬送して画像形成部3による画像形成を行わせるとともに、画像形成されたシートPを排出手段としての排出トレイ8へ排出するものである。排出トレイ8は、カセット33の上方であってスキャナ部2の下方に設けられている。シート搬送部32のシート搬送方向X下流側端部には、シートPを排出トレイ8に排出するための排出ローラ36eが配設されている。
カセット33の排出側に対向する部分には、断面が半円状のピックアップローラ36aが配設されている。このピックアップローラ36aの回転により、カセット33に収納されているシートPを1枚ずつ間欠的にシート搬送路構造30の後述する主搬送路36に供給できるようになっている。なお、シート搬送路構造30については、後ほど詳しく説明する。
シート搬送部32において、ピックアップローラ36aは、シートPをカセット33から受け取り、該シートPのシート搬送方向X下流側端部(先端部)P1がレジストローラ36d,36dに達するまで該シートPを搬送するようになっている。レジストローラ36d,36dに到達したシートPは、該レジストローラ36d,36dで一旦停止し、 “斜め補正”及び“シート先端調整”が“レジスト調整”として行われる。
即ち、ピックアップローラ36aは、一時的に停止しているレジストローラ36d,36dにシートPの先端部P1が達して当接し、該シートPが撓むまで該シートPを搬送するようになっている。この撓んだシートPの弾性力により、該シートPの先端部P1をレジストローラ36d,36dに対して平行に揃えることが可能となる。レジストローラ36d,36dは、この後、後述する制御部100(図4参照)の指示を受けたレジストローラ駆動部36gによって所定のタイミングで回転駆動される。これにより、該シートPは、感光体ドラム31b上に顕像化されるトナー像の先端部と該シートPの先端部P1とが転写領域の転写部位で合致するタイミングで該転写部位に搬送され、さらに定着機構39へ搬送されるようになっている。
次に、原稿自動給紙部4について説明する。原稿自動給紙部4は、いわゆる自動両面原稿搬送装置として構成されている。この原稿自動給紙部4は、シート移動式として使用可能であって、原稿載置部としての原稿トレイ43、中間トレイ44、原稿排出部としての原稿排紙トレイ45、および各トレイ43,44,45間で原稿を搬送する原稿搬送系46を備えている。
原稿搬送系46は、原稿トレイ43に載置された原稿を、原稿読取部42を経て中間トレイ44または原稿排紙トレイ45へ搬送するための主搬送路47と、中間トレイ44上の原稿を主搬送路47に供給するための副搬送路48とを備えている。
主搬送路47の上流端(原稿トレイ43の排出側に対向する部分)には、原稿ピックアップローラ47aおよび捌きローラ47bが配設されている。また、捌きローラ47bの下側には、捌き板47cが配設されている。原稿ピックアップローラ47aの回転に伴って、原稿トレイ43上の原稿のうちの1枚が、捌きローラ47bと捌き板47cとの間を通過して主搬送路47に給紙されるようになっている。主搬送路47と副搬送路48との合流部分(図2中、Bの部分)よりも下流側には、PSローラ47e,47eが配設されている。このPSローラ47e,47eは、原稿の先端とスキャナ部2の画像読取タイミングとを調整して原稿を原稿読取部42に供給するものである。つまり、PSローラ47e,47eは、原稿が供給された状態でその原稿の搬送を一旦停止し、上記タイミングを調整して、原稿を原稿読取部42に供給するようになっている。
原稿読取部42は、プラテンガラス42aと原稿押え板42bとを備え、PSローラ47e,47eから供給された原稿がプラテンガラス42aと原稿押え板42bとの間を通過する際に、露光光源21からの光がプラテンガラス42aを通過して原稿に照射されるようになっている。この際、スキャナ部2による原稿画像データの取得が行われる。原稿押え板42bの背面(上面)には、図示しないコイルスプリングによる付勢力が付与されている。これにより、原稿押え板42bがプラテンガラス42aに対して所定の押圧力をもって接触し、原稿が原稿読取部42を通過する際に、プラテンガラス42aから浮き上がることを阻止している。
プラテンガラス42aの下流側には、搬送ローラ47fおよび原稿排紙ローラ47gが備えられている。プラテンガラス42a上を通過した原稿が搬送ローラ47fおよび原稿排紙ローラ47gを経て、中間トレイ44または原稿排紙トレイ45へ排紙されるようになっている。
原稿排紙ローラ47gと中間トレイ44との間には、中間トレイ揺動板44aが配設されている。この中間トレイ揺動板44aは、中間トレイ44側の端部が揺動中心とされて、図2に示す第1ポジションと、この第1ポジションから上方へ跳ね上げられた第2ポジションとの間で揺動可能となっている。中間トレイ揺動板44aが前記第2ポジションにある場合には、原稿排紙ローラ47gから排紙された原稿は原稿排紙トレイ45へ回収される。一方、中間トレイ揺動板44aが前記第1ポジションにある場合には、原稿排紙ローラ47gから排紙された原稿は中間トレイ44へ排出されるようになっている。この中間トレイ44への排紙時には、原稿の端縁が原稿排紙ローラ47g,47g間に挟持された状態となっており、この状態から原稿排紙ローラ47gが逆回転することによって原稿が副搬送路48に供給され、この副搬送路48を経て、再び主搬送路47に送り出されるようになっている。この原稿排紙ローラ47gの逆回転動作は、主搬送路47への原稿の送り出しと画像読取タイミングとを調整して行われる。これにより、原稿の裏面の画像が原稿読取部42によって読み取られるようになっている。
そして、画像形成装置1は、シ―ト搬送方向Xに搬送されるシートPの一方の面に画像形成部3にて画像形成を行う構成に加えて、シ―ト搬送方向Xに搬送されるシートPの一方の面に画像形成部3にて画像形成した後に該一方の面に画像形成されたシートPをシ―ト搬送方向X上流側端部が前になるように搬送すると共に、該シートPの表裏が逆転するように反転して該シートPの他方の面に該画像形成部3にて画像形成を行うようになっている。
[シート搬送路構造30について]
次に、シート搬送路構造30について説明する。図3は、図2に示す画像形成装置1におけるシート搬送路構造30部分を拡大して示す図である。シート搬送路構造30は、主搬送路36、一対の反転ローラ35,35、反転搬送路37及びシート分離部材34を備えている。
主搬送路36は、画像形成部3を介してシートPを搬送するようになっている。本実施の形態では、主搬送路36のシート搬送方向X上流側端は、カセット33の排出側に臨んでいる。また、主搬送路36のシート搬送方向X下流側端は、排出ローラ36eに臨んでいる(図1参照)。
一対の反転ローラ35,35は、画像形成部3よりもシート搬送方向X下流側(ここでは画像形成部3における定着機構39よりもシート搬送方向X下流側且つ排出ローラ36eよりもシート搬送方向X上流側)の主搬送路36上に配設されている。また、反転ローラ35,35は、画像形成部3から搬送されてきたシートPをシート搬送方向X上流側端部(後端部)P2が前になるように搬送できるようになっている。即ち、反転ローラ35,35は、該シートPをシート搬送方向Xへ搬送する回転方向とは逆方向に回転し、シート搬送方向Xとは逆方向のシート逆搬送方向(図中X’方向)に逆搬送できるようになっている。
反転搬送路37は、主搬送路36における反転ローラ35,35と画像形成部3(ここでは画像形成部3における定着機構39)との間の分岐部50から分岐されている。この反転搬送路37は、反転ローラ35,35にて後端部P2が前になるように搬送されたシートPを該シートPの表裏が逆転するように反転させて主搬送路36の画像形成部3(ここでは画像形成部3におけるレジストローラ36d,36d)よりもシート搬送方向X上流側へ導くようになっている。
即ち、本実施の形態では、反転搬送路37は、一端側がシート搬送方向Xにおいて画像形成部3における定着機構39の配設位置よりも下流側且つ反転ローラ35,35よりも上流側の分岐部50で主搬送路36に繋がっていると共に、他端側が画像形成部3におけるレジストローラ36d,36dの配設位置よりもシート搬送方向X上流側で主搬送路36に繋がっている。また、反転搬送路37には、搬送ローラ37aが配設されている。これにより、反転搬送路37は、反転ローラ35,35によって逆搬送されたシートPを表裏が逆転するように反転して、レジストローラ36d,36dのシート搬送方向X上流側の主搬送路36へ導入し、再び転写ローラ31dに向けて主搬送路36を搬送させるようになっている。つまり、シートPは、シート搬送方向Xの後端部(逆搬送時のシート逆搬送方向X’下流側端部(先端部))P2を前にして反転搬送路37を通過することによって、画像形成部3にて他方の面に対して画像形成されるようになっている。
なお、分岐部50には、分岐爪38(図3では図示せず、図2参照)が配設されていてもよい。この場合、分岐爪38は、シートPを反転ローラ35,35から反転搬送路37へ導く第1分岐姿勢と、シートPを画像形成部3から反転ローラ35,35へ導く第2分岐姿勢とをとり得るように構成され得る。
そして、主搬送路36の反転ローラ35,35と分岐部50との間には、スイッチバック搬送路51が形成されている。このスイッチバック搬送路51にシート分離部材34が配置されている。
シート分離部材34は、複数シートへの連続した両面画像形成の際に、反転ローラ35,35から反転搬送路37へ向かう先行シートPと、画像形成部3(ここでは画像形成部3における定着機構39)から反転ローラ35,35へ向かう後続シートPとを該先行シートPの少なくとも一部及び該後続シートPの少なくとも一部が同一時期にスイッチバック搬送路51内に位置するように搬送してもそれらのシートP,Pが衝突しないように(即ち、それらのシートP,Pの衝突による搬送JAM(シート詰まり)を回避するように)構成されている。ここで、先行シートPと後続シートPとが衝突する態様としては、先行シートPの後端部(逆搬送時の先端部)P2と後続シートPの先端部P1とが正面衝突する場合、後続シートPの一方の面に先行シートPの後端部(逆搬送時の先端部)P2が衝突する場合、或いは、先行シートPの一方の面に後続シートPの先端部P1が衝突する場合を例示できる。
こうすることで、複数シートへの連続した両面画像形成の際に、先行シートPの先端部(逆搬送時の後端部)P1が分岐部50を通過する前でも後続シートPの先端部P1をスイッチバック搬送路51内に進入させることができる。これにより、両面画像形成を行う際の処理効率を向上させることができる。また、先行シートPと後続シートPとの間のシート間隔を可及的に短縮した状態でも両面画像形成を支障なく行うことができる。
シート搬送路構造30についてさらに具体的に説明すると、シート分離部材34は、スイッチバック搬送路51の一方の壁面(画像形成部3側の壁面)51aとの間に画像形成部3(ここでは画像形成部3における定着機構39)から反転ローラ35,35へ搬送されるシートPが通過する第1搬送経路S1を形成する第1搬送面34aを有している。詳しくは、シート分離部材34の第1搬送面34aは、スイッチバック搬送路51の一方の壁面(画像形成部3側の壁面)51aとの間隔がシート搬送方向Xに向かうに従って狭くなるように傾斜した第1傾斜面とされている。こうすることで、画像形成部3から反転ローラ35,35へのシートPのスムーズな搬送を実現することが可能となる。
また、シート分離部材34は、スイッチバック搬送路51の他方の壁面(反転搬送路37側の壁面)51bとの間に反転ローラ35,35から反転搬送路37へ搬送されるシートPが通過する第2搬送経路S2を形成する第2搬送面34bを有している。詳しくは、シート分離部材34の第2搬送面34bは、スイッチバック搬送路51の他方の壁面(反転搬送路37側の壁面)51bとの間隔がシート搬送方向Xに向かうに従って広くなるように傾斜した第2傾斜面とされている。こうすることで、反転ローラ35,35から反転搬送路37へのシートPのスムーズな搬送を実現することが可能となる。
本実施の形態では、シート分離部材34は、反転ローラ35,35の軸線方向に沿った揺動軸R回り揺動自在とされ且つ揺動軸Rを基準にして径方向の互いに相反する方向に沿ってそれぞれ突出した一対の爪部34c,34dを有する爪部材とされている。
そして、この爪部材34は、揺動軸R回りに所定の回転方向(図3中Y1方向)へ付勢するように所定の付勢力が付与されている。また、爪部材34は、搬送されるシートPの搬送力で前記付勢力に抗して揺動軸P回りに所定回転方向Y1とは反対方向(図3中Y2方向)へ回動するように構成されている。
具体的には、爪部材34は、反転ローラ35,35側の一方の爪部34cがスイッチバック搬送路51の一方の壁面(画像形成部3側の壁面)51a側に近づく方向Y1へ(換言すれば、反転搬送路37側の他方の爪部34dがスイッチバック搬送路51の他方の壁面(反転搬送路37側の壁面)51bに近づく方向Y1へ)揺動軸R回りに付勢するように所定の付勢力が付与されている。この場合、スイッチバック搬送路51内にシートSが搬送されていない状態で、反転ローラ35,35側の一方の爪部34cが画像形成部3側の一方の壁面51aに接触していてもよく、反転搬送路37側の他方の爪部34dが反転搬送路37側の他方の壁面51bに接触していてもよい。また、該一方の爪部34c及び該他方の爪部34dの双方が該一方の壁面51a及び該他方の壁面51bにそれぞれ接触していてもよい。
爪部材34に付勢力が付与される態様としては、次の態様を例示できる。即ち、
(a)爪部材34は、揺動軸Rを中心にして反転ローラ35,35側の一方の爪部34cを反転搬送路37側の他方の爪部34dよりも重くすることで、該一方の爪部34cが自重により画像形成部3側の一方の壁面51aに向けて落下するように構成されている態様、
(b)爪部材34は、反転ローラ35,35側の一方の爪部34cがスイッチバック搬送路51の画像形成部3側の一方の壁面51aに近づく方向Y1へ(換言すれば、反転搬送路37側の他方の爪部34dがスイッチバック搬送路51の反転搬送路37側の他方の壁面51bに近づく方向Y1へ)揺動軸R回りに付勢するように付勢部材(例えばコイルスプリング)によって付勢されている態様、
(c)前記(a)及び(b)の態様を組み合わせた態様である。
何れにしても、スイッチバック搬送路51は略水平に配置されている態様を例示できる。
また、前記付勢力は、画像形成部3(ここでは画像形成部3における定着機構39)から反転ローラ35,35へ向かうシートP(又は反転ローラ35,35から反転搬送路37へ向かうシートP)の搬送力によって爪部材34を回動させる程度のものとすることができる。
即ち、爪部材34は、画像形成部3から反転ローラ35,35へ向かうシートPの先端部P1で該シートPの搬送力によって反転ローラ35,35側の一方の爪部34cが前記付勢力に抗してスイッチバック搬送路51の反転搬送路37側の他方の壁面51b側に近づく方向へ揺動軸R回りに回動するように構成され得る。これにより、該一方の爪部34cと画像形成部3側の壁面51aとの間で該シートPをスムーズに搬送させることが可能となる。また、爪部材34は、反転ローラ35,35から反転搬送路37へ向かうシートPの後端部(逆搬送時の先端部)P2で該シートPの搬送力によって反転搬送路37側の他方の爪部34dが前記付勢力に抗してスイッチバック搬送路51の画像形成部3側の壁面の一方の壁面51a側に近づく方向へ揺動軸R回りに回動するように構成され得る。これにより、該他方の爪部34dと反転搬送路37側の壁面51bとの間で該シートPをスムーズに搬送させることが可能となる。
[シート搬送の制御動作について]
次に、シート搬送路構造30を搬送するシート搬送の制御動作例について説明する。図4は、図1及び図2に示す画像形成装置1の制御系のシステム構成を示す概略ブロック図である。
画像形成装置1は、前記構成に加えて、シート検知センサー35aと、反転ローラ駆動部35bと、レジストセンサー36fと、レジストローラ駆動部36gと、制御部100とを備えている。
制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101と、記憶部102とを備えている。記憶部102は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含み、各種制御プログラムや必要な関数を記憶するようになっている。
制御部100は、CPU101によって、各種制御プログラムを記憶部102から読み出し、該読み出した制御プログラムを実行することで、画像形成プロセス制御を行うように構成されている。
シート検知センサー35aは、反転ローラ35,35のシート搬送方向X上流側近傍に配置されている(図2及び図3参照)。シート検知センサー35aは、制御部100の入力系に電気的に接続されている。また、シート検知センサー35aは、反転ローラ35,35がシートPを実質的に挟持している時に所定の第1信号(例えばオン信号)を制御部100に入力すると共に、反転ローラ35,35がシートPを実質的に挟持していない時に前記第1信号とは異なる所定の第2信号(例えばオフ信号)を制御部100に入力し得るようになっている。
レジストセンサー36fは、レジストローラ36d,36dのシート搬送方向X上流側近傍に配置されている(図2参照)。レジストセンサー36fは、制御部100の入力系に電気的に接続されている。また、レジストセンサー36fは、シートPがレジストローラ36d,36dに実質的に到達している時に所定の第1信号(例えばオン信号)を制御部100に入力すると共に、シートPがレジストローラ36d,36dに実質的に到達していない時に前記第1信号とは異なる所定の第2信号(例えばオフ信号)を制御部100に入力し得るようになっている。
反転ローラ駆動部35bは、反転ローラ35,35を順方向に回転駆動してシートPをシート搬送方向Xに搬送させる第1作動状態と、反転ローラ35,35を逆方向に回転駆動してシートPをシート逆搬送方向X’に逆搬送させる第2作動状態とを選択的に切替可能とされている。反転ローラ駆動部35bは、制御部100の出力系に電気的に接続されている。この反転ローラ駆動部35bは、制御部100から前記第1作動状態のための作動信号又は前記第2作動状態のための作動信号が入力されるようになっている。
レジストローラ駆動部36fは、制御部100の出力系に電気的に接続されている。このレジストローラ駆動部36fは、シートPをシート搬送方向Xに搬送するようにレジストローラ36d,36dを回転駆動するための作動信号が入力されるようになっている。
そして、制御部100は、複数シートへの連続した両面画像形成の際に、反転ローラ35,35から反転搬送路37へ向かう先行シートPの少なくとも一部と、画像形成部3から反転ローラ35,35へ向かう後続シートPの少なくとも一部とが同一時期にスイッチバック搬送路51内に位置するように、且つ、該先行シートPと該後続シートPとがシート分離部材34にて衝突しないタイミングで、該先行シートP及び該後続シートPを搬送するように構成されている。詳しくは、制御部100は、複数シートへの連続した両面画像形成の際に、反転ローラ35,35から反転搬送路37へ向かう先行シートPの少なくとも一部と、画像形成部3(ここでは画像形成部3における定着機構39)から反転ローラ35,35へ向かう後続シートPの少なくとも一部とが同一時期にスイッチバック搬送路51内に位置するように、且つ、該先行シートPと該後続シートPとがシート分離部材34にて衝突しないタイミングで、シート検知センサー35a及びレジストセンサー36fの検出値に基づき、反転ローラ駆動部35b及びレジストローラ駆動部36gを制御して、該先行シートP及び該後続シートPを搬送するように構成されている。
例えば、制御部100は、反転ローラ35,35から反転搬送路37へ向かう先行シートPの後端部(逆搬送時の先端部)P2が画像形成部3から反転ローラ35,35へ向かう後続シートPの先端部P1よりも先にシート分離部材34のシート搬送方向X下流側端部34eに到達するように構成されていることが好ましい。また、この構成に加えて又は代えて、制御部100は、画像形成部3から反転ローラ35,35へ向かう後続シートPの先端部P1が反転ローラ35,35から反転搬送路37へ向かう先行シートPの後端部(逆搬送時の先端部)P2よりも先にシート分離部材34のシート搬送方向X上流側端部34fに到達するように構成されていることが好ましい。
以上説明した画像形成装置1では、片面画像形成の要求の際には、先ず、カセット33から搬送されるシートPが、ピックアップローラ36aによってレジストローラ36d,36dまで搬送される。次いで、レジストローラ36d,36dによってシートPが感光体ドラム31b上のトナー像と同期をとって転写部位に搬送される。この転写部位に搬送されたシートPの一方の面に、転写ローラ31dに印加された転写電界にて感光体ドラム31b上のトナー像が転写される。その後、シートPは、定着機構39を通過することによって、該シートP上に転写された未定着トナーが定着機構39を構成する一対の加熱、加圧ローラ39a,39bからの熱量と加圧力とを受け、溶融、固着され、該シートP上に定着される。トナー像が定着されたシートPは、その後、反転ローラ35,35及び排出ローラ36eを経て、排出トレイ8上に排出される。
一方、両面画像形成の要求の際には、前記したように片面画像形成が終了し、定着機構39を通過したシートPは、反転ローラ35,35でチャックされた状態で、逆回転することによって、停止前のシートPの後端部P2が前になるように反転搬送路37へ搬送される。そして反転搬送路37に搬送されたシートPは、画像形成部3(ここではレジストローラ36d、36d)よりシート搬送方向X上流側に導かれた後、レジストローラ36d,36dを経て、他方の面に画像形成され、排出トレイ8に排出される。
このシート搬送路構造30において、複数シートへの連続した両面画像形成の際には 次のようなシートPの搬送制御を行うことができる。
図5は、図2及び図3に示すシート搬送路構造30において、複数シートへの連続した両面画像形成を行う際のシートPの搬送状態を示す図である。
このシート搬送路構造30において、複数シートへの連続した両面画像形成にあたり、一方の面に画像形成された先行(1枚目の)シートPは、分岐部50を経てスイッチバック搬送路51に移行する。スイッチバック搬送路51に導かれた先行シートPは、その搬送力でスイッチバック搬送路51中のシート分離部材34を揺動軸R線回りのスイッチバック搬送路51の他方の壁面51b側へ押し上げつつ、シート分離部材34の下方における第1搬送路S1を通って、スイッチバック搬送路51の一方の壁面51aに沿って反転ローラ35,35の方向へ導かれる(図5(a)参照)。このように反転ローラ35,35に導かれた先行シートPは、反転ローラ35,35にて挟持された状態で一旦停止する(図5(b)参照)。この停止タイミングは、反転ローラ35,35の近傍に配置されたシート検知センサー35aがシートPの先端部P1を検出した後、所定時間の経過によって、反転ローラ35,35の回転を停止することで常に一定の挟持位置で停止するようになっている。なお、シートPのシート搬送方向Xの長さは画像形成要求時には判明しているため、シート検知センサー35aの検出時からの反転ローラ35,35の停止タイミングを算出することで、該シートP1を常に一定の挟持位置で停止することができる。こうして先行シートPが停止している時には、後続(2枚目の)シートPの先端部P1が定着機構39を通過中である。この後続シートPの搬送タイミングは、レジストローラ36d,36dの近傍に配置されたレジストセンサー36fが該レジストローラ36d,36dへのシートPの到達を検出した後、該レジストローラ36d,36dを駆動するレジストローラ駆動部36gの作動タイミングを算出することで求めることができる。
反転ローラ35,35に挟持された状態で停止している先行シートPは、反転ローラ35,35が逆回転することで、搬送方向Xとは逆方向X’に搬送され、スイッチバック搬送路51からシート分離部材34の上方における第2搬送路S2を通って、反転搬送路37に導かれる(図5(c))。それと同一タイミングで、後続シートPは、前述した先行シートPと同様にして、反転ローラ35,35に向けた搬送工程でスイッチバック搬送路51におけるシート分離部材34の下方の第1搬送路S1を通過し、反転ローラ35,35に導かれる。この時、先行シートPと後続シートPとが衝突しないタイミングで、先行シートPは、スイッチバック搬送路51におけるシート分離部材34の上方の第2搬送路S2を通過する形態で搬送され、反転搬送路37に導かれる過程と同一時期に、後続シートPは、スイッチバック搬送路51におけるシート分離部材34の下方の1搬送路S1を通過する形態で搬送され、反転ローラ35,35に導かれる。
即ち、先行シートSの後端部(逆搬送時の先端部)P2がシート分離部材34を通過中に、後続シートSの先端部P1がシート分離部材34のシート搬送方向X上流側端部34fを通過するようになっている。なお、後続シートSの先端部P1がシート分離部材34を通過中に、先行シートSの後端部(逆搬送時の先端部)P2がシート分離部材34のシート搬送方向X下流側端部34eを通過するようになっていてもよい。
これにより、先行シートP及び後続シートPの搬送JAMを回避した状態で、これら2枚のシートP,Pの少なくとも一部がスイッチバック搬送路51内に同一タイミングで位置するような搬送を可能としている。
そして、反転ローラ35,35に導かれた後続シートPは、反転ローラ35,35にて挟持された状態で一旦停止する(図5(d)参照)。このように後続シートPが停止している時には、さらに後続の(3枚目の)シートPの先端部P1が定着機構39を通過中である。