JP4836791B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解質にイミド塩と鎖状リン酸エステルを含み、高温保存特性に優れた非水電解質二次電池に関する。
非水電解質二次電池の代表として、リチウムイオン二次電池がある。リチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が高く、小型軽量化が可能である。リチウムイオン二次電池は、一般的に以下のような構造をしている。
集電体およびこれに担持された正極活物質層からなる正極板と、集電体およびこれに担持された負極活物質層からなる負極板とが、隔離層となるセパレータを介して渦巻き状に巻かれた極板群を有している。その極板群を非水電解質とともに外装内に封入している。セパレータは、非水電解質に不溶なものとして、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などのポリオレフィン樹脂製の微多孔膜、ポリエチレンオキサイド、ポリビニリデンフルオライド、またはポリアクリレートなどを含んだポリマー膜が用いられている。非水電解質は、ポリマーゲル電解質や非水電解液がある。ポリマーゲル電解質は、非水電解液を含んだ高分子ポリマー電解質である。
非水電解液は、非水溶媒にリチウム塩からなる溶質が溶解されている。溶質としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)などがある。非水溶媒としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネートなどがある。正極活物質には、コバルト酸リチウム(LiCoO2)などのリチウム含有遷移金属酸化物が用いられている。負極活物質には、リチウムイオンを可逆的に吸蔵・放出することができる材料として、例えば、グラファイトなどの炭素材料が用いられている。
非水電解質電池は、高電圧充電が可能で、エネルギー密度が高くできる利点を有している。高電圧で高エネルギー密度であるため、正極側では非水電解質の酸化による分解が起こり易い。一方、負極側では、負極が電気化学的に非常に卑な電位であるため、非水電解質の還元による分解が起こり易い。これらの分解反応は、高温になるほど起こり易く、60℃や85℃のおける高温保存時には、多量のガスが発生する。
非水電解質電池は、電子機器として、例えば、ノートパソコンの駆動用電源として用いられている。ノートパソコン内部の温度は、通常、45℃〜60℃である。このような温度条件下で、電池が定電圧4.2Vで充電され、充電電圧が印加されたままの状態であることもある。このように、そのような状態で高温保存すると、開回路状態で高温保存する場合に比べ、電池内部のガス発生が起こり易いという問題がある。その結果、高温保存時のガス発生により、電池内部の圧力が上昇する。そのため、電池の保護回路が作動し、電流が遮断され、電池の機能を失うこととなる。
非水電解質は、高温保存時において、非水溶媒が分解し、ガス発生し易いという問題を有している。そこで、非水電解質に、イミド塩やリン酸エステルなどを添加する方法がとられている。
非水溶媒に支持電解質を溶解した非水電解液に、含窒素共役構造を有する非対称化学構造の化合物として4級塩を含む電池が提案されている(特許文献1)。また、環状化合物からなる非水溶媒に、リチウムイオンをカチオンとする支持電解質を溶解し、界面活性剤を添加した非水電解液を用いた電池が提案されており、環状化合物の1つとして、環状リン酸エステルが、支持電解質の1つとして、イミド塩が提案されている(特許文献2)。
特許第3060107号公報 特開2002−33119号公報
特許文献1においては、4級塩のアニオンとしてスルホニルイミドアニオン、含窒素共役構造を有するものとしてイミダゾリウム塩などが挙げられている。これらを非水電解液に含ませることにより、非水電解液の難燃性を向上させている。4級塩の支持電解質に対する添加割合は、重量比60/40〜99/1であり、4級塩が多い。4級塩の混合割合が多い場合、電池内部のアルミニウム金属製の部品表面の腐食を抑制することができなくなり、高温保存後の放電容量が劣化し、保存後の容量回復率が低下するという問題がある。
また、非水電解質の支持電解質としてイミド塩を用いた場合、イミド塩は、電池内部のアルミニウム金属製の部品を腐食することが知られている。そこで、特許文献2では、その腐食を抑制するために、環状リン酸エステルを添加している。環状リン酸エステルが分解し、電池内部のアルミニウム金属製の部品表面に皮膜を形成することにより、イミド塩による腐食を防止する。しかし、リン酸エステルが環状化合物であるため、分解し難い。そのため、電池内部のアルミニウム金属製の部品表面に、分解生成物による保護皮膜を形成する前に、腐食が進行するという問題がある。
本発明は、このような従来の課題を解決するもので、電池内部にアルミニウム金属製の部品を用いた場合でも、腐食されること無く、高温保存時の電池内部のガス発生も少ない非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
本発明の非水電解質二次電池は、正極板、負極板、並びに非水溶媒および前記非水溶媒に溶解した溶質からなる非水電解質を具備する非水電解質二次電池であって、
前記溶質は、含フッ素無機アニオン塩を含み、
前記非水電解質は、式(1):
Figure 0004836791
(R1およびR2はそれぞれに独立にCn2n+1であり、Xは水素原子またはハロゲン原子であり、nは1以上の整数である。)
で表されるイミド塩の少なくとも1種および鎖状リン酸エステルをさらに含み、
前記鎖状リン酸エステルは、後述の式(2)で表される化合物の少なくとも1種であり、
前記鎖状リン酸エステルの量は、非水電解質の総重量の50〜20000ppmであり、
前記非水電解質の前記イミド塩の濃度は、mol/L基準で前記溶質の濃度を超えない
非水電解質にイミド塩および鎖状リン酸エステルを添加することにより、電池内部にアルミニウム金属製の部品を用いた場合でも、腐食されること無く、高温保存時のガス発生を抑制することができる。したがって、高信頼性の非水電解質二次電池を提供することができる。
本発明の非水電解質二次電池は、正極板、負極板、並びに非水溶媒および前記非水溶媒に溶解した溶質からなる非水電解質を具備する非水電解質二次電池であって、
前記非水電解質は、前記式(1)で表されるイミド塩の少なくとも1種および鎖状リン酸エステルをさらに含み、前記鎖状リン酸エステルの量は、非水電解質の総重量の50〜20000ppmである。
ここで、非水電解質二次電池は、通常正極板と負極板とを隔離する隔離手段を含んでいる。その隔離手段としては、セパレータおよび/または固体電解質がある。
上記式(1)で表されるイミドアニオンとしては、例えば[N(CF3SO22-、[N(C25SO22]-、[N(CF3CH2SO22]-、[N(CF3SO2)(C49SO2)]-、[N(CF3SO2)(C613SO2)]-などがある。
上記の式(1)において、nは1〜8が好ましく、1〜6がより好ましい。nが6よりも大きくなると、高温保存時のガス発生を抑制する効果が半減してしまう。
本発明の効果は式(1)で示すイミドアニオンによるものであるため、カチオンの種類は特に限定されない。前記イミドアニオンとイミド塩を形成する好ましいカチオンとしては、例えば、Li、Na、Kなどのアルカリ金属のイオン、Mg、Ca、Srなどのアルカリ土類金属のイオン、アルミニウムイオン、イミダゾリウムイオン、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、スルホニウムイオンなどが挙げられる。
前記鎖状リン酸エステルは、式(2):
Figure 0004836791
(R3、R4およびR5はそれぞれ独立にCm2m+1、Cm2m、C65またはCm2m+1-
64であり、は水素原子またはハロゲン原子であり、mは1〜8の整数である。)
で表される鎖状リン酸エステルの少なくとも1種が好ましい。
上記の鎖状リン酸エステルは、例えば、トリメチルホスフェート、トリn−ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジエチルメチルホスフェート、ジブチルメチルホスフェート、トリフルオロエチルジメチルホスフェート、トリス(トリフルオロメチル)ホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、ジメチルメチルホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート、ジエチルプロピルホスフェート、トリス(トリフルオロエチル)ホスフェート、ジプロピルエチルホスフェートである。
本発明の好ましい実施の形態において、式(1)で表されるイミドアニオンは、R1およびR2が独立にCn2n+1(nは1〜6である。)である。nが8よりも大きくなると、電池内部のアルミニウム金属製の部品表面を、イミドアニオンが腐食することを抑制することができなくなり、抑制効果が得られなくなる。
本発明者らは、非水電解質に、イミド塩および鎖状リン酸エステルを添加することにより、高温保存時における非水溶媒の分解によるガス発生を抑制し、かつアルミニウム金属製部品の腐食を抑制できることを見出した。非水電解質にイミド塩を加えると、高温保存時におけるガス発生を抑制する効果が得られる理由については、明確にはなっていない。しかし、正極側で発生したガス量と、負極側で発生したガス量の両方とも減少しているという事実から、正極活物質表面と非水電解質との界面、および負極活物質表面と非水電解質との界面におけるガス発生が抑制されると推察される。
これを裏付けるデータとして、以下に説明する結果が得られている。
すなわち、室温下で、作用極に白金電極を、対極と参照極にリチウム金属をそれぞれ用いて、電気化学的手法として、サイクリックボルタンメトリーにより、酸化電位を調べた。その結果、[N(CF3SO22]-などのイミドアニオンにおいては、電位4.2V(vs.Li/Li+)付近に電流ピークが現れ、酸化による分解に基づく電流が観察された。リチウムイオン二次電池において、電池電圧4.2Vの時には、正極活物質の電位は4.2V(vs.Li/Li+)以上となる。そのため、非水電解質に混合したリチウムイミド塩は、最初の充電の時に分解されることとなる。分解による生成物が、正極活物質表面を覆うことにより、正極活物質の非水電解質と反応する活性点を被覆することとなる。その結果、充電時のガス発生を抑制することができる。さらに、前述した分解生成物は、負極活物質表面も覆い、負極活物質表面でのガス発生も抑制することができる。
イミドアニオンには、以下のような欠点がある。
すなわち、イミドアニオンは、高温下において高電位の金属アルミニウムに接すると、これを腐食する。リチウムイオン二次電池においては、正極集電体、正極リード、および外装体などに金属アルミニウムが用いられる。正極集電体や正極リードが腐食されると、それらの電子伝導性が低下し、電池の特性が低下することとなる。非水電解質が液体の場合においては、アルミニウム製ケースが腐食され、腐食が進行すると、ケース内に封入された非水電解液が電池外部に漏れ出ることとなる。このように、イミドアニオンは、電池内部のアルミニウム金属製の部品を腐食するという欠点を有している。
本発明においては、環状リン酸エステルよりも分解し易い鎖状リン酸エステルを、非水電解質に添加している。この鎖状リン酸エステルが分解することにより、電池内部のアルミニウム金属製部品の表面にこれを保護する皮膜が形成され、イミドアニオンによるアルミニウムの腐食を防止することができる。鎖状リン酸エステルの混合割合が50ppm未満であると、アルミニウムの腐食を防止するに足る保護被膜を形成することができない。また、20000ppmを超えると、分解生成物により、保存後の性能が著しく低下する。
本発明の好ましい実施の形態において、非水電解質のイミド塩の濃度は、0.01〜0.5mol/Lである。
イミド塩の濃度が0.01mol/Lより少ないと、高温保存時において、ガス発生の抑制効果が得られない。イミド塩の濃度が0.5mol/Lより大きいと、前述したように、アルミニウム金属製部品の腐食が発生しやすくなる。
本発明のさらに好ましい実施の形態において、非水電解質のイミド塩の濃度は、mol/L基準で、後述する他の支持電解質(溶質)の濃度と同じまたはそれより小さい。
イミド塩の濃度が他の支持電解質より大きいと、イミドアニオンの影響が強くなり、結果として、前述したように、アルミニウム金属製部品の腐食が発生しやすくなる。
液体の非水電解質は、非水溶媒およびこれに溶解している支持電解質(溶質)から構成される。
溶質は、一般的に用いられているアルカリ金属塩を少なくとも1種を含んでいる。例えば、含フッ素無機アニオン塩として、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、NaPF6、およびNaBF4、リチウムメサイド塩としてLiC(CF3SO23およびLiC(C25SO23が好ましい。なかでも前記の含フッ素無機アニオン塩は耐腐食性が高いのでより好ましい。
非水溶媒は、例えば、環状炭酸エステルとして、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、およびビニレンカーボネートなどがある。非環状炭酸エステルとして、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、およびメチルエチルカーボネートなどがある。ラクトン類またはその誘導体として、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、およびδ−バレロラクトンなどがある。フラン類またはその誘導体として、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどがある。エーテル類またはその誘導体として、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどがある。グライム類またはその誘導体として、ジグライム、トリグライム、およびテトラグライムなどがある。アミド類として、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリジノンなどがある。アルコール類として、エチレングリコール、プロピレングリコールなどがある。エステル類として、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、およびプロピオン酸エチルなどがある。ジメチルスルホキシド、スルホランまたはその誘導体、ジオキソランまたはその誘導体もある。これらの非水溶媒を少なくとも1種含んでいることが好ましい。
さらに、シクロヘキシルベンゼンやビニレンカーボネートなど、一般的に用いられている添加剤を添加してもよい。エステル交換反応を起こし易いジメチルカーボネートやエチルメチルカーボネートを非水溶媒として使用すると、本発明の効果はより顕著となる。
好ましい非水溶媒は、前記にあげたもののなかで、閉環化合物とエステル交換可能な直鎖化合物との混合物である。この混合物を非水溶媒に用いると、電解液の粘度を下げて浸透性をよくするとともに、溶質の溶解性を高める。
正極板と負極板を隔離する隔離手段としてのセパレータは、特に限定されないが、ポリエチレンやポリプロピレン製の微多孔膜が好ましい。
非水電解質として、いわゆるポリマーゲル電解質と呼ばれる非水電解液を含んだ高分子ポリマー電解質を用いることができる。ポリマー電解質にイミドアニオン化合物と鎖状リン酸エステルを含んだ非水電解液を含浸させたり、モノマー溶液と臭素化合物を含んだ非水電解液とを混合し、重合させ、ポリマー電解質を得る方法もある。これらの固体電解質を正極板と負極板を隔離する隔離手段として用いることもできる。
正極活物質は、特に限定されないが、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn24、LiMnO2)、および鉄酸リチウム(LiFeO2)、前記化合物の遷移金属Co、Ni、Mn、またはFeの一部を他の遷移金属、例えば、錫、アルミニウムなどで置換した活物質や、鉄リン酸リチウム(LiFePO4)、マンガンリン酸リチウム(LiMnPO4)、およびコバルトリン酸リチウム(LiCoPO4)などのオリビン構造を有するリチウム化合物、酸化バナジウム(V25)、二酸化マンガン(MnO2)、および酸化モリブデン(MoO2)などの遷移金属酸化物、硫酸鉄(FeSO4)、硫化チタン(TiS2)、硫化モリブデン(MoS2、MoS3)、および硫化鉄(FeS2)などの遷移金属硫化物、ポリアニリン、ポリピロール、およびポリチオフェンなどのポリマー類があげられる。
非水電解質二次電池の代表であるリチウムイオン二次電池において、一般的に用いられているように、正極板の集電体にアルミニウム箔を用いた場合、本発明を適用して顕著な効果が得られるのは、充電時の電位がリチウム金属基準で3.8V以上となる正極活物質を用いたものである。電池を充電した際に、正極活物質の電位が、リチウム金属基準で3.8V以上となる活物質は、例えばコバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リ
チウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn24、LiMnO2)、マンガンリン酸リチウム(LiMnPO4)、およびコバルトリン酸リチウム(LiCoPO4)などのオリビン構造を有するリチウム化合物、またはこれら材料を基本単位としてアルカリ土類金属、遷移金属などを含ませて固溶体を形成したもの、または前記化合物の金属元素をアルカリ土類金属または遷移金属で置換したものがあげられる。
負極活物質は、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属イオンであるリチウムイオン、ナトリウムイオンなどをホスト材として利用できるような材料として、非晶質炭素材、人造黒鉛、および天然黒鉛などの炭素材料、アルカリ金属と合金化できる材料として、アルミニウム(Al)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、およびシリコン(Si)などの金属、鉛、錫、ビスマス、およびシリコンの酸化物、アルカリ金属格子間挿入型の立方晶系の金属間化合物(AlSb、Mg2Si、およびNiSi2)、リチウム窒素化合物(一般式Li(3-x)xN(Mは遷移金属を示し、0.2≦x≦0.6である。)や、チタンスピネル化合物(Li4Ti512)、リチウムバナジウム酸化物などがあげられる。
以下本発明の実施例を円筒形リチウムイオン二次電池について説明する。
図1は、円筒形リチウムイオン二次電池の要部を断面にした正面図である。帯状の正極板1、帯状の負極板2および両者を隔離するセパレータ3が渦巻き状に巻かれて極板群4を構成している。この極板群4は非水電解液とともに電池缶5内に収納されている。正極板1は、アルミニウム箔集電体(図示せず)およびこれに塗着された正極合剤層からなり、負極板2は銅箔集電体(図示せず)およびこれに塗着された負極合剤層からなる。セパレータ3は、厚み25μmの微多孔ポリエチレンフィルムからなる。この電池のサイズは、直径18mm、高さ65mmであり、公称電圧3.6V、公称容量1600mAhである。
電池缶5の上端開口部は、ポリプロピレン製の絶縁パッキング6を介して電池蓋7の外周にかしめつけることにより、密閉されている。正極板の集電体に溶接されたアルミニウム製の正極リード8は、電池蓋7に溶接により接続されている。負極板2の集電体に溶接されたニッケル製の負極リード9は、電池缶5に溶接により接続されている。極板群4の上部には、電池蓋7と絶縁するために上部絶縁リング10が配置されている。極板群4の下部には、電池缶5と絶縁するために下部絶縁リング11が配置されている。この電池は、電池缶が負極端子を兼ね、電池蓋が正極端子を兼ねている。
以下に、正極板1と負極板2の作製方法について説明する。
Li2CO3、Co34、およびMgCO3をLi:Co:Mgのモル比が1:0.97:0.03になるように混合し、この混合物を900℃で10時間焼成することにより複合酸化物LiMg0.03Co0.972-a(ここで、aは、0≦a≦1である)を得た。この複合酸化物の粉末100重量部に、導電剤のアセチレンブラックを3重量部、および結着剤のポリテトラフルオロエチレン7重量部を混合し、カルボキシメチルセルロースの水溶液に懸濁させてペースト状にした。このペーストを、厚さ30μmのアルミニウム箔の両面に塗工し、乾燥し、圧延して厚さ0.18mmの正極板1を作製した。
人造黒鉛粉末100重量部に、結着剤のスチレン−ブタジエン共重合体の水性分散液(日本ゼオン(株)製、BM−400B)を固形分で5重量部混合し、カルボキシメチルセルロース水溶液に懸濁させてペースト状にした。このペーストを、厚さ20μmの銅箔の両面に塗工し、乾燥し、圧延して厚さ0.19mmの負極板2を作製した。
非水電解液は、非水溶媒のエチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、およびジエチルカーボネートを体積比1:2:1の割合で混合し、その混合溶媒に、溶質として六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)を濃度1.0mol/Lになるように溶解して調製した。この電解液を以下基準電解液という。
以上のように作製した電池は、以下に説明する仕上げ充放電を行い、電池を仕上げた。
(1)環境温度25℃において、320mA(0.2C相当)の定電流で電圧が4.1Vに到達するまで充電し、ついで、320mAの定電流で電圧が3.0Vに到達するまで放電する操作を1サイクルとして、3サイクル繰り返す。
(2)環境温度25℃において、320mAの定電流で、再度、電圧が4.1Vに到達するまで充電した後、60℃で2日間放置する。
以下に、非水電解液に添加するイミド塩と鎖状リン酸エステルについて詳細に説明する。
実施例1〜7
本実施例では、イミド塩を混合し、鎖状リン酸エステルの有無の組み合わせについて検討した。
上記の基準電解液に、リン酸エステルとしてトリエチルホスフェートを100ppmおよびイミド塩としてビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム[N(CF3SO2)]2Liを表1に示す各種の割合で添加して非水電解液を調製した。これらの非水電解液を用いて実施例1〜7の電池を作製した。
比較例1〜10
上記の基準電解液にトリエチルホスフェートを100ppm添加した電解液を用いた他は実施例1と同様にして比較例1の電池を作製した。
上記の基準電解液に、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムを表1に示す各種の割合で添加して非水電解液を調製した。これらの非水電解液を用いて比較例2〜9の電池を作製した。
また、上記の基準電解液に、リン酸エステルおよびイミド塩を添加しないで比較例10の電池を作製した。
Figure 0004836791
実施例1〜7および比較例1〜10の電池各10個について、充電状態において高温で保存する試験を行った。10個の電池のうち5個は保存後のガス発生量の測定に、残りの5個は保存前後の放電容量の測定にそれぞれ供した。
保存試験は、次の充放電(1)および充電(2)を行った後、4.25Vに充電された電池を環境温度60℃において20日間保存する試験である。
(1)次の充電と放電を1サイクルとして3サイクル繰り返す。
充電:1120mA(0.7C相当)の定電流で電圧が4.2Vに到達するまで充電し、電圧4.2Vに到達した後は、4.2Vの定電圧で充電する。充電時間は、定電流充電時間と定電圧充電時間の合計で2.5時間とする。
放電:800mA(0.5C相当)の定電流で電圧が2.5Vに到達するまで放電する。
(2)環境温度25℃において、1120mAの定電流で電圧が4.25Vに到達するまで充電し、電圧が4.25Vに到達した後は、4.25Vの定電圧で2.5時間充電する。
上記の保存後の電池のガス発生量は、次のようにして測定した。まず、テフロン(登録商標)製の袋の中に、保存後の電池と押しピンとを入れた。その袋に既知量のアルゴンガスを充満させ、袋を密閉した。その袋の中で、押しピンで電池の封口板部に穴を開け、電池内部のガスを袋の中に採取した。その採取したガス量を、ガスクロマトグラフィーより求めた。
保存前後の電池の容量は、次のようにして測定した。
上記の保存試験の前および後に、それぞれ以下の残存容量の放電(i)を実施し、ついで(ii)記載の充電と放電を3サイクル繰り返し、3サイクル目の放電容量を測定した。
(i)800mA(0.5C相当)の定電流で電圧が2.5Vに到達するまで放電する。
(ii)充電:1120mA(0.7C相当)の定電流で電圧が4.2Vに到達するまで充電し、電圧4.2Vに到達した後は、4.2Vの定電圧で2.5時間充電する。
放電:上の(i)と同じ条件で放電する。
このようにして、保存前の3サイクル目の放電容量(C1)、および保存後の3サイクル目の放電容量(C2)を測定した。そして、保存後の容量の回復率(100×C2/C1)を計算した。表2に、保存前後における放電容量、回復率、および保存によるガス発生量を示す。
Figure 0004836791
表2から、実施例1〜7の電池は、比較例1〜10の電池に比べて、保存後の放電容量、および回復率が良好である。比較例の電池の中でも、鎖状リン酸エステルのみを混合した比較例1の電池は、保存後のガス発生量が多かった。また、イミド塩および鎖状リン酸エステルのいずれも混合しない比較例10の電池は、保存後のガス発生量が多かった。
イミド塩と鎖状リン酸エステルを混合した実施例1〜7の電池と、イミド塩のみを混合した比較例2〜6の電池とを比較すると、ガス発生量はほぼ同等であるが、保存後の放電容量は、実施例の電池が明らかに良好である。しかし、実施例6と7の比較からわかるように、イミド塩の濃度を0.75mol/Lに増加させても、保存後の放電容量のさらなる改善は認められなかった。
このことから、イミド塩の添加割合は、0.01〜0.5mol/Lの濃度範囲が好ましい。これは、イミド塩の添加とは別の要因があると推測される。発明者は以下の理論に拘束されるのを好むものではないが、次のように推察している。すなわち、実施例7の場合、イミド塩と他の溶質(この例ではLiPF6)の合計が1.75mol/Lになっており、非常に高濃度の電解質溶液になったためと考えられるが、高濃度になればなぜ保存後の放電容量が悪くなったかについてははっきりわからない。
実施例8および9
支持電解質となるLiPF6とイミド塩のビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムの濃度を表3に示すように変えた他は実施例1と同様にして非水電解液を調製した。すなわち、鎖状リン酸エステルのトリエチルホスフェートの含量は100ppmであり、LiPF6およびビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムに由来する、非水電解液中の全Li量を0.8mol/Lとした。この他は、実施例1と同様にして実施例8および実施例9の電池を作製した。
比較例11
実施例8および9と同様に、トリエチルホスフェートの含量は100ppmであり、LiPF6およびビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムに由来する、非水電解液中の全Li量を0.8mol/Lとしたが、イミド塩の量をLiPF 6 より多く、かつ実施例8および実施例9よりイミド塩の量を多く混合した非水電解液を調製した。この他は、実施例1と同様にして比較例11の電池を作製した。
実施例10および11
支持電解質となるLiPF6とイミド塩のビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドエチルメチルイミダゾリウムの濃度を表3に示すように変えた他は実施例1と同様にして非水電解液を調製した。すなわち、鎖状リン酸エステルのトリエチルホスフェートの含量は100ppmであり、非水電解液中の全Li量を0.5mol/Lとした。この他は、実施例1と同様にして実施例10および実施例11の電池を作製した。
比較例12
実施例10および11と同様に、トリエチルホスフェートの含量は100ppmであり、非水電解液中の全Li量を0.5mol/Lとしたが、実施例10および実施例11よりもイミド塩の量を多く混合した非水電解液を調製した。この他は、実施例1と同様にして比較例12の電池を作製した。
Figure 0004836791
実施例8〜11並びに比較例11および12の電池について、実施例1と同様の評価を行った。それらの結果を表4に示す。
Figure 0004836791
表4から、イミド塩の濃度がそれ以外の支持電解質と比べて低い実施例8〜11の電池は、イミド塩の濃度がそれ以外の支持電解質と比べて高い比較例11および12の電池に比べて、保存後の放電容量が大きい。これは、イミド塩の量がそれ以外の支持電解質より多いと、正極板の集電体となるアルミニウム箔がイミドアニオンにより腐食していたことが観察され、そのことが原因であると推察される。
実施例12〜17
次に、イミド塩に含まれる炭素数について検討した。
上記の基準電解液に、表5に示すように、各種のイミド塩と鎖状リン酸エステルであるトリエチルホスフェートとを混合した。これらの非水電解液を用いた他は実施例1と同様にして実施例12〜17の電池を作製した。
Figure 0004836791
実施例12〜17の電池について、実施例1と同様の評価を行った。それらの結果を表6に示す。
Figure 0004836791
表6から、実施例12〜14の電池は、実施例16の電池に比べ、保存後の放電容量、回復率、および保存後のガス発生量ともに良好であった。このことから、混合するイミド塩は式(1)において、炭素数nは1〜6が望ましいことがわかる。
実施例18〜24
本実施例では鎖状リン酸エステルの混合量について検討した。
上記の基準電解液に、表7に示すように、イミド塩のビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムを一定量および鎖状リン酸エステルのトリエチルホスフェートを各種の割合で混合して非水電解液を調製した。これらの電解液を用いた他は実施例1と同様にして実施例18〜24の電池を作製した。
比較例13〜15
表7に示すように、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムの濃度を一定とし、リン酸エステルの濃度を変えた他は実施例1と同様にして電解液を調製した。これらの電解液を用いて比較例13〜15の電池を作製した。
Figure 0004836791
実施例18〜24および比較例13〜15の電池について、実施例1と同様の評価を行った。それらの結果を表8に示す。
Figure 0004836791
表8から、イミド塩と鎖状リン酸エステルを適量混合した実施例18〜24の電池は、イミド塩のみを添加した比較例15の電池に比べて、保存後の放電容量が良好である。また、鎖状リン酸エステルの添加量が極端に少ないか多い比較例13および14の電池は、保存後の放電容量が低く、回復率も低い。
実施例25〜29
本実施例では、上記の式(2)で表される鎖状リン酸エステルのR3〜R5で表される部分の炭素数について検討した。
上記の基準電解液に、表9に示すように、イミド塩のビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムおよび各種鎖状リン酸エステルを一定量混合して非水電解液を調製した。これらの電解液を用いた他は実施例1と同様にして実施例25〜29の電池を作製した。
比較例16および17
表9に示すように、リン酸エステルを変えた他は実施例25と同様にして比較例16および17の電池を作製した。
Figure 0004836791
実施例25〜29並びに比較例16および17の電池について、実施例1と同様の評価を行った。それらの結果を表10に示す。
Figure 0004836791
表10から、各種の鎖状リン酸エステルを添加した実施例25〜29の電池は、実施例4などの電池と同様に、保存後の放電容量が良好で、ガス発生を抑制する効果があることがわかる。一方、比較例16の電池のように、側鎖の炭素数が多く、嵩高い分子の鎖状リン酸エステルを用いた場合、および比較例17の電池のように、環状リン酸エステルを用いた場合は、実施例25〜29と比べて、保存後の容量回復率が低く、リン酸エステルを混合することによる効果が認められなかった。比較例16のように、炭素数が非常に多いリン酸エステルは、これが分解しても、イミドアニオンによる正極集電体のアルミニウム箔の腐食を抑制する効果が得られなかった。また、比較例17の電池のように、環状リン
酸エステルを混合した場合においても、イミドアニオンによる正極集電体のアルミニウム箔の腐食を抑制する効果が得られなかった。これは、リン酸エステルが分解し難いためと推定される。これらことから、リン酸エステルとしては、式(2)におけるR3〜R5で表される部分の炭素数が8以下である鎖状リン酸エステルが好ましい。
実施例30〜59
本実施例では、前記以外のイミド塩およびリン酸エステルについて検討した。
上記の基準電解液に、表11および表12に示すように、各種のイミド塩および各種の鎖状リン酸エステルを混合した。これらの非水電解液を用いた他は実施例1と同様にして実施例30〜59の電池を作製した。
Figure 0004836791
Figure 0004836791
実施例30〜59の電池について、実施例1と同様の評価を行った。それらの結果を表13に示す。
Figure 0004836791
表13から、実施例30〜59の電池は、比較例1の電池に比べ、保存後の放電容量、回復率、および保存後のガス発生量ともに良好であった。このことから、種々のイミド塩および鎖状リン酸エステルについても同様の効果があることがわかった。実施例においては、特定のイミド塩と鎖状リン酸エステルとの組み合わせについて説明したが、他のイミド塩と鎖状リン酸エステルとの組み合わせについても、同様の効果が得られる。
実施例においては、非水電解質二次電池として、非水電解液を用いたリチウムイオン二次電池について説明したが、ゲルポリマー電解質を用いたリチウムイオン二次電池においても、同様の効果を得ることができる。リチウムイオン二次電池以外の非水電解質二次電池として、マグネシウム二次電池、アルミニウム二次電池、およびナトリウム二次電池などにおいても、同様の効果を得ることができる。
非水電解質二次電池の極板群の形状として、正極板と負極板とがセパレータを介して渦巻き状に巻かれた極板群について説明したが、これに限定されない。正極板と負極板とがセパレータを介して積層されたスタックからなる極板群でも同様の効果を得ることができる。非水電解質二次電池の形状として、金属ケースを用いた円筒型について説明したが、これに限定されない。角型、コイン型、およびアルミニウム金属箔をポリオレフィン樹脂でサンドイッチしたラミネートシートを外装体に用いたシート型などの形状においても、同様の効果を得ることができる。
本発明によれば、電池を高温保存しても、保存後の放電容量の回復率が良く、ガス発生を抑制することもでき、高信頼性の非水電解質二次電池を提供することができる。この非水電解質二次電池は、ノートパソコン、携帯電話、デジタルスチルカメラなどの電子機器の駆動電源として有用である。
本発明の一実施例における円筒形リチウムイオン二次電池の一部を断面にした正面図である。

Claims (3)

  1. 正極板、負極板、並びに非水溶媒および前記非水溶媒に溶解した溶質からなる非水電解質を具備する非水電解質二次電池であって、
    前記溶質は、含フッ素無機アニオン塩を含み、
    前記非水電解質は、式(1):
    Figure 0004836791
    (R1およびR2はそれぞれに独立にCn2n+1であり、Xは水素原子またはハロゲン原子であり、nは1以上の整数である。)
    で表されるイミド塩の少なくとも1種および鎖状リン酸エステルをさらに含み、
    前記鎖状リン酸エステルは、式(2):
    Figure 0004836791
    (R 3 、R 4 およびR 5 はそれぞれ独立にC m 2m+1 、C m 2m 、C 6 5 またはC m 2m+1 -C 6 4 であり、Yは水素原子またはハロゲン原子であり、mは1〜8の整数である。)
    で表される化合物の少なくとも1種であり、
    前記鎖状リン酸エステルの量は、非水電解質の総重量の50〜20000ppmであり、
    前記非水電解質の前記イミド塩の濃度は、mol/L基準で前記溶質の濃度を超えない非水電解質二次電池。
  2. 前記式(1)におけるR1およびR2はそれぞれに独立にCn2n+1(ただしnは1〜6)である請求項1記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記非水電解質の前記イミド塩の濃度は、0.01〜0.5mol/Lである請求項1記載の非水電解質二次電池。
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