JP4835277B2 - パターン形成体の製造方法およびインプリント転写装置 - Google Patents

パターン形成体の製造方法およびインプリント転写装置 Download PDF

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Description

本発明においては、生産効率に優れ、かつ高精細な凹凸パターンを有するパターン形成体を得ることができるパターン形成体の製造方法、およびインプリント転写装置に関するものである。
近年、特に半導体デバイスについては、微細化の一層の加速による高速動作、低消費電力動作が求められ、また、システムLSIという名で呼ばれる機能の統合化等の高い技術が求められている。このような中、半導体デバイスプロセスのコアテクノロジーであるリソグラフィ技術は微細化が進むにつれ、装置が高価になってきている。現在、光露光リソグラフィは最小線幅が130nmであるKrFレーザーリソグラフィからより高解像度なArFレーザーリソグラフィへの移行が始まりつつある。そして、ArFレーザーリソグラフィの量産レベルでの最小線幅は100nmであるのに対して、2007年には65nm、2010年には45nm、2013年には32nmデバイス製造が始まろうとしている。
このような状況でより微細な技術として期待されているのが液浸リソグラフィや極端紫外線露光リソグラフィ(EUVL;Extreme Ultra Violet Lithography)、電子線縮小転写露光リソグラフィ(EPL;Elecron beam Projection Lithography)、X線リソグラフィである。そして、これらのリソグラフィ技術は40nm〜70nmのパターン作製に成功している。しかし、微細化の進歩につれ、露光装置自身の初期コストが指数関数的に増大していることに加え、使用光波長と同程度の解像度を得るためのマスクの価格が急騰している問題がある。
これに対して、1995年Princeton大学のChouらによって提案されたナノインプリントリソグラフィは安価でありながら、10nm程度の解像度を有する加工技術として注目されている(非特許文献1、特許文献1)。このようなナノインプリント方法とは、具体的には、予め表面にナノメートルサイズの凹凸パターンを形成したSiO製のモールドを半導体表面に塗布したレジストに押し付けることにより圧痕のパターンを形成し、圧痕のパターンを形成したレジストをマスクにして半導体表面を加工する方法である。また、このようなナノインプリントリソグラフィには、熱により凹凸パターンを転写する熱サイクルナノインプリントリソグラフィや、光により凹凸パターンを転写する光ナノインプリントリソグラフィ(特許文献2)等が知られている。
しかし、上記のようなナノインプリント方法においては、平板型のモールドと平板型の被転写体とを用いてインプリントを行うのが一般的であり、スループットが遅いという問題があった。このような問題に対して、ローラー型モールドを用いたナノインプリント方法等が開示されている(特許文献3〜5)。確かにローラー型モールドを回転させながらインプリントを行うことにより、スループットの向上を図ることは可能である。しかしながら、ローラー型モールドに凹凸パターンを付与することは、一般的に平板型のモールドに凹凸パターンを付与することよりも困難な場合が多いため、ローラー型モールドは凹凸パターンの精度に劣るという問題があった。さらに現在、最も微細加工可能なモールドの材料として石英やシリコンが知られているが、これらの材料をローラー型モールドに用いることが困難な場合があった。
S.Y.Chou et.al.,Science,vol.272,p.85−87,5April,1996 特表2004−504718公報 特開2002−93748公報 特開2006−5022公報 特許第3604985号 特開2004−276392公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、生産効率に優れ、かつ高精細な凹凸パターンを有するパターン形成体を得ることができるパターン形成体の製造方法を提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明においては、基材と上記基材上に形成された被転写樹脂層とを有する被転写体を、円柱型のローラーの表面に沿わせ、上記ローラーを回転させながら、上記被転写樹脂層とナノ凹凸パターンを有する平板型モールドとを密着させる密着工程と、上記被転写樹脂層と上記平板型モールドとが密着している状態で、上記被転写樹脂層を固化する固化工程と、を有することを特徴とするパターン形成体の製造方法を提供する。
本発明によれば、従来のローラー型モールドではなく、より微細な凹凸パターンを形成することが可能な平板型モールドを用いることにより、高精細な凹凸パターンを有するパターン形成体を得ることができる。さらに、本発明においては、ローラーを用い、被転写体に対して連続的な転写を行うため、生産効率に優れるという利点を有する。
上記発明においては、上記被転写樹脂層に含まれる被転写樹脂が、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂であることが好ましい。高精細な凹凸パターンを形成することができるからである。
上記発明においては、上記平板型モールドの材料が、シリコンないし石英であることが好ましい。半導体製造技術やフォトマスク製造技術などを用いることで、微細凹凸を有するモールドを得ることができるからである。
また、本発明においては、基材と上記基材上に形成された被転写樹脂層とを有する被転写体を表面に保持する被転写体保持手段を有し、かつ、回転可能な円柱型のローラーと、平板型モールドを保持することができ、かつ、上記平板型モールドが上記被転写樹脂層に対して密着可能な位置に配置された平板型モールド保持手段と、上記被転写樹脂層と上記平板型モールドとが密着した際に、上記被転写樹脂層を固化する固化手段と、を有することを特徴とするインプリント転写装置を提供する。
本発明によれば、ローラー表面上に被転写体を配置し、その被転写体に対して平板型モールドを用いて転写を行うことにより、高精細な凹凸パターンを有するパターン形成体を生産効率良く製造することができる。
上記発明においては、上記平板型モールドと上記被転写樹脂層とが密着する位置が、上記ローラーの軸芯よりも高い位置となるように、上記平板型モールド保持手段が配置されていることが好ましい。被転写樹脂層の残渣が付着し難くなるからである。
本発明においては、高精細な凹凸パターンを有するパターン形成体を、生産効率良く製造することができるという効果を奏する。
以下、本発明のパターン形成体の製造方法およびインプリント装置について詳細に説明する。
A.パターン形成体の製造方法
まず、本発明のパターン形成体の製造方法について説明する。本発明のパターン形成体の製造方法は、基材と上記基材上に形成された被転写樹脂層とを有する被転写体を、円柱型のローラーの表面に沿わせ、上記ローラーを回転させながら、上記被転写樹脂層とナノ凹凸パターンを有する平板型モールドとを密着させる密着工程と、上記被転写樹脂層と上記平板型モールドとが密着している状態で、上記被転写樹脂層を固化する固化工程と、を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、従来のローラー型モールドではなく、より微細な凹凸パターンを形成することが可能な平板型モールドを用いることにより、高精細な凹凸パターンを有するパターン形成体を得ることができる。また、平板型モールドや円形型のローラーは、従来から広く使用されているものであることから、従来の製造設備をそのまま使用することができる。さらに、本発明においては、ローラーを用い、被転写体に対して連続的な転写を行うため、生産効率に優れるという利点を有する。また、本発明においては、凹凸パターンを有しないローラーを用いていることから、ローラーの径を任意に設定することが容易であり、後述するように、ローラーの径を大きくすることで、工程上の緩衝機能を持たすことや、ローラーの径を小さくすることで、生産効率の向上を図ることができる。
次に、本発明のパターン形成体の製造方法について図面を用いて説明する。図1は、本発明のパターン形成体の製造方法の一例を示す工程図である。図1に示されるパターン形成体の製造方法は、基材1と、基材1上に形成され光硬化性樹脂を含有する被転写樹脂層2とを有する被転写体3を、円柱型のローラー4の表面に沿わせ、ローラー4を回転させながら、被転写樹脂層2に対して、平板型モールド5のナノ凹凸パターン6を押し込み密着させる密着工程と、被転写樹脂層2と平板型モールド5とが密着している状態で、固化手段である光源7から光8を照射し、被転写樹脂層2を硬化させる固化工程と、を有するものである。
また、後述するように、本発明においては、被転写体と平板型モールドとが密着するまでに、基材上に被転写樹脂層が形成されていれば良い。図2は、本発明のパターン形成体の製造方法の他の例を示す工程図である。図2に示されるパターン形成体の製造方法は、基材1をローラー4に配置し、ローラー4を回転させながら、塗布装置9を用いて被転写樹脂を塗布することにより、基材1上に被転写樹脂層2を形成し、そのままローラー4を回転させながら、被転写樹脂層2に対して、平板型モールド5のナノ凹凸パターン6を押し込み密着させる密着工程(図2(a))と、被転写樹脂層2と平板型モールド5とが密着している状態で、固化手段である光源7から光8を照射し、被転写樹脂層2を硬化させる固化工程(図2(b))と、を有するものである。
以下、本発明のパターン形成体の製造方法について、工程ごとに説明する。
1.密着工程
まず、本発明における密着工程について説明する。本発明における密着工程は、基材と上記基材上に形成された被転写樹脂層とを有する被転写体を、円柱型のローラーの表面に沿わせ、上記ローラーを回転させながら、上記被転写樹脂層とナノ凹凸パターンを有する平板型モールドとを密着させる工程である。なお、本発明における「密着」とは、平板型モールドのナノ凹凸パターンが、被転写樹脂層に対して充分に食いこんでいる状態をいう。したがって、平板型モールドのナノ凹凸パターンと被転写樹脂層とが表面で単に接触(密接)している状態は、本発明における「密着」には該当しない。
以下、本発明に用いられる被転写体、ローラーおよび平板型モールド等について説明する。
(1)被転写体
本発明に用いられる被転写体は、基材と、上記基材上に形成された被転写樹脂層とを有するものである。本発明においては、被転写体の被転写樹脂層に、後述する平板型モールドのナノ凹凸パターンを転写することにより、パターン形成体が得られる。
本発明に用いられる基材は、後述する被転写樹脂層を保持する機能を有するものである。
上記基材の材料としては、後述するローラーに沿うように配置できるものであれば特に限定されるものではなく、パターン形成体の用途等に応じて適宜選択することが好ましい。具体的にはシリコン(Si)、ガリウム砒素、(GaAs)、アルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)、窒化ガリウム(GaN)等の半導体;ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ペット樹脂等の樹脂;チタン(Ti)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)等の金属;石英、ソーダライムガラス等のガラス;および上記物質を含有する合金等を挙げることができる。
また、上記基材は、透明であっても良く、不透明であっても良いが、例えば被転写樹脂層に含有される被転写樹脂が光硬化性樹脂であって、ローラーの内側から光を照射することにより被転写樹脂層に対して転写を行う場合には、上記基材が透明であることが好ましい。このような透明な基材の材料として、一般的に用いられる紫外線波長領域である380nm〜780nmにおいては、例えばポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ペット樹脂等の樹脂;石英、ソーダライムガラス等のガラス等を挙げることができる。ただし含有する不純物、添加物によっては樹脂の硬化を目的とする波長の光が透過しないことも考えられる。また光の透過率は基材の厚さにも関係があるため、上述しなかった材料においても、基材の厚みを薄くすることで透過する可能性がある。更に光の透過率は、照射する光の波長にも起因する。例えばシリコンは波長1.0μm程度の近赤外線を透過させることができる。また、上記被転写樹脂が、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂であって、熱により被転写樹脂層に対して転写を行う場合は、上記基材は充分な耐熱性を有していることが好ましい。
上記基材の厚みとしては、パターン形成体の用途等により異なるものであり、特に限定されるものではないが、例えば10μm〜1000μmの範囲内である。なお、このように値の範囲が広い理由は、基材の特性によるところが大きい。一般的に、被転写体の基材が薄くなるほど、基材の可撓性は向上し、曲げられる許容範囲は広くなるが、曲げ性は例えばシリコンとポリエチレンとでは異なり、ポリエチレンでは1000μm程度でも十分な曲げ性が得られるが、シリコンはそれよりも薄くする必要があるため、上記のような幅を持つことになる。さらに、本発明においては、上記基材の可撓性等を考慮して、後述するローラーの径等を設定することが好ましい。特に、上記基材として、シリコン基材を用いる場合には、単結晶シリコン基材が有する面方位により、曲げ幅が異なる場合がある。例えば<100>と<110>について言えば、<110>の方が外力により割断されやすい。よって最適な曲げ幅等になるように、基材の厚みやローラーの径を設定することが好ましい。
また、本発明に用いられる被転写樹脂層は、上述した基材上に形成され、後述する平板型モールドのナノ凹凸パターンが転写される層である。
上記被転写樹脂層に含まれる被転写樹脂としては、一般的なインプリント法に用いられる材料を用いることができ、特に限定されるものではない。中でも、本発明においては、上記被転写樹脂が、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂であることが好ましい。高精細な凹凸パターンを形成することができるからである。
上記光硬化性樹脂としては、具体的にはPAK−01(東京合成工業(株)製)、サンラッドUXC−201(三洋化成工業(株)製)、UV−3000(三菱化学(株)製)等を挙げることができる。また熱可塑性樹脂、および熱硬化性樹脂についてはPMMAやポリビニルアルコール(PVA)などがある。なお熱硬化性樹脂については、加熱により樹脂を溶解していた溶媒が蒸発することで樹脂として定着がなされるものも含む。
上記被転写樹脂層の厚みとしては、パターン形成体の用途等により異なるものであり、特に限定されるものではないが、例えば0.01μm〜10μmの範囲内である。
また、本発明においては、被転写体と平板型モールドとが密着するまでに、基材上に被転写樹脂層が形成されていれば良い。従って、基材上に被転写樹脂層が形成された被転写体を用い、その被転写体をローラーに配置し、被転写体と平板型モールドとを密着させても良く(図1参照、以降「第一の密着方法」と称する。)、ローラーの表面に配置された基材上に、ローラーを回転させながら被転写樹脂層を形成し被転写体とした後に、被転写樹脂層とナノ凹凸パターンとを密着させても良い(図2参照、以降「第二の密着方法」と称する。)。
第一の密着方法においては、予め基材上に被転写樹脂層が形成された被転写体を用いるが、基材上に被転写樹脂層を形成する方法としては、例えばスピンコート法、スプレー塗布法、インクジェット法等を挙げることができる。そのような方法で樹脂を基材上に塗布した後、樹脂の基材に対する定着性を向上させるため、加熱ないし冷却するなどするのが一般的である。また基材と被転写樹脂層との間に、定着性を向上させるための分子層、ないし樹脂層等の介在層を形成しても良い。
第二の密着方法においては、ローラーの表面に配置された基材上に、ローラーを回転させながら被転写樹脂層を形成し被転写体とするが、基材上に被転写樹脂層を形成する方法としては、例えばインクジェット法、スプレー塗布法等を挙げることができる。なお、上記方法を行う塗布装置等を設置する位置としては、被転写体と平板型モールドとが密着する前までに、基材上に塗布することができる場所であれば特に限定されるものではない。
また、特に第二の密着方法を行う場合は、基材と被転写樹脂層との密着性に劣る被転写体が得られる場合がある。密着性を向上させる方法としては、例えば、被転写体の被転写樹脂層側から加熱または冷却する方法を挙げることができる。すなわち、加熱により被転写樹脂層に残存する溶媒を揮発させ、または、冷却により樹脂を固化させることにより密着性を向上させることができる。さらに、同様の方法として、被転写体の基材側、つまりローラー側から加熱または冷却する方法を挙げることができる。また、別の方法として、基材表面上に上述した定着剤を塗布する方法、基材表面上を表面処理する方法等を挙げることができる。基材表面上に表面処理する方法としては、具体的には、シリコン基材にNによる常圧プラズマ処理を施すことにより、シリコン基材表面を疎水化することで樹脂の定着性を向上させる方法等を挙げることができる。
なお、本発明においては、被転写体と平板型モールドとが密着するまでに、被転写体がローラー上に配置されていれば良い。従って、図3に示すように、被転写体3と平板型モールド5とが密着する直前に被転写体3がローラー4上に配置されるように、別途、被転写体3を供給しても良い。なお、図3において、図1と重複する符号については説明を省略する。
(2)ローラー
次に、本発明に用いられるローラーについて説明する。本発明に用いられるローラーは、通常、上述した被転写体を表面に保持する被転写体保持手段を有し、かつ、回転可能な円柱形状を有するものである。さらに上記ローラーは、通常、平滑な表面を有する。
上記被転写体保持手段としては、ローラーが回転した場合であっても、被転写体をローラー表面上に保持することができる手段であれば特に限定されるものではないが、例えば、真空吸着、静電吸着、接着および機械的保持等を挙げることができ、中でも、真空吸着が好ましい。被転写体の材料の種類等によらず、安定して被転写体を保持することができるからである。なお、真空吸着により被転写体を保持する方法としては、具体的には、ローラーに吸引用の穴を形成し、真空引きする方法等を挙げることができる。また、上記被転写体が導電性を有するものであれば、静電吸着も有効な手段の一つである。なお、上記接着とは、接着剤等で被転写体をローラー表面上に保持する手段である。また、上記機械的保持とは、ローラーの表面上に被転写体を引っ掛けるなどする機械的な固定部分等を形成することにより、被転写体を保持する手段である。
また、上記ローラーは、回転可能なものであれば、能動回転するものであっても良く、受動回転するものであっても良い。上記ローラーが能動回転する場合は、平板型モールドを固定し、ローラーを移動させることより転写を行っても良く、逆に、ローラーを固定し、平板型モールドを移動させることにより転写を行っても良い。一方、上記ローラーが受動回転する場合は、平板型モールドを固定し、ローラーを移動させ、摩擦力によりローラーを回転させることにより転写を行っても良く、逆に、ローラーを固定し、平板型モールドを移動させ、摩擦力によりローラーを回転させることにより転写を行っても良い。また両者が能動的に駆動しても良い。
上記ローラーの材料としては、上述した被転写体を保持することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えばポリエチレン、ポリスチレン等の樹脂;鉄、アルミニウム、等の金属;セラミック、ガラス等を挙げることができる。
また、上記ローラーは、透明であっても良く、不透明であっても良いが、例えば被転写樹脂層に含有される被転写樹脂が光硬化性樹脂であって、ローラーの内側から光を照射することにより被転写樹脂層に対して転写を行う場合には、上記ローラーが透明であることが好ましい。このようなローラーの材料としては、具体的には上述した樹脂やガラス等を挙げることができる。ただし光の透過性については、基材の項目でも言述したとおり、ローラーの外周が持つ厚みや使用する光の波長など、装置の構成状態によって異なるため、これに限られるものではない。また、上記被転写樹脂が、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂であって、熱により被転写樹脂層に対して転写を行う場合は、上記ローラーは充分な耐熱性を有していることが好ましい。
上記ローラーの径としては、上述した被転写体をローラーの表面に沿うように配置できるものであれば特に限定されるものではなく、被転写体の基材の厚さ、材質、剛性、脆性等を考慮して適宜選択することが好ましい。
また、本発明においては、上記ローラーの表面上に単数の被転写体を配置しても良く、複数の被転写体を配置しても良い。なお、被転写体が充分な可撓性を有する場合には、単数の被転写体で、円周の小さいローラー全周を覆うことも可能である。また、例えばパターン形成体の製造工程全体において、後述する固化処理後の工程が、非常に処理速度が遅い工程である場合には、上記ローラーの径を大きくし、ローラーの表面上に多くの被転写物を配置することにより、工程上の緩衝機能を持たせることができる。逆に、後述する固化処理後の工程が、非常に処理速度が速い工程である場合には、上記ローラーの径を小さくし、ローラーの表面上に単数または少数の被転写物を配置することにより、生産効率の向上を図ることができる。
また、上記ローラーは、後述するように、加熱手段および冷却手段の少なくとも一方の手段を有していても良い。
(3)平板型モールド
次に、本発明に用いられる平板型モールドについて説明する。本発明に用いられる平板型モールドは、平板型であり、さらにその表面にナノ凹凸パターンを有するものである。
上記平板型モールドの材料としては、ナノ凹凸パターンを形成することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、シリコン(Si)、窒化ガリウム(GaN)およびガリウム砒素(GaAs)等の半導体;石英およびソーダライムガラス等のガラス;ニッケル(Ni)およびアルミニウム(Al)等の金属;窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO)および炭化シリコン(SiC)等のセラミックス;ダイヤモンド、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)および立方晶窒化ホウ素(CBN)等を挙げることができる。中でも、より微細な寸法の加工が可能であるという観点からシリコン(Si)および石英が好ましい。
特に、上記被転写樹脂層に含有される被転写樹脂が光硬化性樹脂であって、平板型モールドを介して被転写樹脂層に光を照射する場合には、上記平板型モールドは透明であることが好ましい。このような透明な平板型モールドの材料としては、上述した石英およびソーダライムガラス等のガラスおよびダイヤモンド等を挙げることができる。なお、上記被転写樹脂が光硬化性樹脂である場合であっても、例えばローラーの内側から光を照射することにより被転写樹脂層に対して転写を行う場合には、上記平板型モールドは基材側のみならずモールドからの光照射が必要な場合を除き、必ずしも透明である必要はない。
上記平板型モールドの厚みとしては、上記ローラーと密着する際に充分な強度を発揮できれば特に限定されるものではないが、例えば0.5mm〜10mmの範囲内である。また、上記平板型モールドの長さや幅については、パターン形成体の用途等により異なり特に限定されるものではないが、中でも、上記平板型モールドは、ローラーを一回転させたときに、全ての面積が転写できる長さおよび幅を有していることが好ましい。
また、上記平板型モールドは、表面にナノ凹凸パターンを有する。なお、「ナノ凹凸パターン」とは、ナノオーダーの凹凸パターンを意味するものであり、そのパターン形状等については、パターン形成体の用途等により異なり、特に限定されるものではない。上記ナノ凹凸パターンの大きさとしては、より小さいものが好ましいが、通常、5.0nm〜500nmの範囲内であり、中でも50nm〜500nmの範囲内であることが好ましい。
上記ナノ凹凸パターンの形成方法としては、例えば、ナノ凹凸パターン形成前の平板型モールド(平板型モールド形成用材料)に対して、レジスト材料を塗布し、パターン状に露光し、エッチングする方法等を挙げることができる。上記レジスト材料としては、平板型モールドに目的のナノ凹凸パターンを形成することができ、エッチングに対して充分な選択比と厚みを得ることができれば特に限定されるものではなく、一般的なレジスト材料を用いることができる。また、上記レジスト材料を塗布する方法としては、例えば、スピンコーティング法およびスプレーコーティング法等を挙げることができる。さらに上記露光方法としては、例えば、電子線描画法、レーザー描画法、およびフォトマスクを用いた紫外線による縮小投影露光方法等を挙げることができる。
また、上記エッチングとしては、主にドライエッチングおよびウェットエッチングに大別することができ、パターン形成体の用途等により適宜選択することが好ましい。さらに、上記ドライエッチングに用いられるエッチングガスとしては、例えば、上記平板型モールド形成用材料がシリコンである場合は、CF、CHF、HBr、Cl、CCl、SF等を挙げることができ、上記平板型モールド形成用材料がガラスである場合は、CF、CHF、Cl、SF等を挙げることができ、上記平板型モールド形成用材料がダイヤモンドまたはダイヤモンドライクカーボン(DLC)の場合は、O等を挙げることができる。一方、上記ウェットエッチングに用いられるエッチング液としては、例えば、上記平板型モールド形成用材料がシリコンである場合は、水酸化カリウム(KOH)水溶液、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)水溶液、フッ硝酸(フッ酸と硝酸の混合液)等を挙げることができ、上記平板型モールド形成用材料がガラスである場合は、フッ酸、緩衝フッ酸、KOH水溶液等のアルカリ性水溶液を挙げることができる。
平板型モールドの作製方法については、例えばS. Sasaki, et al., Proc. of SPIE Vol. 5853 (2005)を参考にすることができる。上記論文では、石英基材表面に寸法30nm程度のパターンを形成したモールドについて記載されている。
また、上記平板型モールドにおいては、被転写樹脂層との離型性を向上させるために、ナノ凹凸パターン上に、離型処理がなされていることが好ましい。上記離型処理をする方法としては、例えば、プラズマ処理する方法や離型剤を塗布する方法等を挙げることができる。上記離型剤としては、一般的なインプリントに用いられるものと同様の離型剤を用いることができる。
(4)密着方法
次に、本発明における、被転写体の被転写樹脂層と平板型モールドとの密着方法について説明する。本発明においては、ローラー上に配置された被転写体の被転写樹脂層と平板型モールドとが線接触し、その接触部分において被転写樹脂層に対して転写が行われる。
被転写体の被転写樹脂層と平板型モールドとを密着させる方法としては、両者が線接触することができる方法であれば特に限定されるものではない。例えば、図4(a)に示すように、ローラー4の回転駆動以外の箇所を固定し、平板型モールド5を接触部分の接線方向に移動させる方法、図4(b)に示すように、平板型モールド5を固定し、ローラー4を接触部分の接線方向に回転させながら移動させる方法、図4(c)に示すように、ローラー4および平板型モールド5を接触部分の接線方向に互いに逆行するように移動させる方法等を挙げることができる。なお、図4において、図1と重複する符号については説明を省略する。また、上記ローラーは、上述したように、能動回転するものであっても良く、受動回転するものであっても良い。
被転写体の被転写樹脂層と平板型モールドとが密着する際に加えられる圧力は、被転写樹脂層に含まれる被転写樹脂の種類等により異なり、被転写樹脂層上に、所望のパターンを得ることができれば特に限定されるものではない。例えば粘度が低く、かつモールドに対する濡れ性が良い転写樹脂を用いた場合、圧力は殆ど必要が無い。逆に粘度が高く、かつモールドに対する濡れ性が低い転写樹脂を用いた場合、高い圧力が必要である。
さらに、被転写体の被転写樹脂層と平板型モールドとを密着させる際に、平板型モールドの凹凸パターンが、精度良く被転写樹脂層に転写されるように、被転写樹脂層に熱を加え溶融させても良い。
2.固化工程
次に、本発明における固化工程について説明する。本発明における固化工程は、上記被転写樹脂層と上記平板型モールドとが密着している状態で、上記被転写樹脂層を固化する工程である。なお、本発明における固化工程は、通常、上述した密着工程の直後に行われる。すなわち、上述した密着工程において、平板型モールドのナノ凹凸パターンと、被転写樹脂層との表面とが接する状態から、上記ナノ凹凸パターンが被転写樹脂層に食い込む状態となり、その状態のまま、即座に被転写樹脂層の固化を行う。
本発明において、「固化」とは、被転写樹脂層に形成されたパターンを固定化することをいう。具体的には、被転写樹脂層が光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を含有する場合は、光または熱により硬化させ、パターンを固定化することをいい、被転写樹脂層が熱可塑性樹脂を含有する場合は、加熱し、次いで冷却することにより、パターンを固定化することをいう。このように、本発明において、被転写樹脂層を固化する手段(固化手段)は、用いられる被転写樹脂の種類よって異なる。
上記被転写樹脂が光硬化性樹脂である場合は、被転写樹脂層と平板型モールドとが密着している状態で光を照射する。この場合、固化手段としては、例えば光源等を挙げることができる。上記光の種類としては、光硬化性樹脂の種類等により異なるものであるが、例えば紫外線、可視光線、赤外線、X線等を挙げることができ、中でも紫外線が好ましい。紫外線硬化性の光硬化性樹脂は汎用性に優れているからである。上記紫外線のうち、一般に使用される波長帯としては、具体的には300nm〜400nm程度である。また、上記光の照射量としては、光硬化性樹脂が充分に硬化する量であれば特に限定されるものではないが、例えば100mJ/cm以上である。
また、上記光を照射する位置としては、光硬化性樹脂を硬化させることができる位置であれば特に限定されるものではない。具体的には、平板型モールドの外側から照射する場合、およびローラーの内側から照射する場合等を挙げることができる。なお、上述したように平板型モールドの外側から照射する場合には、平板型モールドが透明であることが好ましく、ローラーの内側から照射する場合には、ローラーおよび基材が透明であることが好ましい。また、平板型モールドの外側から照射する場合には、一般的な光源を平板型モールド近傍に設置すれば良く、ローラーの内側から照射する場合には、例えば円筒型の光源をローラー内部に設置すれば良い。なお、硬化後の被転写樹脂層に熱を加えると、被転写樹脂層上に形成された凹凸パターンの形状が変形することがあることに留意すべきである。
また、上記被転写樹脂が熱硬化性樹脂である場合は、被転写樹脂層と平板型モールドとが密着している状態で加熱する。この場合、固化手段としては、例えば加熱装置等を挙げることができる。加熱温度としては、熱硬化性樹脂が充分に硬化する温度であれば特に限定されるものではないが、通常90℃〜300℃の範囲内である。また、加熱方法としては、例えば、平板型モールドを加熱する方法、ローラーを加熱する方法、および平板型モールドおよびローラーの両方を加熱する方法等を挙げることができる。なお、ローラーを加熱する場合には、被転写樹脂層と平板型モールドとが密着している部分のみに選択的に加熱することが必要である。
また、上記被転写樹脂が熱可塑性樹脂である場合は、被転写樹脂層と平板型モールドとが密着した状態で加熱し冷却する。加熱することにより熱可塑性樹脂を軟化させ、転写後に、冷却することにより熱可塑性樹脂を硬化させる。この場合、固化手段としては、例えば加熱/冷却装置等を挙げることができる。加熱温度としては、熱可塑性樹脂が充分に軟化する温度であれば特に限定されるものではないが、通常90℃〜300℃の範囲内である。一方、冷却温度は、通常、上記の加熱温度以下の温度である。
また、加熱/冷却方法としては、被転写樹脂層と平板型モールドとが密着した際に、充分に被転写樹脂層が軟化し、被転写樹脂層と平板型モールドとが剥離した際に、短時間で被転写樹脂層が硬化する方法であることが好ましい。例えば、平板型モールドを加熱し、一方でローラーを冷却する方法等を挙げることができる。具体的には、図5に示すように、被転写樹脂層2と平板型モールド5とが密着している際に、ローラー4により冷却は行っているものの平板型モールド5の加熱により被転写樹脂層2が軟化し、被転写樹脂層2と平板型モールド5とが剥離した際に、平板型モールド5の加熱が無くなり、ローラー4による冷却のみを行う方法等を挙げることができる。なお、図5において、図1と重複する符号については説明を省略する。また、記被転写樹脂が熱可塑性樹脂である場合には、被転写樹脂層が軟化した状態で平板型モールドと密着するため、平板型モールドに被転写樹脂層の残渣が付着しないように、特に留意すべきである。
3.その他の工程
本発明のパターン形成体の製造方法は、上述した密着工程および固化工程を少なくとも有するものである。さらに、本発明においては、通常、固化工程の後に、得られたパターン形成体をローラーから剥離する剥離工程を行う。パターン形成体をローラーから剥離する方法としては、上記「(2)ローラー」で説明した被転写体保持手段により異なるものであるが、例えば、真空吸着によりパターン形成体をローラー上に保持している場合は、真空吸着を止めることにより、ローラーからパターン形成体を剥離することができる。
4.パターン形成体の用途
次に、本発明により得られるパターン形成体の用途について説明する。本発明により得られるパターン形成体は、基材と、上記基材上に形成され、上記平板型モールドのナノ凹凸パターンに対応するパターンを有する被転写樹脂層(以下、「パターン形成層」と称する場合がある。)と、を有する。本発明において、上記パターン形成層は、基材を加工するためのレジストとして使用しても良く、パターン形成層自身を機能層として使用しても良い。
上記パターン形成層をレジストとして使用する場合には、上記パターン形成体は、例えば半導体デバイス製造、MEMS、NEMS等の微小電気機械システム製造におけるリソグラフィ等に用いることができる。一方、上記パターン形成層を機能層として使用する場合には、上記パターン形成体は、例えばマイクロレンズアレイ、回折格子等の光学素子;MEMS、NEMS等の微小電気機械システム;パターンドメディア等の記録ディスク製造等に用いることができる。
B.インプリント転写装置
次に、本発明のインプリント転写装置について説明する。本発明のインプリント転写装置は、基材と上記基材上に形成された被転写樹脂層とを有する被転写体を表面に保持する被転写体保持手段を有し、かつ、回転可能な円柱型のローラーと、平板型モールドを保持することができ、かつ、上記平板型モールドが上記被転写樹脂層に対して密着可能な位置に配置された平板型モールド保持手段と、上記被転写樹脂層と上記平板型モールドとが密着した際に、上記被転写樹脂層を固化する固化手段と、を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、ローラー表面上に被転写体を配置し、その被転写体に対して平板型モールドを用いて転写を行うことにより、高精細な凹凸パターンを有するパターン形成体を生産効率良く製造することができる。
次に、本発明のインプリント転写装置について図面を用いて説明する。図6は、本発明のインプリント転写装置の一例を示す概略図である。図6に示されるインプリント転写装置は、基材1と、基材1上に形成され光硬化性樹脂を含有する被転写樹脂層2とを有する被転写体3を表面に保持する被転写体保持手段を有し、かつ、回転可能な円柱型のローラー4と、平板型モールド5を保持することができ、平板型モールド5が被転写樹脂層2に対して密着可能な位置に配置された平板型モールド保持手段10と、被転写樹脂層2と平板型モールド5とが密着した際に、被転写樹脂層2を硬化させる固化手段(光8を照射する光源7)と、を有するものである。
以下、本発明のインプリント転写装置について、インプリント転写装置を構成する部材と、インプリント転写装置の構造と、に分けて説明する。
1.インプリント転写装置を構成する部材
まず、本発明のインプリント転写装置を構成する部材について説明する。本発明のインプリント転写装置は、ローラーと、平板型モールド保持手段と、固化手段と、を少なくとも有するものである。ローラーおよび固化手段については、上記「A.パターン形成体の製造方法」に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
平板型モールド保持手段としては、平板型モールドを安定に保持できるものであれば特に限定されるものではない。後述するように、本発明においては、平板型モールドのナノ凹凸パターンが下面を向くように、平板型モールド保持手段が配置される場合があるため、平板型モールド保持手段は、平板型モールドとの密着性に優れたものであることが好ましい。また、平板型モールド保持手段の形状としては、特に限定されるものではないが、通常、板状である。平板型モールド保持手段をステージとして用いることにより、平板型モールドと被転写体の被転写樹脂層とを正確に密着させることができる。
さらに、被転写樹脂層に含有される被転写樹脂が光硬化性樹脂であって、平板型モールドを介して被転写樹脂層に光を照射する場合、平板型モールド保持手段は、透明であること、または光透過部を有することが好ましい。なお、上記平板型モールド保持手段は、加熱機能、冷却機能および発光機能等を有していても良い。
2.インプリント転写装置の構造
次に、本発明のインプリント転写装置の構造について説明する。本発明において、平板型モールド保持手段が配置される位置としては、ローラー上に被転写体が配置された際に、平板型モールドが被転写樹脂層に対して、密着可能な位置であれば特に限定されるものではない。
中でも、本発明においては、上記平板型モールドと上記被転写樹脂層とが密着する位置が、上記ローラーの軸芯よりも高い位置となるように、上記平板型モールド保持手段が配置されていることが好ましい。被転写樹脂層の残渣が付着し難くなるからであり、転写環境に存在する微小な異物がモールド表面に付着するリスクを避けるためである。特に、被転写樹脂層に含有される被転写樹脂が熱可塑性樹脂である場合は、平板型モールドと被転写樹脂層とが密着する部分において、被転写樹脂層が軟化し残渣として付着し易いため、好ましい。
このような構造を有するインプリント転写装置としては、例えば図7に示すように、平板型モールド5と被転写樹脂層3とが密着する位置が、ローラー4の軸芯11よりも高い位置となるように、平板型モールド保持手段10が配置されているもの等を挙げることができる。なお、図7において、図1と重複する符号については説明を省略する。
また、本発明においては、ローラー上に配置された被転写体の被転写樹脂層と平板型モールドとが線接触し、その接触部分において被転写樹脂層が転写される。上記ローラーおよび上記平板型モールド保持手段の少なくとも一方は、上記接触部分の接線方向に移動手段を有していることが好ましい。具体的には、ローラーが固定され、平板型モールド保持手段が接触部分の接線方向に移動手段を有する場合、平板型モールド保持手段が固定され、ローラーが接触部分の接線方向に移動手段を有する場合、ローラーおよび平板型モールド保持手段の両者が、接触部分の接線方向に移動手段を有する場合等を挙げることができる。なお、上記ローラーは、能動回転するものであっても良く、受動回転するものであっても良い。
さらに、上記ローラーおよび上記平板型モールド保持手段の少なくとも一方は、接触部分の法線方向に移動し、接触部分に加えられる圧力を調整する圧力調整手段を有していることが好ましい。被転写体に加えられる圧力を適正な範囲とすることができ、高精細なパターンを形成することができるからである。
また、上記固化手段の位置は、ローラー上に配置された被転写体の被転写樹脂層と平板型モールドとが線接触している部分に作用を及ぼすことができれば、特に限定されるものではない。固化手段については、上記「A.パターン形成体の製造方法」に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
平板型モールドとして、石英製モールドを用意した。この石英製モールドは、図8に示すように、152mm×152mmの正方形の表面に、10mm×10mmのナノ凹凸パターン形成領域Aを9個有するものであり、各ナノ凹凸パターン形成領域AがそれぞれXY方向に30mmの間隔を有して配置されているものである。さらに、各ナノ凹凸パターン形成領域Aには、幅200nm、ピッチ800nm、長さ1.0mmのラインアンドスペース(L&S)が形成されている。なお、石英製モールドの厚みは6.35mmであった。
この石英製モールドを用い、上述した図2に示した方法により、パターン形成体を作製した。まず、ローラー(直径45mm、長さ150mm)に、基材としてポリカーボネートフィルム(厚さ0.5mm)を巻きつけた。次に、ローラーを回転させながら、UV硬化樹脂の密着性を向上させる定着剤を基材上に塗布し、さらに、UV硬化樹脂(UV−3000、三菱化学(株)製)を厚さ100nmとなるようにスプレー塗布し、基材上に被転写樹脂層を形成した。その後、即座に、被転写樹脂層と石英製モールドとを密着させ、石英製モールド側からUVを照射することにより、被転写樹脂層を固化させた。その後、ローラーからポリカーボネートを剥離することによって、パターン形成体を得た。
得られたパターン形成体を、SEM(走査型電子顕微鏡)で観察した結果、所望のナノ凹凸パターンが形成されていることが確認された。得られたSEM写真を図9に示す。
[実施例2]
ナノ凹凸パターン形成領域に形成されるパターンを、幅400nm、ピッチ1200nm、長さ10mmのラインアンドスペース(L&S)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、パターン形成体を得た。
得られたパターン形成体を、SEM(走査型電子顕微鏡)で観察した結果、所望のナノ凹凸パターンが形成されていることが確認された。得られたSEM写真を図10に示す。
本発明のパターン形成体の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明のパターン形成体の製造方法の他の例を示す工程図である。 本発明のパターン形成体の製造方法の他の例を示す説明図である。 被転写樹脂層と平板型モールドとの密着方法について説明する説明図である。 ローラーおよび平板型モールドの加熱/冷却方法を説明する説明図である。 本発明のインプリント転写装置の一例を示す概略図である。 平板型モールドとローラーとの位置関係を説明する説明図である。 実施例で用いられる石英製モールドの表面を説明する説明図である。 実施例1で得られたパターン形成体のSEM写真である。 実施例2で得られたパターン形成体のSEM写真である。
符号の説明
1 … 基材
2 … 被転写樹脂層
3 … 被転写体
4 … ローラー
5 … 平板型モールド
6 … ナノ凹凸パターン
7 … 光源
8 … 光
9 … 塗布装置
10 … 平板型モールド保持手段
11 … 軸芯
A … ナノ凹凸パターン形成領域

Claims (5)

  1. 基材と前記基材上に形成された被転写樹脂層とを有する被転写体を、円柱型のローラーの表面に、前記基材の全面が前記ローラーの表面に密着するように沿わせ、前記ローラーを回転させながら、前記被転写樹脂層とナノ凹凸パターンを有する平板型モールドとを、前記被転写樹脂層と前記ナノ凹凸パターンとが接するように密着させる密着工程と、
    前記被転写樹脂層と前記平板型モールドとが密着している状態で、前記被転写樹脂層を固化する固化工程と、
    を有することを特徴とするパターン形成体の製造方法。
  2. 前記被転写樹脂層に含まれる被転写樹脂が、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成体の製造方法。
  3. 前記平板型モールドの材料が、シリコンないし石英であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパターン形成体の製造方法。
  4. 基材と前記基材上に形成された被転写樹脂層とを有する被転写体を表面に保持する被転写体保持手段を有し、かつ、回転可能な円柱型のローラーと、
    平板型モールドを保持することができ、かつ、前記平板型モールドが前記被転写樹脂層に対して密着可能な位置に配置された平板型モールド保持手段と、
    前記被転写樹脂層と前記平板型モールドとが密着した際に、前記被転写樹脂層を固化する固化手段と、
    を有し、
    前記被転写体保持手段が、前記基材の全面が前記ローラーの表面に密着するように保持する手段であることを特徴とするインプリント転写装置。
  5. 前記平板型モールドと前記被転写樹脂層とが密着する位置が、前記ローラーの軸芯よりも高い位置となるように、前記平板型モールド保持手段が配置されていることを特徴とする請求項4に記載のインプリント転写装置。
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