JP4832995B2 - 発光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一次光を発する発光素子と、一次光を吸収して二次光を発する波長変換部とを備えた高効率、高演色性の発光装置に関するものである。
一次光を発する発光素子と、一次光を吸収して二次光を発する波長変換部とを組み合わせた発光装置は、低消費電力、小型、高輝度かつ広範囲な色再現性が期待される次世代の発光装置として注目され、活発に研究、開発が行なわれている。発光素子から発せられる一次光は、通常、長波長の紫外線から青色の範囲、すなわち380nmから480nmのものが用いられる。また波長変換部に、用途に適した様々な蛍光体が用いられる。
近年、この種の発光装置に対して効率(明るさ)のみならず、高い演色性(色再現性)も求められるようになってきている。現在、白色発光を呈する発光装置としては、青色発光の発光素子(ピーク波長:450nm前後)とその青色により励起され黄色発光を示す3価のセリウムで付活された(Y,Gd)3(Al,Ga)512蛍光体または2価のユーロピウムで付活された(Sr,Ba,Ca)2SiO4蛍光体を用いた波長変換部とを組み合わせた発光装置が主として用いられている。
しかし、このような発光装置では、平均演色評価数(Ra)は70前後であり、特に赤色の見え方を示す特殊演色評価数(R9)が−40前後であり、極端に悪いのが現状である。このような発光装置を照明光源に用いることは甚だ不適切である。したがって、この種の発光装置に対して、照明光源を意図した場合において、演色性(色再現性)の改善が急務となっている。
さらには、美術館、博物館およびカラー印刷所における照明光源としては、通常演色性の種類で演色AAA(JIS−Z9112に規格)のものが用いられている。特に、美術館、博物館向け演色AAAの蛍光ランプにおいては、蛍光ランプから放出される長波長の紫外線(365nmなど)を吸収する様々な工夫(紫外線吸収膜の形成)がなされている。したがって、この種の発光装置に対して、構造の簡単なかつ長寿命な演色AAA対応の開発が急務となっている。
この種の発光装置において、演色性(色再現性)に着目したものとしては、特許文献1に記載されたものがある。その中で、主として緑色蛍光体としてSrGa24・Eu2+、赤色蛍光体としてSrS:Eu2+を用いた場合、演色評価数(Ra)については70から90のものが得られることが特許文献1に記載されている。ただし、これらのチオガレートおよび硫化物は化学的に不安定であり、特に、硫化物は紫外線照射下では分解しやすい性質を有している。
また、特許文献2では、黄色発光のYAG:Ce蛍光体に窒化物の赤色蛍光体、たとえば、Ca1.97Si58:Eu0.03を用いることにより、平均演色評価数(Ra)が75から95のものが得られること、さらには特殊演色性(R9)の値を高くすることにより、赤みを帯びた白色の発光装置を提供することができることが記載されている。しかしながら青色発光の発光素子と黄色発光のYAG:Ce蛍光体および赤色発光の2価のEuで付活された窒化物蛍光体(すなわち、Ca1.97Si58:Eu0.03、Lxy(2/3x+4/3y):Z)の組み合わせにおいては、緑色領域の発光成分が乏しいために、平均演色評価数(Ra)の高いものを安定して得ることが難しく、かつ発光装置の明るさも赤色蛍光体(Ca1.97Si58:Eu0.03)を加えることにより大きく低下するという問題を有している。
また、いずれの特許文献においても、演色AAA対応については全く言及されていない。すなわち、上述したように、演色AAAでは、Ra、R9のみならず、R10、R11、R12、R13、R14、R15の値もその最低値が決められている。
特開2002−60747号公報 特開2003−321675号公報 特開2004−182780号公報
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、半導体発光素子からの430〜480nmの範囲の光あるいは380〜430nmの範囲の光によって、高効率で発光する特定の蛍光体を用いることにより、高効率かつ高演色性(特には演色AAA対応)を有する発光装置を提供することである。
430nm〜480nmのピーク波長を有する本発明の発光装置は、一次光を発する発光素子と、前記一次光の一部を吸収して、一次光の波長以上の長さの波長を有する二次光を発する波長変換部とを備える発光装置であって、前記波長変換部は色系発光蛍光体および赤色系発光蛍光体を含み、前記緑色系発光蛍光体は、
般式(A−2):MIISc 1−bCe2(SiO
(一般式(A−2)中、MIIはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる元素であって少なくともMg、Caの2種の元素を含み、0.005≦b≦0.5である)
される3価のセリウム付活珪酸塩蛍光体からなり、
前記赤色系発光蛍光体は、
一般式(B):(MIV1−cEu)MVSiN
(一般式(B)中、MIVはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、MVはAl、Ga、In、Sc、Y、La、GdおよびLuから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0.001≦c≦0.05である)
される2価のユーロピウム付活窒化物蛍光体からなることを特徴とする。
上記ピーク波長は、より演色性を向上させるためには、460nm〜480nmとすることが望ましい。
また、本発明は、380nm〜430nmのピーク波長を有する一次光を発する発光素子と、前記一次光の一部を吸収して、一次光の波長以上の長さの波長を有する二次光を発する波長変換部とを備えた発光装置であって、前記波長変換部は色系発光蛍光体、緑色系発光蛍光体および赤色系発光蛍光体を含み、
前記青色系発光蛍光体は、
一般式(C−1):(MVI,Eu)10(PO・Cl
(一般式(C−1)中、MVIはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素を示す)
で表される2価のユーロピウム付活ハロ燐酸塩蛍光体、
一般式(C−2):d(MVII,Eu)O・eAl
(一般式(C−2)中、MVIIはMg、Ca、Sr、BaおよびZnから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、dおよびeはd>0、e>0、0.1≦d/e≦1.0である)
される2価のユーロピウム付活アルミン酸塩蛍光体、および、
一般式(C−3):f(MVII、Eu、Mn)O・gAl
(一般式(C−3)中、MVIIはMg、Ca、Sr、BaおよびZnから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、f、g、hおよびiはf>0、g>0、0.1≦f/g≦1.0、0.001≦i/h≦0.2である)
される2価のユーロピウムおよびマンガン付活アルミン酸塩蛍光体から選ばれる少なくとも1種からなり、
前記緑色系発光蛍光体は、
般式(A−2):MIISc 1−bCe(SiO
(一般式(A−2)中、MIIはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる元素であって少なくともMg、Caの2種の元素を含み、0.005≦b≦0.5である)
される3価のセリウム付活珪酸塩蛍光体からなり、
前記赤色系発光蛍光体は、
一般式(B):(MIV1−cEu)MVSiN
(一般式(B)中、MIVはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、MVはAl、Ga、In、Sc、Y、La、GdおよびLuから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0.001≦c≦0.05である)
される2価のユーロピウム付活窒化物蛍光体からなることを特徴とする。
また、本発明の発光装置においては、青色系発光蛍光体が、発光ピーク波長が460nm〜480nmの範囲にある一般式(C−1)でされる2価のユーロピウム付活ハロ燐酸塩蛍光体であることが、好ましい。
さらに、本発明の発光装置は、前記赤色系発光蛍光体として、上記一般式(B)中、MVがAl、GaおよびInから選ばれる少なくとも1種の元素である、2価のユーロピウム付活窒化物蛍光体を用いてなることが好ましい。
また、本発明の発光装置においては、前記波長変換部に用いられる複数の蛍光体は、波長変換部の一次光の入射側から出射側に向かって、二次光の波長の長い蛍光体順に積層されたものであることが好ましい。
上述したいずれかの本発明の発光装置は、白色光を発することが好ましい。この場合、本発明の発光装置は、
(1)相関色温度が5700K〜7100K、平均演色評価数が90以上、かつ、特殊演色評価数R9〜R15が90以上、または、
(2)相関色温度が4600K〜5400K、平均演色評価数が90以上、かつ、特殊演色評価数R9〜R15が90以上、
のいずれかであることが好ましい。
本発明の発光装置は、発光素子からの発光を効率よく吸収して、高効率な白色光を発光するとともに、演色性が著しく良好な白色、特には、演色AAAを満足する演色性の著しく良好な白色を得ることができる。
本発明の発光装置は、一次光を発する発光素子と、前記一次光の一部を吸収して、一次光の波長以上の長さの波長を有する二次光を発する波長変換部とを基本的に備える。本発明の発光装置における波長変換部は、複数の緑色系発光蛍光体および赤色系発光蛍光体を含む。
本発明の発光装置における波長変換部に用いられる緑色系発光蛍光体は、以下の(A−1)2価のユーロピウム付活珪酸塩蛍光体、および、(A−2)3価のセリウム付活珪酸塩蛍光体から選ばれる少なくともいずれかである。
(A−1)2価のユーロピウム付活珪酸塩蛍光体
当該2価のユーロピウム付活珪酸塩蛍光体は、
一般式(A−1):2(MI1-aEua)O・SiO2
で実質的に表される。一般式(A−1)中、MIはアルカリ土類金属であり、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素を示す。MIは、上記中でもSrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素であることが好ましい。
また上記一般式(A−1)中、aの値は、0.005≦a≦0.10であり、0.01≦a≦0.05であるのが好ましい。aの値が0.005未満であると、十分な明るさが得られないという不具合があり、aの値が0.10を越えると、明るさが大きく低下するという不具合がある。
(A−1)2価のユーロピウム付活珪酸塩蛍光体としては、具体的には、2(Ba0.60Sr0.38Eu0.02)O・SiO2、2(Sr0.80Ba0.18Eu0.02)O・SiO2、2(Ba0.55Sr0.43Eu0.02)O・SiO2、2(Ba0.83Sr0.15Eu0.02)O・SiO2、2(Sr0.78Ba0.20Eu0.02)O・SiO2、2(Ba0.60Sr0.38Ca0.01Eu0.01)O・SiO2、2(Ba0.820Sr0.165Eu0.015)O・SiO2、2(Ba0.55Sr0.42Eu0.03)O・SiO2、2(Sr0.75Ba0.21Ca0.01Eu0.03)O・SiO2、2(Sr0.650Ba0.315Ca0.020Eu0.015)O・SiO2、2(Sr0.56Ba0.40Eu0.04)O・SiO2などを挙げることができるが、勿論これらに限定されるものではない。
(A−2)3価のセリウム付活珪酸塩蛍光体
当該3価のセリウム付活珪酸塩蛍光体は、
一般式(A−2):MII3(MIII1-bCeb2(SiO43
で実質的に表される。一般式(A−2)中、MIIはアルカリ土類金属であり、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素を示す。MIIは、上記中でもMgおよびCaから選ばれる少なくとも1種の元素であることが好ましい。
また上記一般式(A−2)中、MIIIは3価の金属元素であり、Al、Ga、In、Sc、Y、La、GdおよびLuから選ばれる少なくとも1種の元素を示す。MIIIは、上記中でもIn、ScおよびYから選ばれる少なくとも1種の元素であることが好ましい。
また上記一般式(A−2)中、bの値は、0.005≦b≦0.5であり、0.01≦b≦0.2であるのが好ましい。bの値が0.005未満であると、十分な明るさが得られないという不具合があり、bの値が0.5を越えると、濃度消光等により、明るさが大きく低下するという不具合がある。
(A−2)3価のセリウム付活珪酸塩蛍光体としては、具体的には、Ca3(Sc0.85Ce0.152(SiO43、(Ca0.8Mg0.23(Sc0.75Ga0.15Ce0.102(SiO43、(Ca0.9Mg0.13(Sc0.90Ce0.102(SiO43、(Ca0.9Mg0.13(Sc0.85Ce0.152(SiO43、(Ca0.85Mg0.153(Sc0.800.05Ce0.152・(SiO43、Ca3(Sc0.98In0.01Ce0.012(SiO43、Ca3(Sc0.995Ce0.0052(SiO43、Ca3(Sc0.630.02Ce0.352(SiO43などを挙げることができるが、勿論これらに限定されるものではない。
また、本発明の発光装置の波長変換部における緑色系発光蛍光体の粒径(平均粒径、通気法)についても特に制限されるものではないが、(A−1)2価のユーロピウム付活珪酸塩蛍光体の場合には、6〜15μmの範囲内であるのが好ましく、8〜13μmの範囲内であるのがより好ましい。(A−1)2価のユーロピウム付活珪酸塩蛍光体の粒径が6μm未満であると、結晶成長が不十分であり、明るさが大きく低下する傾向にあり、また15μmを超えると、通常の樹脂中では、沈降の制御が難しくなる傾向にあるためである。また(A−2)3価のセリウム付活珪酸塩蛍光体の場合には、5〜12μmの範囲内であるのが好ましく、7〜10μmの範囲内であるのがより好ましい。(A−2)3価のセリウム付活珪酸塩蛍光体の粒径が5μm未満であると、結晶成長が不十分であり、明るさが大きく低下する傾向にある。一方、12μmを超える粒径のものを調製する場合には、異常成長した粗大粒子が生成しやすく、実用的ではない。
また本発明の発光装置における波長変換部に用いられる赤色系発光蛍光体は、以下の(B)2価のユーロピウム付活窒化物蛍光体である。
(B)2価のユーロピウム付活窒化物蛍光体
当該2価のユーロピウム付活窒化物蛍光体は、
一般式(B):(MIV1-cEuc)MVSiN3
で実質的に表される。一般式(B)中、MIVはアルカリ土類金属であり、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素を示す。
また一般式(B)中、MVは3価の金属元素であり、Al、Ga、In、Sc、Y、La、GdおよびLuから選ばれる少なくとも1種の元素を示す。
また上記一般式(B)中、cの値は、0.001≦b≦0.05であり、0.005≦c≦0.02であるのが好ましい。cの値が0.001未満であると、十分な明るさが得られないという不具合があり、cの値が0.05を越えると、濃度消光等により、明るさが大きく低下するという不具合がある。
(B)2価のユーロピウム付活窒化物蛍光体としては、具体的には、(Ca0.98Eu0.02)AlSiN3、(Ca0.94Mg0.05Eu0.01)(Al0.99In0.01)SiN3、(Ca0.94Mg0.05Eu0.01)(Al0.99Ga0.01)SiN3、(Ca0.97Mg0.01Eu0.02)(Al0.99Ga0.01)SiN3、(Ca0.97Sr0.01Eu0.02)(Al0.98In0.02)SiN3、(Ca0.995Eu0.005)AlSiN3、(Ca0.989Sr0.010Eu0.001)(Al0.98Ga0.02)SiN3、(Ca0.93Mg0.02Eu0.05)AlSiN3などを挙げることができるが、勿論これらに限定されるものではない。
また、本発明の発光装置の波長変換部における赤色系発光蛍光体の粒径(平均粒径、通気法)についても特に制限されるものではないが、3〜10μmの範囲内であるのが好ましく、4〜7μmの範囲内であるのがより好ましい。赤色系発光蛍光体の粒径が3μm未満であると、結晶成長が不十分であり、明るさが大きく低下する傾向にある。一方、10μmを超える粒径のものを調製する場合には、異常成長した粗大粒子が生成しやすく、実用的ではない。
本発明の発光装置においては、前記緑色系発光蛍光体として、上記一般式(A−2)中、MIIがMgおよびCaから選ばれる少なくとも1種の元素である、3価のセリウム付活珪酸塩蛍光体を用いてなることが、好ましい。当該3価のセリウム付活珪酸塩蛍光体を緑色系発光蛍光体として用いることで、より一層高効率に緑色系を発光することができる。
また本発明の発光装置においては、前記赤色系発光蛍光体として、上記一般式(B)中、MVがAl、GaおよびInから選ばれる少なくとも1種の元素である、2価のユーロピウム付活窒化物蛍光体を用いてなることが、好ましい。当該2価のユーロピウム付活窒化物蛍光体を赤色系発光蛍光体として用いることで、より一層高効率に赤色系を発光することができる。
本発明の発光装置において前記波長変換部に用いられる複数の蛍光体は、波長変換部の一次光の入射側から出射側に向かって、二次光の波長の長い蛍光体順に積層されたものであることが好ましい。このように積層されてなることによって、蛍光体層から発せられた可視光はその上に積層された蛍光体層に殆ど吸収されることなく、良好に外部に取り出すことができるという効果を発揮する発光装置を提供することができる。蛍光体は、具体的には、赤色系発光蛍光体、緑色系発光蛍光体(、青色系発光蛍光体)という順で、波長変換部の一次光の入射側から出射側に向かって積層されてなるのが好適である。
本発明の発光装置における波長変換部は、上述した緑色系発光蛍光体および赤色系発光蛍光体を含有し、発光素子から発せられる一次光の一部を吸収して、一次光の波長以上の長さの波長を有する二次光を発し得るものであれば、その媒質は特に制限されるものではない。媒質(透明樹脂)としては、たとえばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、尿素樹脂等を用いることができる。
また、波長変換部は、上述した蛍光体および媒質以外に、本発明の効果を阻害しない範囲で、適宜のSiO2、TiO2、ZrO2、Al23、Y23などの添加剤を含有していても勿論よい。
本発明の発光装置に用いられる発光素子としては、効率の観点から、窒化ガリウム(GaN)系半導体を好ましく用いることができる。
ここで、図1は、本発明の好ましい一例の発光装置(後述する実施例1)の発光スペクトル分布を示す図である。図1において、縦軸は発光強度(a.u.)、横軸は波長(nm)を示している。図1に示すように、上述した緑色系発光蛍光体および赤色系発光蛍光体を含む波長変換部を備える発光装置において、400nmから750nmの可視領域全体にわたって、連続的なスペクトル分布が確認される。本発明の発光装置を効率的に発光させる観点から、本発明の発光装置に用いられる発光素子はピーク波長が430nm〜480nmの範囲の一次光を発するものであることが好ましく、ピーク波長が460nm〜480nmの範囲の一次光を発するものであることがより好ましい。
発光素子が発する一次光のピーク波長は430nm未満の場合には、演色性が悪くなり、本発明の目的に合致しなくなる虞があるので、430nm以上とすることが望ましく、さらに、より演色性をよくするには、460nm以上とすることが望ましい。また、480nmを超えると、白色での明るさが低下し、実用的でなくなる傾向にあるので、480nm以下とすることが望ましい。
本発明の発光装置における波長変換部に用いられる青色系発光蛍光体は、以下の(C−1)2価のユーロピウム付活ハロ燐酸塩蛍光体、(C−2)2価のユーロピウム付活アルミン酸塩蛍光体、および、(C−3)2価のユーロピウム及びマンガン付活アルミン酸塩蛍光体から選ばれる少なくともいずれかが、好ましい。
(C−1)2価のユーロピウム付活ハロ燐酸塩蛍光体
当該2価のユーロピウム付活ハロ燐酸塩蛍光体は、
一般式(C−1):(MVI,Eu)10(PO46・Cl2
で実質的に表される。上記一般式(C−1)中、MVIはアルカリ土類金属であり、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素を示す。
(C−1)2価のユーロピウム付活ハロ燐酸塩蛍光体としては、具体的には、(Sr0.74Ba0.20Ca0.05Eu0.0110(PO46・Cl2、(Sr0.685Ba0.250Ca0.050Eu0.01510(PO46・Cl2、(Sr0.695Ba0.275Ca0.010Eu0.02010(PO4)6・Cl2、(Sr0.70Ba0.28Ca0.01Eu0.0110(PO46・Cl2などを挙げることができるが、勿論これらに限定されるものではない。
(C−2)2価のユーロピウム付活アルミン酸塩蛍光体
当該2価のユーロピウム付活アルミン酸塩蛍光体は、
一般式(C−2):d(MVII,Eu)O・eAl23
で実質的に表される。一般式(C−2)中、MVIIは2価の金属元素であり、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnから選ばれる少なくとも1種の元素を示す。
2価の金属元素とAlとの比率(d/e)は0.1≦d/e≦1.0であるのが好ましく、これ以外の組成では、満足な青色系発光蛍光体としての特性が得られない。
(C−2)2価のユーロピウム付活アルミン酸塩蛍光体としては、具体的には、(Ba0.25Sr0.60Eu0.15)MgAl1017、(Ba0.50Sr0.30Eu0.20)MgAl1017、(Ba0.60Sr0.20Eu0.20)MgAl1017、(Ba0.70Sr0.15Eu0.15)MgAl1017、(Ba0.30Sr0.50Eu0.20)MgAl1017などを挙げることができるが、勿論これらに限定されるものではない。
(C−3)2価のユーロピウム及びマンガン付活アルミン酸塩蛍光体
当該2価のユーロピウム及びマンガン付活アルミン酸塩蛍光体は、
一般式(C−3):f(MVII、Eu、Mn)O・gAl23
で実質的に表される。一般式(C−3)中、MVIIは2価の金属元素であり、上述と同様に、Mg、Ca、Sr、BaおよびZnから選ばれる少なくとも1種の元素を示す。
2価の金属元素とAlとの比率(f/g)は0.1≦f/g≦1.0であるのが好ましく、これ以外の組成では、満足な青色系発光蛍光体としての特性が得られない。また、ユーロピウムとマンガンとの比率(i/h)は、0.001≦i/h≦0.2であるのが好ましく、0.001未満では、マンガンの発光の寄与が認められず、0.2を超えると、白色での明るさが低下し、実用的ではない。
(C−3)2価のユーロピウム及びマンガン付活アルミン酸塩蛍光体としては、具体的には、(Ba0.40Sr0.50Eu0.10)(Mg0.99Mn0.01)Al1017、(Ba0.50Sr0.30Eu0.20)(Mg0.999Mn0.001)Al1017、(Ba0.45Sr0.40Eu0.15)(Mg0.9985Mn0.0015)Al1017、(Ba0.65Sr0.20Eu0.15)(Mg0.97Mn0.03)Al1017などを挙げることができるが、勿論これらに限定されるものではない。
また、本発明の発光装置の波長変換部における青色系発光蛍光体の粒径についても特に制限されるものではないが、(C−1)2価のユーロピウム付活ハロ燐酸塩蛍光体の場合には、3.0〜9.0μmの範囲内であるのが好ましく、4.5〜6.5μmの範囲内であるのがより好ましい。(C−1)2価のユーロピウム付活ハロ燐酸塩蛍光体の粒径が3.0μm未満であると、結晶成長が不十分であり、明るさが大きく低下する傾向にある。一方、9.0μmを超える粒径のものを調製する場合には、異常成長した粗大粒子が生成しやすく、実用的でなくなる傾向にある。また(C−2)2価のユーロピウム付活アルミン酸塩蛍光体あるいは(C−3)2価のユーロピウムおよびマンガン付活アルミン酸塩蛍光体の場合には、2.0〜7.0μmの範囲内であるのが好ましく、3.0〜5.0μmの範囲内であるのがより好ましい。(C−2)2価のユーロピウム付活アルミン酸塩蛍光体あるいは(C−3)2価のユーロピウムおよびマンガン付活アルミン酸塩蛍光体の粒径が2.0μm未満であると、結晶成長が不十分であり、明るさが大きく低下する傾向にある。一方、7.0μmを超える粒径のものを調製する場合には、異常成長した粗大粒子が生成しやすく、実用的でなくなる傾向にあるためである。
上述した緑色系発光蛍光体および赤色系発光蛍光体に加えて、青色系発光蛍光体をさらに含む波長変換部を備える発光装置において、緑色系発光蛍光体および赤色系発光蛍光体として好適なものは上述したのと同様である。また、このような態様の発光装置においても、前記波長変換部に用いられる複数の蛍光体は、波長変換部の光の入射側から出射側に向かって、二次光の波長の長い蛍光体順に積層されたものであることが好ましい。また、波長変換部の形成に用いられる媒質としても、上述と同様のものを好適に用いることができる。
上述した緑色系発光蛍光体および赤色系発光蛍光体に加えて、青色系発光蛍光体をさらに含む波長変換部を備える発光装置において用いられる発光素子としては、効率の観点から、窒化ガリウム(GaN)系半導体を好ましく用いることができる。
また緑色系発光蛍光体および赤色系発光蛍光体に加えて、青色系発光蛍光体をさらに含む波長変換部を備える発光装置に用いられる発光素子は、青色系発光蛍光体を効率よく発光させる観点から、ピーク波長が380nm〜430nmの範囲の一次光を発するものであることが好ましく、395nm〜410nmの範囲の一次光を発するものであることがより好ましい。発光素子が発する一次光のピーク波長が380nm未満の場合、樹脂等の劣化が無視できなくなり、実用的ではない虞がある。また、430nmを超えると、青色系発光蛍光体の発光強度が大きく低下し、実用的ではない虞がある。
緑色系発光蛍光体および赤色系発光蛍光体に加えて、青色系発光蛍光体をさらに含む波長変換部を備える発光装置は、青色系発光蛍光体が上記一般式(C−1)で表される2価のユーロピウム付活ハロ燐酸塩蛍光体であり、その発光ピーク波長が460nm〜480nmであることが好ましい。当該青色系発光蛍光体の発光ピーク波長が460nm未満である場合には、特殊演色評価数R12の値が低下するために演色AAAの規格を満足することができない傾向にあるためであり、また、当該青色系発光蛍光体の発光ピーク波長が480nmを超える場合には、白色の出力が大きく低下し、演色AAAを満足するという観点からは実用的ではない傾向にあるためである。
本発明の発光装置は、好ましくは白色光を発するものである。さらに、本発明の発光装置は、より好ましくは、以下の特性を有するものである。
(1)相関色温度が5700K〜7100K、平均演色評価数が90以上、かつ、特殊演色評価数R9〜R15が90以上、または、
(2)相関色温度が4600K〜5400K、平均演色評価数が90以上、かつ、特殊演色評価数R9〜R15が90以上。
ここで、相関色温度は、JIS−Z8725に規格されたものを指し、平均演色評価数および特殊演色評価数は、JIS−Z8726に規格されたものを指す。
本発明の発光装置に用いられる緑色系発光蛍光体、赤色系発光蛍光体および青色系発光蛍光体は、従来公知の適宜の方法にて作製したものを用いてもよいし、また市販のものを用いても勿論よい。また、本発明の発光装置における波長変換部は、上述した緑色系発光蛍光体、赤色系発光蛍光体(および場合によっては青色系発光蛍光体)を適宜の樹脂中に分散させ、適宜の条件で成形することによって作製することが可能であり、その作製方法は特に制限されるものではない。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
発光素子として、450nmにピーク波長を有する窒化ガリウム(GaN)系半導体を用いた。波長変換部には、緑色系発光蛍光体としてCa3(Sc0.85Ce0.152(SiO43(粒径:8.9μm)、赤色系発光蛍光体として(Ca0.98Eu0.02)AlSiN3(粒径:3.8μm)を含むものを用いた。これらの緑色系発光蛍光体と赤色系発光蛍光体とを1:0.3の重量比で混合したものをエポキシ樹脂中に分散し、成形して波長変換部を作製した。このようにして実施例1の発光装置を作製した。
<比較例1>
(Y0.50Gd0.35Ce0.153Al512で表される黄色系発光蛍光体のみを樹脂中に分散させ、波長変換部を形成した以外は、実施例1と同様にして発光装置を作製した。
<実施例2>
発光素子として、435nmにピーク波長を有する窒化ガリウム(GaN)系半導体を用いた。波長変換部には、緑色系発光蛍光体として9.3μmの2(Ba0.60Sr0.38Eu0.02)O・SiO2を50重量%、10.5μmの2(Sr0.80Ba0.18Eu0.02)O・SiO2を50重量%、赤色系発光蛍光体として3.6μmの(Ca0.94Mg0.05Eu0.01)(Al0.99In0.01)SiN3を含むものを用いた。これらの緑色系発光蛍光体の混合物と赤色系発光蛍光体とを1:0.31の重量比で混合したものをシリコーン樹脂中に分散し、成形して波長変換部を作製した。このようにして実施例2の発光装置を作製した。
<比較例2>
発光素子として435nmにピーク波長を有する窒化ガリウム(GaN)系半導体を用い、2(Sr0.93Ba0.05Eu0.02)O・SiO2で表される黄色系発光蛍光体のみを樹脂中に分散させ、波長変換部を形成した以外は、実施例1と同様にして発光装置を作製した。
<実施例3>
発光素子として、435nmにピーク波長を有する窒化ガリウム(GaN)系半導体を用いた。波長変換部には、緑色系発光蛍光体として8.9μmの(Ca0.8Mg0.23(Sc0.75Ga0.15Ce0.102(SiO43、赤色系発光蛍光体として3.8μmの(Ca0.94Mg0.05Eu0.01)(Al0.99Ga0.01)SiN3を含むものを用いた。また、まず最初に赤色系発光蛍光体をエポキシ樹脂中に分散、成形して第1の層を形成し、その上に緑色系発光蛍光体をエポキシ樹脂中に分散、成形して第2の層を形成することで、二層構造の波長変換部を作製した。
<比較例3>
発光素子として425nmにピーク波長を有する窒化ガリウム(GaN)系半導体を用い、2(Sr0.900Ba0.085Eu0.015)O・SiO2で表される黄色系発光蛍光体のみを樹脂中に分散させ、波長変換部を形成した以外は、実施例1と同様にして発光装置を作製した。
実施例1〜3、比較例1〜3の各発光装置の特性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0004832995
なお、明るさは順電流(IF)20mAの条件にて点灯し、発光装置からの白色光を光電流に変換することにより求めた。また、Tc−duv、平均演色評価数(Ra)および特殊演色評価数(R9)については、順電流(IF)20mAの条件にて点灯し、発光装置からの白色光を大塚電子製MCPD−2000にて測定し、その値を求めた。
<実施例4,5、比較例4,5>
実施例1と同様の方法にて、発光装置を作製し、種々の特性を評価した結果を表2に示す。
Figure 0004832995
表2から分かるように、本発明の発光装置は従来品に比し、演色性が著しく向上することが分かる。
<実施例6、比較例6>
発光素子として、380nmにピーク波長を有する窒化ガリウム(GaN)系半導体を用いた。波長変換部には、青色系発光蛍光体として(Sr0.74Ba0.20Ca0.05Eu0.0110(PO46・Cl2、緑色系発光蛍光体として2(Ba0.55Sr0.43Eu0.02)O・SiO2を55重量%、2(Sr0.83Ba0.15Eu0.02)O・SiO2を45重量%、赤色系発光蛍光体として(Ca0.98Eu0.02)AlSiN3なる組成のものを用いた。また、波長変換部を作製するにあたり、まず最初に赤色系発光蛍光体層を形成し、その上に緑色系発光蛍光体層を形成し、さらに、緑色系発光蛍光体層の上に青色系発光蛍光体層を形成した。この波長変換部を組み込んだ発光装置について、その特性を評価した。その結果を表3に示す。
一方、比較例6としては、発光素子として、430nmにピーク波長を有する窒化ガリウム(GaN)系半導体を用い、2(Sr0.93Ba0.05Eu0.02)O・SiO2で表される黄色系発光蛍光体を波長変換部に用いた。
Figure 0004832995
表3から分かるように、本発明の発光装置は従来品に比し、明るさとともに演色性も著しく向上することが分かる。
<実施例7〜9、比較例7〜9>
実施例1と同様の方法にて、発光装置を作製し、種々の特性を評価した結果を表4に示す。
Figure 0004832995
表4から分かるように、本発明の発光装置は従来品に比し、演色性が著しく向上することが分かる。
<実施例10>
発光素子として、470nmにピーク波長を有する窒化ガリウム(GaN)系半導体を用いた。波長変換部には、緑色系発光蛍光体としてCa3(Sc0.90Ce0.102(SiO43、赤色系発光蛍光体として(Ca0.98Eu0.02)AlSiN3(粒径:3.8μm)を含むものを用いた。これらの緑色系発光蛍光体と赤色系発光蛍光体とを1:0.2の重量比で混合したものをエポキシ樹脂中に分散し、成形して波長変換部を作製した。このようにして実施例10の発光装置を作製した。
<比較例10>
(Y0.45Gd0.40Ce0.153Al512で表される黄色系発光蛍光体のみを樹脂中に分散させ、波長変換部を形成した以外は、実施例10と同様にして発光装置を作製した。
上記実施例10および比較例10については、上述した明るさ、Tc−duv、平均演色評価数(Ra)および特殊演色評価数(R9)以外に、特殊演色評価数(R10)、R11)、(R12)、(R13)、(R14)、(R15)の評価も行なった。結果を表5、表6に示す。
Figure 0004832995
Figure 0004832995
表5および表6から、実施例10の発光装置は、従来品である比較例10と比較して、演色性が著しく向上するとともに、演色AAAの規格を満足していることが分かる。また、図2には、実施例10の発光スペクトル分布を示している。図2の発光スペクトル分布から分かるように、400nm未満の領域に発光の成分が認められないことから、美術館、博物館の照明光源用として最適であることが分かる。
<実施例11>
発光素子として、480nmにピーク波長を有する窒化ガリウム(GaN)系半導体を用いた。波長変換部には、緑色系発光蛍光体として9.3μmの2(Ba0.60Sr0.38Eu0.02)O・SiO2を50重量%、10.5μmの2(Sr0.80Ba0.18Eu0.02)O・SiO2を50重量%、赤色系発光蛍光体として(Ca0.97Mg0.01Eu0.02)(Al0.99In0.01)SiN3を含むものを用いた。これらの緑色系発光蛍光体の混合物と赤色系発光蛍光体とを混合したものをシリコーン樹脂中に分散し、成形して波長変換部を作製した。このようにして実施例11の発光装置を作製した。
<実施例12>
発光素子として、445nmにピーク波長を有する窒化ガリウム(GaN)系半導体を用いたこと以外は実施例11と同様にして、実施例12の発光装置を作製した。
実施例11、12についても、上述した実施例10および比較例10と同様にして、Tc−duv、平均演色評価数(Ra)および特殊演色評価数(R9)以外に、特殊演色評価数(R10)、(R11)、(R12)、(R13)、(R14)、(R15)の評価も行なった。結果を表7および表8に示す。
Figure 0004832995
Figure 0004832995
表7および表8に示すとおり、実施例11の発光装置は、演色AAAの規格を満足していることが分かる。実施例11の発光装置では、発光素子のピーク波長の選択と赤色系発光蛍光体の組合せに加えて、緑色系発光蛍光体としてBa、Srの組成比率の異なるユーロピウム付活蛍光体を2種類選定して用いたことにより、ピーク波長をずらして、緑色としてよりブロードなスペクトルとしていることが、より高い演色性を実現させている。なお、ピーク波長が460nm(青色発光成分)である発光素子を用いた実施例12の場合では、R12の値が低下するため、演色AAAの規格を満足することができないことが分かる。
<実施例13>
発光素子として、460nmにピーク波長を有する窒化ガリウム(GaN)系半導体を用いた。波長変換部には、緑色系発光蛍光体として(Ca0.8Mg0.23(Sc0.85Ga0.05Ce0.102(SiO43、赤色系発光蛍光体として(Ca0.98Eu0.02)(Al0.99Ga0.01)SiN3を含むものを用いた。また、波長変換部を作製するにあたり、まず最初に赤色系発光蛍光体層を形成し、その上に緑色系発光蛍光体層を形成した。この波長変換部を組み込んだ発光装置について、明るさ、Tc−duvおよび平均演色評価数(Ra)を評価した。その結果を表9に示す。
<実施例14>
緑色系発光蛍光体と赤色系発光蛍光体とを混合して、一層の波長変換部を作製した以外は実施例13と同様にして発光装置を作製した。実施例13と同様に評価した結果を表9に示す。
Figure 0004832995
表9から分かるように、本発明の発光装置は、複数の蛍光体を、波長変換部の一次光の入射側から出射側に向かって、二次光の波長の長い蛍光体順に積層して波長変換部を作製することで、明るさが著しく向上することが分かる。なお、実施例13、14ともに、平均演色評価数(Ra)のみならず、特殊演色評価数(R9〜R15)は演色AAAの規格を満足していた(データ示さず)。
<実施例15>
発光素子として、380nmにピーク波長を有する窒化ガリウム(GaN)系半導体を用いた。波長変換部には、青色系発光蛍光体として発光ピーク波長が470nmである(Ba0.60Sr0.35Ca0.03Eu0.0210(PO46・Cl2、緑色系発光蛍光体として2(Ba0.55Sr0.43Eu0.02)O・SiO2を55重量%、2(Sr0.83Ba0.15Eu0.02)O・SiO2を45重量%、赤色系発光蛍光体として(Ca0.98Eu0.02)AlSiN3を含むものを用いた。これらの緑色系発光蛍光体の混合物と赤色系発光蛍光体とを混合したものをシリコーン樹脂中に分散し、成形して波長変換部を作製した。この波長変換部を組み込んだ実施例15の発光装置について、明るさ、Tc−duv、平均演色評価数(Ra)および特殊演色評価数(R9〜R15)を評価した。その結果を表10、11に示す。
<実施例16>
青色系発光蛍光体として発光ピーク波長が445nmである(Sr0.99Eu0.0110(PO46・Cl2を用いたこと以外は実施例15と同様にして、発光装置を作製した。実施例15と同様に評価した結果を表10、11に示す。
Figure 0004832995
Figure 0004832995
表10および表11から分かるように、実施例15の発光装置は演色AAAの規格を満足していることが分かる。これに対し、青色系発光蛍光体の発光ピーク波長が460nm未満である実施例16では、R12の値が低下するために演色AAAの規格を満足することができない。なお、実施例15の場合、発光素子からの380nmの光は一部外部に出てくることから、美術館、博物館の照明光源として使用する場合には、400nm以下の光を吸収するフィルムを被せる必要がある。
<実施例17>
発光素子として、400nmにピーク波長を有する窒化ガリウム(GaN)系半導体を用いた。波長変換部には、青色系発光蛍光体として発光ピーク波長が465nmである(Ba0.560Sr0.415Ca0.010Eu0.01510(PO46・Cl2、緑色系発光蛍光体として(Ca0.8Mg0.23(Sc0.99Ce0.012(SiO43、赤色系発光蛍光体として(Ca0.985Eu0.015)AlSiN3を含むものを用いた。また、波長変換部を作製するにあたり、まず最初に赤色系発光蛍光体層を形成し、その上に緑色系発光蛍光体層を形成し、さらに、緑色系発光蛍光体層の上に青色系発光蛍光体層を形成した。この波長変換部を組み込んだ発光装置について、明るさ、Tc−duvおよび平均演色評価数(Ra)を評価した。その結果を表12に示す。
<実施例18>
緑色系発光蛍光体と赤色系発光蛍光体と青色系発光蛍光体とを混合して、一層の波長変換部を作製した以外は実施例17と同様にして発光装置を作製した。実施例17と同様に評価した結果を表12に示す。
Figure 0004832995
表12から分かるように、本発明の発光装置は、複数の蛍光体を、波長変換部の一次光の入射側から出射側に向かって、二次光の波長の長い蛍光体順に積層して波長変換部を作製することで、明るさが著しく向上することが分かる。なお、実施例17、18ともに、平均演色評価数(Ra)のみならず、特殊演色評価数(R9〜R15)は演色AAAの規格を満足していた(データ示さず)。
今回開示された実施の形態および実施例は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明の好ましい一例の発光装置(実施例1)の発光スペクトル分布を示す図である。 本発明の好ましい一例の発光装置(実施例10)の発光スペクトル分布を示す図である。

Claims (9)

  1. 430nm〜480nmのピーク波長を有する一次光を発する発光素子と、前記一次光の一部を吸収して、一次光の波長以上の長さの波長を有する二次光を発する波長変換部とを備える発光装置であって、前記波長変換部は色系発光蛍光体および赤色系発光蛍光体を含み、
    前記緑色系発光蛍光体は、
    般式(A−2):MIISc 1−bCe2(SiO
    (一般式(A−2)中、MIIはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる元素であって少なくともMg、Caの2種の元素を含み、0.005≦b≦0.5である)
    される3価のセリウム付活珪酸塩蛍光体らなり、
    前記赤色系発光蛍光体は、
    一般式(B):(MIV1−cEu)MVSiN
    (一般式(B)中、MIVはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、MVはAl、Ga、In、Sc、Y、La、GdおよびLuから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0.001≦c≦0.05である)
    される2価のユーロピウム付活窒化物蛍光体からなることを特徴とする発光装置。
  2. 発光素子が460nm〜480nmのピーク波長を有する一次光を発する窒化ガリウム(GaN)系半導体であることを特徴とする、請求項1に記載の発光装置。
  3. 380nm〜430nmのピーク波長を有する一次光を発する発光素子と、前記一次光の一部を吸収して、一次光の波長以上の長さの波長を有する二次光を発する波長変換部とを備えた発光装置であって、前記波長変換部は青色系発光蛍光体、緑色系発光蛍光体および赤色系発光蛍光体を含み、
    前記青色系発光蛍光体は、
    一般式(C−1):(MVI,Eu) 10 (PO ・Cl
    (一般式(C−1)中、MVIはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素を示す)
    で表される2価のユーロピウム付活ハロ燐酸塩蛍光体、
    一般式(C−2):d(MVII,Eu)O・eAl
    (一般式(C−2)中、MVIIはMg、Ca、Sr、BaおよびZnから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、dおよびeはd>0、e>0、0.1≦d/e≦1.0である)
    で表される2価のユーロピウム付活アルミン酸塩蛍光体、および、
    一般式(C−3):f(MVII、Eu 、Mn )O・gAl
    (一般式(C−3)中、MVIIはMg、Ca、Sr、BaおよびZnから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、f、g、hおよびiはf>0、g>0、0.1≦f/g≦1.0、0.001≦i/h≦0.2である)
    で表される2価のユーロピウムおよびマンガン付活アルミン酸塩蛍光体から選ばれる少なくとも1種からなり、
    前記緑色系発光蛍光体は、
    一般式(A−2):MII (Sc 1−b Ce (SiO
    (一般式(A−2)中、MIIはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる元素であって少なくともMg、Caの2種の元素を含み、0.005≦b≦0.5である)
    で表される3価のセリウム付活珪酸塩蛍光体からなり、
    前記赤色系発光蛍光体は、
    一般式(B):(MIV 1−c Eu )MVSiN
    一般式(B)中、MIVはMg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、MVはAl、Ga、In、Sc、Y、La、GdおよびLuから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、0.001≦c≦0.05である)
    で表される2価のユーロピウム付活窒化物蛍光体からなることを特徴とする発光装置。
  4. 青色系発光蛍光体が、発光ピーク波長が460nm〜480nmの範囲にある一般式(C−1)で表される2価のユーロピウム付活ハロ燐酸塩蛍光体であることを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
  5. 前記赤色系発光蛍光体として、上記一般式(B)中、MVがAl、GaおよびInから選ばれる少なくとも1種の元素である、2価のユーロピウム付活窒化物蛍光体を用いたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の発光装置。
  6. 前記波長変換部に用いられる複数の蛍光体は、波長変換部の一次光の入射側から出射側に向かって、二次光の波長の長い蛍光体順に積層されたものであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の発光装置。
  7. 白色光を発することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の発光装置。
  8. 相関色温度が5700K〜7100K、平均演色評価数が90以上、かつ、特殊演色評価数R9〜R15が90以上であることを特徴とする請求項7に記載の発光装置。
  9. 相関色温度が4600K〜5400K、平均演色評価数が90以上、かつ、特殊演色評価数R9〜R15が90以上であることを特徴とする請求項7に記載の発光装置。
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