JP5824676B2 - Led照明光源及び照明装置 - Google Patents
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Description
メラノプシンの分光吸収感度は可視光の短波長側に位置すると考えられており、これは、人間への光刺激によりメラトニン抑制効果を生じるのは可視光短波長側の光が効果的であるであるという旧来からの知見に整合するものである。
さて、従来の生体のメラトニン分泌と抑制に関与する光刺激を放射する照明光源および照明装置に関しては、特許文献1の特表2005−529462、特許文献2の特表2004−508106、特許文献3の特開平6−314595などがある。
それに先立つ特許文献3にも、メラトニン分泌を抑制し、生体リズムの調整や生体の覚醒を意図する照明光源として、相関色温度6000[K]以上が開示されている。また、屋内(住宅・オフィスなど)での高色温度との光色切り替えの違和感を減じる点が論じられていることも鑑み、当然、平均演色性評価数は当該屋内照明の推奨値(例えば平均演色評価数Raが60以上)に近いものになることは一般論として当業者に容易に推定できる。
また、メラトニン分泌を抑制し、生体リズムの調整や生体の覚醒を意図せずとも、可視光短波長側の発光が多く青白い光色で、相関色温度が高い光源、超高色温度で演色性が高い光源は存在する。
ただし、一般にベース照明として、全世界で最も広く使用されている蛍光ランプの場合、一般に青色発光の蛍光体は発光効率が低いことから超高色温度での発光効率が低下する。さらに広帯域発光形であれば、さらなる発光効率の低下は否めない。このため、発光効率の観点から、超高色温度領域でも発光効率の低下が少ない、あるいは発光効率の低下が起こらない光源デバイス、さらにはその発光スペクトルは、広帯域発光よりも狭帯域発光であることが望ましい。
ここでDuvとはJIS Z8725−1999で定義されるCIE 1960 UCS 色度座標で、相当する色温度を有する黒体軌跡からのu,vの値の偏差を1000倍し、黒体放射軌跡の下側にあるときは負号をつけた値として示される値のことである。
第一は、最も基本的な受光物質となるメラノプシンの分光吸収特性で求めた比較的シンプルな効果作用関数の考え方である。第二は、最も実際的な各種スペクトルを人間に与えた時のメラトニンの抑制に対する効果作用を直接測定して求めた比較的複雑な効果作用関数の考え方である。特許文献1から3は何れか一方の効果作用関数の考えによっている。
メラトニン分泌を抑制し、生体リズムの調整や生体の覚醒を促す作用効果曲線に関して、第一の考え方は、メラノプシンの分光吸収特性や受光細胞の分光感度を基にし、視物質テンプレートなどで近似される比較的単純な分光感度モデルである(例えば、図中のGALL:C(λ))。
よって、従来は、快適な視環境とメラトニン抑制効率の両最適を図るためには、どのような相関色温度や分光分布が望ましいか具体的に論じられてこなかった。発光効率や、さらには環境負荷物質削減の観点でどのような光源デバイスが望ましいかも論じられてこなかった。
さらに、光源デバイスとして提供された後、どのような照度や環境で使われるかは、まちまちという現実に鑑み、最も基本的な受光物質となるメラノプシンの分光吸収特性で求めた比較的シンプルな効果作用関数(以降、第一の効果作用関数)と、最も実際的な各種スペクトルを人間に与えた時のメラトニンの抑制に対する効果作用を直接測定などでトータルに求めた比較的複雑な効果作用関数(以降、第二の効果作用関数)に対し両最適を図るべきではあるが、この両方を最適化する考えもなかった。
本発明は、メラトニン抑制効率を高め、生体リズム調整等の生体作用を高めつつ、上記の高色温度化に伴う発光効率低下と、環境負荷物質の使用に関する課題を解決する。
また、メラトニン抑制の効率を高めるべく高い相関色温度で青発光成分を増加させると、青白い光色となり、演色性が低下するという本質的な困難が存在し、演色性を向上させようとすると光源の発光効率が低下するという相反する回避しがたい課題が生じる。また、超高色温度領域では単純に平均演色評価数Ra(CRI)や特殊演色評価数Riを高めても実際の被照物の色の見え方の改善とは一致しないという課題が大きく現れる。
この際、従来に無い超高色温度における演色特性を、単純なRaやRiではなく、その色域まで含めて最適化することで、青空光のような超高色温度な照明を実現するものである。ここにおいて、単純には色域は自然物体に多い中彩度な物の見えを代表するRaの評価・計算に使用される色票だけではなく、意図的に鮮やかに見せたいも色の代表であるRiの評価・計算に使用される色票の色域も含め最適化する新たな評価法を開発した。これにより、中彩度な色の見えは改善されても、本来要求される高彩度な色の見えは改善されていないという従来見出されていなかった状態をさらに改善したものである。
超高色温度における、視環境評価の重要な点を以下のように明らかにした。
図の右方向は赤、左方向は緑、上方向は黄、下方向は青の彩度を示し、原点から離れるほど、その色票が鮮やかに色再現されていることを示す。
また、基準光源(基準の光)が17000[K]の青白みの強い場合は、基準光源自体に可視光長波長のスペクトルが少なく赤と緑色方向の色の見え(彩度)が低下し、色域が左右方向に圧縮された形となっている。
超高色温度においては、基準光源で照らされた評価色票自体の赤と緑色方向の見えの彩度が低下していることから、評価対象となる光源の相関色温度が高くなれば、実際の見えと異なりRaやRiの数値上は評価数値が高く評価される傾向を含んでしまうことを見出した。
特に、赤の特殊演色評価数R9は、超高色温度光源の場合、数値を維持するだけでは、実際の見え方は彩度が低下して、くすんで見える。超高色温度の青白い光色の下で赤の見えがくすむことが超高色温度光源独特の視環境の違和感に繋がっている。
従来、広く一般に使用されてきた3波長域発光形光源の場合に、CIE(国際照明員会)が定めた演色性ランクではとして演色性グループ2の平均演色評価数Raが80以上としている。常用蛍光ランプの光色の上限の相関色温度7100[K]を超えた光源を実現する場合も、平均演色評価数Raが80以上であることはもとより、赤の見えを示す特殊演色評価数R9の値が、常用蛍光ランプの光色の上限の6000〜7100[K]近傍の相関色温度で一般的に実現されている値の28〜46以上、四捨五入して50以上を確保することが、見え方の主観評価実験から最低限の要件であった。
また、本発明において、より好適な実施例ではCIE(国際照明員会)の規定する演色性グループ1Aの平均演色評価数Raが90以上という演色ランクが非常に高い値とすることも可能となる。
メラトニン抑制の作用関数は、短波長域にピークを持つため、単純には、相関色温度を上げればメラトニン抑制作用を高めることが可能であることは以前より知られていた。しかし、相関色温度を上げれば上げるほど抑制作用が高まるのか、あるいは、ある色温度領域で抑制作用が飽和傾向を示すのか不明であった。また、メラトニン抑制の作用関数は複数のモデルが提案されているが、これらのモデル間の差異も不明であった。
図3及び図4に相関色温度とメラトニン抑制の作用関数A(λ)の関係を示す。図3は第一の作用関数G(C(λ))、図4は第二の作用関数B(Brainard)を各々の代表とした場合の比較結果である。ここで、光源種類の例としてCIE合成昼光と、従来、光源として最も幅広く使用されてきた蛍光ランプを挙げている。
図3及び図4から、広帯域発光形光源、狭帯域発光形光源ともに、およそ相関色温度が高まるに伴い作用関数の刺激割合が上昇する傾向が見える。
また、本発明では、第一の作用関数の考えと第二の作用関数の考えを整理統合し、各種作用関数をシミュレーションしたところ、分光感度特性が大きく異なれども、その結果が共通する傾向にあることを見出した。図5に第一の作用関数Gと第二の作用関数Bとの相関を一例として示すが、この他の作用関数同士の相関も高いことを確認した。これは、各種作用関数の起源がメラノプシンの分光感度に基本的には相関するためと考えられる。
本発明はこの知見の上で、さらに、本発明は従来にないアプローチとして、JISやIECで規定される常用蛍光ランプの光色の上限を超えて、超高色温度蛍光ランプを実現する場合の照明視環境としての演色性や光色の特性を同時に最適化を行っている。
また、色度座標(U*、V*)上での色の見え方の詳細検討や、独自に定義した評価指数Ga4といった新しい演色性評価手法も取り入れつつ、超高色温度ランプの演色上の課題、すなわち、赤と緑の見え(彩度)の低下という弱点、をも解決するものである。
また、本発明の一態様に係るLED照明光源は、単位光束あたりのメラトニン抑制の作用関数効率が1.0を超える構成であっても良い。
また、本発明の一態様に係るLED照明光源は、前記LEDチップとして、少なくとも、主たる発光ピークが440[nm]〜470[nm]の範囲にある青色光を出射する青色発光LEDチップを備え、さらに、Eu2+又はCe3+で付活され、前記青色光で励起される、主たる発光ピークが505[nm]〜550[nm]の範囲にある緑色蛍光体と、Eu2+又はCe3+で付活され、前記青色光で励起される、主たる発光ピークが600[nm]〜650[nm]の範囲にある赤色蛍光体とを備える構成であっても良い。
また、本発明の一態様に係るLED照明光源は、前記緑色蛍光体の発光ピークは、ピークλが505[nm]〜550[nm]、半値幅が60[nm]〜90[nm]である構成であっても良い。
また、本発明の一態様に係るLED照明光源は、前記緑色蛍光体の発光ピークλ(G)と前記赤色蛍光体の発光ピークλ(R)との差、λ(R)―λ(B)が110[nm]〜120[nm]の範囲にある構成であっても良い。
また、本発明の一態様に係るLED照明光源は、相関色温度が11000[K]を超え13000[K]未満の範囲にある光色を有する構成であっても良い。
また、本発明の一態様に係る照明装置は、上記いずれかのLED照明光源を少なくとも1つ備えることを特徴とする。
また、色度座標(U*、V*)上での色の見え方の詳細検討や、独自に定義した評価指数Ga4といった新しい演色性評価手法も取り入れつつ、超高色温度ランプの演色上の課題、すなわち、赤と緑の見え(彩度)の低下という弱点、をも解決するものである。これは、平均演色評価数の評価に用いられるR1〜R8までの中彩度色票で構成される色域面積比Ga以外に、新たに特殊演色評価数の評価に用いられるR9〜R12までの高彩度色票で構成される色域面積比Ga4を評価指数として構成したことから、このGa4を使用することで、高彩度な視対象物の評価をより適切に行うことが可能となったというものである。
まず、メラトニン抑制の作用について詳細に説明する。
図3及び図4は相関色温度とメラトニン抑制の作用関数A(λ)の関係を示したものである。縦軸は光源の分光分布にメラトニン抑制の作用関数A(λ)を掛けたものを、光源の分光分布に比視感度曲線V(λ)を掛けたもので割った値であり、単位光束あたりのメラトニン抑制効率に相当する。
また、約8000[K]においては各種光源において、A(λ)/V(λ)がおおよそ1以上の値をとり、これ以上の相関色温度で効率よくメラトニン抑制効果を得ると考えられる。
黒体放射、合成昼光、3波長域発光形蛍光ランプ、LED照明光源と光源の分光分布の基本形状は大きく異なれど、相関性が高い。また、他の作用関数の相関も同様の結果を示しており、より詳細に光源の分光分布の基本形状ごとに見ると、各々の結果は高い相関性とリニアリティを持っていることを見出した。
ここにおいて、過剰な高色温度化は光色が極端に青白く不自然となり、さらに蛍光ランプの場合であれば、ランプ自体の発光効率も低下するというネガテイブな効果を生じてしまう。
高色温度化に対する蛍光ランプの発光効率の低下は、一般論として工業的には、昼白色N(F5000相当)に対し、昼光色 D(F6500相当)では約5%である。このことから、昼光色 D(F6500相当)より1ランク高色温度な蛍光ランプとして、約5%の発光効率低下を見込むことが可能である。発光効率の約5%低下から昼光色 D(F6500相当)より1ランク上の光色を逆算すると、約13000[K]近傍の相関色温度と推定できる。ここで約17000[K]近傍を想定すれば昼光色Dより、約10%の発光効率低下であり、D(F6500相当)より2ランク上の光色と逆算できる。
さてここで、特に相関色温度12000[K]を例に、演色評価の観点から3波長域発光形蛍光ランプに相当する狭帯域発光形光源をベースにした一般的な場合と、本発明のごとくピーク波長が440nm〜470nmの範囲の青色LEDチップに、青色光で励起されるピーク波長が505〜550nmである緑色蛍光体と、青色光で励起されるピーク波長が600nm〜650nmの範囲にある赤色蛍光体を組み合わせた場合を、図6及び図7に示した表を用いて比較説明する。
図7は、本発明のごとく青色発光LEDチップ、Eu2+で付活された535nmに発光ピークを持つシリケート系緑色蛍光体、及びEu2+で付活された640nmに発光ピークを持つ赤色蛍光体を使用した場合である。
特に鮮やかさが必要な、高彩度色票R9〜R12のRiに関しては、色域表現の補助指標がないため、Riが100を超えて高彩度に見えていても、Riの数値からだけでは評価数が低下しているという判断しかできず、鮮やかな色彩の鮮やかさを評価する指標が、より必要な状況にもかかわらず、この点に関してはサポートされていなかった。
図6及び図7の表のC(λ)は第一の作用関数Gを用いた単位光束当りの作用パワーであり第一の作用関数の代表的な値である。Z(λ)は第一の作用関数に対する参考の単位光束当りの作用パワーであり第一の作用関数に対するその他の参考値である。Z(λ)は感度ピークが、より短波長側よりで半値幅が狭い場合の非常に極端な事例であり可視光短波長(青)に感度の高い錐体視細胞の感度に近い極端な例としての参考である。
また、第一の作用関数と第二の作用関数は相関するので、第二の作用関数のBrを代表値とすると、12000[K]、Duv=0において、一般的な場合は1.19、本発明の場合は1.22となり、前記A(λ)/V(λ)の単位光束当たりの作用パワーを高めながら平均演色性評価指数を同時向上していることが分かる。
次に、本発明の演色上の効果を詳細に説明する。
図8は相関色温度12000[K]、Duv=0において、基準光(基準の光)、比較例つまり一般的な構成(BAM、LAP、YOX蛍光体の組み合わせからなる蛍光ランプ)、実施例つまり本発明の構成(青色発光LEDと、Eu2+で付活された535nmに発光ピークを持つシリケート系緑色蛍光体、及びEu2+で付活された640nmに発光ピークを持つ赤色蛍光体の組み合わせ)のスペクトルの下で、平均演色評価数を算出するための色票であるR1からR8で構成された色域(図8(a))と、特殊演色評価数を算出するための色票であるR9からR12で構成された色域(図8(b))をU*V*色度座標上に示したものである。
また、本発明の構成の場合は、図の左右方向が広がり、基準の光により近い形状となる。特に、図8(b)のR9〜R12の色域に関しては、本発明の特徴がより一層顕著に現れる。比較例では左右方向が基準光に比べて顕著に狭くなっているのに比較し、実施例において左右方向、つまり赤と緑の見えが基準光にほぼ重なるレベルまで拡大できることがわかる。さらにまた、図8では比較例において黄の見えが緑側に偏っているが、この方向の色ずれは一般には好ましさが低く評価される方向である。例えば肌の見えが不健康に見え、好ましさが低下する。実施例ではこの偏りも緩和されていることがわかる。
従来、JIS Z8726−1990には参考として、R1からR8の8種の中彩度色票で構成された色域を色域面積比Gaとして計算する手法が開示されていた。
さらに顕著な特徴は、以下に述べるGa4を用いて示される。本発明においては、これと同様の計算手続きによってR9からR12の4種の高彩度色票で構成された色域面積比の値Ga4を構成することにより、超高色温度領域での赤の見え方の評価を行う手法を開発した。
また、W*の明度方向の色域面積の増減を計算に加えた場合、3次元的に、例えば、青が暗く、黄が明るく演色された場合などの色域面積の増加が算出されるが、Gaとの整合のため、平面上の色相・彩度に係る色域面積を捕らえ、このような差は誤差要因として取りの除く考えに立ったものである。
一般に、色域面積比Gaで示される中彩度色の色域は改善できても、高彩度色の色域は改善しにくい傾向がある。本発明の構成においては特に超高色温度で赤の発光スペクトルのピーク位置と半値幅、及び赤と補色関係にある緑の発光スペクトルのピーク位置と半値幅を最適な範囲に規定することで、より鮮やかな赤と緑の見えを実現し、色域面積比Ga4の顕著な増加が可能であることを見出した。
しかし、超高色温度で赤の発光スペクトルのピーク位置、及び赤と補色関係にある緑の発光スペクトルのピーク位置を最適な範囲に規定した本発明の構成をとるとDuvが高い領域でもRaが高く、端的にはDuvが高まるとRaは逆に向上する傾向が見える。
一般に3波長域発光形に相当する域狭帯域発光形光源をベースに蛍光ランプを実現する場合は、RaやRiの値を高く確保するため、Duvがマイナス側に設定されるが、本発明の場合はDuvがプラス側で各種演色評価指数が高まるため、発光効率の増加と、RaやRiの向上との相乗効果を得られる。これは、8000[K]を超えるような高い相関色温度の天空光はDuvがプラス側であることと合せても、高い相関色温度の照明光源に好適な特性を示す。
平均演色評価数を算出するための中彩度色票であるR1からR8で構成された色域においては、一般的な構成の場合、相当する相関色温度の基準の光より図の左右方向が狭くなる、つまり、赤と緑の色票の見えの彩度が低下する。
従来の一般的な構成では、Duvがプラス側ではGaもGa4も100を超えることは困難である。しかし、本発明ではより自然界の高色温度の条件に近い、Duvがプラス側でGaやGa4が100近傍、または、100を超える特性を示しやすく、RaやRiの値以上に色鮮やかな演色が可能となっている。
本発明において、従来に無い評価観点と評価指標で、ひとたび、本発明のスペクトル最適を図った上で、最適化された青緑発光の追加を、従来のRaやRiの値の評価にひるがえって評価した場合、その内容は、色域の形状の変化から超高色温度で低下した色域が、赤と緑方向に拡大された特性となりDuvが高い領域でも良好な演色性を発揮する。
さらには、従来の指標、RaやRiが高く、かつ、Gaも高い場合においても、鮮やかな赤がくすんで見えている場合があり、本発明においては、真に鮮やかに演色したい鮮やかな色票の色域の指標であるGa4を構成することで、鮮やかな色の見えも高めることが可能な構成を見出したものである。
これは、鮮やかな色彩の分光反射率は分光スペクトルカーブの立ち上がりと立下りが急であり、これを、狭帯域発光光源で照明した場合、分光反射の高い領域にスペクトルがかかる、かからないの差が顕著に現れ、狭帯域発光光源のスペクトルの設定がより顕著に演色性に影響するためである。
よって、本発明は光色が決まれば演色が決まるような単なる設計事項には当てはまらない。従来、RaやRiが単純に高い低いを検討し設計がなされていた場合に、配慮されなかった、これらの数値が低下しても色の見え方が向上したケースを正確に判断し、本発明がなされるものである。
蛍光ランプの中で発光効率が高いタイプである、3波長域発光形に相当する狭帯域発光形光源をベースにした場合、5000蛍光ランプを100%とすると、7100では94.8%、8000では93.1%、12000では88.0%、17000では84.9%、20000では83.8%と、発光効率[lm/W]は低下する。このように、従来、最も広く使われてきた蛍光ランプにおいては、高色温度化に伴う発光効率の低下が避けられない大きな課題であった。さらに、蛍光ランプは原理的に、環境負荷物質である水銀の使用が避けられない、ということも大きな課題であった。
図11(a)に、主たる発光ピークが440[nm]〜470[nm]の範囲にある青色光を出射する青色発光LEDチップと、Eu2+又はCe3+で付活され、青色光で励起されるピーク波長が505〜550nmである緑色蛍光体と、青色光で励起されるピーク波長が600nm〜650nmの範囲にある赤色蛍光体を組み合わせた場合の発光効率の一例を示したものである。ここでは5000[K]を100%とした場合の、相関色温度ごとの発光効率の相対変化を示す。
図11に示す通り、本発明のLED照明光源であれば高色温度化に伴う、発光効率の低下幅は、従来の蛍光ランプより顕著に少ない。
一般に、蛍光ランプであれば、高色温度化に従い、青色蛍光体の割合が増える。この場合に青色蛍光体は発光効率が低いため、発光効率は低下する。
この理由は以下の通りである。
LED照明光源で用いられる蛍光体はLEDチップからの青色発光により励起され、いったん、蛍光体内部で他の波長へ変換され、黄や緑や赤の発光色を生じる。ここでエネルギー変換ロスが生じている。このため、LEDチップからの光を直接利用している青色光に対して、蛍光体から発光される黄や緑や赤の色は、エネルギー変換過程におけるロスのため、発光効率が低下することがわかる。また、LED照明光源では、青色光を他の蛍光体の励起光源として使用している。そのため、赤や緑の蛍光体が減ると、その分、吸収される青色光の量が減るため、より多量の青色光が取り出せる。
また、LEDを可視光発光源として、あるいは、各種蛍光体の励起光源として用いているので、従来、最も広く使用されてきた蛍光ランプのように環境負荷物質である水銀を含まないという大きな効果もある。
まず、従来、最も広く照明光源として用いられてきた3波長域発光形蛍光ランプで、一般的な3種蛍光体である(青BAM、緑LAP、赤YOX)で超高色温度となる構成をとった場合の演色評価結果を図6に示す。前述のように10000[K]を越すような超高色温度の光源においては、青発光成分が増加するため、基準光そのものの赤の見え方が低下する。この課題を解決するためには、平均演色性評価指数Raに加えて、赤の見えをあらわすR9が重要である。見え方の主観評価の結果、好ましい見え方を実現するためには、Ra≧80、R9≧50、が最低要件であった。ここで示す3波長域発光形蛍光ランプの場合、Ra≧80は満たすが、R9≧50は満たさず、超高色温度領域の光源の弱点をカバーしたとはいえず、ここに課題があった。
まず、青色発光LEDチップと、黄色蛍光体と、赤色蛍光体とを組み合わせた構成の場合の演色評価結果を図12に示す。
この場合において、中彩度の色域(U*、V*)、高彩度の色域(U*、V*)を見ると、いずれも赤−緑方向の見え方、が基準光源に比較して大きく不足していることがわかる(図35(b)及び(c)参照)。そこで、赤や緑の見え方を補うために、ブロードな黄色発光蛍光体を用いるのではなく、それぞれの発光の蛍光体を個別に用いることを考えた。
この場合であれば、Ra≧80、R9≧50を満たし、演色評価上の課題を解決できることがわかる。特に、超高色温度光源の弱点である赤の見え、R9は55〜95、と極めて高い値を実現できる。
次に、本発明の相関色温度について述べる。人間が日常生活の中で遭遇する自然な超高色温度光を考えた場合、青空の天空光が想定できる。太陽の直射光成分の相関色温度は約5500[K]近傍であることが知られており、快晴の天空光はこれより高い相関色温度となる。
ただし、太陽の直斜光成分が遮断された影の部分、例えば木陰、などに到達する天空光は部分的な高色温度が反映されることは少なく、全天空の広い範囲からの天空光の積分となり11000〜13000[K]となる。
本発明では、太陽の直射光成分と天空光の成分とを分離して考え、自然な高い相関色温度をとることで、青空の光のようなさわやかで自然な光色の抽出と設定が可能となった。また、指向性の高い太陽光直射成分と、拡散性の高い天空光成分を分離して考えるということは照明設計上のメリットもある。
さらに昼光や天空光を詳細に分析すると以下のことが言える。
ここで相関色温度に対し、その逆数の百万倍はmired(micro reciprocal degree)と呼ばれ、その数値の間隔は主観的な光色の見えの差と一致すると言われており、約8500[K]は約118[mired]、約20000[K]は約50[mired]となる。いわゆる晴れた日の太陽からの直射光を除いた全天空からの光の積分はこの範囲にあると想定できる。また、一般的よく晴れた日の全天空の光の積分の中間的な値を代表させるべく、その中間の相関色温度を算出すると約84[mired]で、およそ12000[K]と算出できる。また、10[mired]の差は視覚的にはほぼ同一光色と知覚されることから、実用光源でこれを模擬する場合、12000[K]の+10[mired]は約10700[K]であり、12000[K]の−10[mired]は約13600[K]であることから、約11000〜13000[K]が中央値近傍と言える。
非特許文献 岡田喜義:昼光標準確立調査委員会報告,照明学会誌 Vol.53 No.3 P.15(1970)(Okada Kiyoshi:Report of the Investigative Committee for Daylight Standard Establishment,Journal of the Illuminating Engineering Institute of Japan,Vol.53 No.3 P.15(1970))のごとく、8500[K]を超える高色温度では実測の天空光の色度はCIE合成昼光と同等かそれ以上のDuvをとることが多いと示されている。
CIEが定めたCIE昼光の元となった自然昼光の色度座標上の分布を見ると、およそDuvが10までに9割がたの実測データが含まれ、Duvが5程度がそもそものCIE合成昼光のとる値に近い中央値となる。
あまり、Duvが高いと青緑みの光色と知覚されるため、発光光色の違和感の観点からはDuvが7.5が実用上の上限である。
また、Duvが低い側に関してもDuvが0程度で9割がたの実測データが含まれ、特異な点を除けば−5程度でほぼ全ての実測データを含めることが出来る。
この他、実測を行っても昼光は超高色温度領域でCIE昼光軌跡を上回る値となる場合が多く、Duvが0の黒体放射軌跡は自然な天空光よりDuvが低く、本発明の光色は、天空光に色みを合わせた場合、Duvが0以上、より好適にはDuvが0を超えた値をとることが望ましい。
以上を総合して、青空光色の模擬、窓からの外光との適合性、従来の一般ランプとの整合性も考えた場合、最適なDuv範囲は2.5〜5となる。
実験的には約13000[K]までディスプレイモニタの黄ばみは知覚されなかったが、これを理論的に考察すると、10[mired](micro reciprocal degree )以内の差であれば光色の差は知覚されにくいという従来知見と合致し、照明光とモニタの白色点の差は、この場合11000[K]を中心に+10[mired]で10000[K]、−10[mired]で12500[K](端数四捨五入で13000[K])となるためである。
IECの規格から得られた数値を用い、単純には8774〜12655[K]の範囲をとることも可能であるが、F8774とF12655の各々の色度許容範囲を個別に設定すること、さらには、この両方の最大最小の相関色温度を本発明の相関色温度の範囲とすることも可能である。
加えて、他の生理的な効果として、非特許文献 金井隆志:高色温度照明が作業中の心理・生理機能に与える影響,千葉大学大学院自然科学研究科 修士論文(2000)によると、超高色温度の照明において別の効果も示唆されている。
α波指標は一般に人間のリラックス状態と関連しているとされるが、低色温度光ではリラックスし高色温度光ではその状態が緩和するという一般に認識される傾向を示すが、9000[K]から11000[K]の間の約10000[K]を境に再びリラックス側に振れる。
両脳波指標はおよそ10000[K]を境に、高色温度化に伴い高まった脳活動のテンションが再び緩和側に振れると言う効果が示唆されている。この変極点を越え、より明確な脳は指標の変化が把握されるポイントは11000[K]であった。
発明者の心理実験においては、10000[K]を超えると青白い光色に心理的な爽快感を感じることを確認しており、一般的な3波長域発光形に相当する狭帯域発光形光源をベースにした蛍光ランプで相当の高い相関色温度を実現した場合より高演色性を実現可能な本発明において、このような効果を阻害する、超高色温度化に伴う可視環境の違和感を緩和することで、さらなる快適な環境を実現する効果もある。
現実のランプは理想的な発光帯域以外の、その他の発光帯域の発光も重畳されることから、各帯域の光刺激純度は低下するが、各々のスペクトルは一般的に狭帯域発光形光源に望まれる半値幅以下であれば本発明の効果がより好適に現れる。この点において、青色発光LEDチップの発光ピークは、ピークλが440[nm]〜470[nm]、半値幅が20[nm]〜30[nm]であることが好適である。緑色蛍光体の発光ピークは、ピークλが505[nm]〜550[nm]、半値幅が60[nm]〜90[nm]であることが好適である。赤色蛍光体の発光ピークは、ピークλが600[nm]〜650[nm]、半値幅が75[nm]〜95[nm]であることが好適である。
図14から図16は、青色発光LEDチップの発光ピークのピークλが440[nm]、半値幅が20[nm]であり、緑色蛍光体の発光ピークのピークλが505[nm]、半値幅が60[nm]であり、赤色蛍光体の発光ピークのピークλが600[nm]、半値幅が75[nm]の場合である。この場合の演色評価結果を図23に示す。
以上、超高色温度化に伴う発効効率の低下を抑制しつつ、演色性とメラノプシンの抑制効果を高めながら自然な光色を実現するために、本発明の範囲として上記の生理効果や演色上の効果を各々、好適、最適に組み合わせる多くの相関色温度やDuvの下限・上限の組み合わせの変更が可能である。
<実施形態1>
図26は、本実施形態の直管形の照明光源100を模式的に示す断面図である。本実施形態に係るLED照明光源100は、直管形蛍光ランプの規格寸法に準じた形状を有する。なお、本願において直管形蛍光ランプとは、JIS C 7601に定義されている直管形蛍光ランプ(一般照明用)である。照明光源100は、直管形蛍光ランプの規格寸法に準じた形状を有するため、直管形蛍光ランプの代替品として既存の灯具に取り付けて使用することができる。
LEDモジュール101は、板状の実装基板105と、この実装基板105に実装された複数のLEDチップ106と、複数のLEDチップ106を内包するように成形された蛍光体層107とを有している。これら複数のLEDチップ106は、実装基板105の長手方向にライン状に並べられ、かつ中央部から両端部に向かうにつれて配置間隔が狭くなるように配置されている。このように配置することによって、LEDモジュール101において、中央部に熱が集中するのを緩和している。
外囲器103は、周方向の両端部111を、基台102の搭載面108に形成された溝110に沿って嵌め込まれて固着されている。外囲器103は、長さ方向の両端に形成された半円筒状の鍔部112を有している。この外囲器103全体において、LEDモジュール101からの光を取り出すための透光性領域が形成されている。また、外囲器103には、光拡散を行うための処理が施されている。これにより、LED照明光源100において、LEDモジュール101から出射された光のムラを少なくすることができる。
本実施形態のLEDチップ106は、主たる発光ピークが440[nm]〜470[nm]の範囲にある青色光を出射する青色発光LEDチップである。また、本実施形態の蛍光体層107は、赤色発光希土類蛍光体と、緑色発光希土類蛍光体を含んでいる。本実施形態の構成において、赤色発光希土類蛍光体は、600〜650[nm]に主たる発光ピークを発する発光中心となる希土類元素を有する蛍光体である。緑色発光希土類蛍光体は、505〜550[nm]に主たる発光ピークを発する発光中心となる希土類元素を有する蛍光体である。
前記緑色蛍光体は、Ce3+で付活した蛍光体、好ましくはCe3+で付活した酸化物蛍光体あるいはCe3+で付活したガーネット構造を有する蛍光体、または、Eu2+で付活した酸化物系あるいは窒化物系(窒化物または酸窒化物)の蛍光体、または、Eu2+で付活したチオガレート系の蛍光体であり、例えば、Ln3Al5O12:Ce3+、Ln3(Al,Ga)5O12:Ce3+、M3Sc2Si3O12:Ce3+、MLn2SiAl4O12:Ce3+などの一般式で表されるCe3+で付活されたガーネット構造を持つ蛍光体や、例えば、一般式MSc2O4:Ce3+で示されるCe3+で付活されたスカンジウム化合物をベースとしてなる蛍光体や、例えば、一般式M2SiO4:Eu3+で示されるEu2+で付活されたアルカリ土類金属正珪酸塩蛍光体や、例えば、一般式M2Si2O2N2:Eu3+、M2(Si,Al)2O2(N,O)2:Eu3+、M3Si6O12N2:Eu3+で示されるEu2+で付活された酸窒化物蛍光体や、例えば、一般式β−Si3N4:Eu3+、β−(Si,Al)3(N,O)4:Eu3+で示されるEu2+で付活されたβ−Si3N4構造を持つ窒化物系(窒化物または酸窒化物)蛍光体や、例えば、一般式MGa2S4:Eu3+で示されるEu2+で付活されたアルカリ土類金属チオガレート蛍光体のいずれかである(但し、前記Lnは希土類であり、例えば、Sc、Y、La、TbおよびGdから選ばれる少なくとも一つの元素、前記Mはアルカリ土類金属であり、Mg、Ca、SrおよびBaから選ばれる少なくとも一つの元素を示す)。
図27において、符号11は600〜650[nm]に主たる発光ピークを発する発光中心となる希土類元素を有する赤発光希土類蛍光体の発光ピーク、符号12は505〜550[nm]に主たる発光ピークを発する発光中心となる希土類元素を有する緑発光希土類蛍光体の発光ピーク、符号13は440〜470[nm]に主たるピーク波長を有する青発発光LEDチップの発光ピークである。
また、DuvはJIS Z8725−1999の計算手続きに沿って計算される値であり、CIE 1960 UCS 色度座標で、相当する色温度を有する黒体軌跡からのu,vの値の偏差1000倍し、黒体放射軌跡の下側にあるときは負号をつけた値として示される。これは、黒体軌跡からの位置関係を示し、相関色温度とDuvで光源の光色の色度が決定される。
相関色温度=12000[K]、Duv=0、
Ra=88、Ga=98、Ga4=105、
R9=87、R10=65、R11=86、R12=45、R13=92、R14=87、R15=93
図28(a)および(b)に、それぞれ、U*V*色度座標上で、このときのR1〜R8で構成された8色の色域の様子と、R9〜R12で構成された4色の色域の様子を示す。
同じRaの値でも、より詳細には、相当する基準光の色再現と、図面上で図形の形が相似に近い方がより忠実性が高い。また基準光より色域が広い方が色鮮やかに見えより好ましい演色を示す。
従来のRiの高低だけでは、高彩度色をより高彩度に演色する良好な事象も、Riで示される演色性が低下するという評価にしかなっていなかった。よって、従来のRaやRiを改善するという発明と本発明の好適な事例は異なる。
また単純に、従来のGaだけで評価した場合は中彩度色の色票に頼った評価となり、本来、鮮やかに見せたい色彩の代表である高彩度色票のR9〜R12が本当に鮮やかに見えているかどうかは不明であり、Gaだけが改善されていても、Ga4が改善されていない事象が発生していた。
また、超高色温度領域においては基準光自体が赤−緑方向の鮮やかさが低下し左右に圧縮された形となっているが、本発明では鮮やかに好ましく演色する方向はこれを改善する方向に左右に広がり、相対的により低い相関色温度、例えば、一般的には5700〜7100[K]程度の相関色温度の基準光の色域の形状が示す傾向に近く、色票が色度座標上に均等に分散して形状のひずみが少ない。このために、本発明は超高色温度にもかかわらず自然で好ましい色の見えを実現するものである。
本実施例における図27の分光分布から、
(作用関数効率/視感度効率)=
(視物質ベース:第一の作用関数G)の場合1.18
(直接測定ベース:第二の作用関数B)の場合1.22
さて、次に比較対象となる一般的な狭帯域発光形蛍光ランプに使用されるBAM、LAP、YOXの上記分光分布を図29に示す。
相関色温度=12000[K]、Duv=0、
Ra=82、Ga=96、Ga4=91、
R9=42、R10=46、R11=65、R12=59、R13=93、R14=71、R15=96
(作用関数効率/視感度効率)=
(視物質ベース:第一の作用関数)の場合1.19
(直接測定ベース:第二の作用関数)の場合1.19
ここで、図30にU*V*色度座標上で、図29の分光分布の一般的な構成の蛍光ランプ(比較例)のR1〜R8で構成された色域の様子と、R9〜R12で構成された色域の様子を示す。これは、一般的な3波長域発光形蛍光ランプをベースとした超高色温度蛍光ランプを実現した場合の特徴であるが、赤−緑方向に彩度が低下し、各色域の左右が圧縮され縦長の形状になる超高色温度領域の傾向が強調されてしまう。このため、そもそも青白い光色の中で、さらに被照物の赤の見えの彩度が低下することで、視環境としての違和感が生じていることを見出した。
実施形態2のLED照明光源は、蛍光体層に含まれる蛍光体の種類が実施形態1のLED照明光源とは異なる。その他の構成については基本的に実施形態1のLED照明光源と同様である。したがって、上記相違点についてのみ説明し、その他の構成についての説明は省略する。
なお、これら黄色蛍光体の具体例としては、(Y、Gd)3Al5O12:Ce3+、Y2Si4N6C:Ce3+、(Sr,Ba)2SiO4:Eu3+、Ca2Si2O2N2:Eu3+、Ca2(Si,Al)2O2(N,O)2:Eu3+、Ca−α−SiAlON:Eu3+、CaGa2S4:Eu3+)3などが挙げられる。
図34から図36は、前記組み合わせで、Duvが0の場合、各々、図34は7100[K]、図35は12000[K]、図36は20000[K]の相関色温度で分光分布と色域を示したものである。
図37は、本発明の実施形態に係る電球形の照明装置の概略構成を示す一部切り欠き図である。本発明に実施形態に係る照明光源200は、白熱電球に模した外観形状を有している。一般照明用電球の規格寸法に準じた形状を有する。なお、本願において一般照明用電球とは、JIS C 7501に定義されている一般照明用電球である。照明光源100は、一般照明用電球の規格寸法に準じた形状を有するため、一般照明用電球の代替品として既存の灯具に取り付けて使用することができる。
本実施形態のLEDチップ208は、ピーク波長が440〜470[nm]の範囲にある青色発光LEDチップである。また、本実施形態の蛍光体は、赤色発光希土類蛍光体と、緑色発光希土類蛍光体を含んでいる。本実施形態の構成において、赤色発光希土類蛍光体は、600〜650[nm]に主たる発光ピークを発する発光中心となる希土類元素を有する蛍光体である。緑色発光希土類蛍光体は、505〜550[nm]に主たる発光ピークを発する発光中心となる希土類元素を有する蛍光体である。
本実施例では照明装置としての本発明の実施の形態を説明する。本実施においては、単一のLED照明光源ではなく、本発明のLEDチップ及び蛍光体を各種組み合わせで、個別に有するLED照明光源を混光照明する照明装置で実現可能である。
少なくとも600〜650[nm]に主たる発光ピークを発する発光中心となる希土類元素を有する赤発光希土類蛍光体を有する赤色蛍光ランプ、505〜550[nm]に主たる発光ピークを発する発光中心となる希土類元素を有する緑発光希土類蛍光体を有する緑色蛍光ランプ、440〜470[nm]に主たる発光ピークを有するLEDチップを有する青色LED照明光源の混光することで、照明装置として本発明の効果が成り立つ。
さらに、少なくとも600〜650[nm]に主たる発光ピークを発する発光中心となる希土類元素を有する赤発光希土類蛍光体で構成される赤色蛍光ランプ、530〜600[nm]に主たる発光ピークを発する発光中心となる希土類元素を有する緑発光希土類蛍光体で構成される黄色蛍光ランプ、440〜470[nm]に主たる発光ピークを有するLEDチップで構成される青色LED照明光源の混光照明においても照明装置として本発明の効果が成り立つ。
<変形例>
以上、本発明に係るLED照明光源および照明装置を実施の形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明の内容は、上記の実施の形態に限定されない。
実施例では特定のLED照明光源の分光分布を示したが、特に指定がない限り「有する」に類する構成要素表現は請求項を含む本明細書に示されたもの以外の他の構成要素またはステップの存在を排除するものではない。また、構成要素の単数表現をもって、同等の効果を得る構成要素の複数化での相当効果の実施による請求項からの逸脱を排除するものではない。
また、光色と演色の特性から、画像の白色点が一般のディスプレイモニタに近い特性とすることが可能で、看板照明、広告照明などに用いれば、白さが際立ち、被照射物はもとより、バックライトとして透過光色も鮮やかに見せることが可能である。
100,200 LED照明光源
300 照明装置
Claims (12)
- 少なくとも1つのLEDチップを備え、相関色温度が11000[K]以上20000[K]未満、Duvが0から5の範囲にある光色を有し、平均演色評価数Raが80以上であり、単位光束あたりのメラトニン抑制の作用関数効率が1.0を超えることを特徴とするLED照明光源。
- 特殊演色評価指数R9が50以上であることを特徴とする請求項1に記載のLED照明光源。
- 前記LEDチップとして、少なくとも、主たる発光ピークが440[nm]〜470[nm]の範囲にある青色光を出射する青色発光LEDチップを備え、さらに、
Eu2+またはCe3+で付活され、前記青色光で励起されるピーク波長が530[nm]〜600[nm]の範囲にある黄色蛍光体を備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のLED照明光源。 - さらに、Eu2+またはCe3+で付活され、前記青色光で励起される、主たる発光ピークが600[nm]〜650[nm]の範囲にある赤色蛍光体を備えることを特徴とする請求項3に記載のLED照明光源。
- 前記赤色蛍光体の主たる発光ピークは、半値幅が75[nm]〜95[nm]であることを特徴とする請求項4記載のLED照明光源。
- 前記LEDチップとして、少なくとも、主たる発光ピークが440[nm]〜470[nm]の範囲にある青色光を出射する青色発光LEDチップを備え、さらに、
Eu2+又はCe3+で付活され、前記青色光で励起される、主たる発光ピークが505[nm]〜550[nm]の範囲にある緑色蛍光体と、
Eu2+又はCe3+で付活され、前記青色光で励起される、主たる発光ピークが600[nm]〜650[nm]の範囲にある赤色蛍光体とを備える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のLED照明光源。 - 前記緑色蛍光体の発光ピークは、ピークλが505[nm]〜550[nm]、半値幅が60[nm]〜90[nm]であることを特徴とする請求項6記載のLED照明光源。
- 前記緑色蛍光体の発光ピークλ(G)と前記赤色蛍光体の発光ピークλ(R)との差、
λ(R)―λ(B)が110[nm]〜120[nm]の範囲にあることを特徴とする請求項7に記載のLED照明光源。 - 前記青色発光LEDチップの主たる発光ピークは、半値幅が20[nm]〜30[nm]であることを特徴とする請求項3から8のいずれかに記載のLED照明光源。
- 相関色温度が11000[K]を超え17000[K]未満の範囲にある光色を有することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のLED照明光源。
- 相関色温度が11000[K]を超え13000[K]未満の範囲にある光色を有することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のLED照明光源。
- 請求項1から11のいずれかに記載のLED照明光源を少なくとも1つ備えることを特徴とする照明装置。
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