JP7429346B2 - 波長変換部材 - Google Patents

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Description

本発明は、波長変換部材に関する。
従来、レーザープロジェクターに用いられる波長変換部材である、円板状に形成された基板と、その基板上に設けられた蛍光体層を備える蛍光体ホイールが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の蛍光体ホイールは、大粒径の蛍光体を用いて蛍光体層の膜厚を厚くしていること、低Ce濃度の蛍光体を使用していること、および無機材料のみで構成されている。そして、その構成によって、ハイパワーの用途において高い発光強度を有し、温度消光による性能低下が発生しにくく、過剰な熱による破損リスクが低減されるとされている。
また、特許文献1においては、蛍光体が樹脂で封止されている特許文献2に記載の蛍光体ホイールや、蛍光体層と基板が樹脂からなる接合材層により接合された特許文献3に記載の蛍光体ホイールについて、樹脂を用いることによる焼損のリスクが問題点として挙げられている。
特開2019-39992号公報 特開2012-8177号公報 特許第6232951号公報
上述のように、特許文献1に記載の蛍光体ホイールにおいては、蛍光体層の封止部材に無機材料を用いることがハイパワーの用途に用いるための条件となっており、封止部材に樹脂を用いることができない。一方で、樹脂には、コストが低い、硬度が柔らかいため、温度サイクル、熱応力に相対的に強い、蛍光体に比べて屈折率が小さいため蛍光体からの光取り出しに優れる、などの無機材料と比較した優位点がある。さらに、一般的に樹脂からなる封止部材の形成温度は150℃以下であり、無機材料からなる封止部材の形成温度よりも低いため、例えば、Agが用いられた高反射率基板のような熱に比較的弱い基板上で用いることもできる。
本発明の目的は、優れた熱伝導性を有し、高強度の励起光を照射して高強度の蛍光を取り出すことができ、かつ封止部材の材料の選択の幅が広い波長変換部材を提供することにある。
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、下記[1]~[12]の波長変換部材を提供する。
[1]支持体と、蛍光体粒子群と前記蛍光体粒子群を封止する封止部材とを含み、前記支持体上に直接又は他の層を介して設けられた波長変換層と、を備え、前記波長変換層の厚さ方向に平行な任意の断面に、前記蛍光体粒子群の断面の面積比率が50%以上である所定の領域が含まれ、前記所定の領域が、前記波長変換層の厚さが50μm以上の場合は前記波長変換層の底面からの厚さが50μmで幅が700μmの長方形の領域であり、前記波長変換層の厚さが50μm未満の場合は厚さが前記波長変換層の厚さで幅が700μmの長方形の領域であ前記所定の領域に、前記蛍光体粒子群を構成する蛍光体粒子の断面であって、最大長さが40μm以上の蛍光体粒子の断面が2個以上含まれる、波長変換部材
[2]前記蛍光体粒子群に、内部に複数の気孔を有する蛍光体粒子が含まれる、上記[1]に記載の波長変換部材。
]前記蛍光体粒子群を構成する蛍光体粒子が単結晶の蛍光体粒子を含む、上記[1]又は[2]に記載の波長変換部材。
]前記単結晶の蛍光体粒子の少なくとも一部が、組成式(Y1-x-y-zLuGdCe3+aAl5-a12(0≦x≦0.9994、0≦y≦0.0669、0.0002≦z≦0.0067、-0.016≦a≦0.315)で表される範囲内の組成を有する、上記[]に記載の波長変換部材。
]前記蛍光体粒子群が、表面が曲面形状である蛍光体粒子を含む、上記[1]~[]のいずれか1項に記載の波長変換部材。
]前記封止部材がジメチル系シリコーン樹脂からなる、上記[1]~[]のいずれか1項に記載の波長変換部材。
]前記封止部材がSiO系化合物を主成分とする、上記[1]~[]のいずれか1項に記載の波長変換部材。
]前記波長変換層において、前記蛍光体粒子群に加え、前記蛍光体粒子群を構成する蛍光体粒子よりも熱伝導率が高い添加剤が前記封止部材に封止されている、上記[1]~[]のいずれか1項に記載の波長変換部材。
]前記添加剤が、Al、SiC、ダイヤモンド(C)、AlN、BN、Si、又はMgOからなる、上記[]に記載の波長変換部材。
10]前記波長変換層の上に、前記封止部材よりも屈折率の低い低屈折率層を備えた、上記[1]~[]のいずれか1項に記載の波長変換部材。
11]前記低屈折率層の厚さが5μm以上である、上記[10]に記載の波長変換部材。
本発明によれば、優れた熱伝導性を有し、高強度の励起光を照射して高強度の蛍光を取り出すことができ、かつ封止部材の材料の選択の幅が広い波長変換部材を提供することができる。
図1は、第1の実施の形態に係る波長変換部材の垂直断面図である。 図2は、波長変換層の一例の垂直断面の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。 図3は、波長変換層の他の一例の垂直断面のSEM画像である。 図4(a)、(b)は、高反射率層の構成例を示す垂直断面図である。 図5は、YAGセラミックスからなる波長変換層がシリコーン樹脂により基板に固定された、従来例としての波長変換部材の垂直断面図である。 図6(a)は、YAGパウダーからなる蛍光体粒子とシリコーン樹脂からなる封止樹脂を有する波長変換層が基板に固定された波長変換部材の垂直断面図である。図6(b)は、熱的構造をモデル化した図6(a)の波長変換部材の構造を示す図である。 図7(a)は、大径の蛍光体粒子と小径の蛍光体粒子、及びシリコーン樹脂からなる封止部材を有する波長変換層が基板に固定された波長変換部材の垂直断面図である。図7(b)は、熱的構造をモデル化した図7(a)の波長変換部材の構造を示す図である。 図8は、第1の実施の形態に係る波長変換部材の変形例の垂直断面図である。 図9は、第1の実施の形態に係る波長変換部材の他の変形例の垂直断面図である。 図10(a)、(b)は、第1の実施の形態に係る波長変換部材がレーザープロジェクターに用いられる蛍光体ホイールである場合の平面図及び断面図である。 図11は、第2の実施の形態に係る波長変換部材の垂直断面図である。 図12は、実施例1に係る波長変換部材と、比較例としての波長変換部材の波長変換特性の一例を表すグラフである。 図13(a)、(b)は、比較例に係る波長変換部材の厚さ方向に平行な2つの断面のSEM写真である。図13(c)、(d)は、それぞれ図13(a)、(b)に示される波長変換層の断面から算出領域を切り出して2値化した画像である。 図14(a)、(b)は、実施例2に係る試料Aの2つの断面のSEM写真である。図14(c)、(d)は、それぞれ図14(a)、(b)に示される波長変換層の断面から算出領域を切り出して2値化した画像である。 図15(a)、(b)は、実施例2に係る試料Bの2つの断面のSEM写真である。図15(c)、(d)は、それぞれ図15(a)、(b)に示される波長変換層の断面から算出領域を切り出して2値化した画像である。 図16(a)、(b)は、実施例2に係る試料Cの2つの断面のSEM写真である。図16(c)、(d)は、それぞれ図16(a)、(b)に示される波長変換層の断面から算出領域を切り出して2値化した画像である。 図17(a)、(b)は、実施例2に係る試料Dの2つの断面のSEM写真である。図17(c)、(d)は、それぞれ図17(a)、(b)に示される波長変換層の断面から算出領域を切り出して2値化した画像である。 図18(a)、(b)は、実施例2に係る試料Eの2つの断面のSEM写真である。図18(c)、(d)は、それぞれ図18(a)、(b)に示される波長変換層の断面から算出領域を切り出して2値化した画像である。 図19(a)、(b)は、実施例2に係る試料Fの2つの断面のSEM写真である。図19(c)、(d)は、それぞれ図19(a)、(b)に示される波長変換層の断面から算出領域を切り出して2値化した画像である。 図20(a)、(b)は、実施例2に係る試料Gの2つの断面のSEM写真である。図20(c)、(d)は、それぞれ図20(a)、(b)に示される波長変換層の断面から幅が算出領域を切り出して2値化した画像である。 図21(a)、(b)は、実施例2に係る試料Hの2つの断面のSEM写真である。図21(c)、(d)は、それぞれ図21(a)、(b)に示される波長変換層の断面から算出領域を切り出して2値化した画像である。 図22(a)、(b)は、実施例2に係る試料Iの2つの断面のSEM写真である。図22(c)、(d)は、それぞれ図22(a)、(b)に示される波長変換層の断面から算出領域を切り出して2値化した画像である。 図23は、実施例2に係る評価光学系の構成を示す模式図である。 図24(a)は、実施例2に係る試料A~Eにおける、蛍光体粒子群の断面面積比率と取り出される蛍光の最大蛍光強度との関係を示すグラフである。図24(b)に示される曲線は、Bruggemanの式に基づいて描かれたフィラー充填率と熱伝導率との関係の一例を示すものである。 図25は、実施例2に係る試料A~Iにおける、蛍光体粒子群の断面面積比率と取り出される蛍光の最大強度との関係を示すグラフである。 図26(a)、(b)は、実施例3に係る試料Jの厚さ方向に平行な2つの断面のSEM写真である。図26(c)、(d)は、それぞれ図26(a)、(b)に示される波長変換層の断面から算出領域を切り出して2値化した画像である。 図27(a)は、実施例3に係る試料Jの波長変換特性を表すグラフである。図27(b)は、試料J及び比較例に係る波長変換部材の温度特性を表すグラフである。 図28は、実施例4に係る評価光学系の構成を示す模式図である。 図29は、実施例4に係る試料Kの波長変換層から取り出される蛍光の広がり量を示すグラフである。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る波長変換部材1の垂直断面図である。波長変換部材1は、支持体である基板10と、蛍光体粒子群12と蛍光体粒子群12を封止する封止部材13とを含み、基板10上に直接又は他の層を介して設けられた波長変換層11と、を備える。
蛍光体粒子群12は、励起光を吸収し、波長変換する際に発熱する。温度消光などを抑えて大きな蛍光強度を得るためには、波長変換層11の熱伝導性を高め、蛍光体粒子群12で生じた熱を効果的に逃がすことが求められる。
本発明者らは、鋭意研究の結果、波長変換層11の熱伝導性を高め、大きな蛍光強度を得るためには、波長変換層11中の蛍光体粒子群12の体積比率を高めること(以下、条件1と呼ぶ)が効果的であることを見出した。
条件1は、蛍光体粒子群12を構成する蛍光体の熱伝導率が封止部材13の熱伝導率よりも高いため、波長変換層11中の蛍光体粒子群12の体積比率が高いほど、波長変換層11の熱伝達率が高まることに起因する。ここで、熱伝達率は、熱の発生源から隣接する部材への熱の伝わりやすさを示すパラメータであり、その単位はW/(m・K)である。
蛍光体粒子群12を構成する蛍光体の室温での熱伝導率は、例えば、賦活剤としてCeが添加されているYAG系蛍光体の場合、10~13W/(m・K)である。また、封止部材13の材料の熱伝導率は、例えば、樹脂材料で0.1~0.2W/(m・K)、ガラスで~1W/(m・K)、SiOで~10W/(m・K)程度である。なお、SiOの熱伝導率は蛍光体の熱伝導率と同等であるが、樹脂やガラスと異なり、蛍光体粒子群の空隙を完全に充填することが難しいため、封止部材13としての実効的な熱伝達は小さくなる。なお、本明細書に記載の熱伝導率の値は、いずれも室温(25℃)における値である。
さらに、本発明者らは、より効果的に波長変換層11の熱伝導性を高め、大きな蛍光強度を得るためには、条件1に加えて、従来一般的に用いられない大径の蛍光体粒子を含むこと(以下、条件2と呼ぶ)が効果的であることを見出した。
条件2は、蛍光体のサイズが大きければ、シリコーン樹脂などからなる封止部材13よりも熱伝導率の高い蛍光体中を熱が伝わる距離が増加し、波長変換層11の熱伝達率が高まる(熱抵抗が小さくなる)ことに起因する。
また、サイズの大きい蛍光体を用いる場合、蛍光体粒子群12がサイズの大きい蛍光体だけで構成される場合よりも、サイズの大きい蛍光体と小さい蛍光体の両方を用いた方が、波長変換層11中の充填率を高め易く、波長変換層11の全体としての熱伝達率を大きくすることが容易である。このため、条件2だけを満たすよりも、条件1に加えて条件2を満たすことが好ましい。
本発明者らが、様々な条件下で繰り返し実験を行った結果、波長変換層11の厚さ方向に平行な任意の断面に蛍光体粒子群12の断面の面積比率が50%以上である所定の領域(以下、算出領域と呼ぶ)が含まれるときに、条件1を満たすことがわかった。また、波長変換層11の厚さ方向に平行な任意の断面に蛍光体粒子群12の断面の面積比率が57%以上である算出領域が含まれるときには、より波長変換層11の熱伝導性を高め、大きな蛍光強度を得ることができる。
なお、波長変換層11の厚さ方向に平行な任意の断面に蛍光体粒子群12の断面の面積比率は、高すぎると封止部材13で蛍光体粒子群12を固着させることが困難になるため、その上限値は、例えば80%に設定される。
ここで、算出領域は、波長変換層11の厚さ(ばらつきがある場合は最小厚さ)が50μm以上の場合は波長変換層11の底面からの厚さが50μmで幅が700μmの長方形の領域であり、波長変換層11の厚さ(ばらつきがある場合は最小厚さ)が50μm未満の場合は厚さが波長変換層11の厚さ(ばらつきがある場合は最小厚さ)で幅が700μmの長方形の領域である。
なお、算出領域が波長変換層11の厚さ方向に平行な断面内の領域であるのは、蛍光体粒子群12から発せられた熱を効率的に基板10へ逃がすために、波長変換層11の厚さ方向の熱伝導性が重要であるためである。また、算出領域が波長変換層11の底面からの領域であるのは、蛍光体粒子群12から発せられた熱を効率的に基板10へ逃がすために、波長変換層11の基板へ連続する領域の熱伝導性が重要であるためである。なお、波長変換層11の上層部に蛍光体粒子群12を含まない、あるいは極端に蛍光体粒子群12の密度の低い領域があったとしても、それらの領域における蛍光体粒子群12による発熱がない、または小さいため、波長変換層11の蛍光体粒子群12を含む領域の温度には影響をほとんど及ぼさない。
ここで、算出領域の幅を700μmと設定した理由は、次の通りである。走査型電子顕微鏡(SEM)観察において、粒子径5μm程度のものがはっきりと識別でき、かつ、ある程度の粒子数が視野に収まる倍率として、150倍を設定した。このとき、十分な粒子数が含まれる領域の好適な幅として700μmを設定した。
また、算出領域の厚さを50μmと設定した理由は、波長変換層11の好適な膜厚の下限が50μmであること、及び、ある程度十分な数の蛍光体粒子が含まれる波長変換層11の底部からの厚さが必要であることにある。
上述の断面の面積比率は、波長変換層11の断面のSEM画像解析により求めることができる。例えば、SEM観察により得られたSEM画像を2値化すると、封止部材12の断面が黒く、蛍光体粒子群12の断面が白くなる。白領域と黒領域の合計面積に対する白領域の面積の比の値として蛍光体粒子群12の断面の面積比率が得られる。なお、SEMの特質上、SEM観察においては断面における表面のみを観察しているため、SEM観察により得られる波長変換層11の断面全体の蛍光体粒子群12の面積比率の平均値は、波長変換層11中の蛍光体粒子群12の体積比率とほぼ等しい。
また、本発明者らによる実験の結果、波長変換層11の厚さ方向に平行な任意の断面における算出領域に、蛍光体粒子群12を構成する蛍光体粒子の断面であって、最大長さが40μm以上の1粒の蛍光体粒子の断面が2個以上含まれる場合に、条件2を満たすことがわかった。なお、ある1つの蛍光体粒子の断面の一部が算出領域の境界にかかる場合は、その蛍光体粒子は算出領域に含まれるものとする。
蛍光体粒子群12は、好ましくは、図1、及び後述する図2に示されるように、条件2を満たすための断面の最大長さが40μm以上となるような大径の蛍光体粒子12aと、条件1を満たし易くするための断面の最大長さが30μm以下となるような小径の蛍光体粒子12bを含み、主に蛍光体粒子12aと蛍光体粒子12bによって構成される。
蛍光体粒子12aは、単結晶又は多結晶(セラミックス)の蛍光体粒子である。蛍光体粒子12aが単結晶である場合は、例えば、単結晶インゴットをボールミルなどにより粗砕し、分級することにより得られる粉砕粒子である。また、蛍光体粒子12aが多結晶である場合は、例えば、固相合成により得られた30μm以下の多結晶粒子をCIP(Cold Isostatic Pressing)と焼結、HIP(Hot Iso-static Pressing)、SPS(Spark Plasma Sintering)などにより焼結化(セラミックス板化)し、ボールミルなどにより粗砕し、分級することにより得られる。粗砕により得られる蛍光体粒子12aは、単結晶と多結晶のいずれも、破砕に伴う直線的、平面的な形状上の特徴を有し、断面の外縁が直線又は直線に近い曲線で構成される場合が多い。なお、単結晶の粒子とは、粒界を含まず、粒子全体において結晶方位が揃っているものをいう。
一般的に、単結晶蛍光体は、セラミックス蛍光体(多結晶蛍光体)よりも温度の上昇に伴う蛍光強度の低下が少ない場合が多いため、蛍光体粒子12aは、単結晶の蛍光体粒子であることが好ましい。例えば、YAG系単結晶蛍光体は、YAG系多結晶蛍光体よりも温度の上昇に伴う蛍光強度の低下が少ない。蛍光強度の低下が少ないのは、内部量子効率の低下が少ないことによる。代表的なYAG系蛍光体は、YAl12(YAG)結晶を母結晶とし、賦活剤としてCeが添加されている蛍光体である。
また、蛍光体粒子12aの組成は特に限定されないが、蛍光体粒子12aはYAG系蛍光体などの温度特性に優れる(高い温度条件下でも波長変換特性を維持することができる)蛍光体の粒子であることが好ましい。蛍光体粒子12aの温度特性は、高強度のレーザー光を励起光として用いるレーザープロジェクターなどのデバイスに波長変換部材1を用いるために重要である。
例えば、蛍光体粒子12aが、組成式(Y1-x-y-zLuGdCe3+aAl5-a12(0≦x≦0.9994、0≦y≦0.0669、0.0002≦z≦0.0067、-0.016≦a≦0.315)で表される範囲内の組成を有する単結晶の蛍光体粒子である場合、温度が25℃、励起光のピーク波長が450nmであるときの内部量子効率は0.95以上であり、温度が300℃、励起光のピーク波長が450nmであるときの内部量子効率は0.90以上であるという優れた特性を有する。
このため、蛍光体粒子12aの少なくとも一部が、組成式(Y1-x-y-zLuGdCe3+aAl5-a12(0≦x≦0.9994、0≦y≦0.0669、0.0002≦z≦0.0067、-0.016≦a≦0.315)で表される範囲内の組成を有する単結晶の蛍光体粒子であることが好ましい。
蛍光体粒子12bは、多結晶(セラミックス)や単結晶の蛍光体粒子であり、セラミックスの蛍光体粒子である場合には、従来の一般的なセラミックス粉末蛍光体を用いることができる。従来の一般的なセラミックス粉末蛍光体は、固相合成により形成されるため、粒子サイズを30μm以上にするのが難しい。合成により得られる蛍光体粒子12bの表面は、蛍光体粒子12aと比べて角の少ない曲面的な形状を有し、断面の形状は蛍光体粒子12aと比べて円形や楕円形に近い。蛍光体粒子12bの表面が曲面形状を有することにより、粒子同士のひっかかりが少なくなり、波長変換層11中の蛍光体粒子群12の充填密度を上げることができる。また、充填密度が高いことにより、蛍光体粒子群12からの光取り出しに有利になる。
蛍光体粒子12aに加えて小径の蛍光体粒子12bを用いることにより、波長変換層11における蛍光体粒子群12の充填率を高め、すなわち体積比率を高めることができる。
上述のように、一般的に、単結晶蛍光体はセラミックス蛍光体よりも温度特性に優れるが、一方で、同等の色を得るためのCeの濃度がセラミックス蛍光体よりも低く、励起光の吸収率が低いという特徴を有する。このため、蛍光体粒子12aが単結晶の蛍光体粒子である場合、蛍光体粒子12bとしてセラミックスの蛍光体粒子を用いることにより、蛍光体粒子12aの吸収率の低さを補うことができる。
図2は、波長変換層11の一例の垂直断面の走査型電子顕微鏡(SEM)画像である。図2のSEM画像には、2つの蛍光体粒子12aと多数の蛍光体粒子12bの断面が含まれている。ここで、蛍光体粒子12a、12bの断面の最大長さLは、蛍光体粒子12a、12bの外縁上の任意の2点間の距離の最大値である。
なお、図2の領域Aに含まれるような、複数の蛍光体粒子12bが凝集して一体化したものは1粒の蛍光体粒子として数えない。すなわち、複数の蛍光体粒子12bの凝集体の断面の最大長さが40μmであったとしても、その凝集体の断面は最大長さが40μm以上の1粒の蛍光体粒子の断面には該当しない。複数の蛍光体粒子12bの凝集体は、図2に示されるように、蛍光体粒子12b同士の境界近傍にくびれを有するものが多い。
図3は、波長変換層11の他の一例の垂直断面のSEM画像である。図3に示される蛍光体粒子12aは、表面が鋭角的でない曲面形状を有し、かつ内部に直径5μm以下の複数の気孔120を含む。ここで、気孔の直径とは、気孔の外周上の任意の2点を結ぶ直線の長さの内、最長の長さと定義する。このように、蛍光体粒子群12には、内部に複数の気孔120を含む蛍光体粒子12aが含まれていてもよい。蛍光体粒子12aの内部に気孔120が存在する場合、蛍光体粒子12aの内部に進入した光、あるいは蛍光体粒子12a内部で発生した光が気孔120によって散乱するため、光が向きを変えて蛍光体粒子12aから脱出する機会が増え、波長変換層11から取り出される光の広がりを抑制することができる。波長変換層11から取り出される光の広がりを抑制することにより、レンズにより効率的に集光して用いることができるため、レーザープロジェクターなどのデバイスにおける光学系との結合効率が高くなる。また、表面が曲面形状であることにより、蛍光体粒子12aの内部で発生した蛍光の光取り出しが有利になる。また、表面が曲面形状であることにより、波長変換層11の形成時に、粒子同士のひっかかりが抑制され、体積比率を上げやすいという利点もある。
内部に気孔120を含む蛍光体粒子12aは、単結晶粒子の焼結体からなり、単結晶インゴットを原料とする方法や、多結晶セラミックスを原料とする方法により製造することができる。以下に、蛍光体粒子12aがYAG系蛍光体である場合の単結晶インゴットを原料とする方法の一例について説明する。
まず、蛍光体の単結晶インゴットを平均粒径D50=0.6~5μm、典型的には1μm程度になるようにボールミルや遊星ミルで粉砕する。平均粒径D50が0.6μmを下回ると、気孔120が生じ難くなる。また、平均粒径D50が5μmを超えると、粉砕した単結晶粒子同士が焼結し難くなり、また、焼結により形成される気孔120のサイズが大きくなる。気孔120のサイズが大きくなると、蛍光体粒子12aの密度が低下するために波長変換層11の熱伝導性が低下し、また、光が散乱し難くなるおそれがあるため、気孔120のサイズは、5μm以下であることが好ましい。
次に、粉砕した単結晶粒子に熱処理を施して焼結させる。この熱処理は、不活性ガス雰囲気中、例えばAr雰囲気中で実施されることが好ましい。この熱処理は高温のため、水素、あるいは水素と窒素との混合ガス等の還元雰囲気の場合、酸化物蛍光体であるYAG系蛍光体は還元劣化し、内部量子効率が低下する。また、窒素雰囲気の場合、同様に、酸化物蛍光体であるYAG蛍光体は、窒化反応により、内部量子効率が低下する。また、酸素雰囲気の場合、賦活剤として機能するCeイオンの価数が3価から、一部4価に変化し、同じく内部量子効率が低下する。
熱処理温度はおよそ1450~1750℃であり、典型的には1600℃である。また、熱処理時間はおよそ1~12時間であり、典型的には5時間である。熱処理温度が1450℃に満たない場合や熱処理時間が1時間に満たない場合、焼結が十分に進まないおそれがある。また、熱処理温度が1750℃を超える場合や熱処理時間が12時間を超える場合、焼結度が高くなりすぎて、後述する解砕に必要な物理力が大きくなり、解砕に伴うダメージによる内部量子効率の低下が懸念される。また、熱処理温度が高くなると、装置のコストやプロセスコストが高くなるという問題もある。
次に、熱処理により得られた単結晶粒子の焼結体を既知の方法により解砕(熱で弱く固着した粒子を解きほぐす)し、分級する。そして、分級により選別された断面の最大長さが40μm以上となるような大径の単結晶粒子の焼結体を蛍光体粒子12aとして用いる。なお、解砕により蛍光体粒子12aの内部量子効率の低下が生じた場合は、Ar雰囲気中での熱処理を施すことにより回復させることが可能である。
封止部材13は、透明な樹脂(有機材料)や、透明な無機材料からなる。封止部材13の材料として樹脂を用いる場合、無機材料を用いる場合と比較して、コストが低い、硬度が柔らかいため、温度サイクル、熱応力に相対的に強い、蛍光体に比べて屈折率が小さいため蛍光体からの光取り出しに優れる、などの優位点がある。さらに、一般的に樹脂からなる封止部材の形成温度は150℃以下であり、無機材料からなる封止部材の形成温度よりも低いため、例えば、基板10が、Agが用いられた高反射率基板のような熱に比較的弱い基板である場合も、問題なく使用することができる。一方で、封止部材13の材料として無機材料を用いる場合、樹脂を用いる場合と比較して、耐熱性に優れるという優位点がある。
封止部材13の材料として用いられる樹脂としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂(フェニル系シリコーン樹脂、ジメチル系シリコーン樹脂)などがある。これらの樹脂の中で、特にジメチル系シリコーン樹脂が耐熱性に優れ、封止部材13の材料として好ましい。
封止部材13の材料として用いられる無機材料としては、低融点ガラス、SiO系化合物、Al系化合物、SOG(スピンオングラス)などがある。これらの無機材料の中で、SiO系化合物はゾル・ゲル法などにより低温で合成することができ、また、含有成分がシンプルであるために長期信頼性に優れ、取り扱いやすいという特徴がある。このため、無機材料からなる封止部材13は、SiO系化合物を主成分とすることが好ましい。
波長変換部材1においては、上述のように、蛍光体粒子群12の構成によって高い熱伝導性が得られるため、封止部材13の材料として樹脂を用いる場合であって、かつプロジェクターなどの用途において高強度の励起光を照射する場合であっても、封止部材13の熱による劣化やそれに伴う波長変換部材1の破損を抑えることができる。
また、波長変換部材1においては、上述のように、蛍光体粒子群12の構成によって高い熱伝導性が得られるため、波長変換部材1の熱伝導性が封止部材13の熱伝導率から受ける影響は少ない。
基板10の材料は特に限定されないが、熱伝導率が高く、比較的安価なAlを用いることが好ましい。波長変換部材1を光透過型の波長変換部材として応用デバイスに用いる場合は、可視光に対する透過率が高く、熱伝導率も比較的大きなサファイアを基板10の材料として用いることが望ましい。なお、基板10の代わりに、板状でない支持体を用いてもよい。
また、波長変換部材1は、図1に示されるように、基板10と波長変換層11との間に高反射率層14を有することが好ましい。高反射率層14は、基板10よりも高い反射率を有する。例えば、基板10がAlからなる場合、波長が440nm(青色)~730nm(赤色)の可視光に対して、平均反射率が90%前半程度しかないため、高反射率層14を用いることが好ましい。
図4(a)、(b)は、高反射率層14の構成例を示す垂直断面図である。図4(a)に示される高反射率層14(高反射率層14aとする)は、Alよりも反射率の高いAg又はAg系合金からなるAg系膜141と、Ag系膜14aの硫化による黒色化を防ぐための保護膜142を有する。
Ag系膜141の可視光に対する平均反射率は、98~99%程度である。保護膜142は、Al、SiO、TiOなどの可視光に対して透明な絶縁体(誘電体)からなる。異なる誘電体膜を積層した誘電多層膜を保護膜142として用いることにより、反射率が高まり、高反射率層14の反射率をより高めることができる。
図4(b)に示される高反射率層14(高反射率層14bとする)は、フッ化物系シリコーン樹脂(屈折率n=1.36程度)などの屈折率の低い樹脂からなる低屈折率樹脂143と、低屈折率樹脂143に含まれる高屈折率粒子144を有する。高反射率層14bは、Ag系膜141を有する高反射率層14aと比較して、安価に製造できるという利点がある。
高反射率層14bにおける光吸収を抑制するために、高屈折率粒子144として、可視光(例えば波長が440~730nmの光)の透過率が高い粒子が用いられる。また、屈折率差のある高屈折率粒子144と低屈折率樹脂143との界面において光が散乱するため、高屈折率粒子144は全体の体積に対する比表面積が大きいことが好ましい。このため、高屈折率粒子144は粒径が1~5μm程度の微細な球状の粒子であることが好ましい。なお、高屈折率粒子144として微細な粒子を用いる場合、高反射率層14bにおける高屈折率粒子144の体積比率を低下させないように、高屈折率粒子144の配合量を調節する。
高屈折率粒子144は、例えば、Al、SiC、ダイヤモンド(C)、AlN、BN、Si、又はMgOからなる。特に、波長変換部材1で生じた熱を基板10へ効率的に逃がすために比較的熱伝導率が高く、かつ透過率が高く、さらに安価に入手しやすい、Alなどの材料を高屈折率粒子144の材料として用いることが好ましい。
低屈折率樹脂143の材料としては、例えば、ジメチル系シリコーン樹脂(屈折率1.41程度)などの封止部材13の材料と同じものを用いることができる。
また、低屈折率樹脂143と高屈折率粒子144の屈折率差が大きい方が低屈折率樹脂143と高屈折率粒子144の界面における光散乱が大きくなるため、フッ素樹脂(屈折率1.35程度)や、フッ化物系シリコーン樹脂(屈折率1.36程度)などの屈折率の低い材料を低屈折率樹脂143の材料として用いることが好ましい。フッ素樹脂やフッ化物系シリコーン樹脂を低屈折率樹脂143の材料として用いる場合、比較的屈折率の低いSiO(屈折率1.46程度)も高屈折率粒子144の材料として用いることができ、高屈折率粒子144の材料の選択の幅が広くなる。
高反射率層14bは、できるだけ光の散乱が強く生じ、かつ、熱伝達特性を良くするため、膜厚はできるだけ薄く(膜厚10~30μm)、熱伝導率が高い方が望ましい。このため、低屈折率樹脂143の材料と高屈折率粒子144の材料の最も好ましい組み合わせは、フッ素系樹脂とAlである。
図5~図7は、従来の一般的な波長変換層と波長変換層11の熱抵抗を説明するための模式図である。
図5は、YAGセラミックスからなる波長変換層51がシリコーン樹脂52により基板53に固定された、従来例としての波長変換部材50の垂直断面図である。波長変換層51の熱伝導率を10W/(m・K)、厚さを200μmとし、その熱抵抗を1(他の部材の熱抵抗の基準)と仮定する。シリコーン樹脂52の熱伝導率を0.2W/(m・K)、厚さを20μmとすると、波長変換層51の熱抵抗で規格化したシリコーン樹脂52の熱抵抗(波長変換層51の熱抵抗に対する熱抵抗の比の値)は5.0となる。したがって、波長変換層51の熱抵抗で規格化した波長変換層51とシリコーン樹脂52の合成熱抵抗は6.0となる。
図6(a)は、YAGパウダーからなる蛍光体粒子12bとシリコーン樹脂からなる封止樹脂13を有する波長変換層11が基板10に固定された波長変換部材1の垂直断面図である。波長変換層11の厚さを100μm、蛍光体粒子12bと封止樹脂13の体積比を40:60とする。図6(b)は、図6(a)に示される波長変換層11の熱抵抗を簡易的に評価するために、波長変換部材1の熱的構造をモデル化したものであり、熱的な直列抵抗回路とみなすことができる。
膜状にモデル化された蛍光体粒子12bの厚さは40μmであり、波長変換層51の熱抵抗で規格化した熱抵抗は0.2となる。また、モデル化された封止樹脂13の厚さは60μmであり、波長変換層51の熱抵抗で規格化した熱抵抗は15.0となる。したがって、波長変換層51の熱抵抗で規格化した蛍光体粒子12bと封止樹脂13の合成熱抵抗、すなわち波長変換層11の熱抵抗は15.2となる。
図7(a)は、蛍光体粒子12aと蛍光体粒子12b、及びシリコーン樹脂からなる封止部材13を有する波長変換層11が基板10に固定された波長変換部材1の垂直断面図である。波長変換層11の厚さを80μm、蛍光体比率を65%とする。図7(b)は、波長変換層11の熱抵抗を簡易的に評価するために、波長変換部材1の熱的構造をモデル化したものであり、熱的な2系統の直列抵抗回路が並列に配置した合成抵抗回路とみなすことができる。
ブロック状にモデル化された蛍光体粒子12aの厚さは65μmであり、波長変換層51の熱抵抗で規格化した熱抵抗は0.325×2となる。また、ブロックにモデル化された蛍光体粒子12bの厚さは40μmであり、波長変換層51の熱抵抗で規格化した熱抵抗は0.2×2となる。また、モデル化された封止部材13a、13bの厚さはそれぞれ15μm、40μmであり、波長変換層51の熱抵抗で規格化した熱抵抗はそれぞれ3.75×2、10×2となる。したがって、波長変換層51の熱抵抗で規格化した蛍光体粒子12a、蛍光体粒子12b、封止部材13の合成熱抵抗、すなわち波長変換層11の熱抵抗は5.82となる。このことから、波長変換層11は、シリコーン樹脂52により基板53に固定されたYAGセラミックスからなる波長変換層51と同等の熱特性を有することがわかる。図6に示される波長変換部材1との相違点は、一つは蛍光体粒子群の密度の高さであり、もう一つは大型の蛍光体粒子12aによる熱のバイパス効果である。
図8は、波長変換部材1の変形例の垂直断面図である。この変形例においては、封止部材13よりも屈折率の低い低屈折率樹脂膜15が波長変換層11上に設けられている。低屈折率樹脂膜15は、例えば、フッ素樹脂やフッ化物系シリコーン樹脂などの屈折率の低い樹脂からなる。低屈折率樹脂膜15を用いることにより、波長変換部材1からの光取出効率を向上させることができる。
波長変換部材1の光取出効率を向上させるため、低屈折率樹脂膜15の厚さは、5μm以上、30μm以下であることが好ましい。低屈折率樹脂膜15の厚さは、平均して5μm以上であればよく、表面の部分的な凹凸により局所的に薄い箇所があっても光取出効率は低下しない。30μmよりも厚い場合でも、熱的な影響はほとんどないが、光広がりが大きくなるため、光学系との結合効率が低くなる。なお、低屈折率樹脂膜15は蛍光体を含まない。
図9は、波長変換部材1の他の変形例の垂直断面図である。この変形例に係る波長変換層11においては、蛍光体粒子群12に加え、粒子状の添加剤16が封止部材13に封止されている。
添加剤16は、蛍光体粒子群12を構成する蛍光体粒子12a、12bよりも熱伝導率が高い。そのため、添加剤16を用いることにより、波長変換層11の熱伝導性を向上させることができる。
添加剤16は、例えば、Al、SiC、ダイヤモンド(C)、AlN、BN、Si、又はMgOからなる。ここで、Alの熱伝導率はおよそ41W/(m・K)、SiCの熱伝導率はおよそ200W/(m・K)、ダイヤモンドの熱伝導率はおよそ1000~2000W/(m・K)、AlNの熱伝導率はおよそ70~270W/(m・K)、BNの熱伝導率はおよそ60~200W/(m・K)、Siの熱伝導率はおよそ30~80W/(m・K)、MgOの熱伝導率はおよそ40W/(m・K)である。一方、蛍光体粒子群12の代表例であるYAG蛍光体の熱伝導率はおよそ10~13W/(m・K)である。
ただし、添加剤16の添加量が多すぎると相対的に波長変換層11中の蛍光体粒子群12の密度が低下するため、添加剤16の体積は蛍光体粒子群12の体積の20%以下であることが好ましい。
また、添加剤16は、添加剤16による光の吸収を抑えるため、蛍光体粒子群12を構成する蛍光体粒子12a、12bよりも可視光、特に440~730nmの波長を有する光の透過率が高いことが好ましい。また、励起光、あるいは蛍光の光散乱性を高めるため、添加剤16の屈折率が、蛍光体粒子群12を構成する蛍光体粒子12a、12bの屈折率よりも高いことが好ましい。
図10(a)、(b)は、波長変換部材1がレーザープロジェクターに用いられる蛍光体ホイールと呼ばれる円板状の部材である場合の平面図及び断面図である。波長変換部材1においては、基板10が円板状であり、その外周に沿って環状の高反射率層14と波長変換層11が設けられている。環状の波長変換層11の幅は、例えば3~7mmであり、厚さは50~250μmである。
基板10には、波長変換部材1を回転させるモーターの軸を通すための孔10aが設けられ、波長変換部材1は、モーターによってその円周方向に回転できるようにレーザープロジェクター内に設置される。
レーザープロジェクターの動作時には、波長変換部材1が、例えば毎分7200回転することにより、レーザーダイオードなどの励起光源から発せられる光の照射位置50を連続的に変化させることができ、波長変換層11の温度上昇を抑えることができるため、レーザーパワーが大きい条件下で、蛍光体強度を高く維持することが可能になる。また、蛍光体ホイールの直径を大きくすることで、レーザーが照射される蛍光体が受けるレーザーの平均強度が低減され、蛍光体の温度上昇を抑制することができる。
また、図1、図4、図8、図9に示される波長変換部材1は、蛍光を励起光源側に取り出す反射型の波長変換部材であるが、波長変換部材1は、蛍光を励起光源の反対側から取り出す透過型の波長変換部材であってもよい。この場合、基板10にはサファイア基板のような透明基板が用いられ、高反射率層14のような光を反射する層は用いられない。
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施の形態に係る波長変換部材は、波長変換層の構成において、第1の実施の形態に係る波長変換部材と異なる。なお、波長変換部材以外の部材の構成など、第1の実施の形態と同様の点については、説明を省略又は簡略化する。
図11は、第2の実施の形態に係る波長変換部材2の垂直断面図である。波長変換部材2は、基板10と、蛍光体粒子12bとそれを封止する封止部材13を含む下層21bと、蛍光体粒子12aとそれを封止する封止部材13を含む下層21b上の上層21aとを含む、基板10の上方に設けられた波長変換層21と、を備える。
また、波長変換部材2は、波長変換部材1と同様に、基板10と波長変換層21との間に高反射率層14を有することが好ましい。
波長変換部材2の波長変換層21においては、大径の蛍光体粒子12aを含む層と小径の蛍光体粒子12bを含む層が分けられているため、色度の異なる複数の蛍光体を使用する場合や、波長変換効率の温度特性の異なる複数の蛍光体を使用する場合に好適である。特に、温度特性の異なる複数の蛍光体を用いる場合、励起光強度が強く、温度が上昇しやすい上層側に温度特性のよい蛍光体を、弱い下層側に温度特性の悪い蛍光体を配置することにより、2種類を混合して1層化して使用する場合に比べて、高い波長変換効率を実現することができる。また、一般的に、赤色系蛍光体は、緑色や黄色系蛍光体に比べて、波長変換効率の温度特性が悪いため、赤色系(相対的にCIE色度xの大きい)蛍光体を下層側へ、緑色系や黄色系(相対的にCIE色度xの小さい)蛍光体を上層側へ配置するのが好適である。緑色蛍光体と黄色径蛍光体の2種類を用いる場合も、同様(相対的にCIE色度xの大きい蛍光体を下層側、小さい蛍光体を上層側に配置する)である。
(実施の形態の効果)
上記第1、2の実施の形態によれば、上述の条件1、好ましくは条件1と条件2を満たす波長変換層11を用いることにより、優れた熱伝導性を有し、高強度の励起光を照射して高強度の蛍光を取り出すことができる波長変換部材1、2を提供することができる。また、波長変換部材1、2の優れた熱伝導性は、蛍光体粒子群12の構成に係る条件1や条件2から得られるものであり、封止部材13の熱伝導性から受ける影響は小さいため、種々の材料からなる封止部材13を用いることができる。すなわち、封止部材13の材料の選択の幅が広い。
また、波長変換部材1、2は、優れた熱伝導性を有するため、高強度のレーザー光を励起光として用いるレーザープロジェクターなどのデバイスに好適に用いることができる。
市場に流通しているレーザープロジェクターにおいては、光利用効率の高さが成果価値に直結しており、その光利用効率を1%単位で向上する各種技術の積み上げがなされている。ここで、レーザープロジェクターの光利用効率は、波長変換効率(吸収×内部量子効率×粒子からの光取り出し効率)、波長変換層からの光取出効率、及び集光光学系との結合効率に比例する。
このため、例えば、レーザープロジェクターに用いる際に光利用効率をより高める場合は、図8に示されるように低屈折率樹脂膜15を用いて波長変換層11からの光取出効率を向上させ、また、図3に示されるような内部に複数の気孔120を含む蛍光体粒子が含まれる蛍光体粒子群12を用いて、取り出される光の広がりを抑えて、レンズや光ファイバー等の集光光学系との結合効率を高めることが好ましい。
なお、上記第1、2の実施の形態においては、主にYAG系蛍光体やLuAG系蛍光体を蛍光体粒子群12を構成する蛍光体の例として用いて説明したが、これら以外のガーネット系蛍光体や、その他の蛍光体、例えば、SiAlON等のサイアロン系蛍光体や、CaAlSiN等のカズン系蛍光体など、その他の蛍光体を蛍光体粒子群12を構成する蛍光体として用いた場合であっても、同様の効果が得られる。
図12は、上記第1の実施の形態に係る波長変換部材1(後述する試料H)と、蛍光体粒子群12の断面面積比率が50%未満である比較例としての波長変換部材の波長変換特性の一例を表すグラフである。ここで、波長変換部材1と比較例に係る波長変換部材は、同一のホイール径を有する蛍光体ホイールであり、後述する図23に示されるレーザープロジェクター用の評価光学系30を用いて測定を実施した。図12のグラフの横軸は、励起光強度であり、比較例に係る波長変換部材の蛍光強度が飽和したときの励起光強度で規格化した(そのときの励起光強度を1にした)ものである。縦軸は、蛍光強度であり、比較例に係る波長変換部材の蛍光強度が飽和したときの蛍光強度で規格化した(そのときの蛍光強度を1にした)ものである。
ここで、評価対象の蛍光体ホイール(波長変換部材1及び比較例に係る波長変換部材)の直径は、およそ30mmであり、励起光のスポットサイズ(半値幅)は、0.86mmである。また、蛍光体ホイールの回転数は、毎分7200回転である。また、波長変換部材1及び比較例に係る波長変換部材の波長変換層11の厚さは、およそ100μmである。
後述するように、試料Hである波長変換部材1は、2つの厚さ方向に平行な断面において蛍光体粒子群12の断面面積比率を測定したところ、それぞれ54.3%、54.5%であった。また、それら2つの厚さ方向に平行な断面に含まれる最大長さが40μm以上である蛍光体粒子の断面の数は、それぞれ6個、8個であった。
図13(a)、(b)は、比較例に係る波長変換部材の厚さ方向に平行な2つの断面のSEM写真である。比較例に係る波長変換部材の2つの断面には、最大長さが40μm以上である蛍光体粒子の断面が含まれない。図13(c)、(d)は、それぞれ図13(a)、(b)に示される波長変換層11の断面から算出領域(波長変換層11の底面からの厚さが50μmで幅が700μmの長方形の領域)を切り出して2値化した画像である。図13(c)、(d)の2値化された画像から、それぞれ蛍光体粒子群12の断面面積比率が46.2%、46.7%と求められた。
図12の波長変換特性は、蛍光体粒子群12が組成式(Y1-zCeAl12で表される組成を有する蛍光体粒子から構成される波長変換部材1にレーザーダイオードから発せられるレーザー光を励起光として照射することにより得られたものである。
なお、蛍光体粒子群12が組成式(Lu1-zCeAl12で表される組成を有する蛍光体粒子から構成される場合、(Y1-y-zGdCeAl12で表される組成を有する蛍光体粒子から構成される場合、組成式(Y1-x-zLuCeAl12で表される組成を有する蛍光体粒子から構成される場合、あるいは組成式(Y1-zCeAl12で表される組成を有する蛍光体粒子、組成式(Lu1-zCeAl12で表される組成を有する蛍光体粒子、(Y1-y-zGdCeAl12で表わされる組成を有する蛍光体粒子、組成式(Y1-x-zLuCeAl12で表される組成を有する蛍光体粒子のうちの2種以上を含む蛍光体粒子から構成される場合にも、図12の波長変換特性と同様の波長変換特性が得られる。
次の表1に、図12のプロット点の数値、及びそれぞれの規格化前の数値を示す。表1の“実施例”は波長変換部材1の一例を意味し、“比較例”は比較例に係る波長変換部材(図6に示される波長変換部材1の同等品)の一例を意味する。
Figure 0007429346000001
図12によれば、波長変換部材1に用いることができる励起光の最大強度は、比較例に係る波長変換部材に用いることができる励起光の最大強度のおよそ1.7倍以上である。これは波長変換部材1が、比較例に係る波長変換部材よりも波長変換層の熱伝達率が高く、波長変換層の温度上昇を抑制できるためである。このため、例えば、波長変換部材1が図10(a)、(b)に示されるような蛍光体ホイールである場合、比較例に係る波長変換部材からなる蛍光体ホイールと比較して、ホイール径を一定として、波長変換効率を落とさずに、励起光であるレーザー光の強度を1.7倍以上にすることができる。なお、使用したレーザー励起光源では、波長変換部材1の蛍光強度が飽和するまで測定することができなかった。
また、レーザー光の強度を一定とした場合は、比較例に係る波長変換部材からなる蛍光体ホイールと比較して、ホイール径を小型化することができる。これによって、レーザープロジェクターの筐体のサイズを低減することができ、また、それによって製品コストを低減することもできる。
また、図12によれば、波長変換部材1の最大蛍光強度は、比較例に係る波長変換部材の最大蛍光強度のおよそ1.6倍以上である。このため、例えば、波長変換部材1が蛍光体ホイールである場合、比較例に係る波長変換部材からなる蛍光体ホイールと比較して、ホイール径を一定として、波長変換効率を落とさずに、明るさ[lm]を1.6倍以上にすることができる。なお、使用したレーザー励起光源では、波長変換部材1の蛍光強度が飽和するまで明るさを測定することができなかった。また、これによって、ホイール径を小さくしても比較例に係る波長変換部材からなる蛍光体ホイールと同等の明るさを確保することができる。
基板10と種々の条件で形成された波長変換層11とを備える上記第1の実施の形態に係る波長変換部材1(試料A~Iとする)を製造し、評価を行った。ここで、試料A~Iは蛍光体ホイールである。
試料A~Iは、環状の基板10と環状の波長変換層11を有する蛍光体ホイールである。試料A~Iの基板10はAl(アルミニウム)からなり、封止部材13はシリコーン樹脂からなり、蛍光体粒子群12は賦活剤として0.25at%程度のCeが添加された単結晶のYAG蛍光体の粒子から構成される。また、試料A~Iの波長変換層11の厚さはおよそ100μmである。
試料A~Iの製造プロセスは、次の通りである。まず、設計値に秤量したシリコーン樹脂に、同じく設計値に秤量した蛍光体粒子を混合し、波長変換層11の原料を得る。次に、スクリーン印刷にて、基板10上に、波長変換層11の原料を印刷する。そして、シリコーン樹脂に架橋反応を生じさせるため、100℃で1時間、さらに150℃で2時間の条件で、大気中でベークし、波長変換層11を形成する。
なお、一般的な印刷技術であるスクリーン印刷では、波長変換層11の原料中の蛍光体の体積比率が50%より高くなると、樹脂中の固形成分が多過ぎるため、波長変換層11の原料の粘度が上がり、印刷することが極めて困難になる。本実施の形態では、溶剤を用いて希釈し、原料の粘度を印刷時に下げることにより、蛍光体の体積比率が50%以上の場合でも、スクリーン印刷することを可能にした。この溶剤は、100℃以上で揮発するものを選定したため、大気中でのベーク工程により、揮発し、ベーク後の蛍光体の体積比率を上げることができる。
図14(a)、(b)~図18(a)、(b)は、それぞれ試料A~Eの厚さ方向に平行な2つの断面のSEM写真である。試料A~Eの2つの断面には、最大長さが40μm以上である蛍光体粒子の断面が含まれていない。
図19(a)、(b)~図22(a)、(b)は、それぞれ試料F~Iの厚さ方向に平行な2つの断面のSEM写真である。試料F~Iの2つの断面には、最大長さが40μm以上である蛍光体粒子の断面が含まれる。
図14(c)、(d)~図22(c)、(d)は、それぞれ図14(a)、(b)~図22(a)、(b)に示される波長変換層11の断面から算出領域(波長変換層11の底面からの厚さが50μmで幅が700μmの長方形の領域)を切り出して2値化した画像である。これらの2値化された画像から蛍光体粒子群12の断面面積比率を求めた。
図23は、試料A~Iから取り出される蛍光の強度の評価光学系30の構成を示す模式図である。この評価光学系30は、波長変換部材をレーザープロジェクターに適用したときの特性を評価するための構成を有するレーザープロジェクター評価系であり、光源である青色のレーザーダイオード31と、レーザーダイオード31から発せられた青色の励起光を反射し、試料A~Iの波長変換層11から発せられる蛍光を透過するダイクロイックミラー32と、試料A~Iの波長変換層11から発せられる蛍光の強度を測定する光検出器33とを有する。
レーザーダイオード31の発する励起光の波長は450nmとした。レーザーダイオード31の励起光強度は、各試料の波長変換層11の表面における励起光強度が最大でおよそ110Wとなる範囲内で変化させた。また、励起光(レーザー)の波長変換層11の表面におけるスポットサイズは、半値幅(FWHM)が0.86mmとなるサイズに設定した。
次の表2に、試料A~Iの評価結果を示す。“蛍光体断面面積比率”の(a)は、図14(a)~図22(a)に示される断面における、算出領域内の蛍光体粒子群12の断面の面積比率であり、(b)は、図14(b)~図22(b)に示される断面における、算出領域内の蛍光体粒子群12の断面の面積比率である。“大粒個数” の(a)は、図14(a)~図22(a)に示される断面における、算出領域に含まれる最大長さが40μm以上の蛍光体粒子の断面の個数であり、(b)は、図14(b)~図22(b)に示される断面における、算出領域に含まれる最大長さが40μm以上の蛍光体粒子の断面の個数である。“最大蛍光強度”は、励起光の強度を変化させて得られる蛍光の最大強度である。
Figure 0007429346000002
図24(a)は、断面に蛍光体粒子12aが含まれない試料A~Eにおける、蛍光体粒子群12の断面面積比率のそれぞれの試料での小さい方の値と、取り出される蛍光の最大蛍光強度との関係を示すグラフである。
図24(a)によれば、蛍光体粒子群12の断面面積比率がおよそ30%以下である場合には、蛍光体粒子群12が十分に励起光を吸収することができないため、最大蛍光強度が低い。蛍光体粒子群12の断面面積比率がおよそ30%を超えると最大蛍光強度の増加が一旦停滞するが、これはおよそ30%で蛍光体粒子群12の励起光の吸収量が飽和するためと考えられる。
しかし、蛍光体粒子群12の断面面積比率が50%以上になると、最大蛍光強度が再び上昇する。これは、波長変換層11の熱伝達率が大幅に上昇し始めるため、蛍光体粒子群12の温度上昇が抑制されることによると考えられる。なお、この考察は、一般的な樹脂複合材料中のフィラー充填率と熱伝導率の関係から導くことができる。
一般に、樹脂複合材料中のフィラー充填率と熱伝導率には、次のBruggemanの式φ=(λ-λ)/(λ-λ)×(λ/λ1/3が成り立つ。ここで、φはフィラーの体積充填率、λはフィラーの熱伝導率、λは樹脂の熱伝導率、λは塗料組成物の熱伝導率を示す。
図24(b)に示される曲線は、Bruggemanの式に基づいて描かれたフィラー充填率と熱伝導率との関係の一例を示すものである。この曲線の形状が、図24(a)の蛍光体粒子群12の断面面積比率が30%以上の領域における近似曲線(図中右側の点線)の形状に近いことは、上述の考察の内容を裏付けるものである。
図24(a)は、蛍光体粒子群12の断面面積比率が50%以上であることが好ましいことを示している。また、蛍光体粒子群12の断面面積比率が試料Eの断面面積比率と同等又はそれ以上であるとき、すなわちおよそ57%以上であるときに、より高い最大蛍光強度が得られる。
図25は、断面に蛍光体粒子12aが含まれない試料A~Eと、断面に蛍光体粒子12aが含まれる試料F~Iにおける、蛍光体粒子群12の断面面積比率と取り出される蛍光の最大強度との関係を示すグラフである。
図25は、断面に蛍光体粒子12aが含まれる場合、断面に蛍光体粒子12aが含まれない場合よりも、蛍光体粒子群12の断面面積比率に対する蛍光強度が大きくなる傾向があることを示している。
図25中の“2個”、“3個”、“6個”、“2個”は、それぞれ試料F~Iの2つの断面の算出領域に含まれていた最大長さが40μm以上の蛍光体粒子の断面の個数のうち、少ない方の個数を示している。図25から、波長変換層11の断面の算出領域に最大長さが40μm以上の蛍光体粒子の断面が2個以上含まれている場合に、蛍光体粒子群12の断面面積比率に対する蛍光強度が大きくなるということがいえる。
図26(a)、(b)は、本発明者が作成した試料の中でも特に高い発光特性が得られた試料(試料Jとする)の厚さ方向に平行な2つの断面のSEM写真である。また、図26(c)、(d)は、それぞれ図26(a)、(b)に示される波長変換層11の断面から算出領域を切り出して2値化した画像である。
試料Jは、試料A~Iと同様に、環状の基板10と環状の波長変換層11を有する蛍光体ホイールである。また、試料Jの基板10はAl(アルミニウム)からなり、封止部材13はシリコーン樹脂からなり、蛍光体粒子群12は賦活剤として0.25at%程度のCeが添加された単結晶のYAG蛍光体の粒子から構成される。また、試料Jの波長変換層11の厚さはおよそ225μmである。
上述の試料A~Iの製造プロセスの説明において述べたように、波長変換層11の原料中の蛍光体の体積比率が50%以上である場合であっても、溶剤を用いて希釈することにより、波長変換層11の原料のスクリーン印刷が可能になる。しかしながら、原料中の大粒径の蛍光体の個数を増やす(小粒径の蛍光体に対する比率を上げる)場合、印刷スクリーンメッシュを傷つけやすく、その耐久性を落としてしまうという問題があるため、これを解決する製造方法を見出し、試料Jの製造プロセスに適用した。
まず、設計値に秤量した蛍光体粒子群12(大粒子と小粒子を含む)を混合する。次に、基板10上にシリコーン樹脂のみをスクリーン印刷する。このときのシリコーン樹脂の厚さは、波長変換層11の仕上げ膜厚に応じて、5~30μmに設定する(図26に示される試料Jについてはおよそ20μm)。
次に、混合した蛍光体粒子群12を、印刷したシリコーン樹脂上に投下する(ふりかける)。蛍光体粒子群12をシリコーン樹脂上に投下する代わりに、蛍光体粒子群12を入れた容器に、シリコーン樹脂が印刷された基板10を押し付けてもよい。
次に、圧力板を介して、0.1~0.5MPa、典型的には0.2MPaの圧力で蛍光体粒子群12がふりかけられたシリコーン樹脂を圧縮する。このとき、圧力板を搖動、あるいは振動を加え、蛍光体粒子同士のひっかかりを外すことにより、蛍光体粒子群12の密度を効果的に高めることができる。なお、加える圧力が弱過ぎると蛍光体粒子群12の密度が十分に上がらず、強過ぎると、基板10の面方向へのシリコーン樹脂の横広がりを防止する何らかの対策を講じない場合、シリコーン樹脂が広がり過ぎ、設計の膜厚が得られない。
次に、固着しなかった蛍光体粉末をエアブローで除去する。そして、シリコーン樹脂に架橋反応を生じさせるため、100℃で1時間、さらに150℃で2時間の条件で、大気中でベークし、波長変換層11を形成する。このような製造プロセスによれば、試料A~Iの製造プロセスの説明において述べたようなスクリーン印刷を用いるプロセスにおける問題が生じない。
次の表3に、試料Jの評価結果を示す。試料Jから取り出される蛍光の強度の測定は、試料A~Iと同様に、上述の評価光学系30を用いて行った。なお、試料Jの蛍光体ホイールの直径はおよそ40mmである。
Figure 0007429346000003
図27(a)は、波長変換部材1としての試料Jの波長変換特性を表すグラフである。図27(a)のグラフの横軸は、試料Jに照射する励起光の強度[W]であり、縦軸は、試料Jの波長変換層11により波長変換された蛍光の強度[W]である。また、図27(a)には、比較例としての、図5に示される波長変換部材50の波長変換特性も併せて示されている。この比較例に係る波長変換部材50は、蛍光体セラミックス板からなる波長変換層51が、基板53上に、シリコーン樹脂52によって接着された構造を有している。
図27(a)によれば、比較例である波長変換部材50は、励起光強度が100Wを超えた辺りで温度消光が生じて蛍光強度が低下しているが、試料Jは、励起光強度が100Wを超えても蛍光強度の増加が続いている。これは、蛍光体粒子群12の体積比率が高く、大粒径の個数が多く、その大粒径粒子が単結晶蛍光体であることによる効果である。
図27(b)は、試料J及び波長変換部材50のレーザー照射時の波長変換層の表面温度の上昇を表すグラフである。図27(b)のグラフの横軸は、励起光の強度[W]であり、縦軸は、試料Jの波長変換層11及び波長変換部材50の波長変換層51の表面温度の上昇量ΔT[℃]である。ここで、表面温度の上昇量ΔTは、励起光の照射前の表面温度を基準としている。
図27(b)によれば、試料Jの方が、波長変換部材50よりも、励起光の強度に対する表面温度の上昇量ΔTが小さく、試料Jの温度上昇が効果的に抑えられていることがわかる。
上述のように、試料Jについて、プロジェクター評価系である評価光学系30において優れた特性を有するとの評価結果が得られており、試料Jがプロジェクターの波長変換部材として優れた性能を発揮することが確認された。
内部に複数の気孔120を含む蛍光体粒子12aが蛍光体粒子群12に含まれる、図3に示される波長変換層11を備えた波長変換部材1(試料Kとする)の気孔120の存在による効果を評価した。
試料Kは、試料A~Jと同様に、環状の基板10と環状の波長変換層11を有する蛍光体ホイールである。また、試料Kの基板10はAl(アルミニウム)からなり、封止部材13はシリコーン樹脂からなり、蛍光体粒子群12は賦活剤として0.25at%程度のCeが添加された単結晶のYAG蛍光体の粒子から構成される。内部に複数の気孔120を含む蛍光体粒子12aは、単結晶粒子の焼結体からなる。また、試料Kの波長変換層11の厚さはおよそ110μmであり、SEM画像から求めた蛍光体断面面積比率は、55%である。また、試料Kの波長変換層11の形成方法には、上述の試料Jの波長変換層11の形成方法と同様の方法を用いた。
図28は、試料Kの測定に用いた評価光学系40の構成を示す模式図である。この評価光学系40は、光源である青色のレーザーダイオード41と、試料Kの波長変換層11から発せられる蛍光のスペクトルを測定するハイパースペクトルカメラ42とを有する。ハイパースペクトルカメラ42は、空間分解能と波長分解能を有するカメラである。レーザーダイオード41から発せられるレーザー入射方向と、ハイパースペクトルカメラ42の光軸420の方向とのなす角度は55°に設定した。
図29は、波長450nm、スポットサイズ(半値幅)80μmのレーザー光を照射したときの、試料Kの波長変換層11から取り出される波長540nmの蛍光の広がり量を示すグラフである。図29には、比較例として、蛍光体粒子12aが内部に気孔120を含まない点のみにおいて試料Kと異なる波長変換部材の特性も併せて示されている。
図29のグラフの横軸は、波長変換層11の表面上の位置であり、縦軸は、波長変換層11により波長変換された波長540nmの蛍光の強度である。ここで、横軸の波長変換層11の表面上の位置は、励起光の照射スポットの中心からの距離で表される。また、図29の試料Kと比較例に係る波長変換部材の蛍光強度データは、試料Kの蛍光強度のピーク値と比較例に係る波長変換部材の蛍光強度のピーク値が一致するように規格化されている。
図29によれば、試料Kの方が、比較例に係る波長変換部材よりも、ピークの広がりが小さく、波長変換層11から取り出される光の広がりが小さいことがわかる。この光の広がりが小さいため、集光光学系での結合効率が高くなり、プロジェクター効率が高くできる。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、本発明は、上記実施の形態及び実施例に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。また、発明の主旨を逸脱しない範囲内において上記実施の形態及び実施例の構成要素を任意に組み合わせることができる。
また、上記に記載した実施の形態及び実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び実施例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
1、2、50…波長変換部材、 10、53…基板、 10a…孔、 11、21、51…波長変換層、 12…蛍光体粒子群、 12a、12b…蛍光体粒子、 13…封止部材、 14、14a、14b…高反射率層、 15…低屈折率樹脂膜、 16…添加剤、 21a…上層、 21b…下層、 30、40…評価光学系、 31、41…レーザーダイオード、 32…ダイクロイックミラー、 33…光検出器、 42…ハイパースペクトルカメラ、 420…光軸、 50…照射位置、 52…シリコーン樹脂、 120…気孔、 141…Ag系膜、 142…保護膜、 143…低屈折率樹脂、 144…高屈折率粒子

Claims (12)

  1. 支持体と、
    蛍光体粒子群と前記蛍光体粒子群を封止する封止部材とを含み、前記支持体上に直接又は他の層を介して設けられた波長変換層と、
    を備え、
    前記波長変換層の厚さ方向に平行な任意の断面に、前記蛍光体粒子群の断面の面積比率が50%以上である所定の領域が含まれ、
    前記所定の領域が、前記波長変換層の厚さが50μm以上の場合は前記波長変換層の底面からの厚さが50μmで幅が700μmの長方形の領域であり、前記波長変換層の厚さが50μm未満の場合は厚さが前記波長変換層の厚さで幅が700μmの長方形の領域であり、
    前記蛍光体粒子群が、前記波長変換層の厚さ方向に平行な断面における断面の最大長さが40μm以上である大径の蛍光体粒子と、前記波長変換層の厚さ方向に平行な断面における断面の最大長さが30μm以下である小径の蛍光体粒子とを含み、
    前記所定の領域に、最大長さが40μm以上の前記大径の蛍光体粒子の断面が2個以上含まれ、
    前記大径の蛍光体粒子が単結晶の蛍光体粒子であり、
    前記小径の蛍光体粒子が単結晶の蛍光体粒子および/または多結晶の蛍光体粒子である、
    波長変換部材。
  2. 前記小径の蛍光体粒子が単結晶の蛍光体粒子である、
    請求項1に記載の波長変換部材。
  3. 前記小径の蛍光体粒子が多結晶の蛍光体粒子である、
    請求項1に記載の波長変換部材。
  4. 前記蛍光体粒子群に、内部に複数の気孔を有する蛍光体粒子が含まれる、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の波長変換部材。
  5. 前記単結晶の蛍光体粒子の少なくとも一部が、組成式(Y1-x-y-zLuGdCe3+aAl5-a12(0≦x≦0.9994、0≦y≦0.0669、0.0002≦z≦0.0067、-0.016≦a≦0.315)で表される範囲内の組成を有する、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の波長変換部材。
  6. 前記蛍光体粒子群が、表面が曲面形状である蛍光体粒子を含む、
    請求項1~のいずれか1項に記載の波長変換部材。
  7. 前記封止部材がジメチル系シリコーン樹脂からなる、
    請求項1~のいずれか1項に記載の波長変換部材。
  8. 前記封止部材がSiO系化合物を主成分とする、
    請求項1~のいずれか1項に記載の波長変換部材。
  9. 前記波長変換層において、前記蛍光体粒子群に加え、前記蛍光体粒子群を構成する蛍光体粒子よりも熱伝導率が高い添加剤が前記封止部材に封止されている、
    請求項1~のいずれか1項に記載の波長変換部材。
  10. 前記添加剤が、Al、SiC、ダイヤモンド(C)、AlN、BN、Si、又はMgOからなる、
    請求項に記載の波長変換部材。
  11. 前記波長変換層の上に、前記封止部材よりも屈折率の低い低屈折率層を備えた、
    請求項1~10のいずれか1項に記載の波長変換部材。
  12. 前記低屈折率層の厚さが5μm以上である、
    請求項11に記載の波長変換部材。
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