JP4832820B2 - ワイヤーロープの素線切れ検知具 - Google Patents

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Description

本発明はワイヤーロープの素線切れ検知具に関する。さらに詳しくは、エレベータ等に使用されるワイヤーロープの素線に切断部分が存在するか否かを検知する検知具に関する。
従来、ワイヤーロープは荷役、運搬、昇降等の種々の装置に使用されている。このような重量物の運搬昇降用ワイヤーロープとしては、たとえば図12に示す構造のものが多く用いられている。すなわち、芯鋼(繊維芯やロープ芯)61を中心として複数本(たとえば19本)の素線62を束ねて形成したストランド63をスパイラル状に複数本(たとえば8本)撚り合わせた構造となっている。
そして、たとえば乗用エレベータ、エレベータ式駐車装置、立体倉庫、クレーン装置、高所作業車等では、定期的な保守点検が義務づけられ、ワイヤーロープに素線切れがあるか否かの調査も点検項目に含まれている。一般的にこのようなワイヤーロープの表面には潤滑剤としてグリースが塗り込められ、それが泥状となってストランド63の表面を覆っている。したがって、たとえワイヤーロープ全体を照明したとしても素線切れを目視検査によって検知することは難しい。ワイヤーロープの全長にわたってウエス等によって泥状グリースを丁寧に拭き取れば目視による素線切れの検出が可能かも知れない。しかしながら、これは大変な時間と労力を必要とするうえ、作業者の手指を傷つける心配もある。
そこで、ワイヤーロープの素線切れを検知するための種々の装置が提案されている。たとえば特許文献1および特許文献2に開示された磁気探傷装置が知られている。この装置は、ワイヤーロープの長手方向に一対の磁極(N極およびS極)が配置され、その磁極間に、磁気検出片または磁気表示体が配設されたものである。そして、ワイヤーロープに磁束が通るような状態でこの装置の磁界にワイヤーロープを通過させ、磁束の変化を検出することによって素線切れを検知しようというものである。
また、電気的に素線切れを検知する装置も知られている(特許文献3および特許文献4参照)。特許文献3の装置は、ワイヤーロープの通過位置に細い導線につながれた可動体を設置したものである。外方に飛び出した素線切れ部分(当業者間では髭と呼ばれる)がワイヤーロープの移動に伴ってこの可動体を引っかけて移動させたとき、上記導線が引っ張られたことを電気的に検出して素線切れを検知しようというものである。特許文献4の装置は、ワイヤーロープの移動経路に、ワイヤーロープに近接して一対の電極を配置したものである。そして、ワイヤーロープの移動中に素線切れの飛び出し部分が両電極に接触したときの導通を検出することによって素線切れを検知しようというものである。
さらに、圧力センサ式の素線切れ検知装置も提案されている(特許文献5参照)。この装置は、二分割された漏斗状筒体と、その外部に圧力センサを介して備えられた保持具とから構成されている。この漏斗状筒体内にワイヤーロープを挿通して移動させると、ワイヤーロープの外方へ飛び出した素線の切断部が漏斗状筒体をひっかけて引きずるので、上記圧力センサを作動させてこれが検出されるというものである。
また、光学センサ式の素線切れ検知装置も提案されている(特許文献6参照)。この装置は、移動するワイヤーロープの軸線に直交するように、対向位置に投光器と受光器とを配置したものである。そして、外方に飛び出した素線切れ部分の通過によって生じる受光量の変化を検出して素線切れを検知しようというものである。
しかしながら、磁気探傷式の装置(特許文献1、2)はワイヤーロープの表面のみならず内部の素線切れをも検知できるが、大がかりで高価なものとなる。大がかりな装置を設置するための広いスペースが必要となる。
また、電気式(特許文献3、4)、圧力センサ式(特許文献5)および光学センサ式(特許文献6)の検出装置は、いずれもワイヤーロープの表面の状態を検査するものであり、素線切れがあればその部分がワイヤーロープ表面から外方へ飛び出しているということを前提としている。したがって、素線の切断部の髭がストランド内に押し込められた状態のものは検知することができない。さらに、これらの検知装置では、電磁探傷式の装置(特許文献1、2)と同様に、検知器本体および計測機器等の周辺機器類も装備されるため、狭小空間や高所では設置が困難となる。
特開平5−18939号公報 特開平11−230947号公報 実開平6−73071号公報 特開2001−151433号公報 特開平8−119539号公報 特開平11−325844号公報
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、構成が簡単で且つ安価であり、効率的な素線切れ検知を可能とするワイヤーロープの素線切れ検知具を提供することを目的としている。
本発明のワイヤーロープの素線切れ検知具は、
1本のワイヤーロープが挿通される開口部が形成された枠部材と、
該開口部に挿通されるワイヤーロープの外周面に押圧可能なように、開口部を渡して張設された可撓性を有する線条体とを備え、しかも、
上記線条体が複数本張設されており、そのうちの少なくとも二本が、開口部をワイヤーロープの挿通方向に見たときに交差して張設されており、該線条体の交差位置を挟んで両側の線条体に該1本のワイヤーロープが押圧されたとき該ワイヤーロープの外周面が広い範囲で該両側の線条体に当接するようにしたものである。
かかる構成により、開口部に挿通されるワイヤーロープの外周面に線条体を押圧した状態で、この検知具をワイヤーロープの軸線に沿って摺動させることにより、線条体がワイヤーロープの素線の切断部に引っ掛かったときの衝撃力が手に伝わるため、素線切れを容易に検知することができる。
しかも、上記線条体を複数本張設し、そのうちの少なくとも二本を、開口部をワイヤーロープの挿通方向に見たときに交差して張設したので、ワイヤーロープの外周面のできるだけ多くの範囲に対して線条体を押圧することができる
上記線条体が張設された複数個の枠部材を互いに間隔をおいて配設するとともに、接続部材によってこれら枠部材同士を固定して接続することができる。こうすれば、一回の摺動操作により、ワヤーロープの外周面に対して重畳的に素線切れ検査を行うことができる。
上記線条体をピアノ線から形成することができる。こうすれば長寿命が期待でき、さらに、線条体が素線の切断端部に引っ掛かったときに、ピアノ線の弾かれた音によっても素線切れを判断できる可能性がある。
本発明のワイヤーロープの素線切れ検知具は、その構成が簡素で全体にコンパクトであり、しかも取扱いが容易である。したがって、多数のワイヤーロープが集まり、しかも狭小なスペースであっても容易に素線切れ検査を行うことができる。
添付の図面を参照しながら本発明の素線切れ検知具(以下、単に検知具という)の実施形態を説明する。
図1は本発明の素線切れ検知具を適用することができるエレベータ式駐車装置(以下、単に駐車装置という)の一例を示す断面図である。図2は図1のII−II線矢視図である。
この駐車装置1の内部には、車両搭載用のパレット2を昇降させるためのエレベータ3がワイヤーロープ4によって吊り下げられており、このワイヤーロープ4を巻き上げ繰り出すことによってエレベータ3を昇降させる駆動装置(巻き上げ装置)5およびカウンターウエイト6が備えられている。エレベータ3の昇降路7の両側には車両Mを収容するための多数段の駐車棚8が配設されている。各駐車棚8の上にはパレット2が横行し得るレール8aが配設されており(図2参照)、このレール8a上にパレット2が載置される。
エレベータ3は両側の駐車棚8の間を昇降し、呼び出されたパレット2の駐車棚8まで移動したうえで当該パレット2を受け取り、これを入出庫階Eへ搬送する。また、入出庫階Eから指定された駐車棚8まで車両Mを載せたパレット2を搬送して預け入れる。本駐車装置1では入出庫階Eは一番下の床面(一階)とされている。エレベータ3にはパレットが横行するためのレール3aが敷設されている(図2参照)。エレベータ3が車両Mの受け渡しのために駐車棚8の位置に至ると上記レール3a、8a同士が対向する。また、エレベータ3には、駐車棚8からパレット2を受け取り且つ戻すための移送装置9が配設されている(図2参照)。
図1、図3および図4には上記エレベータ3の駆動装置5が示されている。図3は図1におけるIII−III線矢視図であり、図4はエレベータ3およびカウンターウエイト6を概略的に示す斜視図である。エレベータ3はワイヤーロープ4によってカウンターウエイト6と連結されている。符号10はエレベータ3の昇降ガイドレールであり、その一部のみを示している。ワイヤーロープ4は、その中間部が駆動装置5の駆動シーブ11および転向シーブ12、並びに、転向プーリ13に巻き掛けられている。ワイヤーロープ4は、駆動シーブ11から出て複数個の転向プーリ13を経てほぼ矩形のエレベータ3の四隅にその一端が接続されている。また、駆動シーブ11から逆方向に出て転向シーブ12に巻き掛けられた上で他端がカウンターウエイト6に接続されている。駆動シーブ11には減速機14を介して駆動モータ15が連結されている。符号16a、16bはカップリングである。
そして、駆動モータ15によって駆動シーブ11を回転させ、駆動シーブ11の摩擦力によってワイヤーロープ4を引いてエレベータ3を昇降させている。カウンターウエイト6の重量によって駆動装置5の上昇力と下降力との均一化を図っている。本実施形態ではエレベータ3の四隅それぞれに三本で一組のワイヤーロープ4が連結されているので各シーブ11、12には十二本のロープ4が巻き掛けられるように、ロープ一本ごとの溝17が形成されている。そして、当然ながら両シーブ11、12間の十二本のロープ部分はそれぞれ張力によってたるむことなく直線状になっている。この部分では、各ロープ4がシーブ11、12の溝17に係合し、張力によって張られているので、その長手方向に垂直の方向(ロープの断面半径方向)には変位することがなく整列している。図5にはシーブ11、12の各溝17に係合したワイヤーロープ4の断面を示している。
このワイヤーロープ4の素線62の切断部分を検知するための方法としては、ワイヤーロープ4の外周面に対し、その軸線に直交する方向にピアノ線や合成樹脂(ナイロンやポリエステル等)製等の線条体を押圧した状態でワイヤーロープの軸線方向に相対的に摺動させるのである。たとえば、作業者が両手で線条体の両端を持ってワイヤーロープ4の軸線に直交する方向に延ばし、その状態でワイヤーロープ4の外周面に押圧する。そのまま、線条体をワイヤーロープ4の外周面に押圧しつつ摺動させてもよく、または、線条体はワイヤーロープ4に押圧した状態で静止し、ワイヤーロープ4をその軸線方向に移動させてもよい。
このようにすると、ワイヤーロープの素線に切断部があれば線条体が素線の切断端部に引っ掛かるので、線条体が素線の切断端部を弾くか、または切断端部が線条体を弾く。そうすると、この引っ掛かったときの衝撃が作業者の手に伝わるため、素線の切断が検知できる。また、引っ掛かったときに線条体または切断端部の弾かれた音が聞こえる。それによっても素線切れが検知できる。本実施形態では、0.8〜1.0mm程度の断面直径の素線を使用したワイヤーロープに対して、その断面直径が0.5mm程度のピアノ線を用いている。しかし、この寸法に限定されることはない。
このようにワイヤーロープの外周面に線条体を摺動させる場合には、ワイヤーロープの表面に付着していた泥状のグリースが剥離するので、ウエス等によって表面を清掃するまでもなく切断部が目視可能に露出する。したがって、線条体から伝わる衝撃によって素線切れを検知した時点で、この素線切れ部分を目視によって再確認し、即座に彩色塗具によってマーキングを施すことが可能となり、その後の対処が容易となる。
その後の対処の一例としては、図6に示す八本ストランドのワイヤーロープ4のように、彩色マークを施した素線切れの箇所の数を数え、一撚りピッチ(一本のストランド63の一周分の距離であって、直径12mmのワイヤーロープでは約78mmである)における素線切れ総数により点検判定基準に照らして、たとえば、監視要、要交換、ロープ使用限界で要交換、使用禁止等の軽重の判定を行う。その判断に応じて、たとえば、自社関連部署への記録の報告および監視の要請、顧客への交換提案、緊急交換、交換するまで機械の使用禁止等、それぞれの処置を行う。
前述したエレベータ式駐車装置1におけるエレベータ昇降用のワイヤーロープの場合、重点的に素線切れを検査すれば効果的である範囲が自ずと定まってくる。その範囲は、図4に示すように、ワイヤーロープ4のカウンターウエイト6に近いA〜Bの区間である。この区間A〜Bは、エレベータ3が最下位置である入出庫階Eに停止している状態において、おおよそ、ワイヤーロープ4の駆動シーブ11に巻回されている部分から転向シーブ12に巻回されている部分までの範囲である。ワイヤーロープ4のこの範囲A〜Bは、入出庫階Eが最下位置であることもあって、最もシーブ11、12の溝17に係合する頻度が高い部分である。入出庫作業がないときには、通常はエレベータ3は入出庫階Eで待機するからである。
とくに昇降装置においてはワイヤーロープをシーブの溝に食い込ませ(たとえば図5参照)、そのシーブの溝面とワイヤーロープの外周面との接触摩擦によってワイヤーロープを送るための推進力を発生させる。このことに起因してシーブの溝面と接触するワイヤーロープの部分の素線が摩耗しやすく、切断する可能性が他の部分より高いことが知られている。したがって、一カ所に素線切れが発見されると、その箇所を含んだワイヤーロープの軸線方向の一直線上の他の位置にも素線切れが発生している可能性があることが経験上分かっている。したがって、ワイヤーロープのうち、駐車装置1の運転期間中に最もシーブ溝に係合する頻度が高い範囲、すなわち、最も素線切れが発生する可能性が高い範囲A〜Bに対して重点的に検査を行うのが効率が良いことが分かる。
しかしながら、一般的なエレベータ式駐車装置の場合は、前述したとおりエレベータ3の四隅を吊り下げる四組のワイヤーロープ(たとえば三本で一組)は各転向プーリ13を経てから駆動シーブ11に集合し、さらに転向シーブ12を経てカウンターウエイト6にまとめて接続されている。したがって、カウンターウエイト6が最上階の駆動装置5近傍まで上昇した入出庫時、または、そのための待機時には、両シーブ11、12に配置されるワイヤーロープの範囲A〜Bというのは最もワイヤーロープが密集した部分となる。そのような部分については前述の従来技術(磁気探傷式、電気式、光学式等)では、ワイヤーロープに対向させるように装置を配置することが困難であるばかりか、作業者が両手で線条体を持って検査することもたやすいことではない。
このような場合は、図4において二点鎖線で示すように、エレベータ3を最上階に上昇させることにより、カウンターウエイト6を入出庫階EのピットP(図1も併せて参照)内に沈める。そうすればワイヤーロープ4の上記範囲A〜Bがちょうど入出庫階Eに位置する。この状態であれば、作業者は余裕のある広い入出庫階Eの乗降床において、楽な姿勢でワイヤーロープの上記範囲A〜Bについて検査することができる。もちろん、入出庫階Eに限定することはない。他の階であっても、作業者が楽な姿勢で検査することができる余裕のある広いスペースがあれば、その階の近傍にカウンターウエイトを移動して検査するようにしてもよい。これは、入出庫階Eが最下位置になく、最上階や中間階に設けられた駐車装置にも当てはまることである。
つぎに、図7に示す素線切れ検知具(以下、単に検知具という)20を説明する。この検知具20を用いれば、ワイヤーロープ4の重点検査対象範囲が駆動装置5の近傍に位置している場合(前述したワイヤーロープが密集している場合)であっても容易に素線切れ検知を行うことができる。
図7に示すように、この検知具20は、ワイヤーロープ4が挿通するほぼU字状の開口部21が形成された概略コ字状外形の板状枠部材22を有している。この枠部材22は、開口部21の左右両側に位置する左脚部23aおよび右脚部23bと、両脚部23a、23bをつなぐ背の部分22aとからなる。さらに、一方の脚部23a(23b)から他方の脚部23b(23a)にかけて開口部21を渡して張設された線条体24が配設されている。
枠部材24の材料としては、金属、合成樹脂、木材等、必要な強度および硬度を有する材料であれば特に限定されない。本実施形態では線条体24としてピアノ線を用いているが、ポリエステル等の合成樹脂であってもよい。図示のごとく、本実施形態では二本の線条体24が、開口部21をワイヤーロープ4の挿通方向に見たときに交差するように張設されている。具体的には、枠部材22の一方の面に一本の線条体が斜めに張設され、他方の面に一本の線条体が逆向き斜めに張設されている。これは、図8に示すように、ワイヤーロープ4を開口部21内に挿通したときに、ワイヤーロープ4の外周面(横断面の外周円)の出来る限り広い範囲に線条体24を当接させるためである。線条体24の端部は、枠部材22に形成された取付孔25に通されたうえで留め金26が取り付けられている。こうすることにより、線条体24は取付孔25から抜けることが防止され、枠部材22にしっかりと取り付けられる。もちろん、線条体24の端部を溶接等によって枠部材22に直接固着してもよい。
図7に示すごとく、作業者がこの検知具20の背の部分22aを手指で把持し、コ字状の開口部21内にワイヤーロープ4が挿入されるように両脚部23a、23bをワイヤーロープ4に跨らせる。そして、線条体24がワイヤーロープ4の外周面に押圧されるように検知具20を押しつける。この状態で検知具20をワイヤーロープ4の軸線方向に摺動させる。または、検知具20を静止させた状態でワイヤーロープ4をゆっくりと軸線方向に移動させる。
図9に示すように、このときにワイヤーロープ4の表面に素線62の切断部Cが存在すると、線条体24が素線62切断部Cに引っ掛かるため、作業者の手指にそのときの衝撃が伝わって切断部Cが存在すると判断される。上記引っ掛かりとともに、素線62の切断端部および/または線条体24が弾かれた音を発することがある。この発生音を認識することによっても切断部Cの存在を認識することができる。上記切断部Cに泥状のグリースGが付着していても線条体24がそれを剥離するため、切断部Cの検知に影響することがない。
この検知具20は作業者の片手で取り扱うことができるので、前述した駐車装置1の最上階に配置された駆動装置5の近傍、すなわち、12本ものワイヤーロープが集中した狭小箇所においても容易に素線切れの検査を行うことができる。この検知具20によって素線切れを発見した後の処置は前述したと同じ内容(マーキングおよび評価)である。
線条体24の本数は二本に限定されない。図10(a)に示すように一本の線条体24を取り付けた検知具27であってもよい。しかしながら、ワイヤーロープ4の外周面の出来る限り広い範囲に線条体24を当接させるという観点からは、線条体の本数は多いほうがよい。たとえば図10(b)に示すように三本の線条体24を取り付けた検知具28が好ましい。また、四方以上の線条体を備えてもよい。
図11には他の検知具29が示されている。この検知具29は、図7〜9に示す二個の検知具20をその枠部材22の面が平行となるように、相互に離間させた状態で接続部材30によって接続したものである。接続部材30と各検知具20とはネジ等によって着脱可能にしてもよい。この検知具29をワイヤーロープ4の挿通方向に見たとき、両開口部21が一致するように二つの検知具20が並んでいる。この検知具29によれば、ワイヤーロープ4の外周面に対して一回の摺動操作によって重畳的に素線切れ検査をすることができ、素線切れの検知精度が向上する。この検知具29は二本の線条体24を有する検知具20を二つ用いているが、この構成に限定されない。たとえば、この検知具20および前述した他の検知具27、28のうちから二つまたは三つ以上を選択して接続したものであってもよく、四本以上の線条体を有する検知具を混在させてもよい。
検知具20、27、28、29の枠部材22は前述した形状に限定されない。馬蹄形状等、枠部材として好適であればいかなる形状であってもよい。また、円筒の一部をその軸線方向に沿って切除した形状(その横断面が半円状またはC字状となるもの)の、部分円筒を用いてもよい。この部分円筒状の軸線方向に沿って間隔をおいた部位それぞれに線条体を張設すると、図11に示す検知具29と同様の機能を発揮する検知具が出来上がる。
線切れ検知具の適用対象として、上記実施形態では他端にカウンターウエイトが連結されたエレベータ昇降用のワイヤーロープを例にとっているが、これに限定されない。本発明は、カウンターウエイトを用いずに巻き取りドラムに巻き取り且つ繰り出す昇降装置にも適用することができる。
また、上記実施形態ではエレベータ式駐車装置におけるエレベータ昇降装置を例にとって説明したが本発明はこれに限定されない。通常の人用のエレベータ昇降装置、クレーンなど、ワイヤーロープを用いる装置に適用可能である。
本発明によれば、ワイヤーロープの素線切れ検査が容易且つ効率よくなされ、しかも、検査作業のためのコストが低廉である。したがって本発明は、昇降装置に限らず、運搬や荷役等の広い分野におけるワイヤーロープの素線切れ検査に適用することが可能である。
本発明の素線切れ検知具を適用することができるエレベータ式駐車装置の一例を示す断面図である。 図1のII−II線矢視図である。 図1の駐車装置におけるエレベータの駆動装置を示す平面図であり、図1のIII−III線矢視図である。 図1の駐車装置における、エレベータおよびカウンターウエイトを概略的に示す斜視図である。 図3の駆動装置における駆動シーブの溝に係合した状態のワイヤーロープを示す横断面図である。 素線切れ検知の対象であるワイヤーロープの一例、および、そのストランドのうちの一本を示す側面図である。 本発明の素線切れ検知具の一実施形態を示す斜視図である。 図7の素線切れ検知具を示す正面図である。 図7の素線切れ検知具による素線切れ検知作業の一例を示す、図8のIX−IX線断面図である。 図10(a)および図10(b)はともに、本発明の素線切れ検知具の他の実施形態を示す斜視図である。 本発明の素線切れ検知具のさらに他の実施形態を示す斜視図である。 素線切れ検知の対象であるワイヤーロープの一例を示す側面図である。
1・・・・駐車装置
2・・・・パレット
3・・・・エレベータ
4・・・・ワイヤーロープ
5・・・・駆動装置
6・・・・カウンターウエイト
7・・・・昇降路
8・・・・駐車棚
11・・・・駆動シーブ
12・・・・転向シーブ
13・・・・転向プーリ
14・・・・減速機
15・・・・駆動モータ
16a、16b・・・・カップリング
17・・・・(シーブの)溝
20・・・・(素線切れ)検知具
21・・・・開口部
22・・・・枠部材
23a、23b・・・・脚部
24・・・・線条体
25・・・・取付孔
26・・・・留め金
27・・・・(素線切れ)検知具
28・・・・(素線切れ)検知具
29・・・・(素線切れ)検知具
C・・・・(素線の)切断端部
E・・・・入出庫階
G・・・・グリース
M・・・・車両
P・・・・ピット

Claims (3)

  1. 1本のワイヤーロープが挿通される開口部が形成された枠部材と、
    該開口部に挿通されるワイヤーロープの外周面に押圧可能なように、開口部を渡して張設された可撓性を有する線条体とを備え、しかも、
    上記線条体が複数本張設されており、そのうちの少なくとも二本が、開口部をワイヤーロープの挿通方向に見たときに交差して張設されており、該線条体の交差位置を挟んで両側の線条体に該1本のワイヤーロープが押圧されたとき該ワイヤーロープの外周面が広い範囲で該両側の線条体に当接するようにした、ワイヤーロープの素線切れ検知具。
  2. 上記線条体の張設された複数個の枠部材が互いに間隔をおいて配設されており、枠部材同士を固定して接続する接続部材がさらに備えられてなる請求項1記載のワイヤーロープの素線切れ検知具。
  3. 上記線条体がピアノ線から形成されてなる請求項1又は2記載のワイヤーロープの素線切れ検知具。
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