JP5100453B2 - エレベータシステム - Google Patents

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Description

本発明は、エレベータシステムに係り、特に主ロープの素線の破断を点検する破断検出器を備えたエレベータシステムに関する。
エレベータの主ロープの点検は、定期点検等において、作業員がエレベータかごの上に乗って、エレベータかごを移動させながら、主ロープを目視することにより行っている。近年では、小型の破断検出器を使用した点検も行われており、点検の精度は高いものとなっている。
主ロープは、素線と呼ばれる細い鋼線が撚り合わされて、ストランドと呼ばれる素線の束を形成し、さらに、このストランドが中央部の芯の周りに何本か撚り合わされた構造から構成されている。中央部の芯には、麻などの繊維が用いられ、錆を防ぐために油がしみ込ませてある。このように主ロープは、多数の鋼線で構成されているため、磨耗や疲労で一部の素線が破断してもストランドが切れることはない。しかし、一部の素線が破断した状態でエレベータの運転を継続すると、さらなる素線の破断が起こり、ストランドの破断に至るおそれがある。ストランドが破断すると、ストランドの破断部分が周辺機器に接触あるいは巻きつくことによる周辺機器の破損やエレベータの緊急停止などを発生させる可能性がある。従って、ストランドの破断を防止するために、上記のような定期点検が行われている。
点検の精度をさらに高め、効率良く点検作業を実施することを目的として幾つかの装置が開発されている。例えば、特許文献1には、主ロープの異常を検出するロープ異常検出手段と、昇降するかごの位置を検出するかご位置検出手段と、主ロープの異常箇所に到達し確認可能な異常確認位置を求めるロープ異常箇所検索手段とを備えたことを特徴とするエレベータ用ロープ保守装置が開示されている。
なお、定期点検の頻度は、エレベータの使用頻度等を考慮して決定されるので、使用頻度の高いエレベータの定期点検は頻繁に行われる。従って、点検業務の負担が大きくなるだけでなく、定期点検が行われる時間帯はエレベータの使用ができなくなり利用者にとっても不便である。
特開2001−39641号公報
特許文献1の装置によれば、点検の精度をさらに高め、かつ点検作業の効率化を図ることができるが、その点検は作業員によるメンテナンス作業時に行われることが前提となっているため、点検業務の負担は依然として多く残っている。また、近年はマンションや雑居ビルなど24時間使用されるエレベータが多くなってきており、利用者が少ない時間帯に定期点検を行うことは難しくなっている。特許文献1の装置では、定期点検時にエレベータが使用できないことによる利用者の不便を解消することもできない。
本発明の目的は、利用者が少ない時間帯に主ロープの点検を自動的に実施して、主ロープ、特に主ロープのストランドの破断を防止することが可能なエレベータシステムを提供することである。
本発明に係るエレベータシステムは、素線が撚り合わされて構成される複数のストランドを有し、一端がエレベータかごが連結される主ロープと、主ロープを巻き上げる巻上げ機と、巻上げ機に近接した位置に設置された素線の破断を検出する破断検出器と、を備え、通常運転モードと点検運転モードとを切り替えることができるエレベータシステムであって、所定の時間帯に、点検運転モードに切り替えてエレベータかごを最下階から最上階までの最長距離を点検走行させながら、破断検出器に素線の破断を検査させて検査データを取得させる制御部を備え、制御部は、取得された検査データに含まれる素線の破断本数及び破断位置と、破断レベルの判定基準である検査基準とに基づいて、少なくとも点検業務の新たな指標作りに活用されるデータである破断レベルを解析する手段と、解析されたレベルに応じて緊急度を判定する手段と、判定された緊急度に応じて警告の方法を選択し、選択された警告を行う手段と、点検走行の完了を認識して通常運転モードに切り替える手段と、を有することを特徴とする。
また、制御部は、所定の期間におけるエレベータの運転回数を記憶する手段と、記憶された運行回数に基いて点検走行を実施する所定の時間帯を決定する手段と、を有することが好ましい。
本発明に係るエレベータシステムは、素線の破断を検出する破断検出器と、所定の時間帯に、点検運転モードに切り替えてエレベータかごを最下階から最上階までの最長距離を点検走行させながら、破断検出器に素線の破断を検査させて検査データを取得させる制御部とを備えているので、主ロープの点検を自動的に実施することが可能となる。従って、点検業務の負担が軽減できると共に、主ロープの監視密度を高めて、主ロープ、特に主ロープのストランドの破断を防止することができる。
また、制御部は、取得された検査データから素線の破断のレベルを解析して緊急度を判定し、その緊急度に応じた警告を行うので、警告の種類に応じて点検業務を行うことが可能となる。即ち、緊急を要する警告がなされた場合には早急に点検を行うことができる。従って、点検業務の負担をさらに軽減できるとともに、点検によるエレベータの運転停止回数が減少して利用者にとっても便利である。
請求項2に記載の発明において、所定の期間におけるエレベータの運転回数に基いて点検走行を実施する所定の時間帯を決定するので、利用者が少ない閑散時に定期点検を行うことが可能となる。従って、点検によるエレベータの運転停止回数がさらに減少する。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。図1は、エレベータシステム10の構成を示す模式図である。
図1に示すように、エレベータ11の主ロープ12は、一端がエレベータかご13の
上部に連結されて、巻上げ機14のシーブ15に巻きかけられている。主ロープ12の他端は、巻上げ機14からさらに図示しないそらせ車を介してカウンターウェイト17に連結されている。なお、巻上げ機14は、天井部の機械室40に設置されている。エレベータかご13及びカウンターウェイト17は、巻上げ機14のシーブ15を駆動させることにより、昇降路41内を図示しないガイドレールに沿って昇降する。このエレベータかご13の昇降運転を制御しているのが機械室制御盤16であり、巻上げ機14は、機械室制御盤16の指令によりシーブ15を駆動させている。
エレベータかご13を昇降させる巻上げ機14のシーブ15と主ロープ12との間には大きな摩擦力が働いている。具体的には、シーブ15には主ロープ12を巻きかける図示しない溝があり、主ロープ12のエレベータかご13側の張力と主ロープ12のカウンターウェイト17側の張力との差が、主ロープ12とシーブ15との摩擦力と釣り合うように設定されている。故に、主ロープ12のシーブ15に巻きかけられる部分は特に磨耗し易いため、主ロープ12の破断の有無が定期的に検査されている。なお、1台のエレベータには、通常、数本の主ロープ12が設置されており、その本数に応じてシーブ15の溝が形成されている。
主ロープ12は、素線18と呼ばれる細い鋼線が撚り合わされて、ストランド19と呼ばれる素線18の束を形成し、さらに、このストランド19が麻などの繊維からなる芯20の周りに何本か撚り合わされた構造から構成されている。なお、素線18、ストランド19及び芯20は図示しない。このように主ロープ12は、多数の鋼線で構成されているため、磨耗や疲労で一部の素線18が破断してもストランド19が切れることはない。しかし、一部の素線18が破断した状態でエレベータ11の運転を継続すると、さらなる素線18の破断が起こり、ストランド19の破断に至るおそれがある。
図1に示すように、エレベータシステム10は、破断検出器21を備えている。エレベータシステム10は、主ロープ12の点検を自動的に実施して、主ロープ12、特に主ロープ12のストランド19の破断を防止することを目的とするシステムである。破断検出器21は、ストランド19を構成する素線18の破断を速やかに検出する機能を有するセンサであって、エレベータシステム10の重要な構成要素である。
破断検出器21は、素線18の破断を検出し、機械室40に設置できる装置であれば、種々の検出方式のセンサを使用することができる。破断検出器21に適用できるセンサとしては、専ら磁気探傷方式のセンサ(ロープテスタ)が使用されるが、光学式等の変位センサや画像センサなども使用することができる。
磁気探傷方式のロープテスタは、主ロープ12を挟んで設置され、ロープテスタ中を主ロープ12が通過すると、ロープテスタに内蔵した永久磁石により主ロープ12を強く磁化する。そして、素線18に破断があると磁束が漏洩するため、この漏洩磁束を検出コイルで検出することにより、素線18の破断を検出することが可能となる。磁気探傷方式のロープテスタを破断検出器21として使用すれば、素線18に1本の破断があっても検出することができるので、極めて精度の高い点検を行うことができる。なお、素線18の破断は、主ロープ12がシーブ15に巻きかかる部分に発生しやすいため、破断検出器21は、この部分を検査すべく巻上げ機14に近接した位置に設置されることが好ましい。
図1に示すように、エレベータシステム10は、制御部22を備えている。制御部22は、エレベータシステム10の各構成要素の作動を統一的に制御する機能を有する装置である。統一的に制御される各構成要素とは、破断検出器21、機械室制御盤16或いは巻上げ機14等の装置であり、制御部22によって、これらの装置は指令を受けて所定の操作を行うことになる。従って、制御部22は、これらの装置と接続されており、機械室40に設けられることが好ましく、機械室制御盤16内に設けることもできる。なお、制御部22は、エレベータ11の管理点検業務を行っている管理部門に対して後述する警告情報等の通信を行うために、通信回線等に接続されている。
制御部22は、破断検出器21を所定の間隔で起動して、主ロープ12の素線18の破断を検査させて、検査データを取得する点検モジュール23を備えている。この検査は、所定の時間帯に、通常運転モード(自動運転モードとも称する)から点検運転モードに切り替えて、エレベータかご13を最下階から最上階までの最長距離を点検走行させながら行われる。点検走行とは、破断の検査を行うための走行であり、検査を行い易くするために通常運転よりも低速にて行われる。具体的には、点検モジュール23は、後述する閑散時判定モジュール24により決定された検査時間を認識して、点検運転モードに切り替えて、破断検出器21を起動し、上記の点検走行をさせながら主ロープ12の測定(検査)を行わせ、得られた検査データを後述する記憶装置に記憶させる機能を有する。なお、点検モジュール23は、破断検査の終了、即ち点検走行の終了を認識して、通常運転モードを復帰する機能をも有する。
制御部22には、主ロープ12の点検を行う所定の時間帯を選定する閑散時判定モジュール24が備えられている。この閑散時判定モジュール24は、利用者の少ない閑散時を選定する機能を有し、点検モジュール23は選定された閑散時を考慮して主ロープ12の検査を行う。具体的には、閑散時判定モジュール24は、所定の期間におけるエレベータ11の運転回数を記憶する手段と、その運転回数に基いて閑散時を選定する手段とを有している。エレベータ11の運転回数は、エレベータかご13ドアの開閉、巻上げ機14の駆動回数や時間、乗り場呼び登録の回数などをカウントすることにより特定することができる。さらには、エレベータ11に設けられている秤装置や監視カメラのデータから利用者数をカウントして各時間帯における利用者の割合を記憶してもよい。この運行回数等の情報に基いて、閑散時判定モジュール24は、最も利用者が少ない時間帯を特定し、その時間帯を閑散時、即ち点検時間として決定する。以上のように、閑散時を選定することで、主ロープ12の点検によってエレベータ11の使用ができないことによる利用者の不便を軽減することができる。
さらに、利用者の不便を軽減すべく、制御部22には、点検中断モジュール25が備えられることが好ましい。点検中断モジュール25は、点検走行中に乗り場呼び登録が行われると点検走行を中断して通常運転モードに復帰する機能を有している。従って、利用者はエレベータ11の使用を制限されることがない。加えて、点検中断モジュール25は、点検走行を中断した主ロープ12の位置を記憶し、その中断した位置から点検走行を再開する機能も有している。故に、点検走行を初めからやり直す必要がなくなり、省エネ対策の観点等から有用である。
取得された検査データには、所定の長さにおける破断した素線18の本数、破断が確認された主ロープ12の位置などの情報が含まれている。制御部22は、取得された検査データを自動解析する自動解析モジュール26を備えていることが好ましい。この自動解析モジュール26を備えることによって、点検業務の負担をさらに軽減することができる。
自動解析モジュール26は、簡素化したシステムとして、素線18の破断の有無のみを判定し、その判定に基いて後述する警告を行う機能とすることもできる。しかし、さらなる点検業務の効率化やシステムの改良等を目的として、自動解析モジュール26としては、取得された検査データから破断のレベルを解析する診断モジュール27を含んで構成されることが好ましい。さらに、解析された破断レベルに応じて緊急度を判定する緊急度判定モジュール28を含んで構成されることが好ましい。
上記の診断モジュール27によって解析される破断レベルは、検査データの破断の本数及び破断の位置の情報によって決定される。破断レベルは、これらの情報と検査基準とを比較検討することにより決定される。検査基準とは、破断レベルの判定基準であって、過去のメンテナンスデータや後述する点検業務の新たな指標作り等に活用することを目的に設定されたパラメータ等である。具体的には、診断モジュール27は、記憶装置から検査データと、検査基準とを読み出して、検査データの所定の長さにおける破断本数が検査基準と比較して多いか少ないか等を照合して破断レベルを解析する機能を有する。
また、主ロープ12には、複数のストランド19が存在するが、どのストランド19に破断があるか等の位置情報も考慮される。即ち、破断の合計本数は多いが、破断が発生しているストランド19が異なる場合等がある。このような場合は、位置情報を緊急度に反映することができる。
解析された破断レベルに応じて緊急度判定モジュール28によって緊急度が判定される。緊急度は、後述する警告を行うための指標であり、警告の種類に応じてその数が設定され、緊急度の数は警告の種類よりも多く設定されることが好ましい。具体的には、緊急度判定モジュール28は、破断レベルを認識する機能を有し、認識した破断レベルに応じて予め登録された緊急度を選択する機能を有する。なお、予め登録された警告の種類は、過去のメンテナンスデータ等を考慮して決定される。このように緊急度の数を設定すれば、例えば、後述する表示警告に緊急度を付すことができ、さらなる点検業務の軽減を図ることができる。
制御部22は、緊急度判定モジュール28によって判定された緊急度に応じて警告の方法を選択し、選択された警告を行う警告モジュール29を有している。警告としては、例えば、緊急度が低いときには、制御部22に設けた警告灯や機械室制御盤16に素線18の破断が発生した情報を表示する表示警告とすることができる。一方、緊急度が高いときには、管理部門の監視モニタ等に表示警告する或いは管理部門に音声警告することができる。これらの警告には、上記のように緊急度を付すことができる。従って、この警告及び警告に付された緊急度に基いて、作業員は点検作業を行うことができる。
さらに、制御部22は、検査データの破断位置情報に基いて、作業員がその破断を確認できる任意の位置までエレベータ11を走行させる確認運転モジュール30を備えていることが好ましい。制御部22や機械室制御盤16に確認運転ボタン等を設け、それを操作することにより確認運転モジュール30が実行されて確認運転を行うことが可能となる。
制御部22は、CPUと、上記の各モジュールの機能を実行する際に使用される制御パラメータ(検査基準及び警告など)等の入力に用いられる入力装置と、入力した制御パラメータ、制御プログラム、運転回数、検査データ及び破断レベルなどを記憶する記録装置と、入出力ポートなどを備える装置であって、専用の制御装置或いはコンピュータによって構成することができる。各モジュールの機能は、ソフトウェアを実行することで実現でき、具体的には、記憶装置に記憶された制御プログラムを実行することにより実現できる。従って、上述の各モジュールは、制御プログラムに備えられていることが好ましい。なお、入力装置など一部の装置を管理部門等のエレベータ11の外部に設置することもできる。
上記構成のエレベータシステム10の作用、特に制御部22の機能について、図2のフローチャートを用いて詳細に説明する。図2は、エレベータシステム10の制御手順を示すフローチャートで、各手順は制御プログラムの各処理手順に対応する。
まず初めに、主ロープ12の点検を行う所定の時間帯を選定する閑散時を決定する(S10)。具体的には、所定の期間におけるエレベータ11の運転回数を記憶しておき、その運転回数の少ない時間帯を閑散時とする。上述のように、エレベータ11の運転回数は、エレベータかご13ドアの開閉、巻上げ機14の駆動回数や時間、乗り場呼び登録の回数などをカウントすることにより決定することができる。さらには、エレベータ11に設けられている秤装置や監視カメラのデータから利用者数をカウントして各時間帯における利用者の割合を記憶して、利用者数の少ない時間帯を閑散時としてもよい。この手順は、制御部22の閑散時判定モジュール24の機能によって実行される。主ロープ12の検査は、使用回数の多いエレベータ11では主ロープ12の磨耗量が多くなるので、その頻度を増やすことが要求されるが、このようなエレベータ11の点検作業を行うと多くの利用者に影響を与える。閑散時判定モジュール24を実行して閑散時を選定することで、主ロープ12の点検によってエレベータ11の使用ができないことによる利用者の不便を軽減することができる。
S10にて選定された閑散時に、エレベータ11の運転モードを通常運転モードから点検運転モードに切り替えるとともに、破断検出器21に対して素線18の検査を実行する指令を与え、破断検出器21が起動されて素線18の破断の検査を行う(S11)。具体的には、まず、点検運転モードに切り替えることにより、エレベータかごを最下階若しくは最上階まで昇降させ、最下階から最上階までの最長距離を低速にて点検走行させる。次に、低速走行させながら、破断検出器21によって素線18の破断が検査され検査データが取得される。なお、点検の間隔は、上記の閑散時とエレベータ11の使用頻度等によって決定される。この手順は、制御部22の点検モジュール23の機能によって実行される。以上のように、自動で主ロープ12の点検を行うことができるので、点検業務の負荷を軽減できるとともに、主ロープ12の状態を常時監視することができる。従って、主ロープ12の素線18の破断を速やかに検出して、ストランド19の破断を防止することができる。
取得された検査データの破断の本数及び破断の位置の情報と検査基準とを比較検討して破断レベルが決定される(S12)。具体的には、検査データの所定の長さにおける破断本数が検査基準と比較して多いか少ないか等を照合して破断レベルを解析する。検査データの素線18の破断本数が、検査基準の破断本数よりも多い場合には、所定の破断有りと判定され、その破断本数、及び破断位置の情報に基いて破断レベルが決定される。一方、検査データの素線18の破断本数が、検査基準の破断本数よりも少ない場合には、所定の破断無しと判定され、制御手順は終了する。この手順は、制御部22の自動解析モジュール26の一つである診断モジュール27の機能によって実行される。このレベル解析手順は、所謂データ解析やデータ整理の手順であり、点検業務の新たな指標作り、システムや主ロープ12等の部材の開発などにとって有用なデータとなるように設定することができる。さらには、破断レベルは、破断が発生した原因の解明にも有用なデータとなることが好ましい。
次に、S12にて解析された破断レベルに応じて緊急度の判定を行う(S13)。破断レベルは、上述のように、検査の生データを点検業務の新たな指標作り等を目的として解析したデータであるため、S13において緊急度という概念を導入し、後述する警告を行う指標とする必要がある。緊急度の設定の観点は、ストランド19の破断を防止することであり、従って、警告の種類に応じてその数が決定される。なお、この緊急度の判定基準は、従来の点検データが反映された上記の検査基準である。この手順は、制御部22の自動解析モジュール26の一つである緊急度判定モジュール28の機能によって実行される。
次に、S13にて判定された緊急度に応じて警告の方法を選択する(S14)。緊急度の数は、警告の種類よりも多く設定されているので、例えば、緊急度A〜Eの場合が制御部22への表示警告、緊急度F〜Hの場合が管理部門への警告のように設定することができる。この場合、緊急度Hが最も高い緊急度に場合に該当する。
次に、S14にて選択された警告を行う(S15)。上述のように、これらの警告には、A〜Eなどの緊急度を付すことができる。S14及びS15の手順は、制御部22の警告モジュール29の機能によって実行される。以上のように、警告の種類に応じて点検作業を行うことができるので、緊急を要する警告がなされた場合には早急に点検を行うことができる。従って、点検業務の負荷をさらに軽減できるとともに、点検によるエレベータ11の運転停止回数が減少して利用者にとっても便利である。
最後に、点検運転モードから通常運転モードに切り替えを行って上記の破断プロセスを終了する(S16)。なお、通常運転モードへの切り替えは、S11の点検走行が終了した段階で行うことができる。この手順は、制御部22の点検モジュール23の機能によって実行される。
以上のプロセスに、点検走行中に乗り場呼び登録が行われると点検走行を中断して通常運転モードに復帰する図示しない点検走行中断プロセス(S20)を導入することができる。さらに、S20と共に、点検走行を中断した主ロープ12の位置を記憶し、その中断した位置から点検走行を再開する図示しない点検走行再開プロセス(S21)を加えることが好ましい。この手順は、点検中断モジュール25の機能によって実行される。従って、利用者はエレベータ11の使用を制限されることがない。さらに、点検走行を初めからやり直す必要がなくなり、省エネ対策の観点等から有用である。
また、警告を確認した作業員がその破断を確認するためのプロセスとして、検査データの破断位置情報に基いて、作業員がその破断を確認できる任意の位置までエレベータ11を走行させる図示しない確認運転プロセス(S22)を設けることができる。この手順は、点検中断モジュール25の機能によって実行される。従って、制御部22や機械室制御盤16に設けられた確認運転ボタン等を操作するだけで、破断箇所を確認することができるので、点検業務の負荷をさらに軽減できるとともに、点検によるエレベータ11の停止時間が減少して利用者にとっても便利である。
以上のように、エレベータシステム10によれば、主ロープ12の点検を自動的に実施することが可能となる。従って、点検業務の負担が軽減できると共に、主ロープ12の監視密度を高めて、主ロープ12、特に主ロープ12のストランド19の破断を防止することができる。さらに、検査データに基いて破断レベルを解析するので、点検業務の新たな指標作りや破断が発生した原因の解明に有用となるデータを提供できる。解析された破断レベルは、緊急度を判定するのに利用され、緊急度は警告を行う際の指標となる。従って、緊急を要する警告がなされた場合には早急に点検を行うことができ、点検業務の負荷をさらに軽減できるのみならず、点検によるエレベータ11の運転停止回数が減少して利用者にとっても便利である。
また、所定の期間におけるエレベータの運転回数に基いて点検走行を実施する時間帯を決定するので、利用者が少ない閑散時に定期点検を行うことが可能となる。従って、点検によるエレベータの運転停止回数がさらに減少する。さらに、点検走行中に乗り場呼び登録が行われると点検走行を中断して通常運転モードに復帰するので、利用者はエレベータ11の使用を制限されることがない。
エレベータシステムの構成を示す図である。 エレベータシステムの制御手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10 エレベータシステム、11 エレベータ、12 主ロープ、13 エレベータかご、14 巻上げ機、15 シーブ、16 機械室制御盤、17 カウンターウェイト、18 素線、19 ストランド、20 芯、21 破断検出器、22 制御部、23 点検モジュール、24 閑散時判定モジュール、25 点検中断モジュール、26 自動解析モジュール、27 診断モジュール、28 緊急度判定モジュール、29 警告モジュール、30 確認運転モジュール、40 機械室、41 昇降路。

Claims (2)

  1. 素線が撚り合わされて構成される複数のストランドを有し、一端がエレベータかご連結される主ロープと、主ロープを巻き上げる巻上げ機と、巻上げ機に近接した位置に設置された素線の破断を検出する破断検出器と、を備え、通常運転モードと点検運転モードとを切り替えることができるエレベータシステムであって、
    所定の時間帯に、点検運転モードに切り替えてエレベータかごを最下階から最上階までの最長距離を点検走行させながら、破断検出器に素線の破断を検査させて検査データを取得させる制御部を備え、
    制御部は、
    取得された検査データに含まれる素線の破断本数及び破断位置と、破断レベルの判定基準である検査基準とに基づいて、少なくとも点検業務の新たな指標作りに活用されるデータである破断レベルを解析する手段と、
    解析されたレベルに応じて緊急度を判定する手段と、
    判定された緊急度に応じて警告の方法を選択し、選択された警告を行う手段と、
    点検走行の完了を認識して通常運転モードに切り替える手段と、
    を有することを特徴とするエレベータシステム。
  2. 請求項1に記載のエレベータシステムであって、
    制御部は、
    所定の期間におけるエレベータの運転回数を記憶する手段と、
    記憶された運行回数に基いて点検走行を実施する所定の時間帯を決定する手段と、
    を有することを特徴とするエレベータシステム。
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