JP7152226B2 - ワイヤーロープ監視装置およびワイヤーロープ監視方法 - Google Patents

ワイヤーロープ監視装置およびワイヤーロープ監視方法 Download PDF

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Description

本発明は、クレーン等に用いるワイヤーロープの状態を監視するワイヤーロープ監視装置およびワイヤーロープ監視方法に関する。
クレーン等に使用されるワイヤーロープは、軸方向の引張り荷重すなわちそのワイヤーロープに加わる負荷の大きさ及び、その負荷が加えられた状態で滑車(シーブ)やドラムにより、ワイヤーロープが受ける繰り返し曲げ、すなわち負荷ごとの曲げ発生により素線の破断が起きる。このようにワイヤーロープの破断等、異常な状態または寿命に達すると重大な事故に繋がる要因になる。
そこで、ワイヤーロープは、作業環境の安全性を確保するために、定期的に点検を実施したり、一定の曲げ回数に達したことにより使用限界に達したと判断し、交換するようにしている。ワイヤーロープの交換基準として、ワイヤーロープの素線数の10%以上の素線が切断しているもの、直径の減少が公称径の7%を超えるもの等がクレーンの構造規格等で示されている。
しかし、ワイヤーロープを全長に渡ってくまなく点検することは、多大な労力と時間を要する。
その課題を解決するために、例えば、特開2010-149980号公報(特許文献1)では、ワイヤーロープを複数の単位長ワイヤーロープに区分しておき、各単位長ワイヤーロープに対応付けてシーブ(滑車)やドラムが複数の単位長ワイヤーロープの各々と接触する回数を曲げ回数として測定し、破損や消耗などのダメージ(損傷)が進んでいる単位長ワイヤーロープの位置を認識しワイヤーロープの状態を判断することが行われている。
この特許文献1に記載された技術によれば、ワイヤーロープ全長に渡り単位長ワイヤーロープ毎の損傷の状態が把握できるので点検すべき部位が容易となり、ワイヤーロープの状態を容易に監視することができる。
特開2010-149980号公報
ところで、クレーンでは、巻上用装置によりワイヤーロープの巻上や巻下を行うとともに、巻上用装置が下部滑車のフックに荷物を吊り下げた状態で水平方向へ移動する。この水平方向に移動する場合にもワイヤーロープの損傷が生じる。
しかし、特許文献1の技術では、クレーンにおける巻上装置の水平方向の移動時におけるワイヤーロープの損傷については何ら考慮がなされていない。
そこで、本発明の目的は、曲げ回数とともに、水平方向に移動させた場合に発生する吊荷の振れ回数に基づいてより正確なワイヤーロープの状態を判断可能にしたワイヤーロープ監視装置及びワイヤーロープ監視方法を提供することである。
上述した目的を達成するために、本発明は、その一例を挙げると、ドラムとフックを有する下部滑車との間に巻回され端部を固定端に固定するようにしたワイヤーロープを有し該ワイヤーロープの巻上及び巻下を行う巻上用装置と、該巻上用装置を水平方向に移動させる水平移動用装置と、前記巻上用装置および前記水平移動用装置を制御する制御部とを有するクレーンにおけるワイヤーロープ監視装置であって、前記巻上用装置を駆動する巻上電動機の回転量に応じて速度・位置を検知するためのエンコーダと、前記ワイヤーロープの水平移動時の振れ角が一定量以上振れた回数をカウントする振れ検知手段とを設け、前記制御装置は、前記ワイヤーロープを夫々が一定の長さで複数の単位長ワイヤーロープに区分し、複数の前記単位長ワイヤーロープのそれぞれの位置を特定するアドレスを設定しておき、前記ワイヤーロープの交換直後から、前記巻上用装置による巻上及び巻下を行う場合に、前記ドラムと複数の前記単位長ワイヤーロープとが接触し曲げが生じる位置を通過するたびに、および前記下部滑車と複数の前記単位長ワイヤーロープとが接触し曲げが生じる位置を通過するたびに、夫々の前記単位長ワイヤーロープにおける曲げ回数を、前記エンコーダの位置情報と前記アドレスとを関連付けて計測し、その累計値を前記単位長ワイヤーロープ毎の最新の曲げ回数として記憶するとともに、前記ワイヤーロープの交換直後から、水平移動のための巻上後に前記水平移動用装置が水平移動する場合に、前記下部滑車と複数の前記単位長ワイヤーロープと接触し曲げが生じて負荷が加わる位置および前記ワイヤーロープが前記ドラムと接触し曲げが生じて負荷が加わる位置に存在する前記単位長ワイヤーロープに対し、前記エンコーダの位置情報と前記アドレスと関連付けて前記振れ検知手段が検知した振れ回数をカウントし、該カウントの累積値を前記単位長ワイヤーロープにおける最新の振れ回数として記憶し、さらに前記固定端の位置に対応する前記単位長ワイヤーロープについては前記振れ検知手段が振れ回数をカウントするたびに該カウントを累積して前記単位長ワイヤーロープにおける前記最新の振れ回数として記憶し、前記単位長ワイヤーロープにおける記憶された前記最新の曲げ回数および前記最新の振れ回数に基づいて、前記ワイヤーロープの状態判断を行うワイヤーロープ監視装置である。
また、本発明の他の一例を挙げると、ドラムとフックを有する下部滑車との間に巻回され端部を固定端に固定するようにしたワイヤーロープを有し該ワイヤーロープの巻上及び巻下を行う巻上用装置と、該巻上用装置を水平方向に移動させる水平移動用装置とを有するクレーンにおけるワイヤーロープ監視方法であって、前記巻上用装置を駆動する巻上電動機の回転量に応じて速度・位置を検知するためのエンコーダと、前記ワイヤーロープの水平移動開始時および移動停止時の振れ角が一定量以上振れた回数をカウントする振れ検知手段とを備えており、前記ワイヤーロープを夫々が一定の長さで複数の単位長ワイヤーロープに区分し、複数の前記単位長ワイヤーロープのそれぞれの位置を特定するアドレスを設定しておき、前記ワイヤーロープの交換直後から、前記巻上用装置による巻上及び巻下を行う場合に、前記ドラムと複数の前記単位長ワイヤーロープとが接触し曲げが生じる位置を通過するたびに、および前記下部滑車と複数の前記単位長ワイヤーロープとが接触し曲げが生じる位置を通過するたびに、夫々の前記単位長ワイヤーロープにおける曲げ回数を、前記エンコーダの位置情報と前記アドレスとを関連付けて計測し、その累計値を前記単位長ワイヤーロープ毎の最新の曲げ回数として記憶するとともに、前記ワイヤーロープの交換直後から、水平移動のための巻上後に前記水平移動用装置が水平移動する場合に、前記下部滑車と複数の前記単位長ワイヤーロープと接触し曲げが生じて負荷が加わる位置および前記ワイヤーロープが前記ドラムと接触し曲げが生じて負荷が加わる位置に存在する前記単位長ワイヤーロープに対し、前記エンコーダの位置情報と前記アドレスと関連付けて前記振れ検知手段が検知した振れ回数をカウントし、該カウントの累積値を前記単位長ワイヤーロープにおける最新の振れ回数として記憶し、さらに前記固定端の位置に対応する前記単位長ワイヤーロープについては前記振れ検知手段が振れ回数をカウントするたびに該カウントを累積して前記単位長ワイヤーロープにおける前記最新の振れ回数として記憶し、前記単位長ワイヤーロープにおける記憶された前記最新の曲げ回数および前記最新の振れ回数に基づいて、前記ワイヤーロープの状態判断を行うワイヤーロープ監視方法である。
本発明は、巻上及び巻下時におけるワイヤーロープの単位部位毎の曲げ回数とともに、吊荷の水平移動による振れ回数を用いてワイヤーロープの状態の監視を行うので、より正確なワイヤーロープの状態監視が実現できる。
本発明の一実施例におけるクレーンの全体構成図を示す斜視図である。 本発明の一実施例におけるクレーンの制御部のブロック図である。 本発明の一実施例における巻上用装置の構成を示す図である。 二本かけのワイヤーロープの構成を示す図である。 ワイヤーロープにおける単位長ワイヤーロープの説明図である。 水平方向動作時の振れ回数のカウント方法例を示す図である。 水平動作開始時の追いノッチ操作を説明する図である。 水平動作終了時の追いノッチ操作を説明する図である。 振れによる負荷発生時の振れ回数測定処理を示すフローチャートである。 管理用の計算機によりワイヤーロープの状態を監視することを示す図である。 測定データの表示例を示す図である。
(発明の原理)
本発明の実施例の説明に先立ち、本発明の基本的な考え(発明の原理)について説明する。
まず、クレーンは、動力によって荷を吊上げ、これを水平に搬送する(移動させる)ことを目的とする機械装置であり、通常、ワイヤーロープの巻上及び巻下により吊荷を上下方向(重力方向)への移動(搬送)を行わせる巻上用装置と、吊荷の水平方向の移動を行なわせる水平移動用装置とを備えている。ここで、水平方向の移動とは、ワイヤーロープあるいは吊荷の水平方向への移動の総称である。水平移動用装置は、天井クレーン等における横行や走行を行う装置、あるいは旋回クレーンにおける旋回を行う装置などを含む。
ワイヤーロープは、クレーンの使用(運転)に伴う負荷によって損傷(摩耗や素線の断線など)を受けるので、一定程度の損傷が生じた段階で寿命が尽きたと判断して交換されている。この交換基準がクレーンの構造規格等で定められていることは上述したとおりである。
一般に、巻上用装置におけるワイヤーロープの損傷は、主にワイヤーロープが上部滑車、下部滑車等と接触する箇所に負荷が加わったことによる曲げ疲労で生じる場合が大きいことが知られている。そのため、この知見を利用し、ワイヤーロープが滑車等との接触により曲がる際の負荷が加わる位置にあるワイヤーロープの部分(各単位長ワイヤーロープ)の曲げ回数を計測(累積カウント)し、その曲げ回数によりワイヤーロープの損傷の程度を判断し、状態監視を行うことが行われてきた。ここで、曲げ回数は、曲げが発生する度に累積カウントした値である。
しかし、クレーンでは、巻上用装置による吊荷の垂直方向(重力方向)の移動の他に、水平方向移動装置により吊荷は水平方向に移動する。そのため、ワイヤーロープは荷物を吊下げた状態で水平方向移動の際に大きく振れる。この振れの際にワイヤーロープの滑車との接触による曲げ部分に大きな負荷が加わり損傷(ダメージ)が生じる。特に、水平方向の移動開始時や移動停止時には、吊荷の慣性力によりワイヤーロープに大きな負荷(荷重)が加わる。つまり、クレーンでは、曲げを繰り返すことによるワイヤーロープ損傷だけでなく、吊り荷を水平方向に移動した場合の振れによってもワイヤーロープに損傷が生じる。この振れによる負荷の発生は、ワイヤーロープの損傷状態を判断する上で無視できない。
そのため、本発明では、この知見に基づいて、ワイヤーロープの曲げによる負荷が加わる位置にある前記単位長ワイヤーロープの曲げ回数を計測するとともに、水平方向に移動した際の前記ワイヤーロープが振れることによる負荷が発生する位置にある前記単位長ワイヤーロープの振れ回数を計測し、この計測された曲げ回数および振れ回数とに基づきワイヤーロープの状態を監視する。これにより、ワイヤーロープの実際の状態により近い判断が可能となる。ここで、振れ回数は、振れが発生する度に累積カウントした値である。
なお、本発明において、水平方向移動時のワイヤーロープの振れ回数測定に用いる振れ検知手段は、ワイヤーロープの振れを検知できるものであればどのようなものでも良い。例えば、巻上装置に振れ角検出器を設置してロープ振れ角が一定以上の場合を振れと判断してカウントすることでも良いし、リミットスイッチ等によりロープの振れを検知するものでも良い。また、ワイヤーロープの振れをカメラで撮像し、これを画像処理して振れ回数を求めるようにしても良い。また、後述する本発明の実施例に示すように、クレーンの水平方向の動作が行われたこと自体、すなわち「水平方向移動の動作回数」に基づいて振れ回数を検知しても良い。この方法は、特別な振れ検知装置が不要である点で好ましい。
ところで、曲げによりワイヤーロープに加わる負荷(ダメージ)は、主に巻上及び巻下の動作時にワイヤーロープと滑車が接触した曲げ部分において負荷が加わったことにより発生する。一方、振れによりワイヤーロープに加わる負荷は、同様にワイヤーロープの滑車等と接触した曲げ部分に負荷が加わることで発生するが、それだけでなくワイヤーロープの固定端の部分においても発生する。すなわち、ワイヤーロープを固定する固定端の部分(固定端部分)は、巻上及び巻下によるワイヤーロープの移動がないので曲げに起因する負荷の発生は無視し得るが、振れにより発生する負荷については無視できない。しかも、この部分は、振れが生じる度に負荷が発生していると考えられる。そのため、この固定端部分については、水平方向移動によるワイヤーロープの振れが発生する度にカウント(計測)する方が良い。後述する本発明の実施例では、ワイヤーロープの固定端部分における振れ回数は、水平方向移動に伴う振れが発生する度にカウントしている。
ここで、ワイヤーロープの状態の判断(損傷の程度の判断や、寿命予測など)は、例えば次のような方法が考えられる。すなわち、予め実験等により、滑車等とワイヤーロープとの摩擦状態での曲げ回数とワイヤーロープの損傷との関係(曲げ回数とワイヤーロープの素線破断や摩耗等の関係)、および水平方向移動におけるワイヤーロープの振れ回数と損傷との関係を求めておく。これらの関係は、使用するワイヤーロープの種類(径や使用する材料、構造など)や、巻上装置に使用される滑車の径によって変わる。ただし、使用するクレーンが特定されれば、使用するワイヤーロープの種類や、滑車の径は定まるので、多くの種類の関係を求める必要はなく、該当する関係データのみを求めておけば良い。
このようにして求められたワイヤーロープの状態の判断を行うための関係データは、例えば、予めクレーンの制御部内の記憶部や、クレーン設置場所から離れた位置にある管理用の計算機内にある記憶部に記憶しておく。
そして、クレーンの制御部では、新しいワイヤーロープに交換した時点以降において、実際にクレーンが使用される都度、ワイヤーロープの曲げ回数および水平方向移動時のワイヤーロープの振れ回数を計測する。これらの計測値(累計値)は制御部内の記憶部に保存される。制御部は、これらの計測値が一定回数以上になったことを検知した場合、所定期間(例えば、1か月)経過した場合など、必要に応じてワイヤーロープの状態を判断する。また、制御部は、表示装置に曲げ回数、振れ回数を表示したり、グラフや表にして表示しても良い。この表示により、オペレータや管理者は、ワイヤーロープの現在の状況を把握することができる。
このワイヤーロープの状態判断では、例えば、制御部に予め記憶された関係データに照らし、クレーンの実際の運転の結果として得られたワイヤーロープの曲げ回数およびワイヤーロープの振れ回数に基づき、ワイヤーロープの状態(損傷の程度など)を判断する。この状態判断の結果は、ワーヤーロープの寿命(交換時期)の判断に用いることができる。例えば、曲げ回数が1000回程度でワイヤーロープの交換を行うべきということが事前に求めた関係データから分かっていた場合に、実際の曲げ回数が800回を超えると、ワイヤーロープの交換時期が迫っていると判断してその旨の表示を行うなどにより注意を喚起する。もし曲げ回数が1000回を超えた場合には、ワイヤーロープの交換時期に達したことを表示装置に表示するなどにより警報を発する。あるいは、警報とともにクレーンの使用を停止させるなどを行なっても良い。もちろん、ワイヤーロープの振れ回数についても、予め求められた回数に達した場合や、一定期間のクレーン使用後に、曲げ回数の場合と同様の判断を行うことは言うまでもない。
さらに、ワイヤーロープの損傷は、曲げの際の負荷と振れの際の負荷の両方により生じることから、曲げ回数と振れ回数の両方を使用して総合的に判断する方が正確な判断ができる。また、曲げと振れとではダメージの程度が異なるので、そのことも考慮して判断すればさらに正確になる。この総合的な判断は、例えば、事前の実験や経験的に得られた知見やデータ、および過去の判断結果等などを情報として蓄積・保有しておき、それら蓄積・保有した情報を利用して人工知能などの手法によりワイヤーロープの状態判断を実現することができる。
このワイヤーロープの状態判断の処理は、クレーンの制御部が有するCPU(中央処理演算部)が記憶部に記憶された曲げ回数、振れ回数、関係データを用いて実施することができる。あるいは、クレーン設置場所からは離れた位置に設置された管理用の計算機において実施することもできる。管理用の計算機において判断処理を行う場合は、通信装置を介してクレーンの制御装置から曲げ回数および振れ回数のデータの送信を受けて判断処理を実施する。
上記したように、本発明は、基本的にワイヤーロープの曲げ回数および振れ回数を用いることにより実現することができる。しかし、ワイヤーロープの曲げ回数およびワイヤーロープの振れ回数による損傷の程度は、吊荷によりワイヤーロープに加わる負荷の程度である荷重によって変わる。そのため、曲げ回数や振れ回数のカウント時に荷重を計測し、曲げ回数及び振れ回数に加えて荷重も使用して判断した方が精度の高い判断が可能となる。なお、この荷重の計測は、曲げ回数と振れ回数計測時において行われるが、両方の荷重を計測せず、いずれか一方の荷重を計測することでも良い。
荷重を用いる場合の判断方法は、曲げ時荷重および振れ時荷重を複数に区分(例えば軽荷重、中荷重、重荷重に3区分)しておき、曲げ回数、振れ回数の計測(カウント)時に、その重みづけられた区分ごとに区分けして荷重の程度を曲げ回数や振れ回数とともに記憶しておく。そして、判断に際しては、その結果を曲げ回数、振れ回数とともに使用する。例えば、中荷重による運転において曲げ回数が1000回でワイヤーロープの交換をすべき、重荷重による運転の場合曲げ回数が800回でワイヤーロープを交換すべきということが予め実験等で分かっていた場合、実際の運転状況が重荷重で800回に達した場合や、中荷重による運転が1000回に達した場合を判断したときにワイヤーロープを交換すべきとの判断と指示(例えば、表示部に警報等の表示をする)を行う。これによりワイヤーロープの交換が可能となる。振れ回数と、振れ回数カウント時の荷重(振れ時荷重)についても同様の方法で判断することができる。もちろん、ここで述べた判断方法はあくまでも一例であり、本発明における判断方法はこれに限定されない。
なお、荷重の検出手段は、ワイヤーロープに加わる荷重を検知可能であれば良い。例えば、ロードセルなどを使用して荷重を直接検知することでも良いし、巻上用装置を駆動する電動機の電流から間接的に荷重を検知するものでも良い。
ここで、ワイヤーロープの曲げ回数および振れ回数を計測する場合、その曲げや振れがワイヤーロープのどの位置(部位)において発生しているのかが分からないと正確な判断が難しくなる。つまり、ワイヤーロープ全長の中で負荷により大きなダメージ(損傷)を受け易い部位を認識(特定)し、その大きなダメージを受けている部位を中心にワイヤーロープの状態判断を行なう必要がある。そのため、ワイヤーロープを単位長さに区分し、その区分された複数の単位長ワイヤーロープ毎に位置情報(アドレス)を設定しておき、この設定されたアドレスと関連付けて曲げ回数及び振れ回数を計測する。具体的には、例えば、クレーンを制御する制御装置内の記憶部に各位置情報に対応してアドレスを設定し、この単位長ワイヤーロープに対応するアドレスに曲げ回数及び振れ回数を累積カウントし記憶する。各単位長ワイヤーロープが滑車等と接触する位置、言い換えれば曲げ回数や振れ回数をカウントする位置に存在しているかどうかは、ワイヤーロープの移動位置を検知又は認識する装置により実現できる。ちなみに、後述する本発明の実施例では、ワイヤーロープの巻上及び巻下の速度・位置を検知するエンコーダを設置し、このエンコーダの出力を利用することにより各単位長ワイヤーロープの位置が滑車との接触位置にあるかどうかを認識している。
このように、ワイヤーロープを単位長ワイヤーロープに区分しておき、各単位長ワイヤーロープがどの位置にあるかを認識して、その単位長ワイヤーロープ毎に曲げ回数及び振れ回数を計測し、その計測結果に基づいてワイヤーロープの状態判断を行う。これにより、ワイヤーロープの状態判断を正確に、しかも効率的に行うことができる。
(本発明の実施例)
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。この実施例では、インバータ式クレーンを用いている。なお、以下の説明において、同じ機器には、同一の番号を付し、各図における説明を省略する場合がある。
まず、図1と図2により本発明の一実施例におけるインバータ式クレーンの構成と動作について説明する。図1は本実施例によるワイヤーロープ負荷測定装置を設置するインバータ式クレーンの全体構成を示す斜視図、図2はインバータ式クレーンの制御部の構成を示すブロック図である。
インバータ式クレーンは、移動シーブ(下部滑車)に設けられたフック1、ワイヤーロープ2、巻上誘導電動機3、巻上用装置4、横行誘導電動機5、横行用装置6、横行用ガーダー7、走行誘導電動機8、走行用装置9、走行用ガーダー10、巻上・横行インバータ装置(主制御部と称す。)11、操作入力装置13、走行用インバータ装置18、から構成されている。また、巻上誘導電動機3には、ブレーキ16、エンコーダ17が内蔵され、横行誘導電動機5及び、走行誘導電動機8にもブレーキ16が各々に内蔵される。なお、本実施例における各装置を駆動する電動機として誘導電動機を用いたが、本発明は誘導電動機以外の電動機を使用しても良い。また、巻上・横行インバータ装置11には、巻上・横行インバータ制御部12、巻上用インバータ14、横行用インバータ15が、走行用インバータ装置18には走行インバータ制御部19及び、走行用インバータ20が内蔵される。
インバータ式クレーンは、フック1に吊下げられた荷物(吊荷)を、巻上誘導電動機3を備えた巻上用装置4によりワイヤーロープ2を巻上及び巻下することでY方向(Y方向、-Y方向の矢印で示す。)、即ち上下方向に吊荷を移動する。また、X方向(X方向、-X方向の矢印で示す。)には、横行用装置6にある車輪を、横行誘導電動機5が回転させ、巻上用装置4を横行用ガーダー7に沿ってX方向に移動する。また、Z方向(Z方向、-Z方向の矢印で示す。)には、走行用装置9にある車輪を、走行誘導電動機8が回転させ、走行用ガーダー10に沿って巻上用装置4をZ方向に移動する。このようにして、吊荷は、ワイヤーロープ、下部滑車とともにX方向、Y方向、Z方向に搬送(移動)される。
巻上誘導電動機3と横行誘導電動機5は、巻上・横行インバータ装置11に格納された図2の巻上・横行インバータ制御部12により制御される。即ち、オペレータが操作入力装置13からの所定の指示を入力すると、巻上・横行インバータ制御部12は、巻上用インバータ14と横行用インバータ15を制御し、巻上用インバータ14と横行用インバータ15から制御に必要な周波数、電圧、電流を巻上誘導電動機3と横行誘導電動機5に加え、同時にブレーキ16を開放制御する。これにより、巻上用装置4が移動し、ワイヤーロープ、下部滑車のフック1に吊下げられた吊荷をY方向に移動させる。また、横行用装置6は、横行用ガーダー7に沿って巻上用装置4をX方向に移動させる。
また、巻上・横行インバータ制御部12は、モータの回転数を検出するエンコーダ17の情報を取込むことで、フック1の位置(吊荷の位置)を判断し、運転制御に使用する。
同様に走行用装置9に取り付けてある走行誘導電動機8は、オペレータが操作入力装置13からの所定の指示を入力すると、走行用インバータ装置18に格納された図2の走行インバータ制御部19が走行用インバータ20を制御し、走行用インバータ20から制御に必要な周波数、電圧、電流を走行誘導電動機8に加え、同時にブレーキ16を開放制御することで、走行用ガーダー10に沿って巻上用装置4をZ方向に移動させる。
インバータ式クレーンは、巻上用装置4のドラム(上部滑車)が回転することで、巻上用装置4のドラム(上部滑車)に巻きつけられたワイヤーロープ2が巻出し、巻戻しされて、吊荷を上下する構成となっている。
さて、ワイヤーロープ2は、2本掛け、あるいは4本掛けの構成を採用する場合が多い。ここで、2本掛けとは、フック1から見た場合のワイヤーロープ2の本数を示す。よって、フック1を有する滑車が1つの場合は2本掛け、滑車が2つの場合は4本掛けと言う。この実施例では、ワイヤーロープは2本掛けを採用したものとして、以下説明する。
巻上用装置4の水平方向(X方向、Z方向)移動によりワイヤーロープ2には振れが発生し、ワイヤーロープを損傷するような負荷が発生するが、このようなワイヤーロープにダメージを与える負荷が具体的にどの部分において発生するかについて、図3および図4を用いて説明する。
図3は2本掛けのワイヤーロープ2を採用した巻上用装置の構成を示す。
図4は、図3に示す巻上用装置4におけるワイヤーロープ2の部分のみを取り出して示した図である。
ワイヤーロープ2に与えられる負荷は、まず、上下方向(Y方向)に荷物を移動する際、下部滑車(移動シーブ)がワイヤーロープと接触し曲げが生じている箇所で発生する。この発生個所は、図4におけるAおよびBの箇所であり、曲げ回数の測定箇所となる。曲げ回数は、巻上巻下げによってこの測定箇所AおよびBを通過するワイヤーロープ2の単位長ワイヤーロープ毎に計測する。単位長ワイヤーロープについては後述する。一方、巻上用装置が水平方向(X方向、Z方向)に移動した場合には、上述したように、曲げによるダメージが発生する箇所(測定箇所AおよびB)だけでなく、ワイヤーロープ2の固定端部分(測定箇所C)においてもワイヤーロープ2に大きな負荷が発生する。したがって、振れ回数は、測定箇所A~Cにおいて計測する。また、上述したように、測定箇所Cでは、振れが発生する度に負荷が発生するので、計測についての考慮が必要となる。
次に、ワイヤーロープ2の各部分を複数に区分し、単位長ワイヤーロープ毎の計測を行う方法について、図5を用いて説明する。図5において、ワイヤーロープ2は、等間隔に複数に区分(この例では、100区分)している。この単位長に区分されたワイヤーロープを、単位長ワイヤーロープと称している。単位長ワイヤーロープは、それぞれを特定する番号(アドレス)L001~L100が設定される。曲げ回数、振れ回数は、滑車と接触する位置にある単位長ワイヤーロープのアドレスに対して、および固定端部の単位長ワイヤーロープのアドレスに対して、計測(カウント値の累積)が行われる。すなわち、曲げ回数の計測は、図4の測定箇所AおよびBにある番号の単位長ワイヤーロープが存在している場合、その単位長ワイヤーロープに対応するアドレスを計測(カウント値を累積)する。図5で言えば、下部滑車21とワイヤーロープが接触し曲げられている位置および上部滑車がワイヤーロープと接触し曲げられている位置に該当するアドレスにおいてカウントがなされる。
また、振れ回数の計測は、図4の計測箇所A~Cに存在する単位長ワイヤーロープに対応するアドレスに対して計測(カウント値を累積)が行われる。図5で言えば、曲げをカウントしている場所、およびワイヤーロープの固定端の位置に該当するアドレスにおいてカウントがなされる。
この実施例において、曲げ回数および振れ回数の計測は、巻上・横行インバータ制御部12が有するCPU(図示せず)において行われ、この制御部内の記憶部(図示せず)に記憶される。すなわち、巻上・横行インバータ制御部12の記憶部内には、常に最新の曲げ回数の計測値および振れ回数の計測値が格納されている。これにより、巻上・横行インバータ制御部12は、最新の曲げ回数および振れ回数を用いてワイヤーロープの状態判断(損傷の程度など)を実行することが可能である。ワイヤーロープの具体的な判断方法自体については上述したので、ここでは省略する。判断を行うタイミングは、予め定めた所定期間経過時に行うことでも良いし、曲げ回数や振れ回数が予め定めた閾値に達した場合に行うことでも良い。
ここで、曲げ回数と振れ回数を具体的にどのようにして計測するかについて説明する。
まず、曲げ回数の計測については、すでに多くの文献で公知であり、例えば特許文献1に詳細に記載されているので、詳細な説明は省略し、簡単な説明に留める。曲げ回数は、図4において各単位長ワイヤーロープが測定箇所AおよびBに位置する場合に計測が行われる。この計測にはワイヤーロープ2における各単位長ワイヤーロープがどの位置にあるのかを認識する必要がある。各単位長ワイヤーロープがどの位置にあるかは、図2に示すエンコーダ17の出力を利用して、巻上・横行インバータ制御部12が計測(図示しないCPUが実行)する。その結果、巻上・横行インバータ制御部12内の記憶部には、その時点の最新の曲げ回数計測値が各単位長ワイヤーロープ毎に保存される。
振れ回数の計測は、この実施例では次のようにして行われる。まず、各単位長ワイヤーロープが振れによる負荷発生部分の位置に存在するかどうかは、曲げ回数の場合と同様にエンコーダ17の出力を利用する。巻上・横行インバータ制御部12は、エンコーダの出力を使用して、各単位長ワイヤーロープの位置が振れによる負荷が加わる位置にあるかどうかを判断し、該当する場合には、その単位長ワイヤーロープに対応する番号(アドレス)においてカウントがなされ、計測が行われる。その結果、巻上・横行インバータ制御部12の記憶部には、その時点における振れ回数をカウントがなされ累積値として記憶される。なお、この実施例では、振れ回数に関しては、X方向(横行)と、Z方向(走行)とを区分して計測している。これは、この実施例に示すインバータ式クレーンの構成では、移動方向によって前記箇所の発生する負荷の程度が異なることが分かったため、それらを区分けして計測している。すなわち、X方向に移動すると、ワイヤーロープ2の固定端の箇所Cにより大きな負荷が発生し、Z方向に移動すると下部滑車の箇所Aと、上部滑車の箇所Bに大きな負荷が発生するので、それらを区別して計測し、後の状態判断に利用するためである。
例えば、Z方向に移動を開始した場合、測定箇所Aと、測定箇所Bに対しワイヤーロープ2の振れによる負荷が発生するので、測定箇所Aと測定箇所Bにおける単位長ワイヤーロープで区分した箇所の水平方向移動回数を図5に示すように1回カウントする。また、X方向の移動回数は、ワイヤーロープ2の特定の単位長ワイヤーロープで区分した箇所別に測定する。X方向移動時にワイヤーロープ2の振れによる負荷が発生する、測定箇所Cに掛かるワイヤーロープ2は、X方向の振れが発生する度に計数される。
なお、振れ回数は、必ずしもこのように区別して計測する必要はなく、X方向とZ方向を区別せず、水平方向移動に伴う振れ回数としてまとめても良い。
図6は、複数に区分された単位長ワイヤーロープに対応して曲げ回数と、振れ回数とを計測した値をテーブルとして示している。この計測値(テーブル)は、巻上・横行インバータ制御部12内の記憶部に記憶される。テーブル50に示す状態において、曲げ回数、振れ回数がカウントされた場合の例をテーブル60に示す。この例では、単位長ワイヤーテーブルに対応するアドレスL005、L010の曲げ回数の計測値がそれぞれ「2」「3」である場合に、Z方向に振れが生じた場合の振れ回数計測値を例示している。テーブル50において、Z方向振れが生じる前のL005、L010の値がそれぞれ「4」、「4」であるのに対し、振れが生じたのちにはテーブル60のL005、L010の値は、「4」から「5」にカウントされている。このように、振れが生じる度に、負荷が生じる位置に存在する単位長ワイヤーテーブルに対応したアドレスに数値をカウントする。ここでは、曲げについての計数の例は示していないが、曲げ回数についても同様に計測される。
なお、この実施例では、Z方向、Y方向移動時のワイヤーロープ2の振れによる負荷の発生回数の測定は水平方向の移動回数に基づいて計測すると述べたが、水平方向移動時には慣性によりワイヤーロープ2の振れは停止した後も残る。そこで、よく知られている荷振れ抑制の技術を用いることで、移動回数を精度良く測定することができる。
また、ワイヤーロープ2の振れによる負荷の発生回数の測定に際して、上記したように、吊り上げる荷重別に区分して測定することもできる。例えば、吊り上げる荷重を(1)無負荷(0~10%)、(2)軽負荷(11%~25%)、(3)中負荷(26%~50%)、(4)重負荷(51%~75%)、(5)超重負荷(75%~100%)、(6)過負荷(101%以上)で区分し、荷重別のワイヤーロープ2の振れによる負荷の発生回数を測定するようにしても良い。また、前記荷振れ抑制の技術を用いなくても、例えば、振り子の周期を求める方程式(2π√(重心位置/重力加速度))でワイヤーロープ2の振れ周期を求め、前記周期から回数をカウントしても良い。その際は、通常、ワイヤーロープ2の振れを止めるための操作(以下追いノッチ操作と称す)を考慮し、1回の運転でワイヤーロープ2の振れは最小で2回に抑えることができるので、例えば、1回の運転でワイヤーロープ2の振れ回数を2回としてカウントする等の手段を用いれば、より精度の高い前記負荷の測定が可能になる。
ここで、追いノッチ操作とは、図7、図8に示すように、水平方向への動作開始時と、動作終了時に発生するワイヤーロープ2の振れを、例えば終了時の場合は操作入力OFFで停止した際、荷物が行き過ぎた分だけ、動方向に操作ONで移動させることで、荷物の振れを無くす操作を言う。追いノッチ操作により、ワイヤーロープ2の振れを無くすことができる。図7は振れ動作開始時の追いノッチ操作を示す図であり、図8は動作終了時の追いノッチ操作を示す図である。
次に、本発明の実施例におけるワイヤーロープ2の振れによる負荷の発生回数の測定処理を、図9を用いて説明する。図9は、巻上・横行インバータ制御部12内に内蔵されたCPUによる制御処理を示す。ここで、Z方向の移動回数は走行インバータ制御部19にてカウントされるが、巻上・横行インバータ制御部12と、走行インバータ制御部19をデータ通信させることで、Z方向の移動回数を巻上・横行インバータ制御部12が取得可能とする。また、例えばZ方向の移動回数を、巻上・横行インバータ制御部12で直接カウントさせても良い。
図9において、負荷回数測定処理は、例えば、10ms毎に定期的に起動させ、まず、ブレーキが開放中であるか確認する(S101)。これは、インバータ式クレーンはインバータ駆動のため、操作指示をOFFしても、即座に停止せず、操作OFFした時の運転速度から、ブレーキを制動するまでの運転速度まで、減速運転をするためであり、操作指示をキーに測定すると、実際の動きとズレが生じるためである。
ブレーキ開放中ではない場合、すなわちブレーキ制動中の場合は、動作開始フラグをOFFする(S108)。ブレーキ開放中の場合、動作開始フラグ状態を確認する(S102)。動作開始フラグがONの場合、何もせず、処理を終了し、OFFの場合は、まず、動作開始フラグをONする(S103)。次に、該当する測定箇所、例えば、実施例記載の箇所であると、測定箇所A21と測定箇所B22にある、ワイヤーロープ2を特定の単位長で区分した箇所(以下位置区分と称す)を読み出す(S104)。
次に、測定箇所Cであるか判断し(S105)、測定箇所A、Bであるならば、前記測定箇所に該当する位置区分の負荷回数をカウントする(S106)。測定箇所Cの場合は、測定箇所Aにある位置区分の負荷回数をカウントする(S107)。
測定した負荷回数は、巻上・横行インバータ制御部12に保存すると共に、表示する。このようにして、各単位長ワイヤーロープにおける振れ回数を計測することができる。
このように本発明の実施例によれば、ワイヤーロープの曲げによる負荷の回数だけでなく、水平方向に移動させた場合に発生する吊り荷の振れによる、ワイヤーロープへの負荷の回数を測定することができるのでより正確なワイヤーロープの状態を判断することができる。また、ワイヤーロープ2のどの部分を重点的に点検したら良いかがわかるので、ワイヤーロープ2の断線等の早期発見が可能となる。また、ワイヤーロープ2の寿命予測も、ワイヤーロープ2の断線等を発見した時の、負荷回数を積み上げていくことで可能になるため、計画的な予防保全活動が可能になる、ワイヤーロープ負荷測定装置を提供することができる。
さて、ワイヤーロープの状態判断は、巻上・横行インバータ制御部12で行わず、管理用の計算機で行うことができることは上述したとおりである。図10は、クレーンから遠隔にある管理用の計算機においてワイヤーロープの状態を判断することを概念的に示している。図10において、巻上・横行インバータ制御部12が計測した曲げ回数及び振れ回数計測値は、通信回路70を介して、外部の管理用の計算機80に伝送される。計算機80はこのデータを内部の記憶部に一旦記憶する。そして、このデータを利用して、ワイヤーロープの状態を判断する。判断結果は、表示装置90に表示する。
なお、表示装置90に単位長ワイヤーロープにおける曲げ回数、振れ回数を表示しても良く、その表示例を図11に示す。図11は、図4に示した測定箇所A~Cにおける曲げ回数及び振れ回数をグラフ化して表示装置の画面に表示した表示例を示している。図11の表示の場合、L005、L006の曲げ回数はL054、L055と比べると少ないが、L054,L055では大きい。また、振れ回数は、L003、L004で大きい。これは、ワイヤーロープ端部は振れによる負荷の発生が大きいためである。ワイヤーロープの端部における振れ回数の総計を右側の棒グラフに示している。このような表示を行うことにより、重点的に点検する部位(単位長ワイヤーロープ)の判断が可能となり、ワイヤーロープ2の断線等の早期発見が可能となる。
1…フック、2…ワイヤーロープ、3…巻上誘導電動機、4…巻上用装置、5…横行誘導電動機、6…横行用装置、7…横行用ガーダー、8…走行誘導電動機、9…走行用装置、10…走行用ガーダー、11…巻上・横行インバータ装置、12…巻上・横行インバータ制御部、13…操作入力装置、14…巻上用インバータ、15…横行用インバータ、16…ブレーキ、17…エンコーダ、18…走行用インバータ装置、19…走行インバータ制御部、20…走行用インバータ、21…移動シーブ(下部滑車)、22…固定シーブ、23…ワイヤーロープ固定端、24…ドラム(上部滑車)、

Claims (4)

  1. ドラムとフックを有する下部滑車との間に巻回され端部を固定端に固定するようにしたワイヤーロープを有し該ワイヤーロープの巻上及び巻下を行う巻上用装置と、該巻上用装置を水平方向に移動させる水平移動用装置と、前記巻上用装置および前記水平移動用装置を制御する制御部とを有するクレーンにおけるワイヤーロープ監視装置であって、
    前記巻上用装置を駆動する巻上電動機の回転量に応じて速度・位置を検知するためのエンコーダと、前記ワイヤーロープの水平方向移動時の振れ角が一定量以上振れた回数をカウントする振れ検知手段とを設け、
    前記制御装置は、
    前記ワイヤーロープを夫々が一定の長さで複数の単位長ワイヤーロープに区分し、複数の前記単位長ワイヤーロープのそれぞれの位置を特定するアドレスを設定しておき、
    前記ワイヤーロープの交換直後から、前記巻上用装置による巻上及び巻下を行う場合に、前記ドラムと複数の前記単位長ワイヤーロープとが接触し曲げが生じる位置を通過するたびに、および前記下部滑車と複数の前記単位長ワイヤーロープとが接触し曲げが生じる位置を通過するたびに、夫々の前記単位長ワイヤーロープにおける曲げ回数を、前記エンコーダの位置情報と前記アドレスとを関連付けて計測し、その累計値を前記単位長ワイヤーロープ毎の最新の曲げ回数として記憶するとともに、
    前記ワイヤーロープの交換直後から、水平移動のための巻上後に前記水平移動用装置が水平移動する場合に、前記下部滑車と複数の前記単位長ワイヤーロープと接触し曲げが生じて負荷が加わる位置および前記ワイヤーロープが前記ドラムと接触し曲げが生じて負荷が加わる位置に存在する前記単位長ワイヤーロープに対し、前記エンコーダの位置情報と前記アドレスと関連付けて前記振れ検知手段が検知した振れ回数をカウントし、該カウントの累積値を前記単位長ワイヤーロープにおける最新の振れ回数として記憶し、さらに前記固定端の位置に対応する前記単位長ワイヤーロープについては前記振れ検知手段が振れ回数をカウントするたびに該カウントを累積して前記単位長ワイヤーロープにおける前記最新の振れ回数として記憶し、
    前記単位長ワイヤーロープにおける記憶された前記最新の曲げ回数および前記最新の振れ回数に基づいて、前記ワイヤーロープの状態判断を行うワイヤーロープ監視装置。
  2. 請求項1記載のワイヤーロープ監視装置において、
    少なくとも前記曲げ回数計測の際に前記ワイヤーロープに加わる荷重と、前記振れ回数計測の際に前記ワイヤーロープに加わる荷重のいずれかの荷重を計測する荷重計測部を設け、
    前記制御部は、前記ワイヤーロープの交換直後から、前記曲げ回数計測の際あるいは前記振れ回数計測の際に、前記単位長ワイヤーロープ毎に前記荷重値が予め定めた荷重区分のどの区分に該当するかを判断し、該区分された前記荷重値の回数を累積カウントして荷重区分ごとの前記単位長ワイヤーロープにおける最新の荷重区分値を記憶しておき、前記単位長ワイヤーロープ毎の前記最新の曲げ回数、前記最新の振れ回数、および前記最新の荷重区分値を利用して前記ワイヤーロープの状態判断を行うこと、を特徴とするワイヤーロープ監視装置。
  3. ドラムとフックを有する下部滑車との間に巻回され端部を固定端に固定するようにしたワイヤーロープを有し該ワイヤーロープの巻上及び巻下を行う巻上用装置と、該巻上用装置を水平方向に移動させる水平移動用装置とを有するクレーンにおけるワイヤーロープ監視方法であって、
    前記巻上用装置を駆動する巻上電動機の回転量に応じて速度・位置を検知するためのエンコーダと、前記ワイヤーロープの水平方向移動開始時および移動停止時の振れ角が一定量以上振れた回数をカウントする振れ検知手段とを備えており、
    前記ワイヤーロープを夫々が一定の長さで複数の単位長ワイヤーロープに区分し、複数の前記単位長ワイヤーロープのそれぞれの位置を特定するアドレスを設定しておき、
    前記ワイヤーロープの交換直後から、前記巻上用装置による巻上及び巻下を行う場合に、前記ドラムと複数の前記単位長ワイヤーロープとが接触し曲げが生じる位置を通過するたびに、および前記下部滑車と複数の前記単位長ワイヤーロープとが接触し曲げが生じる位置を通過するたびに、夫々の前記単位長ワイヤーロープにおける曲げ回数を、前記エンコーダの位置情報と前記アドレスとを関連付けて計測し、その累計値を前記単位長ワイヤーロープ毎の最新の曲げ回数として記憶するとともに、
    前記ワイヤーロープの交換直後から、水平移動のための巻上後に前記水平移動用装置が水平移動する場合に、前記下部滑車と複数の前記単位長ワイヤーロープと接触し曲げが生じて負荷が加わる位置および前記ワイヤーロープが前記ドラムと接触し曲げが生じて負荷が加わる位置に存在する前記単位長ワイヤーロープに対し、前記エンコーダの位置情報と前記アドレスと関連付けて前記振れ検知手段が検知した振れ回数をカウントし、該カウントの累積値を前記単位長ワイヤーロープにおける最新の振れ回数として記憶し、さらに前記固定端の位置に対応する前記単位長ワイヤーロープについては前記振れ検知手段が振れ回数をカウントするたびに該カウントを累積して前記単位長ワイヤーロープにおける前記最新の振れ回数として記憶し、
    前記単位長ワイヤーロープにおける記憶された前記最新の曲げ回数および前記最新の振れ回数に基づいて、前記ワイヤーロープの状態判断を行うワイヤーロープ監視方法。
  4. 請求項3記載のワイヤーロープ監視方法において、
    少なくとも前記曲げ回数計測の際に前記ワイヤーロープに加わる荷重と、前記振れ回数計測の際に前記ワイヤーロープに加わる荷重のいずれかの荷重を計測する荷重計測部を設け、
    前記ワイヤーロープの交換直後から、前記曲げ回数計測の際あるいは前記振れ回数計測の際に、前記単位長ワイヤーロープ毎に前記荷重値が予め定めた荷重区分のどの区分に該当するかを判断し、該区分された前記荷重値の回数を累積カウントして荷重区分ごとの前記単位長ワイヤーロープにおける最新の荷重区分値を記憶しておき、前記単位長ワイヤーロープ毎の前記最新の曲げ回数、前記最新の振れ回数、および前記最新の荷重区分値を利用して前記ワイヤーロープの状態判断を行うことを特徴とするワイヤーロープ監視方法。
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