JP5348645B2 - ワイヤーロープの素線破断検出治具 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば乗りかごやカウンタウエイトを吊り下げているエレベータ用のワイヤーロープに異常があるか否かを検出する際に用いる素線破断検出治具に関する。
エレベータの乗りかごやカウンタウエイトは、複数本のワイヤーロープにより昇降路内に吊り下げられている。ワイヤーロープは、例えば炭素鋼やステンレス鋼で造られた複数本の素線をより合わせた複数本のストランドを有し、これらストランドを心鋼の周りに所定のピッチでより合わせることで構成されている。
エレベータ用のワイヤーロープは、据え付け時に専用の治具や装置を用いて乗りかごのシーブ、カウンタウエイトのシーブおよび巻上機のシーブに慎重に巻き掛けている。ワイヤーロープの据え付け時において、ワイヤーロープの引き伸ばし方などが悪いと、ワイヤーロープに形崩れが生じる。特にワイヤーロープの途中に輪ができる、いわゆるキンクと生じる形崩れが発生すると、ワイヤーロープの強度が急激に劣化するのを否めない。ワイヤーロープの強度低下は、素線の破断ひいてはストランドの破断を招く一つの要因となっている。
この対策として、従来から簡便な方法でワイヤーロープの素線に異常があるか否かを検出するハンディタイプの検出治具が種々提案されている。例えば、特許文献1に開示された検出治具は、ワイヤーロープを間に挟んで向かい合う一対の枠部材を備えている。枠部材は、ヒンジを支点に相対的に開閉可能に連結されており、夫々の枠部材の内面に紙、粘土板および石膏板のような壊れ易い検出部材が取り付けられている。
このような検出治具は、ワイヤーロープの軸方向に移動させることで、ワイヤーロープの素線の異常を検出するようになっている。具体的には、ストランドを構成する素線が破断していた場合、素線の破断端部は、ワイヤーロープの径方向外側に向けて飛び出している。そのため、素線の破断端部が枠部材の間を通過する時に検出部材に引っ掛かるとともに、この検出部材を引き裂いて破壊する。これにより、作業員は、破壊された検出部材を目視することで、ワイヤーロープの素線に破断が生じていることを認識することができる。
さらに、他の例として、ワイヤーロープを一対の枠部材の間で挟み込むようにした検出治具が知られている。この検出治具によると、各枠部材は、半円筒状をなす複数の凹部を有し、これら凹部はワイヤーロープの並び方向に沿って一列に並んでいる。枠部材の一端は、ヒンジを介して互いに連結されている。この連結により、一対の枠部材は、凹部が互いに合致する閉じ位置と、凹部が離間する開き位置との間で開閉可能となっている。
枠部材の凹部は、枠部材が閉じ位置に達した時に、互いに協働してワイヤーロープが摺動可能に貫通する挿通孔を規定している。挿通孔を構成する凹部の内面は、塗装されている。
このような検出治具によると、素線の破断端部が挿通孔を通過する時に、素線の破断端部が凹部の内面に接触する。この接触により、素線の破断端部によって塗料が掻き取られるので、凹部の内面に傷が付く。これにより、作業員は凹部の内面を目視することで、ワイヤーロープの素線に破断が生じていることを認識することができる。
特開2004−307116号公報
素線によって破壊される検出部材を用いた検出治具では、検出部材が破壊される度に検出部材を新規なものと交換しなくてはならない。そのため、長尺なワイヤーロープを全長に亘って点検する過程で、検出部材の交換作業を余儀なくされることがあり、ワイヤーロープの素線が破断しているか否かを検出する作業に時間を要するのを避けられない。
さらに、枠部材の凹部の間でワイヤーロープを挟み込むようにした検出治具によると、ワイヤーロープを一方の枠部材の凹部に収めた後、他方の枠部材を一方の枠部材に突き合わせる作業を必要とする。
この際、各凹部は、ワイヤーロープの半径に相当する程度の深さを有する半円筒状をなしているので、ワイヤーロープを一方の枠部材の凹部に収めた状態においても、ワイヤーロープの径方向に沿う半分の部分は、凹部の外に食み出ている。
このため、ワイヤーロープを一方の枠部材の凹部の中にしっかりと保持することができず、他方の枠部材を一方の枠部材に突き当てるまでの間に、ワイヤーロープが凹部から脱落し易くなる。特に複数本のワイヤーロープを一つ一つ凹部に収める時に、先に凹部に収めたワイヤーロープが凹部から抜け出てしまう虞があり、ワイヤーロープを検出治具にセットする際の作業性が悪くなる。
本発明の目的は、ワイヤーロープの素線に異常があるか否かの検出作業を簡便に行えるとともに、ワイヤーロープを第1の溝と第2の溝との間に容易にセットすることができ、作業性に優れたハンディタイプの素線破断検出治具を得ることにある。
上記目的を達成するため、本発明の一つの形態に係る素線破断検出治具は、
複数本の素線をより合わせたストランドを有するワイヤーロープを間に挟んで振り分けられ、作業者が手で把持する一対のハンドルと、
上記ハンドルの間に跨って固定された第1の検出部材と、
一端が上記一方のハンドルに回動可能に支持されるとともに、他端が上記他方のハンドルに取り外し可能に支持された第2の検出部材と、を含んでいる。
上記第1の検出部材は、上記ハンドルの間に跨る直線状の縁部と、この縁部に形成され、上記ワイヤーロープが摺動可能に入り込む第1の溝と、を有するばね鋼で構成されている。上記第2の検出部材は、上記ハンドルの間に跨る直線状の縁部と、この縁部に形成され、上記ワイヤーロープが摺動可能に入り込む第2の溝と、を有するばね鋼で構成されている。
上記第2の検出部材は、上記一端を支点として上記第1の溝と上記第2の溝との間で上記ワイヤーロープを径方向から挟み込む第1の位置と、上記第1の検出部材から遠ざかって上記第1の溝および上記第2の溝による上記ワイヤーロープの挟み込みを解除する第2の位置との間で回動可能である。
上記第1の溝および上記第2の溝は、上記第2の検出部材が上記第1の位置に回動された時に、互いに協働して上記ワイヤーロープが摺動可能に貫通する貫通孔を規定するとともに、上記第1の溝および上記第2の溝の少なくともいずれか一方は、上記ワイヤーロープの径方向に沿う深さ寸法が上記ワイヤーロープの直径よりも大きいことを特徴としている。
本発明によれば、ワイヤーロープの素線に異常があるか否かの検出作業を効率よく簡単に行うことができる。それとともに、ワイヤーロープを検出治具に取り付ける時に、ワイヤーロープが検出治具から外れ難くなり、検出治具に対するワイヤーロープの取り付け作業を容易に行うことができる。
以下本発明の第1の実施の形態を、エレベータに適用した図1ないし図8に基いて説明する。
図1は、トラクション式のエレベータ1の構造を概略的に示している。エレベータ1は、昇降路2の上端に機械室3を有している。昇降路2には、乗りかご4およびカウンタウエイト5が図示しないガイドレールを介して昇降動可能に支持されている。乗りかご4は、かご用シーブ6を有するとともに、カウンタウエイト5は、ウエイト用シーブ7を有している。
機械室3に巻上機8が据え付けられている。巻上機8は、トラクションシーブ9を有している。トラクションシーブ9に例えば10本のメインロープ10が巻き掛けられている。メインロープ10は、ワイヤーロープの一例であり、乗りかご4およびカウンタウエイト5を昇降路2内に吊り下げている。
メインロープ10は、昇降路2の上端部とかご用シーブ6との間に跨る第1の部分10aと、かご用シーブ6とトラクションシーブ9との間に跨る第2の部分10bと、トラクションシーブ9とウエイト用シーブ7との間に跨る第3の部分10cと、ウエイト用シーブ7と昇降路2の上端部との間に跨る第4の部分10dとを有している。メインロープ10の第1ないし第4の部分10a〜10dは、夫々弛むことなく直線状に引っ張られているとともに、各シーブ6,7,9の軸方向に所定のピッチで一列に並んでいる。
図2に示すように、各メインロープ10は、心鋼11の周りに複数本のストランド12を所定のピッチでより合わせることで構成されている。各ストランド12は、複数本の素線13をより合わせたものであり、素線13としては例えば炭素鋼やステンレス鋼が用いられている。本実施の形態では、例えば直径が5mmのメインロープ10を使用している。
メインロープ10は、かご用シーブ6、ウエイト用シーブ7およびトラクションシーブ9に強く巻き掛けられているので、各シーブ6,7,9との間に生じる摩擦を繰り返し受けている。そのため、ストランド12を構成する素線13が使用中に次第に擦り減るのを避けられず、最終的には素線13の破断に至る。
さらに、メインロープ10をエレベータ1に据え付ける時に、メインロープ10の引き伸ばし方などが悪いと、メインロープ10に形崩れが生じることがある。形崩れは、メインロープ10の強度を劣化させるとともに、素線13の破断ひいてはストランド12の破断を招く一つの要因となる。
図3〜図7は、メインロープ10の据え付け後に、メインロープ10の素線13に異常があるか否かを検出する際に用いるハンディタイプの素線破断検出治具20を開示している。
検出治具20は、第1の検出部材21、第2の検出部材22および一対の固定ねじ23a,23bを備えている。第1の検出部材21としては、例えば厚さが9mmの鋼板が用いられている。第1の検出部材21は、メインロープ10の並び方向に延びる長方形状をなすとともに、メインロープ10の並び方向に沿う真っ直ぐな縁部24を有している。
図4および図6に示すように、第1の検出部材21の縁部24に、第1の連結部25および複数の第1の溝26が形成されている。第1の連結部25は、縁部24に第1の検出部材21の厚みを減じる方向の段差27を形成している。段差27は、第1の検出部材21の板厚の半分の深さ寸法を有するように、第1の検出部材21の上面から凹んでいるとともに、縁部24の全長に亘って延びている。そのため、第1の連結部25は、段差27に臨む平坦な接合面25aを有し、この接合面25aは、第1の検出部材21の上方を向いている。
図8に示すように、第1の溝26は、第1の連結部25を厚み方向に貫通するとともに、縁部24に開口している。第1の溝26は、メインロープ10の配置間隔に対応するように、所定のピッチで一列に並んでいる。第1の溝26の終端26aは、メインロープ10の外周面の曲率に対応するように円弧状に湾曲されている。
さらに、第1の溝26は、その開口幅Wが例えば5.2mmに設定されているとともに、メインロープ10の径方向に沿う深さ寸法Dが、メインロープ10の直径よりも大きく設定されている。このため、複数本のメインロープ10は、個々に第1の溝26に入り込むとともに、主に第1の溝26の終端26aに摺動可能に接するようになっている。
図3および図4に示すように、第1の検出部材21は、一対のねじ挿通孔28a,28bを有している。一方のねじ挿通孔28aは、第1の検出部材21の長手方向に沿う一端に位置している。他方のねじ挿通孔28bは、第1の検出部材21の長手方向に沿う他端に位置している。ねじ挿通孔28a,28bは、第1の検出部材21の奥行き方向に沿って互いに平行に配置されており、これらねじ挿通孔28a,28bの間に第1の溝26が位置している。
第2の検出部材22としては、例えば厚さが9mmの鋼板が用いられている。第2の検出部材22は、メインロープ10の並び方向に延びる長方形状をなしている。第2の検出部材22は、第1の検出部材21の縁部24と向かい合う縁部30を有し、この縁部30は、メインロープ10の並び方向に沿って真っ直ぐに延びている。
図4および図6に示すように、第2の検出部材22の縁部30に、第2の連結部31および複数の第2の溝32が形成されている。第2の連結部31は、縁部30に第2の検出部材22の厚みを減じる方向の段差33を有している。段差33は、第2の検出部材22の板厚の半分の深さ寸法を有するように第2の検出部材22の下面から凹んでいるとともに、縁部30の全長に亘って延びている。
そのため、第2の連結部31は、段差33に臨む平坦な接合面31aを有し、この接合面31aは、第2の検出部材22の下方を向いている。よって、第1の検出部材21の段差27と第2の検出部材22の段差33は、互いに噛み合うように逆向きに凹んでいる。
第2の溝32は、第2の連結部31を厚み方向に貫通するとともに、縁部30に開口している。第2の溝32は、メインロープ10の配置間隔に対応するように、所定のピッチで一列に並んでいる。第2の溝32の終端32aは、メインロープ10の外周面の曲率に対応するように円弧状に湾曲されている。
さらに、第2の溝32は、その開口幅Wが例えば5.2mmに設定されているとともに、メインロープ10の径方向に沿う深さ寸法Dが、メインロープ10の直径よりも大きく設定されている。このため、複数本のメインロープ10は、個々に第2の溝32に入り込むとともに、主に第2の溝32の終端32aに摺動可能に接するようになっている。
図3および図4に示すように、第2の検出部材22は、一対のねじ挿通孔34a,34bおよびナット35a,35bを有している。一方のねじ挿通孔34aは、第2の検出部材22の長手方向に沿う一端に位置している。他方のねじ挿通孔34bは、第2の検出部材22の長手方向に沿う他端に位置している。ねじ挿通孔34a,34bは、第2の検出部材22の奥行き方向に沿って互いに平行に配置されており、これらねじ挿通孔34a,34bの間に第2の溝32が位置している。
ナット35a,35bは、第2の検出部材22のうち第2の溝32が位置する縁部30とは反対側の端部に例えば溶接等の手段により固定されている。ナット35a,35bは、ねじ挿通孔34a,34bの開口端に位置している。
第1の検出部材21および第2の検出部材22は、第1の位置と第2の位置との間で変位可能となっている。図3および図6は、第1および第2の検出部材21,22が第1の位置に変位した状態を開示している。第1の位置では、第1の連結部25の接合面25aと第2の連結部31の接合面31aとが重なり合って、第1および第2の連結部25,31が第1および第2の検出部材21,22の厚み方向に互いに噛み合っている。
この噛み合いにより、第1の検出部材21および第2の検出部材22は、第1の溝26と第2の溝32とが合致するように一体的に組み合わされている。第1の溝26の終端26aおよび第2の溝31の終端31aは、第1および第2の溝26,32が合致した時に、互いに協働してメインロープ10が摺動可能に貫通する複数の円形の貫通孔36を形成するようになっている。
図4は、第1および第2の検出部材21,22が第2の位置に変位した状態を開示している。第2の位置では、第1の連結部25の接合面25aと第2の連結部31の接合面31aとが互いに切り離されて、第1の検出部材21が第2の検出部材22から分離されている。
固定ねじ23a,23bは、第1および第2の検出部材21,22が第1の位置にある時に、第1の検出部材21のねじ挿通孔28a,28bから第2の検出部材21のねじ挿通孔34a,34bに挿入されている。固定ねじ23a,23bの先端は、ねじ挿通孔34a,34bを貫通してナット35a,35bにねじ込まれている。
このねじ込みにより、第1の検出部材21が第2の検出部材22に連結されて、第1および第2の検出部材21,22が第1の位置に保持されている。よって、本実施の形態では、固定ねじ23a,23bおよびナット35a,35bが第1および第2の検出部材21,22を第1の位置に保持する固定手段を構成している。
このような構成の検出治具20は、メインロープ10の保守点検を実行する作業員がバッグ等に入れて持ち運ぶことができるように、小型・軽量化されている。メインロープ10の保守点検を行う時、作業員は検出治具20をバッグの中から取り出して、以下のような手順で作業を実行する。
まず、作業員は昇降路2に入り、例えば昇降路2の最上部に移動された乗りかご4の天井の上に載って、10本のメインロープ10をまとめて検査する。具体的には、乗りかご4の天井の上で検出治具20の固定ねじ23a,23bを弛めて、第1の検出部材21と第2の検出部材22とを第2の位置に変位させる。第2の位置では、第1の検出部材21と第2の検出部材22とが互いに切り離されている。
この状態で、図4に示すように、第1の検出部材21の第1の溝26の中に、乗りかご4を吊り下げている10本のメインロープ10を個々に挿入する。次に、第1の検出部材21の第1の連結部25に第2の検出部材22の第2の連結部31を噛み合わせて、第1の溝26と第2の溝32とを互いに合致させる。
これにより、第1の検出部材21と第2の検出部材22とが第1の位置に変位する。第1の位置では、第1の溝26の終端26aと第2の溝32の終端32aとの間に円形の貫通孔36が形成される。10本のメインロープ10は、個々に第1の溝26の終端26aと第2の溝32の終端32aとの間で挟み込まれて、貫通孔36を摺動可能に貫通している。
次に、固定ねじ23a,23bを第1の検出部材21のねじ挿通孔28a,28bから第2の検出部材22のねじ挿通孔34a,34bに挿通するとともに、固定ねじ23a,23bの先端をナット35a,35bにねじ込んでいく。このねじ込みにより、図3および図7に示すように、第1の検出部材21と第2の検出部材22とが互いに連結されて第1の位置に保持され、検出治具20に対するメインロープ10の取り付けが完了する。
この状態で、検出治具10を作業員が両手でしっかりと保持し、エレベータ1をゆっくりと動かす。これにより、メインロープ10が検出治具10の貫通孔36を通過する。メインロープ10の素線13が破断していると、図2や図5に示すように、素線13の破断端部13aがメインロープ10の径方向外側に向けて張り出している。そのため、素線13の破断端部13aが検出治具20の貫通孔36に達した時に、破断端部13aが第1の溝26又は第2の溝32に引っ掛かる。
これにより、検出治具20に衝撃が伝わったり、金属同士が擦れ合うような異音が発生するので、作業員は検出治具20を保持している手に伝わる感触や音に基いて素線13に異常があることを認識することができる。
さらに、貫通孔36は、第1および第2の検出部材21,22の厚みに対応する9mmの長さ寸法を有している。このため、例えばメインロープ10にキンクと称する形崩れが生じていた場合、このメインロープ10の形崩れの箇所が貫通孔36を通過する時に、大きな抵抗が生じる。
この結果、作業員が手で保持している検出治具20が振動したり、傾くことがある。そのため、作業員は、検出治具20を保持している手に伝わる感触からメインロープ10に形崩れが生じていることを知ることができる。
このような第1の実施の形態によれば、作業員が目視では発見が困難なメインロープ10の形崩れおよび素線13の破断箇所を、検出治具20を用いて容易に検出することができる。
メインロープ10に異常があるか否かの検出は、検出治具20にメインロープ10が強く擦れ合ったり、素線13の破断端部13aが引っ掛かることで検出されるので、一つの検出治具20を繰り返し使用できる。それとともに、検出作業の途中で検出治具20を交換したり、検出用の部品を交換する必要はなく、メインロープ10に異常があるか否かの検出に要する作業時間を短縮することができる。
さらに、上記構成によると、最初にメインロープ10が入り込む第1の検出部材21の第1の溝26は、メインロープ10の径方向に沿う深さ寸法Dがメインロープ10の直径よりも大きく形成されている。このため、メインロープ10は、第1の溝26から径方向に食み出すことなく第1の溝26の中に完全に入り込むので、第1の溝26に通したメインロープ10が第1の溝26から外れ難くなる。
すなわち、10本のメインロープ10を一本づつ第1の溝26に通していく時に、先に第1の溝26に通したメインロープ10が第1の溝26から外れ難くなる。このため、10本のメインロープ10を短時間のうちに容易に第1の検出部材21にセットすることができる。
加えて、第1の溝26にメインロープ10を通してから第1の検出部材21に第2の検出部材22を固定するまでの期間中に、10本のメインロープ10を第1の溝26にしっかりと保持することができる。このため、第1の検出部材21と第2の検出部材22との連結に手間を要することもなく、10本のメインロープ10を貫通孔36の内側に容易に通すことができる。
よって、検出治具20にメインロープ10を取り付ける際の作業性が良好となり、この点でもメインロープ10に異常があるか否かの検出に要する作業時間の短縮に寄与するといった利点がある。
さらに、上記構成によると、第1の検出部材21の段差27と第2の検出部材22の段差33は、第1および第2の検出部材21,22の厚み方向に沿う向きが互いに逆となっている。このため、第1の検出部材21と第2の検出部材22とを組み合わせた時に、第1の連結部25と第2の連結部31との重なり部分に第1および第2の検出部材21,22の厚み方向に沿う段付きが生じることはない。
よって、検出治具20がフラットな板状となって、検出治具20の全体の厚み寸法を第1および第2の検出部材21,22の厚みと同等の9mmとすることができる。したがって、検出治具20を薄くコンパクトに形成することができ、使い易い検出治具20を得ることができる。
なお、本発明は上記第1の実施の形態に特定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施可能である。
第1の実施の形態では、第1の検出部材21と第2の検出部材22とを互いに分離可能としたが、例えば第1の検出部材21の長手方向に沿う一端と第2の検出部材22の長手方向に沿う一端との間を、ヒンジを介して回動可能に連結するようにしてもよい。
さらに、第1および第2の検出部材21,22の材質は金属に限らず、例えば硬質な合成樹脂材料を用いてもよい。
一方、図9ないし図13は、本発明の第2の実施の形態に係る素線破断検出治具40を開示している。
検出治具40は、一対のハンドル41a,41b、第1の検出部材としての固定板42および第2の検出部材としての可動板43を備えている。ハンドル41a,41bとしては、例えば板厚が5mm程度の金属板が用いられている。ハンドル41a,41bは、作業員が手で把持し得るような大きさを有する長方形状をなすとともに、メインロープ10の並び方向に互いに離間して配置されている。
固定板42は、例えば板厚が1mmのばね鋼により形成されている。固定板42は、メインロープ10の並び方向に延びる長方形状をなすとともに、メインロープ10の並び方向に沿う真っ直ぐな縁部44を有している。
固定板42の縁部44に複数の第1の溝45が形成されている。第1の溝45は、固定板42を厚み方向に貫通するとともに、縁部44に開口している。第1の溝45は、メインロープ10の配置間隔に対応するように、所定のピッチで一列に並んでいる。第1の溝45の終端45aは、メインロープ10の外周面の曲率に対応するように円弧状に湾曲している。
さらに、第1の溝45は、その開口幅Wが例えば5.2mmに設定されているとともに、メインロープ10の径方向に沿う深さ寸法Dが、メインロープ10の直径よりも大きく設定されている。このため、10本のメインロープ10は、個々に第1の溝45に入り込むとともに、主に第1の溝45の終端45aに摺動可能に接するようになっている。
固定板42の長手方向に沿う一端は、ねじ46を介して一方のハンドル41aに固定されている。固定板42の長手方向に沿う他端は、ねじ47を介して他方のハンドル41bに固定されている。そのため、固定板42は、ハンドル41a,41bの間に跨って固定されている。
可動板43は、固定板42と同様に例えば板厚が1mmのばね鋼により形成されている。可動板43は、メインロープ10の並び方向に延びる長方形状をなすとともに、メインロープ10の並び方向に沿う真っ直ぐな縁部49を有している。
可動板43の縁部49に複数の第2の溝50が形成されている。第2の溝50は、可動板43を厚み方向に貫通するとともに、縁部49に開口している。第2の溝50は、メインロープ10の配置間隔に対応するように、所定のピッチで一列に並んでいる。第2の溝50の終端50aは、メインロープ10の外周面の曲率に対応するように円弧状に湾曲している。
さらに、第2の溝50は、その開口幅Wが例えば5.2mmに設定されているとともに、メインロープ10の径方向に沿う深さ寸法Dが、メインロープ10の直径と同等もしくはメインロープ10の直径よりもやや小さく設定されている。このため、10本のメインロープ10は、個々に第2の溝50に入り込むとともに、主に第2の溝50の終端50aに摺動可能に接するようになっている。
可動板43の長手方向に沿う一端は、ねじ51を介して一方のハンドル41aに回動可能に支持されている。ねじ51は、可動板43の一端に開けた略三角形状のばか孔52を貫通している。
可動板43の長手方向に沿う他端にスリット53が形成されている。スリット53は、可動板43の長手方向と直交する方向に延びているとともに、可動板43の縁部49に開口している。可動板43の他端は、ねじ54を介して他方のハンドル41bに取り外し可能に支持されている。ねじ54は、スリット53を摺動可能に貫通している。
そのため、可動板43は、ねじ51,54を弛めてハンドル41a,41bに対する締め付けを解除した状態で、ねじ51を支点に第1の位置と第2の位置との間で回動変位が可能となっている。
図9は、可動板43が第1の位置に回動された状態を開示している。第1の位置では、可動板43の縁部49と固定板42の縁部44とが互いに平行をなすとともに、縁部49が縁部44の上に重なり合っている。これにより、固定板42の第1の溝45と可動板43の第2の溝50とが互いに合致している。第1の溝45の終端45aおよび第2の溝50の終端50aは、第1の溝45と第2の溝50とが合致した時に、互いに協働してメインロープ10が摺動可能に貫通する複数の円形の貫通孔55を形成するようになっている。
図12は、可動板43が第2の位置に回動された状態を開示している。第2の位置では、可動板43がねじ51を支点に固定板42から遠ざかる方向に回動されて、固定板42の縁部44と可動板43の縁部49との間に、メインロープ10を導くための空間57が形成されている。
図10および図11に示すように、他方のハンドル41bの下面に振動検知装置60が支持されている。振動検知装置60は、ばね鋼からなる固定板42および可動板43がメインロープ10との接触により振動した時に、固定板42および可動板43からハンドル41bに伝わる振動を検知するためのものである。
振動検知装置60は、固定板42および可動板43の振動を検出した時に、他方のハンドル41bの上面に取り付けた発光ダイオード61に電気信号を送出する。これにより、発光ダイオード61が点灯又は点滅するようになっている。
さらに、本実施の形態では、一方のハンドル41aの端部にストラップ取り付け孔62が形成されている。ストラップ取り付け孔62は、ストラップ63の一端を取り付けるためのものである。このストラップ63の他端を作業員の手首に巻き付けておくことで、作業員が検出治具40を誤って落下させるといった不具合を解消することができる。
このような検出治具40を用いてメインロープ10の保守点検を実行するに当たっては、作業員は、上記第1の実施の形態と同様に乗りかご4の天井の上に載って10本のメインロープ10をまとめて検査する。
すなわち、最初にねじ51,54を弛めて、ハンドル41a,41bに対する可動板43の固定を解除する。次に、スリット53がねじ54から離脱するように、可動板43をねじ51を支点に固定板42から遠ざかる方向に回動させる。この回動により、可動板43が図12に示す第2の位置に到達し、固定板42の縁部44と可動板43の縁部49との間にメインロープ10の受け入れを許容する空間57が形成される。
この状態で、固定板42の縁部44に位置する第1の溝45の中に、乗りかご4を吊り下げている10本のメインロープ10を個々に挿入する。この後、可動板43をねじ51を中心に第2の位置から第1の位置に向けて回動させ、縁部49に位置するスリット53の開口端にねじ54を導く。さらに、図13に示すように、可動板43が固定板42と平行となるように可動板43の向きを調整した後、可動板43をスリット53とねじ54との嵌合部分をガイドとして固定板42に近づく方向にスライドさせる。
このスライドにより、可動板43が第1の位置に到達して、固定板42の第1の溝45が可動板43の第2の溝50と合致し、第1の溝45の終端45aと第2の溝50の終端50aとの間に円形の貫通孔55が形成される。したがって、10本のメインロープ10は、第1の溝45の終端45aと第2の溝50の終端50aとの間で挟み込まれて、貫通孔55を摺動可能に貫通している。
次に、ねじ51,54をハンドル41a,41bにねじ込むことで、可動板43を第1の位置に固定する。この固定により、可動板43と固定板42との相対的な移動が制限され、検出治具40に対するメインロープ10の取り付けが完了する。
この状態で、検出治具40のハンドル41a,41bを作業員が両手でしっかりと保持し、エレベータ1をゆっくりと動かす。これにより、メインロープ10が検出治具40の貫通孔55を通過していく。メインロープ10の素線13が破断していると、この素線13の破断端部13aは、図10に示すようにメインロープ10の径方向外側に張り出しているので、破断端部13aが検出治具40の貫通孔55に達した時に、この破断端部13aが第1の溝45又は第2の溝50に引っ掛かる。
これにより、固定板42又は可動板43が破断端部13aにより弾かれて振動するとともに、この振動により金属製の音が発生する。そのため、作業員は、検出治具40を保持している手に伝わる振動や検出治具40が発する音に基いて素線13に異常があることを知ることができる。
さらに、本実施の形態では、固定板42や可動板43が素線13により弾かれて振動した時に、振動検知装置60が固定板42および可動板43の振動を検知して発光ダイオード61を点灯又は点滅させる。このため、作業員は発光ダイオード61を目視することで素線13に異常があることを認識することができる。
このような第2の実施の形態によると、メインロープ10の素線13に異常があるか否かは、固定板42および可動板43が素線13の破断端部13aによって弾かれて振動することで検出されるので、一つの検出治具40を繰り返し使用できる。さらに、検出作業の途中で検出治具40を交換したり、検出用の部品を交換する必要はなく、メインロープ10に異常があるか否かの検出に要する作業時間を短縮できる。
しかも、最初にメインロープ10が入り込む固定板42の第1の溝45は、メインロープ10の径方向に沿う深さ寸法Dがメインロープ10の直径よりも大きく形成されている。このため、メインロープ10は、第1の溝45から径方向に食み出すことなく第1の溝45内に完全に入り込むので、第1の溝45に通したメインロープ10が第1の溝45から外れ難くなる。
よって、上記第1の実施の形態と同様に、検出治具40にメインロープ10を取り付ける作業を容易に行うことができ、メインロープ10の素線13に異常があるか否かの検出に要する作業時間を短縮できる。
なお、上記実施の形態では、作業員が乗りかごの天井の上に載ってメインロープの保守点検作業を行うようにしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、作業員が機械室に入って巻上機の傍でメインロープの保守点検作業を行うようにしてもよい。
さらに、上記実施の形態では、昇降路の上端に機械室を有するエレベータを代表して説明したが、昇降路の上端から機械室を省略して、昇降路内に小型の巻上機を据え付けたマシンルームレスエレベータにおいても同様に実施可能である。
特に、マシンルームレスエレベータは、マシンルーム型のエレベータよりも小型化されているので、メインロープの径もマシンルーム型のエレベータ用のメインロープよりも細いものが使用されている。そのため、本発明に係るハンディタイプの検出治具を使用する検査対象としてはより好ましいものとなる。
加えて、本発明に係る素線破断検出治具は、エレベータのメインロープ用に特定されるものではなく、例えばクレーンの荷揚げ用のワイヤーロープに異常があるか否かの検出作業にも同様に適用が可能である。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]複数本の素線をより合わせたストランドを有するワイヤーロープに用いる素線破断検出治具であって、
直線状の縁部を有し、この縁部に上記ワイヤーロープが摺動可能に入り込む第1の溝が形成された第1の検出部材と、
直線状の縁部を有し、この縁部に上記ワイヤーロープが摺動可能に入り込む第2の溝が形成された第2の検出部材と、を含み、
上記第1および第2の検出部材は、上記第1および第2の溝の間で上記ワイヤーロープを径方向から挟み込む第1の位置と、上記第1および第2の溝による上記ワイヤーロープの挟み込みを解除する第2の位置との間で相対的に変位可能であり、上記第1および第2の溝は、上記第1および第2の検出部材が上記第1の位置に変位した時に、互いに協働して上記ワイヤーロープが摺動可能に貫通する貫通孔を規定するとともに、
上記第1の溝および上記第2の溝の少なくともいずれか一方は、上記ワイヤーロープの径方向に沿う深さ寸法が上記ワイヤーロープの直径よりも大きいことを特徴とする素線破断検出治具。
[2][1]の記載において、上記第1および第2の溝の終端は、上記ワイヤーロープの外周面の曲率に沿うように円弧状に湾曲されていることを特徴とする素線破断検出治具。
[3][1]の記載において、上記第1および第2の検出部材を上記第1の位置に保持する固定手段をさらに備えていることを特徴とする素線破断検出治具。
[4][1]又は[2]の記載において、上記第1および第2の検出部材は、夫々鋼材を用いた板により構成されて、上記ワイヤーロープの素線に異常がある時に、上記素線との接触に伴って振動することを特徴とする素線破断検出治具。
[5][4]の記載において、上記第1および第2の検出部材は、上記素線との接触に基づく振動により音を発することを特徴とする素線破断検出治具。
[6][4]の記載において、上記第1および第2の検出部材が振動した時に点灯する光源をさらに備えていることを特徴とする素線破断検出治具。
[7]複数本の素線をより合わせたストランドを有するワイヤーロープに用いる素線破断検出治具であって、
直線状の縁部を有する第1の検出部材と、上記第1の検出部材の縁部に対応する直線状の縁部を有する第2の検出部材と、を含み、
上記第1の検出部材の縁部は、上記第1の検出部材の厚みを減じる方向の段差を有する第1の連結部と、この第1の連結部に形成され、上記ワイヤーロープが摺動可能に入り込む第1の溝と、を備え、
上記第2の検出部材の縁部は、上記第2の検出部材の厚みを減じる方向に沿うとともに上記第1の連結部とは逆向きの段差を有する第2の連結部と、この第2の連結部に形成され、上記ワイヤーロープが摺動可能に入り込む第2の溝と、を備え、
上記第1および第2の検出部材は、上記第1の連結部と上記第2の連結部とが上記第1および第2の検出部材の厚み方向に重なり合って上記第1および第2の溝の間で上記ワイヤーロープを径方向から挟み込む第1の位置と、上記第1および第2の検出部材が互いに離脱して上記第1および第2の溝による上記ワイヤーロープの挟み込みを解除する第2の位置との間で相対的に変位可能であり、
上記第1および第2の溝は、上記第1および第2の検出部材が上記第1の位置に変位した時に、互いに協働して上記ワイヤーロープが摺動可能に貫通する貫通孔を規定するとともに、
上記第1の溝および上記第2の溝の少なくともいずれか一方は、上記ワイヤーロープの径方向に沿う深さ寸法が上記ワイヤーロープの直径よりも大きいことを特徴とする素線破断検出治具。
[8][7]の記載において、上記第1および第2の検出部材を上記第1の位置に保持する固定手段をさらに備えていることを特徴とする素線破断検出治具。
[9]複数本の素線をより合わせたストランドを有するワイヤーロープに用いる素線破断検出治具であって、
上記ワイヤーロープを間に挟んで振り分けられた一対のハンドルと、
上記ハンドルの間に跨って固定された第1の検出部材と、
一端が上記一方のハンドルに回動可能に支持されるとともに、他端が上記他方のハンドルに取り外し可能に支持された第2の検出部材と、を含み、
上記第1の検出部材は、上記ハンドルの間に跨る直線状の縁部と、この縁部に形成され、上記ワイヤーロープが摺動可能に入り込む第1の溝と、を備え、
上記第2の検出部材は、上記ハンドルの間に跨る直線状の縁部と、この縁部に形成され、上記ワイヤーロープが摺動可能に入り込む第2の溝と、を備え、
上記第2の検出部材は、上記一端を支点として上記第1および第2の溝の間で上記ワイヤーロープを径方向から挟み込む第1の位置と、上記第1の検出部材から遠ざかって上記第1および第2の溝による上記ワイヤーロープの挟み込みを解除する第2の位置との間で回動可能であり、
上記第1および第2の溝は、上記第2の検出部材が上記第1の位置に回動された時に、互いに協働して上記ワイヤーロープが摺動可能に貫通する少なくとも一つの貫通孔を規定するとともに、上記第1の溝および上記第2の溝の少なくともいずれか一方は、上記ワイヤーロープの径方向に沿う深さ寸法が上記ワイヤーロープの直径よりも大きいことを特徴とする素線破断検出治具。
本発明の第1の実施の形態におけるエレベータを概略的に示す側面図。 本発明の第1の実施の形態に用いるメインロープの側面図。 本発明の第1の実施の形態に係る素線破断検出治具の平面図。 本発明の第1の実施の形態において、第1の検出部材の第1の溝にメインロープを導いた状態を示す素線破断検出治具の平面図。 本発明の第1の実施の形態に係る素線破断検出治具の側面図。 本発明の第1の実施の形態において、第1の検出部材と第2の検出部材とを組み合わせた状態を示す素線破断検出治具の断面図。 本発明の第1の実施の形態において、第1の検出部材の第1の溝と第2の検出部材の第2の溝との間でメインロープを挟み込んだ状態を示す素線破断検出治具の断面図。 本発明の第1の実施の形態において、メインロープと第1の溝との間の寸法関係を示す断面図。 本発明の第2の実施の形態に係る素線破断検出治具の平面図。 本発明の第2の実施の形態に係る素線破断検出治具の正面図。 本発明の第2の実施の形態に係る素線破断検出治具の側面図。 本発明の第2の実施の形態において、第2の検出部材を第2の位置に回動させた状態を示す素線破断検出治具の平面図。 本発明の第2の実施の形態において、第1の検出部材の第1の溝と第2の検出部材の第2の溝とを互いに対向させた状態を示す素線破断検出治具の平面図。
符号の説明
10…ワイヤーロープ(メインロープ)、12…ストランド、13…素線、40…素線破断検出治具、41a,41b…ハンドル42…第1の検出部材(固定板)、43…第2の検出部材(可動板)、44,49…縁部、45…第1の溝、50…第2の溝、55…貫通孔。

Claims (5)

  1. 複数本の素線をより合わせたストランドを有するワイヤーロープに用いるハンディタイプの素線破断検出治具であって、
    上記ワイヤーロープを間に挟んで振り分けられ、作業者が手で把持する一対のハンドルと、
    上記ハンドルの間に跨って固定された第1の検出部材と、
    一端が上記一方のハンドルに回動可能に支持されるとともに、他端が上記他方のハンドルに取り外し可能に支持された第2の検出部材と、を含み、
    上記第1の検出部材は、上記ハンドルの間に跨る直線状の縁部と、この縁部に形成され、上記ワイヤーロープが摺動可能に入り込む第1の溝と、を有するばね鋼で構成され、
    上記第2の検出部材は、上記ハンドルの間に跨る直線状の縁部と、この縁部に形成され、上記ワイヤーロープが摺動可能に入り込む第2の溝と、を有するばね鋼で構成され、
    上記第2の検出部材は、上記一端を支点として上記第1の溝と上記第2の溝との間で上記ワイヤーロープを径方向から挟み込む第1の位置と、上記第1の検出部材から遠ざかって上記第1の溝および上記第2の溝による上記ワイヤーロープの挟み込みを解除する第2の位置との間で回動可能であり、
    上記第1の溝および上記第2の溝は、上記第2の検出部材が上記第1の位置に回動された時に、互いに協働して上記ワイヤーロープが摺動可能に貫通する貫通孔を規定するとともに、上記第1の溝および上記第2の溝の少なくともいずれか一方は、上記ワイヤーロープの径方向に沿う深さ寸法が上記ワイヤーロープの直径よりも大きい素線破断検出治具。
  2. 請求項1に記載の素線破断検出治具において、上記第1の検出部材および上記第2の検出部材は、上記ワイヤーロープの上記素線に異常がある時に、上記素線との接触に伴って振動するとともに、当該振動が上記ハンドルに伝わるように構成された素線破断検出治具。
  3. 請求項2に記載の素線破断検出治具において、上記第1の検出部材および上記第2の検出部材は、上記素線との接触に基づく振動により音を発する素線破断検出治具。
  4. 請求項2に記載の素線破断検出治具において、上記第1の検出部材および上記第2の検出部材から上記ハンドルに伝わる振動を検知する振動検知装置をさらに備えた素線破断検出治具。
  5. 請求項2又は請求項4に記載の素線破断検出治具において、上記第1の検出部材および上記第2の検出部材が振動した時に点灯する光源をさらに備えた素線破断検出治具。
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