JP2004075221A - エレベータ - Google Patents
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Abstract
【課題】実稼動状態のエレベータにおいて、ロープの劣化進行状態を遠隔で連続的に把握し、ロープの交換時期を判定する方法を提供することにある。
【解決手段】ロープの劣化進行状態を遠隔監視により連続的に判定するシステムを提供する。具体的には、エレベータの運転制御データからロープの実負荷を演算し、要素試験から求めたロープ損傷データベースを用いて、寿命を判定する。さらに、樹脂被覆ワイヤロープにおいては、外層被覆樹脂を異なった色の樹脂で多層構造にすることで摩耗による色の変化を目視、あるいは発光ダイオードで検出し、外層被覆樹脂の損傷を監視する。
【選択図】 図1
【解決手段】ロープの劣化進行状態を遠隔監視により連続的に判定するシステムを提供する。具体的には、エレベータの運転制御データからロープの実負荷を演算し、要素試験から求めたロープ損傷データベースを用いて、寿命を判定する。さらに、樹脂被覆ワイヤロープにおいては、外層被覆樹脂を異なった色の樹脂で多層構造にすることで摩耗による色の変化を目視、あるいは発光ダイオードで検出し、外層被覆樹脂の損傷を監視する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗りかごの移動を行うロープを備えたエレベータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ロープ式エレベータは、メインロープ(以下、ロープという)の巻上げ機と、この巻上げ機に取付けられた滑車となるシーブと、そらせ車とからなる駆動装置を備えている。シーブに巻き掛けたロープの一方には乗りかごが接続され、一方にはカウンターウェイトが接続されている。エレベータの可動時には、乗りかごとカウンターウェイトの荷重が加わったロープとシーブとの間の摩擦により乗りかご、カウンターウェイトが昇降する。
【0003】
ロープは一般に、鋼製の素線を撚り合わせて形成されるストランドを、さらに撚り合わせて形成している。
また、ストランドを撚り合わせてシェンケルを形成し、それをさらに撚り合わせてロープを形成する場合もある。この鋼製のロープは、エレベータを駆動するのに必要な摩擦特性、耐摩耗性、疲労特性などを満たしており信頼性が高いが、例え信頼性が高いとは言え、絶えずシーブとの摩擦が加わっているため寿命があることは否めない。
そこで、従来の鋼製ロープでは、エレベータを停止させた状態で素線の破断を目視で確認したり、漏洩磁束法などの磁気を使った探傷方法でロープの素線の損傷部分を探していたりしていた。
【0004】
さらに、特開2001−19298号公報に記載されているように、一定期間におけるエレベータの走行時間データからロープの曲げ回数を推定し、あらかじめ設定した判定値と比較して、ロープの寿命を判定する方法がある。
【0005】
尚、その他の従来技術として例えば特開平5−162934号公報、特開2001−262482号公報、特開2001−302135号公報などがあげられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ロープの劣化状態を適切に判定するためには、ロープが使用に耐えられなくなる前に、ロープの管理者がこの異常を確実に把握することである。
【0007】
しかしながら、上記特開2001−19298号公報では、樹脂被覆ロープを使用した場合、ロープ内に光ファイバーを設置し、屈曲回数に伴う光ファイバーの透過光量の変化からロープの寿命を判定するものである。この判定であると、樹脂被覆ワイヤロープの外層被覆は、ロープの屈曲だけでなくシーブとの摩擦係数が高い場合やすべり距離が長い場合があり、摩耗などの損傷が多くなるため、外層被覆の寿命を判定することは困難である。
本発明の目的は、ロープの交換時期を高信頼で判定できるエレベータを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、一端に乗りかごと他端にウェイトを取付けたロープと、前記乗りかごの上部に位置し前記ロープを懸架する滑車とを備えたエレベータにおいて、前記乗りかごの荷重に応じた運転を制御する制御部と、この制御部からの出力を入力として前記ロープの負荷荷重を演算する第1の演算部と、この第1の演算部からの出力を入力して前記ロープの実負荷を演算する第2の演算部と、この第2の演算部からの出力を入力として前記ロープの損傷データベースと比較判定する判定部と、この判定部からの判定結果に応じて警鐘を発生する手段を備えたことにより達成される。
【0009】
また、上記目的は、前記ロープの外周に設けられた所定間隔の目印と、この目印の磨耗状態を検出する検出部と、この検出部からの出力を入力とする前記第1の演算部とを備えたことにより達成される。
【0010】
また、上記目的は、前記ロープの外周に設けられた色が異なる2層以上の外層皮膜と、前記外層皮膜の磨耗によって露出した内層に光を照射する発光ダイオードと、前記内層からの反射光を受信する検出器を備えたことにより達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
ところで、エレベータを牽引するロープの交換頻度は、エレベータ管理会社が各自で約5年から7年の社内基準を設けているが、年1度の点検時点で異常がなければ、社内基準に関係なく継続して使用する場合がある。
【0012】
ところで、エレベータは設置されるビルの種類によって運転回数が著しく異なる。
例えば、オフィスビルとマンションを比較すると、オフィスビルのエレベータの方がはるかに運転回数が多く、社内基準の所定年度を経過する前に交換が必要な場合もあり得る。一方、マンションの場合は磨耗が少なく、交換を要しないにもかかわらず所定年度を経過しとの理由から交換されてしまい、コスト面で不利な場合もある。
【0013】
そこで、本発明の発明者らは常にロープの磨耗状態を監視し、仮に所定年度を経過しているにもかかわらずロープの磨耗が激しい場合は交換の警鐘を発することことができる監視システムを備えたエレベータを種々検討した結果、以下のような実施例を得た。
【0014】
本発明の一実施例を、図面を用いて説明する。
【0015】
図1は、本一実施例の形態であるロープ寿命遠隔監視システムを説明するブロック図である。
図1において、ロープ式エレベータは巻上げ機2、シーブ3、そらせ車4からなる駆動装置を備えている。シーブ3に巻き掛けたメインロープ5の一方に乗りかご6の荷重が加わる。このロープ5の他方はシーブ3を介してカウンターウェイト7が接続されて荷重が加わっている。そらせ車4はカウウンターウェイト7を乗りかご6から所定の距離に離し、カウウンターウェイト7と乗りかご6との衝突を避けるためのものである。ロープ5はシーブ3の摩擦により乗りかご6とカウンターウェイト7とを昇降させることになる。エレベータの運行時、ロープ5はシーブ3を境としてかご6側とカウンターウェイト7側とに屈曲される。
【0016】
次に、点線内に示したフローチャートでロープ寿命遠隔監視システム1を説明する。
運転制御用コンピュータ1aはエレベータの運行による乗りかご6の位置、速度、重量、運転回数等を制御するとともに、これらのデータを記録している。N演算部1bはコンピュータ1aからデータを入力としてロープ5の屈曲回数、シーブ3の通過長さ及び通過回数を算出する。F演算部1cは乗客数により増減する乗りかご6の重量に応じたロープ5への荷重を算出する。ロープ実負荷演算部1cはN演算部1bとF演算部1cからのデータを入力としてロープの損傷割合を算出する。損傷評価部1fはロープ実負荷演算部1dのデータと図3のロープ損傷データベース1eを入力としてロープの損傷を評価する。ロープ損傷判定1gは損傷評価部1fからのデータを入力としてロープの交換要否を判定する。ロープが規定値以上に損傷していた場合にはメンテナンス管理者に通報し、規定値以内であれば継続して通常運転を行う。
【0017】
図2は、屈曲部位の特定を行うためのロープ位置の分割例を示したものである。
図2において、8はロープ5の外層被覆に所定間隔でリング状に取付けられた目印である。この目印は、外層被覆とは異なる色で見立つようにしている。また、その間隔は乗りかご6の移動階床と、そのときに屈曲するロープ位置の対応をとっておくことによって磨耗が大きい部分を明確にしておく。この目印部分の磨耗状態を検出する検出部を備えている。この検出部からのデータをロープの負荷荷重データとしている。
【0018】
一方、運転制御データとして乗りかご6の下部に設置された硬質ゴムのたわみから乗客による負荷荷重を検出するはかり装置(図示せず)にて、乗客による乗りかご6への荷重を得ることができるので、この荷重と、あらかじめ測定された乗りかご6の荷重を合計することで、図1のロープ負荷荷重演算部1cにてロープ5に付加される荷重を演算することができる。
尚、ロープ5を昇降路内壁に固定する場合にロープ5を縛るシンブルロッド(図示せず)に張力検出装置を取り付け、ロープ5に付加される張力を検出しても良い。
これらの結果からロープ実負荷演算部1dにて評価を行う。
【0019】
ロープの損傷要因は、4つに分類することができる。
(1)シーブ3を通過する際の曲げ延ばしに起因する疲労。
(2)素線同士の相対すべりによる摩耗。
(3)シーブ3の溝壁面との接触に起因するロープ外層の素線の摩耗。
(4)および大気との接触による腐食である。
特に動索として使用するエレベータ用ロープ5の場合、ロープ5のシーブ通過に伴う屈曲によるロープ5を構成する素線、及び被覆樹脂の相対すべりが原因による摩耗が大きく、ロープ全体の破断強度が低下することが分かった。このように、ロープ5の劣化は破断強度の低下として表わすことができる。
また、素線の腐食により素線断面積が減少することでも破断強度の低下が起こる。
【0020】
図3は、樹脂被覆ワイヤロープに6.0kNの張力を負荷し、直径200mmのシーブを用いてロープ5をS字状に屈曲させる試験するS字曲げ試験を行ったときの、ロープのシーブ通過回数とロープ摩耗断面の観察から計算した摩耗割合の関係である。
図3に示すように、素線の摩耗はシーブ通過回数、すなわち屈曲回数と共に増加する。また、素線は亜鉛メッキ、もしくは真ちゅうメッキを施しているが、摩耗によりメッキ層がはがれることで腐食が発生し摩耗の原因となる。
【0021】
このように、ロープ5のシーブ通過回数の増加に伴い素線同士の相対すべりによる素線の摩耗が増加すると、素線の断面積が減少し、ロープ全体の破断強度が低下することになる。
このデータを基にして張力を変えてS字曲げ試験を行った結果をデータベースとして、図1のフローチャートに示したロープ損傷データベース1eを作成することにより、乗客の数、すなわちロープに負荷される荷重の違いを考慮した寿命判定を行うことができる。ここでシーブ通過回数と、ロープ5に負荷された張力から、ロープ各位置での図1の損傷評価部1fにてロープ損傷値が決定する。
【0022】
図4に、ロープ損傷値と残存破断強度の関係を示す。
図4に示すように、ロープ5の屈曲などによりロープ損傷値が増加すると、残存破断強度が低下することが分かる。
図1のフローチャートに示したように、ロープ損傷判定1gにて、値がロープ交換を必要とする規定であることが判定された場合には、専用回線、または電話回線やインターネットを用いて管理者にロープ交換を知らせることになる。規定値を超えていない場合には、通常運転を行うことになる。
【0023】
このようにエレベータの運転制御データによるロープ実負荷演算とロープ損傷データベース1eから、ロープ5の劣化進行状態を把握することによってロープ5の寿命を事前に判定することができる。
さらに、万一の故障時でも、早期に原因を特定することができ、迅速な復旧が可能となる。
【0024】
図5は、他の一実施例を備えたロープの断面図である。
図5において、外層被覆9をポリウレタン、ポリアミド、ポリエチレンなどの透明樹脂としてロープ5内部の損傷を目視できるようにしたものである。樹脂被覆ワイヤロープ5は、鋼製の素線10を撚り合わせ、ストランド11を形成しそれを撚り合わせ形成される。このとき、ストランド11にはポリウレタン、ポリアミド、ポリエチレンなどの内層被覆12を施してもよい。なお、樹脂被覆する際に、樹脂は素線、或いはストランド11の隙間に充填される。図5に撚られた素線の外径位置13と、ストランド11の外径位置14を示す。
【0025】
ロープ5のシーブ通過に伴う屈曲による素線同士の摩耗は、すべり距離が小さく、かつ繰り返し同じ箇所が摩擦されフレッティング摩耗となる。このとき生じた摩耗粉は酸化した摩耗粉になり茶色であることが多い。
【0026】
したがって、外層被覆9が透明であり、内部に茶色の摩耗粉を目視にて確認することが可能ならば、ロープ劣化診断の信頼性が高くなる。また、大気から外層被覆9を通して侵入した水分による素線の腐食を、目視にて確認することも可能となる。
このとき、内層被覆12にもポリウレタン、ポリアミド、ポリエチレンなどの透明樹脂を使用することにより、素線自身を目視できるので摩耗粉の発生を確認できる。
【0027】
図6は、他の一実施例を備えたロープの断面図である。
図6において、外層被覆9の内側に外層被覆と色の異なる樹脂である二次外層被覆15を被覆して多層構造としたものである。
多層構造とすることで、外層被覆が摩耗した場合には色の異なる二次外層被覆15が出現してくるので、外層被覆の摩耗を目視で容易に確認することができる。
【0028】
図7は、他の一実施例を備えた樹脂被覆ワイヤロープ外層被覆摩耗監視システムの概略図である。
図7において、外層被覆9が摩耗し異なった色の樹脂が露出した場合、発光ダイオード16から照射された光を露出樹脂に照射し、露出した樹脂からの反射光を検出器17で受信して磨耗の度合いを判定するようにしたものである。この発光ダイオード16と検出器17は図1のフロー図に示した制御用コンピュータ1aに接続されている。
外層被覆9の摩耗はシーブ3およびそらせ車4などと接触する面で起こるために、それぞれと接触する面を検査するために発光ダイオード16及びその反射光の検出器17を複数位置に設置してもよい。また、発光ダイオード16及びその反射光の検出器17をシーブ3及びそらせ車4の近くに設置すると、外層被覆9の損傷を早期に発見できる。
【0029】
さらに、発光ダイオード16及びその反射光の検出器17を巻上機に設置すると乗りかごに設置する場合と比較して振動が少なく、検出の精度がよい。
異なった色の樹脂を検出した場合、専用回線、または電話回線やインターネットを用いて管理者にロープ交換を知らせることになる。外層被覆の内側に被覆する樹脂は、材質は外層被覆9と同じポリウレタン、ポリアミド、ポリエチレンなどの材質にすることで、外層被覆9が摩耗により削られた場合であっても、シーブ3との摩擦、すなわちロープ5の外層被覆9とシーブ3との摩擦であるトラクションの変化を少なくすることができる。
【0030】
樹脂被覆ワイヤロープ5の寿命診断と同時に、さらなる長寿命化はエレベータの信頼性を高めることになる。
【0031】
図8は、ロープの耐磨耗性を高めるための一実施例を示すロープの断面図である。
図8において、外層被覆9には鋼製網18が入れられている。鋼製の網以外に、ポリアミド、ポリエチレンなどの繊維を網状にして挿入してもよい。
これらの網を挿入することにより、外層被覆9の耐摩耗性が向上し、シーブ3との接触による外層被覆9の摩耗が低減される。また、外層被覆9とストランド11の密着度が低く、外層被覆のみが引張られた場合でも、外層被覆9の破断及び変形を防止でき、樹脂被覆ワイヤロープの長寿命化が達成できる。
【0032】
図9は、ロープの耐磨耗性を高めるための他の一実施例を示すロープの断面図である。
図9において、中心のストランド11のみに内層被覆12を施し、樹脂壁19を素線10同士の接触点に設置したものである。
【0033】
従来は、シーブ通過時の繰り返し曲げによる影響を低減する目的でロープ径dとシーブ径Dの比率(D/d)は40以上を確保して使用されている。したがって、ロープ径dを小さくすることでシーブ径Dを小さくしても、その比率(D/d)を高い値に保つことができる。このように、ロープ断面における内層被覆12の占有面積を少なくすることで、ロープ径を小さくすることができ、素線の疲労損傷を低減することができる。
【0034】
図10は、ロープの耐磨耗性を高めるための他の一実施例を示すロープの断面図である。
図10において、内層被覆12を施したストランド11を交互に配置し、内層被覆を施していないストランド11の素線10径を他のストランドより大きくしたものである。図6、図8に示した実施例では、内層被覆12内の素線10が直接接触することによる摩耗を防止するために、各ストランド11を施しているが、本実施例ではロープの強度を向上させるために素線10を太くすることが有効である。
そこで、内層被覆12を施したストランド11を交互に配置し、内層被覆を施していないストランド11の素線径を大きくすることで、ロープ5の強度が向上させている。また、素線径が太くなることで摩耗による素線の破断が起こりにくくなり、ロープの長寿命化が可能となる。
【0035】
これまでの図6、図8〜10の実施例で示した内層被覆及び外層被覆は、鋼製の素線に直接被覆されており、その接着力は十分でないことがある。しかしながら、被覆材に天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどのゴムを使用して、素線に真ちゅうメッキ、亜鉛メッキなどを施した後に加硫してゴムを被覆すれば、接着力を増加させることができる。
メッキに真ちゅうを用いた場合、適当な加硫条件を用いることで、イオウ原子が銅を硫化してCuSを作り、一方ではゴム分子がイオウ原子により銅に化学吸着することで接着力が増加する。被覆材の接着力が増すことで、素線と被覆とのすべりが減少し、素線と被覆との摩耗を低減することができる。
また、素線とストランドの撚りが崩れから来るロープの型崩れは、素線と被覆との低密着力が原因の一つであるが、素線と被覆との接着力が増加することで、素線が容易に分離せず、ロープの型崩れを防止できる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、ロープの交換時期を高信頼で判定できるエレベータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例であるロープ寿命遠隔監視システムの概略図と、このシステムのフロー図である。
【図2】図2は、本発明の一実施例を備えたロープの概略図である。
【図3】図3は、本発明の一実施例であるロープ寿命遠隔監視システムのデータベースとなるロープの磨耗割合を示すグラフである。
【図4】図4は、本発明の一実施例であるロープ寿命遠隔監視システムのデータベースとなるロープの残存破談強度を示すグラフである。
【図5】図5は、他の実施例を備えたロープの断面図である。
【図6】図6は、他の実施例を備えたロープの断面図である。
【図7】図7は、他の実施例を備えたロープの概略図である。
【図8】図8は、他の実施例を備えたロープの断面図である。
【図9】図9は、他の実施例を備えたロープの断面図である。
【図10】図10は、他の実施例を備えたロープの断面図である。
【符号の説明】
1…ロープ寿命遠隔監視システム、2…巻上げ機、3…シーブ、4…そらせ車、5…ロープ、6…乗りかご、7…カウンターウェイト、8…区切り樹脂、9…外層被覆、10…素線、11…ストランド、12…内層被覆、13…素線外径線、14…ストランド外径線、15…二次外層被覆、16…発光ダイオード、17…検出器、18…鋼製網、19…樹脂壁。
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗りかごの移動を行うロープを備えたエレベータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ロープ式エレベータは、メインロープ(以下、ロープという)の巻上げ機と、この巻上げ機に取付けられた滑車となるシーブと、そらせ車とからなる駆動装置を備えている。シーブに巻き掛けたロープの一方には乗りかごが接続され、一方にはカウンターウェイトが接続されている。エレベータの可動時には、乗りかごとカウンターウェイトの荷重が加わったロープとシーブとの間の摩擦により乗りかご、カウンターウェイトが昇降する。
【0003】
ロープは一般に、鋼製の素線を撚り合わせて形成されるストランドを、さらに撚り合わせて形成している。
また、ストランドを撚り合わせてシェンケルを形成し、それをさらに撚り合わせてロープを形成する場合もある。この鋼製のロープは、エレベータを駆動するのに必要な摩擦特性、耐摩耗性、疲労特性などを満たしており信頼性が高いが、例え信頼性が高いとは言え、絶えずシーブとの摩擦が加わっているため寿命があることは否めない。
そこで、従来の鋼製ロープでは、エレベータを停止させた状態で素線の破断を目視で確認したり、漏洩磁束法などの磁気を使った探傷方法でロープの素線の損傷部分を探していたりしていた。
【0004】
さらに、特開2001−19298号公報に記載されているように、一定期間におけるエレベータの走行時間データからロープの曲げ回数を推定し、あらかじめ設定した判定値と比較して、ロープの寿命を判定する方法がある。
【0005】
尚、その他の従来技術として例えば特開平5−162934号公報、特開2001−262482号公報、特開2001−302135号公報などがあげられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ロープの劣化状態を適切に判定するためには、ロープが使用に耐えられなくなる前に、ロープの管理者がこの異常を確実に把握することである。
【0007】
しかしながら、上記特開2001−19298号公報では、樹脂被覆ロープを使用した場合、ロープ内に光ファイバーを設置し、屈曲回数に伴う光ファイバーの透過光量の変化からロープの寿命を判定するものである。この判定であると、樹脂被覆ワイヤロープの外層被覆は、ロープの屈曲だけでなくシーブとの摩擦係数が高い場合やすべり距離が長い場合があり、摩耗などの損傷が多くなるため、外層被覆の寿命を判定することは困難である。
本発明の目的は、ロープの交換時期を高信頼で判定できるエレベータを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、一端に乗りかごと他端にウェイトを取付けたロープと、前記乗りかごの上部に位置し前記ロープを懸架する滑車とを備えたエレベータにおいて、前記乗りかごの荷重に応じた運転を制御する制御部と、この制御部からの出力を入力として前記ロープの負荷荷重を演算する第1の演算部と、この第1の演算部からの出力を入力して前記ロープの実負荷を演算する第2の演算部と、この第2の演算部からの出力を入力として前記ロープの損傷データベースと比較判定する判定部と、この判定部からの判定結果に応じて警鐘を発生する手段を備えたことにより達成される。
【0009】
また、上記目的は、前記ロープの外周に設けられた所定間隔の目印と、この目印の磨耗状態を検出する検出部と、この検出部からの出力を入力とする前記第1の演算部とを備えたことにより達成される。
【0010】
また、上記目的は、前記ロープの外周に設けられた色が異なる2層以上の外層皮膜と、前記外層皮膜の磨耗によって露出した内層に光を照射する発光ダイオードと、前記内層からの反射光を受信する検出器を備えたことにより達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
ところで、エレベータを牽引するロープの交換頻度は、エレベータ管理会社が各自で約5年から7年の社内基準を設けているが、年1度の点検時点で異常がなければ、社内基準に関係なく継続して使用する場合がある。
【0012】
ところで、エレベータは設置されるビルの種類によって運転回数が著しく異なる。
例えば、オフィスビルとマンションを比較すると、オフィスビルのエレベータの方がはるかに運転回数が多く、社内基準の所定年度を経過する前に交換が必要な場合もあり得る。一方、マンションの場合は磨耗が少なく、交換を要しないにもかかわらず所定年度を経過しとの理由から交換されてしまい、コスト面で不利な場合もある。
【0013】
そこで、本発明の発明者らは常にロープの磨耗状態を監視し、仮に所定年度を経過しているにもかかわらずロープの磨耗が激しい場合は交換の警鐘を発することことができる監視システムを備えたエレベータを種々検討した結果、以下のような実施例を得た。
【0014】
本発明の一実施例を、図面を用いて説明する。
【0015】
図1は、本一実施例の形態であるロープ寿命遠隔監視システムを説明するブロック図である。
図1において、ロープ式エレベータは巻上げ機2、シーブ3、そらせ車4からなる駆動装置を備えている。シーブ3に巻き掛けたメインロープ5の一方に乗りかご6の荷重が加わる。このロープ5の他方はシーブ3を介してカウンターウェイト7が接続されて荷重が加わっている。そらせ車4はカウウンターウェイト7を乗りかご6から所定の距離に離し、カウウンターウェイト7と乗りかご6との衝突を避けるためのものである。ロープ5はシーブ3の摩擦により乗りかご6とカウンターウェイト7とを昇降させることになる。エレベータの運行時、ロープ5はシーブ3を境としてかご6側とカウンターウェイト7側とに屈曲される。
【0016】
次に、点線内に示したフローチャートでロープ寿命遠隔監視システム1を説明する。
運転制御用コンピュータ1aはエレベータの運行による乗りかご6の位置、速度、重量、運転回数等を制御するとともに、これらのデータを記録している。N演算部1bはコンピュータ1aからデータを入力としてロープ5の屈曲回数、シーブ3の通過長さ及び通過回数を算出する。F演算部1cは乗客数により増減する乗りかご6の重量に応じたロープ5への荷重を算出する。ロープ実負荷演算部1cはN演算部1bとF演算部1cからのデータを入力としてロープの損傷割合を算出する。損傷評価部1fはロープ実負荷演算部1dのデータと図3のロープ損傷データベース1eを入力としてロープの損傷を評価する。ロープ損傷判定1gは損傷評価部1fからのデータを入力としてロープの交換要否を判定する。ロープが規定値以上に損傷していた場合にはメンテナンス管理者に通報し、規定値以内であれば継続して通常運転を行う。
【0017】
図2は、屈曲部位の特定を行うためのロープ位置の分割例を示したものである。
図2において、8はロープ5の外層被覆に所定間隔でリング状に取付けられた目印である。この目印は、外層被覆とは異なる色で見立つようにしている。また、その間隔は乗りかご6の移動階床と、そのときに屈曲するロープ位置の対応をとっておくことによって磨耗が大きい部分を明確にしておく。この目印部分の磨耗状態を検出する検出部を備えている。この検出部からのデータをロープの負荷荷重データとしている。
【0018】
一方、運転制御データとして乗りかご6の下部に設置された硬質ゴムのたわみから乗客による負荷荷重を検出するはかり装置(図示せず)にて、乗客による乗りかご6への荷重を得ることができるので、この荷重と、あらかじめ測定された乗りかご6の荷重を合計することで、図1のロープ負荷荷重演算部1cにてロープ5に付加される荷重を演算することができる。
尚、ロープ5を昇降路内壁に固定する場合にロープ5を縛るシンブルロッド(図示せず)に張力検出装置を取り付け、ロープ5に付加される張力を検出しても良い。
これらの結果からロープ実負荷演算部1dにて評価を行う。
【0019】
ロープの損傷要因は、4つに分類することができる。
(1)シーブ3を通過する際の曲げ延ばしに起因する疲労。
(2)素線同士の相対すべりによる摩耗。
(3)シーブ3の溝壁面との接触に起因するロープ外層の素線の摩耗。
(4)および大気との接触による腐食である。
特に動索として使用するエレベータ用ロープ5の場合、ロープ5のシーブ通過に伴う屈曲によるロープ5を構成する素線、及び被覆樹脂の相対すべりが原因による摩耗が大きく、ロープ全体の破断強度が低下することが分かった。このように、ロープ5の劣化は破断強度の低下として表わすことができる。
また、素線の腐食により素線断面積が減少することでも破断強度の低下が起こる。
【0020】
図3は、樹脂被覆ワイヤロープに6.0kNの張力を負荷し、直径200mmのシーブを用いてロープ5をS字状に屈曲させる試験するS字曲げ試験を行ったときの、ロープのシーブ通過回数とロープ摩耗断面の観察から計算した摩耗割合の関係である。
図3に示すように、素線の摩耗はシーブ通過回数、すなわち屈曲回数と共に増加する。また、素線は亜鉛メッキ、もしくは真ちゅうメッキを施しているが、摩耗によりメッキ層がはがれることで腐食が発生し摩耗の原因となる。
【0021】
このように、ロープ5のシーブ通過回数の増加に伴い素線同士の相対すべりによる素線の摩耗が増加すると、素線の断面積が減少し、ロープ全体の破断強度が低下することになる。
このデータを基にして張力を変えてS字曲げ試験を行った結果をデータベースとして、図1のフローチャートに示したロープ損傷データベース1eを作成することにより、乗客の数、すなわちロープに負荷される荷重の違いを考慮した寿命判定を行うことができる。ここでシーブ通過回数と、ロープ5に負荷された張力から、ロープ各位置での図1の損傷評価部1fにてロープ損傷値が決定する。
【0022】
図4に、ロープ損傷値と残存破断強度の関係を示す。
図4に示すように、ロープ5の屈曲などによりロープ損傷値が増加すると、残存破断強度が低下することが分かる。
図1のフローチャートに示したように、ロープ損傷判定1gにて、値がロープ交換を必要とする規定であることが判定された場合には、専用回線、または電話回線やインターネットを用いて管理者にロープ交換を知らせることになる。規定値を超えていない場合には、通常運転を行うことになる。
【0023】
このようにエレベータの運転制御データによるロープ実負荷演算とロープ損傷データベース1eから、ロープ5の劣化進行状態を把握することによってロープ5の寿命を事前に判定することができる。
さらに、万一の故障時でも、早期に原因を特定することができ、迅速な復旧が可能となる。
【0024】
図5は、他の一実施例を備えたロープの断面図である。
図5において、外層被覆9をポリウレタン、ポリアミド、ポリエチレンなどの透明樹脂としてロープ5内部の損傷を目視できるようにしたものである。樹脂被覆ワイヤロープ5は、鋼製の素線10を撚り合わせ、ストランド11を形成しそれを撚り合わせ形成される。このとき、ストランド11にはポリウレタン、ポリアミド、ポリエチレンなどの内層被覆12を施してもよい。なお、樹脂被覆する際に、樹脂は素線、或いはストランド11の隙間に充填される。図5に撚られた素線の外径位置13と、ストランド11の外径位置14を示す。
【0025】
ロープ5のシーブ通過に伴う屈曲による素線同士の摩耗は、すべり距離が小さく、かつ繰り返し同じ箇所が摩擦されフレッティング摩耗となる。このとき生じた摩耗粉は酸化した摩耗粉になり茶色であることが多い。
【0026】
したがって、外層被覆9が透明であり、内部に茶色の摩耗粉を目視にて確認することが可能ならば、ロープ劣化診断の信頼性が高くなる。また、大気から外層被覆9を通して侵入した水分による素線の腐食を、目視にて確認することも可能となる。
このとき、内層被覆12にもポリウレタン、ポリアミド、ポリエチレンなどの透明樹脂を使用することにより、素線自身を目視できるので摩耗粉の発生を確認できる。
【0027】
図6は、他の一実施例を備えたロープの断面図である。
図6において、外層被覆9の内側に外層被覆と色の異なる樹脂である二次外層被覆15を被覆して多層構造としたものである。
多層構造とすることで、外層被覆が摩耗した場合には色の異なる二次外層被覆15が出現してくるので、外層被覆の摩耗を目視で容易に確認することができる。
【0028】
図7は、他の一実施例を備えた樹脂被覆ワイヤロープ外層被覆摩耗監視システムの概略図である。
図7において、外層被覆9が摩耗し異なった色の樹脂が露出した場合、発光ダイオード16から照射された光を露出樹脂に照射し、露出した樹脂からの反射光を検出器17で受信して磨耗の度合いを判定するようにしたものである。この発光ダイオード16と検出器17は図1のフロー図に示した制御用コンピュータ1aに接続されている。
外層被覆9の摩耗はシーブ3およびそらせ車4などと接触する面で起こるために、それぞれと接触する面を検査するために発光ダイオード16及びその反射光の検出器17を複数位置に設置してもよい。また、発光ダイオード16及びその反射光の検出器17をシーブ3及びそらせ車4の近くに設置すると、外層被覆9の損傷を早期に発見できる。
【0029】
さらに、発光ダイオード16及びその反射光の検出器17を巻上機に設置すると乗りかごに設置する場合と比較して振動が少なく、検出の精度がよい。
異なった色の樹脂を検出した場合、専用回線、または電話回線やインターネットを用いて管理者にロープ交換を知らせることになる。外層被覆の内側に被覆する樹脂は、材質は外層被覆9と同じポリウレタン、ポリアミド、ポリエチレンなどの材質にすることで、外層被覆9が摩耗により削られた場合であっても、シーブ3との摩擦、すなわちロープ5の外層被覆9とシーブ3との摩擦であるトラクションの変化を少なくすることができる。
【0030】
樹脂被覆ワイヤロープ5の寿命診断と同時に、さらなる長寿命化はエレベータの信頼性を高めることになる。
【0031】
図8は、ロープの耐磨耗性を高めるための一実施例を示すロープの断面図である。
図8において、外層被覆9には鋼製網18が入れられている。鋼製の網以外に、ポリアミド、ポリエチレンなどの繊維を網状にして挿入してもよい。
これらの網を挿入することにより、外層被覆9の耐摩耗性が向上し、シーブ3との接触による外層被覆9の摩耗が低減される。また、外層被覆9とストランド11の密着度が低く、外層被覆のみが引張られた場合でも、外層被覆9の破断及び変形を防止でき、樹脂被覆ワイヤロープの長寿命化が達成できる。
【0032】
図9は、ロープの耐磨耗性を高めるための他の一実施例を示すロープの断面図である。
図9において、中心のストランド11のみに内層被覆12を施し、樹脂壁19を素線10同士の接触点に設置したものである。
【0033】
従来は、シーブ通過時の繰り返し曲げによる影響を低減する目的でロープ径dとシーブ径Dの比率(D/d)は40以上を確保して使用されている。したがって、ロープ径dを小さくすることでシーブ径Dを小さくしても、その比率(D/d)を高い値に保つことができる。このように、ロープ断面における内層被覆12の占有面積を少なくすることで、ロープ径を小さくすることができ、素線の疲労損傷を低減することができる。
【0034】
図10は、ロープの耐磨耗性を高めるための他の一実施例を示すロープの断面図である。
図10において、内層被覆12を施したストランド11を交互に配置し、内層被覆を施していないストランド11の素線10径を他のストランドより大きくしたものである。図6、図8に示した実施例では、内層被覆12内の素線10が直接接触することによる摩耗を防止するために、各ストランド11を施しているが、本実施例ではロープの強度を向上させるために素線10を太くすることが有効である。
そこで、内層被覆12を施したストランド11を交互に配置し、内層被覆を施していないストランド11の素線径を大きくすることで、ロープ5の強度が向上させている。また、素線径が太くなることで摩耗による素線の破断が起こりにくくなり、ロープの長寿命化が可能となる。
【0035】
これまでの図6、図8〜10の実施例で示した内層被覆及び外層被覆は、鋼製の素線に直接被覆されており、その接着力は十分でないことがある。しかしながら、被覆材に天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどのゴムを使用して、素線に真ちゅうメッキ、亜鉛メッキなどを施した後に加硫してゴムを被覆すれば、接着力を増加させることができる。
メッキに真ちゅうを用いた場合、適当な加硫条件を用いることで、イオウ原子が銅を硫化してCuSを作り、一方ではゴム分子がイオウ原子により銅に化学吸着することで接着力が増加する。被覆材の接着力が増すことで、素線と被覆とのすべりが減少し、素線と被覆との摩耗を低減することができる。
また、素線とストランドの撚りが崩れから来るロープの型崩れは、素線と被覆との低密着力が原因の一つであるが、素線と被覆との接着力が増加することで、素線が容易に分離せず、ロープの型崩れを防止できる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、ロープの交換時期を高信頼で判定できるエレベータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例であるロープ寿命遠隔監視システムの概略図と、このシステムのフロー図である。
【図2】図2は、本発明の一実施例を備えたロープの概略図である。
【図3】図3は、本発明の一実施例であるロープ寿命遠隔監視システムのデータベースとなるロープの磨耗割合を示すグラフである。
【図4】図4は、本発明の一実施例であるロープ寿命遠隔監視システムのデータベースとなるロープの残存破談強度を示すグラフである。
【図5】図5は、他の実施例を備えたロープの断面図である。
【図6】図6は、他の実施例を備えたロープの断面図である。
【図7】図7は、他の実施例を備えたロープの概略図である。
【図8】図8は、他の実施例を備えたロープの断面図である。
【図9】図9は、他の実施例を備えたロープの断面図である。
【図10】図10は、他の実施例を備えたロープの断面図である。
【符号の説明】
1…ロープ寿命遠隔監視システム、2…巻上げ機、3…シーブ、4…そらせ車、5…ロープ、6…乗りかご、7…カウンターウェイト、8…区切り樹脂、9…外層被覆、10…素線、11…ストランド、12…内層被覆、13…素線外径線、14…ストランド外径線、15…二次外層被覆、16…発光ダイオード、17…検出器、18…鋼製網、19…樹脂壁。
Claims (3)
- 一端に乗りかごと他端にウェイトを取付けたロープと、前記乗りかごの上部に位置し前記ロープを懸架する滑車とを備えたエレベータにおいて、
前記乗りかごの荷重に応じた運転を制御する制御部と、この制御部からの出力を入力として前記ロープの負荷荷重を演算する第1の演算部と、この第1の演算部からの出力を入力して前記ロープの実負荷を演算する第2の演算部と、この第2の演算部からの出力を入力として前記ロープの損傷データベースと比較判定する判定部と、この判定部からの判定結果に応じて警鐘を発生する手段を備えたことを特徴とするエレベータ。 - 前記ロープの外周に設けられた所定間隔の目印と、この目印の磨耗状態を検出する検出部と、この検出部からの出力を入力とする前記第1の演算部とを備えたことを特徴とする請求項1記載のエレベータ。
- 前記ロープの外周に設けられた色が異なる2層以上の外層皮膜と、前記外層皮膜の磨耗によって露出した内層に光を照射する発光ダイオードと、前記内層からの反射光を受信する検出器を備えたことを特徴とする請求項1記載のエレベータ。
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