JP2010195580A - 吊支持用ロープ - Google Patents

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Abstract

【課題】寿命を下げずに信頼性の高い使用基準を得ることができる樹脂被覆を施した吊支持用ロープを提供する。
【解決手段】導電性材料から成る素線を撚って構成された鋼心13と、この鋼心の周囲にほぼ均等な間隔で配置され、導電性材料から成る素線を撚って構成された複数のストランド12とを有し、鋼心13の周囲を覆い、この鋼心13と複数のストランド12との間に介在する絶縁材料からなる樹脂製の緩衝被覆15を設ける。また、複数のストランド12の集合により形成される外周を覆う樹脂製の外層被覆14を設ける。さらに、鋼心13といずれかのストランド12との間の通電の有無を検出する通電検出手段を設けたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、つるべ式のエレベータ装置の乗りかご及びつり合おもりの吊支持等に用いられる吊支持用ロープに関する。
一般的なつるべ式のエレベータ装置は、図6でその概略構成を示すように、巻上機綱車1、乗りかご2、つり合いおもり3、吊支持用のワイヤロープ4、及び乗りかご2や、つり合いおもり3に備わる吊り車5で構成されている。このようなつるべ式のエレベータ装置では、巻上機綱車1とワイヤロープ4との間の摩擦により、乗りかご2と、つり合いおもり3とをつるべ式に駆動する。
ここで、ワイヤロープ4は基幹部品の一つであるが、通常使用において、綱車1、吊り車5等によって繰り返し曲げられ、また、網車1から摩擦力を受けるため、経年的に強度の低下が生じる。そのため、ロープの強度を適切に保つための保守管理が必要であり、点検によりロープの損傷程度を確認し、残存強度や残り寿命を把握することが重要である。現在一般に広く用いられているエレベータ用ワイヤロープに関する管理項目については、JIS規格(JIS A4302)に規定されており、素線の断線数、摩耗寸法、ロープ径、錆の発生状態等が管理されている。
ところで、近年、環境意識の高まりから、エレベータに対しても製造工程から使用、廃棄に至るまでの各工程で環境負荷の高い部品の見直しが求められている。ワイヤロープに関しては、寿命向上とともに、保守に関する環境負荷低減の観点から、廃棄処理に手間がかかる潤滑油(ロープグリス)の削減(グリスレス)が望まれている。現在、既にエレベータ向けに市販されているロープの構造として、合成繊維ロープや、スチールコードを内在したベルト(スチールベルト)があり、これらはグリスレス構成といえる。その他の開示されている構造としては、樹脂被覆ワイヤロープ等がある。
これらグリスレスロープに関しても経年的な劣化を生じるため、従来のワイヤロープと同様、保守管理が必要である。つるべ式駆動のエレベータ装置において、吊支持用ロープに求められる基本的な性能は、強度と耐摩擦力である。従って、経年劣化により、これらが所要の性能を保持できない状態となったときに交換となる。このため、実用上の使用基準(交換基準)が必要である。
しかし、グリスレスロープの場合、共通して強度部材(抗張力部材)が樹脂で覆われているため、これまでのロープのように直接観察により経年的損傷を確認することができない。 これまでに開示されているグリスレスロープの管理方法として、樹脂被覆ワイヤロープに対しては、例えば、図7に示すように、最外層の被覆部分の損傷を検知するものがある(例えば、特許文献1参照)。
図7において、吊支持用ロープ4は、導電性の素線を撚って構成した複数の導電性素線部分6の表面を、樹脂で被覆して外層被覆7を形成している。このロープ4は、図6で示した綱車1、またはそらせ車(図示せず)、あるいは、その他つり車5等の滑車8に巻き掛けられる。導電性の滑車8と同じく導電性の素線部分6との間には、電源装置9及び電流計10が接続されており、この間の通電有無を検出する。
上記の樹脂被覆ワイヤロープ4を使用したエレベータ装置において、高摩擦材からなる外層被覆7が健全に保たれていることは、内部の素線部分6の保護とともに、特につるべ式駆動で必要となる摩擦力を維持するために重要である。ここに示された方法は、経年的な外層被覆7の摩耗や損傷により、導電性の素線部分6が綱車等の滑車8の溝表面に接触すると、電流計10が通電を検知し、表層被覆の損傷を検知する。
また、他の方法として、ロープの抗張力部材である金属素線の損傷を検出する方法がある(例えば、特許文献2参照)。この方法は、図示しないが、金属製素線の最外層部分の強度を低くして先行して破断する部分を設け、同部分の破断を漏洩磁束探傷法で検出するものである。
特開2002−348068号公報 特開2004−218147号公報
前者は、主として摩擦力を保持するために外層被覆7の損傷を検出するものであり、内部の素線部分6の損傷は検出できない。一般に、表面に生じる損傷は、目視観察により損傷程度を把握できるため、容易に使用基準を定めることができる。しかし、所要強度を維持するためには、ロープ内部の抗張力部材の損傷を把握する必要があり、前者の方法のみでは不十分であった。
後者は、先行して破断する強度の低い素線の探傷出力で、抗張力部材全体の強度低下を見積もるものであり、ロープ内部の抗張力部材の損傷を把握することができる。しかし、強度の低い素線を優先的に破断させる必要があり、使用基準の信頼性をあげることは結果的にロープの寿命を下げることにつながる。
本発明の目的は、寿命を下げずに信頼性の高い使用基準を得ることができる樹脂被覆を施した吊支持用ロープを提供することにある。
本発明の吊支持用ロープは、導電性材料から成る素線を撚って構成された鋼心と、この鋼心の周囲にほぼ均等な間隔で配置され、導電性材料から成る素線を撚って構成された複数のストランドと、前記鋼心の周囲を覆い、この鋼心と前記複数のストランドとの間に介在する絶縁材料からなる樹脂製の緩衝被覆と、前記複数のストランドの集合により形成される外周を覆う樹脂製の外層被覆と、前記鋼心といずれかのストランドとの間の通電の有無を検出する通電検出手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の吊支持用ロープは、樹脂製の外層被覆が、前記複数のストランドの、それぞれの外周を覆う構成でもよい。
本発明では、前記各ストランド間の隙間は、鋼心周囲の前記緩衝被覆を取去り、鋼心とストランドとを接触させた状態で略ゼロとなるような断面配置とする。
また、本発明では、前記鋼心周囲の緩衝被覆として、ポリエチレン樹脂、ナイロン樹脂、又はポリプロピレン繊維による布状の被覆層のいずれかを用いる。
また、本発明では、前記各ストランド間に、ポリエチレン樹脂、ナイロン樹脂、又はウレタン樹脂のいずれかによる緩衝材を設けた構成でもよい。
また、本発明では、前記外層被覆としてウレタンによる被覆を設けるとよい。
さらに、本発明では、前記外層被覆の最も薄い部分の厚さを、その外径の10%〜20%とするとよい。
本発明によれば、樹脂被覆を施した吊支持用ロープに対して、ロープ内部の高張力部材を含むロープ全体の強度を把握して信頼性の高い使用基準を得ることができる。
本発明の吊支持用ロープの一実施の形態を示す断面図である。 図1で示したロープ断面の拡大図である。 図1で示した構造のロープを、緩衝被覆を設けずに磨耗実験した結果を示す図である 本発明の吊支持用ロープの他の実施の形態を示す断面図である。 本発明の吊支持用ロープのさらに他の実施の形態を示す断面図である。 吊支持用ロープの適用例である一般的なエレベータ装置の構成を示す図である。 従来技術を説明する図である。
以下、本発明による吊支持用ロープの一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
図1において、吊支持用ロープ4は、複数のストランド12、鋼心13、樹脂製の外層被覆14、及び樹脂製の緩衝被覆15から成る。ストランド12は、導電性の金属材料からなる素線を並行に撚って構成された、所謂平行撚ストランドである。このストランド12は、エレベータの設計上、吊支持用ロープ4における吊荷重を担う部材であり、複数本が円周状に配置されている。鋼心(以下、IWRC (Independent Wire Rope Core)とも呼ぶ)13は、導電性の金属材料からなる素線で構成され、円周状に配置された複数本のストランド12の内側の中心部に配置されており、吊支持用ロープ4の直径方向の圧縮変形を防止するために機能する。すなわち、主たる機能として、ロープ4に張力が作用した際、ストランド12が絞られて断面の中心方向に移動するのに抗して、ストランド12の位置を保持し、ロープ4の断面形状を保持するものである。外層被覆14はロープ4の周囲を被覆する樹脂被覆材であり、複数のストランド12の集合により形成される外周を覆っている。緩衝被覆15は絶縁材料からなる樹脂製のもので、鋼心13の周囲を覆い、この鋼心13と複数のストランド12との間に介在する。すなわち、鋼心(IWRC)13とストランド12を隔てるようにIWRC13を被覆する樹脂被覆材である。
外層被覆14は、網車等の溝面からの摩擦を受ける。また、緩衝被覆15は、ロープ4内部で素線からの摩擦を受ける。このため、それぞれに耐摩耗性が求められるが、外層被覆14は、つるべ式駆動においては、所定の摩擦力を求められるため、ウレタン等の高摩擦材が望ましい。他方、IWRC13の周囲を被覆する緩衝被覆15は、ストランド12、及びIWRC13を構成する素線への負荷(摩擦)を軽減するために、ポリエチレン樹脂やナイロン樹脂、またはポリプロピレン繊維で織られた布状被覆等、低摩擦材で構成することが望ましい。
ここで、ロープ4は、図6で示したように乗りかご2を吊支持する際、図7で示すように複数本(図7では3本)が用いられる。これらロープ4の外層被覆14は、綱車と接触している際、ロープ径の方向に圧縮変形を起こす。この変形は外装被覆14の厚さが厚いほど大きくなる。また、この変形はロープに加わる張力により異なり、張力が大きいほど変形量も大きい。
上述のように乗りかごの吊支持には複数本のロープ4が用いられており、これら複数本のロープ4に加わる張力は互いに均等であることが理想的ではある。しかし実際には複数のロープにおける張力に差が生じ、この差に応じて、ロープ毎の変形量にも差が生じる。この変形量の差が大きいと、綱車の回転中心からロープの軸中心までの半径方向の距離に差が生じる。このため、綱車の回転に伴うロープの送られる長さに差が生じ、その結果、ロープ間の張力差がさらに変動する。このようなロープ間の張力差及びその変動は、ロープの寿命に悪影響を与える。従って、変形は小さいほうが望ましく、そのためには外層被覆14の厚さは薄い方が望ましい。しかし、外層被覆14は綱車との間で摩擦力を要求されることから、あまり薄いと外層被覆14が早期に擦り切れてしまう。発明者の実験などによれば、外層被覆の最も薄い部分の厚さtは、そのロープ外径の概ね10%〜20%にすると、耐摩耗性の寿命及び圧縮変形量の双方を満足できることとなり、望ましい。
隣り合うストランド12同士の初期(製作直後)の間隔δは、ストランド12の直径の他、IWRC13の直径、及び緩衝被覆15の厚さで決まる。ロープ4は、使用時の張力により複数のストランド12がロープ4の中心方向に絞られるため、経年的な使用によりIWRC13、及び緩衝被覆15の外径が減少し、ストランド12同士の間隔δも減少する。本発明によるロープ4では、緩衝被覆15が劣化し、ストランド12とIWRC13の素線同士が接触する状態となったときに、間隔δが概ねゼロとなり、ストランド12同士が接触するような断面構成とする。なお、緩衝被覆15が劣化する前は、ストランド12間には外層被覆14の一部が入り込むため、ストランド12は、絞りに対して緩衝被覆15、及び外層被覆14の一部で支持されている。
さらに、図1において、16は電源装置、17は電流計であり、鋼心13といずれかのストランド12との間の通電の有無を検出する通電検出手段として機能する。すなわち、電源装置16は、その電源端子の一端を、ロープ4の端部で各ストランド12に接続し、もう一端は電流計17を直列に介してロープ4の端部でIWRC13に接続しており、これらの間の通電の有無を検出する。
ここで、本発明は、樹脂被覆のロープ14において、所要強度を維持するための使用基準を与える構造を提供する。すなわち、ストランド12に甚大な損傷(所要強度を下回るような損傷)が生じないうちに交換すべき状態であることを保守員に知らせる構造を提供する。
一般に、エレベータロープの強度低下は、綱車等に巻きかかるときの曲げ応力と、綱車等の溝表面との摩擦や、素線間の摩擦が繰り返し加わることで素線に断線が生じることによる。すなわち、素線が断線する部位は、製造不良などの場合を除き、素線に他の部材(隣接する素線を含む)からの摩擦が加わる部位である。図1に示したロープ構造の場合、ロープ表面は外層被覆14により保護され、素線部分では綱車等の溝表面からの摩擦を直接受けない。このため、素線の断線は素線間の摩擦と曲げ応力との複合的作用といえる。このうち曲げ応力については、概ね次式で表されることが知られている。
Figure 2010195580
上記(1)式において、σは曲げ応力、dはストランド12又はIWRC13を構成する素線の直径、Dは巻きかかった綱車や吊車等の径、Eはヤング率である。これらの関係から、素線径が大きいほうが曲げ応力は厳しい。
これに対し、摩擦力に関しては、素線間の接触面圧、すなわち、隣接する素線同士の接触面積が影響する。1本のストランド12を構成する素線同士、ならびにIWRC13の心ストランド(図2の18)、側ストランド(図2の19)を構成する素線同士は、各ストランド内において同じピッチで螺旋状に撚られているため、互いに線状に接触している。このため、1本のストランド12,18,19内部における接触面圧は低く、摩擦力による損傷は受け難い。これに対し、ストランド12間、あるいはIWRC13とストランド12との間で素線が接触した場合、ストランド12及びWRC13は互いに独立しているため、点状に接触することとなる。このため、接触面積は小さく、接触面圧は高くなり、摩擦力による損傷を受け易い。
発明者らが行った評価試験によれば、図3で示すように、複数のストランド12とIWRC13とを備え、樹脂被覆を設けない構造において、素線破断は図3に示す黒塗り部分に生じた。すなわち、ストランド12とIWRC13との接触部分、及びストランド12同士が接触する部分に集中した。図3の損傷状態から、破断に至る要因としては、(1)式で表される曲げ応力に加え、素線間の摩擦の影響がより大きいことを示している。
このように、ストランド12とIWRC13が接触する状態では、ロープの強度は急激に低下し破壊に至る。IWRC13の周囲を緩衝被覆15で被覆することによって、素線の面圧は大幅に緩和されるため、ストランド12とIWRC13との間で生じる断線を防ぐことができる。また、本発明のロープは、前述の通り、IWRC13の緩衝被覆15が劣化し、ストランド12とIWRC13とが接触するまでは、各ストランド12がそれらの周囲を樹脂で支えられる構成であり、隣り合うストランド12同士の強い接触がないように断面構成寸法を決めている。このため、ストランド12間の摩擦により、先行してストランド最外層の素線が破断することはない。
ここで、IWRC13の緩衝被覆15は、ストランド12とIWRC13とに圧縮され、せん断力を受ける。この緩衝被覆15は、材料強度的にストランド12の素線よりも早く劣化する。このため、IWRC13を被覆している樹脂(緩衝被覆15)の健全性を確認することで、ロープの健全性が確認できる。IWRC13の緩衝被覆15の健全性は、導体素線からなるストランド12と、導体素線からなるIWRC13との間の導通を検知することで確認できる。すなわち、図1で示したように、電源装置16及び電流計17を用いてストランド12とIWRC13とを含む回路を構成し、電流計17により通電を検知することで、ストランド12とIWRC13とが接触状態となったことがわかる。これにより、ストランド12の急激な強度低下が予測できるため、ロープ4の交換が必要とわかる。
ところで、図2で示したIWRC13の心ストランド18と側ストランド19との接触も独立したストランド間の接触となる。面圧に関しては、一般にIWRC13の撚り方は、側ストランド19自体の撚り方向と同じラング撚りであり、これにより素線間の接触面の曲率が下がり、接触圧の緩和を図っているが、ストランド間の直接接触であるため素線破断は発生し得る。しかし、IWRC13の機能は、複数のストランド12を支えて、ロープの径方向の圧縮変形を少なくする、断面寸法の保持機能であり、ロープ全体の引張強度は複数のストランド12で持たせている。したがって、IWRC13中における素線が多少破断していても問題は無い。すなわち、ストランド12分を含む全素線分の強度からIWRC13の負担分を差し引いたものを本ロープの強度とすれば、IWRC13が素線破断により抗張力部材としての機能が低下しても問題はない。
以上により、ロープを樹脂で被覆することで、素線の負荷を緩和し、寿命を向上するとともに、環境負荷となるグリスを排除し、さらに、信頼性の高い使用基準を得ることができる。本構成においては、素線強度を上げるほど長寿命を得られ、安全性、強度的信頼性もあげることができる。
なお、ストランドの素線構成は図1ではシール構成を示したが、フィラー線を用いた構成でも同様の効果を得る。
他の実施形態として、図4に示す構成であっても上述した実施の形態と同様な効果が得られる。図4において、複数のストランド20、IWRC21、ロープ外周を覆う、望ましくはウレタンのような、高摩擦、かつ、耐摩耗性を有する樹脂性の外層被覆22、IWRC21の周囲を覆う、望ましくはポリエチレン樹脂、またはナイロン樹脂、あるいはポリプロピレン繊維が織られてなる布状被覆材による緩衝被覆23を設ける構成は、基本的に図1及び図2で示したものと同じである。この実施の形態では、隣り合うストランド20間に、新たに緩衝部材24を配置した構成が異なる。この緩衝部材24としては、ポリエチレン樹脂、またはナイロン樹脂、ウレタン樹脂等を用いる。
なお、電源装置25及び電流計26を、ロープの端部で、各ストランド20とIWRC21との間に接続し、通電測定手段を構成することは、前述の実施の形態と同じである。
上記構成により、電流計26により通電を検知することで、ストランド20とIWRC21とが接触状態となったことがわかる。これにより、ストランド20の急激な強度低下が予測できるため、ロープの交換が必要とわかる。
なお、このような構成であっても、緩衝部材24を取去った場合のストランド20間の隙間はIWRC21の周囲を覆う緩衝被覆23を取去り、IWRC21とストランド20とを接触させた状態で略ゼロとなるような断面配置とする。
以上により、素線の負荷を緩和し、寿命を向上するとともに、信頼性の高い使用基準を得ることができる。
さらに、図5で示すように、複数のストランド27毎に外層被覆29を設けてもよい。この外層被覆29は、各ストランド27の外周を個別に覆っており、望ましくはウレタンのような、高摩擦、かつ、耐摩耗性を有する樹脂を被覆して成る。この他、IWRC28、このIWRC28の周囲を覆う、望ましくはポリエチレン樹脂、またはナイロン樹脂、あるいはポリプロピレン繊維が織られてなる布状被覆材からなる緩衝被覆30を設けること、さらには、電源装置31及び電流計32を、ロープの端部で、各ストランド27とIWRC28との間に接続し通電測定手段を構成することは、前述の実施の形態と同じである。
このように構成した場合も、電流計32により通電を検知することで、ストランド27とIWRC28とが接触状態となったことがわかる。これにより、ストランド27の急激な強度低下が予測できるため、ロープの交換が必要とわかる。その結果、素線の負荷を緩和し、寿命を向上するとともに、信頼性の高い使用基準を得ることができる。
12,20,27…ストランド
13,21、28…鋼心(IWRC )
14,22,29…外層被覆
15,23,30…緩衝被覆
31,32…通電検出手段を構成する電源装置及び電流計

Claims (7)

  1. 導電性材料から成る素線を撚って構成された鋼心と、
    この鋼心の周囲にほぼ均等な間隔で配置され、導電性材料から成る素線を撚って構成された複数のストランドと、
    前記鋼心の周囲を覆い、この鋼心と前記複数のストランドとの間に介在する絶縁材料からなる樹脂製の緩衝被覆と、
    前記複数のストランドの集合により形成される外周を覆う樹脂製の外層被覆と、
    前記鋼心といずれかのストランドとの間の通電の有無を検出する通電検出手段と、
    を備えたことを特徴とする吊支持用ロープ。
  2. 導電性材料から成る素線を撚って構成された鋼心と、
    この鋼心の周囲にほぼ均等な間隔で配置され、導電性材料から成る素線を撚って構成された複数のストランドと、
    前記鋼心の周囲を覆い、この鋼心と前記複数のストランドとの間に介在する絶縁材料からなる樹脂製の緩衝被覆と、
    前記複数のストランドの、それぞれの外周を覆う樹脂製の外層被覆と、
    前記鋼心といずれかのストランドとの間の通電の有無を検出する通電検出手段と、
    を備えたことを特徴とする吊支持用ロープ。
  3. 前記各ストランド間の隙間は、鋼心周囲の前記緩衝被覆を取去り、鋼心とストランドとを接触させた状態で略ゼロとなるような断面配置としたことを特徴とする請求項1に記載の吊支持用ロープ。
  4. 前記鋼心周囲の緩衝被覆として、ポリエチレン樹脂、ナイロン樹脂、又はポリプロピレン繊維による布状の被覆層のいずれかを用いたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の吊支持用ロープ。
  5. 前記各ストランド間に、ポリエチレン樹脂、ナイロン樹脂、又はウレタン樹脂のいずれかによる緩衝材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の吊支持用ロープ。
  6. 前記外層被覆としてウレタンによる被覆を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の吊支持用ロープ。
  7. 前記外層被覆の最も薄い部分の厚さを、その外径の10%〜20%としたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の吊支持用ロープ。
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