JP2010254394A - ワイヤロープおよびそのワイヤロープの寿命を点検する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】寿命を安価な装置で常時監視し得るワイヤロープおよびそのワイヤロープの寿命を点検する方法を得る。
【解決手段】ワイヤロープは、エレベータに用いるワイヤロープであって、中心に配置される樹脂被覆導線と、上記樹脂被覆導線の周囲に巻き付けられた心綱と、上記心綱の周囲に巻き付けられたストランドと、を備え、上記樹脂被覆導線は、曲げ疲労寿命が上記ワイヤロープの曲げ疲労寿命より短い。また、樹脂被覆導線の両端に電圧を印加し上記樹脂被覆導線に電流が流れないとき上記ワイヤロープの曲げ疲労寿命の所定の割合に達したと判断する。
【選択図】図１
【解決手段】ワイヤロープは、エレベータに用いるワイヤロープであって、中心に配置される樹脂被覆導線と、上記樹脂被覆導線の周囲に巻き付けられた心綱と、上記心綱の周囲に巻き付けられたストランドと、を備え、上記樹脂被覆導線は、曲げ疲労寿命が上記ワイヤロープの曲げ疲労寿命より短い。また、樹脂被覆導線の両端に電圧を印加し上記樹脂被覆導線に電流が流れないとき上記ワイヤロープの曲げ疲労寿命の所定の割合に達したと判断する。
【選択図】図１
Description
この発明は、エレベータのかごを吊すためのワイヤロープおよびそのワイヤロープの寿命を点検する方法に関する。
ロープ式のエレベータにおいては、メインロープ、コンペンロープ、ガバナロープが使用されている。そして、これらのロープは、中央に位置し、麻やポリプロピレン製の心綱素線を撚り合わせあるいは編み上げた心綱と、心綱の周囲に巻き付けられた素線を撚り合わせた６本または８本のストランドとを有する。
そして、従来、ワイヤロープの軸方向に磁気的に飽和状態に磁化し、局部的な断面積変化を空気中に漏洩する磁束の変化により評価する漏洩磁束探傷法による非破壊検査が外観検査の補助手段的に用いられている（例えば、特許文献１参照）。
しかし、従来のロープテスタは、検出器ごとに制御器および記録計が組み合わせされているので、コストがかかるとともに、一台一台の調整・マッチングが必要であるため操作も煩雑であり、設置も大きなスペースを必要とする問題があった。
この発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、寿命を安価な装置で常時監視し得るワイヤロープおよびそのワイヤロープの寿命を点検する方法を得ることを目的とする。
この発明に係るワイヤロープは、エレベータに用いるワイヤロープであって、中心に配置される樹脂被覆導線と、上記樹脂被覆導線の周囲に巻き付けられた心綱と、上記心綱の周囲に巻き付けられたストランドと、を備え、上記樹脂被覆導線は、曲げ疲労寿命が上記ワイヤロープの曲げ疲労寿命より短い。
この発明に係るワイヤロープの寿命を点検する方法は、樹脂被覆導線の両端に電圧を印加し上記樹脂被覆導線に電流が流れないとき上記ワイヤロープの曲げ疲労寿命の所定の割合に達したと判断する。
この発明に係るワイヤロープの効果は、ワイヤロープの中に曲げ疲労による寿命がワイヤロープ全体の寿命より短い所定の寿命の樹脂被覆導線を設けてあるので、ワイヤロープの使用開始から樹脂被覆導線の断線が確認されるまでは樹脂被覆導線の断線を安価なテスタで点検すればよいことである。
以下、本発明のワイヤロープの好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
図１は、この発明に係るワイヤロープの断面図である。図２は、ワイヤロープを一部解いた状態を示す側面図である。
この発明の実施の形態でのワイヤロープ１は、断面の中心に配置される樹脂被覆導線２、樹脂被覆導線２の周囲に巻き付けられた心綱３、心綱３の周囲に巻き付けられたストランド４から構成される。
樹脂被覆導線２は、鋼線５が樹脂皮膜６により被覆されている。そして、樹脂被覆導線２に曲げを繰り返し施したときに起こる断線（以下、曲げ疲労による断線と称す）が心綱３とストランド４だけから構成されるワイヤロープの曲げ疲労による寿命より短い、例えば寿命の８０％位で発生する。なお、割合は６０％〜９０％が好ましいが、安全を考慮すれば７０％〜８０％が最も好ましい。
図１は、この発明に係るワイヤロープの断面図である。図２は、ワイヤロープを一部解いた状態を示す側面図である。
この発明の実施の形態でのワイヤロープ１は、断面の中心に配置される樹脂被覆導線２、樹脂被覆導線２の周囲に巻き付けられた心綱３、心綱３の周囲に巻き付けられたストランド４から構成される。
樹脂被覆導線２は、鋼線５が樹脂皮膜６により被覆されている。そして、樹脂被覆導線２に曲げを繰り返し施したときに起こる断線（以下、曲げ疲労による断線と称す）が心綱３とストランド４だけから構成されるワイヤロープの曲げ疲労による寿命より短い、例えば寿命の８０％位で発生する。なお、割合は６０％〜９０％が好ましいが、安全を考慮すれば７０％〜８０％が最も好ましい。
心綱３は、樹脂被覆導線２を中心に麻やポリプロピレン製の心綱素線７を撚り合わせあるいは編み上げた構造となっている。そして、心綱３の周囲には６本のストランド４が巻き付けられている。なお、ストランド４の数は６本に限るわけではない。
ストランド４は、鋼線である素線８を撚り合わせた構造となっている。
ストランド４は、鋼線である素線８を撚り合わせた構造となっている。
このワイヤロープ１に繰り返しの曲げを施すと、樹脂被覆導線２の鋼線５の曲げ強度が金属疲労により低下し、ある回数に至ると鋼線５が破断する。一方、ストランド４の素線８も断線していくが、鋼線５が破断する回数ではワイヤロープの曲げ疲労寿命に達したと判断する使用限度を超えてはいない。例えば、素線８の断線が平均に分布している場合１つのストランド４の１ピッチ内に４本を超えているとき使用限度を超えていると判断する。
次に、ワイヤロープ１の寿命予測方法について説明する。
エレベータが新たに設置された時またはワイヤロープ１が交換された時を使用開始時とし、使用開始時から樹脂被覆導線２の断線が検出されるまでは、エレベータの保守点検の度に、ワイヤロープ１の両端に露出した樹脂被覆導線２に電圧を印加して電流を計測する。樹脂被覆導線２が断線していないときには電流が流れており、逆に樹脂被覆導線２が断線すると電流は流れない。
そして、樹脂被覆導線２が断線したときはワイヤロープ１の曲げ疲労寿命の８０％位に達していると推定し、以降エレベータの保守点検で定期的にロープテスタで素線８の破断を点検する。
エレベータが新たに設置された時またはワイヤロープ１が交換された時を使用開始時とし、使用開始時から樹脂被覆導線２の断線が検出されるまでは、エレベータの保守点検の度に、ワイヤロープ１の両端に露出した樹脂被覆導線２に電圧を印加して電流を計測する。樹脂被覆導線２が断線していないときには電流が流れており、逆に樹脂被覆導線２が断線すると電流は流れない。
そして、樹脂被覆導線２が断線したときはワイヤロープ１の曲げ疲労寿命の８０％位に達していると推定し、以降エレベータの保守点検で定期的にロープテスタで素線８の破断を点検する。
以上のように、ワイヤロープ１の中に曲げ疲労による寿命がワイヤロープ全体の寿命の８０％位と短い樹脂被覆導線２を設けてあるので、ワイヤロープ１の使用開始から樹脂被覆導線２の断線が確認されるまでは樹脂被覆導線２の断線を安価なテスタで点検すればよい。
また、鋼線５が樹脂により被覆されているので、ストランド４の素線８と電気的に導通せず、樹脂被覆導線２だけの導通を点検できる。
また、鋼線５が樹脂により被覆されているので、ストランド４の素線８と電気的に導通せず、樹脂被覆導線２だけの導通を点検できる。
なお、樹脂被覆導線２の両端から常時導線を引き出し、電圧を印加しておけば鋼線５が断線したことを直ぐに確認することができる。
１ ワイヤロープ、２ 樹脂被覆導線、３ 心綱、４ ストランド、５ 鋼線、６ 樹脂皮膜、７ 心綱素線、８ 素線。
Claims (2)
- エレベータに用いるワイヤロープであって、
中心に配置される樹脂被覆導線と、
上記樹脂被覆導線の周囲に巻き付けられた心綱と、
上記心綱の周囲に巻き付けられたストランドと、を備え、
上記樹脂被覆導線は、曲げ疲労寿命が上記ワイヤロープの曲げ疲労寿命より短いことを特徴とするワイヤロープ。 - 請求項１に記載のワイヤロープの寿命を点検する方法において、
樹脂被覆導線の両端に電圧を印加し上記樹脂被覆導線に電流が流れないとき上記ワイヤロープの曲げ疲労寿命の所定の割合に達したと判断することを特徴とするワイヤロープの寿命を点検する方法。
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| JP2009103819A JP2010254394A (ja) | 2009-04-22 | 2009-04-22 | ワイヤロープおよびそのワイヤロープの寿命を点検する方法 |
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| JP2009103819A Pending JP2010254394A (ja) | 2009-04-22 | 2009-04-22 | ワイヤロープおよびそのワイヤロープの寿命を点検する方法 |
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2009
- 2009-04-22 JP JP2009103819A patent/JP2010254394A/ja active Pending
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