JP2001072383A - 自己診断機能付きワイヤロープ - Google Patents

自己診断機能付きワイヤロープ

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JP2001072383A
JP2001072383A JP24874399A JP24874399A JP2001072383A JP 2001072383 A JP2001072383 A JP 2001072383A JP 24874399 A JP24874399 A JP 24874399A JP 24874399 A JP24874399 A JP 24874399A JP 2001072383 A JP2001072383 A JP 2001072383A
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wire rope
rope
core
conductive fiber
strand
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JP24874399A
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Inventor
Hiroaki Yanagida
博明 柳田
Hideaki Matsubara
秀彰 松原
Yoshiki Okuhara
芳樹 奥原
Koji Kanda
康治 神田
Toshiyuki Moriya
敏之 守谷
Masayuki Takada
真之 高田
Masanori Tsujii
正紀 辻井
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Japan Fine Ceramics Center
Tokyo Seiko Co Ltd
Original Assignee
Japan Fine Ceramics Center
Tokyo Seiko Co Ltd
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D07ROPES; CABLES OTHER THAN ELECTRIC
    • D07BROPES OR CABLES IN GENERAL
    • D07B1/00Constructional features of ropes or cables
    • D07B1/14Ropes or cables with incorporated auxiliary elements, e.g. for marking, extending throughout the length of the rope or cable
    • D07B1/145Ropes or cables with incorporated auxiliary elements, e.g. for marking, extending throughout the length of the rope or cable comprising elements for indicating or detecting the rope or cable status

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  • Load-Engaging Elements For Cranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワイヤロープの内部の劣化状況を迅速かつ容
易に検知することができる自己診断機能付きワイヤロー
プを提供する。 【手段】 ロープ寿命を非破壊的な検査で判定すること
ができる自己診断機能付きワイヤロープであって、ロー
プ寿命を判定するときの判断材料となるロープ心部の電
気的特性の変化を検知する検知部材が撚り込まれた心ス
トランドと、この心ストランドの周囲に撚り合わされた
側ストランドと、を具備し、前記検知部材は、導電性を
付与された連続繊維状の導電性繊維部材と、この導電性
繊維部材を周囲の他部材および前記側ストランドから絶
縁する絶縁被覆材と、を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレベーターやク
レーン等に用いられるワイヤロープの寿命を判定するこ
とができる自己診断機能付きワイヤロープに関する。
【0002】
【従来の技術】エレベーターやクレーン等の荷役機械に
おいては、貨物の吊り上げ・吊り下し要素として重要で
あり、使用中の劣化程度を判断するために定期点検が行
なわれる。ワイヤロープの点検方法として、外観目視検
査、ロープ外径の測定が採用されている。外観目視検査
では、発見された損傷箇所をノギス、マイクロメータ、
メモリ付ルーペ、その他の計測機器を用いてワイヤロー
プの損傷状態を記録する。ロープ外径の測定では、検査
基準等に定められた複数箇所につきノギス等を用いてロ
ープの外径を測定記録する。そして、これらの測定結果
が許容範囲内か否かによって、当該ワイヤロープが使用
可能か否かを判定する。また、これらの点検の他に、ワ
イヤロープテスターによる素線断線調査が行なわれてい
る。ワイヤロープテスターは、漏洩磁束探傷法を応用し
た検査機器であって、素線断線等の損傷箇所を検出し記
録するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、外観目
視検査およびロープ外径測定のような従来の点検方法
は、点検測定に際して多大な労力を要するとともに、点
検のために必要な設備停止期間が長期間にわたる。ま
た、従来の点検方法では内部の断線等を確認することは
不可能である。事実、ワイヤロープ交換時期の判定とし
て、国際規格ISO4309に示されている事項は、次
のようである。すなわち、素線の断線数として、内層ス
トランド中の素線は、基準とする総素線数には含めない
ということ、また、鋼心を有するロープでは対象とする
素線に鋼心中の素線は含めず、多層ストランドロープで
は外層ストランドの素線のみを対象とするということと
なっている。つまり、内層ストランドの目視検査が不可
能なことから外層ストランドの断線素線数によって間接
的に判定せざるを得ず、従来の点検方法により判定され
るロープ交換時期は精度が低い。
【0004】一方、ワイヤロープテスターによる素線断
線等の調査においては、ワイヤロープテスターが、ワイ
ヤロープに磁束をかけたときに損傷箇所で漏洩する磁束
を測定するものであるので、ステンレス鋼ロープやアル
ミニウムより線などの非磁性品には適用することができ
ない。
【0005】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、その目的は、ワイヤロープ内部の
損傷状況を判定可能とし、ワイヤロープの交換時期を高
精度に判定することができるワイヤロープを提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る自己診断機
能付きワイヤロープは、ロープ寿命を非破壊的な検査で
判定することができる自己診断機能付きワイヤロープで
あって、ロープ寿命を判定するときの判断材料となるロ
ープ心部の電気的特性の変化を検知する検知部材が撚り
込まれた心ストランドと、この心ストランドの周囲に撚
り合わされた側ストランドとを具備し、上記検知部材
は、導電性を付与された連続繊維状の導電性繊維部材
と、この導電性繊維部材を周囲の他部材および側ストラ
ンドから絶縁する絶縁被覆材とを有することを特徴とす
る。
【0007】また、上記導電性繊維部材は、炭素繊維お
よび金属線の少なくとも一方からなることが好ましい。
【0008】また、上記導電性繊維部材は、ガラス繊維
およびアラミド繊維の少なくとも一方からなる非導電性
繊維に、導電性の粒子を混入または含浸させることが好
ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しながら
本発明の種々の好ましい実施形態について説明する。
【0010】本発明の自己診断機能付きワイヤロープ
(以下、単にワイヤロープという)は、導電性繊維部材
を有する検知部材をロープ心部に備えている。
【0011】図1に本発明の好ましい実施の形態に係る
導電性繊維部材の縦断面を示す。
【0012】図1(a)に示す導電性繊維部材1は、導
電性を有する連続繊維1aを束ねてなっている。導電性
繊維部材1は、炭素繊維および金属線等のうち少なくと
も1種類の繊維1aから形成されてもよく、これらを組
み合わせてなってもよい。
【0013】図1(b)に示す導電性繊維部材1は、非
導電性繊維4に沿って導電性の粒子3を混入または含浸
させている。導電性の粒子3を混入または含浸させるこ
とによって導電性繊維部材1には導電性が付与されてい
るので、診断能力が向上されている。
【0014】上記した導電性の粒子3は、導電性を有す
るものであれば、その材質および形状を特に問われるも
のではない。導電性の粒子3としては、具体的には、炭
素粉末、金属紛等を挙げることができる。さらに、これ
らを混合した混合粉末であってもよい。
【0015】非導電性繊維4としてはガラス繊維やアラ
ミド繊維等からなるヤーンを挙げることができる。さら
に、これらを取り混ぜた混合繊維からなるヤーンとして
もよい。
【0016】このような非導電性繊維4に導電性の粒子
3を混入・含有させ、もしくは導電性の粒子3を分散さ
せた液を含浸または塗布することによって、図1(b)
に示す導電性繊維部材1を形成することができる。
【0017】導電性繊維部材1はその本数が多ければ多
いほど好ましく、単に導電性繊維部材1を束ねた形態と
してもよく、または導電性繊維部材1を撚り合わせて一
体化した撚糸状のストランドのような形態としてもよ
い。
【0018】検知部材2は、上記したような導電性繊維
部材1と、これを被覆絶縁する絶縁被覆材5とを備えて
なるものである。
【0019】図2に検知部材2の横断面を拡大して示
す。検知部材2は、その心部が複数の導電性繊維部材1
の束とされ、外周部が絶縁被覆材5を被覆された構成と
なっている。この絶縁被覆材5によって導電性繊維部材
1は周囲の他部材および側ストランドから絶縁される。
なお、図2に示すように、検知部材2は円形断面形状で
ある。
【0020】絶縁被覆材5に用いられる絶縁材料として
はポリエステルやポリエチレンなどの合成樹脂を挙げる
ことができる。
【0021】図3に心ストランドの概略の断面構成を示
す。心ストランド7は検知部材2をコア部とし、その周
囲に6本の繊維束が例えばS撚りで撚り合わされてい
る。繊維束6は、検知部材2の通電状態を測定可能に維
持するために、絶縁被覆材5の剥離や損傷等を生じない
ように保護し得るものであることが望ましい。なお、繊
維束6は天然繊維または合成繊維もしくはこれらを混合
した繊維を用いて形成することが好ましい。また、繊維
束6にはワイヤロープの潤滑および防錆を目的としてロ
ープグリースを含浸させてもよい。
【0022】本発明のワイヤロープの好ましい実施形態
の一例は、図4に示すような断面構成をなすものであ
る。図4に示すワイヤロープ11は、検知部材2と6本
の繊維束6とを備えた1本の心ストランド7を繊維心と
している。この繊維心とした心ストランド7には、潤滑
用および防錆用のロープグリースを含浸させている。そ
して、心ストランド7の外周には、6本の側ストランド
10が例えばZ撚りで撚り合わされている。
【0023】側ストランド10は、1本の心線の周囲
に、内周から外周に向かって、素線を6本、12本、1
8本と等差級数的に6本ずつ増加させた合計37本の素
線からなる。これら同径の素線を例えばS撚りして側ス
トランド10は形成されている。
【0024】本発明のワイヤロープの実施形態は、図4
に示す第1の実施形態のワイヤロープの断面構成に類似
の断面構成としてもよい。
【0025】図5に示す第2の実施形態のワイヤロープ
11Aは、上記した第1の実施形態と同様に、検知部材
2と6本の繊維束6とを備えた心ストランド7を繊維心
としている。そして、この繊維心にはワイヤロープの潤
滑および防錆用のロープグリースを含浸させている。
【0026】心ストランド7の外周には、図4に示す側
ストランド10と異なる断面構成の6本の側ストランド
10Aが例えばZ撚りで撚り合わされている。
【0027】側ストランド10Aは、1本の心線と、7
本の内層素線と、14本の外層素線との合計22本から
なる。そして、これらの素線を例えばS撚りして側スト
ランド10Aは形成されている。
【0028】さらに、図6に、本発明の第3の実施形態
のワイヤロープを示す。ワイヤロープ11Bは、図6に
示すように、ロープ心を有する断面構成をなしている。
このワイヤロープ11Bでは、検知部材2を撚り込んだ
心ストランド7が心ロープ9のコア部に撚り込まれてい
る。
【0029】心ロープ9は、心ストランド7の外周に7
×6構成の側ストランド8が例えばS撚りで撚り合わさ
れて形成されている。そして、心ロープ9をロープ心と
して、6本の側ストランド10Bが例えばZ撚りで撚り
合わされている。
【0030】側ストランド10Bは、同径の素線37本
の構成となっている。これらの素線を例えばS撚りして
側ストランド10Bは形成されている。
【0031】さらに、第4の実施形態として、図6に示
すワイヤロープ11と同様にロープ心を有するワイヤロ
ープを図7に示す。ワイヤロープ11Cは、検知部材2
を撚り込んだ心ロープ9と、その外周に撚り合わされた
側ストランド10Cとを備えている。
【0032】側ストランド10Cは、1本の心線、7本
の内層素線および14本の外層素線と、内外層の隙間に
充填された7本のフィラー線との合計29本からなる
(1+7+(7)+14)の構成である。これら各種径
の素線およびフィラー線を例えばS撚りして側ストラン
ド10Cは形成されている。
【0033】以上、図4〜図7に例示したように、本発
明のワイヤロープは、繊維心やロープ心のようなロープ
心部に撚り込まれた検知部材2を備えている。検知部材
2は導電性繊維部材1を周囲の他部材および側ストラン
ド等から絶縁する絶縁被覆材5を有しているので、導電
性繊維部材1のみの通電状態を測定することが可能とな
る。検知部材2はロープ心部に撚り込まれているので、
ロープ内部の劣化状態に同調して劣化するものである。
検知部材2の電気抵抗値の変化量を測定するために、そ
の端部は露出されてテスター端子に接続され、通電診断
される。
【0034】検知部材2の外径は種々変えることができ
る。例えば、ワイヤロープ径に応じた断面径としたり、
あるいは検知部材2を繊維心として撚り込む場合または
ロープ心に撚り込む場合等に応じてその径を変えること
ができる。このように場合に応じた好適な径とすること
によって、心ロープに撚り込まれた検知部材を備えたワ
イヤロープにおいて、この検知部材2はあたかもワイヤ
ロープの1ストランドのように挙動し得る。そして、検
知部材を構成している導電性繊維部材は、あたかもワイ
ヤロープの素線のように挙動し得る。すなわち、ワイヤ
ロープ内部の素線断線や摩耗等の損傷の進行に追随し
て、検知部材2の導電性繊維部材の損傷も進行し得る。
したがって、この導電性繊維部材の損傷状態の変化は、
検知部材に通電したときの抵抗値の変化量として検知す
ることができる。
【0035】さらに、検知部材2の電気抵抗値と素線の
断線本数との関係をあらかじめ測定しておくことによっ
て、ワイヤロープ内部の損傷状況を容易に把握すること
ができる。このように、検知部材を備えることによっ
て、従来ではなし得なかったあらゆるワイヤロープ内部
状況の把握をすることができ、当該ワイヤロープが使用
可能か否かを迅速に判定することが可能となる。
【0036】上記のように、測定項目としては、検知部
材2の電気抵抗値だけでよい。なお、検知部材2と連結
した端子をワイヤロープ両端に設けるなどしておけば、
電気抵抗値を簡便に測定することができる。したがっ
て、特殊な測定機器を必要とせず、安価で軽量なハンド
テスターを用意するだけでよい。こうして、ワイヤロー
プの定期点検に要する時間および費用を大幅に削減する
ことができる。
【0037】なお、検知部材は、複数本撚り込むことも
でき、使用条件や使用用途の異なるいずれのワイヤロー
プにも適用可能なように好適な本数とすることができ
る。
【0038】
【実施例】以下、添付の図面(図1(b)、図2〜図
4、図8、図9)を参照しながら本発明を具体的な実施
例に基づいて説明する。 実施例1 本実施例では、導電性粒子3として炭素粉末、連続繊維
4としてガラス繊維を用いた。まず、炭素粉末を樹脂中
に練合し、これをガラス繊維に沿って含浸させて導電性
繊維部材1を調製した。この導電性繊維部材1を1×3
構成の束とし、その周囲にポリエチレンの絶縁被覆材5
を被覆し、断面形状がほぼ円形で、外径約2mmの検知
部材2を作製した。続いて、この検知部材2の外周にポ
リプロピレン繊維からなる6本の繊維束6を撚り合わ
せ、心ストランド7を作製した。繊維束6は、S撚りで
1×3の構成である。この心ストランド7を繊維心とし
て、その周囲に6本の側ストランド10をZ撚りで撚り
合わせて、外径18mmのワイヤロープ11(6×3
7)を作製した。なお、繊維心とした心ストランド7に
は鉱油系のロープグリースを所定量含浸させた。側スト
ランド10は、炭素含有量0.62%の線材を冷間加工
した0.86mmの径の素線をS撚りで撚り合わせて、
図4に示すような(1+6+12+18)の構成とし
た。
【0039】次に、疲労試験機に、作製したワイヤロー
プ11をセットし、一定の張力下で繰り返し曲げ応力を
負荷し、検知部材2の電気抵抗値の経時変化につき調べ
た。
【0040】図8に、使用した疲労試験機の概要を示
す。ワイヤロープ11は、その一端部を電動回転するド
ラム21に固定され、ドラム溝に沿って巻きつけられ
る。ドラム21の回転によって巻解され、水平方向に引
き出されたワイヤロープは、ローラ22周縁部の溝底に
沿って180度曲げられ、上記水平方向と並行する逆の
水平方向に向かうようにされる。ローラ22を介したワ
イヤロープ11は、さらに、ローラ23の周縁部の溝底
に沿って180度曲げられ、上記逆の水平方向と並行す
る元の水平方向に向かうようにされる。ローラ23を介
したワイヤロープ11は、ローラ24周縁部の溝底に沿
って90度曲げられ、垂直に下降する方向に向かうよう
にされる。そして、ワイヤロープ他端部に所定重量の重
りを取り付けられ、一定の張力をかけられた状態とされ
る。
【0041】上記のように疲労試験機にセットされ、重
りを取り付けられたワイヤロープ11は、ドラム21の
回転によって巻付きおよび巻解させられ、ドラム21、
ローラ22、ローラ23およびローラ24によって繰り
返し曲げ応力を負荷される。
【0042】試験条件は、係数D/d(D:ローラ径、
d:ロープ径)を20とし、安全率を5とした。安全率
5としたことから、用いた重りの重量はワイヤロープ1
1の破断荷重の20%に相等することとした。
【0043】電気抵抗の測定には、横河電気株式会社製
のデジタルマルチメータ Model 7651を用
い、測定は2端子法で行なった。また、電気抵抗値の測
定とともに、ワイヤロープ11を解いて素線の断線本数
を測定した。
【0044】図9は、横軸には繰り返し負荷回数(×1
3 回)をとり、左縦軸には電気抵抗の変化量
(Ω)を、右縦軸には素線の断線本数をとって、ワイヤ
ロープの疲労特性と電気抵抗変化量との相関関係を示し
た特性線図である。負荷荷重はロープ破断強度の20%
とした。電気抵抗の変化量ΔRが40Ω以上となると、
ロープ内部に20本以上の断線を生じたものと推定し、
これをワイヤロープ寿命の判定基準とした。図中にて曲
線Aは電気抵抗の変化量を示す特性線であり、曲線Bは
ロープの疲労特性を素線の断線本数で表した特性線であ
る。
【0045】図から明らかなように、繰り返し負荷回数
が少ない非定常領域においては電気抵抗の変化量が急激
に増加するが、約1万回を超えるあたりから繰り返し負
荷回数と電気抵抗の変化量とは正比例する関係にあり、
電気抵抗の変化量が繰り返し負荷回数に強い依存性を有
することが判明した。また、素線の断線本数は、2万な
いし3万回の繰り返し負荷回数を超える領域で急激に増
加した。
【0046】ここで、本実施例におけるワイヤロープ1
1を仮に「クレーン等安全規則およびクレーン等各構造
規格」に準ずるものとした場合を考える。この場合、ワ
イヤロープの使用限度は、ロープ1よりの間における総
素線数の10%以上の素線破断と規定されている。本実
施例の(37×6)構成のワイヤロープにおいては、そ
の総素線数は、222本となる。したがって、総素線数
の10%は22本である。本発明者らは、図9の特性線
図から、素線の断線本数が22本のときの電気抵抗の変
化量が約40Ωであるとの知見を得た。このような知見
に基づき、電気抵抗の変化量が40Ω以上となった場合
は、22本程度以上の断線が生じたであろうと推定する
ことが可能となる。したがって、ワイヤロープの使用限
界として、電気抵抗の変化量が40Ω未満となる領域を
推奨することができ、これをワイヤロープの交換基準と
することができる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、ワイヤロープの損傷程
度と検知部材から得られる電気抵抗の変化量とをあらか
じめ把握しておくことにより、ワイヤロープの劣化程度
を正確に判定することができ、ワイヤロープの交換時期
を高精度に予測することができる。また、測定するのは
電気抵抗値のみであるため特殊な測定機器を必要とせ
ず、安価で軽量なハンドテスターで電気抵抗の変化量を
測定するだけでよく、点検のための設備停止期間が大幅
に短縮され、保守点検コストが大幅に低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は導電性繊維のみからなる導電性繊維部
材を示す縦断面図。(b)は導電性粒子を有する他の導
電性繊維部材を示す縦断面図。
【図2】検知部材の概要を拡大して示す横断面図。
【図3】心ロープの概要を示す横断面図。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る自己診断機能付
きワイヤロープを示す横断面図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る自己診断機能付
きワイヤロープを示す横断面図。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る自己診断機能付
きワイヤロープを示す横断面図。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る自己診断機能付
きワイヤロープを示す横断面図。
【図8】実施例に用いられる疲労試験機の概要を示す側
面図。
【図9】実施例における繰り返し負荷回数−電気抵抗の
変化量−素線の断線本数の相関を示す特性線図。
【符号の説明】
1…導電性繊維部材 1a…導電性繊維 2…検知部材 3…導電性の粒子 4…非導電性繊維 5…絶縁被覆材 6…繊維束 7…心ストランド 8…心ロープの側ストランド 9…心ロープ 10,10A,10B,10C…側ストランド 11,11A,11B,11C…自己診断機能付きワイ
ヤロープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松原 秀彰 愛知県名古屋市熱田区六野2−4−1 財 団法人ファインセラミックスセンター内 (72)発明者 奥原 芳樹 愛知県名古屋市熱田区六野2−4−1 財 団法人ファインセラミックスセンター内 (72)発明者 神田 康治 茨城県新治郡千代田町稲吉東4−8−6 (72)発明者 守谷 敏之 茨城県新治郡千代田町下稲吉1890−143 (72)発明者 高田 真之 愛知県蒲郡市豊岡町白山11−3 日本特殊 合金株式会社内 (72)発明者 辻井 正紀 愛知県蒲郡市豊岡町白山11−3 日本特殊 合金株式会社内 Fターム(参考) 3F004 AG08 LB02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロープ寿命を非破壊的な検査で判定する
    ことができる自己診断機能付きワイヤロープであって、 ロープ寿命を判定するときの判断材料となるロープ心部
    の電気的特性の変化を検知する検知部材が撚り込まれた
    心ストランドと、この心ストランドの周囲に撚り合わさ
    れた側ストランドと、を具備し、 前記検知部材は、導電性を付与された連続繊維状の導電
    性繊維部材と、この導電性繊維部材を周囲の他部材およ
    び前記側ストランドから絶縁する絶縁被覆材と、を有す
    ることを特徴とする自己診断機能付きワイヤロープ。
  2. 【請求項2】 前記導電性繊維部材は、炭素繊維および
    金属線の少なくとも一方からなることを特徴とする請求
    項1記載のワイヤロープ。
  3. 【請求項3】 前記導電性繊維部材は、ガラス繊維およ
    びアラミド繊維の少なくとも一方からなる非導電性繊維
    に、導電性の粒子を混入または含浸させたことを特徴と
    する請求項1記載のワイヤロープ。
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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