JP2008515740A - 繊維スリングとその性能評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維スリングの実用的性能を、繊維スリングを分解したりする面倒な手間をかけずに、簡単かつ確実に評価できるようにする。
【解決手段】耐荷性を有する紐状体20が複数列で周回されてなる環を、中空環状をなす保護袋10に収容してなる繊維スリングSであって、ストランド20の全列数よりも少ない複数の本数でストランド20の長さ方向に沿って配置され導電性を有する検知線30と、検知線30の外周を覆う鞘体40と、複数本の検知線30の両端と電気的に接続され環状保護袋10の外面に露出する一対の検知端子32、32とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維スリングとその性能評価方法に関し、詳しくは、重量物の吊り揚げ吊り降ろし作業などに利用され、全体が柔軟な帯状あるいは環状をなす繊維スリングと、このような繊維スリングの性能を評価する方法とを対象にしている。
繊維スリングは、クレーンなどによる重量物の荷揚げ荷降ろし作業において、従来の繊維ロープやワイヤ、ロープスリングの替わりに使用される部材として、広く普及している。
繊維スリングの代表的な構造として、高強度繊維からなる糸条あるいは糸条を緩く撚り合せたものなどからなるストランドを周回させて何列にも並べた状態で全体を環状に配置し、ストランドで構成される環の全体を、布製の保護カバーで覆った構造を有するラウンドスリングが知られている。ラウンドスリングは、全体が柔軟な構造になっているため、重量物への接触が柔らかく重量物を傷付け難いことや、重量物の形状に沿わせ易いこと、比較的に軽量で持ち運びなどの取り扱いも行い易いことなどの利点を有している。使用時に加わる荷重に対する耐久力すなわち耐荷力に優れたストランドを多数列に並べて荷重を分担させることで、全体として大きな耐荷力を発揮させることができる。
このような繊維スリングは、過酷な環境で長期間使用するなどして、繊維スリングを構成するストランドの一部分が、擦り切れたり切断されたりすることがある。ストランドの一部分が損傷したぐらいであれば、繊維スリング全体の耐荷力はそれほど低下しないので、そのままで継続使用することが可能である。繊維スリングの耐荷力が、使用に耐えないほど低下したり、十分な余裕能力がなくなったりした状態になると、継続使用することはできない。
但し、前記した繊維スリングの構造では、保護カバーの内部に収容されたストランドの損傷程度を外部から観察して検証することは困難である。保護カバーを取り外して内部のストランドを点検することは大変に面倒な作業であり、繊維スリングの使用現場でこのような作業を行うことは実用性に劣る。そこで、繊維スリングの耐荷力がどの程度まで低下しているのか、ストランドにどの程度の損傷が生じているのかなどというスリングの性能低下の程度を簡単に知る技術が求められる。
特許文献1には、繊維スリングを構成する無端ストランドの内部に、通電検査用の検査導体を配置しておく技術が示されている。無端ストランドの両端から引き出された検査導体の2つの接続端部を通電検査する。無端ストランドの途中に切断個所があれば、検査導体も切断されるので、通電が遮断される。通電検査によって、無端ストランドの切断すなわち繊維スリングの性能低下を知ることができる。検査導体として、光導体を使用し、光導体の一端から他端に光が通じるか否かで、光導体および無端ストランドの切断を知る技術も示されている。
特許文献2にも、可とう性円形スリングの筒状保護カバー内に収められた耐荷重材料のストランドと平行に光ファイバ材料のストランドを配置しておき、保護カバーから突き出した光ファイバ・ストランドの端部に光が導通するか否かで、スリングの状態を検査する技術が示されている。
実開平02−108989号公報 特開平10−305987号公報
前記した従来における繊維スリングの性能低下を知る技術では、繊維スリングの性能低下がどの程度であるのかを細かく評価したり、繊維スリングが使用に可能な性能を維持しているか否かを判断したりすることなど、繊維スリングの性能を適切に評価することが難しかった。
例えば、特許文献1の技術では、繊維スリング全体に配置された1本の無端ストランドの全体にわたって1本の検査導体が配置されているだけである。無端ストランドの1個所が損傷して、その位置の検査導体が断線すれば、通電あるいは光の導通は遮断される。したがって、性能の評価は、検査導体が導通していれば繊維スリングは正常であり、検査導体が導通していなければ繊維スリングは不良であるという2段階の評価しかできない。特許文献2の技術でも、全く同じである。
ところが、繊維スリングに多数列のストランドが並んで配置されている場合、複数列のストランドのうち、わずか1列のストランドが損傷した程度では、繊維スリング全体の耐荷能力はそれほど低下せず、十分に実用可能な場合がある。並んでいる多数列のストランド同士は互いの摩擦支持力によって耐荷力を発揮するため、損傷していない残りの列による耐荷力は十分に維持される。繊維スリングの設計時には、必要な耐荷力を発揮させるのに必要な列数以上に多数の列が存在するようにして、十分な安全係数が見込まれている。
前記した従来技術では、無端ストランドの1個所が損傷しただけでも、繊維スリングは不良であると判定されることになるため、実用上の性能は十分に維持していながら、廃棄しなければならないことになり、経済的損失は大きいものとなる。
本願発明の課題は、前記したような繊維スリングの実用的性能を適切に評価することで、結果的に繊維スリングの実質的な使用期間すなわち寿命を延ばすことである。
本発明にかかる繊維スリングは、耐荷性を有するストランドが複数列で周回されてなる環を、中空環状をなす保護袋に収容してなる繊維スリングであって、前記ストランドの全列数よりも少ない複数の本数でストランドの長さ方向に沿って配置され導電性を有する検知線と、前記検知線の外周を覆う鞘体と、前記複数列の検知線の両端と電気的に接続され前記環状保護袋の外面に露出する一対の検知端子とを備える。
〔繊維スリング〕
基本的には、通常の繊維スリングと共通する材料や構造が採用できる。
繊維スリングの基本構造として、耐荷性を有するストランドが周回されていて、ストランドが複数列で並んだ状態で、全体が環状をなしているストランドの環を、中空環状をなす保護袋に収容してなる構造を備えている。このような基本構造を備えていれば、細部の構造については、通常のスリングで採用されている技術を組み合わせて適用できる。
繊維スリングには、ラウンドスリング、ベルトスリングがあり、エンドレス形、両端アイ形などと呼ばれる型式構造が知られている。基本的には、何れの型式構造のスリングにも適用可能である。
その中でも、ラウンドスリングに適用することが有効である。
<ラウンドスリング>
ラウンドスリングの基本構造は、複数列のストランドが、互いに拘束されることなく並んで周回配置されている。このようなストランドで構成される環が、ストランドとは別個に自由に移動したり伸縮したりできる中空環状の保護袋に収容されている。したがって、ラウンドスリングの断面形状は、円形あるいは不定形をなす環状保護袋の内部に、不規則にストランドが分散して配置されている状態になる。
ラウンドスリングの使用目的や要求性能、使用環境などの条件によって、具体的な材料の選択や設計、製造工程などを適切に設定することが望ましい。
ラウンドスリングの寸法は、使用目的によっても異なるが、例えば、全長を0.1〜20mの範囲に設定できる。最大耐荷力あるいは許容可能な使用荷重を、0.1〜200トンの範囲に設定できる。
〔ストランド〕
基本的には、通常の繊維スリングにおけるストランドと同様の材料および構造が採用できる。
ストランドの材料として、PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)、ポリエステル、ポリアリレート、アラミド、高強力ポリエチレンなどの合成繊維のマルチフィラメントを、複数本引き揃えたり、緩く撚ったりして作製された糸条が用いられる。炭素繊維や金属繊維を用いたり、合成繊維と組み合わせたりすることもできる。繊維スリングに要求される十分な引張り強度や耐荷力を与えたものが好ましい。
ストランドで構成される環あるいは繊維スリングの耐荷能力は、ストランドの列数によって変わる。ストランドの材質、要求性能などによっても異なるが、通常、ストランドの列数を15〜1000列の範囲に設定できる。
一つの繊維スリングは、通常、1本のストランドのみを使用して、必要な列数に周回させて構成された環からなるが、1本のストランドを複数列に周回させて構成された環を、複数組で並べて配置しておくこともできる。この場合、繊維スリング全体におけるストランドの列数は、複数組のストランド環の列数を合計した列数になる。
〔環状保護袋〕
複数列のストランドで構成される環を、まとめて収容しておく機能を果たす。ストランドが、繊維スリングで吊り上げる重量物や周囲の部材と直接に接触して損傷しないように保護する機能も有する。ストランドを使用環境の日射などから保護する機能も果たすことができる。環状保護袋は、繊維スリングの吊り上げ能力に直接は関与しない。但し、ストランドの外周を覆って保護することで、ストランドの環による耐荷力を向上させる結果、スリングの能力向上を果たすことができる。
環状保護袋は、ストランドと同様の繊維材料や、その他の各種繊維材料を用いた編織布で形成できる。繊維材料を袋状に編織したものであってもよいし、帯状の編織布を筒状に丸めて側端辺を縫製したり接合したりして環状保護袋を構成することもできる。
環状保護袋は、引張り力に対する耐力よりも、表面の摩擦耐久性や耐磨耗性、滑り易さあるいは滑り難さ、ストランドの保護機能などに優れた材料や構造を備えていることが望ましい。耐水性や耐油性、耐化学薬品性、耐熱性など、使用時の環境条件に合わせた特性を備えていることが好ましい。
環状保護袋の材料を、内層と外層とで、それぞれに要求される機能に合わせて違えることもできる。二重構造あるいはそれ以上の複数層構造の袋であってもよい。例えば、外層には耐摩擦性などに優れた材料、内層には紫外線遮蔽性に優れていてストランドの保護機能に優れた材料を組み合わせることができる。内層の色を外層の色と異なる色に着色しておけば、使用時に外層が破損したときに内層の色が露出することで、破損状況を判り易く知らせることができる。
環状保護袋の寸法は、繊維スリングの周長さと、内部に収容するストランドの径や列数に合わせて設定される。環状保護袋の周長さは、ストランドの周回長さと同じか少し長めに設定される。ストランドの環が伸びた状態でも、環状保護袋には過大な負荷が加わり難くなる。環状保護袋の内径を、10〜200mmに設定することができる。但し、柔軟性のある環状保護袋は、内部に収容されたストランドの配置や荷重の加わり方によって、断面形状が、円形ではなく扁平な楕円形や長円形などにも変形するので、前記内径は、断面円形であると仮定した状態で規定する。
環状保護袋には、検知線および検知端子を配置したり保護したり検知作業を容易にしたりするために必要な構造を備えておくことができる。
〔検知線〕
導電性を有するとともに、ストランドの環および環状保護袋からなるスリング全体の変形に合わせて容易に変形することができる柔軟性を有している必要がある。検知線自体は、荷重を負担する必要がないので、引っ張り強度や曲げ強度などの機械的強度はそれほど必要とされない。但し、ストランドよりも伸びが大きいことが要求される。
検知線の材料として、銅、銅合金などの導体材料が使用できる。検知線の断面形状は、通常は円形であるが、楕円や長円、角形、偏平な板状など円形以外の形状も採用できる。検知線の断面積は、長さ当たりの電気抵抗や強度、柔軟性などの特性に影響を与える。
検知線の材料に銅などの導電性金属線を用いる場合、外径0.1〜1.0mmの範囲に設定できる。好ましくは、外径0.25〜0.3mmである。導電性金属線が細過ぎると、繊維スリングの使用時に導電性金属線に加わる通常の繰り返し力によっても切断され易い。導電性金属線が太過ぎると、繊維スリングの柔軟な変形に対応し難くなり、スリングの使用時に加わる曲げ力で折れてしまい易い。何れの場合も、繊維スリングの性能評価が十分に行い難くなる。
導電性金属線の外周が絶縁樹脂などで被覆されている被覆導線も使用できる。被覆導線の場合、被覆厚さを、例えば0.010〜0.018mmに設定できる。
検知線は、ストランドの環の周長に対して、ほぼ全周にわたって連続して配置することができる。ストランドの環の周方向で一部のみに配置することもできる。ストランドの環の周方向で、間隔をあけて複数個所に検知線が配置される場合もある。
検知線は、繊維スリングに負荷が加わって、ストランドが伸長してストランドの周回長が伸びた状態でも、検知線に過剰な引っ張り力が加わらないようにしておくことが望ましい。具体的には、ストランドに比べて、伸びやすい材料を使用することが有効である。負荷のかかっていない状態で、検知線の長さが隣接するストランドの長さよりも少し長く余った状態になるように配置しておくことも有効である。但し、隣接するストランドが損傷したときに、検知線が全く損傷しないのでは本願発明の目的は達成できない。検知線の長さに余裕が有り過ぎても好ましくない。
検知線は、ストランドの全列数よりも少ない複数の本数でストランドの長さ方向に沿って配置される。検知線が1本のみでは、スリングの性能低下を適切に評価することができないので、性能評価が適切に行えるだけの複数本を配置する必要がある。通常は、ストランドの合計列数に対して、1/5〜1/100の本数で検知線が配置される。好ましくは、1/10〜1/50である。
ストランドの合計列数に関わらず、検知線を3〜10本で配置しておけば、目的とする繊維スリングの性能低下を実用的に十分に検知することができる。好ましくは、5±1本である。検知線の本数が少な過ぎれば、性能低下を正確に検知し難く、検知線の本数が多過ぎても、製造の手間やコストが増えるだけである。また、検知線の本数が多過ぎると、そのうちの1本だけが切断されても、検知される電気抵抗の変化が少な過ぎて、繊維スリングの性能低下を適切に評価し難い。
〔鞘体〕
検知線の外周を覆って、検知線を保護する機能を果たす。
鞘体の材料には、検知線の保護機能を果たす強度や耐久性が必要とされる。但し、ストランドが損傷しても検知線が断線しないのでは目的を果たせない。通常は、ストランドの材料よりも弱い材料が使用される。検知線同士が接触して電気的に導通するのを防ぐためには絶縁材料が有効である。
鞘体は、検知線およびストランドと同様に、柔軟に変形する柔軟性が必要とされる。鞘体は、検知線と一体的に接合されてあってもよいが、検知線とは別個に変形したり移動したり伸縮したりできれば、検知線の機能を損なうことが少ない。
鞘体として、合成樹脂や繊維材料からなる柔軟なチューブが使用できる。
<組紐>
鞘体の材料として、組紐が使用できる。
組紐は、繊維糸条を全体が筒状を構成するように螺旋状に交差させて編み組みして得られる。使用時の柔軟性に優れると同時に耐久性にも優れている。中央の空間に検知線を配置できるので、検知線の収容保護が良好に行える。組紐の編み組み構造や製造方法は、通常の組紐製造技術が適用できる。組紐の内径を、1〜5mmの範囲に設定することができる。
組紐を構成する繊維糸条の材料は、通常の合成繊維や天然繊維が使用できる。ストランドや環状保護袋と共通する材料も使用できる。但し、ストランドほどの耐荷力は要求されない。具体的には、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンなどの合成繊維が使用できる。
〔検知端子〕
検知端子は、電気計測器の測定端子や測定棒などを当接して、電気抵抗の計測が行える電気部材である。通常の電気機器における電気計測用の端子構造が採用できる。
検知端子には、繊維スリングに配置されている複数本の検知線の端部に電気的に接続される。全ての検知線の端部が同じ位置にあれば、その位置に検知端子を設ければよい。
検知端子は、基本的には、検知線の導体材料と接触する状態で物理的に連結されていればよい。ハンダやロウ付けなどで接続することもできる。電気機器用の即結端子構造を備えていてもよい。
検知端子は通常、一対だけが設けられ、全ての検知線を一対の検知端子に電気的に接続しておく。検知線を複数組に分け、それぞれの検知線の組毎に一対の検知端子を設けておくこともできる。この場合、電気抵抗を測定する検知端子の選択によって、どの組の検知線と隣接するストランドの周回列に損傷や性能低下が発生しているのかを区別して評価することが可能になる。
検知端子は、スリングの外部から電気抵抗の測定を行うために、スリングの外周を構成する環状保護袋の外面に露出している必要がある。検知端子の全体が露出していてもよいし、電気抵抗の測定に必要な一部だけが露出していてもよい。検知線との接続個所は、環状保護袋の内部に配置されているほうが、接続個所の損傷や腐食などが起こり難い。
具体的には、板状などをなす検知端子を、環状保護袋に接着、縫着などで固定しておくことができる。検知線につながる紐状の検知コードを、環状保護袋の外側に延ばしておくこともできる。環状保護袋に設けられた穴の内部に検知端子が露出している構造も採用できる。
検知端子が環状保護袋の外面に露出している個所に、着脱自在な覆いや蓋を取り付けておくことができる。スリングの通常の使用時に、吊り下げ物体が検知端子に接触したり、雨や腐食性雰囲気などが検知端子を損傷させたりすることを防止できる。検知端子の配置個所で、環状保護袋を二重にしておき、内袋部分と開閉自在な外袋部分との間に検知端子を配置しておくこともできる。
検知端子には、電気抵抗測定器の測定端子や測定棒と、嵌合したり係合したりして着脱自在に固定できる構造を備えておくこともできる。
〔抵抗素子〕
検知端子間をつなぐ検知線の一部に、検知線よりも十分に大きな抵抗を有する抵抗素子を備えることができる。
抵抗素子を組み込むことで、1本の検知線の全長における抵抗値が大きくなり、1本の検知線が切断されたときに、検知端子間における抵抗値の変化が大きくなる。繊維スリングの性能低下が明確な抵抗値の変化として検出されるようになる。
抵抗素子は、通常の電気回路に用いられている抵抗器や抵抗チップなどが使用できる。線状や軸状をなすものが、検知線に沿って配置しておき易い。抵抗素子の抵抗値は、検知端子間の電気抵抗を測定した時に、1本の検知線が切断されたときに起こる抵抗値の変化が明確に表れるように設定する。通常は、10〜200Ωの範囲に設定すればよい。1本の検知線を構成する導電線の全長の抵抗値に対して10〜100倍程度に設定できる。複数の抵抗素子を組み合わせて合計の抵抗値を上記範囲に設定することもできる。
1本の検知線に対して抵抗素子は何れの位置に配置しても、全体の抵抗値に変わりはない。通常は、製造時の取り扱いが容易で、使用時に抵抗素子に過大な負荷が加わり難い、検知端子に近いところが望ましい。検知端子と検知線とを抵抗素子の両端の端子でつなぐこともできる。抵抗素子を鞘体の内部に収容しておけば、鞘体で抵抗素子が保護される。
〔補強芯線〕
鞘体の内部で検知線に沿って配置され、検知線および鞘体を補強する。
補強芯線の材料としては、ストランドや鞘体と共通する繊維材料が使用できる。ストランドを編織する糸条よりも太い糸条や強い糸条を用いることができる。金属線やガラス繊維、炭素繊維なども使用できる。
補強芯線は、検知線と一体接合されていてもよいし、鞘体の中央空間に検知線に沿って挿通させておくだけでもよい。補強芯線は、全本数の検知線に対して配置しておくこともできるし、一部の検知線のみに配置しておくこともできる。
〔性能評価方法〕
スリングの性能評価作業は、スリングの製造直後に性能確認のために行うことができる。スリングを一定期間使用したあとで、使用によって性能がどの程度低下したのかを確認するために行うこともできる。1ヶ月毎などの定期点検として性能評価を行うこともある。過酷な使用条件で使用した後や予想外の負荷が加わったときなどに、スリングの損傷が生じていないか確認することもある。設計時あるいは販売時に設定された性能保証期間が過ぎたときに、さらにスリングを継続使用できるか否かを判断するためにも行われる。
<電気抵抗の測定>
スリングの性能評価を行うには、スリングに備える一対の検知端子間における電気抵抗Rを測定する。測定作業は、一般的なテスターや電気抵抗測定装置を使用すればよい。スリングが所定の性能よりも低下していないことを確認するだけであれば、電気抵抗値を表示するのではなく、電気抵抗Rが一定値を超えたときに、ランプなどで報知するだけの簡便な電気抵抗測定器を用いることもできる。電気抵抗Rの変化を、複数段階毎にランプの数などで区別して表示することもできる。
<性能の評価>
測定された電気抵抗Rからスリングの性能低下を評価する。
電気抵抗Rの変化は、予め設定された基準電気抵抗からの増減量あるいは増減割合として評価できる。
基準電気抵抗としては、検知線の材料や単位長さ当たりの電気抵抗値、検知端子で連結された検知線の本数、長さなどをもとにして、理論的に計算できる合成抵抗値が採用できる。製造直後の良品であることが確認されているスリングについて測定された検知端子間の電気抵抗値も採用できる。同じ型式の多数のスリングについて測定された電気抵抗値の平均値や中央値を採用することもできる。
基準電気抵抗として、スリングに備える検知線の1本当たりの電気抵抗rと検知線の本数nとから算出される基準電気抵抗R=r/nが採用できる。この計算式は、電気理論から導かれるものであり、抵抗成分が並列に接続されているときの合成抵抗を表している。
検知線の1本当たりの電気抵抗rは、スリングに備える全ての検知線が、同じ長さであれば、何れか1本の検知線について計測しておけばよい。検知線の長さに工業的に無視できる程度の違いがあっても構わない。検知線の単位長さ当たりの電気抵抗値が既知であれば、検知線の長さから計算できる。設計データから計算しておくこともできる。
検知線に抵抗素子が組み込まれている場合は、検知線の1本当たりの電気抵抗rは、検知線の長さに比例する電気抵抗rと、抵抗素子の電気抵抗rとを足した値になる。r=r+rである。
前記測定された電気抵抗Rは、その時点で損傷していない検知線の本数nから、R=r/nで表される。電気抵抗Rを測定した時点での繊維スリングの性能は、基準性能のR/Rまで低下した、と評価することができる。R=Rであれば、性能低下はないと評価できる。
ここで、基準性能とは、基準電気抵抗Rを測定した状態における繊維スリングの耐荷力あるいは吊り上げ能力である。繊維スリングの設計時、あるいは、製造直後の使用する前における耐荷力や吊り上げ能力であってもよい。繊維スリングの設計耐荷力や吊り上げ重量には、安全率が含まれていることが多いが、安全率を含んだ性能あるいは安全率を含まない性能の何れを基準にすることもできる。
繊維スリングの使用条件あるいは安全基準から、基準性能の何割あるいは何%の性能を有していれば使用可能であるかを決められる。前記R/Rの値をもとにして、繊維スリングの継続使用が可能か否かを判断できる。測定時までの使用期間とR/Rの値から、将来の経時的な性能低下率や、寿命、繊維スリングの廃棄時期を予想することができる。
<検知線と繊維スリングの性能>
前記したように、基準電気抵抗Rと性能評価測定時の電気抵抗Rと、電気的に導通している検知線の本数nおよびnの関係は、電気理論から決められる。
測定時に、導通している検知線の本数nがnになり、(n−n)本に導通が無くなったということは、(n−n)本の検知線が断線したことを意味する。検知線に隣接するストランドの列も損傷あるいは断裂している可能性が高い。繊維スリング内に実質的に均等に配置されているとみなせる検知線の断線本数が(n−n)であれば、確率的に、ストランドについても、合計列数のうち、(n−n)/nの列に損傷が生じ、現在正常なストランドの列の割合はn/nであると推定できる。
ストランドは、所定の合計列の全てが有効に機能して初めて、前記した基準性能が発揮されると考えられる。ストランドの実質的な列数がn/nになれば、その性能は基準性能のn/n=R/Rに低下したものと推定できる。
上記推定によるスリング性能の評価は、繊維スリング内における検知線およびストランドの分布や荷重の負荷が実質的に均等であるとみなせる条件では、工業的に十分に信頼性のある確かな精度で評価ができる。
例えば、前記したラウンドスリングのように、環状保護袋の内部に、ストランドが互いに自由に移動できる状態でランダムに配置されているような場合である。ラウンドスリングの使用形態では、繊維スリングの周方向で特定の位置だけが常に重量物に当たるようなことも少ないので、荷重の負荷はストランドの各列に均等に加わるとみなせる。
例えば、ベルトスリングなどで、ストランドの各列の位置が固定され、端辺などの一部の列に常に大きな負荷が加わり易い条件では、検知線の断線とストランドの損傷とが確率的に正確には対応しない場合もある。それでも、ストランドの各列に対して、一定の列毎に均等な位置に検知線が配置されていれば、導通している検知線の割合と、損傷していないストランドの列数の割合とは、ほぼ対応するものと推定できる。
なお、検知線の導通本数あるいは損傷していないストランドの列数と、繊維スリングの性能との間の相関関係は、厳密には、前記したような直線的に比例する関係ではなく、より高次元の関数で表される関係である可能性もある。その場合は、繊維スリングの性能あるいはその低下率を、前記(R/R)の高次元関数F(R/R)あるいはF(R)で表すことができる。このような関数Fは、製造条件が異なる多数の繊維スリングについての実験結果、あるいは、材料力学や破壊工学における理論から求めることが可能である。
本発明にかかる繊維スリングは、複数列で周回されたストランドの環を、中空環状をなす保護袋に収容してなる基本的な構造に加えて、前記した導電性を有する検知線、検知線を保護する鞘体、検知線の両端に接続された検知端子を備えていることにより、ラウンドスリングが十分な使用性能を維持しているか否かを、容易かつ正確に評価することができる。
すなわち、一対の検知端子間の電気抵抗を測定し、その抵抗値が増えれば、その分だけ検知線が断線していることになる。検知線が断線するほど損傷しているということは、検知線に沿って配置されているストランドの列にも損傷が生じていることになる。したがって、検知端子間の電気抵抗の変化を見れば、ラウンドスリングの全体において、損傷しているストランドの列の割合、すなわち、繊維スリングの損傷程度を実用的に十分な精度で知ることができる。
例えば、一定期間の使用期間毎に、検知端子間の電気抵抗を測定するだけで、ラウンドスリングの内部におけるストランドの損傷程度が、容易かつ確実に評価できる。ラウンドスリングの寿命や交換時期、荷重の制限などを適切に設定することができる。
図1〜5に示す繊維スリングは、通常のラウンドスリングと同じ基本構造を備えていることに加えて、検知線とそれに関連する構造を備えている。
〔基本構造〕
ラウンドスリングSの基本構造は、ストランド20と環状保護袋10とで構成される。
図4、5に詳しく示すように、ストランド20は、PBO繊維などの高強度繊維糸条を複数本、緩く撚り合せたものを、何周にも環状に周回させて構成されている。ストランド20の周回列が複数列で並列に配置されている。
図1〜3に示すように、複数列が並列に並んで全体が環状を構成しているストランド20は、それぞれの列が互いに拘束されずに運動できる状態で、中空環状の保護袋10に収容されている。図3に示すように、環状保護袋10は、ストランド20と同様の高強度繊維糸条で作製された帯状の編織布を、側端辺を重ねるように丸めて重ねた部分を縫い合わせることで、中空環状に形成している。ストランド20は環状保護袋10に固定されておらず、環状保護袋10の内部で自由に運動できる。また、環状保護袋10の周長さは、ストランド20で構成される環の周長さと同じか少し長めに設定されている。ラウンドスリングSに引張り力を加えると、ストランド20が引張り力に対する抵抗力を発揮し、環状保護袋10には実質的に引張り方向の外力が作用しない。したがって、ラウンドスリングSの耐荷重性能は、基本的にストランド20の環が負担する。
このようなストランド20と保護袋10とから構成されるラウンドスリングSの構造自体は、既に知られている構造である。
〔検知線の構造〕
図4に全体を示すように、ラウンドスリングはストランド20の環に沿って配置された複数本のウレタン被覆銅線(口径0.3mm)からなる検知線30を有する。
図5に詳しく示すように、検知線30は、その外周が、組紐からなる鞘体40で覆われている。組紐からなる鞘体40は、繊維糸条を全体が筒状を構成するように螺旋状に交差させて編み組みして得られたものである。鞘体40の内部には、検知線30に沿って補強芯線42が配置されており、検知線30および鞘体40を補強している。
図3に示すように、ラウンドスリングSに使用されているストランド20の環における全列数に比べて少ない複数の本数で、検知線30が配置されている。図3では、ストランド20の合計列数23列に対して、4本の検知線30が配置されている。図1、4では、そのうちの3本の検知線30が表示されている状態である。
図4、5に示すように、検知線30は、ストランド20のほぼ全周にわたって配置されているとともに、両端は、ストランド20の内側から外側へと突き出している。突き出された検知線30の端部は、銅材料からなるハトメ環状の検知端子32、32に接続されている。複数本の検知線30が、片側の端部を全てまとめて一つの検知端子32に接続され、反対側の端部も同様にしてまとめて別の検知端子32に接続されている。検知端子32、32の間隔は、電気抵抗の測定作業が行い易い程度に設定されている。
図1に示すように、一対の検知端子32、32は、環状保護袋10の外面に露出した状態で固定されている。それぞれの検知端子32、32は、ハトメ金具のような構造を有しており、環状保護袋10にあけた貫通孔に対して、内面側と外面側から端子部品を嵌め合わせることで、環状保護袋10に強固に固定されるとともに内外を電気的に導通させている。
図1、図2(a)に示すように、複数本の検知線30のそれぞれに、検知端子32に近い位置で、100Ω程度の抵抗素子34が組み込まれている。したがって、検知線30の両端で測定される抵抗値は、検知線30を構成する銅線の抵抗値に比べて、抵抗素子34を含む分だけ大きくなっている。
検知端子32、32の露出個所には、環状保護袋10に覆い片12が取り付けられていている。覆い片12は環状保護袋10と同様の材料で作製されていて、図2に示すように、検知端子32、32を覆うことができる。覆い片12は、先端内面に取り付けられた帯片状の絡合ファスナー14などからなる固定手段で環状保護袋10に固定される。覆い片12の先端に設けられた絡合ファスナー14が当接する環状保護袋10の外面にも絡合ファスナー14が取り付けられている。図2(b)に示すように、覆い片12を環状保護袋10の外面に押し当てれば、一対の絡合ファスナー14が互いに絡合する。覆い片12を環状保護袋10に着脱自在に固定することができる。
覆い片12が存在することで、繊維スリングの使用時に、検知端子32、32を、外部から加わる力や摩擦、日射、水などから良好に保護しておくことができる。
図1に示すように、覆い片12の内側の面には、布などで作製された表示ラベル16を備える。表示ラベル16には、繊維スリングの取り扱い、特に、検知端子32、32間の電気抵抗測定および測定結果の評価に必要な注意書きが印刷されている。
例えば、下表に示す記載が設けられる。
Figure 2008515740

上記のような表示ラベル16を備えていれば、繊維スリングの性能評価およびそれに基づく作業処理を、間違いなく適切に行うことができる。
具体的には、抵抗測定を行ったときに、抵抗値が20〜52Ωの範囲であれば、問題なく使用できる。抵抗値が104Ωを超えると、繊維スリングの点検が必要になる。抵抗値が無限大〔∞〕になれば、全ての検知線30は導通しておらず、繊維スリングの使用は直ちに中止しなければならない。
〔ラウンドスリングの使用〕
ラウンドスリングSは、通常のラウンドスリングと同様の使用形態で使用できる。
例えば、ラウンドスリングSの環を折り畳んで細長く延ばした状態で、重量物の下に敷き、重量物の両端から上方に延ばしたラウンドスリングSの両端にできる隙間状の環を、クレーンのフックに引掛ければ、重量物を吊るし上げることができる。
ラウンドスリングSを2本使って4点吊りで使用したり、延ばしたラウンドスリングSの一端の環部に他端を通して、通した他端の環部だけを吊り上げるチョーク吊りを行ったりするなど、通常のラウンドスリングSと同じようにして使用することができる。
このようにして、ラウンドスリングSに負荷をかけて使用を続けていると、繰り返し荷重が加わるストランド20には、摩擦による損傷や、疲労による損傷などが生じることがある。通常、ストランド20で構成される複数列のうち、1列あるいは少数列から徐々に損傷が始まって他の列へも損傷が進行して、損傷している列の数が増えていく。
このようなストランド20の損傷は、ストランド20の外側の環状保護袋10が破れたり孔があいたりしたあとで発生する場合もあるが、環状保護袋10には全く損傷の形跡がないにも関わらず、内部のストランド20だけが損傷することがある。
これは、ラウンドスリングSの使用時に加わる負荷は、実質的に、環状保護袋10ではなくストランド20だけが負担しているためである。使用のたびに大きな負荷が加わり、負荷が加わった状態で吊下げ物の角などで擦られるストランド20は、環状保護袋10よりもはるかに過酷な負荷状態になる。そのため、環状保護袋10には損傷がなくても、ストランド20だけが損傷することがある。
〔ラウンドスリングの性能評価〕
環状保護袋10の損傷は、外部から容易に観察して発見することができる。その結果、環状保護袋10が損傷している場合は、ラウンドスリングSの使用を止めたり、環状保護袋10だけを取り替えたりすれば済む。環状保護袋10の損傷部分からストランド20の損傷程度が視認できれば、ラウンドスリングS全体の廃棄や交換を行うか否かを判断し易い。
しかし、環状保護袋10には目立った損傷がない場合でも、内部のストランド20だけが損傷している可能性がある。外部から観察しただけでは、ストランド20の損傷程度を正確に評価することはできない。
そこで、ラウンドスリングSの外面に露出する検知端子32、32間の電気抵抗Rを測定する。電気抵抗Rの測定は、汎用のテスターなど、通常の抵抗測定器が使用できる。
測定された電気抵抗Rから、ラウンドスリングSの現時点における性能を評価することができる。
<性能評価方法>
ラウンドスリングSに備える検知線30の1本当たりの電気抵抗rと検知線30の本数nとから、検知線30が全く損傷していない状態での電気抵抗すなわち基準電気抵抗R=r/nを算出しておく。前記したように、電気抵抗rは、検知線30の長さに対応する銅線の抵抗rと、抵抗素子34の抵抗rとを足し合わせた値である。
ラウンドスリングSを一定期間使用した後や製造直後の性能確認など、ラウンドスリングSの性能評価を行うときには、前記したように検知端子32、32間の電気抵抗Rを測定する。
R=Rであれば、検知線30の損傷(断線)はなく、ストランド20も全ての列が良好であり、ラウンドスリングSの性能は全く低下していないことが確認される。あるいは、製品不良は存在しないことが保証される。
測定された電気抵抗Rが、R>Rになっている場合は、検知線30の一部が断線して導通していないために電気抵抗Rが増えたことを意味する。現在導通している検知線30の割合はR/Rである。ストランド20も一部が損傷し、有効なストランド20の列の割合がR/Rであると推定できる。ラウンドスリングSの性能が、R/Rまで低下していると評価することができる。
ラウンドスリングSの使用条件や設計性能、安全率なども考慮して、ラウンドスリングSの性能がR/Rまで低下しても使用できると判断されれば、使用を継続することができる。使用に適さないと判断されれば、このラウンドスリングSは廃棄あるいは補修される。
電気抵抗Rの測定を定期的に実施して、電気抵抗Rの増加割合を求めれば、ラウンドスリングSの経時的な性能低下率が判る。その結果をもとにして、ラウンドスリングSの寿命、使用可能期間、廃棄時期を予測することなどができる。
〔抵抗測定の具体例〕
下記仕様のラウンドスリングSを用いた。
<ラウンドスリング>
ラウンドスリングS:エンドレス形、25t用、周長10m。
環状保護袋10:ポリエステル織物、厚さ1.5mm。
ストランド20:PBO繊維1670dT×20本撚り、撚り数20T/m。
検知線30:ウレタン被覆銅線0.3mm径、被覆厚さ約0.015mm、切断強力17N、伸び率15.7%。ストランド20に対して、検知線30を5本配置した。各検知線30の一端に100Ωの抵抗素子34を接続している。各検知線30の両端を検知端子32、32に接続した。
鞘体40:ポリエステル糸1670dT×16本打ち組紐。
<抵抗測定>
汎用テスターの検知針を一対の検知端子32、32に当てて、抵抗値Ωを測定した。測定環境の気温は22〜26℃であった。
検知線30を、1本ずつ順番に切断して、それぞれの段階における抵抗値Ωを測定した。測定は4回行って、その平均値を求めた。その結果は、下表のとおりであった。
表中、〔計算値〕は、以下の計算で求めた。
検知線30を構成する銅線の公称抵抗値(0.25Ω/m)から、周長10mの導電線の抵抗値は2.5Ωになる。1本の検知線30の抵抗値は、導電線と抵抗素子の抵抗値を合計して、100+2.5=102.5Ωになる。検知線30が、n本だけ切断されたときの抵抗値は、102.5/(5−n)(Ω)になる。
Figure 2008515740

上記測定の結果から、検知端子32、32間の抵抗値と、導電線の切断本数との間には明確な相関関係があることが判る。計算値とほぼ同じ抵抗値が実測されていることも判る。
検知端子間の抵抗測定によって、繊維スリングの性能低下の程度が適確に判断できることが裏付けられた。
なお、抵抗測定は、4回の測定で、それほどのバラツキや誤差は生じていない。したがって、何度も測定を行ってから平均値をとらなくても、1回の測定だけでも、実用的には十分に適切な性能評価が可能であることが判る。
また、検知線30を構成する導電線に比べて、抵抗素子34の抵抗値は、温度などの環境の影響や経時的変化などを受け難く、検知線30の切断本数と抵抗値の変化との関係が、大きな間隔で段階的に示されるので、性能評価が容易になっている。
本発明は、例えば、各種の重量物を吊り上げるラウンドスリングに適用できる。一定期間の使用期間毎に、検知端子間の電気抵抗を測定するだけで、ラウンドスリングの内部におけるストランドの損傷程度が、容易かつ確実に評価できる。ラウンドスリングの寿命や交換時期、荷重の制限などを適切に知ることができる。
本発明の実施形態を表すラウンドスリングの全体構造図 覆い片を閉じた状態の要部拡大構造図(a)および概略断面図(b) ラウンドスリングの拡大断面図 環状保護袋を取り外した状態の全体構造図 検知線に関連する構造の拡大断面図(a)および側面構造図(b)
符号の説明
10 環状保護袋
12 覆い片
14 絡合ファスナー
16 表示ラベル
20 ストランド
30 検知線
32 検知端子
34 抵抗素子
40 鞘体
42 補強芯線
S ラウンドスリング

Claims (6)

  1. 耐荷性を有するストランドが複数列で周回されてなる環を、中空環状をなす保護袋に収容してなる繊維スリングであって、
    前記ストランドの全列数よりも少ない複数の本数でストランドの長さ方向に沿って配置され導電性を有する検知線と、
    前記検知線の外周を覆う鞘体と、
    前記複数本の検知線の両端と電気的に接続され前記環状保護袋の外面に露出する一対の検知端子と、
    を備える、繊維スリング。
  2. 前記ストランドは、PBO、ポリエステル、ポリアリレート、アラミド、高強力ポリエチレンからなる群から選ばれる合成繊維材料からなり、
    前記検知線は、銅、銅合金からなる群から選ばれる外径0.1〜1.0mmの導電性金属線からなり、3〜8本が配置されてなり、
    前記鞘体は、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレンからなる群から選ばれる合成繊維糸条を筒状に編み組みしてなる組紐からなり、
    前記環状保護袋は、ポリエステル、ナイロンからなる群から選ばれる繊維糸条の編織布で構成され内径10〜200mmで連続する中空環状をなしている、
    請求項1に記載の繊維スリング。
  3. 前記検知線の一部に、検知線よりも十分に大きな抵抗を有する抵抗素子をさらに備える、
    請求項1または2に記載の繊維スリング。
  4. 前記鞘体の内部で前記検知線に沿って配置された補強芯線をさらに備える、
    請求項1から3までのいずれかに記載の繊維スリング。
  5. 前記請求項1から4までのいずれかに記載された繊維スリングの性能低下を評価する方法であって、
    前記繊維スリングに備える一対の検知端子間における電気抵抗Rを測定する工程(a)と、
    前工程(a)で測定された電気抵抗Rからラウンドスリングの性能低下を評価する工程(b)と、
    を含む、繊維スリングの性能評価方法。
  6. 前記工程(b)が、前記繊維スリングに備える前記検知線の1本当たりの電気抵抗rと検知線の本数nとから算出される基準電気抵抗R=r/nと、前記測定された電気抵抗Rとから、繊維スリングの性能が基準性能のR/Rに低下したと評価する、
    請求項5に記載の繊維スリングの性能評価方法。
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