JP2006067679A - 電力ケーブル点検装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電力ケーブルの金属遮蔽層のずれや断裂等の異常を非解体で点検可能とすることである。
【解決手段】 導体を被覆した絶縁体の外周部に配置された金属遮蔽層をさらにシース19で被覆して形成された電力ケーブル20の外表面に測定補助シート37を設置し、測定補助シート37に案内されて電力ケーブル20の外表面のケーブル長方向に沿って測定プローブ27を一定速度で移動させる。記憶装置28は、測定プローブ27で測定された遮蔽銅テープ17の存在状態により変化する電圧波形を記憶し、判定部30により金属遮蔽層の亀裂や断裂などを判定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電力ケーブルの点検を行う電力ケーブル点検装置及び方法に関する。
都市部においては美観を保つ関係から地中電線路が多く採用され、また、送電線や鉄道を横断して電線路を付設する際には架空電線路に代えて地中電線路が採用されている。このような地中電線路に用いられる電力ケーブルとしては、例えば、単芯ケーブルや、単芯ケーブルを3本撚りあわせた構造をもつトリプレックス形CVケーブル(CVTケーブル)がある。
図8は単芯ケーブルを3本撚りあわせた構造をもつトリプレックス形CVケーブル(CVTケーブル)の構造の一例を示した説明図であり、図8(a)は断面図、図8(b)は単芯の一部切欠内部構造図の例である。CVTケーブルの中心部には導体11が設けられ、導体11は内部半導体層12を介して絶縁体13で被覆され、さらに、押し出し半導電層14及び半導電性布テープ15からなる外部半導電層16で被覆される。
そして、外部半導電層16には、金属遮蔽層として遮蔽銅テープ17が斜め方向にラップさせながら巻き付けられ、布テープ18さらにシース19で被覆して形成されている。内部半導体層12や外部半導電層16は、絶縁体内部の電界分布を一様にして電界の局部集中による絶縁破壊を防止するものであり、金属遮蔽層の一形態である遮蔽銅テープ17は絶縁体に均一に電気力線を分布させるほか故障電流の帰路となるものである。
図9は、図8に示した電力ケーブル(CVTケーブル)の終端接続部での接続状態の説明図である。3個の電力ケーブル20a〜20cはそれぞれ端末装置21a〜21cに終端接続部22a〜22bで接続される。これにより、電力ケーブル20a〜20cは端末装置21a〜21cを介して架空線や機器に接続される。
図10は終端接続部22の説明図である。電力ケーブル20の端部を段階的に剥いで、その先端部である電力ケーブル20の導体11を接続装置21の下部に露出している半導電性ゴム層23内に挿入すると共に、遮蔽銅テープ17に接地線24を装着する。そして、剥がされた電力ケーブル20を半導電ゴム層23と遮蔽銅テープ17の間を半導電性融着テープ25にて巻いて接地経路を作り、さらにその上から粘着性ポリエチレンテープ26を巻いて被覆する。
このような電力ケーブル20の終端接続部22などにおいては、シース19がずれ落ちる現象、いわゆるシュリンクバックが発生することがある。シュリンクバックは、電力ケーブルの製造時に内在するシース残留歪みの開放や、シ−スとケーブルコアとの熱挙動現象が主な原因と考えられている。シュリンクバックが発生すると、遮蔽銅テープ17や外部半導電層16にずれが発生し、また、シース後退による雨水侵入が発生し、ケーブルの絶縁体等の劣化が促進され、絶縁破壊によってケーブルが破壊に至るおそれがある。
そこで、電力ケーブル20の終端接続部22にシュリンクバックが発生しているか否かの点検が行われているが、その点検は、電力ケーブルの終端接続部22の粘着性ポリエチレンテープ26や半導電性融着テープ25を剥がして遮蔽銅テープ17のずれや断裂等の異常を確認するようにしている。従って、電力ケーブル20の終端接続部22におけるシュリンクバックの有無の点検は、終端接続部22の解体を伴うことになるので作業が大がかりとなる。また、このような金属遮蔽層のずれや断裂という不具合は、終端接続部だけでなく、中間接続部、マンホールなどのオフセット部、施工時のケーブルの曲げ、搬送時の外部圧力、製造時の不具合などによっても発生が考えられ、このような場合、電力ケーブル20の解体を伴うことによって内部構造を把握する手法では、電力ケーブル20そのものの取替えが不可欠になることから、もはや点検としての用をなさなくなることからも、非解体での点検が要望されている。
一方、電線内部の錆の発生を自動で検査する電線検査装置がある。この電線検査装置は、電線の周囲にリング状のコイルを配設し、このコイルに交流電流を流すことにより電線内にその軸方向への交番磁束を発生させ、この交番磁束により電線内に発生する渦電流によるコイルのインピーダンスの変化により電線内の錆の発生状況を検出するものである(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−128328号公報
しかし、特許文献1のものは電線の錆を検出するものであることから、そのまま電力ケーブル20の終端接続部22のシュリンクバックなどの点検に使用することができない場合がある。すなわち、電力ケーブルの金属遮蔽層として金属テープ、例えば、遮蔽銅テープや遮蔽アルミテープ等が使用されている場合には、これらの金属テープは、導体を被覆した絶縁体に斜め方向にラップさせながら巻き付けられているので、ラップ部分と非ラップ部分では電気的特性が異なり、金属テープにずれや亀裂、断裂などの異常が発生していない場合であっても、インピーダンスの変化が生じてしまうからである。同様に、表面が波付きの金属管で金属遮蔽層が形成されている場合にも、その波形状によりインピーダンスの変化が生じてしまう。
また、特許文献1のものでは、電線に渦電流を発生させて、渦電流の有無により電線の錆を検出するものであることから、渦電流を発生させるための励磁コイルが必要となる。
本発明の目的は、電力ケーブルの金属遮蔽層のずれや断裂等の異常を非解体で点検できる電力ケーブル点検装置及び方法を提供することである。
請求項1の発明に係わる電力ケーブル点検装置は、導体を被覆した絶縁体の外周部に金属遮蔽層を配し、さらにその外周部をシースで被覆して形成された電力ケーブルの前記金属遮蔽層の減肉、亀裂、断裂等を点検する電力ケーブル点検装置において、前記電力ケーブルの外表面をケーブル長方向に沿って一定速度で移動させて前記電力ケーブルの前記金属遮蔽層の存在状態により変化する電圧波形を測定する測定プローブと、前記測定プローブで測定された電圧波形を出力する出力装置とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明に係わる電力ケーブル点検装置は、導体を被覆した絶縁体の外周部に金属遮蔽層を配し、さらにその外周部をシースで被覆して形成された電力ケーブルの前記金属遮蔽層の減肉、亀裂、断裂等を点検する電力ケーブル点検装置において、前記電力ケーブルの外表面をケーブル長方向に沿って一定速度で移動させ前記電力ケーブルの前記金属遮蔽層の存在状態により変化する電圧波形を測定する測定プローブと、前記測定プローブで測定された電圧波形を記憶する記憶装置と、前記記憶装置に記憶された電圧波形に基づいて前記金属遮蔽層の異常を判定する判定部とを備えたことを特徴とする。
請求項3の発明に係わる電力ケーブル点検装置は、請求項2の発明において、前記金属遮蔽層が金属テープを斜め方向にラップさせながら巻き付けて形成された金属遮蔽層、または波付き金属管で形成された金属遮蔽層である場合には、前記判定部は、前記測定プローブで測定された電圧波形が前記金属テープのラップ部または前記波付き金属管の波形状の間隔で周期的に変動する電圧波形であるときは正常と判定し、前記測定プローブで測定された電圧波形が周期的な繰り返し波形でないときは前記金属遮蔽層に異常が発生していると判定することを特徴とする。
請求項4の発明に係わる電力ケーブル点検装置は、請求項1ないし請求項3のいずれか一の発明において、前記測定プローブは、前記金属遮蔽層に渦電流を発生させる励磁コイルと、前記金属遮蔽層に発生した渦電流による誘起電圧を検出する検出コイルとを備えたことを特徴とする。
請求項5の発明に係わる電力ケーブル点検装置は、請求項1ないし請求項3のいずれか一の発明において、前記測定プローブは、活線状態にある前記電力ケーブルの前記金属遮蔽層の存在状態により変化する電圧波形を検出する検出コイルを備えたことを特徴とする。
請求項6の発明に係わる電力ケーブル点検装置は、請求項4または請求項5の発明において、前記検出コイルは1個のコイル、または差動接続された一対のコイルで形成されたことを特徴とする。
請求項7の発明に係わる電力ケーブル点検方法は、導体を被覆した絶縁体の外周部に金属遮蔽層を配しさらにその外周部をシースで被覆して形成された電力ケーブルの外表面に測定用補助シートを設置し、前記測定補助シートに案内されて前記電力ケーブルの外表面をケーブル長方向に沿って測定プローブを一定速度で移動させ、前記測定プローブで測定された前記金属遮蔽層の存在状態により変化する電圧波形を観測することを特徴とする。
請求項8の発明に係わる電力ケーブル点検方法は、導体を被覆した絶縁体の外周部に金属遮蔽層を配しさらにその外周部をシースで被覆して形成された電力ケーブルの外表面に測定用補助シートを設置し、前記測定補助シートに案内されて前記電力ケーブルの外表面をケーブル長方向に沿って測定プローブを一定速度で移動させ、前記測定プローブで測定された前記金属遮蔽層の存在状態により変化する電圧波形に基づいて前記金属遮蔽層の異常を判定することを特徴とする。
請求項9の発明に係わる電力ケーブル点検方法は、請求項8の発明において、前記金属遮蔽層が金属テープを斜め方向にラップさせながら巻き付けて形成された金属遮蔽層、または波付き金属管で形成された金属遮蔽層である場合には、前記測定プローブで測定された電圧波形が前記金属テープのラップ部または前記波付き金属管の波形状の間隔で周期的に変動する電圧波形であるときは正常と判定し、前記測定プローブで測定された電圧波形が周期的な繰り返し波形でないときは前記金属遮蔽層に異常が発生していると判定することを特徴とする。
本発明によれば、電力ケーブルの接続終端部などに発生する金属遮蔽層の断裂等を非解体で点検することができるので点検作業が軽減される。また、遮蔽銅テープにおいては断裂の前駆現象であるずれも検出できるので、未然にケーブルの絶縁破壊を防止できる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態に係わる電力ケーブル点検装置の構成図である。本発明の実施の形態では、電力ケーブルとして、金属テープを斜め方向にラップさせながら巻き付けて形成された金属遮蔽層を有したCVケーブルの場合を示しており、金属テープとして遮蔽銅テープが用いられたものを示している。また、電力ケーブルの終端接続部での金属遮蔽層の異常を点検する場合を示している。
図1において、電力ケーブル20の端部は接続装置21に終端接続部22で接続されている。電力ケーブル20の先端部は、段階的に剥がされて電力ケーブル20の導体11が接続装置21の下部に露出している半導電性ゴム層23内に挿入されると共に、金属遮蔽層である遮蔽銅テープ17に接地線24が装着される。そして、剥がされた電力ケーブル20は半導電ゴム層23と遮蔽銅テープ17の間を半導電性融着テープ25にて巻いて接地経路を作り、さらにその上から粘着性ポリエチレンテープ26を巻いて被覆されている。このような電力ケーブル20の終端接続部22でシュリンクバックが発生する箇所は、遮蔽銅テープ17の上部先端部から粘着性ポリエチレンテープ26が巻かれたシース19部分である。従って、この測定範囲Aに対して電力ケーブル点検装置により、電力ケーブル20の終端接続部22に発生した遮蔽銅テープのずれや断裂を非解体で点検する。
電力ケーブル点検装置の測定プローブ27は、遮蔽銅テープ17の存在状態により変化する電圧波形を測定するものであり、測定範囲Aの上端部から下端部に向けて一定速度で移動させる。この場合、電力ケーブル20の終端接続部22の外表面に測定補助シート37を設置し、その測定補助シート37により測定プローブ27の移動を案内し、終端接続部22の外表面のケーブル長方向に沿って一定速度で移動させる。測定プローブ27で測定された遮蔽銅テープ17の存在状態により変化する電圧波形は、記憶装置28に記憶され出力装置29に出力される。また、判定部30は、遮蔽銅テープ17にずれや断裂等の異常が発生しているか否かを判定するものであり、その判定結果は出力装置29に出力される。
なおここで、測定プローブ27で測定される電圧波形を、記憶装置を介さずに、直接、出力装置29で出力することによって観測しても良い。このとき、出力装置29の出力は、波形を打出ししたり、数値を打出ししたり、単に画像として表示するようなものでも良い。
図2は測定プローブ27の一例を示す構成図である。この測定プローブ27Aは励磁コイル31と検出コイル32とを有し、励磁コイル31には交流電源33が接続され励磁コイル31からは交番磁束が発生する。
励磁コイル31からの交番磁束は終端接続部22内の遮蔽銅テープ17に鎖交し、遮蔽銅テープ17に渦電流を発生させる。この渦電流により磁束が発生し、この渦電流による磁束により誘起電圧が発生する。検出コイル32は遮蔽銅テープ17に流れる渦電流による誘起電圧を検出する。従って、測定プローブ27Aの検出コイル32が誘起電圧を検出しているときは、遮蔽銅テープ17が存在することになり、検出コイル32が誘起電圧を検出していないときは、遮蔽銅テープ17が存在しないことになり、遮蔽銅テープ17にずれまたは断裂が発生していることを検出できる。
図3は測定プローブ27の他の一例を示す構成図である。この測定プローブ27Bは、励磁コイルと検出コイルとを兼用した2個の励磁検出コイル34a、34bを設け、それぞれの励磁検出コイル34a、34bが交流電源33を有したブリッジ回路35の1辺となる検出回路を用い、遮蔽銅テープ17が存在する位置では平衡が保たれ、遮蔽銅テープ17が存在しない位置では不平衡となって電圧を検出するものである。すなわち、一対の励磁検出コイル34a、34bが差動接続され不平衡状態となると電圧を出力する。
交流電源33からそれぞれの励磁検出コイル34a、34bに電源が供給されると、励磁検出コイル34a、34bからの交番磁束は終端接続部22内の遮蔽銅テープ17に鎖交し、遮蔽銅テープ17に渦電流を発生させる。遮蔽銅テープ17が存在する位置では、それぞれの励磁検出コイル34a、34bからの交番磁束により発生する渦電流は同一であるので、渦電流による誘起電圧も同一であり、ブリッジ回路35は平衡が保たれ、検出回路の出力端子には電圧は発生しない。
一方、遮蔽銅テープ17にずれまたは断裂が発生している位置では、一方の励磁検出コイル34aからの交番磁束により発生する渦電流と、他方の励磁検出コイル34bからの交番磁束により発生する渦電流とが同一ではなくなるので、渦電流による誘起電圧も同一ではなくなり、ブリッジ回路35は不平衡となり、検出回路の出力端子には電圧が発生する。つまり、遮蔽銅テープ17にずれまたは断裂が発生している位置では電圧が発生するので、遮蔽銅テープ17にずれまたは断裂が発生していることを検出できる。
図4は遮蔽銅テープ17にずれまたは断裂が発生していない場合の測定プローブ27A、27Bでの検出電圧波形の波形図、図5は遮蔽銅テープ17にずれまたは断裂が発生している場合の測定プローブ27A、27Bでの検出電圧波形の波形図である。
図4に示すように、遮蔽銅テープ17は斜め方向にラップさせながら巻き付けられており、遮蔽銅テープ17にずれまたは断裂が発生していない場合には、遮蔽銅テープ17の平面部17aの渦電流は大となり、遮蔽銅テープ17のラップ部17bの渦電流は小となる。従って、遮断銅テープ17の平坦部17aでは検出電圧の波高値が大きくなり、遮断銅テープ17のラップ部17bでは検出電圧の波高値が小さくなる。このことから、遮蔽銅テープ17にずれまたは断裂が発生していない場合には、検出電圧の電圧波形は遮蔽銅テープ17の平面部17aの幅の間隔で波高値が周期的に変化する繰り返しの波形となる。
一方、遮蔽銅テープ17にずれまたは断裂が発生している場合には、図5に示すように、遮蔽銅テープ17の平面部17aの渦電流は大となるが、遮蔽銅テープ17のラップ部17bだけでなく、ずれまたは断裂が発生している欠陥部36で渦電流は小または零となる。従って、遮断銅テープ17の平坦部17aでは検出電圧の波高値が大きくなるが、遮断銅テープ17のラップ部17bや欠陥部36では検出電圧の波高値が小もしくは零となる。このことから、遮蔽銅テープ17にずれまたは断裂が発生している場合には、検出電圧の電圧波形は繰り返しの波形とならず零レベルの間隔が不規則に表れる波形となる。
このように、測定プローブ27A、27Bで測定された電圧波形が遮断銅テープ17のラップ部17bの間隔で周期的に変動する電圧波形であるときは、正常と判定でき、測定プローブ27A、27Bで測定された電圧波形が周期的な繰り返し波形でないときは遮蔽銅テープ17にずれまたは断裂が発生していると判定できる。判定部30では、この判断基準で遮蔽銅テープ17にずれまたは断裂が発生していると判定する。
以上の説明では、測定プローブ27として励磁コイル31または励磁検出コイル34を備えた場合について説明したが、活線状態にある電力ケーブル20の終端接続部22内の遮蔽銅テープ17に、ずれまたは断裂が発生しているか否かを判定する場合には、渦電流を発生させるための励磁コイル31や励磁検出コイル34を設ける必要はなく、検出コイル32のみを設けるようにしてもよい。
図6は励磁コイルを有していない測定プローブ27の一例を示す構成図である。この測定プローブ27Cは、活線状態にある電力ケーブル20の終端接続部22内の前記遮蔽銅テープ17の存在状態により変化する電圧波形を検出する検出コイル32のみを備えたものである。活線状態にある電力ケーブル20の導体11には電流が流れており、また、遮蔽銅テープ17にも微小の電流が流れている。
遮蔽銅テープ17が存在する位置では、検出コイル32は導体11に流れる電流と遮蔽銅テープ17に流れる電流の双方による磁束と鎖交することになり、一方、遮蔽銅テープ17が存在しない位置では検出コイル32は導体11に流れる電流による磁束と鎖交することになる。従って、遮蔽銅テープ17の存在の有無により検出コイル32の出力端に生じる電圧値が異なり、遮蔽銅テープ17にずれまたは断裂が発生していることを検出できる。
図7は励磁コイルを有していない測定プローブ27の他の一例を示す構成図である。この測定プローブ27Dは、活線状態にある電力ケーブル20の終端接続部22内の遮蔽銅テープ17の存在状態により変化する電圧波形を検出する2個の検出コイル32a、32bを設け、それぞれの励磁検出コイル32a、32bがブリッジ回路35の1辺となる検出回路を用い、遮蔽銅テープ17が存在する位置では平衡が保たれ、遮蔽銅テープ17が存在しない位置では不平衡となって電圧を検出するものである。すなわち、一対の検出コイル32a、32bが差動接続され不平衡状態となると電圧を出力する。
活線状態にある電力ケーブル20の導体11には電流が流れており、また、遮蔽銅テープ17にも微小の電流が流れている。遮蔽銅テープ17が存在する位置では、検出コイル32は導体11に流れる電流と遮蔽銅テープ17に流れる電流の双方による磁束と鎖交することになり、一方、遮蔽銅テープ17が存在しない位置では検出コイル32は導体11に流れる電流による磁束と鎖交することになる。従って、遮蔽銅テープ17の存在の有無により検出コイル32a、32bの出力端に生じる電圧値が異なり、ブリッジ回路35は不平衡となり、検出回路の出力端子には電圧が発生する。つまり、遮蔽銅テープ17にずれまたは断裂が発生している位置では電圧が発生するので、遮蔽銅テープ17にずれまたは断裂が発生していることを検出できる。
以上述べたように、本発明の実施の形態によれば、電力ケーブル20の接続終端部22の外表面のケーブル長方向に沿って測定プローブ27を一定速度で移動させ、測定プローブ27で検出された電圧波形を計測する。そして、その測定プローブ27で検出された電圧波形は遮蔽銅テープ17のずれや断裂の有無により特性が異なっているので、計測された電圧波形により遮蔽銅テープ17のずれや断裂を判定できる。従って、非解体で遮蔽銅テープ17のずれや断裂を点検することができ、かつ、点検作業が軽減される。また、遮蔽銅テープ17の断裂の前駆現象であるずれも検出できるので、未然にケーブルの破壊を防止できる。
なお、上述の実施の形態では、金属遮蔽層を遮蔽銅テープとして説明を行ったが、金属遮蔽層の形態が、表面が波付きの金属管や、材質が銅以外の金属テープ、例えばアルミテープによって構成されていても同様である。また、金属遮蔽層が金属線の編組構造で一様に構成されていたり、波の付いていない金属管である場合は、金属遮蔽層構造が健全である場合は周期的な変動ではなく一定の電気信号が得られ、亀裂や断裂、減肉など存在状態に変動が生じている場合は、電気信号に変動が生じるため、この変動を観測することによって、非解体で金属遮蔽層の存在状態を把握できる。
また、電力ケーブル20の終端接続部だけでなく、中間接続部、マンホールなどのオフセット部における金属遮蔽部の異常の点検も同様に行え、さらに、施工時に曲げが生じた部分や搬送時に外部圧力が加わった部分の点検を必要とする箇所に対して随時適用できる。さらに、電力ケーブルだけでなく金属遮蔽層を有する通信ケーブルにも適用できる。
本発明の実施の形態に係わる電力ケーブル点検装置の構成図。 本発明の実施の形態における励磁コイルを有した測定プローブの一例を示す構成図。 本発明の実施の形態における励磁コイルを有した測定プローブの他の一例を示す構成図。 電力ケーブルの終端接続部における遮蔽銅テープにずれまたは断裂が発生していない場合の測定プローブでの検出電圧波形の波形図。 電力ケーブルの終端接続部における遮蔽銅テープにずれまたは断裂が発生している場合の測定プローブでの検出電圧波形の波形図。 本発明の実施の形態における励磁コイルを有していない測定プローブの一例を示す構成図。 本発明の実施の形態における励磁コイルを有していない測定プローブの他の一例を示す構成図。 単芯3個撚り構造のトリプレックス形CVケーブル(CVTケーブル)の説明図。 図8に示した電力ケーブル(CVTケーブル)の終端接続部での接続状態の説明図。 図8に示した電力ケーブル(CVTケーブル)の終端接続部の説明図。
符号の説明
11…導体、12…内部半導体層、13…絶縁体、14…押し出し半導電層、15…半導電性布テープ、16…外部半導電層、17…遮蔽銅テープ、18…布テープ、19…シース、20…電力ケーブル、21…端末装置、22…終端接続部、23…半導電性ゴム層、24…接地線、25…半導線性融着テープ、26…粘着性ポリエチレンテープ、27…測定プローブ、28…記憶装置、29…出力装置、30…判定部、31…励磁コイル、32…検出コイル、33…交流電源、34…励磁検出コイル、35…ブリッジ回路、36…欠陥部、37…測定補助シート

Claims (9)

  1. 導体を被覆した絶縁体の外周部に金属遮蔽層を配し、さらにその外周部をシースで被覆して形成された電力ケーブルの前記金属遮蔽層の減肉、亀裂、断裂等を点検する電力ケーブル点検装置において、前記電力ケーブルの外表面をケーブル長方向に沿って一定速度で移動させて前記電力ケーブルの前記金属遮蔽層の存在状態により変化する電圧波形を測定する測定プローブと、前記測定プローブで測定された電圧波形を出力する出力装置とを備えたことを特徴とする電力ケーブル点検装置。
  2. 導体を被覆した絶縁体の外周部に金属遮蔽層を配し、さらにその外周部をシースで被覆して形成された電力ケーブルの前記金属遮蔽層の減肉、亀裂、断裂等を点検する電力ケーブル点検装置において、前記電力ケーブルの外表面をケーブル長方向に沿って一定速度で移動させて前記電力ケーブルの前記金属遮蔽層の存在状態により変化する電圧波形を測定する測定プローブと、前記測定プローブで測定された電圧波形を記憶する記憶装置と、前記記憶装置に記憶された電圧波形に基づいて前記金属遮蔽層の異常を判定する判定部とを備えたことを特徴とする電力ケーブル点検装置。
  3. 前記金属遮蔽層が金属テープを斜め方向にラップさせながら巻き付けて形成された金属遮蔽層、または表面が波付きの金属管で形成された金属遮蔽層である場合には、前記判定部は、前記測定プローブで測定された電圧波形が前記金属テープのラップ部または前記波付き金属管の波形状の間隔で周期的に変動する電圧波形であるときは正常と判定し、前記測定プローブで測定された電圧波形が周期的な繰り返し波形でないときは前記金属遮蔽層に異常が発生していると判定することを特徴とする請求項2記載の電力ケーブル点検装置。
  4. 前記測定プローブは、前記金属遮蔽層に渦電流を発生させる励磁コイルと、前記金属遮蔽層に発生した渦電流による誘起電圧を検出する検出コイルとを備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一記載の電力ケーブル点検装置。
  5. 前記測定プローブは、活線状態にある前記電力ケーブルの前記金属遮蔽層の存在状態により変化する電圧波形を検出する検出コイルを備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一記載の電力ケーブル点検装置。
  6. 前記検出コイルは1個のコイル、または差動接続された一対のコイルで形成されたことを特徴とする請求項4または請求項5記載の電力ケーブル点検装置。
  7. 導体を被覆した絶縁体の外周部に金属遮蔽層を配しさらにその外周部をシースで被覆して形成された電力ケーブルの外表面に測定用補助シートを設置し、前記測定補助シートに案内されて前記電力ケーブルの外表面をケーブル長方向に沿って測定プローブを一定速度で移動させ、前記測定プローブで測定された前記金属遮蔽層の存在状態により変化する電圧波形を観測することを特徴とする電力ケーブル点検方法。
  8. 導体を被覆した絶縁体の外周部に金属遮蔽層を配しさらにその外周部をシースで被覆して形成された電力ケーブルの外表面に測定用補助シートを設置し、前記測定補助シートに案内されて前記電力ケーブルの外表面をケーブル長方向に沿って測定プローブを一定速度で移動させ、前記測定プローブで測定された前記金属遮蔽層の存在状態により変化する電圧波形に基づいて前記金属遮蔽層の異常を判定することを特徴とする電力ケーブル点検方法。
  9. 前記金属遮蔽層が金属テープを斜め方向にラップさせながら巻き付けて形成された金属遮蔽層、または表面が波付きの金属管で形成された金属遮蔽層である場合には、前記測定プローブで測定された電圧波形が前記金属テープのラップ部または前記波付き金属管の波形状の間隔で周期的に変動する電圧波形であるときは正常と判定し、前記測定プローブで測定された電圧波形が周期的な繰り返し波形でないときは前記金属遮蔽層に異常が発生していると判定することを特徴とする請求項8記載の電力ケーブル点検方法。


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