JP5281941B2 - シールド部材の異常検出方法及びシールド部材の異常検出装置 - Google Patents

シールド部材の異常検出方法及びシールド部材の異常検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、シールド部材の異常検出方法及びシールド部材の異常検出装置に関するものである。
上述したシールド部材を有する電線として、例えば、図2に示すような、高圧電力を供給するためのCVケーブル10が知られている。同図に示すように、CVケーブル10は、芯線11と、内部絶縁体としての絶縁体12と、シールド部材としての銅テープ13と、外部絶縁体としてのシース14と、を備えている。
芯線11は、導線性を有する導体から成る。絶縁体12は、架橋ポリエチレンなどから成り、芯線11を被覆する。銅テープ13は、外部へのノイズの進入を防止するために設けられている。銅テープ13は、テープ状に設けられており、絶縁体12の外周に巻き付けられる。シース14は、ポリエチレンなどから成り、銅テープ13を被覆する。このようなCVケーブル10においては、シース14の製造工程においてシース14に残存応力が存在する。このように残存応力が存在したまま現場に敷設されると、周囲環境によりCVケーブル10の端末部にてシース14が収縮、開放されて銅テープ13のずれが発生することがある。
また、CVケーブル10は、屋外に敷設されるため、温度差(ヒートショック)を受ける。上述したシース14、銅テープ13、絶縁体12はそれぞれ収縮率が異なるので、上記温度差により銅テープ13のずれが発生する。これをシュリンクバック現象と呼ぶ。このシュリンクバック現象が起こると、最悪の場合、銅テープ13が切れてしまい、端末部の接地回路が断線され、トラッキングを起こし、CVケーブル10の絶縁破壊を起こすことで、線路が停電してしまう、という問題があった。
そこで、上述した銅テープ13のずれを検出する装置として、特許文献1に記載された電力ケーブル点検装置(以下点検装置と略記)が提案されている。上記点検装置は、励磁コイルと検出コイルとを有している。励磁コイルには交流電源が接続され励磁コイルからは交番磁束が発生する。銅テープ13がある場合は、励磁コイルからの交番磁束により銅テープ13に渦電流が発生し、検出コイルには銅テープ13に流れる渦電流からの磁束により誘導起電力が発生する。よって、銅テープ13の有無によって検出コイルに生じる誘導起電力が変化するため銅テープ13のずれを検出することができる。
しかしながら、上述した検出コイルに発生する誘導起電力は小さく、銅テープ13の有無による誘導起電力の差は小さい。ところで、銅テープ13は隙間のないように巻き付けるために銅テープ13の幅方向の端部を重ねるように巻き付けている。このため、CVケーブル10には、銅テープ13が2枚重なっている部分がある。この銅テープ13が2枚重なっている部分は正常な部分である。しかしながら、上述した従来の点検装置では、特に、上述した銅テープ13が2枚重なっている部分と銅テープ13がない部分との誘導起電力の差がほとんどない。このため、実施の現場での適用は非常に難しく、正確に銅テープ13のずれを検出することができない、という問題があった。
特開2006−67679号公報
そこで、本発明は、正確にシールド部材の異常を検出することができるシールド部材の異常検出装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、導電性を有する芯線、前記芯線を被覆する内部絶縁体、前記内部絶縁体の外周に巻き付けられたシールド部材、及び、前記シールド部材を被覆する外部絶縁体、を有する電線における前記シールド部材の異常を検出するシールド部材の異常検出方法において、交流電圧が印加される励磁コイル、及び、前記励磁コイルに発生する磁束により相互誘導起電力が発生する検出コイル、からそれぞれ構成された一対のコイルユニットの一方のみを前記励磁コイルに交流電圧が印加されると前記シールド部材に渦電流が発生するように前記電線上に沿って走査する工程と、差動増幅器により増幅した前記一対のコイルユニットの一方を構成する前記検出コイルの出力電圧と他方を構成する前記検出コイルの出力電圧との差に基づいて前記シールド部材の異常を検出する工程と、を順次行うことを特徴とするシールド部材の異常検出方法に存する。
請求項2記載の発明は、導電性を有する芯線、前記芯線を被覆する内部絶縁体、前記内部絶縁体の外周に巻き付けられたシールド部材、及び、前記シールド部材を被覆する外部絶縁体、を有する電線における前記シールド部材の異常を検出するシールド部材の異常検出装置において、交流電源と、前記交流電源から交流電圧が印加される励磁コイル、及び、前記励磁コイルに発生する磁束により相互誘導起電力が発生する検出コイル、からそれぞれ構成された一対のコイルユニットと、前記一対のコイルユニットの一方を構成する前記検出コイルの出力電圧と他方を構成する前記検出コイルの出力電圧との差を増幅する差動増幅器と、を備え、前記一対のコイルユニットの一方のみが、前記励磁コイルに交流電圧が印加されると前記シールド部材に渦電流が発生するように前記電線上に沿って走査されることを特徴とするシールド部材の異常検出装置に存する。
請求項3記載の発明は、前記一対のコイルユニットの一方において、前記励磁コイル及び前記検出コイルが、前記電線の長手方向と直交する方向に沿って並べて配置された状態で前記電線上に沿って走査されることを特徴とする請求項2に記載のシールド部材の異常検出装置に存する。
請求項4記載の発明は、前記一対のコイルユニットの一方において、前記励磁コイル及び前記検出コイルのうち前記検出コイルのみが、前記電線上に配置された状態で前記電線上に沿って走査されることを特徴とする請求項3に記載のシールド部材の異常検出装置に存する。
以上説明したように請求項1及び2記載の発明によれば、一対のコイルユニットを用いることにより、シールド部材の有無による検出コイルの出力電圧の変化量だけを差動増幅器により増幅することができ、S/N比を向上させることができ、正確にシールド部材の異常を検出することができる。
請求項3記載の発明によれば、励磁コイル及び検出コイルの距離に関係なくすべての幅のシールド部材のずれを検出することができる。
請求項4記載の発明によれば、より一層シールド部材の有無による差動増幅器の出力差を大きくすることができる。
本発明のシールド部材の異常検出装置の一実施形態を示す回路図である。 図1の異常検出装置によって検出されるCVケーブルの断面図である。 本発明の異常検出方法の原理を説明するための説明図である。 図1に示す異常検出装置の効果を確かめるために用いたCVケーブルと、このCVケーブル上に縦置きに配置したコイルユニット3Aと、を示す側面図である。 交流電源を20kHzに設定して図4に示すCVケーブル上を縦置きに配置したコイルユニット3Aで走査したときの差動増幅器の出力電圧の変化量を示すグラフである。 交流電源を50kHzに設定して図4に示すCVケーブル上を縦置きに配置したコイルユニット3Aで走査したときの差動増幅器の出力電圧の変化量を示すグラフである。 交流電源を100kHzに設定して図4に示すCVケーブル上を縦置きに配置したコイルユニット3Aで走査したときの差動増幅器の出力電圧の変化量を示すグラフである。 図1に示す異常検出装置の効果を確かめるために用いたCVケーブルと、このCVケーブル上に横置きに配置したコイルユニット3Aとを示す側面図及び上面図である。 交流電源を20kHzに設定して図8に示すCVケーブル上を横置きに配置したコイルユニット3Aで走査したときの差動増幅器の出力電圧の変化量を示すグラフである。 交流電源を50kHzに設定して図8に示すCVケーブル上を横置きに配置したコイルユニット3Aで走査したときの差動増幅器の出力電圧の変化量を示すグラフである。 交流電源を100kHzに設定して図8に示すCVケーブル上を横置きに配置したコイルユニット3Aで走査したときの差動増幅器の出力電圧の変化量を示すグラフである。 (1)〜(4)はそれぞれCVケーブルに対するコイルユニットの配置位置の一例を示す上面図である。 3mm×8mm×10mmのコアを用いて、図12の(1)〜(4)に示すようにCVケーブル上にコイルユニット3Aを配置したときの検出コイルの出力電圧を示すグラフである。 3mm×8mm×5mmのコアを用いて、図12の(1)〜(4)に示すようにCVケーブル上にコイルユニット3Aを配置したときの検出コイルの出力電圧を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本発明のシールド部材の異常検出装置1(以下異常検出装置1)は、図2に示すCVケーブル10の異常を検出する装置である。上記CVケーブル10は、背景技術で説明したように、図2に示すように、芯線11と、内部絶縁体としての絶縁体12と、シールド部材としての銅テープ13と、外部絶縁体としてのシース14と、を備えている。
芯線11は、導電性を有する導体から成る。絶縁体12は、架橋ポリエチレンなどから成り、芯線11を被覆する。銅テープ13は、テープ状に設けられており、絶縁体12の外周に巻き付けられる。シース14は、ポリエチレンなどから成り、銅テープ13を被覆する。ここで、銅テープ13の異常とは、銅テープ13がズレたり腐食破断したりして銅テープ13がない部分が生じることをいう。
異常検出装置1は、交流電源2と、一対のコイルユニット3A及び3Bと、差動増幅器4と、出力手段としての電圧計5と、を備えている。交流電源2は、後述する励磁コイルC1に交流電圧を供給する電源である。一対のコイルユニット3A及び3Bは、同一の構成である。一対のコイルユニット3A及び3Bはそれぞれ、励磁コイルC1と、検出コイルC2と、一対のボビン31と、コア32と、を備えている。励磁コイルC1は、上記交流電源2からの交流電圧が印加されるコイルである。検出コイルC2は、励磁コイルC1に発生する磁束により相互誘導起電力が発生するように設けられたコイルである。
一対のボビン31は、筒状に設けられていて、外周面に励磁コイルC1及び検出コイルC2がそれぞれ巻回されている。コア32は、磁性体から構成されていて、コの字状に設けられている。コア32は、基部321と、基部321の両端に突出して設けられた一対のボビン取付部322と、が一体に形成されている。この一対のボビン取付部322を上記一対のボビン31内にそれぞれ挿入することにより、励磁コイルC1及び検出コイルC2が、コア32の外周に巻回された状態で配置される。上記差動増幅器4は、コイルユニット3Aを構成する検出コイルC2の出力電圧と、コイルユニット3Bを構成する検出コイルC2の出力電圧と、の差を増幅する増幅器である。電圧計5は、差動増幅器4の出力電圧を測定して、表示する計器である。
次に、上述した異常検出装置1を用いた異常検出方法について説明する。まず、検査員は、電源を投入して一対のコイルユニット3A及び3Bを構成する励磁コイルC1に交流電源2からの交流電圧を印加する。次に、検査員は、上述した一対のコイルユニット3A及び3Bのうちコイルユニット3AのみをCVケーブル10上に沿って走査させる。このとき、コイルユニット3Aを構成する励磁コイルC1に交流電圧が印加されるとCVケーブル10の銅テープ13に渦電流が発生するようにコイルユニット3AをCVケーブル10上に沿って走査させる。また、励磁コイルC1及び検出コイルC2をCVケーブル10の長手方向に沿って並べて縦置きにした状態でCVケーブル10上に沿って走査させる。
図3に示すように、上記励磁コイルC1に交流電圧を印加すると、励磁コイルC1に鎖交する磁束φ1が発生する。この磁束φ1は、コア32によって導かれて検出コイルC2にも鎖交するため、検出コイルC2には誘導起電力が発生する。今、CVケーブル10が正常で芯線11が銅テープ13により覆われている場合、上記コイルユニット3AをCVケーブル10上に沿って走査させると、上記磁束φ1により銅テープ13に渦電流iが発生する。そして、銅テープ13に発生した渦電流iにより励磁コイルC1及び検出コイルC2には、新たな磁束φ2が発生する。
よって、CVケーブル10が正常な場合は、検出コイルC2には、磁束(φ1+φ2)に応じた誘導起電力が生じる。一方、CVケーブル10に異常が生じていて芯線11が銅テープ13により覆われていない場合、上記コイルユニット3AをCVケーブル10上に走査させても、検出コイルC2には渦電流iによる磁束φ2が発生しない。よって、CVケーブル10が異常な場合は、検出コイルC2には、磁束φ1のみに応じた誘導起電力が生じる。以上のことから明らかなように、銅テープ13の有無により検出コイルC2に発生する誘導起電力が異なる。
また、コイルユニット3Bは、CVケーブル10上を走査させていない。よって、コイルユニット3Bの検出コイルC2には、銅テープ13がないときにコイルユニット3Aの検出コイルC2に発生する誘導起電力と同等の誘導起電力が発生する。故に、銅テープ13がない異常時には、差動増幅器4の出力はほぼ0となる。一方、銅テープ13がある正常時には、差動増幅器4の出力は銅テープ13があるときの検出コイルC2の出力電圧と、銅テープ13がないときの検出コイルC2の出力電圧と、の差を増幅した値が出力される。即ち、差動増幅器4は、検出コイルC2の出力電圧の銅テープ13の有無による変化量分だけを増幅して出力する。
このように銅テープ13の有無による変化量分だけを増幅することにより、従来のように単に検出コイルC2の出力電圧を増幅する場合に比べて増幅率を大きな値に設定しても、差動増幅器4の出力が飽和することがない。故に、差動増幅器4の増幅率を大きな値に設定することができ、銅テープ13の有無による差動増幅器4の変化量を大きくすることができる。また、差動増幅器4によってコイルユニット3A及び3Bの検出コイルC2の出力電圧の差を取ることにより、検出コイルC2にそれぞれ重畳したノイズ成分を相殺することができ、S/N比を向上することができる。そして、検査員は、上記コイルユニット3AをCVケーブル10に沿って走査させて電圧計5に表示される差動増幅器4の出力の変化量が閾値を超えたとき、銅テープ13の異常と判断する。
次に、本発明者らは、交流電源2の周波数を20kHz、50kHz、100kHzと変化させてそれぞれ図4に示すCVケーブル10上に沿ってコイルユニット3Aを走査させたときの差動増幅器4の出力電圧の変化量を測定して、本発明の効果を確認した。結果を図5〜図7に示す。図5〜図7に示すように、コア32のサイズとしては、横幅W1(図1)×縦幅L1(図1)×一対のボビン取付部322間の距離L2(図1)が、3mm×8mm×5mmのものと、3mm×8mm×10mmのものと、を2つ用いている。また、コイルユニット3Aは、図4に示すように、励磁コイルC1及び検出コイルC2が、CVケーブル10の長手方向に沿って並べて縦置きされた状態でCVケーブル10上に沿って走査される。
そして、CVケーブル10には、銅テープ13が巻かれていない空中部P1、銅テープ13が1枚巻かれた正常部P2、銅テープ13が5mm幅で2枚重ねられた重ね部P3が、この順で形成されるように、銅テープ13が巻き付けられている。CVケーブル10にはさらに、銅テープ13が1枚巻かれた正常部P2及び銅テープ13が巻かれていない異常部P4が交互に形成されるように、銅テープ13が巻き付けられている。なお、上記異常部P4は、その間隔が2mm、4mm、5mm、6mm、8mm…と徐々に大きくなるように形成されている。図5〜図7は、このCVケーブル10の長手方向に沿って縦置きにしたコイルユニット3Aを走査した結果を示す。図5〜図7において、例えば重ね5mmに対応する変化量は、正常部P2→重ね部P3→正常部P2と走査させたときの差動増幅器4から出力される出力電圧の最大値と最小値との差を示し、間隔5mmに対応する変化量は、正常部P2→間隔5mmの異常部P4→正常部P2と走査させたときの差動増幅器4から出力される出力電圧の最大値と最小値との差を示す。
図5に示すように、交流電圧20kHz、3mm×8mm×10mmのコア32を用いた場合、間隔2mm、5mm、30mmの異常部P4については、重ね部P3に比べて差動増幅器4の出力電圧の変化量を大きくできることが確認できた。また、交流電圧20kHz、3mm×8mm×5mmのコア32を用いた場合、間隔15mmの異常部P4を除いた全ての異常部P4について、重ね部P3に比べて差動増幅器4の出力電圧の変化量を大きくできることが確認できた。よって、図5に示すように閾値を設定すれば、3mm×8mm×5mmのコア32を用いた場合、間隔15mmの異常部P4を除いた全ての異常部P4を検出できることが確認できた。また、3mm×8mm×10mmのコア32を用いた場合でも、2mm、5mm、30mmの異常部P4について検出できることが分かった。
また、図6に示すように、交流電圧50kHz、3mm×8mm×10mmのコア32を用いた場合、間隔15mmの異常部P4を除いた全ての異常部P4について、重ね部P3に比べて差動増幅器4の出力電圧の変化量を大きくできることが確認できた。また、交流電圧50kHz、3mm×8mm×5mmのコア32を用いた場合、全ての異常部P4について、重ね部P3に比べて差動増幅器4の出力電圧の変化量を大きくできることが確認できた。よって、図6に示すように閾値を設定すれば、3mm×8mm×5mmのコア32を用いた場合、全ての異常部P4を検出できることが確認できた。また、3mm×8mm×10mmのコア32を用いた場合でも、間隔15mmの異常部P4を除いた全ての異常部P4について検出できることが確認できた。
また、図7に示すように、交流電圧100kHz、3mm×8mm×5mmのコア32を用いた場合、全ての異常部P4について、重ね部P3に比べて差動増幅器4の出力電圧の変化量を大きくできることが確認できた。よって、図7に示すように閾値を設定すれば、3mm×8mm×5mmのコア32を用いた場合、全ての異常部P4を検出できることが確認できた。また、交流電圧100kHz、3mm×8mm×10mmのコア32を用いた場合、閾値を設定することは難しいことが分かった。上述したように、コイルユニット3Aを縦置きした場合、コア32の形状や交流電圧の周波数を調整することにより、重ね部P3と異常部P4との差動増幅器4の出力電圧の差を大きくすることができ、異常部P4を正確に検出できることが分かった。また、上述したようにコイルユニット3Aを縦置きすると、15mmがデッド間隔となり、測定が不可能となる。その理由は、コア32の中心距離がちょうど15mm程度になり、コア32が銅テープ13と銅テープ13との間に入ってしまいうまく差が見えなくなってしまうためである。
なお、上述した実施形態では、励磁コイルC1及び検出コイルC2をCVケーブル10の長手方向に沿って縦置きにした状態でCVケーブル10上に沿って走査させていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、図8に示すように、励磁コイルC1及び検出コイルC2をCVケーブル10の長手方向と直交する方向に沿って並べて横置きにした状態でCVケーブル10上に沿って走査させてもよい。
次に、本発明者らは、交流電源2の周波数を20kHz、50kHz、100kHzと変化させてそれぞれ図8に示すCVケーブル10上に沿ってコイルユニット3Aを走査させたときの差動増幅器4の出力電圧の変化量を測定して、本発明の効果を確認した。結果を図9〜図11に示す。また、コア32としては、5mm×8mm×5mmのものと、5mm×8mm×10mmのものと、を2つ用いている。また、コイルユニット3Aは、励磁コイルC1及び検出コイルC2が、CVケーブル10の長手方向と直交する方向に沿って並べて横置きされた状態でCVケーブル10上に沿って走査される。
図8に示すように、CVケーブル10は、図4と同じように銅テープ13が巻かれているのでここでは詳細な説明は省略する。図9〜図11は、このCVケーブル10上に横置きにしたコイルユニット3Aを走査した結果を示す。図9〜図11において、例えば重ね5mmに対応する変化量は、正常部P2→重ね部P3→正常部P2と走査させたときの差動増幅器4から出力される出力電圧の最大値と最小値との差を示し、間隔5mmに対応する変化量は、正常部P2→間隔5mmの異常部P4→正常部P2と走査させたときの差動増幅器4から出力される出力電圧の最大値と最小値との差を示す。
図9〜図11に示すように、横置きにすることにより、交流電圧の周波数やコア32の大きさを調整しなくても、全ての異常部P4について、重ね部P3に比べて差動増幅器4の出力電圧の変化量を大きくできることが確認できた。よって、図9〜図11に示すように閾値を設定すれば、全ての異常部P4を検出できることが確認できた。
また、上述した実施形態では、コイルユニット3Aの励磁コイルC1及び検出コイルC2の両方とも銅テープ13上にあるように配置した状態で横置きしていたが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、検出コイルC2のみを銅テープ13上に配置して、励磁コイルC1については銅テープ13から外れた位置に配置してもよい。
本発明者らは、図12の(1)及び(4)に示すように、検出コイルC2のみを銅テープ13上に配置し、励磁コイルC1を銅テープ13から外れた位置に配置したコイルユニット3A、(2)及び(3)に示すように励磁コイルC1のみを銅テープ13上に配置し、励磁コイルC1を銅テープ13から外れた位置に配置したコイルユニット3A、をそれぞれ正常なCVケーブル10上を走査させて、検出コイルC2の出力電圧を測定した結果を図13及び図14に示す。なお、図13においては、3mm×8mm×10mmのコア32を用いて交流電圧を20kHzとした。図14においては、3mm×8mm×5mmのコア32を用いて交流電圧を20kHzとした。図13及び図14に示すように、検出コイルC2の出力電圧は、検出コイルC2のみを銅テープ13上に配置した場合に比べて、励磁コイルC1のみを銅テープ13上に配置した場合の方が高くなることが分かった。よって、銅テープ13の有無による検出コイルC2の出力電圧の変化量を大きくすることができるため、当然差動増幅器4の出力の変化量も大きくすることができ、より一層、正確に異常を検出できることがわかった。
また、上述した実施形態では、コア32を設けていたが、本発明はこれに限ったものではない。銅テープ13の有無による差動増幅器4の出力の変化量が大きければ、コア32を設けなくてもよい。
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
2 交流電源
3A コイルユニット
3B コイルユニット
4 差動増幅器
10 CVケーブル(電線)
11 芯線
12 絶縁体(内部絶縁体)
13 銅テープ(シールド部材)
14 シース(外部絶縁体)
C1 励磁コイル
C2 検出コイル

Claims (4)

  1. 導電性を有する芯線、前記芯線を被覆する内部絶縁体、前記内部絶縁体の外周に巻き付けられたシールド部材、及び、前記シールド部材を被覆する外部絶縁体、を有する電線における前記シールド部材の異常を検出するシールド部材の異常検出方法において、
    交流電圧が印加される励磁コイル、及び、前記励磁コイルに発生する磁束により相互誘導起電力が発生する検出コイル、からそれぞれ構成された一対のコイルユニットの一方のみを前記励磁コイルに交流電圧が印加されると前記シールド部材に渦電流が発生するように前記電線上に沿って走査する工程と、
    差動増幅器により増幅した前記一対のコイルユニットの一方を構成する前記検出コイルの出力電圧と他方を構成する前記検出コイルの出力電圧との差に基づいて前記シールド部材の異常を検出する工程と、
    を順次行うことを特徴とするシールド部材の異常検出方法。
  2. 導電性を有する芯線、前記芯線を被覆する内部絶縁体、前記内部絶縁体の外周に巻き付けられたシールド部材、及び、前記シールド部材を被覆する外部絶縁体、を有する電線における前記シールド部材の異常を検出するシールド部材の異常検出装置において、
    交流電源と、
    前記交流電源から交流電圧が印加される励磁コイル、及び、前記励磁コイルに発生する磁束により相互誘導起電力が発生する検出コイル、からそれぞれ構成された一対のコイルユニットと、
    前記一対のコイルユニットの一方を構成する前記検出コイルの出力電圧と他方を構成する前記検出コイルの出力電圧との差を増幅する差動増幅器と、を備え、
    前記一対のコイルユニットの一方のみが、前記励磁コイルに交流電圧が印加されると前記シールド部材に渦電流が発生するように前記電線上に沿って走査される
    ことを特徴とするシールド部材の異常検出装置。
  3. 前記一対のコイルユニットの一方において、前記励磁コイル及び前記検出コイルが、前記電線の長手方向と直交する方向に沿って並べて配置された状態で前記電線上に沿って走査される
    ことを特徴とする請求項2に記載のシールド部材の異常検出装置。
  4. 前記一対のコイルユニットの一方において、前記励磁コイル及び前記検出コイルのうち前記検出コイルのみが、前記電線上に配置された状態で前記電線上に沿って走査される
    ことを特徴とする請求項3に記載のシールド部材の異常検出装置。
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