JP6359709B1 - エレベータロープの点検装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属製のストランドを有する抗張力部材を樹脂で被覆したロープの、抗張力部材の劣化を、X線投影画像を用いて評価することで短い作業時間で信頼性の高い点検を可能としたエレベータロープの点検方法及び点検装置を提供する。
【解決手段】金属製のストランドを有する抗張力部材12の周囲を樹脂13で被覆したエレベータ用のロープ11にX線を照射し、このロープ11へ照射され、シンチレータ22上に投影された前記X線の投影画像から前記抗張力部材12の形状を捉え、その外径を計測する.
【選択図】図1D

Description

本発明の実施形態は、エレベータのメインロープとして用いられる樹脂被覆されたロープの心綱及びストランドを含む抗張力部材の劣化の状況を点検するエレベータロープの点検装置に関する。
機械室なし構造のエレベータで用いられる主索(ロープ)は、乗りかごやつり合い錘の昇降スペースを避けた狭い空間で引き回される。このため、シーブの小型化や主索本数の削減を通して省スペースを得られる主索構造が求められる。すなわち、シーブの小型化に向けては曲げ疲労に強く、また、主索本数の削減に向けては高強度素線を用いた主索構造が求められている。
近年、ワイヤロープ等の抗張力部材の表面をポリウレタンのような耐摩耗性と高摩擦係数を有する樹脂材で被覆した主索構造(以下、樹脂被覆ロープと称す)の普及が進んでいる。樹脂被覆ロープは、一般に鋼鉄や比較的硬度の高い樹脂材からなる心綱、及びその周囲に配置される複数の鋼鉄製ストランドにより、主索として荷重を負担する抗張力部材を構成し、それらの周囲を、ポリウレタンからなる樹脂で被覆している。
このような構成の樹脂被覆ロープでは、抗張力部材であるストランドや心綱を外部から目視できないため、これまでのワイヤロープのように素線の断線や摩耗等の劣化が抗張力部材に生じても、その状態を目視管理できない。
従来、エレベータ主索としてのワイヤロープ強度管理方法の1つとして、ロープ外径測定による劣化判定法がある。一般にはノギスによるロープ外径測定が行われている。この判定法では、主索全長に対して、エレベータの運転によりシーブを通過する部分とシーブを通過しない部分のロープ径を比較し、シーブ通過部の外径が(通過に伴う)摩耗等の劣化により通過しない部分の直径に対して所定の割合以下となったときに交換するものである。
樹脂被覆ロープの場合、シーブ通過にともなう抗張力部材の劣化は、心綱とストランドとの接触による摩耗や断線、または、ストランド同士の接触による摩耗や断線が支配的であり、抗張力部材の最外径は劣化に伴って減少する。従って、抗張力部材の劣化判定にストランド部最外径測定による判定は有効である。しかし、樹脂被覆が径の減少に伴って変形するため、ストランド部最外径を、これまでのロープのように主索(樹脂被覆ロープ)表面でノギス等により測定することは困難である。
前述の通り、樹脂被覆ロープでは抗張力部材の目視管理ができないことから、これまで市販された樹脂被覆ロープ(スチールベルト構造を含む)では、例えば素線に通電し、経年劣化に伴う電気的特性の変化を観測したり、ロープ内部に抗張力部材よりも先行して劣化する導電部材を配置し、導通状態を監視することで劣化判定が行われている。
しかし、このような劣化検出方法の適用先は、前者として抗張力部材が小径のスチールコードのように素線が少ない構造に限られる。また、後者についてはアラミド繊維や樹脂被覆付きワイヤロープへの適用例が見られるが、構造が複雑化するため主索の製造コストを上昇させる。
ところで、樹脂製品に対する異物混入点検等、X線点検を非破壊点検へ適用することが一般的になっている。このX線点検は、X線の透過率の差によって点検対象の内部構造を可視化している。例えば、乗客コンベア等のハンドレールのようにスチールコードを含む長尺部材の”素線化”(ほつれ)をX線により画像として捉え検出するものがある。
特許第5351925号公報
しかし、エレベータロープのように、比較的小径のシーブに巻き掛けられて重量物を吊支持するものでは、上述したスチールコード部分のほつれを検出するだけでは、ロープの劣化点検としては不十分である。
本発明は、心綱及びその周囲に配置された複数の金属製のストランドからなる抗張力部材を樹脂で被覆したロープの、抗張力部材の劣化を、X線投影画像を用いて評価することで短い作業時間で信頼性の高い点検を可能としたエレベータロープの点検装置を提供するものである。
本発明の実施の形態に係るエレベータロープの点検装置は、複数の素線からなる心綱の周囲に複数の金属製のストランドを配置して構成された抗張力部材の周囲を樹脂で被覆したエレベータ用のロープにX線を照射するX線照射口と、このX線照射口から前記ロープへ照射されたX線の投影画像が写されるシンチレータと、このシンチレータ上に投影された前記X線の投影画像から前記抗張力部材の形状を捉え、その外径を計測する計測手段とを備え、前記計測手段は、前記樹脂よりX線透過率の低い材料からなる一対のゲージ部を有し、この一対のゲージ部は、前記ロープと略平行に配置され、かつ前記シンチレータの表面に沿って相反する方向に平行移動可能で、前記シンチレータに前記ロープと共に投影されることを特徴とする。
上記構成によれば、樹脂で被覆したロープの、抗張力部材の外径を、X線投影画像を用いて計測することで、この外径から抗張力部材劣化を評価でき、短い作業時間で信頼性の高い点検が可能となる。
本発明の実施の形態に係るエレベータロープの点検装置を示す側面図である。 図1AのX−X矢視図である。 図1AのY−Y矢視図である。 図1AのZ−Z矢視図である。 図1Aで示した点検装置の非点検位置の状態を示す側面図である。 図1Dに対応し、X線の照射状態を説明する図である。 図1Dに対応し、一対のゲージ部の位置を変えてX線の照射状態を説明する図である。 図1Dに対応し、一対のゲージ部の位置をさらに変えてX線の照射状態を説明する図である。 図3AのX線照射による投影画像を示す図である。 図3BのX線照射による投影画像を示す図である。 図3ACのX線照射による投影画像を示す図である。 一対のゲージ部をシンチレータ寄りに設けた場合のX線照射状態を説明する図である。 一対のゲージ部をX線照射口寄りに設けた場合のX線照射状態を説明する図である。 図5AのX線照射による投影画像を示す図である。 図5BのX線照射による投影画像を示す図である。 一対のゲージ部の移動操作部にエンコーダ及び演算装置を取り付けた場合を示す図である。 X線照射部をX線遮蔽部材で覆った例を示す図である。 保持部材に弾性体を取り付けた例を示す図である。 樹脂被覆されたエレベータ用のロープの断面構成を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
始に、エレベータロープとして用いられる樹脂被覆ロープの一例を、図10を用いて説明する。図10において、樹脂被覆されたロープ11は、主索として荷重を負担する抗張力部材12を、ポリウレタンからなる樹脂13で一体的に充填被覆して構成される。抗張力部材12は、鋼鉄や比較的硬度の高い樹脂材による複数の心線からなる心綱15、及びその周囲に複数配置された金属製(通常、鋼鉄製)のストランド16で構成される。
このような構成の樹脂被覆されたロープ11は、抗張力部材12を構成する心綱15及びストランド16を外部から直接目視できない。
そこで、この実施の形態に係るエレベータロープの点検方法及び点検装置では、抗張力部材12の周囲を樹脂13で被覆したエレベータ用のロープ11にX線を照射し、このロープ11へ照射されたX線の投影画像から抗張力部材12の形状を捉え、その外径を計測することで、計測された外形の値から素線の断線や摩耗等による抗張力部材12の劣化判定を可能としている。
このX線を用いたロープ点検装置の構成を図1及び図2を参照して説明する。図1Aで示す点検装置は、X線照射口21と、シンチレータ22と、計測手段23とを有する。
X線照射口21は、樹脂被覆されたロープ11にX線を照射するもので、一方(図示上方)の可動支持台24Aに取り付けられている。シンチレータ22は、X線照射口21からロープ11へ照射されたX線の投影画像が映されるもので、他方(図示下方)の可動支持台24Bに取り付けられている。このシンチレータ22は、受けたX線の強度に応じて発光する部材(図示せず)を表面(投影面)22aに有し、点検対象を透過したX線の強さに応じた像を投影面22aに結ぶことにより点検対象の内部構造を可視化する。計測手段23は、シンチレータ22の投影面22a上に投影されたX線の投影画像から抗張力部材12の形状を捉え。その外径を計測する。この計測手段23の詳細構成は後述する。
なお、上述した可動支持台24A,24Bは、図示しない駆動機構により相反する方向に昇降可能に構成されており、図1で示す点検状態と図2で示す非点検状態(退避位置)とへ移動可能である。
また、この点検装置は、上述した点検状態においてX線照射口21とシンチレータ22の投影面(表面)22aとの距離を一定に保つ支持部材25と、X線照射口21と投影面22aとの間で、これら両者21,22aとロープ11との距離を一定に保つロープ保持部材26とを有する。
支持部材25は、上下一対の部材25a,25bからなり、それぞれ対応する可動支持台24A、24Bに取り付けられ、点検状態において図1Bで示すように、点検対象である樹脂被覆されたロープ11を挟むように配置される。そして、点検時には、図2で示す相対するa部とb部とが接することで、X線照射口21とシンチレータ22の投影面22aとの距離を一定に保つ。なお、一般のエレベータでは主索は複数用いるため、支持部材25は点検対象ロープと隣のロープとの間を通過可能な寸法で構成されている。
ロープ保持部材26も、上下一対の部材26a,26bからなり、それぞれ対応する可動支持台24A、24Bに取り付けられ、点検状態において図1Cで示すように、点検対象であるロープ11を挟むように配置される。そして、点検状態において点検対象のロープ11と、X線照射口21、及びシンチレータ22の投影面22aとの距離をそれぞれ略一定に保つ。また、X線照射口21とシンチレータ22の投影面22aとの間の中心にロープ11が配置されるように固定する。
このロープ保持部材26は、図1Cで示すように、ロープ11の外周に接する保持部分を、ロープ11を挟むV字形状に形成する。このようにV字形状とすることにより、ロープ11はV字の中央に位置決めされる。
なお、これら支持部材25及びロープ保持部材26は、それらの上下一対の部材25a,25b及び26a,26bが、前述のように、X線照射口21及びシンチレータ22と共に、対応する可動支持台24A、24Bに取り付けられているので、これら可動支持台24A、24Bの相反する昇降動作に伴い、図1Aで示す点検状態と図2で示す非点検状態とに変位可能である。図2で示す非点検状態では、ロープ11の移動が可能である。
計測手段23は、図1A及び図1Dで示すように一対のゲージ部231と、この一対のゲージ部231の移動操作部232と、これらの支持部233とを有する。
一対のゲージ部231は、ロープ11の図示下側(シンチレータ22側の位置)に、このロープ11の長さ方向と略平行に配置されている。また、この一対のゲージ部231は、シンチレータ22の表面22aに沿って相反する方向(図1Dの左右方向)に平行移動可能に構成されている。すなわち、一対のゲージ部231は、支持部233により回転可能に支持されたシャフト状の移動操作部232のネジ部232aに螺合している。この移動操作部232のネジ部232aには逆ネジが切ってあり、操作つまみ232bにより回転操作することにより、一対のゲージ部231は互いに反対方向に等距離移動する。
なお、この一対のゲージ部231の移動方向中心点(図示外方への移動開始点)と、ロープ11の径方向中心点とは互いに一致するように位置決めされる。
また、この一対のゲージ部231は、X線によりロープ11と共にシンチレータ22上に投影され、その投影面22aに、ロープ11の投影画像と共に映される。この一対のゲージ部231には、被覆樹脂13よりX線透過率の低い(例えば、抗張力部材12を構成するストランド16のX線透過率と同等以下)材料を用いる。
さらに、この一対のゲージ部231は、図4Cで示すように、シンチレータ22に投影される投影画像231Aのゲージ端部231aが、シンチレータ22の投影面22a長さ方向(図示上下方向)の中間部に投影される形状にするとよい。このような形状とすると、投影面22aに投影されるロープ11の投影画像(後述するように抗張力部材12の投影画像12A)が、投影面22aの両端(図示上下端)にわたるのに対して、一対のゲージ部231の投影画像231Aは、ゲージ端部231aが投影面22aの図示上下方向中間部に投影されることで、ロープ11の投影画像12Aとの識別が容易となる。
なお、計測手段23を構成する一対のゲージ部231と、この一対のゲージ部231の移動操作部232と、これらの支持部233とは、非点検状態では、図2に示すように、シンチレータ22側と共に、X線照射口21側から離れた退避位置に移動している。
次に、図1及び図2で説明したロープ点検装置を用いて、樹脂被覆されたロープ11の抗張力部材12の劣化判定法を図3及び図4を用いて説明する。なお、図3はロープ11に対する計測手段23を構成する一対のゲージ部231の位置を変えてX線を照射する場合をそれぞれ説明する図であり、図4は図3の位置関係で照射されたX線の投影画像をそれぞれ示している。
ロープ11の点検時、図1で示した支持部材25とロープ保持部材26により、X線照射口21とシンチレータ22、点検対象の樹脂被覆されたロープ11(抗張力部材12)の配置は略一定であり、同一部分へのX線照射により、シンチレータ22には同一の幅をもつ抗張力部材12の投影画像12Aが図4で示すように映しだされる。このときの投影画像には被覆樹脂13の投影画像もあるが、抗張力部材12と樹脂13とのX線透過率の差が大きいことから、識別は容易であるため、図4では樹脂13の投影画像は省略している。
抗張力部材12の投影画像12Aとともに、抗張力部材12と同等以下のX線透過率の一対のゲージ部231の投影画像231Aもシンチレータ22上に映され、一対のゲージ部231の位置を示すものとなる。
例えば、図3A,図3Bで示すように、一対のゲージ部231が、X線照射口21の端部から抗張力部材12の表面に接してシンチレータ22の表面に至る直線36よりも内側にあるときには、一対のゲージ部231はX線透過率が極めて低い抗張力部材12の影の中にあり、一対のゲージ部231の投影画像231Aは識別できない。
一方、一対のゲージ部231が、図3Cで示すように、直線36の外に出たときには、図4Cで示すように、シンチレータ22上に、一対のゲージ部231の投影画像231Aが、抗張力部材12の投影画像12Aと同レベルのコントラストで生じる。
一対のゲージ部231は、投影画像231Aのゲージ端部231aが、図4Cで示すように、シンチレータ22の投影面22aの中間に生じるように形状を決めているため、抗張力部材12の投影画像12Aとの識別は容易である。従って、一対のゲージ部231の位置を抗張力部材12とゲージ部231の投影画像12A、231Aを見ながら調整し、図4Bで示すようにゲージ部231の投影画像231Aの一辺を抗張力部材12の投影画像12Aの一辺と一致させることは容易である。
投影画像12Aの辺と投影画像231Aの辺とが一致したとき、各部の位置関係寸法を図3Bの通りとすると、抗張力部材12の直径(外径)dは図3Bの寸法を用いて次式で表される。
Figure 0006359709
一対のゲージ部231の一辺同士の間隔wは簡単に測定できる。また、X線照射口21の開口寸法l、X線照射口21から点検対象ロープ11の中心までの距離L1、及び点検対象ロープ11の中心から一対のゲージ部231の図示上辺までの距離L2は既知寸法である。このため、投影画像12Aと投影画像231Aの辺と辺が一致するように、一対のゲージ部231の位置を調整し、一致したときの間隔wを測定することで上記(1)式から抗張力部材12の直径dが得られる。
すなわち、シンチレータ22上に投影されたX線の投影画像から、一対のゲージ部231の位置を変化させることで抗張力部材12の形状を捉えることにより、その外径(直径)dを計測することができる。
この抗張力部材12の直径測定操作をエレベータの運転でシーブを通過する部分とシーブを通過しない部分のロープに対して行うことで、従来の一般ロープと同様な外径の変化に基づく劣化判定が可能となる。
なお、前述した投影画像の辺と辺を一致させる操作においては、投影画像12Aと投影画像231Aとが、共に樹脂13の投影画像(図示せず)に対して明瞭に識別できる(高コントラストを得る)必要がある。そのため、一対のゲージ部231の配置は、シンチレータ22に投影画像231Aを映している領域から見て、X線照射口21を完全に遮る位置が望ましい。
図5Aは一対のゲージ部231を、シンチレータ22側に設置した場合を示し、図5BはX線照射口21側に設置した場合を示す。図6Aは、図5AのX線照射状態におけるゲージ部231の投影画像231Aを示し、図6Bは、図5BのX線照射状態におけるゲージ部231の投影画像231Aを示している。なお、図6では、一対のゲージ部231の片方のゲージの投影画像のみを示している。
図5Aは、一対のゲージ部231をシンチレータ22側に設置したので、図6Aで示す投影画像231Aの領域からX線照射口21を見たとき、図5Aで示すように、照射口21の全体がゲージ部231で遮られる。これにより、図6Aで示すように、投影画像231Aとシンチレータ22の他の領域との明暗差は大きくなり明確な投影画像231Aが得られる。
これに対し、図5Bは、一対のゲージ部231をX線照射口21側に設置した場合である。この場合、図6Bで示す投影画像231Aの領域からX線照射口21を見たとき、図5Bで示すように、照射口21の全体がゲージ部231で遮られることはなくなり、投影画像231Aでは、ゲージ部231によって照射口21の一部のみを遮られた状態のX線が届くため、他の領域との明暗差が減少し、不明確な投影画像231Aとなる。
このように、一対のゲージ部231によりX線照射口21から直接届くX線を遮るためには、ゲージ部231の大きさが小さいほどゲージ部231をシンチレータ22の近くに配置する必要がある。点検装置を小型化する観点からは、一対のゲージ部231は点検対象のロープ11とシンチレータ22との中間に配置することが望ましい。
また、シンチレータ22上で得られる投影画像で高コントラストを得るためには、投影される点検対象のロープ11と一対のゲージ部231との上述した位置関係とともに、X線照射口21の開口寸法lも関係する。X線照射口21とシンチレータ22との距離(一定)に対し、X線照射口21の開口寸法lが所定寸法より大きいと、シンチレータ22の投影面から見て、点検対象のロープ11や一対のゲージ部231がX線照射口21を完全に遮ることがなくなるためコントラストが低下する。そのため、投影画像で高コントラストを得るためには、点検装置を小型化する観点から、X線照射口21の開口寸法lを、点検対象のロープ11の直径以下とすることが望ましい。
上記実施の形態では、計測手段23は、一対のゲージ部231の間隔を、投影画像を見ながら調整し、投影画像の辺と辺とが一致したときの間隔wを測定することで樹脂被覆ロープ11内部の抗張力部材12の直径を測定していた。しかし、一対のゲージ部231の間隔を、例えばノギスのような測定具で測るには、点検装置からロープを外すなどの作業が必要である。
そこで、計測手段23として、図7で示すように、一対のゲージ部231の移動量に応じて信号を生じるエンコーダ235を設けると共に、このエンコーダ235の出力から得られる一対のゲージ部231の移動量(間隔)を基に、抗張力部材12の外径を演算する演算装置236を設けるとよい。
すなわち、計測手段23を構成するシャフト状の移動操作部232に、この移動操作部232の回転と同期して信号を発するロータリー式のエンコーダ235を設ける。このエンコーダ235からの信号は一対のゲージ部231の移動量(間隔w)を示すため、前記(1)式に基づいて抗張力部材12の直径(外径)dを演算することができる。これにより一対のゲージ部231の手作業による寸法測定は不要となってロープ点検作業が大幅に省力化される。
また、この演算装置236は、(1)式に基づいて算出された抗張力部材12の直径の値を表示する演算・表示装置としてもよい。
これまで説明した点検装置は、樹脂被覆ロープ11内部の抗張力部材12の直径をX線透過により測定するものであるため、作業者へのX線の被曝影響を避ける必要がある。そのためには、図8に示すように、X線照射口21とシンチレータ22とを含むX線照射部を覆い、X線を外部に対して遮蔽する遮蔽部材38を設けるとよい。すなわち、計測手段23の移動操作部232など、測定時に操作する部分を除き、X線照射口21から投影画像を得るシンチレータ22迄のX線照射部を、X線の遮蔽部材38で覆う構成が望ましい。
上述の実施の形態では、エンコーダ235としてロータリー式のエンコーダを例示したが、一対のゲージ部231、あるいは、その支持部233に磁気パターンや光学パターンを設けることで、パルス出力するリニアエンコーダ(図示せず)を用いてもよい。
また、図1Aで示した点検状態において、ロープ11を所定の位置関係に保持するロープ保持部材26の変形例として、このロープ保持部材26の、ロープ11と接するV字形状の部位に、図9で示すように、弾性体27を設けてもとよい。このように構成すると、樹脂被覆されたロープ11が劣化により径が減少した場合に、このロープ11が所定の点検位置(X線照射口21とシンチレータ22との中心)からずれるのを防ぐことができる。すなわち、支持部材25により、X線照射口21とシンチレータ22との距離は一定であるので、V字形状を有するロープ保持部材26とV字斜面に設けた弾性体27により、点検対象のロープ11の径が減少した状態にあってもこのロープ11の中心を。X線照射口21とシンチレータ22との中心に支持することができ、これにより高精度な寸法測定が可能となる。
また、上述の実施の形態では、X線照射口21、シンチレータ22、及び計測手段23は、相反する方向に昇降可能に構成された可動支持台24A,24Bの対応するものに取り付けられており、図1で示す点検位置と図2で示す非点検位置(退避位置)とへ移動動可能に構成されていた。
このため、点検対象のロープ11は、図2で示す非点検状態のときに長さ方向に移動され、点検時には、ロープ11の移動を停止して、支持部材25によりX線照射口21及びシンチレータ22を図1で示すように所定距離に位置決めする。また、ロープ保持部材26によりロープ11を固定して、X線照射口21からX線を照射し、シンチレータ22上に投影画像を映していた。
このようにロープ11をロープ保持部材26によって固定した状態でX線を照射し、投影画像を得ることは、ロープ11にブレが生じることがなく、投影された抗張力部材12の幅寸法の、ブレによる変化を確実に防止でき、正確な計測が可能となる。
しかし、ロープ11を点検毎に間欠的に移動させ、停止状態でX線照射を行うため、ロープ11の全長に渡って点検を行うためには、多くの点検時間を要することになる。
そこで、X線照射口21、シンチレータ22、及び計測手段23を可動支持台24A,24Bに取り付けずに、図1で示す点検状態と同等の位置関係に固定設置し、点検対象のロープ11は、これらX線照射口21及びシンチレータ22と所定間隔を成す位置に挿通させる。そして、このロープ11を長さ方向に移動させながら、X線照射口21からX線を照射し、シンチレータ22状に投影画像を映し出し、このロープ11の投影画像を基に、計測手段23を用いて、前述の実施形態と同様の手法により、抗張力部材12の外径を求めるようにしてもよい。
この場合、ロープ11の移動速度はエレベータ運転時の所謂運転速度より低速の点検速度とする。この点検速度は、上述のように運転速度より大幅に低速であり、一定速度でもあるため、ロープ11の移動に伴い、ロープ11にブレが生じたとしても僅かなブレである。また、このブレの値は、それまでの運転実績等から十分予測可能である。したがって、投影画像に基づいて得られる一対のゲージ部231の間隔wを、このブレの予測値を用いて補正することで、ブレの無い場合と同等の値(抗張力部材12の外径)を得ることができる。
このように、点検対象のロープ11を移動させながら、X線照射による点検作業を連続的に行うことにより、作業効率が向上し、ロープ11の全長に渡る点検時間を大幅に短縮することができる。
以上のように、抗張力部材12が目視できない樹脂被覆されたロープ11に対して、X線による投影画像に基づいて抗張力部材12の外径を得ることにより、ロープ11内部の経年的な劣化を点検可能となり、樹脂被覆されたロープ11本体や、エレベータシステムのコストの上昇を抑えるとともに、安全性を向上できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
11…点検対象のロープ(樹脂被覆されたロープ)
12…抗張力部材
12A…抗張力部材の投影画像
13…被覆樹脂
15…心綱
16…ストランド
21…X線照射口
22…シンチレータ
22a…投影面
23…計測手段
231…一対のゲージ部
231A…一対のゲージ部の投影画像
231a…投影画像のゲージ端部
232…移動操作部
233…支持部
235…エンコーダ
236…演算装置
25…支持部材
26…ロープの保持部材
27…弾性体
38…X線遮蔽部材

Claims (3)

  1. 複数の素線からなる心綱の周囲に複数の金属製のストランドを配置して構成された抗張力部材の周囲を樹脂で被覆したエレベータ用のロープにX線を照射するX線照射口と、
    このX線照射口から前記ロープへ照射されたX線の投影画像が写されるシンチレータと、
    このシンチレータ上に投影された前記X線の投影画像から前記抗張力部材の形状を捉え、その外径を計測する計測手段とを備え、
    前記計測手段は、前記樹脂よりX線透過率の低い材料からなる一対のゲージ部を有し、この一対のゲージ部は、前記ロープと略平行に配置され、かつ前記シンチレータの表面に沿って相反する方向に平行移動可能で、前記シンチレータに前記ロープと共に投影されることを特徴とするエレベータロープの点検装置。
  2. 前記計測手段は、前記一対のゲージ部の移動量に応じて信号を生じるエンコーダと、
    このエンコーダの出力から得られる一対のゲージ部の間隔を基に前記抗張力部材の外径を演算する演算装置と、
    をさらに有することを特徴とする請求項に記載のエレベータロープの点検装置。
  3. 前記一対のゲージ部は、前記シンチレータに投影される投影画像のゲージ端部が、前記シンチレータの投影画像面の中間部に投影される形状であることを特徴とする請求項又は請求項に記載のエレベータロープの点検装置。
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