JP6958975B2 - エレベータのロープ検査システム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、エレベータのロープ検査システムに関する。
巻上機等のエレベータ機器を昇降路内に収めることで省スペース化を図るマシンルームレスタイプのエレベータが一般的になっている。マシンルームレスタイプのエレベータでは、巻上機のシーブ(トラクションシーブ)が小型化されている。このため、曲げ疲労に強く、高強度のロープ構造を有するメインロープとして、抗張力部材の表面をポリウレタンのような耐摩耗性と高摩擦係数を有する樹脂材で被覆したワイヤロープが用いられる。
この種のワイヤロープは、内部の抗張力部材を目視できず、一般的なワイヤロープのように、素線の摩耗状態や断線数の目視点検で強度管理を行うことはできない。そこで、ロープの表面に略一定の間隔でマークを施しておき、ロープの送り量に対するマーク間隔をロープ伸びとして測定することにより、その測定結果から劣化状態を判定して強度管理を行うロープ検査システムが提案されている。
特許第6271680号公報
ロープ検査は、利用者のいない夜間などに実施されることが一般的である。ところが、エレベータの運転を長時間停止していると、起動したときにロープ間の張力差によってクリープが発生する可能性がある。ここで言う「クリープ」とは、ロープとシーブとの間で生じる滑り現象のことである。このような滑り現象があると、ロープの送り量に対するパルス数が正確に同期せずに、マーク間隔の測定精度に影響を与える。
本発明が解決しようとする課題は、ロープ上のマーク間隔を高精度に測定して、信頼性の高い強度管理を行うことのできるエレベータのロープ検査システムを提供することである。
一実施形態に係るロープ検査システムは、巻上機のトラクションシーブを介して乗りかごとカウンタウェイトを吊持し、表面が樹脂被覆された構造を有する複数本のロープの劣化状態を上記各ロープの表面に設けられた複数のマークの間隔を測定することで検査する。上記エレベータのロープ検査システムにおいて、上記各ロープ間の張力を平均化するための予備運転に続いて、上記各マークの間隔を測定するための測定運転を行う制御手段を具備し、上記制御手段は、上記予備運転時に上記各マークの間隔を測定し、その測定結果が予め設定された範囲内に収まっている場合に当該測定結果を上記各ロープの劣化状態の検査に有効な測定結果として保持し、上記測定運転を行わないことを特徴とする。
図1は第1の実施形態に係るエレベータの概略構成を示す図である。 図2は同実施形態におけるエレベータに用いられるメインロープの構造を示す断面図である。 図3は同実施形態におけるエレベータに用いられるメインロープの外観を示す斜視図である。 図4は同実施形態におけるパルス信号とマーク間隔の関係を説明するための図であり、図4(a)はメインロープの移動に同期して出力されるパルス信号、同図(b)は据付け時のマーク間隔、同図(c)は経年変化によりロープ伸びしているときのマーク間隔である。 図5は同実施形態におけるロープの劣化に伴う伸び率と残存強度と関係を示す図である。 図6は同実施形態におけるセンサを用いたマーク間隔の測定方法を説明するための図であり、図6(a)はセンサの出力電圧、同図(b)はセンサの出力電圧とマーク位置との関係を示す図である。 図7は同実施形態におけるマーク間隔の測定結果を示す図である。 図8は同実施形態における測定回数に対するマーク間隔のバラツキの状態を示す図である。 図9は同実施形態におけるロープ検査システムの動作を説明するためのフローチャートである。 図10は第2の実施形態におけるロープ検査システムの動作を説明するためのフローチャートである。 図11は第3の実施形態におけるロープ検査システムの動作を説明するためのフローチャートである。 図12は第4の実施形態におけるロープ検査システムの動作を説明するためのフローチャートである。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
まず、本発明の実施形態をする前に、図5を参照してロープの伸び率と強度との関係について説明する。
例えば、エレベータのメインロープなどに用いられるワイヤロープは、抗張力部材であるストランドと心綱が張力により絞られ、かつ、シーブ等から受ける曲げにより互いに擦れ合う。このため、ロープ劣化の形態は、心綱付近部の素線の摩耗と断線が支配的である。この部分の劣化によりストランドは心綱の方向(ロープ径が減少する方向)に移動するため、ロープ構造として伸びが生じる。
このような構造を有するワイヤロープに対して検証を行った結果、伸び率と強度との間に図5に示すような相関性があることが判明した。図5において、横軸はロープの伸び率を表している。機密上、具体的な数値は省略するが、図中のλは数%程度であり、距離にして数mm程度である。縦軸はロープの強度率(これを残存強度率と言う)を表している。ロープが据付け時の新品の状態から経年劣化により徐々に伸びてくると、それに伴い強度も低下する。通常、強度率80%を基準強度として定められ、ロープの伸び率がλになった時点を交換時期とすることで安全性が得られる。
ロープ伸びの測定は、点検運転によってロープを一定量送り、その間にロープの表面に付された複数のマークをセンサで検出し、その検出タイミングでエンコーダのパルス信号をカウントすることで行う。
マーク測定用のパルス信号を発生する方法として、例えば回転部材をガイドレールに当接させるロータリーエンコーダを用いた場合には、レール継目の段差や付着物等によって一定のロープ送り量に対するパルス数にバラつきがあり、マーク間隔の測定に誤差が生じやすい。また、調速機にエンコーダを設けておく方法もあるが、点検作業スペースも含めて余分なスペースを要する。
そこで、トラクションシーブの回転と同期する巻上機の回転制御用のエンコーダを利用することを考える。このエンコーダを用いれば、調速機にエンコーダのような余分なスペースを要することなく、コスト的にも抑えられる。
ところが、メインロープがかご側からカウンタウェイト側(以下、C/W側と称す)に送られる際、または、C/W側からかご側に送られる際に張力変化があり、その張力変化によってメインロープがトラクションシーブ上で滑ることがある。このような滑り現象があると、ロープ送りに対してパルス数が正確に同期せずに、マーク間隔の測定精度に影響を与える。
以下では、メインロープとトラクションシーブとの滑り挙動を考慮して、高精度にマーク間隔を求める方法について詳しく説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るエレベータの概略構成を示す図である。図1の例では、機械室を持たないマシンルームレスタイプのエレベータを想定している。
乗りかご20とカウンタウェイト21は、それぞれに昇降路10内に立設されたガイドレール11,12に昇降可能に支持されている。さらに、トラクションシーブ22を有する巻上機23が昇降路10の上部に設置されている。乗りかご20およびカウンタウェイト21は、複数本のメインロープ24により昇降路10内に吊り下げられている。なお、図1では、一本のメインロープ24のみを示し、その他のメインロープ24については図示を省略している。
メインロープ24の両端部は、それぞれに昇降路10の上端にロープヒッチ25a,25bを介して固定されている。また、メインロープ24は中間部でカーシーブ26、トラクションシーブ22およびカウンタウェイトシーブ27に連続的に巻き掛けられている。これにより、乗りかご20とカウンタウェイト21を2:1ローピンク形式で支持している。巻上機23の駆動によりトラクションシーブ22が回転すると、そのトラクションシーブ22の回転に伴い、乗りかご20とカウンタウェイト21がメインロープ24を介して昇降路10内をつるべ式に昇降動作する。
なお、機械室がないマシンルームレスタイプのエレベータでは、巻上機23が昇降路10内に設置されるが、本発明は特にこの構成に限定されるものではなく、機械室を有するエレベータであってもよい。機械室を有するエレベータでは、巻上機23が機械室に設置される。また、ローピングについても、図1に示したような2:1ローピングに限らず、例えば1:1ローピングなどの他の方式であっても良い。
ここで、本実施形態のロープ検査システムは、センサ28と、エンコーダ29と、演算装置30と、表示装置31と、制御盤40とを備える。
センサ28は、検査対象とするメインロープ24の近くに設置され、このメインロープ24の長手方向に一定間隔で設けられた複数のマーク45(図3参照)を光学的に検出する。エンコーダ29は、トラクションシーブ22の回転に同期してパルス信号を発生する。このエンコーダ29は、かご位置や速度を検出するためにエレベータに組み込まれた既設のエンコーダである。このエンコーダ29をマーク間隔の測定に用いることで、例えば調速機にエンコーダを設置する構成で問題となるレイアウト上の不都合を回避できる。
演算装置30は、センサ28によって各マーク45が検出されたタイミングで、エンコーダ29が発生されるパルス信号をカウントし、そのカウント値からマーク間隔を演算すると共にメインロープ24の伸び量を求める。表示装置31は、演算装置30によって得られたマーク間隔やロープ伸び量などを表示する。なお、演算装置30と表示装置31は、汎用のコンピュータからなる。
制御盤40は、巻上機23の駆動制御を含め、エレベータ全体の制御を行うための制御装置である。制御盤40は、エンコーダ29のパルス信号に基づいて乗りかご20の位置を検出し、乗りかご20を目的階まで所定の速度で移動させるなどの制御を行う。本実施形態では、演算装置30を制御盤40に接続して、エンコーダ29のパルス信号を制御盤40から取得するように構成されている。また、制御盤40には、トラクションシーブ22に巻き掛けられた複数本のメインロープ24の張力を平均化するための予備運転を行った後、マーク間隔を測定するための測定運転を行う機能が備えられている。
制御盤40は、通信ネットワーク50を介して監視センタ51に接続されている。監視センタ51は、監視対象とする各物件のエレベータの状態を通信ネットワーク50を介して遠隔監視しており、何らかの異常等が発生した場合に保守員を現場に派遣するなどの対応を行う。保守員は、保守点検用の端末装置52を所持している。この端末装置52には、制御盤40及び監視センタ51との間で無線通信を行う機能が備えられている。
図中の32は着床検出部材である。着床検出部材32は、「着検板」とも呼ばれ、昇降路10内に乗りかご20の昇降方向に沿って各階床毎に設けられている。着床検出部材32は、乗りかご20が各階に停止するときに、非接触スイッチ33と連動して停止位置を検出するために用いられる。
ここで、図2および図3を参照してメインロープ24の構造について説明する。
メインロープ24として、樹脂被覆されたワイヤロープが用いられる。図2に示すように、メインロープ24は、抗張力部材としてのロープ本体41と、ロープ本体41を全面的に被覆した外部被覆層42とを主要な要素として備えている。
ロープ本体41は、複数本の鋼鉄製ストランド43を所定のピッチで撚り合わせることで構成されている。外部被覆層42は、例えばポリウレタンのような耐摩耗性および高摩擦係数を有する熱可塑性の樹脂材で形成されている。外部被覆層42は、メインロープ24の外表面を規定する外周面44aを有している。外周面44aは、円形の断面形状を有するとともに、各シーブ22,26,27に巻き掛けられた際に、摩擦を伴いながら接触する。
さらに、外部被覆層42を形成する樹脂材は、隣り合うストランド43の間の隙間に充填されている。そのため、外部被覆層42は、ロープ本体41の周方向に隣り合うストランド43の間に入り込む複数の充填部44を有している。充填部44は、外部被覆層42の外周面44aの内側に位置されている。
図3に示すように、メインロープ24の表面(つまり外部被覆層42の外周面44a)に複数のマーク45が設けられている。これらのマーク45は、メインロープ24の劣化による伸び量を検出するための要素であって、メインロープ24の全長に亘って長手方向に一定の間隔(例えば500mm間隔)で並んでいる。これらのマーク45の1つ1つは、メインロープ24の周方向に連続的な直線あるいは間欠的な点線で形成されている。
ところで、メインロープ24は、使用期間の経過に伴ってストランド43の間の隙間およびストランド43を構成する複数の素線間の隙間が減少する。これにより、ストランド43や素線が互いに摩擦を繰り返し、ストランド43や素線の摩耗・断線が進行する。
特に、メインロープ24が各シーブ22,26,27と接触する部分では、摩擦を繰り返し受ける。このため、メインロープ24の摩耗・断線の進行度合いは、メインロープ24がシーブ22,26,27を通過しない部分に比べて大きく、これによりロープ径が減少したり、局部的な伸びが生じる。したがって、ロープ伸びと強度低下率との関係を明確化し、メインロープ24の中でも劣化が最大となる部分の伸びを検出することで、メインロープ24の強度を管理することができる。
センサ28は、例えば巻上機23の近傍でメインロープ24に対向させるようにして固定しておく。これにより、点検運転で最上階と最下階の間で乗りかご20を昇降させると、ロープヒッチ25a,25bに近い部分を除き、メインロープ24の全長の大部分はセンサ28を通過し、その通過時に連続的にマーク45を検出することができる。
エンコーダ29は、乗りかご20の移動に同期してパルス信号を出力するため、略ロープ送り量に応じたパルス出力となる。演算装置30は、センサ28から出力されるマーク検出信号をトリガにして、その間にエンコーダ29から出力されるパルス信号の数をカウントすることで、そのカウント値からマーク間の距離をロープ伸び量として演算する。
センサ28は、応答性に鑑みてレーザ反射光を用いた光電センサで構成することが望ましいが、より廉価なLED反射光を用いたフォト・マイクロセンサで構成しても良い。市販の光電センサでは、近年レーザ光を対象物に照射し、反射光強度の差によって表面の色の変化を検出するセンサが普及している。
エレベータ据付け時には、メインロープ24の長手方向にマーク45が等間隔で配列されている。したがって、メインロープ24の劣化による伸びがない場合には、上記パルス信号のカウント値は据付け時のマーク間隔に対応した基準値と略同じになる。一方、メインロープ24の劣化によりメインロープ24が伸びている場合には、上記パルス信号のカウント値は据付け時のマーク間隔に対応した基準値を超えることになる。
この様子を図4に示す。
図4はパルス信号とマーク間隔の関係を説明するためのであり、図4(a)はメインロープ24の移動に同期して出力されるパルス信号、同図(b)は据付け時のマーク間隔、同図(c)は経年変化によりロープ伸びしているときのマーク間隔である。
据付け時のマーク間隔でパルス信号をカウントしたときの基準値をnパルスとすると、メインロープ24が劣化していない場合には、点検運転で得られるカウント値は据付け時のnパルスと多少の誤差を含み略同じである。しかし、劣化によりメインロープ24が伸びた状態にあると、点検運転で得られるカウント値は据付け時のマーク間隔に対応したnパルスよりも多くなる。
ここで、マーク間隔の測定について、発明者等が行った検証結果を図6乃至図8に示す。なお、メインロープ24の表面に設けられた複数のマーク45は、作業者がレーザマーカを使用して手作業でマーキングしている。このため、厳密には基準値(例えば500mm間隔)に対し若干の誤差があるが、その誤差は検証結果に影響を与えるほどでもない。
図6はセンサ28を用いたマーク間隔の測定方法を説明するための図であり、図6(a)はセンサ28の出力電圧、同図(b)はセンサ28の出力電圧とマーク位置Pとの関係を示す図である。
いま、メインロープ24が図1に示す矢印A方向に送られているとする。センサ28は、アナログ電圧出力機能を有しており、メインロープ24の非マーク部とマーク部分の反射率に応じた電圧Vを出力する。この電圧Vが予め設定された閾値電圧Vsを超えたときの信号の立ち上りで、その間にカウントされたパルス数をマーク位置P1,P2,P3…Pnとして順次記憶する。これにより、乗りかご20の昇降位置とマーク間隔は、以下のように求められる。
昇降位置=積算パルス数×パルスレート
マーク間隔L1=|P1−P2|
マーク間隔L2=|P2−P3|
マーク間隔Ln=|Pn-1−Pn|
図7はマーク間隔の測定結果を示す図であり、同じロープに対してマーク間隔の測定を3回続けて行った結果が示される。図8は測定回数に対するマーク間隔のバラツキの状態を示す図であり、横軸は測定回数を示し、縦軸は測定毎に得られたマーク間隔のばらつきの範囲を示している。
1回目の測定結果では、マーク間隔がばらついているが、測定を繰り返す毎にそのばらつきが減少し、据付け時のマーク間隔に対応した基準値に近づく。これは、ロープ間の張力差による滑り現象が運転を繰り返す間に自然に解消されると考えられる。この検証結果から、例えば夜間など、巻上機23の駆動が一定時間以上停止状態にあったときには、最下階と最上階との間を少なくとも1往復以上の昇降動作させる予備運転を行ってからマーク間隔の測定を行うことが好ましいことがわかる。
以下に、本システムの動作について説明する。
図9は第1の実施形態におけるロープ検査システムの動作を説明するためのフローチャートであり、メインロープ24に付された複数のマーク45の間隔を自動測定する処理が示されている。
まず、制御盤40は、初期設定として、例えば昇降範囲、運転速度など、マーク測定に関わる各種条件を設定しておく(ステップS101)。マーク間隔の測定は、例えば夜間など、エレベータ利用者に対する運転サービスが終了した後に行われる。巻上機23が一定時間以上停止した状態にあると、起動したときにロープ間の張力差によってトラクションシーブ22上で滑りが生じ、ロープの送り量に対するパルス数が正確に同期せずに、測定精度に影響を与える。そこで、制御盤40は、マーク間隔の測定前に予備運転を行う(ステップS102)。詳しくは、制御盤40は、巻上機23を駆動し、トラクションシーブ22に巻き掛けられているメインロープ24を送りながら、乗りかご20を所定の速度で昇降動作させる。
この予備運転は、少なくとも1往復以上行うことが好ましい。運転を続けているうちにロープ間の張力差が自然と解消されると考えられるからである。予備運転は、定格速度で行っても良いし、定格速度よりも低速で行うことでも良い。予備運転を定格速度で行えば、早く測定運転に移行できるので、測定時間を短縮できる。
予め設定された昇降範囲(例えば1往復)の予備運転が終了すると、制御盤40は、マーク間隔を測定するための測定運転を行う(ステップS104)。詳しくは、制御盤40は、巻上機23を駆動し、トラクションシーブ22に巻き掛けられているメインロープ24を送りながら、乗りかご20を所定の速度で昇降動作させる。
測定運転についても、上記予備運転と同様に定格速度で行っても良いし、定格速度よりも低速で行うことでも良い。ただし、測定運転を定格速度で行うと、メインロープ24の送り速度が早くなり、マーク45の検知漏れが発生しやすい。したがって、測定精度を上げるためには低速で行うことが好ましい。
また、ロープ間の張力差を考慮すると、乗りかご20の重量とカウンタウェイト21の重量が同じ状態にあるバランス状態が好ましい。バランス状態にあると、張力差が発生しにくいからである。ただし、ロープ検査システムの運用では、作業にかかる手間を抑えるため、乗りかご20への積載を要さない検査方法、即ち、無積載状態での検査が望まれる。本実施形態では、上記予備運転によってロープ間の張力差が解消されているため、無積載状態で測定運転を行うことでも問題ない。
乗りかご20の運転中に、演算装置30は、エンコーダ29から出力されるパルス信号を制御盤40を介して取得し、そのパルス信号の数を逐次カウントする(ステップS105)。
また、メインロープ24の移動に伴い、ロープ表面に設けられた複数のマーク45がセンサ28によって光学的に検出される(ステップS106)。演算装置30は、センサ28によってマーク45が検出されたときのタイミングで現時点のパルス信号のカウント値を確認し、そのカウント値に基づいてマーク間の距離を算出する(ステップS107)。
詳しくは、演算装置30は、1パルス当たりにメインロープ24が送られる長さを定めたパルスレートを有する。演算装置30は、センサ28によってマーク45が検出される間にエンコーダ29から発生されたパルス信号の数をカウントし、そのカウント値に上記パルスレートを掛けてマーク間の距離を算出する。このときに算出されたマーク間の距離は、測定結果として表示装置31に表示されると共に、演算装置30内のメモリ30aに記憶される(ステップS108)。
この場合、メインロープ24が伸びていなければ、上記算出されたマーク間の距離は据付け時にメインロープ24に付されたマーク間隔(例えば500mm)と同じである。経年劣化によりメインロープ24が延びると、上記算出されたマーク間の距離は上記据付け時のマーク間隔よりも大きくなる。
以後同様にして、演算装置30は、測定運転時にマーク45の検出タイミングでパルス信号のカウント値を求め、そのカウント値からマーク間の距離を順次算出してメモリ30aに記憶する(ステップS105〜S109)。
なお、パルス信号のカウント方法として、初期値(例えば「0000」)から1パルスずつ積算していく方法と、マーク検出毎に初期値にリセットしてカウントを繰り返す方法がある。前者の方法の場合には、マーク45が検出されたときのパルスの積算値と前回検出されたときのパルスの積算値との差分値を求め、その差分値からマーク間の距離を求めることになる。
ロープ位置とかご位置を関連付けておくためには、前者の方法のように初期値から1パルスずつ積算していく方法が好ましい。この場合、マーク45が検出されたときのパルスの積算値を順次記憶しておけば、後にその積算値を指標として乗りかご20を移動させれば、メインロープ24の中でチェックしたい部分をセンサ28の設置場所で目視することができる。
ここで、エレベータ据付け時には、メインロープ24の長手方向にマーク45が等間隔で配列されている。したがって、メインロープ24の劣化による伸びがない場合には、上記パルス信号のカウント値は据付け時のマーク間隔に対応した基準値と略同じになる。一方、メインロープ24の劣化によりメインロープ24が伸びている場合には、上記パルス信号のカウント値は据付け時のマーク間隔に対応した基準値を超えることになる(図4参照)。
測定運転が終了すると、演算装置30は、メモリ30aに測定結果として記憶された各マーク間の距離に基づいてメインロープ24の伸び量を算出し、その結果を表示装置31に表示する。なお、演算装置30で伸び量を算出せずに、マーク間隔だけを表示装置31に表示することでも良い。
また、例えばマーク間隔が基準値を超えていた場合に、例えば表示装置31に警告メッセージを表示したり、アラーム音を発するなどして、保守員にロープ交換時期が近付いている旨を知らせるようにしても良い。制御盤40から保守員が持つ端末装置52に警告メッセージを送ることでも良い。これにより、保守員による点検作業を削減でき、ロープ交換が必要な時期を把握して対処することができる。
さらに、上記測定結果を遠隔地の監視センタ51に定期的に送るようにすれば、監視センタ51側では各物件のメインロープ24の劣化状態を一元管理できるようになり、ロープ交換時期が近い物件を保守員に知らせることができる。
このように第1の実施形態によれば、マーク間隔の測定前に予備運転を行うようしたことで、エレベータの運転停止時に顕在化していたロープ間の張力差を解消でき、その後に続けて行う測定運転でマーク間隔を高精度に測定することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、予備運転時にマーク間隔の測定を行い、その測定結果が所定の範囲内であれば、有効として扱うようにしたものである。
図10は第2の実施形態におけるロープ検査システムの動作を説明するためのフローチャートであり、メインロープ24に付された複数のマーク45の間隔を自動測定する処理が示されている。
まず、制御盤40は、初期設定として、昇降範囲、運転速度などを含むマーク測定に関わる各種条件を設定した後(ステップS201)、所定の速度で予備運転を開始する(ステップS202)。
ここで、第2の実施形態では、予備運転時にマーク間隔の測定処理が実行される。すなわち、乗りかご20が所定の速度で予備運転されている間、演算装置30は、エンコーダ29から出力されるパルス信号を制御盤40を介して取得し、そのパルス信号の数を逐次カウントする(ステップS203)。
また、メインロープ24の移動に伴い、ロープ表面に設けられた複数のマーク45がセンサ28によって光学的に検出される(ステップS204)。演算装置30は、センサ28によってマーク45が検出されたときのタイミングで現時点のパルス信号のカウント値を確認し、そのカウント値に基づいてマーク間の距離を算出する(ステップS205)。このときに算出されたマーク間の距離は、測定結果として表示装置31に表示されると共に、演算装置30内のメモリ30aに記憶される(ステップS206)。
以後同様にして、演算装置30は、予備運転時にマーク45の検出タイミングでパルス信号のカウント値を求め、そのカウント値からマーク間の距離を順次算出してメモリ30aに記憶する(ステップS203〜S207)。
予備運転が終了すると(ステップS207のYes)、制御盤40は、メモリ30aに記憶された測定結果をチェックする(ステップS208)。その結果、予備運転時に測定結果として得られたマーク間隔の距離が所定の範囲内にあれば(ステップS209のYes)、制御盤40は、当該測定結果を有効として扱う(ステップS210)。つまり、予備運転時に測定されたマーク間の距離を有効な測定結果としてメモリ30aに残しておく。この場合、測定運転は行われない。
上記「所定の範囲」は、ロープ間の張力差による測定誤差を考慮して定められている。例えば、ロープ間の張力差によって10mm以上の測定誤差が生じることが実験等で判明している場合には、メインロープ24に付されたマーク間隔(例えば500mm)±10mmの範囲内で有効/無効を判断する。
予備運転時に測定結果として得られたマーク間隔の距離が所定の範囲を超える場合には(ステップS209のNo)、制御盤40は、ロープ間の張力差による影響があると判断して、当該測定結果を無効とする(ステップS211)。つまり、メモリ30aに記憶されている測定結果を消去する。続いて、制御盤40は、所定の速度で測定運転を実施してマーク間隔の距離を再測定する(ステップS212)。この場合、予備運転でロープ間の張力差で解消されていると考えられるので、測定運転時に測定結果として得られたマーク間隔の距離は現在のロープ伸び状態を反映した正しいデータとして扱うことができる。
ここで、上記ステップS212において、測定運転によりマーク間隔の距離を測定する場合には、予備運転時よりも低速で行うことで、マーク間隔の測定精度を担保することできる。
なお、センサ28の出力電圧Vをサンプリングする時間を変更可能に構成し、測定運転によりマーク間隔の距離を測定する場合に、上記センサ28のサンプリング時間を予備運転時よりも早めることでも、マーク間隔の測定精度を担保することできる。
このように第2の実施形態によれば、予備運転時にマーク間隔の測定を行い、その測定結果が所定の範囲内であれば、有効として扱うようにしたことで、ロープ間の張力差による影響が少ない場合に、測定運転を行う手間を省略することできる。
また、予備運転時の測定結果が所定の範囲外であれば、測定運転によりマーク間隔の距離を再測定する。その際、予備運転時よりも低速にするか、あるいは、センサ28のサンプリング時間を早めることで、測定精度を上げて再測定することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態では、予備運転と測定運転を有するロープ検査システムにおいて、測定運転時にマーク数をカウントする機能を備え、運転終了後に最終的に得られたマーク数が異常であった場合にロープ点検を要求するようにしたものである。
図11は第3の実施形態におけるロープ検査システムの動作を説明するためのフローチャートであり、メインロープ24に付された複数のマーク45の間隔を自動測定する処理が示されている。
まず、制御盤40は、初期設定として、昇降範囲、運転速度などを含むマーク測定に関わる各種条件を設定した後(ステップS301)、所定の速度で予備運転を開始する(ステップS302)。
予備運転が終了すると(ステップS303のYes)、制御盤40は、所定の速度で測定運転を行う(ステップS304)。この測定運転によって乗りかご20が移動しているときに、演算装置30は、エンコーダ29から出力されるパルス信号を制御盤40を介して取得し、そのパルス信号の数を逐次カウントする(ステップS305)。また、メインロープ24の移動に伴い、ロープ表面に設けられた複数のマーク45がセンサ28によって光学的に検出される(ステップS306)。
ここで、第3の実施形態では、演算装置30にマーク数をカウントする機能が備えられている。測定運転時にマーク45がセンサ28によって検出されたときに、演算装置30はマーク数のカウント値を+1更新する(ステップS307)。
一方、演算装置30は、センサ28によってマーク45が検出されたときのタイミングで現時点のパルス信号のカウント値を確認し、そのカウント値に基づいてマーク間の距離を算出する(ステップS308)。このときに算出されたマーク間の距離は、測定結果として表示装置31に表示されると共に、演算装置30内のメモリ30aに記憶される(ステップS309)。
以後同様にして、演算装置30は、測定運転時にマーク数をカウントすると共に、マーク45の検出タイミングでパルス信号のカウント値を求め、そのカウント値からマーク間の距離を順次算出してメモリ30aに記憶する(ステップS305〜S310)。
測定運転が終了すると、演算装置30は、メモリ30aに測定結果として記憶された各マーク間の距離に基づいてメインロープ24の伸び量を算出し、その結果を表示装置31に表示する。なお、演算装置30で伸び量を算出せずに、マーク間隔だけを表示装置31に表示することでも良い。
また、制御盤40は、測定運転時に演算装置30でカウントされたマーク数をチェックする(ステップS311)。ここで、例えばメインロープ24の表面にゴミ等が付着していると、その部分をマーク45と誤検出する可能性がある。この場合、運転後に最終的に得られたマーク数が規定値(実際にロープに付されていたマーク数)よりも増えることになる。一方、メインロープ24の表面に付けられたマーク45の一部あるいは全部が欠落している場合には検出されない可能性がある。この場合、運転後に最終的に得られたマーク数が規定値よりも減ることになる。
そこで、規定値に多少の誤差を含めた上限値と下限値を定めておく。具体的には、例えばマーク45の規定数を「100」、誤差を「±5」とすると、上限値「105」、下限値「95」として定めておく。運転後に最終的に得られたマーク数が上限値よりも多い場合あるいは下限値よりも少ない場合には(ステップS312のYes)、制御盤40は、メインロープ24の状態に何らかの異変があるとものと判断し、監視センタ51や保守員が持つ端末装置52に発報してロープ点検を要求する(ステップS313)。この場合、今回の測定結果(メモリ30aに記憶されたマーク間の距離)を無効とし、ロープ点検後に再測定を行うようにしても良い。
このように第3の実施形態によれば、測定運転時にマーク数をチェックすることで、何らかの原因でマーク数が規定値よりも多かった場合や少なかった場合に対処することでき、マーク間測定の信頼性を向上させることができる。
なお、上記第3の実施形態では、上記第1の実施形態を前提にして測定運転時にマーク数をチェックすることを説明したが、上記第2の実施形態で測定運転を行うときに(図10のステップS212参照)、マーク数をチェックすることでも上記同様の効果が得られる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態では、予備運転と測定運転を有するロープ検査システムにおいて、予備運転時にマーク数をカウントする機能を備え、運転終了後に最終的に得られたマーク数が異常であった場合にロープ点検を要求するようにしたものである。
図12は第4の実施形態におけるロープ検査システムの動作を説明するためのフローチャートであり、メインロープ24に付された複数のマーク45の間隔を自動測定する処理が示されている。
上記第2の実施形態と同様に、まず、制御盤40は、初期設定として、昇降範囲、運転速度などを含むマーク測定に関わる各種条件を設定した後(ステップS401)、所定の速度で予備運転を開始する(ステップS402)。
予備運転時にマーク間隔の測定処理が実行される。すなわち、乗りかご20が所定の速度で予備運転されている間、演算装置30は、エンコーダ29から出力されるパルス信号を制御盤40を介して取得し、そのパルス信号の数を逐次カウントする(ステップS403)。また、メインロープ24の移動に伴い、ロープ表面に設けられた複数のマーク45がセンサ28によって光学的に検出される(ステップS404)。
ここで、第4の実施形態では、演算装置30にマーク数をカウントする機能が備えられている。予備運転時にマーク45がセンサ28によって検出されたときに、演算装置30はマーク数のカウント値を+1更新する(ステップS405)。
一方、演算装置30は、センサ28によってマーク45が検出されたときのタイミングで現時点のパルス信号のカウント値を確認し、そのカウント値に基づいてマーク間の距離を算出する(ステップS406)。このときに算出されたマーク間の距離は、測定結果として表示装置31に表示されると共に、演算装置30内のメモリ30aに記憶される(ステップS407)。
以後同様にして、演算装置30は、予備運転時にマーク数をカウントすると共に、マーク45の検出タイミングでパルス信号のカウント値を求め、そのカウント値からマーク間の距離を順次算出してメモリ30aに記憶する(ステップS403〜S408)。
予備運転が終了すると、制御盤40は、測定運転時に演算装置30でカウントされたマーク数をチェックする(ステップS409)。上記第3の実施形態で説明したように、例えばメインロープ24の表面にゴミ等が付着している場合、あるいは、メインロープ24の表面に付けられたマーク45の一部あるいは全部が欠落している場合には、運転後に最終的に得られたマーク数が規定値と異なることがある。
ここで、運転後に最終的に得られたマーク数が上限値よりも多い場合あるいは下限値よりも少ない場合には(ステップS410のYes)、制御盤40は、監視センタ51や保守員が持つ端末装置52に発報してロープ点検を要求する(ステップS411)。この場合、今回の測定結果(メモリ30aに記憶されたマーク間の距離)を無効とし、ロープ点検後に再測定を行うようにしても良い。
また、マーク数が上限値〜下限値の範囲内であれば(ステップS410のNo)、上記第2の実施形態と同様である。すなわち、制御盤40は、メモリ30aに記憶された測定結果をチェックする(ステップS412)。その結果、予備運転時に測定結果として得られたマーク間隔の距離が所定の範囲内にあれば(ステップS413のYes)、制御盤40は、当該測定結果を有効として扱う(ステップS414)。
予備運転時に測定結果として得られたマーク間隔の距離が所定の範囲を超える場合には(ステップS413のNo)、制御盤40は、ロープ間の張力差による影響があると判断して、当該測定結果を無効とし(ステップS415)、所定の速度で測定運転を実施してマーク間隔の距離を再測定する(ステップS416)。
このように第4の実施形態によれば、予備運転時にマーク数をチェックすることで、何らかの原因でマーク数が規定値よりも多かった場合や少なかった場合に、測定運転に入る前に速やかに対処することでき、マーク間測定の信頼性を向上させることができる。
なお、上記第4の実施形態では、上記第2の実施形態を前提にして予備運転時にマーク数をチェックすることを説明したが、上記第1の実施形態で予備運転を行うときに(図9のステップS102参照)、マーク数をチェックすることでも上記同様の効果が得られる。
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、ロープ上のマーク間隔を高精度に測定して、信頼性の高い強度管理を行うことのできるエレベータのロープ検査システムを提供することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…昇降路、11,12…ガイドレール、20…乗りかご、21…カウンタウェイト、22…トラクションシーブ、23…巻上機、24…メインロープ、25a,25b…ロープヒッチ、26…カーシーブ、27…カウンタウェイトシーブ、28…センサ、29…エンコーダ、30…演算装置、30a…メモリ、31…表示装置、32…着床検出部材、33…非接触スイッチ、40…制御盤、50…通信ネットワーク、51…監視センタ、52…端末装置。

Claims (8)

  1. 巻上機のトラクションシーブを介して乗りかごとカウンタウェイトを吊持し、表面が樹脂被覆された構造を有する複数本のロープの劣化状態を上記各ロープの表面に設けられた複数のマークの間隔を測定することで検査するエレベータのロープ検査システムにおいて、
    上記各ロープ間の張力を平均化するための予備運転に続いて、上記各マークの間隔を測定するための測定運転を行う制御手段を具備し
    上記制御手段は、
    上記予備運転時に上記各マークの間隔を測定し、その測定結果が予め設定された範囲内に収まっている場合に当該測定結果を上記各ロープの劣化状態の検査に有効な測定結果として保持し、上記測定運転を行わないことを特徴とするロープ検査システム。
  2. 上記制御手段は、
    上記巻上機の駆動が一定時間以上停止状態にあったときに上記予備運転を実施することを特徴とする請求項1記載のロープ検査システム。
  3. 上記制御手段は、
    上記予備運転により上記乗りかごを最下階と最上階との間を少なくとも1往復させることを特徴とする請求項1記載のロープ検査システム。
  4. 上記制御手段は、
    上記予備運転をエレベータの定格速度で実施することを特徴とする請求項1記載のロープ検査システム。
  5. 上記制御手段は、
    上記予備運転時に得られた測定結果が上記範囲を超えていた場合に当該測定結果を無効とし、上記測定運転により上記各マークの間隔を再測定することを特徴とする請求項記載のロープ検査システム。
  6. 上記制御手段は、
    上記予備運転時よりも低速で上記測定運転を行い、上記各マークの間隔を再測定することを特徴とする請求項記載のロープ検査システム。
  7. 上記制御手段は、
    上記各マークを検出するためセンサのサンプリング時間を上記予備運転時よりも早めて上記測定運転を行い、上記各マークの間隔を再測定することを特徴とする請求項記載のロープ検査システム。
  8. 上記予備運転時あるいは上記測定運転時に上記各マークの数をカウントする演算手段を備え、
    上記制御手段は、
    運転終了後に上記演算手段によってカウントされた上記各マークの数が予め設定された上限値より多い場合あるいは予め設定された下限値より少ない場合に、監視センタあるいは保守員が所持する端末装置に発報してロープ点検を要求することを特徴とする請求項1記載のロープ検査システム。
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