JP2023090259A - 巻胴式エレベータ用ロープ伸び検知装置及びその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】巻胴式エレベータにおいて、乗りかごを吊るロープの伸びを簡易かつ容易に検出し、その異常を早期発見できる巻胴式エレベータ用ロープ伸び検知装置を提供する。【解決手段】乗りかごを吊るロープの伸び量を検知するための巻胴式エレベータ用ロープ伸び検知装置であって、巻胴式巻上機の回転角度を検出する回転角度検出器と、乗りかごが規定階で停止中に、回転角度検出器で検出する検出角度を時間経過の前後で比較する角度差に基づいて、ロープの伸び量が許容範囲内であるか否かを判定する判定部と、を備える。規定階を異なる階に変更した場合でも、判定部の判定には、共通の閾値を適用できる。判定部の判定結果が、ロープの伸び量が許容範囲内でないと判定したとき発報する。回転角度検出器は、巻胴式巻上機の制御用エンコーダの出力と、専用に配設された傾きセンサの出力と、少なくとも何れかに基づいて角度検出する。【選択図】図3

Description

本発明は、巻胴式エレベータ用ロープ伸び検知装置及びその方法に関するものである。
エレベータは、使用に伴う経年劣化があるので、安全確保のため規定項目どおりの定期点検及びメンテナンスが不可欠である。規定項目の一つに主ロープ(以下、「ロープともいう」)の伸びが規定範囲内であるか否か、規定範囲外であれば、相応の対策が施される。一方、トラクション式エレベータにおいて、釣り合い錘とバッファとの間のクリアランスを測定するクリアランス測定装置が開示されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1の技術は、センサ等によりエレベータの釣り合い錘の最低位置について、初期値からの経時的な変位量を計測し、その変位量から釣り合い錘とバッファとの間のクリアランスを測定して規定範囲内に管理する技術である。クリアランス管理の過程で取得する経時的な変位量によって、ロープの伸びについても経時的に把握することができる。
特開2017-178500号公報
しかしながら、特許文献1のクリアランス測定装置は、釣り合い錘があるトラクション式エレベータのみに適用可能なロープ伸び検出方法であり、計測対象とする釣り合い錘がない巻胴式エレベータに対しては、別の方法が必要であった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、巻胴式エレベータにおいて、乗りかごを吊るロープの伸びを簡易かつ容易に検出し、その異常を早期発見できる巻胴式エレベータ用ロープ伸び検知装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、乗りかごを吊るロープの伸び量を検知するための巻胴式エレベータ用ロープ伸び検知装置であって、巻胴式巻上機の回転角度を検出する回転角度検出器と、乗りかごが規定階で停止中に、回転角度検出器で検出する検出角度を時間経過の前後で比較する角度差に基づいて、ロープの伸び量が許容範囲内であるか否かを判定する判定部と、を備える。
本発明によれば、巻胴式エレベータにおいて、乗りかごを吊るロープの伸びを簡易かつ容易に検出し、その異常を早期発見できる巻胴式エレベータ用ロープ伸び検知装置を提供できる。
比較例として、釣り合い錘を有するトラクション式エレベータを側面から一部透視した側面透視図である。 本発明の実施対象である、釣り合い錘を使用しない巻胴式エレベータ(以下、単に「エレベータ」ともいう)を側面から一部透視した側面透視図である。 本発明の実施形態に係る巻胴式エレベータ用ロープ伸び検知装置(以下、「本装置」ともいう)の概略構成を説明するための模式図である。 図2の巻胴式エレベータに備わる巻胴式巻上機(以下、単に「巻上機」ともいう)の回転角度についての説明図である。 本装置の概略構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施形態に係る巻胴式エレベータ用ロープ伸び検知方法(以下、「本方法」ともいう)の手順を示すフローチャートである。 図5の本装置を適用したエレベータロープの伸び量と使用年月との関係を示すグラフである。
エレベータには、ロープ式のほかに油圧式もあるが、ここでは、ロープ式のローブ伸びを検知するための支援装置及びその方法を提案する。ロープ式は、トラクション式と、巻胴式と、に二大別され、これらのうち、一方の巻胴式のみに適用される巻胴式エレベータ用ロープ伸び検知装置(本装置)を説明する。なお、本装置を説明する前に、比較のためにトラクション式についても図1を用いて簡単に説明する。
[トラクション式エレベータ]
図1は、比較例として、釣り合い錘2を有するトラクション式エレベータを側面から一部透視した側面透視図である。トラクション式エレベータは、乗りかご1と、釣り合い錘2と、トラクション式巻胴式巻上機3と、かご下プーリ4と、頂部プーリ5と、かご上プーリ6と、ロープ7と、を備える。
ロープ7は、一端を釣り合い錘側ロープソケット9で固定されており、釣り合い錘2を通り、頂部プーリ5を介してトラクション式巻胴式巻上機3を通り、かご上プーリ6を介してかご下プーリ4を通り、他端をかご側ロープソケット10に固定されている。
トラクション式巻胴式巻上機3は、ロープ7を駆動することで、ロープ7で連結された乗りかご1と釣り合い錘2とを昇降路8内でつるべ式に昇降させる。トラクション式巻胴式巻上機3は回転数を増減させ乗りかご1を昇降及び停止させる。
また、バッファ15は、ロープ7の切断等により落下した乗りかご1に対するクッションである。バッファ15は、昇降路8の最下部に配設され、乗りかご1の底面中心部に向けて立設され、非常時に当接させる。
[巻胴式エレベータ]
つぎに、図2を用いて、釣り合い錘2を使用しない巻胴式エレベータについての構成を説明する。図2は、本発明の実施対象である、釣り合い錘を使用しない巻胴式エレベータを側面から一部透視した側面透視図である。
釣り合い錘2を使用しない巻胴式エレベータは、乗りかご1と巻胴式巻上機3aと頂部プーリ5とロープ7を備える。ロープ7は、一端をかご下ロープソケット11で固定されており、頂部プーリ5を介して巻胴式巻上機3aに固定されている。巻胴式巻上機3aは、ロープ7を駆動することで、ロープ7で連結された乗りかご1を昇降路8内で昇降させる。
[両方式別のロープ伸び検出]
ロープ式エレベータは、かご1を吊るロープ7の経年伸び量を検知するため、ロープ伸び量を検出する。すなわち、ロープ式エレベータは、乗りかご1の重さ等による経年変化でロープ7が伸びてしまうので、定期的に点検し、適正長さに是正する必要がある。
図1のトラクション式と、図2の巻胴式と、両方式別のロープ伸び検出について説明する。エレベータの構成について、両方式の相違点は、釣り合い錘2の有無であり、その違いによって、ロープ伸び検出方法も異なる。以下、両方式それぞれのエレベータに対するロープ7の伸びに対する検出方法について説明する。
図1のトラクション式エレベータに対するロープ伸び検出方法は、釣り合い錘2の高さが初期値よりも下がった変位量を計測し、その2倍をロープ7の伸びとする。乗りかご1を停止させる位置は、初期値と、任意経過時点の計測値と、何れの場合も同一の規定階Fに統一し、各時点で計測された釣り合い錘2の高さを比較した差分を変位量とする。同一の規定階Fとして、最上階が好ましいが、同一階であれば、どの階でも良い。
乗りかご1の停止位置は、各階床の高さ、すなわち昇降路8内に配設されている不図示の遮蔽板に基づいて決定されるため、ロープ7が伸びた場合であっても、ある階から別の階に至る乗りかご1の走行距離は同じである。
つまり、最上階から最下階までの距離や、途中階相互間の距離に変化はなく、同一経路なら同一距離である。遮蔽板は、昇降路側の各階床位置に対応して配設され、乗りかご1側に配設された不図示のポジテクタと組み合わされて、乗りかご1の位置を検出する。
図2の巻胴式エレベータに対するロープ伸び検出方法として、釣り合い錘2が無いので、これを用いて検出することはできない。そのため、釣り合い錘2の高さに基づくロープ伸び検出方法に代えて、巻胴式巻上機3aで検出される回転角度に基づくロープ伸び検出方法を提案する。
図2の巻胴式における乗りかご1の停止位置も、図1のトラクション式と同様に、遮蔽板に基づいて決定されるため、ロープ7が伸びた場合であっても、乗りかご1の走行距離に変化は無い。このように変化の無い乗りかご1の走行距離に基づいて、ロープ伸び検出することはできない。そこで、図4を用いて巻胴式エレベータのロープ伸び検出方法を後述する。
図3は、本装置100の概略構成を説明するための模式図である。図3は、図2の機構、及び本装置100の要部機能を簡略化した機能ブロックを示している。図3の機能ブロックは、運転制御部26、ロープ伸び計測部27、記憶部28、及びデータ送信部29に代表される。
これらの機能は、本装置100に備わるコンピュータがメモリに記憶されたプログラムを実行し、各種デバイスと協働することにより形成される。これら以外は、図5を用いて詳細説明する。なお、コンピュータはワンチップマイコンが好適であるが、他の形態でも構わない。
運転制御部26は、乗り場呼びボタンが利用者に押されて呼ばれたら、それに応じて乗りかご1が呼び寄せられるエレベータの動作全般について、駆動制御する。ロープ伸び計測部27は、本装置100の核心部分であり後述する。記憶部28は、ロープ7の伸について計測開始時点の状態を記憶する。データ送信部29は、ロープ伸び計測部27が取得し、演算出力するデータを外部へ送信する。
図4は、図2の巻胴式エレベータに備わる巻胴式巻上機3aの回転角度についての説明図である。巻胴式巻上機3aは、同一直径の巻胴でロープ7を巻き取って、乗りかご1を上昇させ、繰り出して下降させる。
本装置100の原理は、経時劣化によりロープ7が伸びても、乗りかご1の移動量に変化はないので、巻胴式巻上機3aによるロープ7の巻き取り量だけが増加したことに基づいて検出する点にある。本装置100は、この巻き取り量の増加を検出することで、ロープ7の伸びを検出することができる。
例えば、新設時に最下階に乗りかご1が停止していた場合に巻胴式巻上機3aの頂点がA点だったとする。その初期位置を不図示のカメラや傾きセンサ20等により計測し、その計測結果を管理センタ等で管理記録として記録しておく。
その後、エレベータの経年変化によってロープ7の伸びが発生し、巻胴式巻上機3aのロープ巻き取り量が増えて、当初A点にいた頂点がB点に移動したとする。その時の移動量がロープ伸び量として算出される。その計算式は下記のとおりである。
判定部106は、取得した角度差Dからロープ7の伸び量Xを式(1)に基づいて算出する。
ロープ7の伸び量X=巻胴式巻上機3aの直径×円周率π×ロープ巻き取り変化量(角度差D)・・・・・・(1)
上式(1)におけるロープ巻き取り変化量(角度)は、図4の巻胴式巻上機3aにおいて、頂点にあったA点がB点へ移動して形成される弧ABの長さ(扇型の中心角)である。弧ABの長さは、扇型の中心角に比例するので、計測の容易な中心角と既知の直径から、ロープ巻き取り変化量(角度差D)を容易に算出できる。順番は前後するが、角度差Dはつぎのように求める。
本装置100は、初めの基準時t0に、乗りかご1を規定階Fに停止した状態で、回転角度検出器20が出力する検出角度θ0を記憶する。つぎに、本装置100は、基準時t0から、ある時間が経過した計測時t1に、乗りかご1を規定階F1に停止した状態で、回転角度検出器20が出力する検出角度θ1を記憶する。なお、説明の便宜上、不図示の符号Dn,t0,t1,X,Xn,θ,θ0,θ1を用いている。
回転角度検出器20は、時間経過の前後で検出角度θを比較した角度差Dを下式(2)に基づいて取得する。
角度差D=検出角度θ1-検出角度θ0・・・・・・(2)
また、本装置100は、新たな基準時t(n-1)から、ある時間が経過した計測時tnに、乗りかご1を規定階Fに停止した状態で、回転角度検出器20が出力する検出角度θnを記憶する。同様に、判定部106は、取得した角度差Dnからロープ7の伸び量Xnを式(1),(2)に基づいて算出する。
本装置100において、扇型の中心角を検出する回転角度検出器20として、傾きセンサを使用して好印象を得たが、これに限定されない。傾きセンサの代わりに、巻胴式巻上機3aの制御用に標準装備されたエンコーダを兼用して回転角を検出しても良い。
あるいは、巻胴式巻上機3aの巻胴周縁に付した目印となるマーカAの変異を撮影したカメラ画像を処理して角度検出することも可能である。
本装置100は、ロープ伸び検出するときに停止させる規定階Fとして、最下階を標準にして好印象を得たが、これに限定されず、規定階Fを最下階~最上階の何れに決めても構わない。その理由はつぎの簡略な例示のとおりである。
図2及び図3を簡略化した巻胴式エレベータ19の設置対象として、最下階1F~最上階11Fを10分割した階床間隔4mの地上11階建てビルを想定する。説明の便宜上、ここで仮想する巻胴式エレベータ19は、巻胴式巻上機3aから、折返しのプーリを介さず一直線に垂下するロープ7の先端に乗りかご1が吊られているとする。
エレベータ19は、乗りかご1を1Fと11Fとの間で昇降する最中に、巻胴式巻上機3aは、初期設定時のロープ7を40mだけ巻き取り及び繰り出すように動作する。ここで、当該エレベータ19は、1Fと11F以外の途中階には停止しないとする。
本装置100において、規定階Fを1Fとする第1条件における初期値は、巻胴式巻上機3aのマーカAが真上の位置である。ロープ7は、繰り出される40mに対する経時劣化で千分の1に相当する40mmだけ伸びて40.04mになったとする。
本装置100において、巻胴式巻上機3aは、伸びた40mmを弧ABの長さだけ多く巻き取って吸収することにより、規定階Fの1Fに正しく乗りかご1を停止させる。
そのとき、巻胴式巻上機3aは、マーカAを真上から位置Bまで多く回転させる。そのため、本装置100は、ロープ7が経時劣化で千分の1の40mm伸びたことを検出できる。
この段階で、本装置100において、規定階Fを11Fとする第2条件における初期値は、マーカAが真上以外である。ここで本装置100は、最上階の11Fを規定階Fとして、ロープ7の伸びを検出しているが、それに限定されない。
本装置100において、巻胴式巻上機3aがロープ7を最も長く繰り出した最下階と、最も短く巻き取った最上階と、いずれであっても、概ね同一時刻(同日程度)であれば、ロープ7の全長に対する伸び量に変化はなく、巻き取り量が異なるだけである。
したがって、本装置100は、規定階Fを当初に診断したときの階床と同一階床で、回転角度検出器20が角度検出した計測値を用い、時間経過の前後で比較する角度差Dに基づいて、ロープ7の伸び量Xが許容範囲内であるか否かを閾値Zで判定すれば良い。
つまり、本装置100において、角度差Dを得るために計測値を比較するための規定階Fは、時間経過の前後で同一階床ならば、どこの階床で計測しても、共通の閾値Zが適用できるので問題ない。
図5を用いて本装置100をより詳細に説明する。図5は、本装置100の概略構成を示す機能ブロック図である。まず、PC(personal computer)/スマートフォン109は、本装置100を利用してロープ伸びを検知する人(以下、「管理者」ともいう)の操作表示部として機能する。PC/スマートフォン109と、本装置100と、には相互に情報通信するためのインターフェースを具備している。
本装置100において、新設時やロープ交換後、ロープ伸び是正後等の診断開始時には、まずPC/スマートフォン109にてロープ7の伸びについて診断するための設定情報を設定部104に送る。この時設定部104に送ったデータは、診断する際の階の設定や診断をいつするかの設定日と、巻胴式巻上機3aの直径と、ロープ伸びに対する許容値等であり、それらを予め記憶部28に登録しておく。
管理者は、本装置100のPC/スマートフォン109を操作し、初期値を主と記録するための診断運転を実施する。まず、記憶部28に予め登録してある規定階Fに向けて、運転制御部26によりエレベータを操作し運転を実施する。
エレベータの乗りかご1が規定階Fに到着したら、本装置100は、診断を開始し、巻胴式巻上機3aに配設しているセンサやカメラ等20の検出部111で、巻胴式巻上機3aの状態を確認し、巻胴式巻上機3aのロープ巻き取り変化量(角度差)Dを検出する。
本装置100は、その検出したものを送信部108により制御盤110等にある受信部101に送信する。初期の状態は問題ないデータなので初期値として記憶部28に登録しておく。今後は記憶部28に登録した初期値と次回以降に計測した際の値を比較し、ロープ伸び量について判定部106にて判定する。
本装置100は、記憶部28に登録されている診断運転日時になったとき、記憶部28に登録されている階床に運転制御部26にてエレベータの乗りかご1を運転させ、エレベータの乗りかご1が規定階Fに到着したら診断を開始し、巻胴式巻上機3aに配設しているセンサやカメラ等20の検出部111で巻胴式巻上機3aの状態を確認し、巻胴式巻上機3aのロープ巻き取り変化量を検出する。
本装置100は、その検出したものを送信部108により制御盤110等にある受信部101に送信する。受信部101にて受信したデータを記憶部28に登録している初期値データと比較し、ロープ巻き取り変化量を算出する。
本装置100は、算出したロープ巻き取り変化量のデータをもとにロープ伸び計測部102にて計算を実施し、ロープ7の伸び量について計測を実施する。本装置100は、ロープ伸び計測部27にて計測されたロープの伸び量を判定部106にて記憶部28にて登録されているロープ伸び量の許容値と比較を実施し、許容値に到達していなければデータ送信部29にて計測したデータを管理センタ等に送信して終了する。
ここでもし許容値に到達していた場合、本装置100は、データ送信部29にて計測したデータを管理センタ等に送信した後に発報部112にて事業所等に発報することにより、管理者にロープ点検するように促す。管理者が点検した後は、点検し是正したデータをPC/スマートフォン109にて操作した初期値として記憶部28に改めて登録する。
上述の説明と一部重複するが、図6のフローチャートを用いて本方法の手順を簡潔に説明する。図6に示すように、まず、管理者は、ロープ伸びに対する診断運転前にエレベータが規定時間停止したかを確認し、エレベータを乗客が使用していないかどうかを確認する(S1)。
本装置100は、S1にて規定時間以上停止していると判断した場合(S1でYES)、利用がないと判断し診断設定日か確認を実施する(S2)。本装置100は、S2にて診断設定日と判断した場合(S2でYES)、診断する場所として登録している規定階Fへと乗りかご1を移動させる(S3)。
その後、本装置100は、エレベータの巻胴式巻上機3aの回転角度をセンサやカメラ等20で計測する(S4)。本装置100は、計測されたエレベータの巻胴式巻上機3aの回転角度と、既知の直径と、に基づいて、ロープ7の伸び量を算出し、その結果を管理センタ等に送付し記録しておく(S5)。
本装置100は、S5にて算出された結果をロープの伸び量の是正値として設定している判定値(閾値Z)Zと比較する(S6)。本装置100は、S6にて比較した結果が判定値Zを超えているかどうか判定する(S7)。
本装置100は、S7にて判定値Zを超えていない場合(S7でYES)、計測終了となり診断を終了する(S8)。もしS7で判定値Zを超えていると判断された場合(S7でNO)、本装置100は、事業所等にロープ点検を実施するように発報を行い、管理者等にロープの伸びの是正を実施するように促す(S10)。
本装置100は、上記S1にて規定時間以上停止していないと判断した場合(S1でNO)、本装置100は診断を実施しない。また、本装置100は、上記S2にて診断設定日でないと判断された場合(S2でNO)、S9へ進む。本装置100は、S9にて乗りかご1が事前に診断運転階として設定した規定階Fかどうか判断し、規定階Fの場合(S9でYES)ならばS4へ進む。本装置100は、S4にて巻胴式巻上機3aの角度計測を実施し、その後は上記フローの通り進む。本装置100は、S9にて規定階Fでないと判断した場合(S9でNO)、診断は実施しない。
本装置100は、図6に示した手順のように診断設定日として設定された日は診断を確実に実施する。もし診断設定日でなくても、設定した階床にエレベータ19の乗りかご1が停止している場合、本装置100は、積極的に診断を実施し、できるだけ早期にロープ7の伸びの異常を見つけることができるようにプログラムされている。また、本装置100において、一回診断を実施したら、その日は計測しないようにする旨をプログラムされていると無駄が省けるので、なお好ましい。
図7を用いてロープ点検による是正した際のロープ7の伸び量と使用年月についての関係を説明する。ロープ7の伸びは、使用年月とともに発生し伸び量は大きくなっていく。図7は、図5の本装置100を適用したロープ7の伸び量と、使用年月と、の関係を示すグラフである。
エレベータ19は、ロープ7の伸びが大きくなっていくと、巻胴式巻上機3aに巻き取れるロープ7の量を上回ってしまい、規定量巻き取ることができなくなる等の問題が発生するほか、乗りかご1とホールとの間に段差ができるといった問題も発生する。
そこで、本装置100は、ロープ7の伸びが許容限度に達したと判断した場合、管理者に注意喚起できるように発報する。そうすると、管理者は、ロープ7の点検作業を実施し、ロープ7の伸びを是正する。これを繰り返すことでロープ7の伸びによる問題を改善することができる。
ただし、ロープ7の伸びに対する切り詰めによる是正量には上限があるため、その履歴を記録する必要がある。是正量の上限を超えた場合、ロープ交換等を実施する。本装置100では、伸び量と、その対応について管理センタ等で記録し、確認容易に管理されているので、ロープ7の伸びに対する是正量は上限を超えないように自動又は半自動で確認できる。
なお、本装置100による計測頻度は、乗りかご1が動く都度と、定期検査(半年)と、の両方で対応する。例えば、3回連続して限界を超えていれば発報する。あるいは、前回結果で限界値に近づいていれば、次回はどうであれ発報する等のような簡素なプログラムによって実用性の高い本装置100を実現できる。
以上、説明したように、本装置100は、釣り合い錘2がない巻胴式エレベータ19であっても、巻胴式巻上機3aのロープ巻き取り量の増加による巻胴式巻上機3aの角度変化を検出することで、ロープの伸び量を検出することができる。その結果、本装置100は、ロープ7の伸びによる異常に対し、管理者に早期是正を促して安全性を高められる。
図2~図5に示すように、本装置100は、構成、作用及び効果について、以下のように総括できる。
[1]本装置100は、乗りかご1を吊るロープ7の伸び量を検知するための巻胴式エレベータ用ロープ伸び検知装置100である。本装置100は、回転角度検出器20と、判定部106と、を備える。回転角度検出器20は、巻胴式巻上機3aの回転角度θを検出する。
判定部106は、乗りかご1が規定階Fで停止中に、回転角度検出器20で検出する検出角度θを時間経過の前後で比較する角度差Dと、巻胴式巻上機3aの直径と、に基づいて、ロープ7の伸び量Xが許容範囲内であるか否かを判定する。
判定部106は、ロープ7の伸び量Xが許容範囲内であるか否かを判定する。例えば、1回目の検査におけるロープ7の伸び量X1≦閾値Zであれば、検査合格なのでそのままの状態で継続使用を許可する。
逆に、判定部106において、n回目の検査におけるロープ7の伸び量Xn≧閾値Zであれば、検査不合格である。図7に示すように、当該エレベータの管理者等は、そのままの状態で継続使用することを一時停止し、ロープ7を当初の長さまで縮めるため、伸び過ぎた分だけ切り落とすようにメンテナンスし、運転再開させる。このような本装置100によれば、巻胴式エレベータ19において、乗りかご1を吊るロープ7の伸びを簡易かつ容易に検出し、その異常を早期発見できる。
[2]上記[1]の本装置100において、同一階床を規定階Fと定めて測定条件を統一し、エレベータ19を利用可能にした時間経過の前後で劣化の程度をより単純に比較すると良い。このような本装置100によれば、診断初期値を計測した際の階床F1と同一階床であれば、測定誤差要因が排除されるので、高精度にロープ7の伸びを検出できる。
[3]上記[1]の本装置100において、規定階Fを異なる階に変更した場合でも、判定部106が許容範囲内であるか否かの判定には、共通の閾値Zを適用できる。ここで説明の便宜上、図3をさらに簡略化し、巻胴式巻上機3aから、乗りかご1を最下階まで下降させるように、プーリを全く用いない一直線に吊ったロープ7を最大限に繰り出した状態を仮定する。ロープ7は、乗りかご1を上層階へ上昇させる都度、巻胴式巻上機3aに巻き付けられたり、解かれたりするが、均等に伸びているものと推定される。
その仮定に基づくなら、本装置100において、規定階Fを異なる階に変更した場合でも、判定部106は、共通の閾値Zを適用できる。巻胴式巻上機3aの巻上角度は、ロープ7は、最大長さを繰り出したときと、最小長さに巻き取ったときと、何れの場合であっても、ロープ7の伸び量Xに比例した所定の角度差Dが、検出される。
したがって、[3]の本装置100によれば、例えば、階床F1を規定階Fとして診断初期値を計測したときに適用した閾値Zを、階床F1と異なる階床FX、例えば10Fで角度差Dを検出した場合でも、判定部106は、同一の閾値Zを適用できる。このような本装置100によれば、何らかの事情により、角度差Dを検出する規定階Fの移動を余儀なくされた場合でも、共通の閾値Zを判定基準に適用できるので、判断基準を階別に換算する手間が省けて効率的である。
[4]上記[1]において、本装置100は、判定部106の判定結果が、ロープの伸び量が許容範囲内でないと判定したとき発報することにより、遠隔監視を効率良く継続することができる。また、本装置100は、判定結果に応じて、監視機関等へ発報すると良い。この種の監視機関は、ほとんどが、年中無休の24時間体制で異常事態に対応する能力を備えた機関に対して密接な関係を維持し、適切な対応を指示できる。
[5]上記[1]の本装置100において、回転角度検出器20は、巻胴式巻上機3aの制御用エンコーダの出力と、専用に配設された傾きセンサの出力と、少なくとも何れかに基づいて角度検出すると良い。巻胴式巻上機3aに標準装備された制御用エンコーダを角度検出に兼用利用すれば、本装置100を簡素に構成できる。
[6]上記[1]の本装置100において、回転角度検出器20は、巻胴式巻上機3aの巻胴周縁に付した目印となるマーカAの変異を撮影したカメラ画像を処理して角度検出するように構成しても良い。その場合、構成デバイスの選択範囲を広げられる。
[7]上記[1]~[6]の何れかにおいて、本装置100は、時間経過で比較する前後にわたって、ロープ7の伸び量と、余剰分を切り詰める是正措置と、少なくとも何れかの履歴を継続して記録することが好ましい。このような本装置100によれば、メンテナンスによる是正等の記録を自動的に記録し続けることにより、ロープ7の伸び量を把握できる。その結果、本装置100は、使用限界の時期が到来するよりも、安全を見込んだ早めにロープ交換時期を見逃さず確実に交換を促すことができる。
本方法は、つぎのように総括できる。
[8]本方法は、乗りかご1を吊るロープ7の伸び量について、コンピュータで検知するための巻胴式エレベータ用ロープ伸び検知方法である。本装置100のコンピュータ(以下、「本装置100」という)は、図6に示すように、つぎの手順を実行する。
本装置100は、時間経過の前後において、乗りかごが規定階で停止中に、巻胴式巻上機の回転角度を検出する(S2~S4)。本装置100は、検出された回転角度を時間経過の前後で比較して角度差を取得する(S2~S4)。本装置100は、角度差と、巻胴式巻上機の直径と、に基づいて、ロープの伸び量が許容範囲内であるか否かを判定する(S5~S7)。
1 乗りかご、2 釣り合い錘、3 トラクション式巻上機、3a 巻胴式巻上機、4 かご下プーリ、5 頂部プーリ、6 かご上プーリ、7 主ロープ(ロープ)、8 昇降路、9 釣り合い錘側ロープソケット、10 かご側ロープソケット、11 かご下ロープソケット、15 バッファ、18 トラクション式エレベータ、19 巻胴式エレベータ(エレベータ)、20 回転角度検出器(傾きセンサやカメラ)、26 運転制御部、27 ロープ伸び計測部、28 記憶部、29 データ送信部、100 エレベータ用ロープ伸び検知装置(本装置)、101 受信部、108 送信部、109 PC/スマートフォン、110 制御盤、106 判定部、104 設定部、111 検出部、112 発報部、A マーカ、D,Dn 角度差(巻き取り変化量)、F 規定階、F1,FX 階床、t0 基準時、t1,tn 計測時、θ~θ1 検出角度、X,X1 ロープ7の伸び量、Z 判定値(閾値)

Claims (8)

  1. 乗りかごを吊るロープの伸び量を検知するための巻胴式エレベータ用ロープ伸び検知装置であって、
    巻胴式巻上機の回転角度を検出する回転角度検出器と、
    前記乗りかごが規定階で停止中に、前記回転角度検出器で検出する検出角度を時間経過の前後で比較する角度差に基づいて、前記ロープの伸び量が許容範囲内であるか否かを判定する判定部と、
    を備える巻胴式エレベータ用ロープ伸び検知装置。
  2. 前記規定階は、前記時間経過で比較する前後で同一階床とする、
    請求項1に記載の巻胴式エレベータ用ロープ伸び検知装置。
  3. 前記規定階を異なる階に変更した場合でも、前記判定部が前記許容範囲内であるか否かの判定に用いる閾値は共通である、
    請求項2に記載の巻胴式エレベータ用ロープ伸び検知装置。
  4. 前記判定部の判定結果が、前記ロープの伸び量が許容範囲内でないと判定したとき発報する、
    請求項1に記載の巻胴式エレベータ用ロープ伸び検知装置。
  5. 前記回転角度検出器は、前記巻胴式巻上機の制御用エンコーダの出力と、専用に配設された傾きセンサの出力と、少なくとも何れかに基づいて角度検出する、
    請求項1に記載の巻胴式エレベータ用ロープ伸び検知装置。
  6. 前記回転角度検出器は、前記巻胴式巻上機の巻胴周縁に付した目印となるマーカの変異を撮影したカメラ画像を処理して角度検出する、
    請求項1に記載の巻胴式エレベータ用ロープ伸び検知装置。
  7. 前記時間経過で比較する前後にわたって、前記ロープの伸び量と、余剰分を切り詰める是正措置と、少なくとも何れかの履歴を継続して記録する、
    請求項1~6の何れか1項に記載の巻胴式エレベータ用ロープ伸び検知装置。
  8. 乗りかごを吊るロープの伸び量について、コンピュータで検知するための巻胴式エレベータ用ロープ伸び検知方法であって、
    前記コンピュータは、
    時間経過の前後において、前記乗りかごが規定階で停止中に、巻胴式巻上機の回転角度を検出し、
    該検出された前記回転角度を前記時間経過の前後で比較して角度差を取得し、
    該角度差と、前記巻胴式巻上機の直径と、に基づいて、前記ロープの伸び量が許容範囲内であるか否かを判定する、
    巻胴式エレベータ用ロープ伸び検知方法。
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