JP4830651B2 - 処理装置及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、電子ペン用帳票に記入された情報に基づいて所定の処理を行うための技術に関する。
近年、「電子ペン」、「デジタルペン」などと呼ばれるペン型入力デバイスが登場しており(以下、本明細書では「電子ペン」と呼ぶ。)、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙(以下、「専用ペーパー」とも呼ぶ。)とペアで使用される。アノトペンは、通常のインクタイプのペン先部に加えて、専用紙上のドットパターンを読み取るための小型カメラと、データ通信ユニットを搭載している。利用者が専用紙上にアノトペンで文字などを書いたり、専用紙上に図案化されている画像をチェックしたりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙上のドットパターンを検出し、利用者が書き込んだ文字、画像などの記入情報が取得される。この記入情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信される。このアノトペンを利用したシステムは、キーボードに代わる入力デバイスとして利用することが可能であり、上述のパーソナルコンピュータやキーボードの使用に抵抗がある利用者にとっては非常に使いやすい。そのため、現在、各種ビジネス上の書類、申込書、契約書等に記入されたデータをデジタル化する手法として、電子ペンを利用したシステムが普及しつつある(例えば、特許文献1)。
上記のようなシステムにおいて、利用者は電子ペンを使用して所定の書類を作成し、記入内容に対応する記入情報を、ネットワークを通じて当該電子ペン近くの端末装置を介し、所定のサーバに送信することができる。この場合、所定のサーバなどでは、受信した記入情報に基づいて様々な処理を行うことができる。
このように、電子ペンから受信した記入情報を処理する場合、1つのエリアに記入されたストローク数(線の軌跡本数)に基づいて、データ処理を行うことが多い。具体的なデータ処理としては、「正」の字を記入することによる数カウントや、選択のON/OFF処理などが挙げられる。
しかし、現行の方法では、筆圧の関係で文字がかすれた場合に、本来ならば1つのストロークとして処理されるべきところを、複数のストロークとして処理してしまうことがしばしばある。そのため、記入者の意図と異なるデータ処理が行われることがあり、処理精度の低下につながっていた。つまり、現行の方法では、ストロークが途切れた箇所は抽出できるものの、それが文字かすれによるものなのか、意図的に区切ったものなのかを判断することができなかった。
特開2004−153612号公報
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、ストロークが途切れた空白時間と予め設定された文字かすれ判断時間を比較することで、文字かすれであるか否かの判断を行うと共に、文字かすれ前後のストロークを1つのストロークとして扱う処理システムを提供することを課題とする。
本発明の1つの観点では、電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票に記入された情報を処理する処理装置において、前記処理装置は、前記電子ペンを使用して前記電子ペン用帳票に記入された記入情報を取得する記入情報取得手段と、前記記入情報に含まれる時間情報に基づいて、連続した2つのストローク間の空白時間を特定する空白時間特定手段と、特定した空白時間が、予め設定された文字かすれ判断時間より短いか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が、前記空白時間が前記文字かすれ判断時間より短いと判定した場合に、前記空白時間は文字かすれによるものであると検知し、前記2つのストロークを結合して1つのストロークと特定するストローク特定手段と、を備える。
上記のように構成された処理装置において、利用者は、電子ペンを使用して電子ペン用帳票に記入を行う。すると、電子ペンは、電子ペンの移動に伴って電子ペン用帳票上のドットパターンを読み取り、利用者が記入した記入内容に関するストロークや座標に関する情報を取得する。これと同時に、電子ペンは、取得したストロークや座標に関する情報を記入情報として処理装置に送信する。処理装置は、まず、記入情報に含まれる時間情報に基づいて、連続した2つのストローク間の空白時間を特定する。そして、処理装置は、特定した空白時間と、予め設定された文字かすれ判断時間とを比較することにより、文字かすれの検知を行う。具体的に、処理装置は、空白時間が文字かすれ判断時間より短ければ、空白時間は文字かすれによるものであると判断する。一方、空白時間が文字かすれ判断時間より長ければ、処理装置は、空白時間は意図的なものであると判断する。文字かすれを検知した場合、処理装置は、文字かすれの前後のストロークを結合して1つのストロークと特定する。一方、文字かすれを検知しなかった場合、処理装置は、空白時間の前後のストロークはそれぞれ別々のストロークと特定する。これによれば、利用者の筆圧等により発生する文字かすれを検知することで、処理装置は、電子ペン用帳票に記入されたストロークを的確に認識し、適切な処理を行うことができる。なお、文字かすれ判断時間の長さは任意に設定することができる。
上記処理装置の他の一態様では、前記電子ペン用帳票は、前記電子ペンにより記入される複数の記入エリアから構成されており、前記処理装置は、前記記入情報から、各記入エリアに記入されたエリア記入情報を抽出するエリア記入情報抽出手段と、1つのエリア記入情報に含まれる全てのストロークを抽出するストローク抽出手段とをさらに備え、前記空白時間特定手段は、前記エリア記入情報に含まれる時間情報に基づいて、前記ストローク抽出手段が抽出した全てのストロークにおいて、連続した2つのストローク間の空白時間を特定する。
上記のように構成された処理装置において、利用者は、電子ペンを使用して、電子ペン用帳票が有する記入エリアに記入を行う。そして、処理装置は、電子ペンから取得した記入情報から、各記入エリアに記入されたエリア記入情報を抽出する。さらに、処理装置は、エリア記入情報から全てのストロークを抽出し、空白時間の特定を行う。これによれば、処理装置は、同一記入エリア内に記入されたストローク間についての空白時間のみを特定する。即ち、異なる記入エリア間にまたがる連続したストローク間については空白時間の特定を行わない。よって、1つの記入エリア内に記入されたストロークを的確に認識することができる。
上記処理装置のさらに他の一態様では、前記空白時間特定手段は、前記ストローク特定手段が1つのストロークと特定したストロークと、前記エリア記入情報に含まれ、連続する他のストロークとの間の空白時間も特定する。これによれば、処理装置は、同一記入エリア内においては、文字かすれの検知を複数回行う。換言すると、文字かすれを1箇所検知した後であっても、同一記入エリア内の検知は引き続き行う。よって、処理装置は、1つの記入エリア内に記入されたストロークを的確に認識することができる。
本発明の別の観点では、電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票に記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムにおいて、前記プログラムは、前記電子ペンを使用して前記電子ペン用帳票に記入された記入情報を取得する記入情報取得手段、前記記入情報に含まれる時間情報に基づいて、連続した2つのストローク間の空白時間を特定する空白時間特定手段、特定した空白時間が、予め設定された文字かすれ判断時間より短いか否かを判定する判定手段、前記判定手段が、前記空白時間が前記文字かすれ判断時間より短いと判定した場合に、前記空白時間は文字かすれによるものであると検知し、前記2つのストロークを結合して1つのストロークと特定するストローク特定手段、として前記コンピュータを機能させる。
上記プログラムをコンピュータにより実行することにより、上述の処理装置を実現することができる。また、上述の処理装置の各態様も同様に実現することができる。
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、ストロークが途切れた空白時間と予め設定された文字かすれ判断時間を比較することで、文字かすれであるか否かの判断を行うと共に、文字かすれ前後のストロークを1つのストロークとして扱うことを可能とする。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。まず、本実施形態のシステムにおいて入力デバイスとして使用される電子ペンの概要について説明する。
[電子ペン]
図1は電子ペンの使用形態を模式的に示す図であり、図2は電子ペンの構造を示す機能ブロック図である。図1に示すように、電子ペン10は、ドットパターンが印刷された専用ペーパー20と組み合わせて使用される。電子ペン10は、通常のインクペンと同様のペン先部17を備えており、利用者は通常のインクペンと同様に専用ペーパー20上に文字などを書くことになる。
図2に示すように、電子ペン10は、その内部にプロセッサ11、メモリ12、データ通信ユニット13、バッテリー14、LED15、カメラ16及び圧力センサ18を備える。また、電子ペン10は通常のインクペンと同様の構成要素としてインクカートリッジ(図示せず)などを有する。
電子ペン10は、ペン先部17により専用ペーパー20上に描かれたインクの軌跡をデータ化するのではなく、専用ペーパー20上で電子ペン10が移動した軌跡座標をデータ化する。LED15が専用ペーパー20上のペン先部17近傍を照明しつつ、カメラ16が専用ペーパー20に印刷されているドットパターンを読み取り、データ化する。つまり、電子ペン10は専用ペーパー20上で利用者が電子ペン10を移動させることにより生じるストロークを画像データ又はベクトルデータとして取得することができる。
圧力センサ18は、利用者が電子ペン10により専用ペーパー上に文字などを書く際にペン先部17に与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、プロセッサ11へ供給する。プロセッサ11は、圧力センサ18から与えられる筆圧データに基づいて、LED15及びカメラ16のスイッチオン/オフの切換を行う。即ち、利用者が電子ペン10で専用ペーパー20上に文字などを書くと、ペン先部17には筆圧がかかる。よって、所定値以上の筆圧が検出されたときに、利用者が記述を開始したと判定して、LED15及びカメラ16を作動する。
カメラ16は専用ペーパー20上のドットパターンを読み取り、そのパターンデータをプロセッサ11に供給する。プロセッサ11は、供給されたドットパターンから、専用ペーパー20上でのXY座標を算出する。
プロセッサ11は、利用者の記述が行われる間に、筆圧の配列データ及びXY座標データを取得し、タイムスタンプ(時間情報)と関連付けてメモリ12に記憶していく。よって、メモリ12内には利用者の記述内容に対応するデータが時系列で記憶されていく。メモリ12の容量は例えば1Mバイト程度とすることができる。
利用者により送信指示がなされるまでは、取得された全てのデータはメモリ12内に保持される。そして、利用者が送信指示を行うと、データ通信ユニット13により、電子ペン10と所定距離内にある端末装置25へメモリ12内のデータが送信される。基本的には、一度送信指示がなされると、電子ペン10はメモリ12内に記憶していた全てのデータを端末装置25へ送信するため、メモリ12内はクリアされる。よって、送信後にもう一度同じ情報を端末装置25へ送信したい場合には、利用者は専用ペーパー20上に再度記述を行う必要がある。なお、この場合、利用者は専用ペーパー20上にインクペンで書かれた文字などをなぞればよいことになる。
送信指示その他の指示は、利用者が専用ペーパー20上の所定位置に設けられた専用ボックスを電子ペン10でチェックすることにより実行される。専用ボックスの位置座標には、予め送信指示が対応付けられており、プロセッサ11は専用ボックスの位置座標を受信すると、データ通信ユニット13にメモリ12内のデータを供給し、端末装置25への送信を行わせる。なお、電子ペン10は、データの送信完了を電子ペンの振動により示すことができる。また、電子ペン10自体が、送信機能を搭載していることとしてもよい。
バッテリー14は電子ペン10内の各要素に電源供給するためのものであり、例えば電子ペンのキャップ(図示せず)により電子ペン10自体の電源のオン/オフを行うことができる。
このように、電子ペン10は利用者が専用ペーパー20上に記述した文字などに対応する座標データ及び筆圧データを取得して近傍の端末装置25へ送信する機能を有するが、電子ペン10のペン先部17は通常のインクペンとなっているため、専用ペーパー20上に記述した内容はオリジナルの原本として残るという特徴がある。即ち、紙の原本に対して記述するのと同時に、その内容を座標データなどの形態でリアルタイムに電子化することができる。
なお、電子ペン10の標準機能によれば、電子ペン10により得られるデータは、原則として座標データ又はベクトルデータの形態であり、テキストデータではない。但し、電子ペン10は標準機能として、専用ペーパー20上に設けられた専用エリアに記述することにより、英数字に限りテキスト化する機能は備えている。
また、電子ペン10内には、ペン自体及びその所有者に関するプロパティ情報(ペン情報及びペン所有者情報)を保持することができ、アプリケーションから参照することができる。ペン情報としては、バッテリーレベル、ペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン、サブスクリプションプロバイダのIDなどを保持できる。また、ペン所有者情報としては、国籍、言語、タイムゾーン、emailアドレス、空きメモリ容量、名称、住所、ファックス/電話番号、携帯電話番号などを保持することができる。
なお、上記の例におけるデータ通信ユニット13では、Bluetooth(登録商標)の無線伝送、USBケーブルを使用した有線伝送、端子などの接触によるデータ伝送など、各種の方法によって電子ペン10から端末装置25へのデータ送信を行うことが考えられる。
次に、電子ペンにより利用者が記述した内容のXY座標データを取得する方法について説明する。前述のように専用ペーパー20には、所定のドットパターンが印刷されている。電子ペン10のカメラ16は、利用者が専用ペーパー20上に記述したインクの軌跡を読み取るのではなく、専用ペーパー20上のドットパターンを読み取る。実際、図1に示すように、LED15による照明エリア及びカメラ16の撮影エリア(照明エリア内に位置する)は、ペン先部17が専用ペーパー20に接触する位置とはずれている。
ドットパターンはカーボンを含む専用インキなどで印刷されており、カメラ16はその専用インキによるパターンのみを認識することができる。専用インキ以外のインキ(カーボンを含まない)により、専用ペーパー上に罫線や枠などを印刷しても、電子ペンはそれらを認識することはない。よって、専用ペーパーを利用して各種申込書などの帳票を作成する際は、専用インキ以外のインキで入力枠や罫線、注意書きなどを印刷する。
ドットパターンは、図3に例示するように、各ドットの位置がデータに対応付けされている。図3の例では、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右にシフトすることにより、0〜3の2ビット情報を表示した例である。このようにして表現された情報の組合せにより、専用ペーパー上の位置座標が決定される。図4(a)に例示するように、縦横2mmの範囲内に36個のドットが格子状に配置され、これらのドットにより示されるデータの配列(図4(b))が、その専用ペーパー上の位置座標と対応付けされている。よって、電子ペン10のカメラ16が図4(a)に示すようなドットパターンを撮影すると、プロセッサ11はカメラ16から入力されるドットパターンのデータに基づいて図4(b)に示すデータ配列を取得し、それに対応する専用ペーパー上の位置座標(即ち、そのドットパターンがその専用ペーパー上のどの位置にあるのか)をリアルタイムで算出する。なお、ドットパターンを認識する最小単位は2mm×2mmであり、カメラ16は毎秒100回程度の撮影を行う。
次に、専用ペーパーについて説明する。専用ペーパーの構造の一例を図5に示す。図示のように、専用ペーパー20は、台紙30上にドットパターン32が印刷され、その上に罫線などの図案34が印刷されている。台紙30は通常は紙であり、ドットパターン32は前述のようにカーボンを含んだ専用インキにより印刷される。また、通常のインキなどにより図案34が印刷される。ドットパターンと図案とは同時に印刷してもよいし、いずれかを先に印刷してもよい。
図案34の例を図6に示す。図6は、ある申込書36の例であり、複数の記入欄38や送信ボックス39が印刷されている。図6には明確に図示されておらず、詳細は後述するが、実際にはドットパターンが申込書36の全面に印刷されており、その上に記入欄38や送信ボックス39が通常のインキにより印刷されている。利用者は、ドットパターンを意識することなく、従来からある申込書と同様に、電子ペン10を使用して必要事項を申込書36の各記入欄38に記入すればよい。
専用ペーパー20上のエリアは大きく2種類のエリアに分けることができる。1つは記入エリアであり、電子ペン10による記述内容をそのまま情報として取り扱うエリアである。図6の例では複数の記入欄38がこれに該当する。もう1つは機能エレメントであり、対応するエリア内を電子ペン10でチェックした際に、予めそのエリアに対して定義されているアクション、指示などを実行するようになっている。図6の例における送信ボックス39がこれに該当する。
送信ボックス39は前述したように電子ペン10内に記憶されているデータを近傍の端末装置25へ送信するための指示を行う際に使用される。利用者が送信ボックス39内に電子ペン10でチェックを入れると、電子ペン10が送信ボックス内のドットパターンを読み取る。当該パターンは送信指示に対応付けられており、電子ペン10内のプロセッサ11はデータ通信ユニット13にメモリ12内の記憶データの送信命令を発する。
ドットパターンの割り当ては、通常、アプリケーション(用紙の種類)毎に行われる。即ち、ある申込書内のドットパターンは1枚の用紙の中で重複することはないが、同一の申込書には全て同じドットパターンが印刷されている。よって、利用者が電子ペン10で必要事項を入力すると、その入力事項がその申込書のどの項目に対するものであるかを、申込書上の座標データから特定することができる。
このように、ドットパターンを印刷した専用ペーパー上に所定の図案を印刷することにより、専用ペーパーを利用した各種申込書が作成できる。利用者は電子ペン10を使用して通常の要領で必要事項を記入すれば、その電子データが自動的に取得される。
上記の例では、ドットパターンは専用ペーパー上にカーボンを含むインキにより印刷されているが、プリンタ及びカーボンを含むインクを使用してドットパターンを通常の紙上にプリントすることも可能である。さらに、専用ペーパー上の図案も印刷ではなく、プリンタにより形成することも可能である。ドットパターンをプリンタにより紙上に形成する場合には、1枚1枚に異なるドットパターンを形成することが可能である。よって、形成されたドットパターンの違いにより、それらの用紙1枚1枚を識別し、区別することが可能となる。
なお、本明細書においては、「印刷」の語は、通常の印刷のみならず、プリンタによるプリントも含む概念とする。
次に、電子ペンにより取得したデータの送信処理について図2を参照して説明する。電子ペン10が取得したデータは、主として利用者が入力した事項のデータであるが、通常はそのデータの送信先であるサービスサーバがどこであるかの情報は含まれていない。その代わりに、その専用ペーパーに関するアプリケーションやサービスを特定する情報が専用ペーパー上のドットパターンに含まれており、利用者の入力作業中に専用ペーパーからその情報が取得されている。よって、電子ペン10から記入情報を受け取った端末装置25は、まず、問い合わせサーバ26に対して、その専用ペーパーに対して入力されたデータをどのサービスサーバ27へ送信すべきかの問い合わせを行う。問い合わせサーバ26は、専用ペーパー毎に、対応するサービスサーバの情報を有しており、端末装置25からの問い合わせに応じて、当該専用ペーパーに関するサービスなどを行うサービスサーバ27の情報(URLなど)を端末装置25へ回答する。それから、端末装置25は、電子ペンから取得した記入情報をそのサービスサーバ27へ送信することになる。
なお、上記の例では端末装置25、問い合わせサーバ26及びサービスサーバ27が別個に構成されているが、これらの幾つか又は全てを1つの装置として構成することも可能である。本実施形態において後述するサーバは、問い合わせサーバ26及びサービスサーバ27を兼ねていることとしている。また、本実施形態では、記入情報には、ストロークに関するデータ、時間情報及びペンIDが含まれているものとする。
[処理システム]
次に、本実施形態の処理システムについて説明する。図7に処理システム100の概略構成を示す。図7に示す処理システム100は、電子ペン10により、上述の専用ペーパーに記入された情報を取得し、文字かすれの検知及びストロークの特定をした後、所定の処理を行うシステムである。なお、本実施形態では、専用ペーパーとして、電子ペン10が認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票(以下、「帳票」と呼ぶ。)3を使用するものとする。
図7に示すように、処理システム100は、端末装置25及びサーバ5がネットワーク2を通じて接続されることにより構成される。ここで、ネットワーク2の1つの好適な例はインターネットである。また、端末装置25とは、利用者が使用するパーソナルコンピュータ(以下、「PC」と呼ぶ。)や携帯電話といったネットワークを介してデータの授受が可能な端末装置である。電子ペン10により帳票3に記入された記入内容は、記入情報として端末装置25を介し、サーバ5へ送信される。サーバ5は、取得した記入情報に基づいて、文字かすれの検知及びストロークの特定をした後、所定の処理を行う。ここで、文字かすれとは、利用者の筆圧の関係で文字がかすれ、ストロークが途切れてしまうことである。また、ストロークとは、一筆で記入した電子ペン10の軌跡である。さらに、ストロークの特定とは、文字かすれを検知した場合に、文字かすれ前後の2つのストロークを、1つのストロークと特定することである。
つまり、本実施形態の処理システム100によれば、記入情報に基づいて、文字かすれを検知すると共に、文字かすれ前後のストロークを1つのストロークとして取り扱うことで、適切なデータ処理を行うことが可能となる。具体的には、1つの記入エリアに記入されたストローク数に基づいて、数カウントや選択のON/OFF処理等を行う場合に、文字かすれを考慮して適切なストローク数を認識することができるため、特に有用である。なお、記入エリアとは、電子ペン10により記入される帳票3上のエリアのことである。換言すると、帳票3は、複数の記入エリアを有している。
[文字かすれ]
ここで、図8乃至図10を参照し、文字かすれについて詳しく説明する。図8は、文字かすれの検知及びストロークの特定を説明する図である。また、図9は、「正」の字記入による数カウントを説明する図であり、図10は、偶数/奇数による選択のON/OFF処理を説明する図である。
電子ペン10により帳票3に記入を行う場合、利用者が図8(a)に示すように1つのストロークで記入したつもりでも、図8(b)に示すように文字の一部がかすれてしまうことがある。ここで、文字がかすれた部分を文字かすれ50と呼ぶ。図8(b)に示すような場合、サーバ5は、電子ペン10から取得した記入情報に基づいて、複数ストロークと判断してしまうことがある。そのため、ストローク数に基づいたデータ処理を行う場合、誤ったデータ処理が行われてしまう可能性がある。
実施形態では、連続したストロークが途切れた空白時間と、予め設定された文字かすれ判断時間とを比較することにより文字かすれを検知すると共に、文字かすれ前後の2つのストロークを図8(c)に示すように結合して1つのストロークと特定する。即ち、文字かすれ前後の2つのストロークを1つのストロークとして取り扱い、所定のデータ処理を行う。
なお、文字かすれ判断時間とは、文字かすれと判断することができる時間であり、任意に設定することができる。具体的には、空白時間が文字かすれ判断時間より短い場合に、当該空白時間を文字かすれによるものであると特定する。換言すると、空白時間が文字かすれ判断時間より長い場合は、当該空白時間を意図的に区切ったものであると判断し、文字かすれとは特定しない。
次に、図9を参照して、上述の「正」の字記入による数カウントについて詳しく説明する。例えば、図9(a)に示すように、利用者が電子ペン10を使用して1つの記入エリアに文字かすれすることなく「正」の字を記入したとする。この場合、サーバ5は、電子ペン10から取得した記入情報に基づいて、ストローク数は5つであると認識する。
しかし、利用者が電子ペン10を使用して1つの記入エリアに、図9(b)に示すように、文字かすれ52が存在する「正」の字を記入したとする。この場合、サーバ5は、電子ペン10から取得した記入情報に基づいて、ストローク数は6つであると認識する。
「正」の字記入による数カウントは、「正」の字が5つのストロークで構成されていることから、「正」の字1つを5カウントとみなすカウント方式である。そのため、図9(b)に示すように、「正」の字が6つのストロークで構成されていると判断されると、利用者が意図するカウント数とサーバ5が認識するカウント数に誤差が生じる。そのため、適切なデータ処理を行うことができない。
そこで、本実施形態の処理システム100は、空白時間と文字かすれ判断時間を比較することにより、文字かすれ52を検知し、文字かすれ52前後の2つのストロークを1つのストロークと特定する。よって、サーバ6は、図9(c)に示すように、文字かすれ52が存在する「正」の字であっても、ストロークは5つであると認識する。よって、適切なデータ処理を行うことができる。
次に、図10を参照して、上述の偶数/奇数による選択のON/OFF処理について詳しく説明する。なお、本実施形態において、サーバ5は、所定の選択肢が記載された記入エリアに記入されたストローク数が奇数であれば、当該選択肢は選択されたものと判断する。これをON処理と呼ぶ。一方、所定の選択肢が記載された記入エリアに記入されたストローク数が偶数であれば、当該選択肢は取り消し線により取り消されたものと判断する。これをOFF処理と呼ぶ。
まず、利用者が電子ペン10を使用して、選択肢Aが記載された記入エリアに、図10(a)に示すように、丸印(○)を記入したとする。図示のように、この丸印は1つのストロークで記入されている。そのため、サーバ5は、電子ペン10から取得した記入情報に基づいて、選択肢Aが記載された記入エリアに記入されたストローク数を奇数であると認識する。よって、サーバ5は、ON処理を行い、選択肢Aが選択されたものと判断する。
一方、利用者が電子ペン10を使用して、選択肢Bが記載された記入エリアに、図10(b)に示すにように、丸印(○)及び訂正線(−)を記入したとする。図示のように、丸印及び訂正線はそれぞれ1つのストロークで記入されているため、選択肢Bが記載された記入エリアの総ストローク数は2つとなる。そのため、サーバ5は、電子ペン10から取得した記入情報に基づいて、選択肢Bが記載された記入エリアに記入されたストローク数を偶数であると認識する。よって、サーバ5は、OFF処理を行い、選択肢Bの選択は取り消されたものと判断する。
しかし、利用者が電子ペン10を使用して、選択肢Aが記載された記入エリアに、図10(c)に示すように、文字かすれ56が存在する丸印を記入したとする。この場合、サーバ5は、電子ペン10から取得した記入情報に基づいて、ストローク数は2つであると認識する。つまり、サーバ5は、偶数であると認識してOFF処理を行い、選択肢Aの選択は取り消されたものと誤って判断する。
また、利用者が電子ペン10を使用して、選択肢Bが記載された記入エリアに、図10(d)に示すように、丸印及び文字かすれ58が存在する訂正線を記入したとする。この場合、サーバ5は、電子ペン10から取得した記入情報に基づいて、ストローク数は3つであると認識する。つまり、サーバ5は、奇数であると認識してON処理を行い、選択肢Bが選択されたものと誤って判断する。
そこで、本実施形態の処理システム100は、空白時間と文字かすれ判断時間を比較することにより、文字かすれ56を検知し、図10(e)に示すように、文字かすれ56が存在する丸印であっても、1つのストロークであると認識する。よって、サーバ5は、記入エリアに記入されたストロークが奇数であると認識し、選択肢Aが選択されたと正しく判断することができる。
同様に、本実施形態の処理システム100は、空白時間と文字かすれ判断時間を比較することにより、文字かすれ58を検知し、図10(f)に示すように、文字かすれ58が存在する訂正線であっても、1つのストロークであると認識する。よって、サーバ5は、記入エリアに記入されたストロークが偶数であると認識し、選択肢Bの選択は取り消されたと正しく判断することができる。
[検知方法]
次に、図11乃至図14を参照して、文字かすれの検知方法について詳しく説明する。図11は、空白時間と文字かすれ判断時間を比較することによる検知方法を説明する図である。図12は、異なる記入エリア間における文字かすれの検知について説明する図である。図13は、1つの記入エリア内に複数の文字かすれが存在する例である。図14は、1つの記入エリア内に複数の文字かすれが存在する場合における検知方法を説明する図である。
利用者が電子ペン10を使用して帳票3に記入をした際、1つのストロークを記入したつもりでも、図11(a)に示すように、文字の一部がかすれてしまったとする。サーバ5は、まず、電子ペン10から取得した記入情報に基づいて、1つの記入エリアに記入された全てのストロークを抽出する。図11(a)に示すような場合、サーバ5は、記入情報からストローク60及びストローク62の2つを抽出する。さらに、サーバ5は、記入情報に含まれる時間情報に基づいて、ストローク60及びストローク62それぞれの記入開始時刻及び記入終了時刻を特定する。これによれば、図11(b)に示すように、ストローク60の記入終了時刻とストローク62の記入開始時刻に基づいて、空白時間を特定することができる。ここで、空白時間の特定とは、空白時間を検知すると共に、空白時間の長さを算出することである。
そして、サーバ5は、空白時間と、予め設定された文字かすれ判断時間とを比較する。図11(c)に示すように、空白時間が文字かすれ判断時間より長い場合、サーバ5は、ストローク60とストローク62の間の空白を意図的なものであると判断する。よって、サーバ5は、ストローク60とストローク62は別々のストロークであると特定する。一方、空白時間が文字かすれ判断時間より短い場合、サーバ5は、ストローク60とストローク62の間の空白は意図的なものではなく、筆圧等による文字かすれであると判断する。即ち、文字かすれを検知する。よって、サーバ5は、ストローク60とストローク62を1つのストロークであると特定する。
これによれば、文字かすれを検知し、文字かすれ前後のストロークを1つのストロークと特定して取り扱うことで、所定のデータ処理を適切に行うことが可能となる。
なお、上述のような文字かすれの検知は、1つの記入エリア内に記入されたストローク間でのみ行われる。例えば、帳票3が、図12に示すように、第1記入エリア及び第2記入エリアを有しており、利用者は、電子ペン10を使用して、第1記入エリア及び第2記入エリアのそれぞれに図示のような記入を行ったとする。
この場合、電子ペン10は、帳票3に記入された記入情報を、端末装置25を介してサーバ5へ送信する。サーバ5は、まず、エリア情報DB6を参照して、取得した記入情報から各記入エリアに記入されたエリア記入情報を抽出する。ここで、エリア情報DB6とは、帳票3が有する記入エリアと、当該記入エリアのドットパターン上の位置座標との関係を示す情報が記憶されたDBである。サーバ5は、第1記入エリアに記入されたエリア記入情報として、文字かすれ52が存在する「正」の字に関する情報を取得する。また、サーバ5は、第2記入エリアに記入されたエリア記入情報として、文字かすれが存在しない「正」の字に関する情報を取得する。
サーバ5は、同一記入エリア内においてのみ、文字かすれ検知及びストロークの特定を行う。そのため、サーバ5は、第1記入エリアに記入されたエリア記入情報に基づいて、ストロークの記入終了点66と記入開始点68との間の空白時間を特定し、文字かすれ判断時間と比較することで、文字かすれ52を検知する。しかし、サーバ5は、時系列的に連続したストロークであっても、第1記入エリアに記入されたストロークの記入終了点70と、第2記入エリアに記入されたストロークの記入開始点72との間の空白時間は特定しない。即ち、異なる記入エリア間での文字かすれ検知は行わない。
このように、本実施形態の処理システム100は、異なる記入エリア間での文字かすれ検知は行わないが、同一記入エリア内であれば、文字かすれ検知を複数回行うことができる。換言すると、サーバ5は、文字かすれを1箇所検知した後も、同一記入エリア内の文字かすれ検知を引き続き行う。利用者の記入状況によっては、1つの記入エリア内に文字かすれが複数箇所存在することもあるからである。
利用者が、電子ペン10を使用して1つの記入エリア内に、図13に示すような記入を行ったとする。この場合、サーバ5は、電子ペン10から取得した記入情報から、ストローク80、ストローク82及びストローク84の3つを抽出する。そして、サーバ5は、図14(a)に示すように、時間情報に基づいて、ストローク80とストローク82の間の空白時間α及びストローク82とストローク84の間の空白時間βを特定する。即ち、1つの記入エリアに記入された記入情報に基づいて、2つの空白時間を特定する。
そこで、サーバ5は、まず、空白時間αと、文字かすれ判断時間とを比較する。空白時間αが文字かすれ判断時間より短いと判定すると、サーバ5は、文字かすれを検知し、図14(b)に示すように、ストローク80とストローク82を結合して1つのストロークであると特定する。さらに、サーバ5は、空白時間βと、文字かすれ判断時間とを比較する。空白時間βが文字かすれ判断時間より短いと判定すると、サーバ5は、文字かすれを検知し、図14(c)に示すように、既に文字かすれが検知され、ストローク80及びストローク82が結合されたストロークと、ストローク84とを結合して1つのストロークであると特定する。即ち、ストローク80、ストローク82及びストローク84を結合して1つのストロークであると特定する。
このように、本実施形態の処理システム100は、同一エリア内において、文字かすれ検知を複数回行い、検知した全ての文字かすれ箇所を考慮したストローク特定を行う。よって、1つの記入エリアに記入されたストローク数を的確に認識することができ、適切に所定のデータ処理を行うことができる。
[サーバ]
次に、サーバ5について詳しく説明する。図15は、処理システム100における、特にサーバ5の内部構成を示す。図示のように、サーバ5は、データ処理プログラム101、記入情報取得機能102、エリア記入情報抽出機能103、ストローク抽出機能104、空白時間特定機能105、文字かすれ検知機能106、ストローク特定機能107及びデータ処理機能108を有する。なお、各機能は、サーバ5が有するCPUが予め用意されたプログラムを実行することにより実現される。
データ処理プログラム101は、端末装置25を介して電子ペン10から取得した記入情報に基づいて、各記入エリア内の文字かすれ検知及びストローク特定を行うプログラムである。また、データ処理プログラム101は、文字かすれ検知及びストローク特定が終了後、所定のデータ処理を行うプログラムである。
記入情報取得機能102は、データ処理プログラム101を実行することにより、利用者が電子ペン10を使用して帳票3に記入した記入情報を取得する機能である。
エリア記入情報抽出機能103は、記入情報取得機能102が取得した記入情報から、エリア情報DB6を参照して、各記入エリアにそれぞれ記入されたエリア記入情報を抽出する機能である。ここで、図16を参照し、エリア情報DB6について説明する。図16は、エリア情報DB6のデータ構造を模式的に示す図である。図示のように、エリア情報DB6は、エリアID、エリア名及び座標データの項目から構成されている。エリアIDとは、帳票3が有する記入エリアを識別する情報である。エリア名とは、記入エリアの名称である。座標データとは、記入エリアのドットパターン上での位置座標を示すデータである。エリア記入情報抽出機能103は、図示のようなエリア情報DB6の座標データに基づいて、記入情報から容易に各記入エリアに記入されたエリア記入情報を抽出することができる。
ストローク抽出機能104は、エリア記入情報抽出機能103が抽出したエリア記入情報から、全てのストロークを特定する機能である。ここで、ストロークとは、途切れることなく一筆で記入された電子ペン10の軌跡データのことである。
空白時間特定機能105は、時間情報に基づいて、ストローク特定機能104が特定したストローク間の空白時間を特定する機能である。
文字かすれ検知機能106は、空白時間特定機能105が特定した空白時間と、予め設定された文字かすれ判断時間とを比較することで文字かすれを検知する機能である。具体的に、空白時間が文字かすれ判断時間より短い場合に、対応する空白は意図的なものではなく、文字かすれであると判断する。一方、空白時間が文字かすれ判断時間より長い場合に、対応する空白は文字かすれではなく、意図的なものであると判断する。
ストローク特定機能107は、文字かすれ検知機能106が文字かすれを検知した場合に、検知した文字かすれ前後のストロークを結合して、1つのストロークと特定する機能である。また、ストローク特定機能107は、文字かすれ検知機能106が文字かすれを検知せず、空白を意図的なものであると判断した場合に、当該空白の前後のストロークをそれぞれ別々のストロークと特定する機能である。
データ処理機能108は、ストローク特定機能107が特定したストロークに基づいて、所定のデータ処理を行う機能である。
[データ処理]
次に、上記処理システム100により実行されるデータ処理について説明する。図17は、データ処理のフローチャートである。
利用者は、まず、電子ペン10を使用して、帳票3が有する記入エリアに記入を行う。電子ペン10は、記入された記入情報を、端末装置25を介してサーバ5へ送信する。サーバ5は、端末装置25を介して、電子ペン10から記入情報を取得する(ステップS1)。
サーバ5は、エリア情報DB6を参照し、記入情報から各記入エリアに記入されたエリア記入情報を抽出する(ステップS2)。さらに、サーバ5は、抽出したエリア記入情報から、1つの記入エリアに記入された全てのストロークを抽出する(ステップS3)。そして、サーバ5は、抽出した全てのストロークに基づいて、ストローク間の空白時間を特定する。換言すると、1つのエリア記入情報に含まれる全ての空白時間を特定する(ステップS4)。
サーバ5は、特定した空白時間と、予め設定された文字かすれ判断時間とを比較し、空白時間の方が短いか否かを判定する(ステップS5)。空白時間の方が短いと判定した場合(ステップS5;Yes)、サーバ5は、空白時間に対応する空白を文字かすれであると検知する(ステップS6)。そして、サーバ5は、検知した文字かすれ前後のストロークを結合し、1つのストロークと特定する(ステップS7)。一方、空白時間の方が長いと判定した場合(ステップS5;No)、サーバ5は、空白時間に対応する空白を意図的なものであると判断する。そして、サーバ5は、当該空白の前後のストロークは、それぞれ別々のストロークと特定する(ステップS8)。さらに、サーバ5は、ステップS4で特定した全ての空白時間についてステップS5乃至S8の処理を行ったか否かを判定する(ステップS9)。全ての空白時間について行っていない場合(ステップS9;No)、サーバ5は、ステップS5乃至S8の処理を繰り返し行う。
一方、全ての空白時間について行った場合(ステップS9;Yes)、サーバ5は、全てのエリア記入情報に基づいてステップS3乃至S9の処理を行ったか否かを判定する(ステップS10)。全てのエリア記入情報に基づいて行っていない場合(ステップS10;No)、サーバ5は、ステップS3乃至S9の処理を繰り返し行う。一方、全てのエリア記入情報に基づいて行った場合(ステップS10;Yes)、サーバ5は、取得した記入情報及び特定したストロークに基づいて、所定のデータ処理を実行する(ステップS11)。これにより、データ処理を完了する。
このように、本実施形態によれば、同一記入エリア内に連続して記入されたストロークが途切れた時間を空白時間として計測する。そして、空白時間と、予め任意で設定可能な文字かすれ判断時間とを比較し、その大小によって文字かすれであるか、意図的に区切ったものであるかを判断する。さらに、検知した文字かすれ前後のストロークを結合して1つのストロークとして取り扱う。よって、利用者の筆圧等による文字かすれ部分を考慮したデータ処理を実現することができる。そのため、1つの記入エリアに記入されたストローク数に基づいてデータ処理を行うような場合であっても、的確なストローク数を認識し、適切なデータ処理を行うことができる。
なお、本実施形態では、図15に示すように、サーバ5が各種機能を有することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、各種機能を端末装置25が有することとしてもよい。つまり、電子ペン10から記入情報を取得した端末装置25が、文字かすれの検知及びストロークの特定を行うこととしてもよい。
本発明によれば、文字かすれ部分を考慮したデータ処理が実行可能な処理システムとして利用することができる。
電子ペンの使用形態を模式的に示す図である。 電子ペンの構造を示す機能ブロック図である。 専用ペーパーに印刷されたドットパターンによる情報の表現方法を説明する図である。 ドットパターン及びそれに対応する情報の例である。 専用ペーパーにより構成される帳票の構造を示す。 電子ペン用帳票の例を示す。 処理システムの概略構成を示す。 文字かすれの検知及びストロークの特定を説明する図である。 「正」の字記入による数カウントを説明する図である。 偶数/奇数による選択のON/OFF処理を説明する図である。 空白時間と文字かすれ判断時間を比較することによる検知方法を説明する図である。 異なる記入エリア間における文字かすれの検知について説明する図である。 1つの記入エリア内に複数の文字かすれが存在する例である。 1つの記入エリア内に複数の文字かすれが存在する場合における検知方法を説明する図である。 処理システムに含まれるサーバの機能ブロック図である。 エリア情報DBのデータ構造を模式的に示す図である。 データ処理のフローチャートである。
符号の説明
2…ネットワーク
3…電子ペン用帳票
5…サーバ
10…電子ペン
11…プロセッサ
12…メモリ
13…データ通信ユニット
14…バッテリー
25…端末装置
26…問い合わせサーバ
27…サービスサーバ
100…処理システム

Claims (6)

  1. 電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票に記入された情報を処理する処理装置において、
    前記処理装置は、
    前記電子ペンを使用して前記電子ペン用帳票に記入された記入情報を取得する記入情報取得手段と、
    前記記入情報に含まれる時間情報に基づいて、連続した2つのストローク間の空白時間を特定する空白時間特定手段と、
    特定した空白時間が、予め設定された文字かすれ判断時間より短いか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段が、前記空白時間が前記文字かすれ判断時間より短いと判定した場合に、前記空白時間は文字かすれによるものであると検知し、前記2つのストロークを結合して1つのストロークと特定するストローク特定手段と、を備えることを特徴とする処理装置。
  2. 前記電子ペン用帳票は、前記電子ペンにより記入される複数の記入エリアから構成されており、
    前記処理装置は、
    前記記入情報から、各記入エリアに記入されたエリア記入情報を抽出するエリア記入情報抽出手段と、
    1つのエリア記入情報に含まれる全てのストロークを抽出するストローク抽出手段とをさらに備え、
    前記空白時間特定手段は、前記エリア記入情報に含まれる時間情報に基づいて、前記ストローク抽出手段が抽出した全てのストロークにおいて、連続した2つのストローク間の空白時間を特定することを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
  3. 前記空白時間特定手段は、前記ストローク特定手段が1つのストロークと特定したストロークと、前記エリア記入情報に含まれ、連続する他のストロークとの間の空白時間も特定することを特徴とする請求項に記載の処理装置。
  4. 電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された電子ペン用帳票に記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムにおいて、
    前記プログラムは、
    前記電子ペンを使用して前記電子ペン用帳票に記入された記入情報を取得する記入情報取得手段、
    前記記入情報に含まれる時間情報に基づいて、連続した2つのストローク間の空白時間を特定する空白時間特定手段、
    特定した空白時間が、予め設定された文字かすれ判断時間より短いか否かを判定する判定手段、
    前記判定手段が、前記空白時間が前記文字かすれ判断時間より短いと判定した場合に、前記空白時間は文字かすれによるものであると検知し、前記2つのストロークを結合して1つのストロークと特定するストローク特定手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
  5. 前記電子ペン用帳票は、前記電子ペンにより記入される複数の記入エリアから構成されており、
    前記プログラムは、
    前記記入情報から、各記入エリアに記入されたエリア記入情報を抽出するエリア記入情報抽出手段、
    1つのエリア記入情報に含まれる全てのストロークを抽出するストローク抽出手段としてさらに前記コンピュータを機能させ、
    前記空白時間特定手段は、前記エリア記入情報に含まれる時間情報に基づいて、前記ストローク抽出手段が抽出した全てのストロークにおいて、連続した2つのストローク間の空白時間を特定することを特徴とする請求項4に記載のプログラム。
  6. 前記空白時間特定手段は、前記ストローク特定手段が1つのストロークと特定したストロークと、前記エリア記入情報に含まれ、連続する他のストロークとの間の空白時間も特定することを特徴とする請求項に記載のプログラム。
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