JP4827507B2 - アクスルハウジング - Google Patents

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Description

本発明は、車輌すなわち自動車その他の産業用車輌、農業用車輌などにおいて駆動車軸及びディファレンシャルギアなどを収容するアクスルハウジング(車軸ケース)に関する。
車輌のアクスルハウジングは基本的に、車体の左右方向に延出する管状部材(軸管部)と、この管状部材の車体の左右方向の中央部において上下方向に突出する湾曲部と前後方向には平坦部又は凸部とを有するハウジングセンター部からなり、このハウジングセンター部の中央部前方側には開口部、中央部後方側には後方側に突出するように設けられたカバー部が設けられている。
特許文献1には、断面が溝形で長手方向の中央部を半円形に形成した上下一対の溝形成形品を対称的に組み合わせて溶接してなる車軸ケースにおいて、前記溝形成形品の素材として、前記成形品の折曲げ部に相当する位置に長手方向に連続したリブを形成した異形平鋼板を用いてプレス成形し、前記成形品の折り曲げ部の板厚を他の部分より厚くし、角形断面に生じる最大応力を緩和した形状が開示されている。しかしながら、この車軸ケースでは角形断面部を有しているため一部に平面部が存在し、張り剛性が低下するため面振動が生じる問題がある。
特許文献2には、中央にバンジョー部を構成するコ字断面凸部を膨出し、該凸部の左右に軸管部を構成する半円断面凸部を形成した2つの主部材を、対称形に合わせて溶接にて結合すると共に、前記バンジョー部の前後にそれぞれ補強リングとカバーを溶接してなるアクスルハウジングにおいて、前記バンジョー部の膨らみの末端部を上下または左右において非対称位置に設定したアクスルハウジングが開示されている。すなわち、アクスルハウジングの質量を増やすことなく強度を大きくするために、バンジョー部の膨らみの末端部を上下または左右において非対称位置に設定したり、上下の膨らみ末端部の左右の幅を通常より小さくしている。しかしながら、膨らみの末端部の左右の幅を通常より小さくするので、軸管部からバンジョー部(ハウジングのセンター部)にかけて、アクスル車軸方向の断面変化が急峻となる。このため、アクスルハウジングの各部位における加速度などに対する応答周波数を計測すると、固有振動モードに伴う顕著なピーク周波数が生じ、車輌に搭載した際に耳障りな騒音を生じるという問題がある。
また、特許文献3には、ハウジング本体を金属板のプレス加工により形成した中央後部に半殻状の半バックカバー、中央前部に半円状の半開口部、両側方に断面半円状の半筒状部をそれぞれ備えた上半ハウジング部と下半ハウジング部とを溶接合体して構成したアクスルハウジングが開示されている(例えば、特許文献3の図1〜図8参照)。
これによって、部品点数、溶接部分の数・長さを減らし、材料代・プレス金型代・溶接費用などの生産コストを低減すると共に、小型化が容易でかつ部分的な応力集中をなくして強度の向上が可能な車両用アクスルハウジングを提供している。しかしながら、この形状においては、ハウジングセンター部の前部および上下部において一部に平面部を有しており、張り剛性が低下することから面振動が生じる問題がある。また、軸管部からハウジングセンター部中央にかけて、アクスル車軸方向の断面変化が急峻であるため、アクスルハウジングの断面形状が急激に変化する部位が屈曲する振動モードが、ディファレンシャルギアの噛合い周波数と合致する共振現象が生じ、アクスルハウジングの各部位における加速度などに対する応答周波数を計測すると、固有振動モードに伴う顕著なピーク周波数が生じ、車輌に搭載した際に耳障りな騒音を生じるという問題がある。
特開平9−300904号公報 特開2004−231076号公報 特開2002−234309号公報
本発明は上記の問題点に鑑み、応力集中部をなくし、強度、耐久性を確保しつつ、音響振動特性に問題が生じない信頼性の高いアクスルハウジングを提供すると共に、このアクスルハウジングを、部品点数を極力少なくし、製造コストを削減し、成形時に割れなどの問題が生じることなく製造できるアクスルハウジングの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その要旨とするところは以下のとおりである。
本第1発明のアクスルハウジングは、(1)車体の幅方向において、左右の軸管部と、前方側に開口部および後方側にディファレンシャルギアケース後部を有する中央のハウジングセンター部とを有するアクスルハウジングであって、前記ハウジングセンター部前方側のディファレンシャルギアを装着するための前記開口部の周縁部であるディファレンシャルギア装着用の兵端部の前方に突出する突起部を設け、該突起部の頂点が前記開口部の周縁部よりも前方に位置することを特徴とする。
本第2発明のアクスルハウジングは、(2)、本発明の(1)に記載のアクスルハウジングにおいて、前記左右の軸管部と前記ハウジングセンター部との境界部の軸方向水平断面において、接円弧を形成する曲面を設け、前記接円弧の前記ハウジングセンター部側の端部から前記突起部の頂点にかけて、アクスルハウジングの前方の一部又は全部は、滑らかな曲面で形成されていることを特徴とする。
本第3発明のアクスルハウジングは、(3)、本発明の(1)または(2)に記載のアクスルハウジングにおいて、前記境界部の軸方向水平断面において、接円弧を形成する曲面を設け、前記接円弧の前記ハウジングセンター部側の端部から前記突起部の頂点にかけて、アクスルハウジングの前方の一部又は全部は、前方に凸な曲線を形成することを特徴とする。
本第4発明のアクスルハウジングは、(4)、本発明の(1)〜(3)に記載の何れかのアクスルハウジングにおいて、前記境界部の軸方向水平断面において、接円弧を形成する曲面を設け、前記接円弧の前記ハウジングセンター部側の端部の一方から他方にかけて、アクスルハウジングの後方の一部又は全部は、滑らかな曲面で形成されていることを特徴とする。
本第5発明のアクスルハウジングは、(5)、本発明の(1)〜(4)に記載の何れかのアクスルハウジングにおいて、前記境界部の軸方向水平断面において、接円弧を形成する曲面を設け、前記接円弧の前記ハウジングセンター部側の端部の一方から他方にかけて、アクスルハウジングの少なくとも後方の一部又は全部は、後方に凸な曲面で形成されていることを特徴とする。
本第6発明のアクスルハウジングは、(6)、本発明の(1)〜(5)に記載の何れかのアクスルハウジングにおいて、前記ハウジングセンター部の開口部以外を構成する全ての面が滑らかな曲面で形成されていることを特徴とする。
本第7発明のアクスルハウジングは、(7)、本発明の(1)〜(6)に記載の何れかのアクスルハウジングにおいて、前記ハウジングセンター部の垂直方向高さをH(mm)とするとき、ハウジングセンター部は、その長さが軸方向中心から左右両側にそれぞれ(3/4)×H(mm)以上であることを特徴とする。
本第8発明のアクスルハウジングは、(8)、本発明の(1)〜(7)に記載の何れかのアクスルハウジングにおいて、前記ハウジングセンター部の垂直方向高さをH(mm)とするとき、ハウジングセンター部と左右の軸管部との境界部の軸方向断面における曲率半径R(mm)がH以上であることを特徴とする。
本第9発明は、(9)、本発明の(1)〜(8)のいずれか1つに記載のアクスルハウジングの製造方法であって、左右の軸管部と、前方側に突起部を有する開口部形成部と後方側に突出するディファレンシャルギアケース後部とを有するハウジングセンター部を形成するように構成された金型に金属素管を装入し、金属素管内に流体を供給すると共に金属素管を両端から加圧して成形するハイドロフォーム法により製造することを特徴とする。
なお、本発明において、左右の軸管部とハウジングセンター部の境界部とは、ハウジングセンターの幅方向中心部から左右両側にわたる凸な曲面と同一な直径からなる軸管部との境界をいう。
従来のアクスルハウジングの前方側は、開口部と取付面の平坦部を確保するために断面積が前方側と後方側でアンバランスになっていた。それに対し、本発明のアクスルハウジングは、ハウジングセンター部の前方側の開口部の周縁部に突起部を形成したことにより、軸管部の中心軸に垂直な断面における前方側と後方側の断面積の配置のバランスを良好にすることができ、音響振動特性が良好で、かつ耐久性の高いアクスルハウジングとすることができる。
すなわち、本第1発明のアクスルハウジングによれば、アクスルハウジングの前方側で開口部の周辺の剛性が向上するため、走行中のディファレンシャルギアやサスペンション部等から伝播される振動による歪の集中や、振動の増幅が回避され、音響特性が改善され不快音を減少させることができる。また、突起部の頂点を開口部の周縁部よりも前方に位置させることにより車体前後方向における開口部の位置を変えずに、つまりディファレンシャルギアケースの取付け位置を変えることなく、前方側への断面積を増やすことができるため、ギアケース内のオイル量の増加や部品の大型化を回避しつつ、前述の効果を得ることができる。
また、本第2発明のアクスルハウジングによれば、アクスルハウジングの前方の一部又は全部は、滑らかな曲面で形成されていることにより、アクスルハウジングの前方側で開口部の周辺のアクスルハウジングの幅方向(軸方向)に垂直な方向の断面剛性がより一層向上するため、走行中のディファレンシャルギアやサスペンション部等から伝播される振動による歪の集中や、振動の増幅がより一層回避され、音響特性が改善され更に不快音を減少させることができる。
また、本第3発明のアクスルハウジングによれば、アクスルハウジングの前方の一部又は全部を、水平断面で前方に凸な曲線を形成することにより、アクスルハウジングの前方側で開口部の周辺のアクスルハウジングの幅方向(軸方向)に垂直な方向の断面剛性の変化を少なくすることでより一層軸方向の断面剛性が向上するため、走行中のディファレンシャルギアやサスペンション部等から伝播される振動による歪の集中や、振動の増幅がより一層回避され、音響特性が改善され更に不快音を減少させることができる。
また、本第4発明のアクスルハウジングによれば、後方側に突出するディファレンシャルギアケース後部周辺の形状変化が緩やかであり、固有振動モードに伴う顕著なピーク周波数を抑制し、車輌に搭載した際に耳障りな騒音を低減させる。
また、本第5発明のアクスルハウジングによれば、後方側に突出するディファレンシャルギアケース後部周辺の形状が、水平断面で凸な曲線であることにより、ギアケース内のオイル量の増加や部品の大型化を回避しつつ、固有振動モードに伴う顕著なピーク周波数をより一層抑制し、車輌に搭載した際に耳障りな騒音を更に低減させる。
本第6発明のアクスルハウジングによれば、開口部以外を構成する全ての面が滑らかな曲面で形成されていることにより、振動モードがディファレンシャルギアの噛合い周波数と合致する共振現象が生じることがなく、車輌に搭載した際に耳障りな騒音を生じることがない音響振動特性の良好なアクスルハウジングとすることができる。
本第7発明のアクスルハウジングによれば、ハウジングセンター部の長さを軸方向中心から左右両側にそれぞれ(3/4)×H(mm)以上にすることにより、左右の軸管部とハウジングセンター部との境界部付近が振動モードの腹(最大振幅)になることを回避することで、固有振動モードに伴う顕著なピーク周波数をより一層抑制し、車輌に搭載した際に耳障りな騒音を低減させる。
本第8発明のアクスルハウジングによれば、ハウジングセンター部と左右の軸管部との境界部の軸方向断面における曲率半径R(mm)がH以上であることで、より一層左右の軸管部とハウジングセンター部との境界部付近が振動モードの腹(最大振幅)になることを回避でき、固有振動モードに伴う顕著なピーク周波数をより一層抑制し、車輌に搭載した際に耳障りな騒音を低減させる。
本第9発明のアクスルハウジングの製造方法によれば、アクスルハウジングを上下或いは左右に分割して各部材をプレスなどにより成形し、これらの部材を溶接により接合するという従来の方法に比べ、部品点数を少なくして、極めて効率的にアクスルハウジングを製造することができる。
また、走行時に受ける繰り返し荷重により疲労き裂が生じる溶接部が従来の方法に比べ少なくなるため、アクスルハウジングの耐久性も向上することが出来る。
また、ハイドロフォーミング法による製造時に金属素管を両端から加圧して、素材を中央に流入させる際、アクスルハウジングの前方側に突起部を有することで、アクスルハウジングのディファレンシャルギア後部の球状部との前後間の素材流入のバランスが良好となり、従来の形状よりも成形し易くなる。
更に、アクスルハウジングの前方及び後方の突起部を滑らかな曲面や曲線で形成することにより、ハイドロフォーミング法による製造限界が緩和される。
以下、本発明を実施形態の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書において、上下、前後、左右等の記載は、車体に取り付けたアクスルハウジングを車体の正面(前方)から見た場合の位置関係を示すものとする。また、軸方向とは、アクスルハウジングの軸方向を意味し、上記の車体幅方向と略々同じである。また、周方向とは、このアクスルハウジングの軸に垂直な方向をいうものとする。
図21は、従来のアクスルハウジングの形状を示す図であり、(a)は後方からの斜視図、(b)は上面図、(c)は後方の正面図である。
図21に示すように、車体の幅方向において、左右の軸管部3と、前方側に開口部5、後方側にディファレンシャルギアケース後部6とを有する中央のハウジングセンター部2を有している。この従来のアクスルハウジング1では、ハウジングセンター部2は、幅中央部において上下方向に突出するように湾曲部8が形成されている。
また、ハウジングセンター部2の中央部前方側には、ディファレンシャルギアを装着するための開口部5とその周辺に装着用の平坦部5aと開口部の脇の平坦部5bが設けられ、後方側には突出する球状部6a、球状部の脇の平坦部6bとを有するディファレンシャルギアケース後部6が形成されている。
本発明者らは、このアクスルハウジングを後述するようなハイドロフォーム加工方法により製作し、その音響特性を調査した。
その結果を図22に示す。図22は、図21に示した従来の形状のアクスルハウジングの音響特性を示した周波数応答グラフである。なお、この周波数応答は、ハウジングセンター部中央部をハンマリングし、アクスルハウジング本体から数m離れた場所に騒音計を設置し、スペクトルアナライザーで音圧レベルを1/3オクターブ周波数分析して求めたものである。
アクスルハウジングにおいては、車輌の走行中、ディファレンシャルギアの噛み合い振動等との共振やサスペンション部等から伝播される振動により、騒音を増幅させる中周波領域の振動モードが問題となるが、図22に示すように全体的に高い音響応答レベルを示し、音響特性を悪化させていることが判る。
発明者らは、上記のような音響特性の悪化を防止するために、種々の検討を行った結果、ハウジングセンター部中央の前方側の開口部脇の平坦部の剛性が小さく歪が集中することにより、上記の振動モードを誘発していることを知見し、これが音響特性を劣化させていると考えた。
このようなことから、音響特性の劣化を防止するためには、開口部脇の剛性を向上させることが有効であることを見出し、本発明をなしたものである。
図1は、本第1発明の実施態様のアクスルハウジングの形状を示す図であり、(a)は上面図、(b)は後方の正面図、(c)はハウジング前方の部分正面図である。
図1(a)〜(c)において、車体前面側の垂直高さH(mm)を有するハウジングセンター部2の中央部には、ディファレンシャルギアを装着するための開口部5とその周辺に装着用の平坦部5aが設けられ、開口部5の軸管部3側の平坦部5aの周縁の一部に突起部7が形成されている。図1では、突起部7は周縁部のみに形成されているが、図2以降に説明するように、境界部4からハウジングセンター部前方側の開口部5の周縁部にかけて、前方に突出するように設けても良い。
この突起部7の頂点は開口部5の平坦部5aよりも前方にB(mm)だけ突出している。そして、後方側にディファレンシャルギアケース後部6とを有する中央のハウジングセンター部2を有し、ハウジングセンター部2は、幅中央部において上下方向に突出するように湾曲部8が形成されている。
図2は、本第2発明の実施態様のアクスルハウジングを示す図であり、(a)は上面図、(b)は後方の正面図、(c)はハウジング前方の部分正面図である。
図2(a)〜(c)において、車体前面側の垂直方向高さH(mm)を有するハウジングセンター部2の中央部には、ディファレンシャルギアを装着するための開口部5とその周辺の装着用の平坦部5aが設けられ、平坦部5aの周縁部の一部に突起部7が形成されている。この突起部7の頂点は開口部5の平坦部5aよりも前方にB(mm)だけ突出している。
また、境界部4の軸方向水平断面においては、曲率半径R(mm)を有する接円弧(図示しない。後述の図8参照)を形成する曲面となっており(図2(a)参照)、突起部7は境界部からハウジングセンター部前方側の開口部5の周縁部にかけて形成されている。曲率半径Rはより効果的な振動抑制のためには、ハウジングセンター部の垂直方向高さH(mm)以上であることが好ましい。
更に、接円弧のハウジングセンター部側の端部から突起部7にかけて、アクスルハウジングの前方の一部又は全部は、滑らかな曲面7aで形成されている。
すなわち、ハウジングセンター部の軸方向及び周方向(軸方向に垂直な方向)の断面が滑らかな曲面であれば良く、図2(a)に示すように、境界部から突起部にかけての曲線が前方に凹状でもいいし、後述する図7に示すように前方に凸状でも良く、その他、3次元形状等でも良く、形状を限定するものではない。
一方、図1(a)、図2(a)に示すように、ハウジングセンター部2の中央部の後面側は、後方に突出するディファレンシャルギアケース後部6が設けられ、その左右の湾曲部8の後方でディファレンシャルギアケース後部6の脇には従来のアクスルハウジングと同様に平坦部6bは残存している。
図3は、図2に示したアクスルハウジングの上面図である。また、図4(i)〜(vi)は、図3に示したアクスルハウジングの幅方向(軸方向)に垂直な方向の断面形状を示す模式図であり、図3の(i)〜(vi)の位置にそれぞれ対応して示している。
図4(iii)〜(vi)から判るように、アクスルハウジングの前方側において、境界部における接円弧のハウジングセンター部側の端部から突起部の頂点にかけて、アクスルハウジングの前方の一部又は全部は、滑らかな曲面で形成されている。
なお、図5は、図2のアクスルハウジングをハイドロフォーム加工法により成形した際の最終状態の例を示す上方断面図である。ハウジングセンター部の車体前方側の開口部周辺の軸管側の一部に突起部7が形成され、軸管部とハウジングセンター部との境界部から突起部に至る部分が滑らかな曲面7aにより形成されている。
なお、ハウジングセンター部の前方側の突起部7の高さB(mm)については、軸管部3からハウジングセンター部2へ滑らかな曲面を確保するため、ハウジングセンター部の垂直方向高さH(mm)の1/20〜1/5倍程度が好ましい。また、突起部7の軸方向に垂直な断面におけるアクスルハウジングの前方の曲率半径Rp(mm)については、平坦部がなく滑らかな曲面を保持するため、ハウジングセンター部の垂直高さH(mm)の3/4倍以下で、左右の軸管部の半径以上の範囲であることが好ましい。
ハイドロフォーム加工により製作した上述のような形状のアクスルハウジングについて音響特性を調査した。図6は、図2に示した形状のアクスルハウジングの音響特性として周波数応答を示す図である。なお、この周波数応答は、ハウジングセンター部中央部を打撃し、アクスルハウジング本体から数m離れた場所に騒音計を設置し、スペクトルアナライザーで音圧レベルを1/3オクターブ周波数分析して求めたものである。比較のため、図21に示した従来形状のアクスルハウジングの音響応答も併せて記載している。
図6から判るように、従来のアクスルハウジングの音響応答レベルより、各周波数帯域において数dB低下しており、音響特性が向上している。また、図1に示したアクスルハウジングの場合、図2に示すアクスルハウジングの音響特性には及ばないものの、図21に示す従来のアクスルハウジングより振動が低減されることを知見した。
すなわち、上述のような形状を確保することにより、ハウジングセンター部の前方側において開口部脇の剛性が向上したため、ハウジングセンター部の面振動がさらに低減され、良好な音響特性を得ることができる。
図7は、本第3発明の実施態様のアクスルハウジングを示す図であり、(a)は上面図、(b)は後方の正面図、(c)はハウジング前方の部分正面図である。
また、図8は、管状部材(軸管部)とハウジングセンター部の境界における接円弧Rを表わす図である。図8に示すように、アクスルハウジングの前方側において、境界部における接円弧(点線で示す。本発明で共通する)のハウジングセンター部側の端部から突起部の頂点にかけて、アクスルハウジングの前方の一部又は全部は、前方に凸な曲線で形成されている点が図2と相違する(図7(a)参照)。すなわち、アクスルハウジングの前方は凸な曲面7aで形成されている。係る構成とすることにより、一層軸方向の断面剛性が向上する。
図9は、本第4発明の実施態様のアクスルハウジングを示す図であり、(a)は上面図、(b)は後方の正面図、(c)はハウジング前方の部分正面図である。
図9に示すように、アクスルハウジングの後部の一部又は全部は、滑らかな曲面で形成されている点が図2と相違する。
本第2発明と同様に、「滑らかな曲面」とは図9(a)に示すように、ディファレンシャルギアケース後部の曲線が後方に凹状でも良いし、後述する図10に示すように前方に凸状でも良く、その他、3次元形状等でも良く、形状を限定するものではない。
係る構成とすることにより、固有振動モードに伴う顕著なピーク周波数を抑制することができる。
図10は、本第5発明の実施態様のアクスルハウジングを示す図であり、(a)は上面図、(b)は後方の正面図、(c)はハウジング前方の部分正面図である。
図10に示すように、接円弧(図示しない。図8参照)のハウジングセンター部側の端部の一方から他の端部にかけて、アクスルハウジングの後方の一部又は全部は、後方に凸な曲線で形成されている点が図9と相違する(図10(a)参照)。
すなわち、アクスルハウジングの軸管部3とハウジングセンター部2との境界部4における接円弧のハウジングセンター部側の端部から他方の境界部における接円弧のハウジングセンター部側の端部にかけて、アクスルハウジングの後方の一部又は全部は、水平断面において、後方に凸となる曲率をもっており、周方向断面における周長が、上記境界部4からハウジングセンター部2の中央にかけて徐々に増加する膨出形状となっている。従って、この膨出形状は後方側のみに限ることなく、一部は上下方向側に伸びても良いことはいうまでもない。
なお、図10に示す突起部7は境界部4から突起部7の頂点にかけて、水平断面で前方に凸な形状となっているが、これに限定するものではなく、図1、図2に示す形状でも良く、後述する図11(d)のように、水平断面で前方に凹状となっていても構わない。
係る構成とすることにより、固有振動モードに伴う顕著なピーク周波数をより一層抑制できる。
次に、図11も、本第5発明の別の実施態様を示す図であり、(a)は後方からの斜視図、(b)は前面の正面図、(c)は後方の正面図、(d)は(c)のA−A視断面模式図である。また、図12は、図11のアクスルハウジングの上面図である。
図10と比べ、前方部の水平断面が凹状である点で相違する(図11(d)参照)。また、図10は後方の全部が凸な曲面であるのに対し、図11は後方の一部が凸な曲面である点でも相違する(図11(d)参照)。
図11(a)〜(d)において、アクスルハウジング1には、垂直高さHを有するハウジングセンター部2とその前面側の中央部に、ディファレンシャルギアを装着するための開口部5とその周辺に装着用の平坦部5aが設けられ、開口部5の軸管部3側の平坦部5aの周縁の一部に突起部7が形成されている。
この突起部7の頂点は、開口部5の平坦部5aよりもB(mm)だけ前方に突出している。そして、この突起部7からハウジングセンター部2と軸管部3と境界部4にかけては、軸方向(幅方向)及び周方向に曲率を有した前方に凸な曲面7aで形成されている。
すなわち、ハウジングセンター部の軸方向及び周方向(軸方向に垂直な方向)の断面が、前方に凸となる曲率をもっている。
一方、ハウジングセンター部2の後面側は、ハウジングセンター部2と軸管部3の境界部4からハウジングセンター部の幅方向中央部までが、ディファレンシャルギアケース後部6を一体として含め、軸方向(幅方向)及び周方向に曲率を有した連続した後方に凸な曲面10で形成されている。すなわち、アクスルハウジングの軸管部3とハウジングセンター部2との境界部4から、ハウジングセンター部2の幅方向中央までの軸方向及び周方向の断面が少なくとも後方に凸となる曲率をもっており、周方向断面における周長が、上記境界部4からハウジングセンター部2の中央にかけて徐々に増加する膨出形状となっている。従って、この膨出形状は後方側のみに限ることなく、一部は上下方向側に伸びても良いことはいうまでもない。
係る構成とすることにより、固有振動モードに伴う顕著なピーク周波数をより一層抑制することができる。
図12は、図11に示すアクスルハウジングの上面図であり、また、図13(i)から(vii)は、図11のアクスルハウジングの幅方向(軸方向)に垂直な断面形状を示す模式図であり、図12の(i)から(vii)の位置にそれぞれ対応して示している。図13から判るように、図11のアクスルハウジングのハウジングセンター部の中央から左右にそれぞれ(3/4)×H以上の位置、すなわち、図12(vii)の位置までの範囲において、アクスルハウジングの少なくとも後方側は、各断面が後方に凸な形状となっている。
また、前方側においては、図12(iv)から(vii)の位置までの範囲において前方に凸な曲面となっている。すなわち、ハウジングセンター部の幅方向の上記の範囲は、全体としては、軸方向及び周方向に曲率を持つ曲面により外側に膨出した形状となっている。なお、この膨出形状は後方側及び前方側のみに限ることなく、一部は上下方向側に伸びても良いことはいうまでもない。また、ハウジングセンター部と左右の軸管部とは、滑らかな面で形成されている。
また、ハウジングセンター部の後方側の後方に凸な曲面の軸方向に垂直な断面における曲率半径Rpは、とくに限定するものではなく、ハウジングセンター部の少なくとも後方側において平坦部や屈曲部などの急峻な形状変化がないようにすればよいが、好ましくは、Hをハウジングセンター部の垂直方向の高さとすると、軸方向に垂直な断面におけるその曲率半径Rpは、(3/4)×H以下で、左右の軸管部の半径以上の範囲とすることが好適である。
なお、図14は、図11のアクスルハウジングをハイドロフォーム加工法により成形した最終状態の例を示す上方断面図である。
上述のような形状のアクスルハウジングをハイドロフォーム加工により製作し、音響特性を調査した。図15には、図11に示したアクスルハウジングの音響特性として周波数応答を示す図である。なお、この周波数応答は、図6の場合と同様、ハウジングセンター部中央部を打撃し、アクスルハウジング本体から数m離れた場所に騒音計を設置し、スペクトルアナライザーで音圧レベルを1/3オクターブ周波数分析して求めたものである。比較のため、図21に示した従来の形状のアクスルハウジングの音響応答も併せて記載している。
図15から判るように、従来のアクスルハウジングの音響応答レベルより、各周波数帯域において数dBから10dB程度低下しており、音響特性がさらに向上している。
すなわち、以上のような本発明の形状を確保することにより、ハウジングセンター部の前方側において開口部周辺の剛性が向上し、さらに、ハウジングセンター部の後方側において平坦部がなくなり、かつ、ハウジングセンター部2と軸管部3の境界部4からハウジングセンター部の中央部までが、ディファレンシャルギアケース後部6を一体として含め、軸方向(幅方向)及び周方向に曲率を有する連続した少なくとも後方に凸な曲面10で形成されているため、すなわち、アクスルハウジングの周方向断面(軸方向に垂直な方向の断面)の周長がハウジングセンター部2と軸管部3の境界部4からハウジングセンター部の中央に向かって徐々に増加するように滑らかに変化するので、ハウジングセンター部の面振動がさらに低減され、良好な音響特性が得られる。
次に、図16は、本第6発明の別の実施態様のアクスルハウジングを示す図であり、(a)は平面図、(b)は後方の正面図、(c)は前方の部分正面図である。
図16(a)〜(c)において、アクスルハウジング1には、垂直高さHを有するハウジングセンター部2とその前面側の中央部に、ディファレンシャルギアを装着するための開口部5とその周辺に装着用の平坦部5aが設けられ、開口部5の軸管部3側の平坦部5aの周縁の一部に突起部7が形成されている。
この突起部7の頂点は、開口部5の平坦部5aよりもB(mm)だけ前方に突出している。そして、この突起部7からハウジングセンター部2と軸管部3と境界部4にかけては、開口部5以外を構成する全ての面が滑らかな曲面7aで形成されている。滑らかな曲面であれば特に限定せず、例えば水平断面で凸状の他に、凹部、3次関数の形状であっても良い。
係る構成とすることにより、振動モードがディファレンシャルギアの噛合い周波数と合致する共振現象が生じることがなくなる。アクスルハウジングのハウジングセンター部が前方及び後方を含めて、全体として幅方向及び周方向に曲率を持ち、外側に膨出するような形状とすることが好ましいことはいうまでもない。
なお、本第7発明で規定するように、ハウジングセンター部2の長さは、ハウジングセンター部の幅方向中心から左右両側にそれぞれ(3/4)×H(mm)以上とすることが好ましい。また、本第8発明で規定するように、ハウジングセンター部と左右の軸管部との境界部の軸方向断面における曲率半径、つまり接円弧(図示しない。図8の参照)の曲率半径R(mm)がハウジングセンター部の垂直方向の高さH(mm)以上であることが好ましい。このようにすると、より一層左右の軸管部とハウジングセンター部との境界部付近が振動モードの腹(最大振幅)になることを回避でき、固有振動モードに伴う顕著なピーク周波数をより一層抑制できる。
次に、本発明品をハイドロフォーム加工方法にて製作する方法を説明する。
図17(a)〜(d)は、中間成形品を製作する方法を説明する第1工程の概要図であり、図18(a)、(b)は、中間成形品から最終製品を製作する第2工程を説明する概要図である。
このハイドロフォーム加工方法に用いる第1工程の金型構成は図17(a)〜(d)に示すように、金属素管20を収容する成形金型21と、金属素管20に対し内部に高圧流体を供給すると共に両端部を軸方向から押し込む左右一対の軸押し用可動金型27、28と、可動金型を軸方向に押し込むと同時に金属素管のバーストと座屈を防止するために軸直角方向に拡張するカウンターパンチ29、30を備える。
この可動金型27、28の内部斜面角度及び斜面形成位置は、金属素管20がバーストや座屈限界以内と想定される角度や位置に設定しており、軸方向に押し込みながら金属素管20が膨張空間にて膨張して成形されていく際、膨張部の端より可動金型傾斜部に沿うように金属素管20が膨張成形をコントロールしていく。
カウンターパンチ29、30は、金属素管20がバ−ストや座屈すると想定される位置に配置されており、金属素管20が膨張空間にて膨張して成形されていく初期または途中の段階から膨張中の管に接触しながら,金属素管20の膨張に応じて移動できるように構成されている。カウンターパンチ29、30が設置される側の成形金型21にはカウンターパンチ29、30をスライドさせるカウンターパンチ用シリンダ(図示しない)が設けられており、成形過程に負荷される内圧により受ける荷重以上の支持が可能になっている。カウンターパンチ用シリンダは制御装置により任意に制御が可能となっており、任意のパターンでカウンターパンチ29、30を制御することが可能である。
次に、上記したハイドロフォ−ム加工方法の工程を図19(a)〜(c)及び図20(a)〜(c)に従って詳しく説明する。図19(a)〜(c)は、成形金型21に金属素管20をセットした状態である。この時点ではカウンターパンチ29、30は金属素管20と接触しない初期位置に待避している。図20(a)〜(c)は、第1工程の拡管成形の最終状態である。最終状態ではカウンターパンチ29、30のスライドが終了し、金属素管と接触した状態で拡大位置に戻る。
次に、第1工程で成形された中間成形品31を、図18(a)、(b)に示すような金型構成の最終工程で最終成形品とする。最終工程では、図18(a)、(b)に示すように、中間成形品31を収容する成形金型32と、金属素管20に対し内部に高圧流体を供給すると共に両端部を軸方向から押し込む左右一対のシリンダヘッド22、23を備える。
なお、金型32の内壁面は、少なくとも左右の軸管部と、前方側に開口部形成部と後方側に膨出するディファレンシャルギアケース後部とを有するハウジングセンター部が形成されるように凹凸が形成されている。この拡管成形の際、アクスルハウジングの前方側に突起部を有することで、アクスルハウジングのディファレンシャルギア後部との前後間の素材流入のバランスが良好となり、従来の形状よりも成形し易くなる。
図5、図14および図18(a)、(b)は、前述のように、本発明のアクスルハウジングをハイドロフォーム加工方法により製作した場合の上面横断面図(ハイドロフォーム装置の横断面図)であり、最終工程で拡管成形が終了した状態である。突起部7を含め、各形状が前述の工程を経て成形される。この突起部7を含む各形状を滑らかな曲面や曲線で形成することにより、ハイドロフォーミング法による製造限界が緩和される。
また、ハイドロフォーミング法で製造することで、プレス法などによりアクスルハウジングを上下或いは左右に分割して各部材を成形し、これらの部材を溶接により接合する従来の方法に比べ、部品点数が少なく極めて効率的に製造できるだけでなく、走行時に受ける繰り返し荷重で疲労き裂が生じる溶接部が少なくなるため、耐久性も向上する。
なお、アクスルハウジングのハウジングセンター部前方側の開口部は、拡管終了後、前記の開口部形成部を切断除去することにより設けることができる。
本発明のアクスルハウジングの製造方法として、ハイドロフォーム加工法により一体に成形した場合を例にとって説明したが、これに限定されるものではなく、本発明のアクスルハウジングを上下あるいは前後、左右方向に分割し、それぞれの部位をプレス成形で製造し、これらを溶接などにより接合して製作することができることは言うまでもない。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)
外径60.5mm×板厚3.2mmの機械構造用鋼管を用いてH=200mm、突起部の高さ=20mm、突起部の長さ=157.5mm、片側の軸管部の長さ=312.5mm、ハウジングセンター部の長さ=515mm、境界部から突起部までのアクスルハウジングの前方の曲率半径=300mm、ディファレンシャルギアケース後部の曲率半径=95mm、境界部における接円弧の曲率半径R=200mmを有する図7に示すような形状のアクスルハウジングをハイドロフォーム加工法により製作した。尚、曲率半径は水平断面の値とする(以下同じ)。
(実施例2)
外径60.5mm×板厚3.2mmの機械構造用鋼管を用いてH=200mm、ハウジングセンター部の長さ=515mm(幅方向中心から左右それぞれ(3/4)×H)、片側の軸管部の長さ=312.5mm、境界部から突起部までのアクスルハウジングの前方の曲率半径=300mm、ディファレンシャルギアケース後部の曲率半径=300mm、境界部における接円弧の曲率半径R=200mm、突起部の高さ=20mm、突起部の長さ=157.5mmを有する図11に示すような形状のアクスルハウジングをハイドロフォーム加工法により製作した。
(比較例)
一方、比較のため、外径60.5mm×板厚3.2mmの機械構造用鋼管を用いてH=200mm、ディファレンシャルギアケース後部の外形=180mm、高さ(後方への突出高さ)=45mm、ハウジングセンター部の長さ=500mm、片側の軸管部の長さ=320mm、を有する図21に示す形状のアクスルハウジングをハイドロフォーム加工法により製作した。図21に示したように、比較例のアクスルハウジングのハウジングセンター部は、車体前方側、後方側に平坦部5a、6bを有している。
実施例1、2、及び比較例のアクスルハウジングについて音響特性を調査し、その結果は、それぞれ図6、図15および図22に示したような周波数応答グラフと同様であった。図6及び図15に示したように、本発明品は、全体的な音響応答レベルが低く、良好な音響特性を示している。一方、図21に示す比較例のアクスルハウジングついては、ハウジングセンター部に平面部が存在し、断面変化が急激な箇所を有しているため、図22に示すように、全体的な音響レベルが高く、音響特性が悪化している。
本第1発明のアクスルハウジングの形状を示す図であり、(a)は上面図、(b)は後方の正面図、(c)はハウジング前方の部分正面図である。 本第2発明のアクスルハウジングの形状を示す図であり、(a)は上面図、(b)は後方の正面図、(c)はハウジング前方の部分正面図である。 図2に示したアクスルハウジングの上面図である。 図2に示したアクスルハウジングの幅方向(軸方向)に垂直な断面形状を示す模式図であり、(i)〜(vi)は図3の(i)〜(vi)の位置にそれぞれ対応して示す。 図2に示したアクスルハウジングをハイドロフォーム加工法により成形した状態の例を示す上方断面図である。 図2に示したアクスルハウジングの音響特性を示す図である。 本第3発明のアクスルハウジングの形状を示す図であり、(a)は上面図、(b)は後方の正面図、(c)はハウジング前方の部分正面図である。 管状部材(軸管部)とハウジングセンター部の境界における接触弧Rを表す図である。 本第4発明のアクスルハウジングの形状を示す図であり、(a)は上面図、(b)は後方の正面図、(c)はハウジング前方の部分正面図である。 本第5発明のアクスルハウジングの形状を示す図であり、(a)は上面図、(b)は後方の正面図、(c)はハウジング前方の部分正面図である。 本第5発明の他の実施態様を示す図であり、(a)は後方からの斜視図、(b)は前面の正面図、(c)は後方の正面図、(d)は(c)のA−A視(軸方向)の断面模式図である。 図11に示したアクスルハウジングの上面図である。 図11に示したアクスルハウジングの幅方向(軸方向)に垂直な断面形状を示す模式図であり、(i)〜(vii)は、図12の(i)〜(vii)の位置にそれぞれ対応して示す。 図11に示したアクスルハウジングをハイドロフォーム加工法により成形した状態の例を示す上方断面図である。 図11に示したアクスルハウジングの音響特性を示す図である。 本第6発明のアクスルハウジングの形状を示す図であり、(a)は上面図、(b)は後方の正面図、(c)はハウジング前方の部分正面図である。 本発明の実施例における第1工程のハイドロフォーム用加工金型の例を示すもので、図は下型であるが、上下金型は同形状であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は(a)のA−A断面図、(d)は可動金型の斜視図である。 本発明の実施例においてアクスルハウジングをハイドロフォーム成形する際の最終工程を示す図であり、(a)は加工前の状態、(b)は加工終了後の状態を示す。 本発明の第1工程のハイドロフォーム加工方法の初期状態を説明する断面概要図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は(a)のA−A断面図である。 本発明の第1工程のハイドロフォーム加工方法の最終状態を説明する断面概要図であり、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は(a)のA−A断面図である。 従来のアクスルハウジングの形状を示す図であり、(a)は後方からの斜視図、(b)は上面図、(c)は後方の正面図である。 図21に示した従来のアクスルハウジングの音響特性を示す図である。
符号の説明
1 アクスルハウジング
2 ハウジングセンター部
3 左右の軸管部
4 境界部
5 開口部
5a 開口部の平坦部
5b 開口部脇の平坦部
6 ディファレンシャルギアケース後部
6a ディファレンシャルギアケース後部の球状部
6b ディファレンシャルギアケース後部の球状部脇の平坦部
7 突起部
7a 突起部の曲面
8 湾曲部
9 ハウジングセンター部前方側の曲面
10 ハウジングセンター部後方側の曲面
20 金属素管
21 成形金型
22、23 軸押し用シリンダヘッド
24 作動流体注入用流路
26 成形品
27、28 可動金型
29、30 カウンターパンチ
31 中間成形品
32 最終工程成形金型

Claims (9)

  1. 車体の幅方向において、左右の軸管部と、前方側に開口部および後方側にディファレンシャルギアケース後部を有する中央のハウジングセンター部とを有するアクスルハウジングであって、前記ハウジングセンター部前方側のディファレンシャルギアを装着するための前記開口部の周縁部であるディファレンシャルギア装着用の平坦部の前方に突出する突起部を設け、該突起部の頂点が前記開口部の周縁部よりも前方に位置することを特徴とするアクスルハウジング。
  2. 前記左右の軸管部と前記ハウジングセンター部との境界部の軸方向水平断面において、接円弧を形成する曲面を設け、前記接円弧の前記ハウジングセンター部側の端部から前記突起部の頂点にかけて、アクスルハウジングの前方の一部又は全部は、滑らかな曲面で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアクスルハウジング。
  3. 前記境界部の軸方向水平断面において、接円弧を形成する曲面を設け、前記接円弧の前記ハウジングセンター部側の端部から前記突起部の頂点にかけて、アクスルハウジングの前方の一部又は全部は、前方に凸な曲線を形成することを特徴とする請求項1又は2記載のアクスルハウジング。
  4. 前記境界部の軸方向水平断面において、接円弧を形成する曲面を設け、前記接円弧の前記ハウジングセンター部側の端部の一方から他方にかけて、アクスルハウジングの後方の一部又は全部は、滑らかな曲面で形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のアクスルハウジング。
  5. 前記境界部の軸方向水平断面において、接円弧を形成する曲面を設け、前記接円弧の前記ハウジングセンター部側の端部の一方から他方にかけて、アクスルハウジングの後方の一部又は全部は、後方に凸な曲線を形成することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のアクスルハウジング。
  6. 前記ハウジングセンター部の開口部以外を構成する全ての面が滑らかな曲面で形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のアクスルハウジング。
  7. 前記ハウジングセンター部の垂直方向高さをH(mm)とするとき、ハウジングセンター部は、その長さが軸方向中心から左右両側にそれぞれ(3/4)×H(mm)以上であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のアクスルハウジング。
  8. 前記ハウジングセンター部の垂直方向高さをH(mm)とするとき、ハウジングセンター部と左右の軸管部との境界部の軸方向断面における曲率半径R(mm)がH以上であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のアクスルハウジング。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のアクスルハウジングの製造方法であって、
    左右の軸管部と、前方側に突起部を有する開口部形成部と後方側に突出するディファレンシャルギアケース後部とを有するハウジングセンター部を形成するように構成された金型に金属素管を装入し、金属素菅内に流体を供給すると共に金属素菅を両端から加圧して成形するハイドロフォーム法により製造することを特徴とするアクスルハウジングの製造方法。
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