JP4070206B2 - アクスルハウジング - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、主として大、中型トラック等の後車軸に使用される、アクスルハウジング(アクスルケース)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、前記アクスルハウジングは比較的厚い鋼板を用いて、各構成部材をプレス成形した後、これらを溶接等で組み立てられている。即ちこれを図3、図4により説明すると、アクスルハウジング1は、中央にバンジョー部2を構成するコ字断面凸部(膨らみ)3、4を膨出し、該凸部3、4の左右に直管部を構成するコ字断面又は半円断面直線部5、6を形成した2つの鋼板製主部材7、8を、製品時中央に形成される円形穴部9に面した三角板10を挾みつつ、対称形に合せて突合わせアーク溶接にて結合し、前記円形穴部9を形成するバンジョー部2の前後にそれぞれ補強リング11とカバー12を溶接してなる。
【0003】
そして、従来のアクスルハウジング1においては、図4に示すように前記三角板10の円形穴部9に面する側(端面)10aは該穴部9と合致した円弧で形成されていた。
【0004】
ところで、図4に示した従来のアクスルハウジング1では、次のような問題がある。即ち前記三角板10は、前述のように上下の主部材7、8に突合わせアーク溶接にて結合されるが、前記円形穴部9の周囲には補強リング11またはカバー12が溶接されるため、平面を確保する必要上、三角板10と主部材7、8との突合せ溶接時の余盛りをグラインダ等で除去しなければならず、このための組立工数の増加が著しいばかりでなく、三角板10の溶接部の実質喉厚を減少させ、この付近の強度を低下せしめるおそれがあった。
【0005】
また、前記工数増加を避けるために、前記補強リング11またはカバー12が接する箇所において、三角板10と上下の主部材7、8との突合わせアーク溶接をなくすことも検討されたが、これは前述の三角板10と主部材7、8との溶接時の余盛りを除去する場合よりさらにこの付近の強度の低下が著しい。
【0006】
上記強度の低下を補うため、前記補強リング11やカバー12の裏側を溶接することも実施されているが、当該アクスルハウジング1を搭載した車両の走行時に路面からの負荷の入力によって、三角板10と主部材7、8との溶接箇所に過大な応力を生ずることがあり、上記方策では充分な対策とならない場合もあった。
【0007】
もっとも、前記三角板10を廃止し、三角板の水平中心線から上下の部分をそれぞれ上下の主部材7、8と一体成形する構造の板金製アクスルハウジング(例えば特開平11−208207号公報の図9に示されるごとき)であれば、前記三角板を使用する場合の強度上及び工数上の問題点はほぼ解決されるので、実用化も進んでいるが、この主部材の展開形状は三角板10を使用する場合の主部材7、8の展開形状より複雑となるため、材料の歩留りが非常に悪く、これが材料費の増加に結びつくほか、主部材の成形性の悪化からくる部品加工歩留りの低下や、上下主部材の接合面の精度低下に伴う組立て品質及び組立作業性の低下を招くおそれがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
よって本発明の課題は、上下の主部材間に三角板を使用しこれらを溶接で接合しつつ、しかも前記余盛を除いても結果的に三角板と主部材の接合部付近の強度が低下することのないアクスルハウジングを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明アクスルハウジングは、中央にコ字断面凸部を膨出し、該凸部の左右にコ字断面又は半円断面直線部を形成した2つの主部材を、中央の円形穴部に面して三角板を挾んで対称形に合せ、相接する面を溶接にて結合するとともに、前記円形穴部の前後にそれぞれ補強リングとカバーを溶接してなるアクスルハウジングにおいて、前記三角板の前記穴部側端面より凹部を形成し、前記穴部周りの応力と歪を前記凹部に集中させるようにしたことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を、図3及び図4と同一の符号は同一のものを現すものとして図1及び図2により説明すると、本発明アクスルハウジング21は、中央にコ字断面凸部3、4を膨出し、該凸部3、4の左右にコ字断面又は半円断面直線部5、6を形成した2つの主部材7、8を、中央の円形穴部9に面して三角板22を挾んで対称形に合せ、相接する面を溶接にて結合するとともに、前記円形穴部9の前後にそれぞれ補強リング11とカバー12を溶接してなるアクスルハウジングにおいて、三角板22または23の前記穴部側端面より凹部24または25を形成し、前記穴部9周りの応力と歪を前記凹部24または25に集中させるようにしたものである。
【0011】
図1及び図2に示す実施例について更に詳細に説明する。
図1の例では、三角板22の穴部側端面より形成する凹部24は、一つの深皿の断面の如き形状をしており、その長さはほぼ前記円形穴部9に面した三角板22側面の円弧長さLの50乃至80%の範囲とし、また、その深さは補強リング11の幅またはカバー12のフランジの幅以内で、前記円弧長さLの10乃至20%の範囲とし、最終的には実験等により決定する。
【0012】
図2の例では、三角板23の穴部側端面より形成する凹部25は、ディファレンシャルギヤの取り付けねじ穴26のボス部27を挾んで二分されているが、二分された凹部25の全体の長さはほぼ前記円形穴部9に面した三角板23側面の円弧長さL’の50乃至80%の範囲とし、また、その深さは前記同様、補強リング11の幅またはカバー12のフランジの幅以内で、前記円弧長さL’の10乃至20%の範囲とし、これも最終的には実験等により決定する。
【0013】
なお、前記凹部24及び25の長さ及び深さの数値に関する限定は、その範囲未満であれば応力集中の緩和効果が充分でなく、また、その範囲を超えるときは強度を減ずることが発明者等により確かめられている。
【0014】
また、凹部24または25を形成した三角板22または23は、通常補強リング11より強度的に劣るカバー12を取り付ける側の主部材7、8間に接合するとよいが、補強リング11を取り付ける側の主部材7、8間にも接合するときは、4枚の三角板24または25がすべて共通化でき、これら三角板24または25を加工する金型が少なくて済み、アクスルハウジングの製造コストの上昇を抑えられる。また、三角板に凹部を形成することによる軽量効果を増大する。
【0015】
上記のように構成した図1、図2によれば、前記負荷により生ずるアクスルハウジング1の円形穴部9周りの応力と歪みを、三角板22または23の前記凹部24または25に集中させ、これによって三角板22又は23と主部材7、8の接合部の応力を緩和する。そしてこの応力の緩和は、溶接接合部に生ずる形状乃至は金属組織の不連続とこれを原因とする疲労亀裂をなくすことになる。
【0016】
【発明の効果】
本発明アクスルハウジングは、中央にコ字断面凸部を膨出し、該凸部の左右にコ字断面又は半円断面直線部を形成した2つの主部材を、中央の円形穴部に面して三角板を挾んで対称形に合せ、相接する面を溶接にて結合するとともに、前記円形穴部の前後にそれぞれ補強リングとカバーを溶接してなるアクスルハウジングにおいて、前記三角板の前記穴部側端面より凹部を形成し、前記穴部周りの応力と歪を前記凹部に集中させるようにしたので、上下の主部材間に三角板を使用しこれらを溶接で接合しつつ、しかも前記余盛を除いても結果的に三角板と主部材の接合部付近の強度が低下することのない軽量なアクスルハウジングを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明アクスルハウジングの一例を示す部分的正面図
【図2】本発明アクスルハウジングの他の一例を示す部分的正面図
【図3】アクスルハウジングの分解斜視図
【図4】従来のアクスルハウジングの一例を示す部分的正面図。
【符号の説明】
1、21 アクスルハウジング 2 バンジョー部
3、4 コ字断面凸部(膨らみ) 5、6 コ字断面又は半円断面直線部
7、8 主部材 9 円形穴部 10、22、23 三角板
11 補強リング 12 カバー 24、25 凹部 26 ねじ穴。
Claims (4)
- 中央にコ字断面凸部を膨出し、該凸部の左右にコ字断面又は半円断面直線部を形成した2つの主部材を、中央の円形穴部に面して三角板を挾んで対称形に合せ、相接する面を溶接にて結合するとともに、前記円形穴部の前後にそれぞれ補強リングとカバーを溶接してなるアクスルハウジングにおいて、前記三角板の前記穴部側端面より凹部を形成し、前記穴部周りの応力と歪を前記凹部に集中させるようにしたことを特徴とするアクスルハウジング。
- 前記三角板の凹部を複数形成したことを特徴とする請求項1記載のアクスルハウジング。
- 前記三角板の凹部の深さを補強リングの幅またはカバーのフランジの幅以内としたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のアクスルハウジング。
- 前記三角板の凹部の長さを、前記円形穴部に面した三角板側面の円弧長さの50乃至80%の範囲に、また前記三角板の凹部の深さを、前記三角板側面の円弧長さの10乃至20%の範囲に各々設定したことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載のアクスルハウジング。
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