JP4827186B2 - コンバインの油圧構造 - Google Patents
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Description
斯かるコンバインにおいては、エンジンに作動連結された定速入力軸と、走行用HSTのモータ軸に作動連結された車速同調入力軸と、前記刈取部へ向けて回転動力を出力する刈取出力軸と、前記定速入力軸又は前記車速同調入力軸を選択的に前記刈取出力軸に作動連結させ得る刈取変速機構と、前記刈取変速機構を作動させる刈取用油圧機構と、前記刈取変速機構を収容する油貯留可能なカウンターケースと、前記カウンターケースの上方開口を閉塞する油路ブロックとを有する作業機系トランスミッションが備えられている(下記特許文献1参照)。
又、好ましくは、前記ドレン油路の他端部は、前記刈取変速機構へ向けて開口される。
又、前記ドレン油路の他端部を前記刈取変速機構へ向けて開口すれば、前記刈取用油圧機構からの排出油を前記刈取変速機構の潤滑油として利用することができる。
図1〜図3は、それぞれ、本発明の一実施形態が適用されたコンバイン1の斜視図,右側面図及び伝動模式図である。
図4〜図6に示すように、前記走行系トランスミッション100は、前記本機フレーム3の前方寄りの位置において前記一対の走行部2の間に配置されている。
図7〜図9に示すように、前記走行系トランスミッション100は、前記エンジン21に作動連結された走行系HST(走行用HST120及び旋回用HST130)と、前記両HST120,130の出力を合成して一対の走行系出力軸55a,bに伝達する走行系伝動機構と、前記走行系伝動機構を収容する油貯留可能なミッションケース110とを備えている。
前記走行用HST120は、図7〜図10に示すように、走行用ポンプ軸121と、前記走行用ポンプ軸121に相対回転不能に支持された走行用油圧ポンプ本体122と、前記走行用油圧ポンプ本体122と一対の走行用油圧ライン400を介して流体接続された走行用油圧モータ本体123と、前記走行用油圧モータ本体123を相対回転不能に支持する走行用油圧モータ軸124と、前記走行用油圧ポンプ本体122及び前記走行用油圧モータ本体123の少なくとも一方の給排油量を変更させる走行用可動斜板125とを備えている。
なお、本実施の形態においては、前記走行用油圧ポンプ本体122及び前記走行用油圧モータ本体123の双方共に可変容積型とされている。従って、該走行用HST120は、前記走行用可動斜板125として、走行用ポンプ側可動斜板125a及び走行用モータ側可動斜板125bを有している。
詳しくは、前記走行系トランスミッション100は、図7に示すように、前記構成に加えて、前記エンジン21に作動連結された状態で前記ミッションケース110に支持された入力軸140と、前記入力軸140を前記走行用ポンプ軸121に作動連結するように前記ミッションケース110に収容された走行用入力伝動機構150と、前記入力軸140を前記旋回用ポンプ軸131に作動連結する旋回用入力伝動機構160とを備えている。
詳しくは、前記第1及び第2遊星ギヤ機構170a,bは、それぞれ、サンギヤ171と、前記サンギヤ171の回りを公転し得るように該サンギヤ171に噛合された遊星ギヤ172と、前記遊星ギヤ172を相対回転自在に支持すると共に、前記遊星ギヤ172と共に前記サンギヤ171の回りを公転するキャリア173と、前記遊星ギヤ172と噛合するインターナルギヤ174とを備えている。
本実施の形態においては、前記インターナルギヤ174に前記走行用出力伝動機構180が作動連結され且つ前記サンギヤ171に前記旋回用出力伝動機構190が作動連結されており、前記キャリア173に対応する前記走行系出力軸55a,bが作動連結されている。
前記第1及び第2走行用出力ギヤ列186a,bは、伝動方向及び伝動比が互いに同一とされている。
本実施の形態においては、前記走行用ブレーキ装置182は、動力伝達方向に関し前記走行用出力軸181及び前記分岐軸185の間に配設されている。
具体的には、前記走行用ブレーキ装置182は、前記走行用出力軸181から回転動力を受け且つ前記分岐軸185へ出力するブレーキ軸183と、前記ブレーキ軸183に対して選択的に制動力を付加し得るブレーキユニット184とを備えている。
本実施の形態においては、前記副変速機構187は、前記走行用出力軸181及び前記走行用ブレーキ軸183の間で多段変速可能に構成されている。
前記第1及び第2旋回用出力ギヤ列193a,bは、伝動比は同一であるが、伝動方向は互いに対して反対となるように構成されている。
又、図7中の符号155は、前記入力軸140からの動力によって回転駆動される冷却ファンであり、符号810は後述するチャージポンプである。
図11に、前記作業機系トランスミッション200の伝動模式図を示す。
又、図12及び図13に、それぞれ、前記作業機系トランスミッション200の部分縦断側面図及び図12におけるXIII-XIII線に沿った該作業機系トランスミッション200の部分縦断背面図を示す。
即ち、前記単一軸は、一端部が前記カウンターケース210から後方へ突出し且つ他端部が前記カウンターケース210から前方へ突出するように、車輌前後方向に沿って前記カウンターケース210に支持されており、前記一端部が前記エンジン21に作動連結される入力端部を形成し且つ前記他端部が前記脱穀部4へ向けて回転動力を出力する出力端部を形成している。
前記脱穀用出力軸221(前記単一軸の前記他端部)には脱穀出力プーリー203が装着されており、該脱穀出力プーリー203に巻き回された脱穀出力ベルト204を介して前記脱穀部4へ前記エンジン21からの定速回転動力を伝達するようになっている。
前記定速伝動軸220の前記他端部は、前記揺動選別部へ向けて定速回転動力を出力する揺動選別用出力軸228を形成している。
前記揺動選別用出力軸228(前記定速伝動軸223の前記他端部)には揺動出力プーリー205が装着されている。
前記車速同調入力軸224の前記一端部には、車速同調入力プーリー206が装着されている。
前記変速伝動軸225は、前記定速伝動軸223及び前記車速同調入力軸224と略平行となるように前記カウンターケース210に支持されている。
前記車速同調変速機構240は、前記車速同調入力軸224から前記変速伝動軸225への伝動状態を選択的に高速伝動状態、低速伝動状態又は動力遮断状態に切り替えるように構成されている。
なお、本実施の形態においては、前記高速ギヤ列241及び前記低速ギヤ列242は、一方向クラッチ245を介して前記車速同調入力軸224に相対回転不能とされている。
前記刈取出力軸226の前記一端部には、刈取出力プーリー207が装着されている。
なお、本実施の形態においては、前記刈取出力軸226は、トルクリミッター229を介して前記変速伝動軸225に作動連結されている。
詳しくは、前記FC変速機構280は、サンギヤ281と、前記サンギヤ281の回りを公転し得るように該サンギヤ281に噛合された遊星ギヤ282と、前記遊星ギヤ282を相対回転自在に支持すると共に、前記遊星ギヤ282と共に前記サンギヤ281の回りを公転するキャリア283と、前記遊星ギヤ282と噛合するインターナルギヤ284とを備えており、前記サンギヤ281に前記定速伝動軸223の回転動力が入力され且つ前記インターナルギヤ284に前記変速伝動軸225の回転動力が入力され、前記キャリア283が前記フィードチェーン出力軸227に作動連結されている。
なお、本実施の形態においては、前記キャリア283及び前記フィードチェーン出力軸227の間には、FCクラッチ機構285が介挿されている。
前記ピストン234は、前記シリンダ233に軸線方向摺動可能且つ液密に収容されたヘッド部235と、前記ヘッド部235から軸線方向一方側へ延びるロッド部236とを有している。
前記シリンダ233は、前記ヘッド部235を挟んで軸線方向一方側及び他方側にそれぞれ第1油室231及び第2油室232が画されている。
詳しくは、前記油路ブロック215は、前記カウンターケース210の上方開口を閉塞するように該カウンターケース210に着脱可能に連結される油路プレート215aを有している。
前記油路プレート215aは、図12に示すように、前記カウンターケース210の内部空間と対向する内部領域と、前記カウンターケース210より外方へ延在する外方領域とを有している。
さらに、前記油路ブロック215は、前記カウンターケース内に臨むように前記油路プレート215aにおける前記内部領域の下面に装着された第1シリンダブロック215bと、前記カウンターケースの外方に位置するように前記油路プレート215aの外方領域に装着された第2シリンダブロック215dと、前記カウンターケース210の外方に位置するように前記油路プレート215aに装着された第1バルブブロック215c及び第2バルブブロック215eとを有している。
斯かる構成において、前記脱穀用油圧機構230のシリンダ233は、前記第2シリンダブロック215dに形成されている。
前記車速同調側油圧機構260a及び前記定速側油圧機構260bは実質的に同一構成とされている。
従って、図中、前記定速側油圧機構260bには、前記車速同調側油圧機構260aにおける符号の末尾を「b」に変更した符号を付して、その詳細な説明を省略する。
前記ピストンは、互いに別体とされたピストン本体265a及びリングピストン270aを有している。
前記ピストン本体265aは、ヘッド部266aと、前記ヘッド部266aよりも小径となるように該ヘッド部266aから段差を伴って軸線方向一方側へ延びるロッド部267aと、前記ヘッド部266aよりも小径となるように該ヘッド部266aから段差を伴って軸線方向他方側へ延びる背圧ロッド部268aとを有している。
前記リングピストン270aは、前記ヘッド部266aより大径なリング状とされており、前記背圧ロッド268aに軸線方向相対移動可能で且つ液密に外挿されている。
斯かるシリンダ263aは、前記小径空間のうち前記ヘッド部266aより軸線方向一方側に位置する部分が第1油室261aとされ、且つ、前記大径空間のうち前記リングピストン270aより軸線方向他方側に位置する部分が第2油室262aとされている。
本実施の形態においては、図12及び図13に示すように、前記シリンダ263a,263bは前記油路ブロック215、詳しくは、前記カウンターケース210の内部空間に臨む前記第1シリンダブロック215bに形成されている。
即ち、前記第1油室261aに作動油が供給され且つ前記第2油室262aがドレンされると、前記第1油室261aの圧油によって前記ピストン本体265aが前記リングピストン270aを押動しながら前記第2油室262aを縮小させる方向へ移動する。そして、前記ピストンは、前記第1油室261aの油圧によって、前記ピストンロッド267aに連係された前記車速同調用シフター243を前記高速位置又は前記低速位置の一方(図示の形態においては高速位置)に位置させる第1作動状態に保持される。
即ち、前記第1及び第2油室261a,bの双方に作動油が供給される状態においては、前記ピストンは、前記第1及び第2油室261a,bの油圧によって、前記ピストンロッド267aに連係された前記車速同調用シフター243を前記中立位置に位置させる中間状態に保持される。
なお、前記油路ブロック215には、図12及び図13に示すように、一端部が前記大径空間及び前記小径空間の間の前記段差を跨ぐ位置で前記シリンダ263a内に開口し且つ他端部が大気に開放された開放油路514aが形成されており、前記開放油路514aによって、前記ピストン本体265a及び前記リングピストン270aの一方を移動させることなく、他方のみの移動が許容されている。
図14に、前記コンバインの模式油圧回路図を示す。
図10及び図14に示すように、前記コンバイン1は、前記脱穀用油圧機構230及び前記刈取用油圧機構260a,260bに対する作動油給排を司る脱穀・刈取操作切替回路と、前記刈取昇降用油圧機構11を含む他の油圧機構に対する作動油給排を司る作業機駆動回路と、前記走行用HST及び前記旋回用HSTを含む走行系油圧機構の油圧制御を司る走行系回路とを備えている。
なお、該作業機駆動回路の詳細構成及び前記脱穀・刈取操作切替回路の詳細構成については後述する。
なお、前記走行用油圧サーボ機構35及び前記旋回用油圧サーボ機構45は、前記チャージライン420の圧油を利用して作動するように構成されている。
従って、前記ミッションケース110内の貯留油量を少量化することができ、これにより、該ミッションケース110内の貯留油に起因して前記走行系伝動機構の伝動効率が悪化することを有効に防止できる。
斯かる構成においては、好ましくは、前記ミッションケース110から前記チャージポンプ810への油の取出ポート115は該ミッションケース110の最下方に設けることができ(図15参照)、これにより、前記チャージライン420に油切れ現象が生じることを有効に防止できる。
又、前記補助ポンプ820は、前記エンジン21によって回転駆動され得るように該エンジン21に直接又は間接的に支持される。
図16に、前記脱穀・刈取操作切替回路の油圧回路図を示す。
前述の通り、前記カウンターケース210は上方が開口とされており、前記開口は油路ブロック215によって閉塞されている。
詳しくは、前記車速同調側切換弁500a及び前記定速側切換弁500bは前記第1バルブブロック215cに装着され、且つ、前記脱穀側切換弁500cは前記第2バルブブロック215eに装着されている(図12参照)。
詳しくは、前記車速同調側油圧機構260a及び前記定速側油圧機構260bは前記第1シリンダブロック215bに支持され、且つ、前記脱穀用油圧機構230は前記第2シリンダブロック215eに支持されている(図12参照)。
このように、本実施の形態においては、前記車速同調側油圧機構260a,前記低速側油圧機構260b及び前記脱穀用油圧機構230から排出される油を前記カウンターケース210内に排出するように構成しており、これにより、前記各油圧機構からの排出油を外部配管を介して走行系トランスミッションにおけるミッションケースへ戻していた従来構成に比して、ドレン配管構造の簡略化を図り得るようになっている。
さらに、本実施の形態においては、前述の通り、前記車速同調側油圧機構260a,前記低速側油圧機構260b及び前記脱穀用油圧機構230は、前記カウンターケース210の貯留油を油源とする前記補助ポンプ820からの圧油によって作動するように構成されている。従って、前記各油圧機構の作動油は前記カウンターケース210内において循環されることになり、これにより、前記各油圧機構の給排油路の簡略化を図ることができる。
詳しくは、図13及び図16に示すように、前記車速同調側ドレン油路513aは、前記一端部が前記車速同調側切換弁500aに流体接続され且つ前記他端部が前記大径空間及び前記小径空間の間の前記段差を跨ぐ位置で前記シリンダ263a内に開口されている。
詳しくは、図16に示すように、前記定速側ドレン油路513bは、前記一端部が前記定速側切換弁500bに流体接続され且つ前記他端部が前記大径空間及び前記小径空間の間の前記段差を跨ぐ位置で前記シリンダ263b内に開口されている。
なお、前記定速側油圧機構260bは、前記車速同調側油圧機構260aと実質的に同様に作動する。従って、前記定速側油圧機構260bの説明は省略する。
この状態においては、前記ピストン本体265aは前記リングピストン270aを押動させながら前記第2油室262aを縮小させる方向へ移動し、これにより、前記車速同調側ドレン油路513aは、前記シリンダ263aの大径空間及び前記ヘッド部266aの間の間隙を介して、前記開放油路514aに連通される。
つまり、前記車速同調側切換弁500aが高速位置Hに位置する際には、前記第2油室262aは、前記車速同調側第2作動油路512a、前記車速同調側ドレン油路513a、前記シリンダ263aの大径空間及び前記ヘッド部266aの間の間隙、並びに、前記開放油路514aを介して、前記カウンターケース210の内部空間に流体接続される。
この際、前記車速同調側ドレン油路513aから前記開放油路514aへ流れる油は前記ヘッド部266aの潤滑油としても有効に作用する。
この状態においては、前記ピストン本体265aは前記第1油室261aを縮小させる方向へ移動し、これにより、前記車速同調側ドレン油路513aは、前記シリンダ263aの小径空間及び前記背圧ロッド部268aの間の間隙を介して、前記開放油路514aに連通される。
つまり、前記車速同調側切換弁500aが低速位置Lに位置する際には、前記第1油室261aは、前記車速同調側第1作動油路511a、前記車速同調側排出油路513a、前記シリンダ263aの小径空間及び前記背圧ロッド部268aの間の間隙、並びに、前記開放油路514aを介して、前記カウンターケース210の内部空間に流体接続される。
この際、前記車速同調側ドレン油路513aから前記開放油路514aへ流れる油は前記背圧ロッド部268aの潤滑油としても有効に作用する。
本実施の形態においては、図16に示すように、前記脱穀用ドレン油路513cは、他端部が前記車速同調側ドレン油路513a及び前記定速側ドレン油路513bに流体接続されており、前記脱穀用油圧機構230からの排出油は前記車速同調側ドレン油路513a及び前記定速側ドレン油路513bを介して前記カウンターケース210内に排出されるようになっている。
斯かる構成を備えることにより、前記車速同調側ドレン油路513a及び/又は前記定速側ドレン油路513bを介して前記カウンターケース210内に流れ込む油を、前記車速同調変速機構240及び前記定速変速機構250の潤滑油としても利用することができる。
本実施の形態においては、前述の通り、前記車速同調側ドレン油路513aは前記開放油路514aを介して前記カウンターケース210内に開口されている。又、前記定速側ドレン油路513bは前記開放油路514bを介して前記カウンターケース210内に開口されている。従って、前記開放油路514a(及び/又は514b)の前記カウンターケース210への開口端部が前記刈取変速機構へ向けて開口されている(図12参照)。
即ち、前記開放油路514a(514b)の前記シリンダへの開口端部及び前記ドレン油路513a(513b)の前記シリンダへの開口端部を前記シリンダの軸線を基準にして周方向に180度離間配置させることができ、これにより、前記ドレン油路513a(513b)から前記開放油路514a(514b)へ流れる油を効率的に前記ピストンに接触させることができる。
図17に、前記作業機駆動回路の油圧回路図を示す。
図17に示すように、本実施の形態においては、前記作業機駆動回路は、前記刈取昇降用油圧機構11に対する作動油の給排を行う刈取昇降用油圧回路600と、前記車体昇降用第1油圧機構60aに対する作動油の給排を行う車体昇降用第1油圧回路550aと、前記車体昇降用第2油圧機構60bに対する作動油の給排を行う車体昇降用第2油圧回路550bと、前記排出オーガ昇降用油圧機構65に対する作動油の給排を行う排出オーガ昇降用油圧回路570とを含んでいる。
なお、該刈取昇降用油圧回路600の詳細構成については後述する。
前記車体昇降用第2油圧回路550bは、前記車体昇降用第1油圧回路550aと同一構成を有している。従って、該車体昇降用第2油圧回路550bについては、図中、前記車体昇降用第1油圧回路550aにおける符号の末尾を「b」に代えた符号を付して、その詳細な説明を省略する。
前記刈取昇降用油圧回路600は、図16に示すように、前記構成に加えて、前記方向切換弁610及び前記刈取昇降用油圧機構11の間において前記供給ライン601に連通されたドレンライン602と、前記ドレンライン602に介挿されたパイロット圧作動型の可変絞り弁611と、前記可変絞り弁611に対してパイロット圧を与える為のパイロットライン603と、前記パイロットライン603への圧油供給を調整する電磁比例減圧弁612とを備えており、前記電磁比例減圧弁612により前記パイロットライン603への圧油供給を調整することによって前記可変絞り弁611の位置制御を行い、前記刈取昇降用油圧機構11の作動速度を制御し得るように構成されている。
斯かる構成によれば、前記電磁比例減圧弁612が油圧アクチュエータの給排油路601に介挿されていない為、該電磁比例減圧弁612の大型化を招くことなく、前記刈取昇降用油圧機構11の作動速度を十分な範囲内で制御することができる。
即ち、前記従来の油圧構造は、図18に示すように、前記供給ライン601中の圧油の一部を前記流量調整弁695を介してパイロット圧取出ライン690に分岐させ、該パイロット取出ライン690の圧油を前記リリーフ弁696によって調圧した状態で前記電磁比例減圧弁612の一次側へ供給するように構成されている。
斯かる構成においては、前記可変絞り弁611を作動させない状態であっても、常に、前記パイロット圧取出ライン690に一定量の圧油が流れることになり、前記補助ポンプ820に不必要な負荷が常時掛かる。
さらに、前記従来構成においては、前記パイロット圧取出ライン690へ圧油を取り出す為の前記流量調整弁695や、該パイロット圧取出ライン690の油圧を設定する為の前記リリーフ弁696が必要となり、部品点数増加によるコスト高及び大型化を招くという問題もある。
従って、前記補助ポンプ820に対する負荷を軽減できると共に、前記流量調整弁695や前記パイロットライン用の前記リリーフ弁696の不要化を図ることができる。
なお、前記チャージポンプ810から前記チャージライン420へは、前記走行用HST120及び前記旋回用HST130への作動油補給を十分に行える量の圧油が常時供給されており、余剰油が前記チャージ圧設定用リリーフ弁425によって前記ミッションケース110内へリリーフされている。
従って、前記チャージライン420から前記パイロットライン603用の作動油を取り出しても、前記チャージポンプ810への負荷はそれ程大きくならない。
好ましくは、前記チャージ圧設定用リリーフ弁425のリリーフ油は、前記ミッションケース110内に収容される伝動機構を潤滑させ得るような位置で、該ミッションケース110内へ流入される。
即ち、本実施の形態においては、前記走行系駆動回路は、前記ミッションケース110の内部空間を含んだ閉回路を形成し、且つ、前記脱穀・刈取操作切替回路及び前記作業機駆動回路は前記カウンターケースを含んだ閉回路を形成している。
従って、前記ミッションケース110内の貯留油を油源とする前記チャージポンプ810からの圧油の一部を前記パイロットライン603へ流すように構成すると、前記走行系回路が形成する閉回路内の全体油量は徐々に減少する一方で、前記脱穀・刈取操作切替回路及び前記作業機駆動回路が形成する閉回路内の全体油量は徐々に増加することになる。
この点に鑑み、好ましくは、前記カウンターケース210及び前記ミッションケース110を外部配管等の連通ライン490で流体接続させることができる(図14参照)。
斯かる構成によれば、前記カウンターケース210内の貯留油量及び前記ミッションケース内の貯留油量をそれぞれ略一定に維持することができる。
なお、前述の通り、前記カウンターケース210は前記本機フレーム3上に支持されており、一方、前記ミッションケース110は前記本機フレーム3を挟んで上下に位置するように配置されている(図4及び図6参照)。
従って、前記カウンターケース210と前記ミッションケース110とを外部配管で流体接続させることにより、前記カウンターケース210から前記ミッションケース110へ自動的に(重力によって)貯留油を流入させることができる。
詳しくは、前記作業機用油路ブロック700には、一端部が前記ドレンライン602に流体接続され且つ他端部が前記方向切換弁610に流体接続された排出ライン606が形成されている。
そして、前記方向切換弁610は、前記供給ライン601中の圧油を前記刈取昇降用油圧機構11へのみ供給する刈取昇降用油圧機構作動位置と、前記供給ライン601中の圧油を前記各供給ライン551a,551b,571へ供給する他の油圧機構作動位置と、前記供給ライン601中の圧油を前記排出ライン606へ流す油圧機構非作動位置とをとり得るように構成されている。
なお、前記ドレンライン602,552a,552b,572及び前記排出ライン606中の油は単一のタンクライン607に集約され、該タンクライン607が前記タンクポート620Tを介して油溜めに流体接続されている。
215 油路ブロック
240 車速同調変速機構
250 定速変速機構
260a 車速同調側油圧機構
260b 定速側油圧機構
261a,261b 第1油室
262a,262b 第2油室
263a,263b シリンダ
265a,265b ピストン本体
266a,266b ヘッド部
267a,267b ロッド部
268a,268b 背圧ロッド部
270a,270b リングピストン
451a,451b 第1油路
452a,452b 第2油路
453a,453b 開放油路
500a 車速同調側切換弁
500b 定速側切換弁
510 供給油路
510P ポンプポート
511a,511b 第1作動油路
512a,512b 第2作動油路
513a,513b ドレン油路
514a,514b 開放油路
820 補助ポンプ
Claims (3)
- 刈取部を車速同調駆動状態又は定速駆動状態に切り替える作業機系トランスミッションを備え、前記作業機系トランスミッションは、エンジンに作動連結された定速入力軸と、走行用HSTのモータ軸に作動連結された車速同調入力軸と、前記刈取部へ向けて回転動力を出力する刈取出力軸と、前記定速入力軸又は前記車速同調入力軸を選択的に前記刈取出力軸に作動連結させ得る刈取変速機構と、前記刈取変速機構を作動させる刈取用油圧機構と、前記刈取変速機構を収容する油貯留可能なカウンターケースと、前記カウンターケースの上方開口を閉塞する油路ブロックとを有し、前記刈取用油圧機構は、シリンダと、前記シリンダの内部空間を第1及び第2油室に分離するように該シリンダ内に軸線方向摺動可能に収容されたピストンと、前記シリンダに対する作動油給排を司る切換弁とを有しているコンバインに適用される油圧構造であって、
前記油路ブロックには、前記シリンダと、作動油が供給される供給油路と、一端部が前記第1油室に流体接続され且つ他端部が前記切換弁に流体接続された第1作動油路と、一端部が前記第2油室に流体接続され且つ他端部が前記切換弁に流体接続された第2作動油路と、一端部が前記切換弁に流体接続され且つ他端部が前記カウンターケースの内部空間に流体接続されたドレン油路とが形成されていることを特徴とするコンバインの油圧構造。 - 前記カウンターケース内の貯留油を油源とする補助ポンプから前記供給油路へ作動油が供給されることを特徴とする請求項1に記載のコンバインの油圧構造。
- 前記ドレン油路の他端部は、前記刈取変速機構へ向けて開口されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンバインの油圧構造。
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