JP2007186174A - 走行用油圧式無段変速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】走行用油圧式無段変速装置による四輪駆動車で、二輪駆動と四輪駆動との切り替えに機械式クラッチではなく切替弁を用いるには、多くの配管が必要となるため、部品数が増えて製造コストが増加し、組立てが煩雑となって生産効率が低下する、という問題があった。
【解決手段】第一車軸4aに機械的に連結される第一油圧モータ132と、該第一油圧モータ132に閉回路131によって流体接続される油圧ポンプ17とを有する走行用油圧式無段変速装置30において、該走行用油圧式無段変速装置30に、第二車軸5aに機械的に連結される第二油圧モータ133・134に対して、前記閉回路131からの圧油の供給/停止を行う切替手段135を設けた。
【選択図】図13

Description

本発明は、第一車軸に機械的に連結される油圧モータと、該油圧モータに閉回路によって流体接続される油圧ポンプとを有する走行用油圧式無段変速装置において、第二車軸に機械的に連結される第二油圧モータに対する、前記閉回路からの圧油の供給構成に関するものである。
従来の走行用油圧式無段変速装置による四輪駆動車においては、油圧モータ(以下、「第一油圧モータ」とする)から前後の車軸に動力が伝達され、該車軸のうちのいずれか一方(以下、「第一車軸」とする)には、前記第一油圧モータから機械式減速機構を介してそのまま動力が伝達されると共に、他方の車軸(以下、「第二車軸」とする)と前記第一油圧モータとの間には機械式クラッチが介設され、該機械式クラッチを断接することによって、二輪駆動と四輪駆動とを切り替える技術(例えば特許文献1)が公知となっている。
特開2002−87086号公報
しかしながら、前記第二車軸を可変駆動式に変更する場合、前記機械式クラッチを備えたギア式やベルト式の副変速機構では、損耗が大きくて耐久性が悪く、更に、機械式クラッチの断接動作に伴って大きな衝撃や騒音が発生する、という問題があった。
そこで、油圧モータ(以下、「第二油圧モータ」とする)を第二車軸に新たに連結すると共に、前記機械式クラッチの代わりに、この第二油圧モータへの圧油の供給/停止を行う切替弁を設けることが考えられるが、前記走行用油圧式無段変速装置から切替弁への圧油供給には、複雑で長い油圧配管が必要となるため、部品数が増えて製造コストが増加し、組立てが煩雑となって生産効率が低下する、という問題があった。
また、四輪駆動と二輪駆動を走行中に切り替えるには、車両を停止してから行う必要があり、作業効率が低下する、という問題があった。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、第一車軸に機械的に連結される第一油圧モータと、該第一油圧モータに閉回路によって流体接続される油圧ポンプとを有する走行用油圧式無段変速装置において、該走行用油圧式無段変速装置に、第二車軸に機械的に連結される第二油圧モータに対して前記閉回路からの圧油の供給/停止を行う切替手段を設けたものである。
請求項2においては、前記第一油圧モータを可変容積型とし、該第一油圧モータの容積の変更と、前記切替手段による第二油圧モータへの圧油の供給/停止とを連動する連動機構を設けるものである。
請求項3においては、前記第一油圧モータは少なくとも二つの容積に変更可能とした上で、前記連動機構により、容積の大きい大容積状態では前記第二油圧モータへ圧油を供給し、該大容積状態よりも容積の小さい小容積状態では前記第二油圧モータへの圧油供給を停止するものである。
請求項4においては、前記切替手段は、回転操作で圧油の供給/停止が可能なロータリー式の切替弁とし、該切替弁の切替操作軸の回転軸線を、前記第一油圧モータの容積変更のための容積操作軸の回転軸線に対して平行配置するものである。
請求項5においては、前記第一油圧モータの容積を変更するための容積操作範囲の大きさが、前記第二油圧モータへの圧油の供給/停止を切り替えるための切替操作範囲の大きさと異なる場合に、該切替操作範囲内での圧油の供給位置と停止位置を、前記容積操作範囲内での特定の容積位置に対応させるための吸収構造を設け、該吸収構造を前記連動機構内に備えるものである。
請求項6においては、前記連動機構は、前記第一油圧モータの容積変更のための容積操作軸と前記切替手段の切替操作軸との間に介設した連動リンクから構成され、該連動リンクのリンク比を変更することにより前記吸収構造と成すものである。
請求項7においては、前記連動機構は、前記第一油圧モータの容積変更のための容積操作軸と前記切替手段の切替操作軸との間に介設した連動リンクから構成され、該連動リンク内に弾性体を介設し、該弾性体を伸長させることにより前記吸収構造と成すものである。
本発明は、以上のように構成したので、以下に示す効果を奏する。
すなわち、請求項1においては、第一車軸に機械的に連結される第一油圧モータと、該第一油圧モータに閉回路によって流体接続される油圧ポンプとを有する走行用油圧式無段変速装置において、該走行用油圧式無段変速装置に、第二車軸に機械的に連結される第二油圧モータに対して前記閉回路からの圧油の供給/停止を行う切替手段を設けたので、走行用油圧式無段変速装置から切替手段までの複雑で長い油圧配管をなくすことができ、部品数が減少して製造コストが低減し、組立ても容易となって生産効率が向上する。
請求項2においては、前記第一油圧モータを可変容積型とし、該第一油圧モータの容積の変更と、前記切替手段による第二油圧モータへの圧油の供給/停止とを連動する連動機構を設けるので、たとえ走行中であっても、前記第一油圧モータを変速操作してその容積を変更するだけで、前記連動機構によって第二油圧モータへの圧油を自動的に供給/停止させて四輪駆動と二輪駆動を切り替えることができ、駆動方式の切替に、わざわざ車両を停止して切替レバー等を操作する必要がなく、作業効率を更に向上させることができる。
請求項3においては、前記第一油圧モータは少なくとも二つの容積に変更可能とした上で、前記連動機構により、容積の大きい大容積状態では前記第二油圧モータへ圧油を供給し、該大容積状態よりも容積の小さい小容積状態では前記第二油圧モータへの圧油供給を停止するので、大きな駆動力を必要とする各種作業の際には、第一油圧モータを大容積にすると同時に四輪駆動とし、小さな駆動力で十分な路上走行等の際には、第一油圧モータを小容積にすると同時に二輪駆動とすることができ、作業内容に応じた適切な変速段と駆動方式を選択して燃費の低減や装置寿命の延命化を図ることができる。
請求項4においては、前記切替手段は、回転操作で圧油の供給/停止が可能なロータリー式の切替弁とし、該切替弁の切替操作軸の回転軸線を、前記第一油圧モータの容積変更のための容積操作軸の回転軸線に対して平行配置するので、切替操作軸と容積操作軸との間の空間を小さくできると共に、該空間に前記連動機構を配置することにより連動機構のための設置空間を別途設ける必要がなく、その結果、走行用油圧式無段変速装置全体の小型化を図ることができる。
請求項5においては、前記第一油圧モータの容積を変更するための容積操作範囲の大きさが、前記第二油圧モータへの圧油の供給/停止を切り替えるための切替操作範囲の大きさと異なる場合に、該切替操作範囲内での圧油の供給位置と停止位置を、前記容積操作範囲内での特定の容積位置に対応させるための吸収構造を設け、該吸収構造を前記連動機構内に備えるので、前記第一油圧モータの変速と第二油圧モータへの圧油の供給/停止の切替を、小さい操作範囲でも同時に行うことができ、変速段・駆動方式の選択操作性が大きく向上する。
請求項6においては、前記連動機構は、前記第一油圧モータの容積変更のための容積操作軸と前記切替手段の切替操作軸との間に介設した連動リンクから構成され、該連動リンクのリンク比を変更することにより前記吸収構造と成すので、前記連動リンクを構成する各リンク部の長さを変更するだけでリンク比を容易に変えることができ、作業者の要望に応じて、前記第一油圧モータの変速段と駆動方式との対応関係を迅速に変更することができる。
請求項7においては、前記連動機構は、前記第一油圧モータの容積変更のための容積操作軸と前記切替手段の切替操作軸との間に介設した連動リンクから構成され、該連動リンク内に弾性体を介設し、該弾性体を伸長させることにより前記吸収構造と成すので、前記弾性体を介設しただけの簡単な構造で前記吸収構造を形成することができ、該吸収構造を設けた連動機構を低コストでしかも容易に形成することができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に関わる作業車輌の全体構成を示す作業車輌の側面一部断面図、図2は駆動方式の切替を機械式クラッチで行う作業車輌の側面一部断面図、図3はミッションケースの側面一部断面図、図4は図3におけるA−A矢視断面図、図5は図3におけるB−B矢視断面図、図6は図3におけるC−C矢視断面図、図7はミッションケースの正面図、図8は図5におけるD−D矢視断面図、図9は図4におけるE−E矢視断面図、図10はミッションケース前部の右側面図、図11は機械式クラッチの構造を示す、走行用油圧式無段変速装置の側面断面図、図12は駆動方式の切替を機械式クラッチで行う場合の油圧回路図、図13は第一実施例の駆動切替弁の構造を示す、走行用油圧式無段変速装置の側面一部断面図、図14は駆動切替弁の詳細構造を示す駆動切替弁の側面一部断面図、図15は第一実施例のミッションケースの正面図、図16は図13におけるF−F矢視断面図、図17は第一実施例の板体の背面断面図、図18は図13におけるG−G矢視断面図、図19は第一実施例の四輪駆動時の連動リンクを示す、ミッションケース前部の右側面図、図20は同じく二輪駆動時の連動リンクを示す、ミッションケース前部の右側面図、図21は副変速のための操作構造の斜視図、図22は一実施例の油圧回路図、図23は第二実施例の油路構成を示す、駆動切替弁周囲の平面一部断面図、図24は第三実施例の連動リンクを示す、駆動切替弁周囲の平面一部断面図、図25は第三実施例の四輪駆動時の連動リンクを示す、ミッションケース前部の右側面図、図26は同じく二輪駆動時の連動リンクを示す、ミッションケース前部の右側面図、図27は第四実施例においてチャージポンプと同一軸芯上に補助ポンプを設けた場合の油圧回路図、図28は第四実施例のチャージポンプと補助ポンプの平面断面図、図29は第四実施例において二連式補助ポンプを設けた場合の油圧回路図、図30は第四実施例における二連式補助ポンプの平面断面図である。
まず、本発明に係わる走行用油圧式無段変速装置を装備した作業車両1の全体構成について、図1により説明する。
該作業車両1の前部には、駆動源を構成するエンジン14が搭載され、該エンジン14から伝動軸2を介してミッションケース3が、駆動車輪を構成する左右の後輪4L・4R間に設置されている。そして、必要に応じて左右の前輪5L・5Rも駆動されるものであり、そのために、前記ミッションケース3内の圧油を前輪5L・5R方向に送油するための連絡油路6が、設けられている。
前記ミッションケース3の上方には座席7が設置され、該座席7の前方には、左右の前輪5L・5Rを旋回させて車両の操行を行うステアリングホィール8とが設けられ、座席7の側方には、副変速レバー174が配置されている。そして、前記前輪5L・5Rと後輪4L・4R間にはミッドマウント型のモア12が設けられ、該モア12の駆動は、ミッションケース3内の下方位置から前方向きに延出するミッドPTO軸9をモア12のギヤボックス12aに伝動軸10を介して接続することによって行う。なお、車両前後方向中央部に破線で示したものは、車速と進行方向を決めるための主変速ペダル305である。
車両後方に接続されるロータリ耕運機等の作業機(図示せず)の昇降は、前記ミッションケース3と座席7間に配置した左右の油圧リフトシリンダ11によって行われると共に、該作業機の駆動は、後方向きに延出させたリアPTO軸13によって行うようにしている。
ここで、図2乃至図12は前記ミッションケース3内の油圧モータから前輪5L・5Rの車軸への動力伝達を機械式クラッチによって行う場合を示したものであり、本発明に係わる走行用油圧式無段変速装置の実施例について説明する前に、この図2乃至図12を基に、ミッションケース3の基本構造について説明する。
図3に示すように、前記ミッションケース3は前から順に前ケース96、後ケース97、後蓋98から構成され、このうちの前ケース96の前面には板体48が装着され、該板体48の下方位置には、前記ミッドPTO軸9が前ケース96の前壁96aを貫通して前方向に延出されている。そして、この板体48の前面上方位置にはチャージポンプ15が装着され、該チャージポンプ15と前記板体48とを貫通するようにして、入力軸16が、前方向に延出されると共に前ケース96の上方位置に装備され、この入力軸16の前端は、前記伝動軸2の後端と連結されている。前記チャージポンプ15は、この入力軸16をポンプ軸とするギアポンプとして構成されている。
前記板体48の背面上半分で前ケース96内部には、前記入力軸16によって駆動される油圧ポンプ17が装着される一方、板体48の前面下半部には、出力軸18を備えた油圧モータ19が装着されている。該油圧モータ19と前記油圧ポンプ17は、いずれも可変容積型に構成されると共に、一対の油路49a・49bから成るメイン油路49によって接続され、該メイン油路49と前記油圧ポンプ17・油圧モータ19によって閉回路を構成する走行用油圧式無段変速装置20が形成されている。そして、該走行用油圧式無段変速装置20においては、油圧ポンプ17における傾角可変のポンプ可動斜板116と、油圧モータ19における傾角可変のモータ可動斜板117との傾角変更によって、油圧モータ19の出力軸18が無段に制御された速度で駆動されるようにしている。更に、ポンプ可動斜板116は図1に示す主変速ペダル305に、モータ可動斜板117は副変速レバー174に連動連係されている。
また、図12に示すように、油圧回路47において、前記チャージポンプ15の吐出圧は、板体48の上部に設けられた作業機用リリーフ弁40によって設定され、その圧油の一部は、抵抗弁41からポート68を経由して、前記ステアリングホイール8に連係した切替弁67の切り換えによってパワーステアリングシリンダ70に送油され、前輪5L・5Rを操向自在としている。そして、該ステアリングシリンダ70からの戻り油は、オイルクーラー71からポート69を経由して、前ケース96内の前下部で後述するギア減速機50・差動装置51等を収納する第2油室72bへと流れ込む。
更に、チャージポンプ15からの吐出油は、該チャージポンプ15のポンプケース76内に設けられた減圧弁42により調圧された後、油路73からチャージ油路74を介して、チェック弁43R・43Fのうち低圧側のチェック弁を通じて、前記閉回路内に補給される。該チェック弁43R・43Fには、メイン油路49とチャージ油路74とを連通するためのプッシュピン43Ra・43Faが備えられ、該プッシュピン43Ra・43Faはパイパス操作体75に連結されている。これにより、車輌を牽引する際等には、図示せぬバイパスレバーを操作して前記バイパス操作体75を押圧操作し、プッシュピン43Ra・43Faを押し込んでチェック弁43R・43Fを開くことにより、前記閉回路の高圧側と低圧側とを連通させ、油圧モータ19の自由回転を得ることができる。
前記チェック弁43Rには絞り44を並設して中立位置の拡張を図り、更に、前記減圧弁42の調圧作動時に排出される一定流量のドレン油は、後述するPTO入切クラッチ37の切替弁39に送油されるようにしている。
加えて、前記油路49a・49bには、それぞれチェック弁45とフィルタ46とが接続されており、エンジン14を停止して坂道に駐車する場合等において、油圧ポンプ17や油圧モータ19などの各部分から閉回路内の油が漏れて作動油の不足を生じた時に、フィルタ46を通じてチェック弁45から油を補給できるようにしている。
また、図4、図5、図8、図9、図12に示すように、前記前ケース96の右側壁96cには側板89が装着されると共に、前ケース96の右前部にはフィルタ取付部91が設けられ、該フィルタ取付部91にフィルタ90が配設されている。該フィルタ90の図示せぬ入口孔は、前記前壁96aに穿孔された孔93を通じて前ケース96内の前記第2油室72bに連通される一方、フィルタ90の出口孔90aは、右側壁96cの油溝96dと側板89の油溝89aとから成る縦油路92の下端に連通されている。該縦油路92の上部は、右側壁96c上部に形成された油溝96eから、板体48内の油路48aを介して、チャージポンプ15の吸入ポート15aに連通されると共に、油路48aの途中部には作業機駆動用の圧油として外部へ送り出すポート94が連通されている。そして、該ポート94から送り出された圧油は、作業機を駆動させた後、ポート95からミッションケース3内の第2油室72bに戻るようにしている。
これにより、ギア減速機50・差動装置51等を収納しているだけのために、油圧ポンプ17を収納する第1油室72a内の油に比べて長時間稼働時の油温上昇が小さい前記第2油室72b内の油を、前記フィルタ90で清浄化した後、縦油路92等を介してチャージポンプ15に吸引し、前記走行用油圧式無段変速装置20に補給することができ、該走行用油圧式無段変速装置20を流れる作動油の温度上昇が抑制され、その耐久性を向上させることができる。更に、前ケース96にフィルタ90の関連要素を集中配置することにより、配管することなく、短く簡単な油路構成で第2油室72b内の油をチャージ油および外部作業機駆動用として2方向へ取り出すことができ、製作コストの低減化を図っている。
また、図3、図4に示すように、前記出力軸18は、前記板体48を貫通して前ケース96内に突入され、その後端には、小径のベベルギア21が固設されている。該ベベルギア21は、前ケース96に左右方向に横架された伝動軸22上の大径のベベルギア23と噛合され、この伝動軸22の外周面にはギア24が刻設されており、出力軸18の回転を減速してギア24に伝えるためのギア減速機構50が設けられている。
前記ギア24は左右後輪4L・4R用の差動装置51の大径のリングギア25に噛合されると共に、該差動装置51の左右の出力軸を構成する後輪車軸4aL・4aRが前ケース96に支承され、該後輪車軸4aL・4aRの外端には後輪4L・4R装着用のフランジ4bが固着されており、前記油圧モータ19からの動力が、ギア減速機構50で減速された後、差動装置51を介して後輪車軸4aL・4aRに入力され、左右の後輪4L・4Rを差動的に回転駆動できるようにしている。
この差動装置51においては、デフケース59の中央周囲に前記リングギア25が固設されると共に、デフケース59の両側は前記前ケース96に回転自在に支持されている。該デフケース59の左右両側から前記後輪車軸4aL・4aRが挿入され、該後輪車軸4aL・4aRの内側端にはサイドピニオン60L・60Rが外嵌されると共に、後輪車軸4aL・4aRと直交してデフケース59内にはデファレンシャルシャフト61が固定され、該デファレンシャルシャフト61の両端にデファレンシャルピニオン62が回転自在に外嵌され、該デファレンシャルピニオン62は前記サイドピニオン60L・60Rと噛合されている。
この差動装置51にはデフロック装置63が付設されている。該デフロック装置63においては、前記デフケース59のボス部59aに、デフロックスライダ65が摺動可能に外嵌され、該デフロックスライダ65の溝部65aにはデフロックフォーク66のC字状の先端部が嵌入され、該デフロックフォーク66はリンクを介して図示せぬデフロックレバーに接続されている。前記デフロックスライダ65の内側面には複数のロックピン64の一端が固設され、該ロックピン64の他端は、前記サイドピニオン60Lの嵌入溝60aに挿入可能としている。これにより、運転席近傍に配置した図外のデフロックレバーを操作すると、リンクを介してデフロックフォーク66がデフロックスライダ65を摺動させ、ロックピン64がサイドピニオン60Rの嵌入溝60aに挿入されて差動装置51がデフロックされる。
また、図11に示すように、左右の前輪5L・5Rを駆動するため、前輪駆動ケース27が、前記油圧モータ19を覆うモータケース26の前面に装着されており、この前輪駆動ケース27内には、前記出力軸18が前方に延出されると共に、前輪駆動軸28が出力軸18に同心配置して挿着されている。この前輪駆動軸28は、伝動軸52を介して差動装置53に連結され、該差動装置53の左右の出力軸を構成する前輪車軸5aL・5aRが車軸駆動ケース55に装備されており、該前輪車軸5aL・5aRの外端は、旋回機構54を介して、前輪5L・5Rを支持する支軸5bL・5bRに連結されている。更に、前記出力軸18と前輪駆動軸28との間には、出力軸18に対して前輪駆動軸28を選択的に結合可能な前輪駆動クラッチ29が介設されている。
該前輪駆動クラッチ29においては、出力軸18と前輪駆動軸28の外周には軸芯方向に摺動可能にスリーブ56がスプライン結合され、該スリーブ56内周のスプラインには軸線方向に間隔を空けた2つの溝部56aが形成される一方、前輪駆動軸28の直径方向には孔28aが穿設され、該孔28aに内挿されたバネ58の両端には前記溝部56aのいずれかに係止可能なデテントボール57が取り付けられている。このような構成において、四輪駆動と二輪駆動との切り替えは、図示せぬフォークを操作することにより、該フォークに係合支持された前記スリーブ56を摺動させることにより行う。
これにより、四輪駆動時には、スリーブ56を出力軸18側に摺動してスプライン結合することにより、該スリーブ56を介して出力軸18と前輪駆動軸28とを接続して、出力軸18からの動力が前輪5L・5Rの伝動軸52に伝達可能とし、二輪駆動時には、スリーブ56を前輪駆動軸28側に摺動させて溝部56aがデテントボール57に嵌合固定されるようにすることにより、スリーブ56と出力軸18との係合を確実になくして、出力軸18と前輪駆動軸28との接続を遮断し、出力軸18からの動力が前輪5L・5Rの伝動軸52に伝達できないようにして、四輪駆動と二輪駆動との切り替えを可能としている。
また、図3、図5、図9、図12に示すように、前記入力軸16は、油圧ポンプ17からさらに後方に延出され、前ケース96内の支壁部96bに、ベアリングを介して後端側が支持されている。そして、前ケース96の後端開口は、ボルト31によって前記後ケース97により閉塞され、該後ケース97と前記入力軸16の後端部とに支持されるPTO伝動軸32が、入力軸16と同心上に配置されている。
前記入力軸16の後端部上には回転支持金物33が固設される一方、前記PTO伝動軸32上には外周にギア34を有するクラッチハウジング36が固設されており、該クラッチハウジング36と前記回転支持金物33には、複数枚の摩擦エレメントがそれぞれ摺動のみ自在に支持され、これにより、前記PTO入切クラッチ37が形成されている。該PTO入切クラッチ37は油圧作動型のものに構成されており、戻しバネ37aにより後退付勢されているピストン37bを油圧の作用で前進させて前記摩擦エレメント間を係合し、クラッチ作動を得るようにしている。
前記PTO入切クラッチ37においては、PTO伝動軸32に油路77が形成され、該油路77の一端は、PTO伝動軸32の外周面上に開口して、前記クラッチハウジング36においてピストン37bを収納したシリンダ室81と連通される一方、油路77の他端は、前記後ケース97内に形成された油室38に連通されている。
更に、PTO入切クラッチ37の側方には、PTO入切クラッチ37切断時にPTO伝動軸32の慣性空転を防止するためのブレーキ79が配設されている。該ブレーキ79は、前ケース96の右側壁96cに形成された凹部96gと、側板89に穿孔された孔89bと、該孔89bを側方からボルト100によって閉塞するカバー99とから形成されるシリンダ室83内に構成されている。
該シリンダ室83内にはピストン85が内挿され、該ピストン85のロッド84は、右側壁96cの凹部96g内に挿嵌されたボス部88に摺動可能に支持されている。シリンダ室83でピストン85よりも外側の空間83bには、ピストン85をPTO入切クラッチ37側に常時付勢する加圧バネ87がロッド84に周設されると共に、該ロッド84の内側端には摩擦体86が嵌合されており、該摩擦体86は、前記加圧バネ87によって前記クラッチハウジング36の外周側面に当接されている。一方、ピストン85よりも内側の空間83aは、右側壁96c内の油路96fから、後ケース97外壁の厚肉部に沿った油路97aを経由して成る油路78を介して、前記油室38に連通されている。
該油室38は、PTO入切クラッチ37に対して油圧の給排を制御する前記切替弁39に接続されており、該切替弁39は、後ケース97の外面上に装着された3ポート2位置切替の電磁弁により構成され、そのポンプポートは、前述の如く、ポンプケース76内の前記減圧弁42のドレンポートに連通しており、減圧弁42から排出されるドレン油がここに導入されるようになっている。更に、このドレン油を規定値に調圧するためのリリーフ弁80にも接続されている。
このような構成において、切替弁39は、運転席近傍に配置した図示せぬPTO切替スイッチの入切操作によって、PTO入切クラッチ37の「作用位置」と「非作用位置」とに択一的に切り換えることができる。すなわち、切替弁39を図12に示すような「非作用位置」においた場合には、前記減圧弁42のドレンポートを流れる圧油は油溜まり101に開放された状態となり、PTO入切クラッチ37では、ピストン37bが戻しバネ37aの付勢力によって摩擦エレメントから後退して非係合状態となり、PTO伝動軸32への動力伝達が遮断される。同時に、ブレーキ79では、ロッド84先端の摩擦体86が、加圧バネ87の付勢力によってクラッチハウジング36を側方から押圧してPTO伝動軸32を制動し、前記ミッドPTO軸9やリアPTO軸13を迅速に停止させることができる。
逆に、「作用位置」においた場合には、減圧弁42のドレンポートを流れる圧油が、前記油室38からPTO伝動軸32内の油路77を通って、PTO入切クラッチ37のシリンダ室81に流入し、ピストン37bが戻しバネ37aの付勢力に抗して前記摩擦エレメント間を押圧し、PTO入切クラッチ37が係合されて、入力軸16の回転がPTO伝動軸32に伝達される。同時に、圧油は、前記油室38から前記油路78を通って、ブレーキ79のシリンダ室83でPTO入切クラッチ37側の空間83aに流入し、その結果、ピストン85が加圧バネ87の付勢力に抗してロッド84内側先端の摩擦体86をクラッチハウジング36から後退させ、PTO伝動軸32の制動を解除するようにしている。
また、図3に示すように、このようなPTO入切クラッチ37の下方には、支壁部96hと後ケース97とにそれぞれベアリングを介して支持される支軸102上のギア103が配設され、該ギア103は、前記PTO伝動軸32上のギア34と噛合されている。前記ミッドPTO軸9の後端部は、ベアリングを介して支壁部96hに支持され、該支壁部96hの後方へと延出されており、該後端部の外面に形成したスプライン9aを利用して、ミッドPTO軸9上には、スリーブ110がスプライン嵌めされている。そして、該スリーブ110上にはギア104が遊嵌され、該ギア104は前記支軸102上のギア103と噛合されている。
一方、前記リアPTO軸13は、動力取出しケース105と後蓋98とにそれぞれベアリングを介して支持され、前記ミッドPTO軸9よりも高位置で後方向に延出させて設けられている。そして、前記動力取出しケース105は、リアPTO軸13に対する伝動機構106を内装し、該伝動機構106は、リアPTO軸13上の二連ギア107や、後蓋98に1対のベアリングを介して支持される支軸108上にスプライン嵌めして設けたギア109等から構成されている。
この支軸108は、前記ミッドPTO軸9と同心上に配置されると共に、支軸108上のギア109は、そのボス部がミッドPTO軸9方向に延長され、その延長端にはスプライン歯109aが形成されている。前記ギア104のボス部とスリーブ110もそれぞれギア109方向に延長され、スリーブ110の延長端をギア109側に位置させ、これらスリーブ110延長端とギア104ボス部とに、それぞれスプライン歯110a,104aが形成されている。そして、これらのスプライン歯109a、110a,104aにまたがって摺動可能なクラッチ金物111が設けられ、該クラッチ金物111の内周面には、軸線方向で互いに隔てた3箇所にスプライン歯111a,111b,111cが形成され、クラッチ金物111の外周面には切替フォーク113が係合されており、これらによりPTO切替クラッチ112が構成されている。
クラッチ金物111はその軸線方向に沿い、3つの位置に摺動変位されるものに構成されている。クラッチ金物111のスプライン歯111a,111b,111cは、クラッチ金物111の摺動位置に従い、最前端のスプライン歯111aは、常にギア104のスプライン歯104aとの噛合を維持し、また中央のスプライン歯111bは、クラッチ金物111の最前進位置ではスリーブ110のスプライン歯110aとの噛合を解除し、クラッチ金物111の中間位置では同スプライン歯110aに噛合し、クラッチ金物111の最後退位置ではギア109のスプライン歯109aに噛合する位置へと変位され、さらに最後端のスプライン歯111cは、クラッチ金物111の最前進位置ではスリーブ110のスプライン歯110aに噛合し、クラッチ金物111の中間位置ではギア109のスライン歯109aに噛合し、クラッチ金物111の最後退位置では同スプライン歯109aとの噛合を解除する位置へと変位されるように、形成されている。
このような構成において、前記切替フォーク113を操作すると、クラッチ金物111の摺動位置に従って、ギア104に対し、クラッチ金物111の最前進位置では、スリーブ110を結合しミッドPTO軸9のみを駆動する状態が得られ、クラッチ金物111の図3に示す中間位置では、スリーブ110とギア109とを同時に結合してミッドPTO軸9とリヤPTO軸13とを同時に駆動する状態が得られ、クラッチ金物111の最後退位置では、ギア109を結合してリヤPTO軸13のみを駆動する状態が得られるのである。
以上のようにして、ミッションケース3は、走行用油圧式無段変速装置20によって、後輪4、そして必要に応じて前輪5も、無段に制御された速度で駆動して車両の走行を行わせるとともに、PTO入切クラッチ37とPTO切替クラッチ112を作動させることによって、ミッドPTO軸9やリヤPTO軸13を自在に駆動できるようにしている。
また、図4、図5に示すように、前記油圧ポンプ17においては、板体48の上部内面に設けたポンプ付設面48bにバルブプレート299を配置し、該バルブプレート299に当接させるようシリンダブロック114が回転自在に配置され、該シリンダブロック114の回転中心部に前記入力軸16が係合されている。該シリンダブロック114の複数のシリンダ孔内には、付勢バネを介してピストン115・115・・・が往復動自在に嵌合され、該ピストン115・115・・・の頭部に前記ポンプ可動斜板116のスラストベアリング116aが当接されている。
該ポンプ可動斜板116は、両側方へ突設したトラニオン軸116b・116bを中心として傾倒でき、該トラニオン軸116b・116bのうちの一方は、前ケース96の左側壁内面に回転自在に支持され、他方は前ケース96の右側壁の開口部を閉塞する前記側板89に回転自在に支持されている。
右側壁側のトラニオン軸116b上には、中立戻しバネ118が外嵌されている。この中立戻しバネ118の両端は同方向に延びて途中で交差し、ポンプ可動斜板116の側面に植設した可動ピン119と、側板89の内面に植設した偏心固定ピン120とを挟み込んでいる。該偏心固定ピン120を所定の位置にセットすることにより、ポンプ可動斜板116は、中立戻しバネ118を介して中立位置に向けて付勢される。
そして、このトラニオン軸116bは、更に延長されて側板89より外に突出し、この突出部分には、主変速制御アーム121の上端部が固定されている。該主変速制御アーム121は図示せぬ連結ロッド等を介して前記主変速ペダル305と連動連結されると共に、主変速制御アーム121の下端と、側板89側面より突設された支持ピン89cとの間には、ショックアブソーバ122が介設されている。これにより、前記主変速ペダル305を外しても油圧ポンプ17を徐々に中立位置に復帰できるようにしている。
また、図6、図7、図10に示すように、前記油圧モータ19においては、板体48の下部外面に設けたモータ付設面48cにバルブプレート299を配置し、該バルブプレート299に当接させるようシリンダブロック123が回転自在に配置され、該シリンダブロック123の回転中心部に前記出力軸18が係合されている。該シリンダブロック123の複数のシリンダ孔内には、付勢バネを介してピストン124・124・・・が往復動自在に嵌合され、該ピストン124・124・・・の頭部に前記モータ可動斜板117に組み込まれたスラストプレート300が当接されている。
前記モータ可動斜板117の右側端は、シフトブロック125を介してコントロールアーム301内端に連結され、該コントロールアーム301は、モータケース26の右側壁の開口部を閉塞する支持カバー126に回転自在に支持されている。
このコントロールアーム301は、更に延長されて前記支持カバー126より突出し、この突出部分には、ボルト128によりL字状の副変速制御アーム127が固定されている。該副変速制御アーム127は、前方に延出する規制部127aと、上方に延出する操作部127bとから成り、このうちの規制部127aは、前記支持カバー126の外面に形成された側面視略コ字状の規制壁126aに内挿されると共に、操作部127bは、後述する連結ロッドを介して副変速レバー174と連動連結されている。
このような構成において、副変速レバー17を操作すると、副変速制御アーム127の操作部127bが低速段に相当する低速位置129と高速段に相当する高速位置130とで回動し、2段階に副変速させることができる。なお、前記規制部127aの延出途中には孔127cが穿孔されると共に、支持カバー126にはネジ穴126bが螺刻されており、作業車輌1の組立てが完了して出荷する際等には、前記孔127cを貫通させてネジ穴126bに固定ボルト153を螺挿し、副変速制御アーム127が確実に固定され運搬時に誤って動かないようにしている。
次に、図1、図13乃至図22により、本発明の第一実施例について説明する。なお、以下の図示と説明において省略したミッションケースの関連部分については、図2乃至図12を基に説明した前述の基本構造と、同様な構成を有するものとする。
図13、図22に示すように、ミッションケース35内部には、前記入力軸16によって駆動される油圧ポンプ17が板体154の背面上半分に装着される一方、該板体154の前面下半分には、後輪車軸4aL・4aRにギア変速機50や差動装置51を介して連結される第一油圧モータ132が装着されている。油圧回路82において、前記第一油圧モータ132と前記油圧ポンプ17とはメイン油路131によって接続され、該メイン油路131と前記油圧ポンプ17・第一油圧モータ132等によって走行用油圧式無段変速装置30が形成されている。なお、本実施例では、油圧ポンプ17と第一油圧モータ132を板体154の背面と前面に分離して配置することにより、ポンプケースを不要としているが、油圧ポンプ17を第一油圧モータ132と同一面側に配置したり、更に、ポンプケースとモータケースとを一体としてもよい。
前記メイン油路131においては、前進側では、油圧ポンプ17と第一油圧モータ132間は油路140によって直接接続される一方、後進側では、油圧ポンプ17と第一油圧モータ132間の油路は、走行用油圧式無段変速装置30に設けた駆動切替弁135を介して接続されている。更に、該駆動切替弁135は、油圧配管136・137を介して、車軸駆動ケース138内で前記前輪車軸5aL・5aRをそれぞれ駆動する第二左油圧モータ133と第二右油圧モータ134とに接続される。なお、該第二左油圧モータ133と第二右油圧モータ134、及び前記油圧ポンプ17と第一油圧モータ132は、いずれもアキシャルピストンタイプにおける可変容積型に構成されている。
該第二左油圧モータ133と第二右油圧モータ134とは、前記駆動切替弁135に対して互いにパラレルに接続されると共に、両モータ間は連絡油路139によって接続されており、該連絡油路139を構成する二本の油路139a・139bの一方の油路139aが前記油圧配管136に接続され、他方の油路139bが前記油圧配管137に接続されている。これにより、メイン油路131からの圧油を、駆動切替弁135、外部の油圧配管136・137を介して、第二左油圧モータ133・第二右油圧モータ134に給排できるようにしている。
すなわち、第一車軸である後輪車軸4aL・4aRに機械的に連結される第一油圧モータ132と、該第一油圧モータ132に閉回路であるメイン油路131によって流体接続される油圧ポンプ17とを有する走行用油圧式無段変速装置30において、該走行用油圧式無段変速装置30に、第二車軸である前輪車軸5aL・5aRに機械的に連結される第二油圧モータである第二左油圧モータ133と第二右油圧モータ134に対して、前記メイン油路131からの圧油の供給/停止を行う切替手段である駆動切替弁135を設けたので、走行用油圧式無段変速装置30から駆動切替弁135までの複雑で長い油圧配管をなくすことができ、部品数が減少して製造コストが低減し、組立ても容易となって生産効率が向上する。
前記駆動切替弁135による、四輪駆動と二輪駆動の駆動切替構成について、図13乃至図18、図22により説明する。
板体154の背面上半分に設けたポンプ付設面154bに開口された一対の弓形ポート154b1・154b2のうち、一方のポート154b2は、板体154内で上下途中部から外方に屈曲した油路144から、ポート149、油圧配管145を経由して、前記駆動切替弁135に連通するポート150に接続される。これにより、前記油圧ポンプ17からの圧油が外部の油圧配管145等を介して駆動切替弁135に給排できるようにしている。
一方、板体154の前面下半分に設けたモータ付設面154cに開口された一対の弓形ポート154c1・154c2の一方のポート154c2は、板体154内で上下方向に形成された油路141から、ポート147、油圧配管142を経由して、前記駆動切替弁135に連通するポート148に接続されており、第一油圧モータ132からの圧油が外部の油圧配管142等を介して駆動切替弁135に給排できるようにしている。
そして、前記駆動切替弁135の本体135aは、前記第一油圧モータ132を覆うモータケース156の前面にボルト164によって装着され、この本体135aに左右方向に穿設された支持孔135bには、切替操作軸158が回転自在に支持され、該切替操作軸158は本体135aの右側面より突出し、その突出端に駆動制御アーム157が固定されている。
前記切替操作軸158で本体135a内にある部分の左右略中央位置には、回転軸線162に平行で、かつ該回転軸線162を挟んで互いに平行な2平面158b・158cと壁部158dとから成る弁体158aが形成され、該弁体158aを挟んで左右に小径部158eが設けられている。
更に、切替操作軸158内には、前記小径部158e・158eの外周面に二つの端部が開口されたドレン油路158fが穿孔され、該ドレン油路158fの残りの一端は、駆動切替弁135の本体135aに開口されたドレン油路135cを介して、モータケース156前面と本体135a背面との間に形成された油溜まり空間165に連通されている。これにより、前記弁体158aと支持孔135b内面との間に形成された弁室135dから圧油が漏れても、余分な圧油は隣接する小径部158e・158eからドレン油路158f・135cを介して前記油溜まり空間165に排出されるようにしている。
そして、前記弁室135dの背部は油路135eを介して前記ポート150に連通され、弁室135dの上部は油路135fを介して前記ポート148に連通され、弁室135dの下部は油路135gを介して前記ポート151に連通され、更に、弁室135dの前部は油路135hを介して前記ポート152に連通されている。
このようなロータリー式の駆動切替弁135において、前記駆動制御アーム157を操作して切替操作軸158を回転し、弁体158aを図14に示す位置160にすると、前記ポート148とポート150とが油路135f、弁室135d、油路135eを介して接続されると共に、前記ポート151とポート152とが油路135g、弁室135d、油路135hを介して接続され、前記メイン油路131から、左右の前輪5L・5Rを駆動するための左右の第二油圧モータ133・134への圧油の供給は停止され、左右の後輪4L・4Rのみで走行する二輪駆動モードとなる。
逆に、弁体158aを図13、図22に示す位置161にすると、前記ポート148とポート152とが油路135f、弁室135d、油路135hを介して接続されると共に、前記ポート150とポート151とが油路135e、弁室135d、油路135gを介して接続され、前記メイン油路131から左右の第二油圧モータ133・134へ圧油の供給が可能となり、左右の後輪4L・4Rに加えて前輪5L・5Rも駆動される四輪駆動モードとなる。
ここで、前記第一油圧モータ132による、副変速構成について、図18、図22により説明する。
該第一油圧モータ132においても、前記油圧モータ19と同様に、板体154の下部外面に設けたモータ付設面154cにバルブプレート302を配置し、該バルブプレート302に当接させるようシリンダブロック166が回転自在に配置され、該シリンダブロック166の回転中心部に前記出力軸155が係合されている。該シリンダブロック166の複数のシリンダ孔内には、付勢バネを介してピストン167・167・・・が往復動自在に嵌合され、該ピストン167・167・・・の頭部に第一モータ可動斜板168に組み込まれたスラストプレート303が当接されている。
前記第一モータ可動斜板168の右側端は、シフトブロック169を介してコントロールアーム304内端に連結され、該コントロールアーム304は、前記モータケース156の右側壁の開口部を閉塞する支持カバー170に回転自在に支持されると共に、このコントロールアーム304の回転軸線163は前記切替操作軸158の回転軸線162に対して平行に配置されている。
そして、このコントロールアーム304は、更に延長されて前記支持カバー170より突出し、この突出部分には、ボルト171によりL字状の副変速制御アーム172が固定されている。該副変速制御アーム172は、前方に延出する規制部172aと、上方に延出する操作部172bとから成り、このうちの規制部172aは、前記支持カバー170の外面に形成された側面視略コ字状の規制壁170aに内挿される一方、操作部172bの先端は、連結ロッド173を介して副変速レバー174と連動連結されている。
このような、副変速構成による変速操作と駆動切替構成による切替操作とを連動する連動機構について、図13、図14、図18乃至図20、図22により説明する。
前記副変速制御アーム172の操作部172bにはリンクアーム177の上部が固定され、該リンクアーム117の下部は、リンクロッド178、リンクアーム179、リンクロッド180を介して、前記駆動制御アーム157の外側端に連結されて連動リンク189が形成される。
該連動リンク189のリンクアーム179は、短尺のリンク部179aと長尺のリンク部179bとを一体形成して成り、前記モータケース156側面の支持カバー170に固定された支持プレート182から側方に突設された支軸181を中心に、前記副変速制御アーム172と駆動制御アーム157の傾倒方向に沿って回動可能に配設されている。
このような構成において、副変速制御アーム172の操作部172bが低速段に相当する低速位置175にある場合には、駆動制御アーム157は図13に示す四輪駆動モードに相当する位置184になるように設定されており、低速走行時には、駆動力が大きく牽引作業や悪路走行等に適した四輪駆動モードが自動的に選択されるようにしている。
そして、前記副変速レバー174を操作して、連結ロッド173を介して操作部172bを低速段の低速位置175から高速段の高速位置176まで小さく回動させると、前記リンクアーム177はコントロールアーム304を中心にして矢印185の方向に回動し、それに伴い、リンクロッド178を介してリンクアーム179が矢印186の方向に回動される。ここで、該リンクアーム179を構成するリンク部179aとリンク部179bのリンク比は前述の如く大きく設定されているため、たとえ低速位置175から高速位置176までの変速操作範囲が小さくても、長尺のリンク部179b先端を大きく回動させることができる。この結果、該リンク部179bによって、リンクロッド180も矢印198の方向に大きく押動され、駆動制御アーム157は、四輪駆動モードに相当する位置184から、図14に示す二輪駆動モードに相当する位置183まで大きく回動され、高速走行時には、燃費に優れた二輪駆動モードが自動的に選択されるようにしている。
すなわち、前記第一油圧モータ132を可変容積型とし、該第一油圧モータ132の容積の変更と、前記切替手段である駆動切替弁135による第二油圧モータである第二左油圧モータ133と第二右油圧モータ134への圧油の供給/停止とを連動する連動機構である連動リンク189を設けるので、たとえ走行中であっても、前記第一油圧モータ132を変速操作してその容積を変更するだけで、前記連動リンク189によって第二左油圧モータ133と第二右油圧モータ134への圧油を自動的に供給/停止させて四輪駆動と二輪駆動を切り替えることができ、駆動方式の切替に、わざわざ車両を停止して切替レバー等を操作する必要がなく、作業効率を更に向上させることができる。
また、前記第一油圧モータ132は少なくとも二つの容積である低速段と高速段に変更可能とした上で、前記連動機構である連動リンク189により、容積の大きい大容積状態である低速段では前記第二油圧モータである第二左油圧モータ133と第二右油圧モータ134へ圧油を供給し、該大容積状態よりも容積の小さい小容積状態である高速段では前記第二左油圧モータ133と第二右油圧モータ134への圧油供給を停止するので、大きな駆動力を必要とする各種作業の際には、第一油圧モータを大容積にすると同時に四輪駆動とし、小さな駆動力で十分な路上走行等の際には、第一油圧モータを小容積にすると同時に二輪駆動とすることができ、作業内容に応じた適切な変速段と駆動方式を選択して燃費の低減や装置寿命の延命化を図ることができる。
更に、前記切替手段は、回転操作で圧油の供給/停止が可能なロータリー式の切替弁である駆動切替弁135とし、該駆動切替弁135の切替操作軸158の回転軸線162を、前記第一油圧モータ132の容積変更のための容積操作具であるコントロールアーム304の回転軸線163に対して平行配置するので、切替操作軸158とコントロールアーム304との間の空間を小さくできると共に、該空間に連動機構である連動リンク189を配置することにより連動機構のための設置空間を別途設ける必要がなく、その結果、走行用油圧式無段変速装置30全体の小型化を図ることができるのである。
そして、前記第一油圧モータ132の容積を変更するための容積操作範囲の大きさである、低速位置175と高速位置176間の回転角度187が、前記第二油圧モータである第二左油圧モータ133と第二右油圧モータ134への圧油の供給/停止を切り替えるための切替操作範囲の大きさである、位置183と位置184間の回転角度188と異なる場合に、該切替操作範囲内での圧油の供給位置である位置184と停止位置である位置183とを、前記容積操作範囲内での特定の容積位置である低速位置175と高速位置176に対応させるための吸収構造であるリンクアーム179を設け、該リンクアーム179を前記連動機構である連動リンク189内に備えるので、前記第一油圧モータ132の変速と第二油圧モータである第二左油圧モータ133と第二右油圧モータ134への圧油の供給/停止の切替を、小さい操作範囲でも同時に行うことができ、変速段・駆動方式の選択操作性が大きく向上する。
また、前記連動機構は、前記第一油圧モータ132の容積変更のための容積操作具であるコントロールアーム304と前記切替手段である駆動切替弁135の切替操作軸158との間に介設した連動リンク189から構成され、該連動リンク189のリンク比を変更することにより前記吸収構造であるリンクアーム179と成すので、前記連動リンク189を構成する各リンク部179a・179bの長さを変更するだけでリンク比を容易に変えることができ、作業者の要望に応じて、前記第一油圧モータ132の変速段と駆動方式との対応関係を迅速に変更することができるのである。
次に、前記副変速レバー174による副変速操作について、図21により説明する。
前記座席7近傍には正面視L字状のブラケット190が配設され、該ブラケット190の側板190bから側方に支軸193が突設され、該支軸193には、リンクアーム194が矢印196の方向に回動できるように軸支されている。そして、該リンクアーム194の上端には、前記副変速レバー174の下端が、副変速レバー174が前記矢印196と直交する矢印195の方向に回動できるように軸支される一方、リンクアーム194の下端は、前記連結ロッド173を介して副変速制御アーム172の操作部172b先端に連動連結されている。
更に、該副変速レバー174は、前記ブラケット190の上板190aに開口されたレバー溝191を貫通して上方に延出され、その延出端に、把持部174aが固設されている。また、副変速レバー174の上下途中部で上板190aよりも下方位置には、牽引バネ192の一端が固定され、該牽引バネ192の他端は前記側板190bの側面に固定されており、副変速レバー174を矢印195で側板190bに向かって常時牽引可能としている。そして、前記レバー溝191は平面視E字状に形成され、レバー溝191の前後に長く開口された矩形の主溝191dからは、三段変速用の変速溝である低速溝191a・中速溝191b・高速溝191cが前から順に方向195と平行に形成されている。
このような構成において、副変速操作時には、把持部174aをもって副変速レバー174を、矢印195の方向に回動させて変速溝191a・191b・191cの一つから主溝191dまで引き出し、その後、該主溝191d内を矢印196の方向に回動させてから、変速溝191a・191b・191cのうちの所定の変速溝に向かって矢印195の方向に回動させると、前記牽引バネ192によって所定の変速溝内に付勢された状態で確実に係止することができる。それと共に、副変速レバー174が支軸193を中心に矢印196の方向に回動することにより、連結ロッド173を介して副変速制御アーム172の操作部172bも矢印196と同じ方向に回動され、前記低速溝191a・中速溝191b・高速溝191cに対応して、低速位置197a・中速位置197b・高速位置197cに設定されるのである。
ここでは、変速段数は3段としたが、変速溝の数を減らすと共に、副変速制御アーム172までのリンク比を変更することで、変速段数が低速と高速の2段である前記連動リンク189にも適用可能な構成となっている。
また、このように変速段数が3段以上の場合であっても、前記連動リンク189のリンク比や駆動切替弁135の弁体158aの形状等を変更することにより、二輪駆動モードと四輪駆動モードの切替操作範囲を自在に調整することができ、特定の変速段を境にして、二輪駆動モードと四輪駆動モードのいずれかに切り替えることも可能である。
次に、メイン油路から駆動切替弁までの油路構成を変更した第二実施例について、図23により説明する。
前記油圧ポンプ17を背面上半分に装着し、第一油圧モータ132を前面下半分に装着する板体199内には、油圧ポンプ17と第一油圧モータ132を流体接続するメイン油路のうち、前記油路144に相当する油路からは、側方に油路199aが延設され、該油路199aは、前記第一油圧モータ132を収納するモータケース200内に前後方向に穿設された油路200aの後端に連通され、該油路200aの前端は、駆動切替弁201の本体201a内に形成された油路201bに連通されている。そして、該油路201bは駆動切替弁201の弁室201cに接続されており、メイン油路からの圧油を、板体199からモータケース200の油路を通じて駆動切替弁201に給排できるようにしている。前記油路141に相当する油路からも、走行用油圧式無段変速装置30内に形成された図示せぬ油路を通じて駆動切替弁201に給排できるようにしている。
これにより、第一実施例のような、外部に露出した高圧の油圧配管142・145までもなくすことができ、更に部品数が減少して製造コストが低減し、組立ても容易となって生産効率を一層向上させることができる。
次に、副変速構成による変速操作と駆動切替構成による切替操作とを連動する連動機構を変更した第三実施例について、図24乃至図26により説明する。
副変速制御アーム202は、前記コントロールアーム304に固定された側面視L字状の規制部材203と、外側端に副変速レバー174からの連結ロッド173を連結した制御部材204と、該制御部材204と前記規制部材203との間に介設された中間バネ205とから構成され、このうちの制御部材204の途中部は、リンクロッド206を介して、前記切替操作軸158に固定された駆動制御アーム157の外側端に連結されて、連動リンク212が構成されている。
前記規制部材203は、前記コントロールアーム304の突出部分に外嵌固定された取付部203cと、該取付部203cより前方に延出する規制部203aと、該規制部203aと直交して取付部203cより上方に延出する連動部203bとから成り、このうちの規制部203aは、前記支持カバー170の外面に形成された側面視略コ字状の規制壁170aに内挿されている。更に、前記取付部203cには、制御部材204下部のボス部204aが前後回動可能に外嵌されている。
そして、該ボス部204aには中間バネ205が外嵌され、該中間バネ205の両端は上方に延びて途中で交差し、重なり状態にある前記規制部材203の連動部203bと、制御部材204とを両側から挟み込んでいる。
このような構成において、前記副変速レバー174を操作して、連結ロッド173を介して制御部材204を低速段の低速位置175から位置207に向かって矢印209の方向に回動させていくと、コントロールアーム304に連結された規制部材203も、中間バネ205を介して、低速位置175から同じ矢印209の方向に回動される。この際、前記駆動制御アーム157も、リンクロッド206を介して、図13に示す四輪駆動モードに相当する位置184から、図14に示す二輪駆動モードに相当する位置183に向かって、矢印211の方向に回動していく。
このうちの規制部材203は、位置210まで回動すると、規制部203aの下辺が規制壁170aの下壁170a2上面に当接して回動が停止するが、前記制御部材204は、中間バネ205の弾性力に抗して更に回動を続けることができ、位置207に到達すると、前記駆動制御アーム157も位置183に到達することができる。
逆に、前記副変速レバー174を操作して、制御部材204を位置207から低速段の低速位置175に向かって矢印208の方向に回動させていくと、位置210では規制部材203も制御部材204と一体となって回動し始め、規制部203aの上辺が規制壁170aの上壁170a1下面に当接するまで回動し、規制部材203と制御部材204は共に低速位置175に到達することができる。この際、駆動制御アーム157も、リンクロッド206を介して、位置183から位置184に復帰させることができる。これにより、リンクやワイヤーの細かな調整をしなくても、確実に副変速したり、四輪駆動と二輪駆動との切替を行うことができるのである。
また、副変速レバー174ではなく駆動制御アーム157を操作することにより、副変速や、四輪駆動と二輪駆動との切替を行うようにしてもよい。なお、この際、連結ロッド173は自由状態にある。
駆動制御アーム157が、図13に示す四輪駆動モードに相当する位置184にある場合には、制御部材204がリンクロッド206を介して矢印208の方向に付勢された状態となり、制御部材204は前記位置184と略平行な低速位置175に保持される。この場合、コントロールアーム304に固設された規制部材203も、前記制御部材204により、中間バネ205を介して矢印208の方向に付勢され、規制部203aの上辺が規制壁170aの上壁170a1下面に当接するまで回動され、低速位置175に保持される。
そして、駆動制御アーム157を手動操作して、前記位置184から、図14に示す二輪駆動モードに相当する位置183に向かって矢印211の方向に回動させていくと、前記制御部材204は、リンクロッド206を介して、低速位置175から矢印209の方向に向かって回動される。この際、コントロールアーム304に連結された規制部材203も、中間バネ205を介して、低速位置175から同じ矢印209の方向に回動されるが、位置210までくると、規制部203aの下辺が規制壁170aの下壁170a2上面に当接して回動が停止する。しかし、前記制御部材204は、中間バネ205の弾性力に抗して更に回動を続け、位置207に到達すると前記駆動制御アーム157も位置183に到達することができる。
すなわち、以上のように、前記連動機構は、前記第一油圧モータ132の容積変更のための容積操作軸と、前記切替手段である駆動切替弁135の切替操作軸158との間に介設した連動リンク212から構成され、該連動リンク212内に弾性体である中間バネ205を介設し、該中間バネ205を伸長させることにより吸収構造と成すので、前記中間バネ205を介設しただけの簡単な構造で吸収構造を形成することができ、該吸収構造を設けた連動機構を低コストでしかも容易に形成することができるのである。
次に、作業機への圧油の供給構成を変更した第四実施例について、図27乃至図30により説明する。
図27、図28に示すように、前記板体154前面にはチャージポンプ15のケーシング15bが装着され、該ケーシング15bの前面には、補助ポンプ213を有するケーシング213aが装着され、これらケーシング15b・213aはボルト231によって前記板体154に締結固定されている。そして、該ケーシング15b・213a間に設けられたスリーブ232を介して、前記エンジン14からのエンジン出力軸227と、板体154を貫通してきた前記入力軸16とが、同一軸芯上で連結連動されており、入力軸16に対してチャージポンプ15と補助ポンプ213がタンデムに配置されている。
前記補助ポンプ213においては、前記エンジン出力軸227に駆動ギア228が形設されるとともに、該エンジン出力軸227に平行に前記ケーシング213aに従動軸229が支持され、該従動軸229には従動ギア230が形設され、両ギア228・230を相互噛合させて、外接ギアポンプが構成されている。
このような構成において、エンジン14が作動すると、エンジン出力軸227が駆動されることにより、ミッションケース35内の第2油室72bの油が、フィルタ90で清浄化された後に分岐し、一方はチャージポンプ15に吸引され、もう一方は前記ポート94に流れ込む。前記両ギア228・230は、このポート94からの油をその歯溝に保持しながら回転し、ポート235へ圧油として送り込む。
そして、該ポート235から出た圧油は、油路219を経由して、ポート223・224を介してフロントローダのダンプシリンダ等へ送油する切替弁214と、ポート225・226を介してフロントローダの昇降シリンダ等へ送油する切替弁215とに送油されて、フロントローダのダンプシリンダや昇降シリンダ等が駆動される。該フロントローダのダンプシリンダや昇降シリンダ等からの戻り油は、油路221、油路222を経由して、ポート95からミッションケース35内の第2油室72bに戻るようにしている。
図27に示すように、前記切替弁214・215が中立位置にあってフロントローダのダンプシリンダや昇降シリンダ等を作動させない場合は、ポート235から出た圧油は、切替弁214・215をスルーし、油路220を経由して、作業機用の昇降アーム218を駆動する油圧リフトシリンダ11の切り換え操作を行う切替弁216に供給され、その後、前記油路222を経由して、ポート95からミッションケース35内の第2油室72bに戻るようにしている。
このように、チャージポンプ15に加え補助ポンプ213を新たに追加するので、前記PTO入切クラッチ37やパワーステアリングシリンダ70もチャージポンプ15からの圧油で駆動していたために、フロントローダのダンプシリンダや昇降シリンダ等への圧油で不足していた分を、前記補助ポンプ213を使って補うことができ、フロントローダのダンプシリンダや昇降シリンダ等の円滑動作を可能としている。
また、図29、図30に示すように、二連式補助ポンプ236をチャージポンプ15に追加してもよい。該二連式補助ポンプ236においては、第1補助ポンプ236aのケーシング247の前面に、第2補助ポンプ236bのケーシング248が装着され、これら第1補助ポンプ236a、第2補助ポンプ236bから成るポンプユニットは、前記エンジン14やミッションケース3・35の外壁面等に、取付ステー250を介して装着されている。そして、両ケーシング247・248には、前記エンジン出力軸227に対してデュアルに配置された駆動軸240が回動可能に貫設されている。
このうちの第1補助ポンプ236aでは、駆動軸240に駆動ギア241が形設されるとともに、該駆動軸240に平行に前記ケーシング247に従動軸243が支持され、該従動軸243には従動ギア244が形設され、両ギア241・244を相互噛合させて、外接ギアポンプである第1補助ポンプ236aが構成されている。
第2補助ポンプ236bでも同様に、駆動軸240に駆動ギア242が形設されるとともに、該駆動軸240に平行に前記ケーシング248に従動軸245が支持され、該従動軸245には従動ギア246が形設され、両ギア242・246を相互噛合させて、外接ギアポンプである第2補助ポンプ236bが構成されている。
そして、前記駆動軸240の後端にはプーリ239が固定されると共に、前記エンジン出力軸227にはプーリ237が嵌設固定され、該プーリ237と前記プーリ239との間にはベルト238が巻回されており、エンジン14からの動力をプーリ237、ベルト238、プーリ239を介して駆動軸240を駆動できるようにしている。
このような構成において、エンジン14が作動すると、エンジン出力軸227が駆動されることにより、ミッションケース35内の第2油室72bの油が、フィルタ90で清浄化された後に分岐し、一方はチャージポンプ15に吸引され、もう一方は前記ポート94に流れ込む。このポート94からの油は前記第1補助ポンプ236aと第2補助ポンプ236bに吸引され、このうちの第1補助ポンプ236aからの圧油は前記チャージポンプ15からの吐出油と合流し、第2補助ポンプ236bからの圧油は前記ポート235へ送り込まれる。
そして、該ポート235から出た圧油は、前記補助ポンプ213の場合と同様にして、フロントローダのダンプシリンダや昇降シリンダ等や作業機用の昇降アーム218駆動した後に、ミッションケース35内の第2油室72bに戻るようにしている。
このように、チャージポンプ15に加え二連式補助ポンプ236を新たに追加するので、チャージポンプ15が油圧源を兼ねていたPTO入切クラッチ37やパワーステアリングシリンダ70にも、第1補助ポンプ236aを使って油を補うことができ、チャージポンプ15が、本来の機能であるメイン油路131内への圧油補給を確実に行うことができるのである。
本発明は、油圧ポンプと油圧モータを相互に流体接続する閉回路を有し、該閉回路からの圧油で別の油圧モータを駆動する全ての走行用油圧式無段変速装置に適用することができる。
本発明に関わる作業車輌の全体構成を示す作業車輌の側面一部断面図である。 駆動方式の切替を機械式クラッチで行う作業車輌の側面一部断面図である。 ミッションケースの側面一部断面図である。 図3におけるA−A矢視断面図である。 図3におけるB−B矢視断面図である。 図3におけるC−C矢視断面図である。 ミッションケースの正面図である。 図5におけるD−D矢視断面図である。 図4におけるE−E矢視断面図である。 ミッションケース前部の右側面図である。 機械式クラッチの構造を示す、走行用油圧式無段変速装置の側面断面図である。 駆動方式の切替を機械式クラッチで行う場合の油圧回路図である。 第一実施例の駆動切替弁の構造を示す、走行用油圧式無段変速装置の側面一部断面図である。 駆動切替弁の詳細構造を示す駆動切替弁の側面一部断面図である。 第一実施例のミッションケースの正面図である。 図13におけるF−F矢視断面図である。 第一実施例の板体の背面断面図である。 図13におけるG−G矢視断面図である。 第一実施例の四輪駆動時の連動リンクを示す、ミッションケース前部の右側面図である。 同じく二輪駆動時の連動リンクを示す、ミッションケース前部の右側面図である。 副変速のための操作構造の斜視図である。 第一実施例の油圧回路図である。 第二実施例の油路構成を示す、駆動切替弁周囲の平面一部断面図である。 第三実施例の連動リンクを示す、駆動切替弁周囲の平面一部断面図である。 第三実施例の四輪駆動時の連動リンクを示す、ミッションケース前部の右側面図である。 同じく二輪駆動時の連動リンクを示す、ミッションケース前部の右側面図である。 第四実施例においてチャージポンプと同一軸芯上に補助ポンプを設けた場合の油圧回路図である。 第四実施例のチャージポンプと補助ポンプの平面断面図である。 第四実施例において二連式補助ポンプを設けた場合の油圧回路図である。 第四実施例における二連式補助ポンプの平面断面図である。
符号の説明
4a 第一車軸
5a 第二車軸
17 油圧ポンプ
30 走行用油圧式無段変速装置
131 閉回路
132 第一油圧モータ
133・134 第二油圧モータ
135 駆動切替弁
158 切替操作軸
162・163 回転軸線
175・176 特定の容積位置
179 吸収構造
183 停止位置
184 供給位置
187 容積操作範囲の大きさ
188 切替操作範囲の大きさ
189・212 連動リンク
205 弾性体
304 容積操作軸

Claims (7)

  1. 第一車軸に機械的に連結される第一油圧モータと、該第一油圧モータに閉回路によって流体接続される油圧ポンプとを有する走行用油圧式無段変速装置において、該走行用油圧式無段変速装置に、第二車軸に機械的に連結される第二油圧モータに対して前記閉回路からの圧油の供給/停止を行う切替手段を設けたことを特徴とする走行用油圧式無段変速装置。
  2. 前記第一油圧モータを可変容積型とし、該第一油圧モータの容積の変更と、前記切替手段による第二油圧モータへの圧油の供給/停止とを連動する連動機構を設けることを特徴とする請求項1記載の走行用油圧式無段変速装置。
  3. 前記第一油圧モータは少なくとも二つの容積に変更可能とした上で、前記連動機構により、容積の大きい大容積状態では前記第二油圧モータへ圧油を供給し、該大容積状態よりも容積の小さい小容積状態では前記第二油圧モータへの圧油供給を停止することを特徴とする請求項2記載の走行用油圧式無段変速装置。
  4. 前記切替手段は、回転操作で圧油の供給/停止が可能なロータリー式の切替弁とし、該切替弁の切替操作軸の回転軸線を、前記第一油圧モータの容積変更のための容積操作軸の回転軸線に対して平行配置することを特徴とする請求項2又は請求項3記載の走行用油圧式無段変速装置。
  5. 前記第一油圧モータの容積を変更するための容積操作範囲の大きさが、前記第二油圧モータへの圧油の供給/停止を切り替えるための切替操作範囲の大きさと異なる場合に、該切替操作範囲内での圧油の供給位置と停止位置を、前記容積操作範囲内での特定の容積位置に対応させるための吸収構造を設け、該吸収構造を前記連動機構内に備えることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の走行用油圧式無段変速装置。
  6. 前記連動機構は、前記第一油圧モータの容積変更のための容積操作軸と前記切替手段の切替操作軸との間に介設した連動リンクから構成され、該連動リンクのリンク比を変更することにより前記吸収構造と成すことを特徴とする請求項5記載の走行用油圧式無段変速装置。
  7. 前記連動機構は、前記第一油圧モータの容積変更のための容積操作軸と前記切替手段の切替操作軸との間に介設した連動リンクから構成され、該連動リンク内に弾性体を介設し、該弾性体を伸長させることにより前記吸収構造と成すことを特徴とする請求項5記載の走行用油圧式無段変速装置。
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