JP6355509B2 - 無段変速装置 - Google Patents
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Description
無段変速室には、無段変速部の構造上、作動油を充満またはほぼ充満させる必要がある。
遊星伝動室には、潤滑油を満杯や満杯に近い状態で貯留すると、潤滑油に起因する遊星伝動部の駆動抵抗が大きくなるため、遊星伝動室における潤滑油の貯留量は、満杯量にせず、必要最小限の量にする。
上述の構成によれば、供給部によって遊星ギヤに潤滑油が供給される。
前記供給部は、前記キャリアに形成されたキャリア油路を備え、前記キャリア油路が前記支持部に連通していると好適である。
前記供給部は、前記支持部に形成された遊星ギヤ油路を備え、前記遊星ギヤ油路と前記キャリア油路とが連通していると好適である。
前記出力軸に設けられ、前記キャリアを前記出力軸に対して回転自在に支持する第一ベアリングと、前記太陽ギヤに設けられ、前記キャリアのうち、前記太陽ギヤの回転軸心方向において前記第一ベアリングとは異なる箇所を前記太陽ギヤに対して回転自在に支持する第二ベアリングと、を備え、前記供給部は、前記出力軸に形成された出力軸油路を備え、前記出力軸油路と前記キャリア油路とが、前記回転軸心方向における前記第一ベアリングと前記第二ベアリングとの間の空間を介して連通していると好適である。
前記油面は、前記遊星ギヤの自転軸心の軌跡のうちの最下端の高さ以下、かつ、前記キャリアの外周の最下端の高さ以上に設定されていると好適である。
前記供給部は、前記駆動力によって駆動され、前記潤滑油を前記遊星ギヤに供給する油圧ポンプを備えていると好適である。
前記供給部は、前記切替機構によって前記変速駆動力を前記出力軸に出力する状態が選択されているときに前記潤滑油を前記遊星ギヤに供給する制御機構を備えていると好適である。
図1及び図2に示すように、本発明の実施形態に係る無段変速装置30は、田畑を自走しながら稲や麦の刈取り脱穀をするいわゆる自脱型のコンバインに備えられている。
すなわち、図1であれば、コンバインの進行方向が紙面左方向であるため、「前方」や「前面」とは紙面左の方向や面であり、「後方」や「背面」とは紙面右の方向や面であり、「右」とは紙面奥側であり、「左」とは紙面手前側である。
このコンバインは、走行機体の機体フレーム1の、前部右領域に運転部3を備え、前部左領域に刈取部4を備え、後部左領域に脱穀装置5を備え、後部右領域に穀粒タンク6を備え、下部に左右一対のクローラ式の走行装置2を備えている。
運転部3は、コンバインを操作するための部分であって、作業員が搭乗する運転キャビン3a内に、図3に示すように、座席支持台3cに支持された運転座席3bや、床部3dに設置された該コンバインを操作するための図示しない操作装置などが備えられている。
図1及び図2に示すように、刈取部4は、バリカン型の刈取装置14による植立穀稈の刈取り、及び搬送装置15による刈取穀稈の脱穀装置5への搬送を行なう部分である。刈取部4は、機体フレーム1の前端部に備えられた刈取部フレーム10の前端部に左右方向に沿って複数のデバイダ12が並設され、複数のデバイダ12の後方に引起装置13が配設され、引起装置13の後方で刈取部フレーム10にバリカン型の刈取装置14が配設され、刈取装置14の上方には脱穀フィードチェーン5aを備えた搬送装置15が配設され、本実施形態では、一度に6条の稲や麦を刈取りができるように構成されている。
すなわち、複数のデバイダ12が植立穀稈のうちの刈取り対象の植立穀稈を後方に位置する複数の引起装置13に案内する。各引起装置13は、植立穀稈を引起爪による梳き上げによって引起し処理をし、刈取装置14が引起し状態の植立穀稈の株元を切断して、植立穀稈の刈取りを行なう。搬送装置15は、刈取穀稈を左横側に移動させながら後方に搬送して脱穀フィードチェーン5aの搬送始端部に供給する。該刈取穀稈は脱穀フィードチェーン5aによって脱穀装置5へ搬送される。
脱穀装置5は、脱穀フィードチェーン5aによって刈取り穀稈の株元側を挟持して後方に搬送しながら刈取り穀稈の穂先側を扱室に供給し、前後向きの扱胴軸心まわりに回動する扱胴16によって刈取穀稈を脱穀処理し、脱穀処理によって得た穀粒を選別部17に供給する。
選別部17は、穀粒を塵埃と別ける選別処理を行ない、選別処理後の穀粒を脱穀機体外に搬出して穀粒タンク6に供給する。
穀粒タンク6は、選別部17から供給された穀粒を貯留していく。穀粒タンク6は、後側に上下向きに配設された縦スクリューコンベヤ18aを有したアンローダ18を備え、貯留した穀粒のアンローダ18による取出しを可能にしている。
アンローダ18は、縦スクリューコンベヤ18aを備える他、縦スクリューコンベヤ18aの上端部から上下揺動操作可能に延出された横スクリューコンベヤ18bを備えている。
図3や図5にも示すように、動力源であるエンジン7は、運転部3の運転座席3bを支持する座席支持台3cの下方に設けられている。
エンジン7は、機体フレーム1のうちのエンジン支持フレーム部1aに、その出力軸7aが左右方向に沿った向きとなるように、クッションゴム9を介して支持されている。
図3及び図5に示すように、走行伝動装置31は、左右の走行装置2の前端部の間で、機体フレーム1の前端部に連結部材34を介して支持されている。
走行伝動装置31は、無段変速装置30から入力された駆動力を左右用に分岐させて左右一対の出力軸31a,31aに伝達するように構成された走行ミッションが収容された走行伝動ケース32を備えている。
左右一対の操向クラッチは、左右の走行装置2を各別に停止状態に切替え操作して、走行機体を左向きや右向きに操向操作するものである。
旋回ブレーキは、左右の走行装置2のうちの旋回内側の走行装置2にブレーキを掛けて、走行機体を信地旋回させるものである。
緩旋回クラッチは、左右の走行装置2のうちの旋回内側の走行装置2の駆動速度を旋回外側の走行装置2の駆動速度よりも低速にして、走行機体を信地旋回よりも大旋回半径で旋回するように緩旋回させるものである。
逆転クラッチは、左右の走行装置2のうちの旋回内側の走行装置2の駆動方向と旋回外側の走行装置2の駆動方向とを逆方向にして、走行機体を信地旋回よりも小旋回半径で旋回するように超信地旋回させるものである。
図3から図5に示すように、無段変速装置30は、運転部3の床部3dの下方、かつ出力軸ケース33の上方で、エンジン7の前方であってエンジン7の左右幅内である空間に、走行伝動ケース32から右上方にオーバーハングするように配設されている。無段変速装置30の配設スペースとして、運転部3と走行伝動ケース32との間のスペースが有効に活用されている。
無段変速装置30は、走行伝動ケース32及びブラケット19を介して機体フレーム1に固定される構成であるため、無段変速装置30を走行伝動ケース32のみによる片持ちとする構成に比べて、無段変速装置30の振動抑制が図られている。
無段変速部40は、アキシャルプランジャ型で、かつ容量可変型の油圧ポンプ41及び油圧モータ42を備えている。本実施形態においては、油圧ポンプ41がいわゆる主変速機構として機能し、油圧モータ42がいわゆる副変速機構として機能する。
挿入面370aの先端部には、連結部材39の内周部(後述の溝部39z)とスプライン構造によって一体的に連結するための溝部37zが形成されている。
挿入面370a,370c,370dには、オイルシール372a,372c,372dが配設されている。
オイルシール372a,372c,372dは、挿入面370a,370c,370dの直径に応じた内径を有するOリングで構成されている。
オイルシール372c,372dは、入力軸37の紙面左方から、それぞれ挿入面370c,370dに連なるテーパ面によって緩やかに拡径されながら所定位置に配設される。
小径部39aは、ベアリング35xを介して無段変速ケース35に軸支されている。
大径部39bの内周部には、挿入面370a,370b,370c,370dに対応する被挿入面390a,390b,390c,390dが備えられている。
被挿入面390aには、挿入面370aの溝部37zとスプライン構造によって一体的に連結するための溝部39zが形成されている。
入力軸37が連結部材39に挿入できるように、被挿入面390aの内径は挿入面370aの外径より僅かに大きく、被挿入面390bの内径は挿入面370bの外径より僅かに大きく、被挿入面390cの内径は挿入面370cの外径より僅かに大きく、被挿入面390dの内径は挿入面370dの外径により僅かに大きく設定されている。
これにより、図21に示すように入力軸37を連結部材39に挿入した状態のときに、挿入面370bと被挿入面390cと、挿入面370cと被挿入面390dとの対向面間に隙間373,374が形成される。
操作油路37aの紙面右端は、油圧室78aに対応する位置で入力軸37の径方向に形成された操作油路37bに連通している。
操作油路37aの紙面左端は、連結部材39に対応する位置で入力軸37の径方向に形成された操作油路37cに連通している。
操作油路37dの紙面右端は、油圧室78bに対応する位置で入力軸37の径方向に形成された操作油路37eに連通している。
操作油路37dの紙面左端は、連結部材39に対応する位置であって、操作油路37cとは入力軸37の軸心方向に偏倚した位置で、入力軸37の径方向に形成された操作油路37fに連通している。
操作油路39cの一端は被挿入面390cに開口し、他端は大径部39bの外周部に周方向に形成された導入溝39eに開口する。
操作油路39dの一端は被挿入面390dに開口し、他端は大径部39bの外周部に周方向に形成された導入溝39fに開口する。
連結部材39の大径部39bの外周部には、導入溝39e及び導入溝39fのための複数の油溝シール39g,39h,39iが形成されている。
なお、操作油路37cと操作油路39dとは隙間374を介して連通する。操作油路37fと操作油路39cとは隙間373を介して連通する。
油導入部35aには、導入溝39eと連通可能な操作油路35bと、導入溝39fと連通可能な図示しない別の操作油路が形成されている。なお、油導入部35aは、アルミニウムを加工することによって形成されている。
連結部材39が回転しているときであっても、操作油路35bは、導入溝39eを介して操作油路39cと常に連通し、同様に、図示しない前記別の操作油路は、導入溝39fを介して操作油路39dと常に連通するので、操作油路39d,39cを介した操作油路37c,37dへの操作油の供給が途切れることはない。
なお、回転支軸51と連結部材59との連結は、上述した入力軸37と連結部材39との連結と同様の構成であるため詳細な説明は省く。
連結部材59は、ベアリング35yを介して無段変速ケース35に軸支されている。
操作油路51aの紙面右端は、油圧室73に対応する位置で回転支軸51の径方向に形成された操作油路51bに連通している。
操作油路51aの紙面左端は、連結部材59に対応する位置で回転支軸51の径方向に形成された操作油路51cに連通している。
潤滑油路51dの紙面右端は、回転支軸51及び太陽ギヤ52に配設された第一ベアリング51x及び第二ベアリング52xとの間隙に対応する位置で、回転支軸51の径方向に形成された潤滑油路51eに連通している。
潤滑油路51dの紙面左端は、連結部材59に対応する位置であって、操作油路51cとは回転支軸51の軸心方向に偏倚した位置で、回転支軸51の径方向に形成された潤滑油路51fに連通している。
操作油路59cの一端は被挿入面に開口し、他端は前記大径部の外周部に周方向に形成された導入溝59eに開口する。
潤滑油路59dの一端は前記被挿入面に開口し、他端は前記大径部の外周部に周方向に形成された導入溝59fに開口する。
連結部材59の前記大径部の外周部には、連結部材39と同様に複数の油溝シールが形成されている。
操作油路51cと操作油路59cとは隙間573を介して連通する。潤滑油路51fと潤滑油路59dとは隙間574を介して連通する。
油導入部35eには、導入溝59eと連通可能な操作油路35cと、導入溝59fと連通可能な図示しない潤滑油路が形成されている。なお、油導入部35eは、アルミニウムを加工することによって形成されている。
連結部材59が回転しているときであっても、操作油路35cは、導入溝59eを介して操作油路59cと常に連通し、同様に、図示しない前記潤滑油路は、導入溝59fを介して潤滑油路59dと常に連通するので、操作油路59c及び潤滑油路59dを介した操作油路51c及び潤滑油路51fへの油の供給が途切れることはない。
油圧ポンプ41は、運転部3の操作装置の後述の主変速レバー85(図16参照)の操作に基づいて、図23及び図24に示すように、無段変速ケース部95の内部に収容した複動型油圧シリンダ80によってポンプ斜板41bの傾斜角度(斜板角度)を傾動操作して、ポンプ軸41aの一定回転あたりの作動油の吐出量を変化させる機構である。
ヘッド411とポートブロック43の間にはバルブプレート430が配設されている。
バルブプレート430には、軸心L方向視においてポンプ軸41aを挟んで対向する弧状のキドニーポート431,432(図12参照)が形成されている。キドニーポート431,432は、循環油路44の一部を構成している。
なお、ポンプ斜板41bの傾斜角度が大きくなるほど、ポンプ軸41aの一定回転あたりの作動油の吐出量が多くなり、ポンプ斜板41bの傾斜角度が小さくなるほど、ポンプ軸41aの一定回転あたりの作動油の吐出量は少なくなる。
スプリング418の両端部の夫々は、カラー425及びカラー426を介して、前記下端部と付勢力調節ナット424とによって挟持されている。付勢力調節ナット424を締めたり、緩めたりすることで、スプリング418の付勢力を調節できる。
図7及び図10に示すように、油圧モータ42は、運転部3の操作装置の後述の副変速レバーの操作に基づいて、無段変速ケース部95の内部に収容した一対の単動型油圧シリンダ107,108によってモータ斜板42bの傾斜角度(斜板角度)を傾動操作して、油圧ポンプ41から吐出された作動油の一定量あたりのモータ軸42aの回転数を変化させる機構である。
ヘッド511とポートブロック43の間にはバルブプレート530が配設されている。
バルブプレート530には、軸心M方向視においてモータ軸42aを挟んで対向する弧状のキドニーポート531,532(図12参照)が形成されている。キドニーポート531,532は、循環油路44の一部を構成している。
なお、モータ斜板42bの傾斜角度が大きくなるほど、モータ軸42aを一定回転させるのに必要な作動油の供給量が多くなるため、モータ軸42aの回転数は小さくなり、モータ斜板42bの傾斜角度が小さくなるほど、モータ軸42aを一定回転させるのに必要な作動油の供給量が少なくなるため、モータ軸42aの回転数は大きくなる。
シリンダ515は、無段変速ケース部95のうち油圧モータ42の前方に隣接する箇所に配設されている。ピストン107aは、第三油室519に供給される操作油によって、シリンダ515の内部の一端(右方)から他端(左方)の間で移動可能である。なお、第三油室519に供給される操作油は、循環油路44を循環する作動油と同じ油であるため、本明細書において区別の必要がない場合は単に作動油とよぶ。
単動型油圧シリンダ107は、モータ斜板42bの径方向に延設された操作部42cに対してピストン107aを右方から左方へと押圧作用させることで、モータ斜板42bの傾斜角度を大きくする方向に傾動操作するように構成してある。したがって、単動型油圧シリンダ107は、油圧モータ42を減速側に変速操作する減速油圧シリンダを構成している。
シリンダ518は、無段変速ケース部95のうち油圧モータ42の前方に位置する箇所であって、単動型油圧シリンダ107に対向する箇所に配設されている。ピストン108aは、第四油室520に供給される操作油によって、シリンダ518の内部の一端(左方)から他端(右方)の間で移動可能である。なお、第四油室520に供給される操作油は、循環油路44を循環する作動油と同じ油であるため、本明細書において区別の必要がない場合は単に作動油とよぶ。
油圧ポンプ41と油圧モータ42との間で、作動油を往来させるための循環油路44について説明する。
操作部42cの延設側端部が、ポンプ軸41aとモータ軸42aとに挟まれる領域、かつ第一接続油路43aと第二接続油路43bによって囲われる領域の外側の外側領域Uまで延設され、第二接続油路43bの近傍に位置するように構成されている。
図8及び図9に示すように、遊星伝動部50は、無段出力軸42aと同心状に配設されるとともに無段変速ケース35に回転可能に支持された回転支軸51と、回転支軸51に一体回転するように支持された太陽ギヤ52と、太陽ギヤ52に噛み合った複数の遊星ギヤ53と、各遊星ギヤ53を相対回転可能に支持するキャリア54と、各遊星ギヤ53に内歯で噛み合ったリングギヤ55と、太陽ギヤ52に対してキャリア54が位置する側と反対側で回転支軸51に相対回転可能に支持されたギヤ形の遊星出力軸56と、を備えている。
なお、各遊星ギヤ53は、キャリア54に備えられた支持部58によって回転可能に支持される。キャリア54は、回転支軸51に配設された第一ベアリング51xと太陽ギヤ52に配設された第二ベアリング52xによって、回転支軸51回りに回転可能に支持される。
遊星出力軸56には、外周に設けた歯部がリングギヤ55の内歯に噛み合うように構成された環状の連動部材57が一体形成されており、これにより、リングギヤ55と遊星出力軸56とは一体回転する。
クラッチ本体71は、回転支軸51に、後述の油圧制御によって回転支軸51の軸心方向にスライド可能に、支持されている。
切替クラッチ70が切り状態であるときは、太陽ギヤ52と連動部材57との連結が解除され、遊星伝動部50の変速作用によって、無段変速部40の無段出力軸42aからの駆動力を変速して遊星出力軸56に伝達することができる。
図9に示すように、クラッチ本体71は、回転支軸51との摺動面を有する基部71cと、基部71cの外周に一体形成された円筒部71dとで構成された有底筒状形をなしている。円筒部71dの外周の一部には噛み合い歯72aや連結歯72cが配設されている。
クラッチ本体71の紙面右側には、回転支軸51に形成された溝部に配設されるスナップリング71eによって紙面右方への移動が規制されるように配設された円板状の受圧板71bを収容可能な凹部が備えられている。
回転支軸51の内部に形成された操作油路51a,51b,51cを介して油圧室73に操作油が供給されると、クラッチ本体71は、スプリング71aの付勢力に抗して、太陽ギヤ52側へとスライドさせられ、切替クラッチ70は切り状態となる。
図7及び図8に示すように、伝動機構60は、キャリア54に設けた歯部に噛み合い連動する状態で入力軸37に相対回転可能に支持された前進伝動ギヤ63と、無段変速ケース35の内部に回転可能に支持された左右方向に沿った姿勢の中継軸61と、入力軸37と中継軸61とを連動させる伝動部62と、キャリア54の歯部に噛み合い連動する状態で中継軸61に相対回転可能に支持された後進伝動ギヤ64とを備えている。前進伝動ギヤ63の両側にはスラストカラー63a,63bが配設され、後進伝動ギヤ64の両側にはスラストカラー64a,64bが配設されている。
図7、図8及び図21に示すように、入力軸37には、入力軸ギヤ62aと前進伝動ギヤ63との間に、前進クラッチ66が設けられている。
前進クラッチ66は、入力軸37に設けたスプライン部に一体回転し、かつ後述の油圧制御によって入力軸37の軸心方向にスライド可能に支持されるクラッチ本体65を備えている。
図21に示すように、クラッチ本体65は、入力軸37との摺動面を有する基部65cと、基部65cの外周部に一体形成された円筒部65dとで構成された有底筒状形をなしている。円筒部65dの外周部の一部にはクラッチ部66aの噛み合い歯66bが配設されている。基部65cと入力軸37とは一部がスプライン構造によって一体的に連結され、軸心方向に沿ってのみ相対移動が可能となっている。
入力軸37には、受圧部材65aとの対向面にオイルシール65fが配設され、クラッチ本体65との対向面にオイルシール65gが配設されている。クラッチ本体65には、受圧部材65aとの対向面にオイルシール65hが配設されている。受圧部材65aの前記凹部とクラッチ本体65とで油圧室78aが構成される。
入力軸37には、受圧板65bとの対向面にオイルシール65iが配設されている。受圧板65bには、クラッチ本体65との対向面にオイルシール65jが配設されている。クラッチ本体65の前記凹部と受圧板65bとで、油圧室78bが構成される。
クラッチ本体65の基部65cの紙面左側は受圧板65bに対向し、クラッチ本体65と受圧板65bとの間にスプリング65kが配設されている。
入力軸37に形成された操作油路37d,37e,37fを介して油圧室78bに操作油が供給されると、クラッチ本体65は、スプリング65kの付勢力を伴って、前進伝動ギヤ63から離間する方向へとスライドさせられ、前進クラッチ66は切り状態となる。なお、クラッチ本体65のスライドに伴って、油圧室78aの操作油は、操作油路37a,37b,37cへ排出される。
なお、油圧室78a及び油圧室78bへの操作油の供給が停止された状態のときは、クラッチ本体65は、スプリング65kの付勢力によって前進伝動ギヤ63から離間される方向に付勢されるため、前進クラッチ66は切り状態となる。
図7及び図8に示すように、中継軸61には、中継軸ギヤ62bと後進伝動ギヤ64との間に、後進クラッチ68が設けられている。
後進クラッチ68は、中継軸61に設けたスプライン部に一体回転し、かつ後述の油圧制御によって中継軸61の軸心方向にスライド可能に支持されるクラッチ本体67を備えている。
図8に示すように、クラッチ本体67は、中継軸61との摺動面を有する基部67cと、基部67cの外周部に一体形成された円筒部67dとで構成された有底筒状形をなしている。円筒部67dの外周部の一部には噛み合い歯68bが配設されている。基部67cと中継軸61とは一部がスプライン構造によって一体的に連結され、軸心方向に沿ってのみ相対移動が可能となっている。
中継軸61には、受圧部材67aの対向面にオイルシール67fが配設され、クラッチ本体67との対向面にオイルシール67gが配設されている。クラッチ本体67には、受圧部材67aとの対向面にオイルシール67hが配設されている。受圧部材67aの前記凹部とクラッチ本体67とで油圧室79aが構成される。
中継軸61には、受圧板67bとの対向面にオイルシール67iが配設されている。受圧板67bには、クラッチ本体67との対向面にオイルシール67jが配設されている。クラッチ本体67の前記凹部と受圧板67bとで油圧室79bが構成される。
クラッチ本体67の基部67cの紙面左側は受圧板67bに対向し、クラッチ本体67と受圧板67bとの間にスプリング67kが配設されている。
操作油路61cに紙面右端は、油圧室79aに対応する位置で中継軸61の径方向に形成された操作油路61dに連通している。
操作油路61cの紙面左端は、中継軸61を支持するベアリング61bより紙面左方で中継軸61の径方向に形成された操作油路61eに連通している。
操作油路61fに紙面右端は、油圧室79bに対応する位置で中継軸61の径方向に形成された操作油路61gに連通している。
操作油路61cの紙面左端は、中継軸61を支持するベアリング61bより紙面左方でであって、操作油路61eとは中継軸61の軸心方向に偏倚した位置で、中継軸61の径方向に形成された操作油路61hに連通している。
中継軸61に形成された操作油路61f,61g,61hを介して油圧室79bに操作油が供給されると、クラッチ本体67は、スプリング67kの付勢力を伴って、後進伝動ギヤ64から離間する方向へとスライドさせられ、後進クラッチ68は切り状態となる。なお、クラッチ本体67のスライドに伴って、油圧室79aの操作油は、操作油路61c,61d,61eへ排出される。
なお、油圧室79a及び油圧室79bへの操作油の供給が停止された状態のときは、クラッチ本体67は、スプリング67kの付勢力によって後進伝動ギヤ64から離間される方向に付勢されるため、後進クラッチ68は切り状態となる。
したがって、走行中のコンバインを停車する、つまりエンジン7を停止して、無段変速装置30への作動油の供給を停止したときには、切替クラッチ70、前進クラッチ66及び後進クラッチ68の操作は不可能となる。
たとえば、コンバインを坂道で停車したときに、各クラッチの状態が無段変速装置30が遊星伝動部50の変速作用が可能な状態であると、すなわち、切替クラッチ70が切り状態であり、かつ前進クラッチ66が入り状態、または後進クラッチ68が入り状態であると、クローラ式の走行装置2からの力によって遊星伝動部50が空回りし、コンバインが坂道を下り降りてしまう虞がある。
減速出力軸38は、走行伝動ケース32の内部において、走行伝動装置31が備える一対の入力ギヤ31b,31cに連動する。
無段変速ケース35は、図7及び図11から図13に示すように、無段変速部40を収容する無段変速ケース部95と、遊星伝動部50及び伝動機構60を収容する遊星伝動ケース部96とが隔壁97を介して左右方向に並ぶ形状となっている。無段変速ケース部95と遊星伝動ケース部96と隔壁97は、アルミ合金材を成型することによって一体形成してある。無段変速部40及び遊星伝動部50は、無段変速部40が遊星伝動部50に対して走行伝動装置31が位置する側と反対側に位置する横並びで無段変速ケース35に収容してある。
遊星伝動部50及び伝動機構60の点検や組み付けを行なうときに、遊星伝動ケース部96を接合面100を分割面として第一分割遊星伝動ケース部98と第二分割遊星伝動ケース部99とに分割して、遊星伝動ケース部96の内部を大きく開口することができるので作業性がよい。
図7に示すように、遊星伝動ケース部96には、無段変速装置30の無段変速部40に作動油を供給するためのチャージポンプ102及び無段変速装置30の遊星伝動部50及び伝動機構60に操作油や潤滑油を供給するための油圧ポンプ131が配設してある。チャージポンプ102及び油圧ポンプ131は、入力軸37に連動したトロコイドポンプによって構成してあり、入力軸37に伝達されるエンジン7からの駆動力によって駆動するように構成してある。チャージポンプ102及び油圧ポンプ131を遊星伝動ケース部96にコンパクトに配設でき、煩雑な加工も不要となる。
チャージポンプ102及び油圧ポンプ131は、エンジン7からの駆動力によって動作するので、外部の動力を必要としない。チャージポンプ102及び油圧ポンプ131は、エネルギ効率の観点から、減速出力軸38のような下流側より入力軸37のような上流側に配設してあることが好ましい。
なお、ポートブロック43は、油圧ポンプ41と油圧モータ42とを接続する循環油路44に掛かる作動油の高圧に耐える強度を備えるように、ダグタイル鋳鉄などによって作製してある。
無段変速ケース35を、無段変速室95A側の底面の下方に機体フレーム1が位置するように配設することで、機体フレーム1と無段変速ケース35との干渉の虞が低減される。
刈取部4も、図14(a),(b)に示すように、刈取部フレーム10の基部に配設された上下向きの開閉軸心Pまわりに回動操作することにより、前方向きに支持された作業用の閉じ状態と、斜め左方に支持された管理用の開き状態とに切替え可能に構成してある。
オイルフィルター105及びモータ制御バルブ機構111を交換や点検する作業を行なうときに、運転キャビン3a及び刈取部4を開き状態に切替えることにより、無段変速装置30の前方に広い作業用スペースができるので走行機体の前方からメンテナンスの作業性がより向上する。
図19(a)及び図19(b)に示すように、オイルフィルター105は、基端側に設けられた取付ネジ部105Cを備え、無段変速ケース35の前面部30fに設けられたフィルター支持部140に取付ネジ部105Cによって脱着可能に支持するようにカセット構造に構成してある。フィルター支持部140に、オイルフィルター105の濾過前域105Aに連通する給油路141と、オイルフィルター105の濾過後域105Bに連通する取出油路142と、給油路141及び取出油路142に連通した排油路143と、ドレン筒部144とを形成してある。ドレン筒部144にドレンプラグ150を装着してある。
図19(a)に示すように、オイルフィルター105を作用させる通常時は、ドレンプラグ150を、プラグ本体151が排油路143の奥まで入り込んだ閉じ状態にし、操作部152に設けてあるネジ部152aのドレン筒部144におけるネジ部への嵌り合いによって閉じ状態に固定する。ドレンプラグ150は、閉じ状態になると、プラグ本体151のうちの2つのシールリング154,154の間に位置する部位で、排油路143に臨む給油路141の開口を閉じることによって、給油路141と取出油路142との排油路143による連通を絶つことにより、かつ、ドレン孔155がドレン筒部144の内部に入り込んでドレン筒部144によって閉じられることにより、オイルフィルター105に所定の濾過作用を行なわせる。
図19(b)に示すように、操作部152を回転操作してネジ部152aとドレン筒部144との嵌り合いを解除し、ネジ部152aとドレン筒部144との嵌り合いが外れると、プラグ本体151をドレン筒部144の外側に向けてスライド操作してドレンプラグ150を開き状態にする。ドレンプラグ150は、開き状態になると、プラグ本体151が給油路141から外れて給油路141を開くことによって、給油路141と取出油路142とを排油路143によって連通された状態にすることにより、かつ、ドレン孔155がドレン筒部144の外側に出ることにより、オイルフィルター105の内部に位置する作動油を、給油路141及び取出油路142から排油路143に流出させ、排油路143からドレン流路153に流動させてドレン孔155から流出させる。したがって、オイルフィルター105をフィルター支持部140から取り外すのに先立って、ドレンプラグ150を開き状態に操作すれば、オイルフィルター105から作動油を取出しておくことができ、オイルフィルター105をフィルター支持部140から取り外すと同時にオイルフィルター105から作動油がこぼれ出ることを回避できる。
次に、無段変速装置30の油圧回路について詳述する。
図15に示すように、無段変速装置30の油圧回路は、入力軸37に伝達されるエンジン7からの駆動力によって駆動するチャージポンプ102により、無段変速部40に作動油を供給する作動系油路と、入力軸37に伝達されるエンジン7からの駆動力によって駆動する油圧ポンプ131により遊星伝動部50や伝動機構60の切替クラッチ70、前進クラッチ66及び後進クラッチ68に操作油を供給する操作系油路と、操作系油路から分岐して遊星伝動部50に潤滑油を供給する潤滑系油路を備えている。したがって、作動系油路の作動油は、単動型油圧シリンダ107,108や複動型油圧シリンダ80の操作油でもある。また、操作系油路の操作油と潤滑系油路の潤滑油は同じ油である。
チャージポンプ102は、無段変速室95Aに貯留された作動油を吸引し、吸引した作動油を、オイルフィルター105によって鉄粉などの異物を除去した後に、無段変速部40に作動油として供給する。なお、給油路106には、オイルフィルター105の下流側で補給油路104が接続してある。
主変速レバー85を減速側に切替えると、パイロット油路117から取り入れられた操作油は、変速制御バルブ機構81の方向制御弁115b及び操作油路114bを介して、複動型油圧シリンダ80の第二油室420に供給される。
このようにして、複動型油圧シリンダ80が伸縮され、油圧ポンプ41のポンプ斜板41bの角度が変更される。
モータ制御バルブ機構111は、給油路106のうちのオイルフィルター105よりも下流側の部位と、パイロット油路112によって接続してあり、チャージポンプ102によって給油路106に供給され、オイルフィルター105によって異物が除去された作動油をパイロット油路112を介して操作油として取り入れる。
このようにして一対の単動型油圧シリンダ107,108がそれぞれ伸縮され、油圧モータ42のモータ斜板42bの角度が変更される。
チャージポンプ102によって給油路106に供給され、オイルフィルター105によって異物が除去された作動油が補給油路104を介して循環油路44に供給される。油圧ポンプ41や油圧モータ42や循環油路44から作動油がリークしても、循環油路44では必要量の作動油が維持される。
回路圧調節機構120は、給油路106のうちオイルフィルター105よりも下流側にリリーフ回路121を介して接続された一対のリリーフ弁122,123と、リリーフ回路121に備えられた開閉弁124と、を備えている。開閉弁124は、電磁方向制御弁125によって切替え操作されるように構成してある。
図15に示すように、油圧ポンプ131の吸引側から延出した吸引油路101は、オイルフィルター101aとオイルクーラー101bを介して、走行伝動ケース32の遊星伝動ケース部96の遊星伝動室96Aに接続してある。油圧ポンプ131の吐出側から延出した給油路130は、切替バルブ機構82に接続してある。
電磁方向制御弁129は、前進クラッチ66の油圧室78bに給油して前進クラッチ66を切り状態に切替え操作する。
つまり、前進クラッチ66の切替え操作は、クラッチ本体65をクラッチ部66aの切り側に付勢するスプリング65kと、クラッチ本体65をクラッチ部66aの入り側または切り側に移動操作する油圧室78aまたは油圧室78bへの操作油の給油の制御によって行われる(図8参照)。
電磁方向制御弁129は、後進クラッチ68の油圧室79bに給油して後進クラッチ68を切り状態に切替え操作する。
つまり、後進クラッチ68の切替え操作は、クラッチ本体67をクラッチ部68aの切り側に付勢するスプリング67kと、クラッチ本体67をクラッチ部68aの入り側または切り側に移動操作する油圧室79aまたは油圧室79bへの操作油の給油の制御によって行われる(図8参照)。
ミッション制御バルブ機構133は、走行伝動装置31が備える操向クラッチ、旋回ブレーキ、緩旋回クラッチ及び逆転クラッチを切替え操作するものである。
潤滑系油路は、前進クラッチ66及び後進クラッチ68が切り状態に切替えられ、切替クラッチ70が入り状態に切替えられたとき、すなわち無段変速装置30がHSTモードに切替えられたときに、切替バルブ134によって給油路130から操作油を抜き出し、抜き出した操作油を遊星伝動部50、特に遊星ギヤ53へ潤滑油として供給するための油路である。
しかし、遊星伝動室96Aには、潤滑油が多すぎるとギヤの駆動力への負荷となり、ギヤ伝動効率が低下するため、遊星伝動室96Aにおける潤滑油の貯留量は必要最小限の量、具体的には、遊星ギヤ53の自転軸心の軌跡のうちの最下端の高さ以下であって、キャリア54の外周の最下端の高さ以上となる所定量しか貯留されていない。
そこで、遊星伝動部50には、潤滑油を遊星ギヤ53に十分に供給するための供給部が備えられている。該供給部が潤滑系油路の一部を構成する。
なお、遊星伝動室96Aに対して、無段変速室95Aには作動油が満杯またはほぼ満杯状態で貯留されている。遊星伝動室96Aと無段変速室95Aにそれぞれ貯留される油の種類と油面の高さは異なるが、隔壁97によって両油の混同は防止されている。
遊星ギヤ53を回転可能に支持する支持部58は、転がり軸受で構成されている。
前記転がり軸受は、キャリア54から突設された回転軸部58aと、回転軸部58aの周囲に配設された円柱体58bとで構成されている。
回転軸部58aには、遊星ギヤ油路53aが形成されている。
遊星ギヤ油路53aは、キャリア54側の左端から軸心に沿って形成された油路と、円柱体58bに対応する位置で回転軸部58aの径方向に形成され円柱体58bの側面に開口した油路とで構成されている。
キャリア油路54aは、キャリア54の内周部から径方向に沿って形成され、その端部で遊星ギヤ油路53aと連通する。
図4及び図7に示すように、走行伝動ケース32の上端32tは、遊星伝動ケース部96の上端96tより下方であって、無段変速ケース35の高さ方向のほぼ中央位置より下方に位置するように配設されている。
遊星伝動ケース部96の右側で走行伝動手段26を構成しているプーリ軸28は走行伝動ケース32よりも上方に位置している。
つまり、エンジン7から無段変速装置30の入力軸37への駆動力の入力は、遊星伝動ケース部96の走行伝動装置31が連結している側であって、走行伝動ケース32よりも上方に位置するプーリ軸28から行われる。
隔壁97の内部に操作油や潤滑油を各部に供給するための油路を形成することで、油路の取り回しが単純な構成できる。
なお、油圧ポンプ131から吐出された操作油は、無段変速ケース35の上部壁に形成された油路を介して、無段変速ケース35の背面に配設された切替バルブ機構82に至り、そこで分岐され、切替クラッチ70、前進クラッチ66及び後進クラッチ68の油室や遊星伝動部50にそれぞれ供給される。
図16には、無段変速装置30の制御装置83が示されている。
無段変速装置30の制御装置83はマイクロコンピュータによって構成してあり、変速制御手段90を備えてある。
図17は、前進クラッチ66、後進クラッチ68及び切替クラッチ70の入り状態またや切り状態の操作状態と、無段変速装置30の駆動モードと、無段変速部40の変速状態と、減速出力軸38の回転方向と、減速出力軸38の回転速度との関係を示す説明図である。
図17に示す「切」は、前進クラッチ66、後進クラッチ68及び切替クラッチ70の切り状態を示し、「入」は、前進クラッチ66、後進クラッチ68及び切替クラッチ70の入り状態を示す。
図17に示す「前進回転」は、減速出力軸38の前進回転方向を示し、「後進回転」は、減速出力軸38の後進回転方向を示す。
図17に示す「FL」は、減速出力軸38が前進回転における低速回転域で駆動されることを示し、「FM」は、減速出力軸38が前進回転における中速回転域で駆動されることを示し、「FH」は、減速出力軸38が前進回転における高速回転域で駆動されることを示す。
図17に示す「RL」は、減速出力軸38が後進回転における低速回転域で駆動されることを示し、「RM」は、減速出力軸38が後進回転における中速回転域で駆動されることを示し、「RH」は、減速出力軸38が後進回転における高速回転域で駆動されることを示す。
無段変速装置30は、HSTモードになると、無段変速部40を変速作用させて遊星伝動部50を変速作用させず、入力軸37の駆動力を無段変速部40に入力して変速した駆動力を、無段出力軸42aから遊星出力軸56を介して減速伝動機構75に伝達して減速し、減速した駆動力によって減速出力軸38を駆動する。
無段変速装置30は、HMTモードになると、無段変速部40及び遊星伝動部50を変速作用させ、入力軸37の駆動力を無段変速部40に入力して変速した駆動力と、入力軸37の駆動力とを、遊星伝動部50によって合成し、その合成駆動力を遊星出力軸56から減速伝動機構75に伝達して減速し、減速した合成駆動力によって減速出力軸38を駆動する。
(1)上述した実施形態では、隔壁97を無段変速ケース35に一体形成した例を示したが、無段変速ケース35とは別部材に作製してから無段変速ケース35に装着するよう構成して実施してもよい。
30 無段変速装置
35 伝動ケース
40 無段変速部
42a モータ軸(無段出力軸,出力軸)
50 遊星伝動部
51 回転支軸(出力軸)
51d 潤滑油路(出力軸油路)
51e 潤滑油路 (出力軸油路)
51f 潤滑油路(出力軸油路)
51x 第一ベアリング
52 太陽ギヤ
52x 第二ベアリング
53 遊星ギヤ
53a 遊星ギヤ油路
54 キャリア
54a キャリア油路
55 リングギヤ
56 遊星出力軸
58 支持部
60 切替機構
134 切換バルブ(制御機構)
Claims (5)
- 外部の動力源からの駆動力を変速して、変速駆動力として出力軸を介して遊星出力軸に出力可能な静油圧式の無段変速部と、
前記駆動力と前記変速駆動力とを合成して、合成駆動力として前記遊星出力軸に出力可能な遊星伝動部と、
前記変速駆動力、または前記合成駆動力のいずれを前記遊星出力軸に出力するかを切替える切替機構と、
前記出力軸と前記無段変速部と前記遊星伝動部と前記切替機構とを収容する伝動ケースとを備え、
前記遊星伝動部に、前記出力軸と一体的に回転する太陽ギヤと、前記太陽ギヤに噛み合う状態で前記太陽ギヤの外周に沿って設けられた複数の遊星ギヤと、前記遊星ギヤと噛み合う状態で複数の前記遊星ギヤの外周に亘って設けられ、前記遊星出力軸と一体回転するリングギヤと、前記遊星ギヤを、前記太陽ギヤ周りを自転しながら公転可能なように支持するキャリアとを備え、
前記キャリアは前記遊星ギヤを回転自在に支持する支持部を備え、
前記出力軸に設けられ、前記キャリアを前記出力軸に対して回転自在に支持する第一ベアリングと、前記太陽ギヤに設けられ、前記キャリアのうち、前記太陽ギヤの回転軸心方向において前記第一ベアリングとは異なる箇所を前記太陽ギヤに対して回転自在に支持する第二ベアリングと、を備え、
前記伝動ケースに、前記遊星伝動部を潤滑する潤滑油が、その油面が前記太陽ギヤの回転軸心高さ以下の状態で貯留され、
前記潤滑油を前記遊星ギヤに供給可能な供給部を備え、
前記供給部は、前記出力軸に形成された出力軸油路、及び、前記キャリアに形成されたキャリア油路を備え、
前記出力軸油路と前記キャリア油路とが、前記回転軸心方向における前記第一ベアリングと前記第二ベアリングとの間の空間を介して連通しており、前記キャリア油路が前記支持部に連通しており、前記潤滑油を前記支持部に供給可能であることを特徴とする無段変速装置。 - 外部の動力源からの駆動力を変速して、変速駆動力として出力軸を介して遊星出力軸に出力可能な静油圧式の無段変速部と、
前記駆動力と前記変速駆動力とを合成して、合成駆動力として前記遊星出力軸に出力可能な遊星伝動部と、
前記変速駆動力、または前記合成駆動力のいずれを前記遊星出力軸に出力するかを切替える切替機構と、
前記出力軸と前記無段変速部と前記遊星伝動部と前記切替機構とを収容する伝動ケースとを備え、
前記遊星伝動部に、前記出力軸と一体的に回転する太陽ギヤと、前記太陽ギヤに噛み合う状態で前記太陽ギヤの外周に沿って設けられた複数の遊星ギヤと、前記遊星ギヤと噛み合う状態で複数の前記遊星ギヤの外周に亘って設けられ、前記遊星出力軸と一体回転するリングギヤと、前記遊星ギヤを、前記太陽ギヤ周りを自転しながら公転可能なように支持するキャリアとを備え、
前記伝動ケースに、前記遊星伝動部を潤滑する潤滑油が、その油面が前記太陽ギヤの回転軸心高さ以下の状態で貯留され、
前記潤滑油を前記遊星ギヤに供給可能な供給部を備え、
前記供給部は、前記切替機構によって前記変速駆動力を前記遊星出力軸に出力する状態が選択されているときに前記潤滑油を前記遊星ギヤに供給する制御機構を備えていることを特徴とする無段変速装置。 - 前記供給部は、前記支持部に形成された遊星ギヤ油路を備え、
前記遊星ギヤ油路と前記キャリア油路とが連通している請求項1に記載の無段変速装置。 - 前記油面は、前記遊星ギヤの自転軸心の軌跡のうちの最下端の高さ以下、かつ、前記キャリアの外周の最下端の高さ以上に設定されている請求項1から3のいずれか一項に記載の無段変速装置。
- 前記供給部は、前記駆動力によって駆動され、前記潤滑油を前記遊星ギヤに供給する油圧ポンプを備えている請求項1から4のいずれか一項に記載の無段変速装置。
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