JP2018071763A - 作業機用伝動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】滑り軸受けを用いながら、押圧ピストンのずれ動きを規制してOリングの損傷等を回避できるようにした作業機用伝動装置を提供する。
【解決手段】駆動側クラッチ体87と、従動側クラッチ体86と、従動側クラッチ体86を前記駆動側クラッチ体87へ近づける係合側へ弾性押圧する付勢手段と、従動側クラッチ体86を駆動側クラッチ体87から離れる係合解除側へ操作する押圧ピストン101と、が備えられ、押圧ピストン101と従動側クラッチ体86との対向箇所に、押圧ピストン101と従動側クラッチ体86との相対回転を許容する環状の滑り軸受け70が介装され、滑り軸受け70に、従動側クラッチ体86との間における相対回転を許容し、かつ押圧ピストン101との間における相対回転を抑制する連れ回り規制機構が備えられている。
【選択図】図4
【解決手段】駆動側クラッチ体87と、従動側クラッチ体86と、従動側クラッチ体86を前記駆動側クラッチ体87へ近づける係合側へ弾性押圧する付勢手段と、従動側クラッチ体86を駆動側クラッチ体87から離れる係合解除側へ操作する押圧ピストン101と、が備えられ、押圧ピストン101と従動側クラッチ体86との対向箇所に、押圧ピストン101と従動側クラッチ体86との相対回転を許容する環状の滑り軸受け70が介装され、滑り軸受け70に、従動側クラッチ体86との間における相対回転を許容し、かつ押圧ピストン101との間における相対回転を抑制する連れ回り規制機構が備えられている。
【選択図】図4
Description
本発明は、従動側クラッチ体を駆動側クラッチ体へ近づける側へ弾性付勢する付勢手段と、その付勢手段の付勢力に抗して従動側クラッチ体を駆動側クラッチ体から離れる側へ操作する押圧ピストンを備えて、駆動側クラッチ体と従動側クラッチ体とが、互いの遠近移動に伴って係脱されるように構成された作業機用伝動装置に関する。
上記のような作業機用伝動装置としては、例えば、下記[1]に記載の構造のものがある。
[1]遠近移動に伴って係脱される駆動側クラッチ体と従動側クラッチ体とを備え、従動側クラッチ体を駆動側クラッチ体へ近づける側へ弾性付勢する付勢手段を備えるとともに、その付勢手段の付勢力に抗して従動側クラッチ体を駆動側クラッチ体から離れる側へ操作する押圧ピストンを備え、その押圧ピストンと従動側クラッチ体との当接箇所にスラストベアリングを介装させたもの(例えば特許文献1参照)。
[1]遠近移動に伴って係脱される駆動側クラッチ体と従動側クラッチ体とを備え、従動側クラッチ体を駆動側クラッチ体へ近づける側へ弾性付勢する付勢手段を備えるとともに、その付勢手段の付勢力に抗して従動側クラッチ体を駆動側クラッチ体から離れる側へ操作する押圧ピストンを備え、その押圧ピストンと従動側クラッチ体との当接箇所にスラストベアリングを介装させたもの(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に示された構造のものでは、駆動側クラッチ体との係合に伴って回転する従動側クラッチ体と、ミッションケースに備えた環状の油室に内装されて従動側クラッチ体の軸心方向に沿って遠近移動する押圧ピストンとの間に、玉軸受け、あるいはころ軸受けで構成されたスラストベアリングが位置している。
このように、押圧ピストンと従動側クラッチ体との対向箇所にスラストベアリングが介在されていることにより、押圧ピストンが従動側クラッチ体に圧接した状態でも、押圧ピストンに対する従動側クラッチ体の円滑な相対回転を許容し得る点で有用なものである。
しかしながら、上記のスラストベアリングには、駆動側クラッチ体と従動側クラッチ体との嵌脱時に衝撃的な偏荷重が作用することがある。このため、スラストベアリングの転走面に圧痕が発生して、早期のうちにスラストベアリングの耐久性が損なわれる可能性がある点で改善の余地がある。
このように、押圧ピストンと従動側クラッチ体との対向箇所にスラストベアリングが介在されていることにより、押圧ピストンが従動側クラッチ体に圧接した状態でも、押圧ピストンに対する従動側クラッチ体の円滑な相対回転を許容し得る点で有用なものである。
しかしながら、上記のスラストベアリングには、駆動側クラッチ体と従動側クラッチ体との嵌脱時に衝撃的な偏荷重が作用することがある。このため、スラストベアリングの転走面に圧痕が発生して、早期のうちにスラストベアリングの耐久性が損なわれる可能性がある点で改善の余地がある。
そこで、上記のようなスラストベアリングに代えて、内部に空間部が全く存在しない滑り軸受けを押圧ピストンと従動側クラッチ体との対向箇所に介装することも考えられる。これによれば、駆動側クラッチ体と従動側クラッチ体との嵌脱時に衝撃的な偏荷重が作用した場合にも、滑り軸受けの転走面には圧痕が発生する可能性は少なくて済む。また、滑り軸受け自体がスラストベアリングに比べて比較的低コストで済む点でも有利である。
ところが、転がり摩擦を用いたスラストベアリングよりも滑り摩擦を用いるものである滑り軸受けは、回転駆動される従動側クラッチ体との間での摩擦係数がスラストベアリングを用いた場合よりも大きくなる傾向がある。このため、従動側クラッチ体の回転に伴って滑り軸受けが連れ回りして、圧接している押圧ピストンまでもが回転方向にずれ動いてしまう虞がある。
このように押圧ピストンが回転方向にずれ動くと、その押圧ピストンの油密状態を保つために油室との間に介装されているOリングが損傷して、油漏れを生じる可能性があるという問題がある。
ところが、転がり摩擦を用いたスラストベアリングよりも滑り摩擦を用いるものである滑り軸受けは、回転駆動される従動側クラッチ体との間での摩擦係数がスラストベアリングを用いた場合よりも大きくなる傾向がある。このため、従動側クラッチ体の回転に伴って滑り軸受けが連れ回りして、圧接している押圧ピストンまでもが回転方向にずれ動いてしまう虞がある。
このように押圧ピストンが回転方向にずれ動くと、その押圧ピストンの油密状態を保つために油室との間に介装されているOリングが損傷して、油漏れを生じる可能性があるという問題がある。
本発明は、スラストベアリングに比べて耐久性、コスト面で有利な滑り軸受けを用いながら、押圧ピストンのずれ動きを規制してOリングの損傷等を回避できるようにした作業機用伝動装置を提供しようとするものである。
本発明における作業機用伝動装置の特徴は、駆動軸と一体に回転する駆動側クラッチ体と、前記駆動軸に対して、その駆動軸の軸心周りで相対回転自在に、かつ前記軸心に沿う方向で相対移動自在に外嵌する従動側クラッチ体と、前記従動側クラッチ体を、前記駆動側クラッチ体に近づく係合側へ弾性押圧する付勢手段と、前記従動側クラッチ体を、前記付勢手段の付勢力に抗して前記駆動側クラッチ体から離れる係合解除側へ操作する押圧ピストンと、が備えられ、前記駆動側クラッチ体と前記従動側クラッチ体とのそれぞれに、前記駆動側クラッチ体に対する前記従動側クラッチ体の遠近移動に伴って係脱される歯部が備えられ、前記押圧ピストンと前記従動側クラッチ体との対向箇所に、前記押圧ピストンと前記従動側クラッチ体との相対回転を許容する環状の滑り軸受けが介装され、前記滑り軸受けに、前記従動側クラッチ体との間における相対回転を許容し、かつ前記押圧ピストンとの間における相対回転を抑制する連れ回り規制機構が備えられているというものである。
本発明によれば、従動側クラッチ体と押圧ピストンとの間に滑り軸受けを介装することにより、従動側クラッチ体と押圧ピストンとの間における相対回転を許容する機構としてスラストベアリングを用いた場合よりも、従動側クラッチ体が当接する滑り軸受けの転送面に圧痕が生じる可能性を低減し、作業機用伝動装置の耐久性の向上、及びコスト低減を図り易い。
それでいて滑り軸受けは、従動側クラッチ体の相対回転は許容しながら、押圧ピストンとの間における相対回転が抑制される連れ回り規制機構を備えているので、従動側クラッチ体の回転に伴う押圧ピストンの連れ回りは抑制することができる。これによって、押圧ピストンが連れ回りすることによるOリングの損傷等を回避し得る利点がある。
それでいて滑り軸受けは、従動側クラッチ体の相対回転は許容しながら、押圧ピストンとの間における相対回転が抑制される連れ回り規制機構を備えているので、従動側クラッチ体の回転に伴う押圧ピストンの連れ回りは抑制することができる。これによって、押圧ピストンが連れ回りすることによるOリングの損傷等を回避し得る利点がある。
本発明においては、前記滑り軸受けに、前記従動側クラッチ体に当接する滑り部材と、前記押圧ピストンに当接する連れ回り規制部材とが備えられ、前記連れ回り規制部材は、前記押圧ピストンの進退方向に沿って移動自在で、かつ回転不能に設けられ、前記連れ回り規制機構を構成すると好適である。
本発明によれば、滑り軸受けとして、従動側クラッチ体に当接する滑り部材とは別に、押圧ピストンに当接する連れ回り規制部材を備えたものであるから、滑り部材と連れ回り規制部材とを、それぞれの機能に特化した素材を用いて、適正な機能を発揮させ易い。
本発明においては、前記滑り軸受けに、前記従動側クラッチ体と前記押圧ピストンとの双方に当接する滑り部材が備えられ、前記滑り部材は、前記押圧ピストンの進退方向に沿って移動自在で、かつ回転不能に設けられ、前記連れ回り規制機構を構成すると好適である。
本構成を備えることで、従動側クラッチ体と押圧ピストンとの双方に当接する滑り部材を、押圧ピストンの進退方向に沿って移動自在で、かつ回転不能に設けて、滑り部材自身が連れ回り規制機能を有するように構成されている。これにより、滑り軸受けを単一部品でコンパクトに構成し易い。
以下、本発明における実施形態の一例を図面の記載に基づいて説明する。
尚、本実施形態での説明における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、次のように記載している。つまり、本発明における作業機の作業走行時における前進側の進行方向が「前」、後進側への進行方向が「後」、その前後方向での前向き姿勢を基準としての走行機体の右側に相当する方向(図2における矢印R参照(図2中では左側に記載されている))が「右」、同様に走行機体の左側に相当する方向(図2における矢印L参照(図2中では右側に記載されている))が「左」である。
尚、本実施形態での説明における前後方向及び左右方向は、特段の説明がない限り、次のように記載している。つまり、本発明における作業機の作業走行時における前進側の進行方向が「前」、後進側への進行方向が「後」、その前後方向での前向き姿勢を基準としての走行機体の右側に相当する方向(図2における矢印R参照(図2中では左側に記載されている))が「右」、同様に走行機体の左側に相当する方向(図2における矢印L参照(図2中では右側に記載されている))が「左」である。
〔全体構成〕
本発明に係る作業機用伝動装置を、作業機の一例である普通形コンバイン(全稈投入形コンバイン)に適用した場合を例にして説明する。
普通形コンバインは、図示はしないが、左右一対のクローラ走行装置で走行する自走機体を備えている。
自走機体には、その前部位置に運転部(図外)と、刈取処理装置(図外)とが備えられ、後部位置には、刈取処理装置で刈り取られた穀稈が送り込まれる全稈投入型の脱穀装置(図外)と、脱穀装置から供給される穀粒を貯留するグレンタンク(図外)と、グレンタンクに貯留された穀粒を機外に排出するためのアンローダ(図外)とが備えられている。
また、自走機体にはエンジン(図外)が搭載され、このエンジンの動力が、前記クローラ走行装置、及び機体上に搭載された前記各装置に伝達される。
本発明に係る作業機用伝動装置を、作業機の一例である普通形コンバイン(全稈投入形コンバイン)に適用した場合を例にして説明する。
普通形コンバインは、図示はしないが、左右一対のクローラ走行装置で走行する自走機体を備えている。
自走機体には、その前部位置に運転部(図外)と、刈取処理装置(図外)とが備えられ、後部位置には、刈取処理装置で刈り取られた穀稈が送り込まれる全稈投入型の脱穀装置(図外)と、脱穀装置から供給される穀粒を貯留するグレンタンク(図外)と、グレンタンクに貯留された穀粒を機外に排出するためのアンローダ(図外)とが備えられている。
また、自走機体にはエンジン(図外)が搭載され、このエンジンの動力が、前記クローラ走行装置、及び機体上に搭載された前記各装置に伝達される。
エンジンは運転部の後部下側に設置されている。そして、自走機体の前部の左右中央側箇所に、エンジンの出力軸から伝達される動力を、左右のクローラ走行装置に伝える静油圧式の無段変速装置(以下、HSTと称する)30、及びトランスミッション4(伝動装置に相当する)が配備されている。
図2及び図3に示すように、エンジンの出力軸に備えた出力プーリ(図外)と、HST30の入力軸38の入力プーリ38aとの間には、エンジンの駆動力を伝える伝動ベルト37が掛け渡されている。入力軸38及び入力プーリ38aを支承する入力ケース39は、入力プーリ38aが存在する側とは反対側の端部がHST30の変速ケース35に連結固定され、入力軸38の長手方向での中間部に相当する箇所がトランスミッション4のミッションケース40の上部に固定されている。
つまり、この入力軸38が、エンジンの動力をHST30及びトランスミッション4へ伝えるものである。
図2及び図3に示すように、エンジンの出力軸に備えた出力プーリ(図外)と、HST30の入力軸38の入力プーリ38aとの間には、エンジンの駆動力を伝える伝動ベルト37が掛け渡されている。入力軸38及び入力プーリ38aを支承する入力ケース39は、入力プーリ38aが存在する側とは反対側の端部がHST30の変速ケース35に連結固定され、入力軸38の長手方向での中間部に相当する箇所がトランスミッション4のミッションケース40の上部に固定されている。
つまり、この入力軸38が、エンジンの動力をHST30及びトランスミッション4へ伝えるものである。
〔油圧駆動系〕
刈取処理装置の昇降作動や、走行変速、及び操向操作を行うための油圧駆動系について説明する。
刈取処理装置は、図1に示すように、昇降用の油圧制御ユニット27の指令を受けて昇降作動するように構成されている。油圧制御ユニット27には、オイルタンク28に貯留されているオイルが第1油圧ポンプ29の作動によって供給される。油圧制御ユニット27は、機体フレームと穀粒搬送用のフィーダ(図示せず)とにわたって架設した昇降用の油圧シリンダ等のアクチュエータ(図示せず)、及び、このアクチュエータに対する操作圧を変更する昇降用のバルブユニット(図示せず)、などを備えている。
刈取処理装置の昇降作動や、走行変速、及び操向操作を行うための油圧駆動系について説明する。
刈取処理装置は、図1に示すように、昇降用の油圧制御ユニット27の指令を受けて昇降作動するように構成されている。油圧制御ユニット27には、オイルタンク28に貯留されているオイルが第1油圧ポンプ29の作動によって供給される。油圧制御ユニット27は、機体フレームと穀粒搬送用のフィーダ(図示せず)とにわたって架設した昇降用の油圧シリンダ等のアクチュエータ(図示せず)、及び、このアクチュエータに対する操作圧を変更する昇降用のバルブユニット(図示せず)、などを備えている。
昇降用のバルブユニットは、運転部に備えた操作レバー(図示せず)に昇降用の機械式連係機構(図示せず)を介して連係されている。そして、操作レバーの前後方向での揺動操作に基づいて、オイルタンク28と第1油圧ポンプ29と昇降シリンダとの間におけるオイルの流れを制御することにより、アクチュエータに対する操作圧を変更するように構成されている。この構成から、操作レバーを前後方向に揺動操作することにより、刈取処理装置を、収穫対象の未刈り穀稈を収穫する下側の作業領域と収穫しない上側の非作業位置とに昇降させることができる。
図1乃至図3に示すように、HST(静油圧式無段変速装置)30を構成する油圧ポンプ31と油圧モータ32とは、変速ケース35に内蔵されている。変速ケース35は、油圧ポンプ31と油圧モータ32とを収納するケース本体35A、及びポートブロック35Bを備えている。そして、油圧ポンプ31のポンプ軸33が前記入力軸38に連結されてHST30の入力軸になり、かつ、油圧モータ32のモータ軸34がHST30の出力軸になる。そのポンプ軸33及び出力軸34が左右向きになる状態で、かつ油圧ポンプ31の真下に油圧モータ32が位置する縦長の左右向き姿勢で、HST30が自走機体に装備されている。油圧ポンプ31には、アキシャルプランジャ形の可変容量ポンプが採用されている。油圧モータ32には、アキシャルプランジャ形の固定容量モータが採用されている。
HST30は、油圧ポンプ31のポンプ斜板(図示せず)を操作する変速操作軸36(図2参照)を、変速ケース35の前壁から前方に突出する状態で備えている。変速操作軸36は、運転部に備えた主変速レバー(図示せず)の前後方向での揺動操作に連動して、ポンプ斜板の操作角が主変速レバーの操作位置に対応した角度に変更されるように、機械式連係機構を介して主変速レバーに連係されている。
つまり、HST30は、走行変速用の主変速装置として機能するように構成した状態で自走機体に装備されている。
つまり、HST30は、走行変速用の主変速装置として機能するように構成した状態で自走機体に装備されている。
図1及び図2に示すように、ミッションケース40に配備されている各サイドクラッチブレーキユニット48は、油室100内に、後述する従動側クラッチ体86を押圧操作するための押圧ピストン101を装備している。各サイドクラッチブレーキユニット48の油室100には、第2油圧ポンプ102の作動によって、ミッションケース40に貯留されている潤滑用のオイルがオイルフィルタ106を経て作動用として供給される。この第2油圧ポンプ102から各サイドクラッチブレーキユニット48の油室100への作動油の供給は、ステアリング用のバルブユニット103を介して行われる。
ステアリング用のバルブユニット103は、運転部に備えた操向レバー13(図1参照)の左右方向での操作に基づいて各サイドクラッチブレーキユニット48の油室100に対するオイルの流れを切り替える切替バルブ104、及び、操向レバー13の操作に基づいて左右のサイドクラッチブレーキユニット48の油室100に対するリリーフ圧を変更する可変リリーフバルブ105、などを備えている。このように、操向レバー13の左右方向での揺動操作によって、自走機体の操向操作が行われる。
ステアリング用のバルブユニット103は、運転部に備えた操向レバー13(図1参照)の左右方向での操作に基づいて各サイドクラッチブレーキユニット48の油室100に対するオイルの流れを切り替える切替バルブ104、及び、操向レバー13の操作に基づいて左右のサイドクラッチブレーキユニット48の油室100に対するリリーフ圧を変更する可変リリーフバルブ105、などを備えている。このように、操向レバー13の左右方向での揺動操作によって、自走機体の操向操作が行われる。
〔トランスミッション〕
次に、トランスミッション4の構成について説明する。
図2及び図3に示すように、トランスミッション4は、鋳造品で構成されたミッションケース40に、左右向きの入力軸44と従動軸45とサイドクラッチ軸46、コンスタントメッシュ式の選択歯車式に構成した副変速機構47、一対のサイドクラッチブレーキユニット48、及び、左右の伝動機構49、などを内蔵して、入力軸44から入力された動力を変速して伝動下手側の走行駆動軸50へ出力するように構成されている。ミッションケース40の下部には、左右の対応するクローラ走行装置1にわたる左右向きの左右の走行駆動軸50、及び、左右の走行駆動軸50を個別に外囲した状態で回転可能に支持する左右の駆動軸ケース51、などを備えている。各伝動機構49は、サイドクラッチ軸46と走行駆動軸50との間に中継軸98を備え、その中継軸98を含めた配設された減速ギヤ伝動機構によって構成されている。
次に、トランスミッション4の構成について説明する。
図2及び図3に示すように、トランスミッション4は、鋳造品で構成されたミッションケース40に、左右向きの入力軸44と従動軸45とサイドクラッチ軸46、コンスタントメッシュ式の選択歯車式に構成した副変速機構47、一対のサイドクラッチブレーキユニット48、及び、左右の伝動機構49、などを内蔵して、入力軸44から入力された動力を変速して伝動下手側の走行駆動軸50へ出力するように構成されている。ミッションケース40の下部には、左右の対応するクローラ走行装置1にわたる左右向きの左右の走行駆動軸50、及び、左右の走行駆動軸50を個別に外囲した状態で回転可能に支持する左右の駆動軸ケース51、などを備えている。各伝動機構49は、サイドクラッチ軸46と走行駆動軸50との間に中継軸98を備え、その中継軸98を含めた配設された減速ギヤ伝動機構によって構成されている。
ミッションケース40は、前後方向に沿う上下方向の分割線SLを境にして左右に分割可能に構成された左側の半割ケース40Lと右側の半割ケース40Rとを備えて構成されている。
そして、左右の半割ケース40L,40Rをボルト連結することにより、その内部に副変速機構47やサイドクラッチブレーキユニット48等を配設するための機器配設用空間40Sが形成され、かつ、その機器配設用空間40Sが作動油の貯留用空間を兼ねている。
また、ミッションケース40には、図2及び図3に示すように、ミッションケース40の上部に、サイドクラッチブレーキユニット48等の油圧機器で使用された作動油が戻されてくる給油口41と、ミッションケース40の空気を抜くためのエアー抜き孔(図示せず)とが設けられている。給油口41には油圧機器からの作動油を導く給油管42が接続されている。
そして、左右の半割ケース40L,40Rをボルト連結することにより、その内部に副変速機構47やサイドクラッチブレーキユニット48等を配設するための機器配設用空間40Sが形成され、かつ、その機器配設用空間40Sが作動油の貯留用空間を兼ねている。
また、ミッションケース40には、図2及び図3に示すように、ミッションケース40の上部に、サイドクラッチブレーキユニット48等の油圧機器で使用された作動油が戻されてくる給油口41と、ミッションケース40の空気を抜くためのエアー抜き孔(図示せず)とが設けられている。給油口41には油圧機器からの作動油を導く給油管42が接続されている。
そして、ミッションケース40の内部側には、給油口41の下側に対向する箇所に、庇状の流下ガイド板部43が設けられている。この流下ガイド板部43では、給油口41から注入された作動油がエアー抜き孔側へ短絡的に流れ込まないように規制しながら、下方に流下案内するためのものである。
流下ガイド板部43は、給油口41から注入される作動油が直接に機器配設用空間40Sの液面に落下しないように、給油口41の直下に対向する箇所に庇状の案内面43aを備えている。
流下ガイド板部43は、給油口41から注入される作動油が直接に機器配設用空間40Sの液面に落下しないように、給油口41の直下に対向する箇所に庇状の案内面43aを備えている。
図2及び図3に示すように、ミッションケース40には、搭乗運転部側となる右側壁(図2中では左側)の上部に、HST30が、そのポートブロック35Bを介してボルト連結されている。
トランスミッション4の入力軸44は、その入力側の端部となる右端部(図2中では左側)を、HST30のモータ軸34に、筒軸59を介してスプライン嵌合することにより、モータ軸34の軸心を中心にしてモータ軸34と一体回転するように構成されている。
トランスミッション4の入力軸44は、その入力側の端部となる右端部(図2中では左側)を、HST30のモータ軸34に、筒軸59を介してスプライン嵌合することにより、モータ軸34の軸心を中心にしてモータ軸34と一体回転するように構成されている。
図2乃至図4に示すように、副変速機構47は、ミッションケース40における機器配設用空間40Sの上部に、畦越え走行時などに使用する使用頻度が最も低い低速伝動用の低速駆動ギヤ60と低速従動ギヤ61、作業走行時などに使用する使用頻度が比較的高い中速伝動用の中速駆動ギヤ62と中速従動ギヤ63、作業走行時や移動走行時などに使用する使用頻度が最も高い高速伝動用の高速駆動ギヤ64と高速従動ギヤ65、及び、それらのギヤ選択操作を可能にするシフト機構66(図3参照)、などを配備して、シフト機構66のギヤ選択操作による3段の変速が可能となるように構成されている。
シフト機構66は、低速従動ギヤ61又は高速従動ギヤ65の何れかを選択する第1シフタ67、及び中速従動ギヤ63を選択する第2シフタ68を備えて、選択された何れかの従動ギヤ61,63,65から変速動力を取り出して従動軸45に伝えるように構成されている。
シフト機構66は、低速従動ギヤ61又は高速従動ギヤ65の何れかを選択する第1シフタ67、及び中速従動ギヤ63を選択する第2シフタ68を備えて、選択された何れかの従動ギヤ61,63,65から変速動力を取り出して従動軸45に伝えるように構成されている。
上記のように、副変速機構47は、トランスミッション4の入力軸44から従動軸45に伝動する状態で、トランスミッション4の入力軸44と従動軸45とにわたって装備されている。そして、運転部に備えた副変速レバー(図外)の操作に連動したシフト機構66のギヤ選択操作によって従動軸45に連動連結する従動ギヤ61,63,65を選択することにより、その伝動状態が、HST30のモータ軸34からの動力を、低速駆動ギヤ60及び低速従動ギヤ61を介して従動軸45に伝達する低速伝動状態と、中速駆動ギヤ62及び中速従動ギヤ63を介して従動軸45に伝達する中速伝動状態と、高速駆動ギヤ64及び高速従動ギヤ65を介して従動軸45に伝達する高速伝動状態とに、択一的に切り替わる副変速装置として機能するように構成されている。
図3及び図4に示すように、従動軸45は、その中央部における中速従動ギヤ63と高速従動ギヤ65との間の部位に、副変速機構47の出力回転体として機能する小径の出力ギヤ81を、従動軸45と出力ギヤ81とが一体回転するようにスプライン嵌合されている。
サイドクラッチ軸46は、ミッションケース40における機器配設用空間40Sの上下中間部に配備されている。そして、その左右中間位置に、出力ギヤ81と噛み合い連動する伝動回転体としての大径の伝動ギヤ82が、サイドクラッチ軸46と相対摺動不能な状態で一体回転するようにスプライン嵌合されている。つまり、従動軸45からサイドクラッチ軸46にわたる伝動構造を、出力ギヤ81及び伝動ギヤ82によるギヤ伝動式に構成して、副変速機構47による変速後の動力を、従動軸45からサイドクラッチ軸46に減速伝達するように構成してある。
サイドクラッチ軸46は、ミッションケース40における機器配設用空間40Sの上下中間部に配備されている。そして、その左右中間位置に、出力ギヤ81と噛み合い連動する伝動回転体としての大径の伝動ギヤ82が、サイドクラッチ軸46と相対摺動不能な状態で一体回転するようにスプライン嵌合されている。つまり、従動軸45からサイドクラッチ軸46にわたる伝動構造を、出力ギヤ81及び伝動ギヤ82によるギヤ伝動式に構成して、副変速機構47による変速後の動力を、従動軸45からサイドクラッチ軸46に減速伝達するように構成してある。
〔サイドクラッチブレーキユニット〕
次に、トランスミッション4における左右のサイドクラッチブレーキユニット48に関する構成について説明する。
次に、トランスミッション4における左右のサイドクラッチブレーキユニット48に関する構成について説明する。
図3乃至図5に示すように、各サイドクラッチブレーキユニット48は、それぞれ、伝動ギヤ82から対応するクローラ走行装置1への伝動を断続する噛み合い式のサイドクラッチ83と、対応するクローラ走行装置1を制動する多板式のサイドブレーキ84とを備えている。
そして、サイドブレーキ84は、サイドクラッチ軸46の軸上において、伝動ギヤ82を中心にした左右対称になるように伝動ギヤ82を挟んだ状態で左右に分散配備されている。左側のサイドクラッチブレーキユニット48が、左側の伝動機構49及び左側の走行駆動軸50を介して左側のクローラ走行装置1に作用し、かつ、右側のサイドクラッチブレーキユニット48が、右側の伝動機構49及び右側の走行駆動軸50を介して右側のクローラ走行装置1に作用するように構成されている。
このサイドクラッチブレーキユニット48に対して、伝動上手側から伝えられる動力を伝達する駆動軸に相当するところの軸が前記サイドクラッチ軸46である。
そして、サイドブレーキ84は、サイドクラッチ軸46の軸上において、伝動ギヤ82を中心にした左右対称になるように伝動ギヤ82を挟んだ状態で左右に分散配備されている。左側のサイドクラッチブレーキユニット48が、左側の伝動機構49及び左側の走行駆動軸50を介して左側のクローラ走行装置1に作用し、かつ、右側のサイドクラッチブレーキユニット48が、右側の伝動機構49及び右側の走行駆動軸50を介して右側のクローラ走行装置1に作用するように構成されている。
このサイドクラッチブレーキユニット48に対して、伝動上手側から伝えられる動力を伝達する駆動軸に相当するところの軸が前記サイドクラッチ軸46である。
〔サイドクラッチに関して〕
出力ギヤ81及び伝動ギヤ82を介して伝動上手側の従動軸45からの駆動力が伝えられるサイドクラッチ軸46に対して、そのサイドクラッチ軸46の軸心方向での摺動による着脱可能な筒軸85が、相対回転可能な状態でサイドクラッチ軸46に外嵌されている。
そして、サイドクラッチ軸46の軸端部近くに形成したスプライン部46Aに駆動側クラッチ体87が、サイドクラッチ軸46と一体回動するようにスプライン嵌合されている。そのサイドクラッチ軸46に外嵌する筒軸85の外端側の軸端部近くに形成した第1スプライン軸部85Aに、従動側クラッチ体86が筒軸85と一体回動するようにスプライン嵌合されている。
駆動側クラッチ体87と従動側クラッチ体86とは、サイドクラッチ軸46の軸心方向で互いに対向する面のそれぞれに、歯部86A,87Aを備え、駆動側クラッチ体87に対する従動側クラッチ体86の遠近移動に伴って互いの歯部86A,87Aが係脱されるように、ドッグクラッチ型式のサイドクラッチ83を構成している。
出力ギヤ81及び伝動ギヤ82を介して伝動上手側の従動軸45からの駆動力が伝えられるサイドクラッチ軸46に対して、そのサイドクラッチ軸46の軸心方向での摺動による着脱可能な筒軸85が、相対回転可能な状態でサイドクラッチ軸46に外嵌されている。
そして、サイドクラッチ軸46の軸端部近くに形成したスプライン部46Aに駆動側クラッチ体87が、サイドクラッチ軸46と一体回動するようにスプライン嵌合されている。そのサイドクラッチ軸46に外嵌する筒軸85の外端側の軸端部近くに形成した第1スプライン軸部85Aに、従動側クラッチ体86が筒軸85と一体回動するようにスプライン嵌合されている。
駆動側クラッチ体87と従動側クラッチ体86とは、サイドクラッチ軸46の軸心方向で互いに対向する面のそれぞれに、歯部86A,87Aを備え、駆動側クラッチ体87に対する従動側クラッチ体86の遠近移動に伴って互いの歯部86A,87Aが係脱されるように、ドッグクラッチ型式のサイドクラッチ83を構成している。
各サイドクラッチ83は、駆動側クラッチ体87と従動側クラッチ体86との歯部86A,87Aが噛み合う入り位置に向けて従動側クラッチ体86を付勢する圧縮バネ88(付勢手段に相当する)、従動側クラッチ体86を入り位置にて受け止めるC字形の止め輪からなるストッパ89、及び、圧縮バネ88の一端部を受け止めるバネ受け90、などを備えている。
したがって、従動側クラッチ体86が、圧縮バネ88の作用によって入り位置に摺動することにより、従動側クラッチ体86の歯部86Aと駆動側クラッチ体87の歯部87Aとが噛み合う伝動状態に切り替わり、かつ、圧縮バネ88の作用に抗して切り位置に摺動することにより、従動側クラッチ体86の歯部86Aと駆動側クラッチ体87の歯部87Aとが噛み合いを解除する遮断状態に切り替わるように構成されている。
したがって、従動側クラッチ体86が、圧縮バネ88の作用によって入り位置に摺動することにより、従動側クラッチ体86の歯部86Aと駆動側クラッチ体87の歯部87Aとが噛み合う伝動状態に切り替わり、かつ、圧縮バネ88の作用に抗して切り位置に摺動することにより、従動側クラッチ体86の歯部86Aと駆動側クラッチ体87の歯部87Aとが噛み合いを解除する遮断状態に切り替わるように構成されている。
各筒軸85は、伝動ギヤ82に近接する内端側に前記第1スプライン軸部85Aよりも大径の第2スプライン軸部85Bを備えている。そして、第2スプライン軸部85Bの外端に位置する段差部85Cがバネ受けとして機能するように構成されている。又、第1スプライン軸部85Aの外端部に、ストッパ89が着脱可能に外嵌する環状の係合溝85Dが形成されている。
各従動側クラッチ体86は、それらの内周部に、筒軸85の第1スプライン軸部85Aに相対摺動可能にスプライン嵌合するスプラインボス部86Bを備え、筒軸85と一体回動するように構成されている。
従動側クラッチ体86の径方向で、内周側のスプラインボス部86Bと外周側のリム部86Cとの中間位置には、サイドクラッチ軸46の軸心方向で前記駆動側クラッチ体87が存在する機体横外方側へ向けて突出する円筒状の係止支持部86Dが設けられている。
従動側クラッチ体86の径方向で、内周側のスプラインボス部86Bと外周側のリム部86Cとの中間位置には、サイドクラッチ軸46の軸心方向で前記駆動側クラッチ体87が存在する機体横外方側へ向けて突出する円筒状の係止支持部86Dが設けられている。
この係止支持部86Dの存在箇所よりも径方向での外方側箇所には、従動側クラッチ体86とその従動側クラッチ体86を押圧操作するための押圧ピストン101との間で、スラスト方向の荷重を受ける滑り軸受け70の装着箇所が設けられている。
また、係止支持部86Dの存在箇所よりも径方向での内方側箇所には、複数の内歯状の前記歯部86Aを周方向に一定ピッチで形成することにより、筒状の係止支持部86Dの内周側に歯部86Aが位置するように設けられている。したがって、この従動側クラッチ体86の歯部86Aに噛合するところの駆動側クラッチ体87の外歯状の歯部87Aも、係止支持部86Dの存在箇所よりも径方向での内方側箇所に位置する状態で、駆動側クラッチ体87の周方向に一定ピッチで形成されている。
また、係止支持部86Dの存在箇所よりも径方向での内方側箇所には、複数の内歯状の前記歯部86Aを周方向に一定ピッチで形成することにより、筒状の係止支持部86Dの内周側に歯部86Aが位置するように設けられている。したがって、この従動側クラッチ体86の歯部86Aに噛合するところの駆動側クラッチ体87の外歯状の歯部87Aも、係止支持部86Dの存在箇所よりも径方向での内方側箇所に位置する状態で、駆動側クラッチ体87の周方向に一定ピッチで形成されている。
各駆動側クラッチ体87は、サイドクラッチ軸46に対するサイドクラッチ軸46の軸心方向での摺動による着脱が可能な状態でサイドクラッチ軸46と一体回転するように、サイドクラッチ軸46における対応する筒軸85よりも軸端側の両端部位に、筒軸85と隣接する状態でスプライン嵌合している。これにより、各駆動側クラッチ体87が、左右のサイドクラッチ83において、サイドクラッチ軸46を介して伝動ギヤ82と一体回転する駆動側回転体として機能する状態に構成されている。
〔サイドブレーキに関して〕
サイドブレーキ84は、摺動ユニット91に外嵌して一体回転する複数のセパレータプレート95、複数のセパレータプレート95とサイドクラッチ軸46の軸心方向に交互に配置する複数のブレーキディスク96と単一のプレッシャプレート97、及び、複数のブレーキディスク96と単一のプレッシャプレート97とを回り止め状態で支持するブレーキハウジング94、などが備えられている。
サイドブレーキ84は、摺動ユニット91に外嵌して一体回転する複数のセパレータプレート95、複数のセパレータプレート95とサイドクラッチ軸46の軸心方向に交互に配置する複数のブレーキディスク96と単一のプレッシャプレート97、及び、複数のブレーキディスク96と単一のプレッシャプレート97とを回り止め状態で支持するブレーキハウジング94、などが備えられている。
摺動ユニット91は、筒軸85と一体回転するように第2スプライン軸部85Bに外嵌するスプラインボス92を伝動ギヤ82の左右両側に備えている。各スプラインボス92は、ミッションケース40内の左右中央側に位置する内端側が駆動ギヤ部分92Aとして機能し、かつ、ミッションケース40内の左右一端側に位置する外端側がブレーキハブ部分92Bとして機能するように兼用部品に構成されている。サイドクラッチ軸46の軸上における伝動ギヤ82と左右の摺動ユニット91との間には、それらの間においてサイドクラッチ軸46の軸心方向に働く力を受け止めるスラストカラー93が介装されている。
スプラインボス92と筒軸85と従動側クラッチ体86と圧縮バネ88とストッパ89とバネ受け90とによって、サイドクラッチ軸46に対して、サイドクラッチ軸46の軸心方向に着脱可能に一体摺動する摺動ユニット91が構成されている。
スプラインボス92と筒軸85と従動側クラッチ体86と圧縮バネ88とストッパ89とバネ受け90とによって、サイドクラッチ軸46に対して、サイドクラッチ軸46の軸心方向に着脱可能に一体摺動する摺動ユニット91が構成されている。
ブレーキハウジング94は、セパレータプレート95及びブレーキディスク96などを外囲する略筒状で、ミッションケース40における左右の側壁の上下中間部位に一体形成されている。そして、複数のブレーキディスク96と単一のプレッシャプレート97とを、サイドクラッチ軸46の軸心方向に摺動可能な状態で回転不能に支持している。又、それらの内端部位に、サイドクラッチ軸46の軸心に沿ってミッションケース40の内部側に摺動するセパレータプレート95及びブレーキディスク96を受け止める受止部94Aを備えている。
各従動側クラッチ体86のリム部86Cが、対応するサイドブレーキ84のセパレータプレート95及びブレーキディスク96に作用する押圧部として機能する状態に構成されている。これにより、各サイドブレーキ84は、対応する従動側クラッチ体86が、圧縮バネ88の作用に抗して、前述した切り位置から、入り位置とは反対方向に位置する制動位置に向けて摺動するのに伴って、複数のセパレータプレート95及びブレーキディスク96がリム部86Cの押圧作用による圧接を解除する制動解除状態から、複数のセパレータプレート95及びブレーキディスク96がリム部86Cの押圧作用により圧接する制動状態に切り替わる。そして、圧縮バネ88の作用によって制動位置から切り位置に向けて摺動するのに伴って、制動状態から制動解除状態に切り替わるように構成されている。
〔クラッチブレーキ操作構造について〕
従動側クラッチ体86を押圧操作するための押圧ピストン101は次のように構成されている。
摺動ユニット91は、従動側クラッチ体86がミッションケース40に備えた環状のシリンダ空間となる油室100に対向する状態でサイドクラッチ軸46の軸上に装備されている。そして、この油室100に、従動側クラッチ体86を摺動操作する環状の押圧ピストン101が、サイドクラッチ軸46の軸心方向に摺動可能な状態で嵌入装備されている。このように、押圧ピストン101及び油室100は環状に形成されている。
従動側クラッチ体86を押圧操作するための押圧ピストン101は次のように構成されている。
摺動ユニット91は、従動側クラッチ体86がミッションケース40に備えた環状のシリンダ空間となる油室100に対向する状態でサイドクラッチ軸46の軸上に装備されている。そして、この油室100に、従動側クラッチ体86を摺動操作する環状の押圧ピストン101が、サイドクラッチ軸46の軸心方向に摺動可能な状態で嵌入装備されている。このように、押圧ピストン101及び油室100は環状に形成されている。
押圧ピストン101は、ステアリング用のバルブユニット103の作動によりサイドクラッチ軸46の軸心方向に摺動し、この摺動により、対応する従動側クラッチ体86をサイドクラッチ軸46の軸心方向に摺動操作するように構成されている。
具体的には、押圧ピストン101は、バルブユニット103の作動による油室100の昇圧に伴って、サイドクラッチ軸46の軸心に沿ってサイドクラッチ軸46の中央側に摺動する。この摺動により、対応する従動側クラッチ体86を圧縮バネ88の作用に抗してクラッチ入り位置からクラッチ切り位置に摺動操作し、その後、クラッチ切り位置から制動位置に摺動操作する。
又、押圧ピストン101は、バルブユニット103の作動による油室100の減圧に伴って、サイドクラッチ軸46の軸心に沿ってサイドクラッチ軸46の軸端側に摺動する。この摺動により、対応する従動側クラッチ体86を圧縮バネ88の作用によって制動位置からクラッチ切り位置に摺動し、その後、クラッチ切り位置からクラッチ入り位置に摺動操作する。
具体的には、押圧ピストン101は、バルブユニット103の作動による油室100の昇圧に伴って、サイドクラッチ軸46の軸心に沿ってサイドクラッチ軸46の中央側に摺動する。この摺動により、対応する従動側クラッチ体86を圧縮バネ88の作用に抗してクラッチ入り位置からクラッチ切り位置に摺動操作し、その後、クラッチ切り位置から制動位置に摺動操作する。
又、押圧ピストン101は、バルブユニット103の作動による油室100の減圧に伴って、サイドクラッチ軸46の軸心に沿ってサイドクラッチ軸46の軸端側に摺動する。この摺動により、対応する従動側クラッチ体86を圧縮バネ88の作用によって制動位置からクラッチ切り位置に摺動し、その後、クラッチ切り位置からクラッチ入り位置に摺動操作する。
ステアリング用のバルブユニット103は、操向レバー13の左右方向での揺動操作に基づいて作動状態が切り替わるように、操向レバー13にステアリング用の機械式連係機構(図示せず)を介して連係されている。具体的には、操向レバー13が中立位置に位置する状態では、各押圧ピストン101に対する操作圧を減圧する減圧状態を維持する。操向レバー13が中立位置から左方に揺動操作されると、減圧状態から左側の押圧ピストン101に対する操作圧を昇圧する左昇圧状態に切り替わる。操向レバー13が中立位置から右方に揺動操作されると、減圧状態から右側の押圧ピストン101に対する操作圧を昇圧する右昇圧状態に切り替わる。操向レバー13が中立位置に揺動操作されると、左昇圧状態又は右昇圧状態から減圧状態に切り替わる。
この構成から、操向レバー13を中立位置に保持することにより、ステアリング用のバルブユニット103を減圧状態に維持することができ、これにより、各従動側クラッチ体86を入り位置に維持することができ、結果、走行状態を、左右のクローラ走行装置1を等速駆動する直進状態に維持することができる。又、操向レバー13を中立位置から左方に揺動操作することにより、ステアリング用のバルブユニット103を減圧状態から左昇圧状態に切り替えることができ、これにより、右側の従動側クラッチ体86を入り位置に維持しながら、左側の従動側クラッチ体86を入り位置から切り位置又は制動位置に摺動させることができ、結果、走行状態を、直進状態から左側のクローラ走行装置1を従動又は制動させて車体を左方向に旋回させる左旋回状態に切り替えることができる。
逆に、操向レバー13を中立位置から右方に揺動操作することにより、ステアリング用のバルブユニット103を減圧状態から右昇圧状態に切り替えることができ、これにより、左側の従動側クラッチ体86を入り位置に維持しながら、右側の従動側クラッチ体86を入り位置から切り位置又は制動位置に摺動させることができ、結果、走行状態を、直進状態から右側のクローラ走行装置1を従動又は制動させて車体を右方向に旋回させる右旋回状態に切り替えることができる。そして、左旋回状態又は右旋回状態において、操向レバー13を中立位置に揺動操作することにより、ステアリング用のバルブユニット103を左昇圧状態又は右昇圧状態から減圧状態に切り替えることができ、これにより、切り位置又は制動位置に位置する左右いずれか一方の従動側クラッチ体86を入り位置に摺動させることができ、結果、走行状態を、左旋回状態又は右旋回状態から直進状態に切り替えることができる。
〔従動側クラッチ体の構造〕
図4及び図5に示すように、従動側クラッチ体86は次のように構成されている。
押圧ピストン101の押し操作と圧縮バネ88との戻し操作とで、サイドクラッチ軸46の軸心方向で摺動操作される従動側クラッチ体86は、図4に示されるように駆動側クラッチ体87と噛合したクラッチ入り位置と、図5に示されるように、駆動側クラッチ体87との噛合が解除され、かつサイドブレーキ84が制動状態となるクラッチ切り及び制動位置とに移動可能に構成されている。
図4及び図5に示すように、従動側クラッチ体86は次のように構成されている。
押圧ピストン101の押し操作と圧縮バネ88との戻し操作とで、サイドクラッチ軸46の軸心方向で摺動操作される従動側クラッチ体86は、図4に示されるように駆動側クラッチ体87と噛合したクラッチ入り位置と、図5に示されるように、駆動側クラッチ体87との噛合が解除され、かつサイドブレーキ84が制動状態となるクラッチ切り及び制動位置とに移動可能に構成されている。
上記のクラッチ入り位置では、押圧ピストン101が最収縮姿勢で、従動側クラッチ体86は圧縮バネ88で横外側に押されて駆動側クラッチ体87と噛合し、従動側クラッチ体86にサイドクラッチ軸46からの駆動力が伝達される。また、クラッチ切り及び制動位置では、圧縮バネ88の付勢力に抗して押圧ピストン101が最大伸長姿勢となり、従動側クラッチ体86と駆動側クラッチ体87との噛合が解除された後、複数のセパレータプレート95及びブレーキディスク96を圧接して、サイドクラッチ軸46からの駆動力の伝達を解除するとともに、従動側クラッチ体86からの動力が伝達される走行駆動軸50への伝動機構49に対して制動力が付与される。
従動側クラッチ体86の係止支持部86Dは、押圧ピストン101との間に装備される滑り軸受け70との関係で、押圧ピストン101の軸心方向における滑り軸受け70の長さよりも長く形成されている。そして、押圧ピストン101の伸縮ストロークL2が、駆動側クラッチ体87の歯部87Aと従動側クラッチ体86の歯部86Aとの、前記軸心方向での係合代L1よりも長く設定されている。
このように構成された従動側クラッチ体86の係止支持部86Dは、サイドクラッチ軸46の軸心方向で常に押圧ピストン101と重複する状態に維持される。
つまり、図4に示されるクラッチ入り位置でも、図5に示される制動作用位置でも、そのクラッチ入り位置と制動作用位置との中間位置でも、従動側クラッチ体86に対して押圧ピストン101の押し操作力と圧縮バネ88との戻し操作力とが互いに逆向きに作用している。したがって、通常の作動状態では、従動側クラッチ体86と押圧ピストン101とは、間に滑り軸受け70を挟み込んだ状態で、これらの三者が一体的に移動して、サイドクラッチ83の入り切りや、サイドブレーキ84の制動作動あるいは制動解除の操作が行われる。
つまり、図4に示されるクラッチ入り位置でも、図5に示される制動作用位置でも、そのクラッチ入り位置と制動作用位置との中間位置でも、従動側クラッチ体86に対して押圧ピストン101の押し操作力と圧縮バネ88との戻し操作力とが互いに逆向きに作用している。したがって、通常の作動状態では、従動側クラッチ体86と押圧ピストン101とは、間に滑り軸受け70を挟み込んだ状態で、これらの三者が一体的に移動して、サイドクラッチ83の入り切りや、サイドブレーキ84の制動作動あるいは制動解除の操作が行われる。
〔滑り軸受けの構造〕
従動側クラッチ体86と押圧ピストン101との間で、スラスト方向の荷重を受けるように装着された滑り軸受け70は、次のように構成されている。
図4及び図5に示すように、滑り軸受け70は、従動側クラッチ体86に当接する滑り部材71と、押圧ピストン101に当接する連れ回り規制部材72とを備えている。
従動側クラッチ体86と押圧ピストン101との間で、スラスト方向の荷重を受けるように装着された滑り軸受け70は、次のように構成されている。
図4及び図5に示すように、滑り軸受け70は、従動側クラッチ体86に当接する滑り部材71と、押圧ピストン101に当接する連れ回り規制部材72とを備えている。
滑り部材71は、従動側クラッチ体86における係止支持部86Dの外周側に外嵌するスリーブ状に形成され、押圧ピストン101と同程度の径方向厚さを有している。
連れ回り規制部材72は、係止支持部86Dの外周側に外嵌する内径の孔部を内周側に有した円板状で、かつ外周側には、周方向に所定間隔を隔てた複数箇所(この実施形態では三箇所)に、係合突起72aが突出形成されている。この係合突起72aは、ミッションケース40のうち、従動側クラッチ体86や押圧ピストン101が存在する箇所のケース内壁に形成された複数の凹溝部73に係合している(図7参照)。
連れ回り規制部材72は、係止支持部86Dの外周側に外嵌する内径の孔部を内周側に有した円板状で、かつ外周側には、周方向に所定間隔を隔てた複数箇所(この実施形態では三箇所)に、係合突起72aが突出形成されている。この係合突起72aは、ミッションケース40のうち、従動側クラッチ体86や押圧ピストン101が存在する箇所のケース内壁に形成された複数の凹溝部73に係合している(図7参照)。
ミッションケース40のケース内壁に形成された複数の凹溝部73は、サイドクラッチ軸46の軸心方向や押圧ピストン101の進退作動方向に沿って直線状に形成されている。したがって、この凹溝部73に係合突起72aを係合させた円板状の連れ回り規制部材72が、押圧ピストン101の進退作動に伴ってサイドクラッチ軸46の軸心方向に沿って移動自在に構成されている。そして、連れ回り規制部材72のサイドクラッチ軸46の軸心周りでの回転は、凹溝部73と係合突起72aとの係合によって確実に回転不能な状態に規制される。
その結果、滑り軸受け70のうち、滑り部材71が、従動側クラッチ体86と連れ回り規制部材72との間に位置して、圧縮バネ88の付勢力と押圧ピストン101の押圧力とによるスラスト荷重を受けながら、従動側クラッチ体86と連れ回り規制部材72との間での相対回転を許容するように設けられている。
そして、滑り部材71と押圧ピストン101との間に介装される円板状の連れ回り規制部材72は、ミッションケース40のケース内壁に形成された複数の凹溝部73に係合突起72aが係合することで、滑り部材71との間での相対回転は許容しながら、押圧ピストン101との間における相対回転は確実に規制するように構成されている。
つまり、この連れ回り規制部材72が、従動側クラッチ体86と押圧ピストン101との間における、従動側クラッチ体86の相対回転は許容しながら、押圧ピストン101との間での相対回転は規制する連れ回り規制機構を構成している。
そして、滑り部材71と押圧ピストン101との間に介装される円板状の連れ回り規制部材72は、ミッションケース40のケース内壁に形成された複数の凹溝部73に係合突起72aが係合することで、滑り部材71との間での相対回転は許容しながら、押圧ピストン101との間における相対回転は確実に規制するように構成されている。
つまり、この連れ回り規制部材72が、従動側クラッチ体86と押圧ピストン101との間における、従動側クラッチ体86の相対回転は許容しながら、押圧ピストン101との間での相対回転は規制する連れ回り規制機構を構成している。
〔その他〕
図2に示すように、ミッションケース40の横外方へ向けて延出される走行駆動軸50を支承する駆動軸ケース51には、走行駆動軸50の外周面と駆動軸ケース51の内周面との間に形成される狭い空間に、潤滑油を注入及び排出するための給油プラグ52、及び排油プラグ53が設けられている。
走行駆動軸50の外周面と駆動軸ケース51の内周面との間に形成される空間は、ミッションケース40内の空間とは、駆動軸ケース51のミッションケース40への取り付け箇所近くに設けたオイルシール54により区画され、油密状態に密閉されている。
図2に示すように、ミッションケース40の横外方へ向けて延出される走行駆動軸50を支承する駆動軸ケース51には、走行駆動軸50の外周面と駆動軸ケース51の内周面との間に形成される狭い空間に、潤滑油を注入及び排出するための給油プラグ52、及び排油プラグ53が設けられている。
走行駆動軸50の外周面と駆動軸ケース51の内周面との間に形成される空間は、ミッションケース40内の空間とは、駆動軸ケース51のミッションケース40への取り付け箇所近くに設けたオイルシール54により区画され、油密状態に密閉されている。
したがって、走行駆動軸50の外周面と駆動軸ケース51の内周面との間に形成される空間から潤滑油を抜くときには、給油プラグ52、及び排油プラグ53を開放しても、ミッションケース40内の潤滑油が流れ出す虞はない。
この走行駆動軸50の外周面と駆動軸ケース51の内周面との間に形成される空間に潤滑油を注入する場合には、排油プラグ53を閉じ、複数の給油プラグ52のうちの一方を開放した状態で他方の給油プラグ52から潤滑油を注入する。
この走行駆動軸50の外周面と駆動軸ケース51の内周面との間に形成される空間に潤滑油を注入する場合には、排油プラグ53を閉じ、複数の給油プラグ52のうちの一方を開放した状態で他方の給油プラグ52から潤滑油を注入する。
〔別実施形態の1〕
上記の実施形態では、滑り軸受け70として、従動側クラッチ体86に当接する滑り部材71と、押圧ピストン101に当接する連れ回り規制部材72とを備えた構造のものを例示したが、この構造に限られるものではない。
例えば図6に示すように、滑り軸受け70を、従動側クラッチ体86と押圧ピストン101との双方に当接する滑り部材71によって構成してもよい。
この場合、滑り部材71が押圧ピストン101の進退方向に沿って移動自在であるように、滑り部材71の外周側で周方向に所定間隔を隔てた複数箇所(この実施形態では三箇所)に、押圧ピストン101の外径よりも大きい外径を有した係合突起71aが突出形成されている。この係合突起71aは、ミッションケース40のうち、従動側クラッチ体86や押圧ピストン101が存在する箇所のケース内壁に形成された複数の凹溝部73に係合している(図7参照)。
尚、この構造では、滑り部材71が従動側クラッチ体86の係止支持部86Dの外周側に嵌合する構造ではなく、係止支持部86Dの外径が大きなものである構造に形成されていて、その係止支持部86Dの突出端と押圧ピストン101との対向箇所に滑り部材71が挟み込まれた状態に設けられている。
このように、滑り部材71自体の構造や、従動側クラッチ体86の構造は適宜に変更可能であり、この実施形態では、滑り部材71が連れ回り規制機構を兼ねるように構成されている。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
上記の実施形態では、滑り軸受け70として、従動側クラッチ体86に当接する滑り部材71と、押圧ピストン101に当接する連れ回り規制部材72とを備えた構造のものを例示したが、この構造に限られるものではない。
例えば図6に示すように、滑り軸受け70を、従動側クラッチ体86と押圧ピストン101との双方に当接する滑り部材71によって構成してもよい。
この場合、滑り部材71が押圧ピストン101の進退方向に沿って移動自在であるように、滑り部材71の外周側で周方向に所定間隔を隔てた複数箇所(この実施形態では三箇所)に、押圧ピストン101の外径よりも大きい外径を有した係合突起71aが突出形成されている。この係合突起71aは、ミッションケース40のうち、従動側クラッチ体86や押圧ピストン101が存在する箇所のケース内壁に形成された複数の凹溝部73に係合している(図7参照)。
尚、この構造では、滑り部材71が従動側クラッチ体86の係止支持部86Dの外周側に嵌合する構造ではなく、係止支持部86Dの外径が大きなものである構造に形成されていて、その係止支持部86Dの突出端と押圧ピストン101との対向箇所に滑り部材71が挟み込まれた状態に設けられている。
このように、滑り部材71自体の構造や、従動側クラッチ体86の構造は適宜に変更可能であり、この実施形態では、滑り部材71が連れ回り規制機構を兼ねるように構成されている。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の2〕
上記の実施形態では、滑り軸受け70の連れ回り規制機構として、ミッションケース40のケース内壁に形成された複数の凹溝部73と、その凹溝部73に係合する係合突起71a、72aとの組み合わせで構成された構造のものを例示したが、この構造に限られるものではない。
例えば、ミッションケース40のケース内壁に、押圧ピストン101の進退方向に軸心を沿わせたピン部材(図示せず)を固定して、あるいはケース内壁に半径方向内方側へ突出するリブ部分(図示せず)を設けて、そのピン部材やリブ部分に係合する切り欠き部分を外周側に形成した滑り軸受け70と組み合わせることによって連れ回り規制機構を構成してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
上記の実施形態では、滑り軸受け70の連れ回り規制機構として、ミッションケース40のケース内壁に形成された複数の凹溝部73と、その凹溝部73に係合する係合突起71a、72aとの組み合わせで構成された構造のものを例示したが、この構造に限られるものではない。
例えば、ミッションケース40のケース内壁に、押圧ピストン101の進退方向に軸心を沿わせたピン部材(図示せず)を固定して、あるいはケース内壁に半径方向内方側へ突出するリブ部分(図示せず)を設けて、そのピン部材やリブ部分に係合する切り欠き部分を外周側に形成した滑り軸受け70と組み合わせることによって連れ回り規制機構を構成してもよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
〔別実施形態の3〕
上記の実施形態では、走行駆動軸50の外周面と駆動軸ケース51の内周面との間の狭い空間に潤滑油を注入及び排出するための給油プラグ52、及び排油プラグ53が、駆動軸ケース51自体に設けられた構造のものを例示したが、この構造に限られるものではない。
例えば図8に示すようにしてもよい。
この構造では、ミッションケース40として、走行駆動軸50と、その走行駆動軸50の端部入力ギヤ50aに噛合する最終出力ギア98aを支持する中継軸98とにわたり、前記端部入力ギヤ50aと最終出力ギア98aとを内装する大きさの出力用ケース110を、副変速機構47や伝動機構49が内装されたミッションケース40の主要部とは別に設けている。
上記の実施形態では、走行駆動軸50の外周面と駆動軸ケース51の内周面との間の狭い空間に潤滑油を注入及び排出するための給油プラグ52、及び排油プラグ53が、駆動軸ケース51自体に設けられた構造のものを例示したが、この構造に限られるものではない。
例えば図8に示すようにしてもよい。
この構造では、ミッションケース40として、走行駆動軸50と、その走行駆動軸50の端部入力ギヤ50aに噛合する最終出力ギア98aを支持する中継軸98とにわたり、前記端部入力ギヤ50aと最終出力ギア98aとを内装する大きさの出力用ケース110を、副変速機構47や伝動機構49が内装されたミッションケース40の主要部とは別に設けている。
このように、ミッションケース40として、ミッションケース40の主要部と、前記出力用ケース110とで構成されたミッションケース40を用いて、そのうちの、出力用ケース110の上部に給油プラグ52を設け、下部に排油プラグ53を設けるようにしてもよい。この構造では、出力用ケース110の内部空間は、走行駆動軸50の外周面と駆動軸ケース51の内周面との間に形成される空間と連通して一連の空間となり、出力用ケース110の内部空間とミッションケース40内の空間とは、伝動機構49のミッションケース40への取り付け箇所近くに設けたオイルシール54により区画され、油密状態に密閉されている。
このように構成された構造のものでは、給油プラグ52から潤滑油を供給する際に、出力用ケース110の内部空間が、走行駆動軸50の外周面と駆動軸ケース51の内周面との間に形成される空間に比べてはるかに大きい。したがって、走行駆動軸50の外周面と駆動軸ケース51の内周面との間に形成される狭い空間に対して直接的に潤滑油を給排する場合に比べて、容易に供給及び排出作業を迅速に行い易い点で有利である。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
その他の構成は、前述した実施形態と同様の構成を採用すればよい。
本発明に係る作業機用伝動装置は、普通形コンバインの他、自脱形コンバイン、ニンジン収穫機、トウモロコシ収穫機、などの各種収穫機や、田植機などの水田作業機、あるいは農作業機に限らず、土工機や建設機械など、各種の作業機に適用することができる。
46 サイドクラッチ軸(駆動軸)
70 滑り軸受け
71 滑り部材
72 連れ回り規制部材
86 従動側クラッチ体
86A 歯部
87 駆動側クラッチ体
87A 歯部
88 圧縮バネ(付勢手段)
101 押圧ピストン
70 滑り軸受け
71 滑り部材
72 連れ回り規制部材
86 従動側クラッチ体
86A 歯部
87 駆動側クラッチ体
87A 歯部
88 圧縮バネ(付勢手段)
101 押圧ピストン
Claims (3)
- 駆動軸と一体に回転する駆動側クラッチ体と、
前記駆動軸に対して、その駆動軸の軸心周りで相対回転自在に、かつ前記軸心に沿う方向で相対移動自在に外嵌する従動側クラッチ体と、
前記従動側クラッチ体を、前記駆動側クラッチ体に近づく係合側へ弾性押圧する付勢手段と、
前記従動側クラッチ体を、前記付勢手段の付勢力に抗して前記駆動側クラッチ体から離れる係合解除側へ操作する押圧ピストンと、が備えられ、
前記駆動側クラッチ体と前記従動側クラッチ体とのそれぞれに、前記駆動側クラッチ体に対する前記従動側クラッチ体の遠近移動に伴って係脱される歯部が備えられ、
前記押圧ピストンと前記従動側クラッチ体との対向箇所に、前記押圧ピストンと前記従動側クラッチ体との相対回転を許容する環状の滑り軸受けが介装され、
前記滑り軸受けに、前記従動側クラッチ体との間における相対回転を許容し、かつ前記押圧ピストンとの間における相対回転を抑制する連れ回り規制機構が備えられている作業機用伝動装置。 - 前記滑り軸受けに、前記従動側クラッチ体に当接する滑り部材と、前記押圧ピストンに当接する連れ回り規制部材とが備えられ、
前記連れ回り規制部材は、前記押圧ピストンの進退方向に沿って移動自在で、かつ回転不能に設けられ、前記連れ回り規制機構を構成する請求項1記載の作業機用伝動装置。 - 前記滑り軸受けに、前記従動側クラッチ体と前記押圧ピストンとの双方に当接する滑り部材が備えられ、前記滑り部材は、前記押圧ピストンの進退方向に沿って移動自在で、かつ回転不能に設けられ、前記連れ回り規制機構を構成する請求項1記載の作業機用伝動装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2016216249A JP2018071763A (ja) | 2016-11-04 | 2016-11-04 | 作業機用伝動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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JP2018071763A true JP2018071763A (ja) | 2018-05-10 |
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ID=62114973
Family Applications (1)
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JP2016216249A Pending JP2018071763A (ja) | 2016-11-04 | 2016-11-04 | 作業機用伝動装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2018071763A (ja) |
-
2016
- 2016-11-04 JP JP2016216249A patent/JP2018071763A/ja active Pending
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