JP2003156121A - 走行車両のトランスミッション - Google Patents

走行車両のトランスミッション

Info

Publication number
JP2003156121A
JP2003156121A JP2001353642A JP2001353642A JP2003156121A JP 2003156121 A JP2003156121 A JP 2003156121A JP 2001353642 A JP2001353642 A JP 2001353642A JP 2001353642 A JP2001353642 A JP 2001353642A JP 2003156121 A JP2003156121 A JP 2003156121A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hst
transmission
oil
case
charge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001353642A
Other languages
English (en)
Inventor
Shoichi Sato
昇一 佐藤
Naoya Ikeda
直哉 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yanmar Agribusiness Co Ltd
Original Assignee
Seirei Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seirei Industry Co Ltd filed Critical Seirei Industry Co Ltd
Priority to JP2001353642A priority Critical patent/JP2003156121A/ja
Publication of JP2003156121A publication Critical patent/JP2003156121A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Harvester Elements (AREA)
  • Motor Power Transmission Devices (AREA)
  • Control Of Fluid Gearings (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 チャージポンプ107からHST式無段変速
装置105の作動油通路142内にチャージ油を供給す
るための油路が他物と接触して損傷し或いは破損して油
漏れを生じさせる事態を防止すると共に、前記油路の形
成に要する部品の数を減少させて部品コストや組立コス
トを低減させる。 【解決手段】 前記チャージポンプ107のチャージ油
出口孔107bを延長するようにミッションケース10
6aの肉厚内に形成された第一チャージ油通路d、及
び、この第一チャージ油通路dと前記作動油通路142
とを連通させるようにHSTケース106aの肉厚内に
形成された第二チャージ油通路fとを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行変速のための
HST及び、旋回を行うためのHSTを付設され建設機
械や農業機械等の走行車両に使用されるトランスミッシ
ョンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車速を変更するための走行用
HSTと、操向操作を行うための旋回用HSTとから成
るHST式無段変速装置をミッションケースの一方の側
壁に付設すると共に、該ミッションケース内の潤滑油を
前記HST式無段変速装置のHSTケースの肉厚内に形
成された作動油通路内に供給するものとしたチャージポ
ンプを前記ミッションケースの他方の側壁に付設した走
行車両のトランスミッションは存在している。この際、
前記チャージポンプから吐出された潤滑油(チャージ
油)は該チャージポンプから延出させたチャージ油管路
を経て前記作動油通路内へ補給するようようになされて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来構造のト
ランスミッションにおいては、前記チャージポンプから
延出させたチャージ油管路が他物と接触して損傷を受け
たり或いは破損して油漏れを生じさせるほか、部品数を
増大させて部材コストや組立コストを増大させるという
問題がある。本発明は、斯かる問題点を解消し得るもの
とした走行車両のトランスミッションを提供することを
目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するた
めの手段を説明する。請求項1記載の発明では、車速を
変更するための走行用HST25と、操向操作を行うた
めの旋回用HST28とから成るHST式無段変速装置
105をミッションケース22の一方の側壁に付設する
と共に、該ミッションケース22内の潤滑油を前記HS
T式無段変速装置105のHSTケース106の肉厚内
に形成された作動油通路142内に供給するものとした
チャージポンプ107を前記ミッションケース22の他
方の側壁に付設した走行車両のトランスミッション10
4において、前記チャージポンプ107のポンプケース
107dの肉厚内に形成されたチャージ油出口孔107
bを延長するように前記ミッションケース22の肉厚内
に第一チャージ油通路dを形成すると共に、該第一チャ
ージ油通路dと前記作動油通路142とを連通させるよ
うに前記HSTケース106の肉厚内に第二チャージ油
通路fを形成した構成となす。これによれば、前記第一
チャージ油通路d及び前記第二チャージ油通路fが前記
チャージポンプ107のチャージ油出口孔107dから
吐出されたチャージ油を前記HST式無段変速装置10
5の作動油通路142内に供給するものとなる。
【0005】そして、上記発明は次のように具体化す
る。即ち、請求項2に記載したように、前記第二チャー
ジ油通路fが、前記作動油通路142としての4つの縦
向き孔a1、a2、b1、b2のそれぞれと連通された
横向き孔f2を備えるほか、該横向き孔f2と前記各縦
向き孔a1、a2、b1、b2との連通箇所で前記縦向
き壁面部106aの肉厚内に、前記縦向き孔a1、a
2、b1、b2内から前記横向き孔f2内へのチャージ
油の流動を制限するものとした逆向き流動制限機構f3
を形成されている構成となす。これによれば、前記横向
き孔f2は直状で済むものとなり、また前記各縦向き孔
a1、a2、b1、b2は前記横向き孔f2内のチャー
ジ油を前記横向き孔f2から直接に補給されるものとな
り、さらに前記逆向き流動制限機構f3が前記縦向き壁
面部106aの肉厚内に位置するため、前記縦向き壁面
部106aは前記逆向き流動制限機構f3を他物との衝
突による損傷や破壊から保護するものとなる。
【0006】また請求項3に記載したように、一端を前
記横向き孔f2に連通され他端を前記HSTケース10
6内に開放されたチャージ油逃がし通路151を前記H
STケース106及び前記縦向き壁面部106aの肉厚
内に設けた構成となす。これによれば、前記チャージ油
逃がし通路151が前記HSTケース106及び前記縦
向き壁面部106aの肉厚内に位置するため、前記HS
Tケース106の外方に存在する他物と直接に接触する
ことの生じないものとなり、また前記HSTケース10
6の外方に前記チャージ油逃がし通路151専用の設置
スペースを要しないものとなる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。図1〜図15は本発明に係わるコンバ
インに関するもので、図1は全体的な構成を示した全体
側面図、図2は同じく全体平面図、図3はトランスミッ
ションのスケルトン図、図4は油圧回路図、図5はトラ
ンスミッションの左側面図、図6は旋回用HSTを含む
トランスミッションの断面展開図、図7はトランスミッ
ション下部の断面展開図、図8は走行用HSTを含むト
ランスミッションの断面展開図、図9はトランスミッシ
ョンの一部切欠平直図、図10はHST無段変速装置の
縦向き壁面部を厚さ中央で切断した状態を示す断面図、
図11はトランスミッション上部の一部切欠正面図、図
12は同じく右側面図、図13はトランスミッション下
部からHST式無段変速装置までの油路を示す右側ケー
ス部の左側面図、図14はトランスミッション下部のろ
過装置の断面展開図、図15はトランスミッション下部
の被覆ケース部の平面図である。
【0008】まず、本発明に係わる車両のトランスミッ
ションを搭載したコンバインの全体構成について、図1
乃至図3により説明する。コンバインは、トラックフレ
ーム1の左右にクローラ式走行装置2L、2Rを支持し
た構成であり、3は前記トラックフレーム1に架設する
機台、4はフィードチェーン5を左側に張架し扱胴6及
び処理胴7を内蔵している脱穀機である脱穀部、8は刈
刃9及び穀稈搬送機構10等を備える刈取部、11は刈
取フレーム12を介して刈取部8を昇降させる刈取部昇
降のための油圧シリンダである。
【0009】13は排藁チェーン14の終端を臨ませる
排藁処理部、15は揚穀筒16を介して脱穀部4からの
穀粒を搬入する穀物タンク、17は前記穀物タンク15
の穀粒を機外に搬出する排出オーガ、18は丸型の操向
ハンドル19を支架するハンドルポスト、68は主変速
レバー、20は運転席であり、また、21は、機体左右
方向に沿う出力軸を有する原動機たるエンジンであり、
コンバインの前方より連続的に穀稈を刈取って脱穀する
ように構成している。
【0010】また、このコンバインには、二つの静油圧
式無段変速装置(以下「HST」とする)、すなわち、
走行系の走行用HSTと旋回系の旋回用HSTを具備し
ており、前記エンジン21からの動力で駆動されるよう
構成されている。そして、エンジン21からの動力は、
走行用HST25により、正逆の回転方向と回転数増減
の制御が行われたのち、駆動力が走行系伝動機構101
を介して差動機構33に伝達される。また、エンジン2
1からの駆動力は、ギア式伝達機構102を介して旋回
用HST28にも伝達され、該旋回用HST28により
正逆の回転方向と回転数増減の制御が行われたのち、駆
動力が正逆転付与機構103を介して差動機構33に伝
達される。以上のような構成とすることにより、差動機
構33に連動連結された左右のクローラ式走行装置2
L、2Rの駆動スプロケット34L、34Rに駆動力を
常時伝達することにより前後直進走行を可能としてお
り、また、左右駆動スプロケット34L、34Rに対す
る回転数の相対的な増減制御により旋回を可能としてい
るのである。
【0011】次に、トランスミッションの概略構造につ
いて、図3乃至図9により説明する。図3、図4、図9
に示すように、トランスミッション104は、HST式
無段変速装置105を具備すると共に、前記クローラ式
走行装置2L、2Rを駆動するための走行系伝動機構1
01及び正逆転付与機構103及び遊星ギア機構35
L、35Rをミッションケース22内に配置しており、
該ミッションケース22上に前記HST式無段変速装置
105を設ける構成としている。そして、該HST式無
段変速装置105は、一組の走行油圧ポンプ23及び走
行油圧モータ24を有する主変速機構である走行用HS
T25と、一組の旋回油圧ポンプ26及び旋回油圧モー
タ27を有する旋回機構である旋回用HST28とから
構成される。
【0012】また、図5乃至図8に示すように、ミッシ
ョンケース22上部にHSTケース106が付設され、
該HSTケース106内で機体の前後方向における後方
(図5における右側)に、走行用HST25の走行油圧
ポンプ23及び走行油圧モータ24が上下に並設されて
おり、該走行油圧ポンプ23の入力軸23a及び、走行
油圧モータ24の出力軸24aが、機体左右方向に軸支
され、互いに上下方向に並列されている。そして、同じ
HSTケース106内で機体の前後方向における前方
(図5における左側)に、旋回用HST28の旋回油圧
ポンプ26及び旋回油圧モータ27が上下に並設され、
該旋回油圧ポンプ26の入力軸26a及び、旋回油圧モ
ータ27の出力軸27aが、機体左右方向に軸支され、
互いに上下方向に並列されている。
【0013】このように走行用HST25と旋回用HS
T28とは単一のHSTケース106内に一体的に構成
されており、HST式無段変速装置105自体の組み立
て、及び該HST式無段変速装置105のミッションケ
ース22への着脱を容易とし、メンテナンス性の向上を
図っている。
【0014】また、図6乃至図8に示すように、ミッシ
ョンケース22は左側(図8において左側)の左側ケー
ス部22L及び右側の右側ケース部22Rより構成さ
れ、ケース部22L、22Rは、ミッションケース22
の左右方向で右寄り部において接合されている。そし
て、この左右の両ケース部22L、22Rの接合により
形成される区画の内部に、前記走行系伝動機構101及
び正逆転付与機構103、遊星ギア機構35L、35R
が配設されると共に、該区画の底部には、一定量の潤滑
油が注入され、内部に配置された上記の各機構を自然潤
滑することとしている。そして、この潤滑油は、両HS
T25、28、及び作業機例えば刈取部昇降のための油
圧シリンダ11の作動油をも兼ねている。
【0015】一方、ミッションケース22の左側ケース
部22Lの上部には、ミッションケース22の上面より
も上方に延出する入力ケース部22aが突出形成され、
該入力ケース部22aの右端開口を閉じるべく、右側ケ
ース部22Rの薄い上部が蓋体として固定されている。
そして、該ミッションケース22の上面に臨む入力ケー
ス部22aの左側面には、前記HSTケース106が着
脱可能に付設されているのである。
【0016】該入力ケース部22a内の下部には、前記
走行系伝動機構101への動力を受け入れるギア42
と、正逆転付与機構103の動力を受け入れるギア97
とが設けられている。そして、前記走行用HST25の
走行油圧モータ24の出力軸24aの一端が入力ケース
部22a内に挿入されてギア42に係合され、同様に、
前記旋回用HST28の旋回油圧モータ27の出力軸2
7aの一端も入力ケース部22a内に挿入されてギア9
7に係合されている。このような入力ケース部22aの
底部にも一定量の潤滑油が注入されており、上記の歯車
列を自然潤滑している。
【0017】次に、トランスミッション内の動力伝達構
成について、図3乃至図9により詳細に説明する。ま
ず、エンジン21から各HST25、28の出力軸24
a、27aまでの動力伝達構成について説明する。図
3、図5、図9に示すように、走行用HST25につい
ては、HSTケース106から左方に走行油圧ポンプ2
3の入力軸23aが突出され、その端部には入カプーリ
23bが入力軸23aに一体的に装着されている。ま
た、前記エンジン21の出力軸21aには出力プーリ2
1bが一体的に装着され、該出力プーリ21bと前記走
行油圧ポンプ23の入カプーリ23bとの間には伝動ベ
ルト29が巻回されており、走行油圧ポンプ23の入力
軸23aは、伝動ベルト29、プーリ21b、23bを
介してエンジン21に連動連結されている。
【0018】さらに、該伝動ベルト29の近傍にはテン
ションプーリ31が配設されており、該テンションプー
り31を伝動ベルト29に押し付け、緊張させることに
より、エンジン21からの動力を入力軸23aに伝達
し、逆に、テンションプーリ31を伝動ベルト29から
離間して、伝動ベルト29を弛緩させることにより、エ
ンジン21からの動力を切断する、いわゆるテンション
クラッチ機構が形成されている。
【0019】そして、旋回用HST28については、走
行油圧ポンプ23の入力軸23aと旋回油圧ポンプ26
の入力軸26aとの間に、後で詳述するギア式伝達機構
102が介設されており、該ギア式伝達機構102を介
して、旋回油圧ポンプ26の入力軸26aは走行油圧ポ
ンプ23の入力軸23aに連結連動されている。
【0020】図4、図5に示すように、HST25、2
8を収納するHSTケース106の前後側面には、旋回
油圧ポンプ26のトラニオン軸26cと、走行油圧ポン
プ23のトラニオン軸23cとが突出されている。そし
て、該トラニオン軸26c、23cの回動操作により、
旋回油圧ポンプ26及び走行油圧ポンプ23の可動斜板
146、145がそれぞれ傾動し、これらポンプ26、
23の送油量を増減させるものとなされている。
【0021】図6、図8、図9及び図10に示すよう
に、前記HSTケース106の縦向き壁面部106aの
肉厚内には旋回油圧ポンプ26及び走行油圧ポンプ23
の作動油出入口26b、23bと、旋回油圧モータ27
及び走行油圧モータ24の作動油出入口27b、24b
とを連通させるための作動油通路142が形成されてい
る。該作動油通路142は縦向き壁面部106aの肉厚
内に形成された4つの縦向き孔a1、a2、b1、b2
を有し、各縦向き孔a1、a2、b1、b2は旋回油圧
ポンプ26及び走行油圧ポンプ23の入力軸26a、2
3aの高さ位置でこれらポンプ26、23の作動油出入
口26b、23bのうちの1つと連通されると共に、旋
回油圧モータ27及び走行油圧モータ24の出力軸27
a、24aの高さ位置でこれらモータ27、24の作動
油出入口27b、24bのうちの1つと連通されてい
る。
【0022】この際、旋回油圧モータ27及び走行油圧
モータ24は旋回油圧ポンプ26及び走行油圧ポンプ2
3の作動により、作動油を縦向き孔b1、b2、a1、
a2を通じて供給されるのであり、これらモータ27、
24の出力軸27a、24aはその作動油の流量に対応
した回転速度で且つその作動油の送油方向に対応した方
向へ回転される。この結果、エンジン21から走行油圧
ポンプ23の入力軸23aと旋回油圧ポンプ26の入力
軸26aに入力された動力は無段変速された後、出力軸
24a、27aからミッションケース22内に伝達され
るのである。
【0023】図3、図5、図8を参照して、前記走行用
HST25の出力軸24aから車軸40L、40Rまで
の動力伝達構成について説明する。これらの図に示すよ
うに、前記入力ケース部22aで走行油圧モータ24の
出力軸24aの下方にはカウンター軸43が横架され、
該カウンター軸43上のギア43aは前記出力軸24a
上のギア42に噛合されている。
【0024】さらに下方には前記副変速機構32が配置
されている。副変速機構32は、ミッションケース22
に横架した副変速駆動軸53の一端に入力用ギア44を
固設し、該副変速駆動軸53上には低速用ギア50、中
速用ギア51を固設するほか、高速用ギア52を遊嵌
し、該高速用ギア52と噛合可能なクラッチスライダ8
1を摺動可能にスプライン嵌合している。
【0025】また、前記副変速駆動軸53と平行に回転
自在に横架した副変速従動軸45上には、ギア47、4
8を遊嵌し、その間にクラッチスライダ80を両者に嵌
合可能にスプライン嵌合し、ギア54と出力ギア49を
固設している。そして、ギア47と低速用ギア50、ギ
ア48と中速用ギア51、ギア54と高速用ギア52と
をそれぞれ常時嵌合させている。
【0026】これら二つのクラッチスライダ80、81
には、それぞれU型フォーク84a、84bが外嵌さ
れ、両U型フォーク84a、84bとも、左右に横架し
た支軸86上での摺動可能なスライダ85に固設されて
いる。該スライダ85にはアーム受け85aを設け、該
アーム受け85aには、前後向きに枢支したシフト操作
軸82のアーム82aが係合されている。このシフト操
作軸82は、運転席近傍に配備した一本の副変速レバー
に連係されており、該副変速レバーを操作することによ
り、シフト操作軸82が回動してスライダ85が左右に
摺動され、該スライダ85上のU型フォーク84a、8
4bにより、クラッチスライダ80、81が同時に摺動
する。これにより、クラッチスライダ80、81が、ギ
ア47、48、52のいずれかと係合するように構成さ
れ、これにより、副変速従動軸45に三段階の変速回転
が得られ、出力ギア49から出力されるようになってい
る。
【0027】このような構成において、走行油圧モータ
24の回転出力が出力軸24aから入力ケース部22a
内のギア42を介して、カウンター軸43上のギア43
a、人力用ギア44を経由したのち副変速機構32に伝
達され、該副変速機構32において変速されたのち、出
力ギア49から後で詳述する差動機構33に入力され
る。そして、センタギア46を経由して左右のサンギア
36L、36Rを回転駆動させることにより、遊星ギア
機構35L、35Rを介して動力が左右の車軸40L、
40Rまで伝達されるのである。
【0028】なお、図8に示すように、前記副変速従動
軸45の左端部には、図示せぬハンドブレーキを操作す
ることにより走行系伝動機構101に制動力を付与させ
る駐車ブレーキ機構112を設けている。該駐車ブレー
キ機構112においては、ハンドブレーキに連動連結し
た図示せぬブレーキアーム、カム軸を介してプレッシャ
ープレート113が回動するとともに、図8において右
方向への推力が発生して、副変速従動軸45上に一体的
に装着された摩擦板とミッションケース22側に装着さ
れた摩擦板とが重合してなる多板式摩擦ブレーキ114
を押圧する。この押圧により副変速従動軸45に抵抗を
与え駐車ブレーキ作用を発生させるようにしている。
【0029】図3、図5乃至図7、図10を参照して、
前記旋回用HST28の出力軸27aから車軸40L、
40Rまでの動力伝達構成について説明する。これらの
図に示すように、前記入力ケース部22aで旋回油圧モ
ータ27の出力軸27aの下方にはカウンター軸96が
横架され、該カウンター軸96上のギア96aは、前記
出力軸27a上のギア97に噛合されると共に、クラッ
チ軸61の右端部に固設した入力用の伝動ギア91に噛
合されており、旋回油圧モータ27の回転出力が、出力
軸27aから順にギア97、駆動ギア96a、さらに伝
動ギア91を介して、クラッチ装置115のクラッチ軸
61へと伝達される。
【0030】該クラッチ装置115においては、クラッ
チ軸61の左右略中央部にリング状の伝達部61aが突
設され、該伝達部61aの左側方のクラッチ軸61上に
は、クラッチギア117が遊嵌され、該クラッチギア1
17には、右から順にスライダ受け117aと駆動ギア
117bが形成されている。そして、前記伝達部61a
の右側方のクラッチ軸61上には、ガイドリング118
が固設されており、該ガイドリング118と前記伝達部
61a、スライダ受け117aには、クラッチスライダ
116が摺動可能に外嵌されている。
【0031】該クラッチスライダ116は、ガイドリン
グ118に遊嵌され、伝達部61aとスライダ受け11
7aにはスプライン嵌合されると共に、クラッチスライ
ダ116の内周面には溝部116aが形成されており、
該溝部116a内には、前記クラッチ軸61上の伝達部
61aが収まる空間を設けている。
【0032】このクラッチスライダ116には、前記ク
ラッチスライダ80、81と同様に、U型フォーク84
cが外嵌され、該U型フォーク84cはスライダ85に
固設されており、副変速機構32と連動連係された構成
となっている。従って、副変速機構32が中立位置にあ
る場合は、クラッチスライダ116が軸方向に摺動され
て溝部116aが伝達部61a上に位置し、該伝達部6
1aがクラッチスライダ116とは係合不能としてお
り、クラッチ軸61からの動力がクラッチスライダ11
6に伝達されないようにしている。そして、副変速機構
32が1速から3速までの伝動状態にある場合のみ、伝
達部61aはクラッチスライダ116を介してスライダ
受け117aに係合され、クラッチ軸61からの動力が
クラッチギア117に伝達され、クラッチギア117上
の駆動ギア117bより出力するように構成されてい
る。
【0033】該駆動ギア117bは、前記クラッチ軸6
1下方の減速軸119上に固設した大径ギア119aに
噛合されると共に、減速軸119の左右略中央には小径
ギア119bを固設し、該小径ギア119bは、減速軸
119下方の旋回入力軸63上にスプライン嵌合された
二連の摺動ギア64のうちのギア64aに噛合してお
り、前記クラッチ装置115からの動力が減速されて旋
回入力軸63に入力されるようにしている。
【0034】旋回入力軸63の左端にはギア63aが固
設され、該ギア63aは左側のリングギア38Lに直接
噛合して動力が伝達される一方、このギア63aと同一
径のギア64bが前記摺動ギア64上に形成されてお
り、該ギア64bは、逆転軸62上に遊嵌された逆転ギ
ア120に噛合され、該逆転ギア120にて回転方向が
逆転された後、逆転ギア120に噛合する右側のリング
ギア38Rに動力が伝達される。このようにして、旋回
油圧モータ27の回転出力が、差動機構33中の左右の
リングギア38L、38Rを互いに逆回転方向へ、かつ
左右同一回転数で伝達させる正逆転付与機構103が構
成されている。
【0035】ここで、差動機構33は、左右の一対の遊
星ギア機構35L、35Rを有し、各遊星ギア機構35
L、35Rはサンギア36L、36Rと、該サンギア3
6L36Rの外周で噛合する複数のプラネタリギア37
L、37Rと、リングギア38L、38Rに一体構成さ
れプラネタリギア37L、37Rに噛合するインターナ
ルギア38a、38aと、サンギア軸39と同軸線上の
車軸40L、40Rに固設されプラネタリギア37L、
37Rを枢支するキャリア41L、41R等から構成さ
れている。
【0036】該プラネタリギア37L、37Rは、車軸
40L、40Rから放射状に均等配置されてキャリア4
1L、41Rにそれぞれ回転自在に軸支され、左右のサ
ンギア36L、36Rを挟んで左右のキャリア41L、
41Rを配置させると共に、前記インターナルギア38
a、38aは、各プラネタリギア37L、37Rに噛み
合い、サンギア軸39と同一軸芯上に配置して、車軸4
0L、40Rに回転自在に軸支させている。
【0037】そして、前記サンギア36L、36Rは、
共通のサンギア軸39の外周面上に刻設され、両サンギ
ア36L、36Rの中間部に係止したセンタギア46を
介して、副変速機構32等からなる走行系伝動機構10
1に連動連結され、さらに、該走行系伝動機構101の
入力部には、走行用HST25の出力軸24aに係合さ
れるギア42が連動連結される。
【0038】このような構成において、旋回用HST2
8の回転出力が出力軸27aから入力ケース部22a内
のギア97を介して、カウンター軸96上のギア96
a、伝動ギア91を経由したのちクラッチ装置115を
介して正逆転付与機構103に入力される。そして、該
正逆転付与機構103を介して左右のリングギア38
L、38Rが互いに逆回転方向へ、かつ左右同一回転数
で回動され、前記差動機構33を介して動力が左右の車
軸40L、40Rまで伝達されるのである。
【0039】なお、前記カウンター軸96には直進性を
安定させるためのブレーキ機構121が装備されてい
る。該ブレーキ機構121は、カウンター軸96上で一
体的に回転する前記駆動ギア96aと、カウンター軸9
6に外嵌され駆動ギア96aよりも歯数が少ない摩擦板
で構成した制動ギア92とを有する。そして、駆動ギア
96aは旋回油圧モータ27からの動力を伝達するギア
97と噛み合っており、該駆動ギア96aを介して、カ
ウンター軸96に動力が伝達されるように構成されてい
る。
【0040】また、同じくギア97と噛み合う制動ギア
92がカウンター軸96に二枚外嵌されており、さらに
三枚の相手側摩擦板93、93、93が前記制動ギア9
2を挟み込むようにしてカウンター軸96と一体回転す
るよう装着され、該相手側摩擦板93と制動ギア92
は、右側ケース上部22bにて受け止められた皿バネ9
5のバネ力を受ける押圧板94を介して常時押圧されて
いる。そして、この押圧力を受けることにより駆動ギア
96a、相手側摩擦板93、及び制動ギア92は常時圧
接状態を保つ。
【0041】そこで、ギア97から動力が伝達される
と、駆動ギア96aよリカウンター軸96に動力が伝達
される一方、ギア97により動力を伝達された制動ギア
92がギア97とは異なる回転数でカウンター軸96上
で回転するので、ギア97と制動ギア92間において相
対回転差が発生し、ギア97、相手側摩擦板93及び制
動ギア92の間に摩擦抵抗が発生し、該カウンター軸9
6に対するブレーキ作用が発生する。これにより、旋回
油圧ポンプ26の中立位置が正確に出ておらず、旋回油
圧モータ27が微動に回転しようとしても、カウンター
軸96が制動されているので左右のリングギア38L、
38Rの静止固定状態が維持されるのである。
【0042】従って、以上のような動力伝達構成におい
て、操向ハンドル19を直進走行位置におくと、旋回油
圧ポンプ26が中立位置となり、旋回油圧モータ27の
駆動が停止して左右リングギア38L、38Rが静止固
定された状態となる。そして、主変速レバー68にて走
行油圧ポンプ23より圧油を吐出させて、この圧油を作
動油通路142の縦向き孔a1を通じて走行油圧モータ
24に供給し、このモータ24から縦向き孔a2を通じ
て走行油圧ポンプ23に帰還させることにより、このモ
ータ24を駆動すると、その回転はセンタギア46から
左右のサンギア36L、36Rに同一回転数で伝達さ
れ、左右遊星ギア機構35L、35Rのプラネタリギア
37L、37R、キャリア41L、41Rを介し、左右
の駆動スプロケット34L、34Rが左右同回転方向の
同一回転数で駆動されて、機体の前進直進走行が行われ
る。また、主変速レバー68にて走行油圧ポンプ23か
らの圧油吐出方向を反転させ、この圧油を作動油通路1
42の縦向き孔a2を通じて走行油圧モータ24に供給
し、このモータ24から縦向き孔a1を通じて走行油圧
ポンプ23に帰還させることにより、このモータ24を
逆向きへ駆動すると、機体は後進状態で直進走行する。
なお、図示せぬ直進固定レバーを操作して、前記摺動ギ
ア64を右方に摺動させ、ギア64aと減速軸119上
の小径ギア119bとの係合を外すことにより、左右の
リングギア38L、38Rへの動力伝達を切断し、安定
した直進走行性能を確保できるようにすることもでき
る。
【0043】この状態で、操向ハンドル19を右に切る
と、旋回油圧ポンプ26は作動状態となって圧油を吐出
するのであり、この圧油を作動油通路142の縦向き孔
b1を通じて旋回油圧モータ27に供給し、このモータ
27から縦向き孔b2を通じて旋回油圧ポンプ26に帰
還させることにより、旋回油圧モータ27が特定向きへ
駆動される。該旋回油圧モータ27から出力された動力
は、クラッチ装置115を経て正逆転付与機構103に
至り、ここで同一回転数のまま二手に分岐され、その一
方は前記遊星ギア機構35のリングギア38Lを正転さ
せ、他方はリングギア38Rを逆転させる。正転するリ
ングギア38Lの回転数は、サンギア36Lによって正
転している左キャリア41Lの回転数に加算される一
方、逆転するリングギア38Rの回転数は、サンギア3
6Rによって正転している右キャリア41Rの回転数に
減算される。これによって両駆動スプロケット34L、
34Rの駆動状態を維持しつつ、駆動スプロケット34
Lの回転数が駆動スプロケット34Rのそれよりも高く
なって右方へ進路が変更されるのである。
【0044】旋回油圧ポンプ26からの吐出油量は操向
ハンドル19の切れ角度が大きくなるに従って増加し、
これに応じて旋回油圧モータ27の回転数も無段に増加
するので、左右の駆動スプロケット34L、34Rに生
じる相対回転差は次第に大きくなり、より小さな旋回半
径で機体が旋回することとなる。また、操向ハンドル1
9を左に切ると、旋回油圧ポンプ26の圧油吐出方向が
反転し、この反転された圧油を作動油通路142の縦向
き孔b2を通じて旋回油圧モータ27に供給し、該モー
タ27から縦向き孔b1を通じて旋回油圧ポンプ26に
帰還させることにより、旋回油圧モータ27の回転方向
が逆になり、これによって最終的に、左キャリア41L
の回転数が減算される一方、右キャリア41Rの回転数
が加算されて、駆動スプロケット34Rの回転数が駆動
スプロケット34Lのそれよりも高くなって左方へ進路
が変更されるのである。
【0045】次に図3、図9を参照して、前記ギア式伝
達機構102について説明する。ミッションケース22
の左側ケース部22L上部に突設する入力ケース部22
aと、右側ケース部22Rの右側ケース上部22bとに
より形成される空間には、機体前後方向で後から前にか
けて順に、駆動ギア122、中間ギア123、従動ギア
124が回動可能に枢支されている。
【0046】このうちの駆動ギア122には、前記縦向
き壁面部106aから突出させた走行油圧ポンプ23の
入力軸23aの右端部が、軸方向に摺動可能にスプライ
ン嵌合され、従動ギア124には、同様に、前記縦向き
壁面部106aから突出させた旋回油圧ポンプ26の入
力軸26aの右端部が、軸方向に摺動可能にスプライン
嵌合されている。そして、中間ギア123は中間軸12
5に外嵌固定されると共に、前後に配置した従動ギア1
24後部と駆動ギア122前部に噛合しており、走行油
圧ポンプ23に入力された動力が、入力軸23a→駆動
ギア122→中間ギア123→従動ギア124→入力軸
26aを経由して、旋回油圧ポンプ26にも伝達される
ようにしている。
【0047】そして、このような構成において、HST
式無段変速装置105をミッションケース22に取り付
ける場合には、入力軸23a、26aをギア122、1
24摺動させながら押し込んで挿嵌すると同時に、HS
T式無段変速装置105の縦向き壁面部106aに突設
された取付けピン127を、入力ケース部22aに穿設
されたピン孔128に嵌合して、HST式無段変速装置
105をミッションケース22の一方の側面(入力ケー
ス部22a左側の取付け面22c)に当接・固定するの
である。HST式無段変速装置105のミッションケー
ス22からの取り外しも、同様にして、ギア122、1
24にスプライン嵌合した入力軸23a、26aを機体
左方に摺動させながら引き出すことで行うことができる
のである。
【0048】次に図4、図9乃至図12を参照して、前
記HST式無段変速装置105への潤滑油補給用のチャ
ージポンプ107、及び刈取昇降用ポンプ108の配置
構成や油路構成について、により説明する。図9、図1
1及び図12に示すように、ミッションケース22上部
の22a、22b内に枢支される前記中間軸125は、
ミッションケース22の前記取付け面22cとは反対側
をなす側面(取付け面22d)側のHST25、28間
に突出され、該取付け面22dには、両HST25、2
8に対する潤滑油捕給用のチャージポンプ107が付設
され、前記走行油圧ポンプ23の入力軸23aから中間
軸125へ伝達された動力によって駆動される。この
際、チャージポンプ107は板状ケース部c1とギヤ囲
いケース部c2を具備したものとなされる。そして、該
チャージポンプ107の外側には刈取昇降用ポンプ10
8が付設され、該刈取昇降用ポンプ108の入力軸10
8aは、前記中間軸125とカップリング129により
スプライン連結されており、刈取昇降用ポンプ108も
前記走行油圧ポンプ23の入力軸23aからの動力によ
って駆動されるようにしている。
【0049】図4、図11、図12に示すように、前記
刈取昇降用ポンプ108の吸込口108bは、ミッショ
ンケース22の右側ケース上部22b上部に突設したサ
クションポート134に配管135を介して接続される
と共に、該サクションポート134は、目の粗い第1オ
イルフィルター132と目の細かい第2オイルフィルタ
ー133を有するろ過装置178を内設した油路131
を経由して、ミッションケース22下部に連通されてお
り、ミッションケース22内に収容したギア等を潤滑す
るための潤滑油は、ろ過された後に刈取昇降用ポンプ1
08にも供給されるようにしている。
【0050】ミッションケース22の外側面には、前記
刈取部8を対地昇降操作自在な図4に示す昇降バルブユ
ニット136が設けられ、該昇降バルブユニット136
のバルブケース144には、ポンプポート137、シリ
ンダポート138、タンクポート139、及び三位置切
換式で電磁操作式の方向制御弁140などが配設され、
このうちのポンプポート137は、前記刈取昇降用ポン
プ108の吐出口108cに図示せぬ配管を介して連通
されており、刈取昇降用ポンプ108から送られる潤滑
油が作動油として導入されるようにしている。
【0051】一方、図11に示すように、吸込口108
bからはギヤ囲いケース部c2の肉厚内に形成された吸
込路107aが分岐させてあり、該吸込路107aは吸
込口108b内の潤滑油の一部をチャージポンプ107
のポンプ室107c内に送り込むものとなされている。
そして、チャージポンプ107はポンプ室107c内に
送り込まれた潤滑油をここで加圧した後、ポンプケース
107dをなす板状ケース部c1の肉厚内及びギヤ囲い
ケース部c2の肉厚内に形成されたチャージ油出口孔1
07bからチャージ油としての潤滑油を吐出させるもの
となされている。該チャージ油出口孔107bは前記ミ
ッションケース22のケース部22L、22Rの肉厚内
に左右向きに形成された直状の油路d1、d2からなる
第一チャージ油通路dの一端に連通されており、また第
一チャージ油通路dの他端と、HSTケース106の縦
向き壁面部106aに形成された前記作動油通路142
とは前記HSTケース106の肉厚内に形成された第二
チャージ油通路fを介して連通されている。
【0052】図10及び図11に示すように、第二チャ
ージ油通路fは第一チャージ油通路d2と連通される左
右向き孔f1、及び、該左右向き孔f1と連通された横
向き孔f2を備えると共に、該横向き孔f2と前記各縦
向き孔a1、a2、b1、b2との交差連通箇所で前記
縦向き壁面部106aの肉厚内に前記縦向き孔a1、a
2、b1、b2内から前記横向き孔f2内へ向けてのチ
ャージ油の流動を制限するものとした逆向き流動制限機
構f3を形成されたものとなされている。この際、逆向
き流動制限機構f3は、図示例では弁体109aと、該
弁体109aで開閉される開口を有する弁座109b
と、圧縮スプリング109cとで形成されたものとなさ
れ、また各縦向き孔a1、a2、b1、b2の上端開
口、及び、横向き孔f2の後端開口はネジ蓋e1、e2
を螺着されて閉鎖されている。
【0053】このような構成において、刈取昇降用ポン
プ108に導入された潤滑油の一部は、吸込路107a
を通ってポンプ室107c内に送り込まれて加圧された
後、チャージ油出口孔107bを通って左右向き孔f1
の入口であるチャージポート141まで圧送され、該チ
ャージポート141から横向き孔f2及び逆向き流動制
限機構f3を経て各縦向き孔a1、a2、b1、b2内
に補充油として導入される。
【0054】図10乃至図11に示すように、前記横向
き孔f2にはチャージ油逃がし通路151が設けてあ
り、該チャージ油逃がし通路151は、一端を前記横向
き孔f2に連通され他端を前記HSTケース106内で
旋回油圧ポンプ146の内方に開放された逃がし孔15
2と、該逃がし孔152の途中に形成されたチャージリ
リーフ機構166とからなっている。該チャージリリー
フ機構166は前記横向き孔f2内から前記HSTケー
ス106内へのチャージ油の通過量をバネの弾力で自動
的に調整するものとなされている。
【0055】次に、トランスミッションにおける油の流
れ及びそれに関連する構成について、図4により詳細に
説明する。チャージポンプ107、刈取昇降用ポンプ1
08、走行油圧ポンプ23及び旋回油圧ポンプ26は工
ンジン21により駆動されるのであり、このうちのチャ
ージポンプ107から吐出された潤滑油は、走行用HS
T25の作動油通路142をなす縦向き孔a1、a2内
及び旋回用HST28の作動油通路142をなす縦向き
孔b1、b2内に補給され、刈取昇降用ポンプ108か
ら吐出された潤滑油は、昇降バルブユニット136内に
導入される。
【0056】そして縦向き孔a1、a2へのチャージ油
補給箇所に形成された流動制限機構f3は図4に示すよ
うに、油補給時にのみ開くチェックバルブ162として
の機能と、走行油圧モータ24の正逆回転の中立範囲を
拡大するための絞り163としての機能を奏するもので
あり、また縦向き孔b1、b2へのチャージ油補給箇所
に形成された流動制限機構f3も、同様にチェックバル
ブ164としての機能と、旋回油圧モータ27の正逆回
転の中立範囲を拡大するための絞り165としての機能
を奏するものである。またチャージリリーフ機構166
は各縦向き孔a1、a2、b1、b2に供給されるチャ
ージ油の油圧を任意な特定圧に保持するものである。
【0057】一方、刈取昇降用ポンプ108から送られ
る潤滑油は、前述の如く作動油を兼ねており、昇降バル
ブユニット136の前記ポンプポート137に導入され
る。刈取部8昇降のための油圧シリンダ11に作動油を
供給する回路には、オイルフィルター180、181、
前記方向制御弁140、ロードチェック弁167、スロ
ーリターン弁168が配設され、油圧シリンダ11に対
する作動油の供給と排出を制御し、前記シリンダポート
138を介して油圧シリンダ11に対する作動油を給排
可能としている。また、リリーフ機構169により油圧
シリンダ11内の作動油圧を設定している。そして、油
圧シリンダ11側から排出された作動油は、前記タンク
ポート139から配管を介して、作動油タンク170内
に導入されるのである。
【0058】また、HST式無段変速装置105内のH
STケース106内に作動油として送られた潤滑油は、
走行油圧ポンプ23、走行油圧モータ24及び旋回油圧
ポンプ26、旋回油圧モータ27を作動した後、HST
ケース106内の作動油系統からHSTケース106内
の油溜まり空間に漏れ、またチャージリリーフ機構16
6を経てHSTケース106内に流れ込んだ潤滑油も同
様にその油溜まり空間内に流入する。該油溜まり空間内
の潤滑油はその圧力で出口孔171から溢れ出るのであ
り、この溢れ出た潤滑油は、配管172を介してオイル
クーラ174に送られ、該オイルクーラ174において
冷却され適当な粘度を維持した状態で、ミッションケー
ス22内に潤滑油として戻される。そして、ミッション
ケース22内に収容したギア等を潤滑した潤滑油は、ミ
ッションケース22下部から、油路131を介して前記
チャージポンプ107、刈取昇降用ポンプ108に再び
作動油として供給されるようにしている。
【0059】このような構成において、走行油圧ポンプ
23の可動斜板145に対するトラニオン軸23cが、
運転席近傍に配備した走行操作具である主変速レバー6
8にリンク機構を介して連動連係されており、走行用H
ST25は該主変速レバー68の回動操作により可動斜
板145の傾斜角度が変更されて走行油圧モータ24の
正逆の回転方向と回転数増減及び回転停止の制御を行う
ことが可能となっている。また、旋回油圧ポンプ26の
可動斜板146に対するトラニオン軸26cが操向ハン
ドル19にリンク機構を介して連動連係されており、旋
回用HST28は該操向ハンドル19の回動により可動
斜板146の傾斜角度が変更されて旋回油圧モータ27
の正逆の回転方向と回転数増減及び回転停止の制御を行
うよう構成されているのである。
【0060】次に、前記オイルフィルター132、13
3の配置、取付け構成について、図4、図5、図11、
図12,図13乃至図15により説明する。図13、図
14に示すように、ミッションケース22の後辺近傍に
は、互いに仕切られた第1油室175、第2油室17
6、及び第3油室177が形成され、各々の側面には、
下方から順に吐出口72、流入口73、吐出口74、流
入口75が開口されている。
【0061】そして、第1油室175は、ミッションケ
ース22内に収容したギア等を潤滑する潤滑油が溜めら
れた油溜めに開放されると共に、その内部には、図14
に示す位置に、前記第1オイルフィルター132が、そ
の開口側を前記吐出口72に嵌合した状態で横架され、
同様に、第2油室176には、前記第2オイルフィルタ
ー133が、開口側を前記吐出口74に嵌合した状態で
横架されている。
【0062】一方、ミッションケース22の前記左側ケ
ース部22Lの左側面には被覆ケース部22Mが覆設さ
れ、該被覆ケース部22M内には、背面視コ字状の連通
路70、71が形成されており、そのうちの連通路70
では、入口70aは前記吐出口72に、出口70bは前
記流入口73に連通されており、第1油室175内の潤
滑油が、第1オイルフィルター132でろ過された後、
この連通路70を通って第2油室176に流入するよう
にしている。連通路71でも同様に、入口71aは前記
吐出口74に、出口71bは前記流入口75に連通され
ており、第2油室176内の潤滑油が、第2オイルフィ
ルター133でろ過された後、この連通路71を通って
第3油室177に流入するようにしている。
【0063】そして、該第3油室177の上端は前記サ
クションポート134に連通されており、ミッションケ
ース22内の潤滑油は、下から順に上下方向に配設され
た、目の粗い第1オイルフィルター132と目の細かい
第2オイルフィルター133の2種類のオイルフィルタ
ーを順に通過していき、大きなゴミから順に除去されて
いくため、目詰まりすることなく確実に清浄化された
後、作動油として、サクションポート134から前記チ
ャージポンプ107、刈取昇降用ポンプ108に吸い込
まれるようにしている。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば次のような効果が得られ
るのであって、即ち、請求項1記載の発明によれば、チ
ャージポンプからHST式無段変速装置の作動油通路ま
でチャージ油を送り込むためのチャージ油用管路が存在
しないものとなるため、他物がチャージ油用管路に衝突
してチャージ油用管路が損傷したり或いは破損して油漏
れが生じる事態は防止されるのであり、またチャージポ
ンプからHST式無段変速装置の作動油通路に至るチャ
ージ油通路が本来的に必要なミッションケースやHST
ケースの肉厚内に形成されるため、チャージ油通路を形
成するためにのみ必要な管部材は必要ではなくなって全
体の部品点数が減少するものとなり、部材コストや組立
コストを低減させることができるほか、全体構成をコン
パクトとなすことができる。
【0065】請求項2記載のものによれば、第二チャー
ジ油通路を簡易且つコンパクトに形成することができる
と共に、各縦向き孔毎にこれの内方の作動油圧力が低下
したときに直ちにチャージ油を補給することができるの
であり、また縦向き孔から横向き孔へ向けてのチャージ
油の流動を制限するものとした逆向き流動制限機構が作
動油通路の直近に存在するようになるため、旋回油圧ポ
ンプや走行油圧ポンプの吐出圧が横向き孔内に逃げる現
象が阻止されるものとなり、旋回油圧モータや走行油圧
モータを効率的に作動させることができると共にチャー
ジ油系統に過大な圧力が作用する現象を迅速に阻止する
ことができる。
【0066】請求項3記載のものによれば、チャージ油
逃がし通路が既存の部材の肉厚内に設けられるため、該
逃がし通路のための格別な管部材を必要としないものと
なって部品コストや組立コストを低減させることがで
き、またチャージ油逃がし通路が他物と衝突して損傷し
たり或いは破壊による油漏れが生じるといった現象を阻
止することができる。さらにチャージ油逃がし通路を経
てHSTケース内に流入した潤滑油でHSTケース内の
摩擦箇所を冷却し潤滑することのできるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるコンバインの全体的な構成を示
した全体側面図である。
【図2】同じく全体平面図である。
【図3】トランスミッションのスケルトン図である。
【図4】油圧回路図である。
【図5】トランスミッションの左側面図である。
【図6】旋回用HSTを含むトランスミッションの断面
展開図である。
【図7】正逆転付与機構を示すトランスミッション下部
の断面展開図である。
【図8】走行用HSTを含むトランスミッションの断面
展開図である。
【図9】ギア式伝達機構を示すトランスミッションの一
部切欠平面図である。
【図10】HST無段変速装置の縦向き壁面部を厚さ中
央で切断した状態を示す断面図である。
【図11】チャージポンプと作業機昇降用ポンプの構造
を示すトランスミッション上部の一部切欠正面図であ
る。
【図12】同じく右側面図である。
【図13】トランスミッション下部からHST式無段変
速装置までの油路を示す右側ケース部の左側面図であ
る。
【図14】ケース内連通路タイプのろ過装置の断面展開
図である。
【図15】被覆ケースの平面図である。
【符号の説明】
22 ミッションケース 25 走行用HST 28 旋回用HST 104 トランスミッション 105 HST式無段変速装置 106 HSTケース 106a 縦向き壁面部 107 チャージポンプ 107d ポンプケース 107b チャージ油出口孔 142 作動油通路 151 チャージ油逃がし通路 a1 縦向き孔 a2 縦向き孔 b1 縦向き孔 b2 縦向き孔 d 第一チャージ油通路 f 第二チャージ油通路 f2 横向き孔 f3 逆向き流動制限機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B076 AA03 DA02 DA03 DA15 DB08 3D042 AA05 AA06 AA10 AB10 AB11 BA02 BA07 BA08 BA10 BA12 BA13 BA18 BB02 BB05 BC03 BC06 BC10 BC13 BC15 BC17 3J053 AA02 AA03 FB01 FB03 3J063 AA13 AB44 AC03 BA03 BB46 CA01 CD46

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車速を変更するための走行用HSTと、
    操向操作を行うための旋回用HSTとから成るHST式
    無段変速装置をミッションケースの一方の側壁に付設す
    ると共に、該ミッションケース内の潤滑油を前記HST
    式無段変速装置のHSTケースの肉厚内に形成された作
    動油通路内に供給するものとしたチャージポンプを前記
    ミッションケースの他方の側壁に付設した走行車両のト
    ランスミッションにおいて、前記チャージポンプのポン
    プケースの肉厚内に形成されたチャージ油出口孔を延長
    するように前記ミッションケースの肉厚内に第一チャー
    ジ油通路を形成すると共に、該第一チャージ油通路と前
    記作動油通路とを連通させるように前記HSTケースの
    肉厚内に第二チャージ油通路を形成したことを特徴とす
    る走行車両のトランスミッション。
  2. 【請求項2】 前記第二チャージ油通路が、前記作動油
    通路としての4つの縦向き孔のそれぞれと連通された横
    向き孔を備えるほか、該横向き孔と前記各縦向き孔との
    連通箇所で前記縦向き壁面部肉厚内に、前記縦向き孔内
    から前記横向き孔内へのチャージ油の流動を制限するも
    のとした逆向き流動制限機構を形成された構成であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の走行車両のトランスミッ
    ション。
  3. 【請求項3】 一端を前記横向き孔に連通され他端を前
    記HSTケース内に開放されたチャージ油逃がし通路を
    前記HSTケース及び前記縦向き壁面部の肉厚内に設け
    たことを特徴とする請求項2記載の走行車両のトランス
    ミッション。
JP2001353642A 2001-11-19 2001-11-19 走行車両のトランスミッション Pending JP2003156121A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001353642A JP2003156121A (ja) 2001-11-19 2001-11-19 走行車両のトランスミッション

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001353642A JP2003156121A (ja) 2001-11-19 2001-11-19 走行車両のトランスミッション

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003156121A true JP2003156121A (ja) 2003-05-30

Family

ID=19165626

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001353642A Pending JP2003156121A (ja) 2001-11-19 2001-11-19 走行車両のトランスミッション

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003156121A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006220220A (ja) * 2005-02-10 2006-08-24 Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd 減速機
JP2008281180A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Kanzaki Kokyukoki Mfg Co Ltd 油圧式無段変速装置
JP2009077654A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Kubota Corp コンバイン
EP2131073A1 (en) * 2007-03-13 2009-12-09 TCM Corporation Hst cooling circuit
JP2013006583A (ja) * 2011-05-26 2013-01-10 Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd 油圧式無段変速装置
JP2015206298A (ja) * 2014-04-21 2015-11-19 株式会社 神崎高級工機製作所 二連ポンプ構造
WO2016060059A1 (ja) * 2014-10-15 2016-04-21 ヤンマー株式会社 作業車両
WO2017065118A1 (ja) * 2015-10-13 2017-04-20 株式会社神崎高級工機製作所 油圧式変速装置

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006220220A (ja) * 2005-02-10 2006-08-24 Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd 減速機
EP2131073A1 (en) * 2007-03-13 2009-12-09 TCM Corporation Hst cooling circuit
EP2131073A4 (en) * 2007-03-13 2011-09-07 Tcm Corp COOLING CIRCUIT FOR HYDROSTATIC GEARBOX
US8468818B2 (en) 2007-03-13 2013-06-25 Hitachi Construction Machinery Co., Ltd. HST cooling circuit
JP2008281180A (ja) * 2007-05-14 2008-11-20 Kanzaki Kokyukoki Mfg Co Ltd 油圧式無段変速装置
JP2009077654A (ja) * 2007-09-26 2009-04-16 Kubota Corp コンバイン
JP2013006583A (ja) * 2011-05-26 2013-01-10 Kanzaki Kokyukoki Manufacturing Co Ltd 油圧式無段変速装置
JP2015206298A (ja) * 2014-04-21 2015-11-19 株式会社 神崎高級工機製作所 二連ポンプ構造
WO2016060059A1 (ja) * 2014-10-15 2016-04-21 ヤンマー株式会社 作業車両
JP2016080048A (ja) * 2014-10-15 2016-05-16 ヤンマー株式会社 作業車両
WO2017065118A1 (ja) * 2015-10-13 2017-04-20 株式会社神崎高級工機製作所 油圧式変速装置
JPWO2017065118A1 (ja) * 2015-10-13 2018-08-09 株式会社 神崎高級工機製作所 油圧式変速装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9487085B2 (en) Transaxle and working vehicle equipped with the transaxle
KR102301361B1 (ko) 콤바인
JP4438112B2 (ja) コンバインのトランスミッション
JP2003156121A (ja) 走行車両のトランスミッション
JP4733295B2 (ja) トラクタのトランスミッション
JP6113040B2 (ja) コンバイン
JP6226673B2 (ja) コンバイン
JP4185602B2 (ja) コンバインのトランスミッション
JP4248064B2 (ja) トランスミッション
JP3824794B2 (ja) コンバインの刈取部駆動装置
JP2003028280A (ja) 走行車両のトランスミッション
JP2008201303A (ja) トランスミッション
JP2001165286A (ja) 車輌用自動変速機の潤滑装置
JP4327305B2 (ja) 作業車のトランスミッション
JP4204117B2 (ja) コンバインのポンプ駆動構造
JP4176913B2 (ja) 作業車のトランスミッション
JP4025477B2 (ja) コンバインの刈取部駆動装置
JP4180158B2 (ja) 走行車両の動力制御装置
JP4491571B2 (ja) ミッション装置の作動油取出し構造
JP4365484B2 (ja) 作業車のトランスミッション
JP4448576B2 (ja) 車両のトランスミッション
JP4204142B2 (ja) 作業車のトランスミッション
JP3613365B2 (ja) Hst式ミッション装置
JP4063415B2 (ja) 油圧駆動車両のトランスミッション
JP4327270B2 (ja) コンバインのトランスミッション

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040831

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070307

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070814

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071015

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080805