JP4180158B2 - 走行車両の動力制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機体の進行速度を変更する走行駆動手段と、機体の進行方向を変更する旋回駆動手段を具備したコンバイン等の走行車両において、機体停止時に不測に機体を旋回させないようにする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、コンバイン等の走行車両の機体の進行速度を変更する走行駆動手段と、機体の進行方向を変更する旋回駆動手段を具備し、走行操作具のシフト操作により前後方向、ステアリング操作具の操作量に応じて左右に旋回可能としていたが、走行駆動手段の副変速機構が中立を保持している場合であっても、ステアリング操作具が中立以外の旋回操作状態にあるときは、旋回駆動手段から出力される旋回駆動力でもって差動機構が作動して、走行部が駆動し機体の一点旋回などが行われることがあった。そこで、副変速機構の中立時に、操向ハンドルを回動して旋回操作を行うと、走行を停止させる技術が公知となっている。例えば、特開平10−4719号の技術が公知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術においては、主変速中立センサーや副変速中立センサーや操向ハンドル中立センサーを設けて、コントローラと接続し、該コントローラは更に燃料噴射装置と接続し、副変速が中立以外で、操向ハンドルを操作すると、エンジンを停止させるようにしていたので、センサーが複数必要であり、高価となってしまう。また、副変速機構が中立のときに、操向ハンドルを少し回動しただけでエンジンが停止してしまうので、作業を中断した場合等で再びエンジンを始動する操作が面倒となることがあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、走行操作具のシフト操作によって左右の車軸(40L・40R)を同方向へ駆動する走行用の第一無段変速ユニット(25)と、ステアリング操作具の操作量に応じて左右の車軸に相対回転差を生ぜしめるように駆動する旋回用の第二無段変速ユニット(28)とを備えた作業車両のトランスミッションにおいて、前記走行用の第一無段変速ユニット(25)から左右車軸(40L・40R)へ至る動力伝達系に、中立位置を有するギヤ式変速装置(32)を介在させる一方、旋回用の第二無段変速ユニット(28)から左右車軸へ至る動力伝達系にクラッチ装置(C)を介在させると共に、該ギヤ式変速装置(32)は、変速駆動軸(53)及び変速従動軸(45)との間に噛合配置したギヤ連を、クラッチフォーク(100a・100b)を摺動させることにより選択して変速すべく構成し、該クラッチ装置(C)は、クラッチ軸(61)上の、2枚の遊転ギヤ(61b・61c)を、クラッチフォーク(100c)の摺動により、該クラッチ軸(61)と係合または離脱することにより形成し、前記ギヤ式変速装置(32)を変速操作するクラッチフォーク(100a・100b)と、前記クラッチ装置(C)を切換え操作するクラッチフォーク(100c)とを、前記ギヤ式変速装置(32)とクラッチ装置(C)との間に配置した共通のフォーク軸(101)上で一体摺動自在に設置して、連動連係させ、該ギヤ式変速装置(32)が中立位置へシフトされたときにクラッチ装置(C)が自動的に切り操作されるようにしたものである。
【0005】
請求項2においては、走行操作具のシフト操作によって左右の車軸(40L・40R)を同方向へ駆動する走行用の第一無段変速ユニット(25)と、ステアリング操作具の操作量に応じて左右の車軸に相対回転差を生ぜしめるように駆動する旋回用の第二無段変速ユニット(28)とを備えた作業車両のトランスミッションにおいて、前記走行用の第一無段変速ユニット(25)から左右車軸(40L・40R)へ至る動力伝達系に、中立位置を有するギヤ式変速装置(32)を介在させる一方、旋回用の第二無段変速ユニット(28)から左右車軸へ至る動力伝達系にクラッチ装置(C)を介在させると共に、該ギヤ式変速装置(32)は、変速駆動軸(53)及び変速従動軸(45)との間に噛合配置したギヤ連を、クラッチフォーク(100a・100b)を摺動させることにより選択して変速すべく構成し、前記クラッチ装置(C)は、該クラッチフォーク(100c)によりクラッチスライダ(82)をクラッチ軸(61)上で摺動し、該クラッチ軸(61)上の遊転ギヤ(61b)を、該クラッチスライダ(82)を介して該クラッチ軸(61)に、係合・離脱させる構成とし、前記ギヤ式変速装置(32)を変速操作するクラッチフォーク(100a・100b)と、前記クラッチ装置(C)を切換え操作するクラッチフォーク(100c)とを、前記ギヤ式変速装置(32)とクラッチ装置(C)との間に配置した共通のフォーク軸(101)上で一体摺動自在に設置して、連動連係させ、前記ギヤ式変速装置(32)を中立位置にシフト操作すると、該クラッチ装置(C)は自動的に切り操作されると共に、該ギヤ式変速装置(32)が中立を外れた位置にシフトされた時には、前記クラッチスライダ(82)を前記遊転ギヤ(61b)に対して係合状態を持続するように構成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1はコンバインの全体側面図、図2は同じくコンバインの平面図、図3は本コンバインの正面模式図、図4はトランスミッションのスケルトン図、図5はトランスミッション全体の模式斜視図、図6はトランスミッションから無段変速ユニットを分離させた状態を示す模式斜視図、図7は走行用の第一無段変速ユニットを含むトランスミッションの断面展開図、図8は旋回用の第二無段変速ユニットを含むトランスミッションの断面展開図、図9は遊星歯車機構の断面図、図10はトランスミッションの左側面断面図、図11はトランスミッションの左側面図、図12はトランスミッションの右側面図、図13はクラッチスライダが低速状態に位置するミッション装置の断面展開図、図14はクラッチスライダが中速状態に位置するミッション装置の断面展開図、図15はクラッチスライダが高速状態に位置するミッション装置の断面展開図、図16はクラッチスライダがニュートラル状態に位置するミッション装置の断面展開図、図17はクラッチ機構の正面断面図、図18はクラッチ機構の側面図である。
【0007】
まず、図1及び図2より本発明のコンバインの全体構成について説明する。トラックフレーム1には左右のクローラ式走行装置2L・2Rを装設している。3は前記トラックフレーム1に架設する機台、4はフイードチェン5を左側に張架し扱胴6及び処理胴7を内蔵している脱穀機である脱穀部、8は刈刃9及び穀稈搬送機構10などを備える刈取部、11は刈取フレーム12を介して刈取部8を昇降させる油圧シリンダである。13は排藁チェン14の終端を臨ませる排藁処理部、15は脱穀部4からの穀粒を揚穀筒16を介して搬入する穀物タンク、17は前記穀物タンク15の穀粒を機外に搬出する排出オーガ、18は丸型の操向ハンドル19を支架するハンドルポスト、68は主変速レバー、20は運転席であり、また、21は、機体左右方向に沿う出力軸を有するエンジンであり、コンバインの前方より連続的に穀稈を刈取って脱穀するように構成している。
【0008】
また、このコンバインには走行系の第一無段変速ユニット及び旋回系の第二無段変速ユニットを具備しており、それぞれのユニットはエンジン21より駆動力を得るよう構成されている。そして、エンジン21により駆動力を得た第一無段変速ユニットにより、正逆の回転方向と回転数増減の制御が行われたのち、駆動力が走行系伝動機構Rを介して差動機構33に伝達される。また、エンジン21により駆動力を得た第二無段変速ユニットにより正逆の回転方向と回転数増減の制御が行われたのち、駆動力が正逆転付与機構Sを介して差動機構33に伝達される。このような構成で、差動機構33に連動連結された左右のクローラ式走行装置2L・2Rの駆動スプロケット34L・34Rに駆動力を常時伝達し、前後直進走行及び、左右駆動スプロケット34L・34Rに対する回転数の相対的な増減制御により旋回を可能としたものであり、以下において、この走行及び旋回の機構について説明する。
【0009】
次にトランスミッションの構成について図7乃至図12より説明する。本実施例においては無段変速ユニットとして静油圧式無段変速装置(以下HST装置)Hを採用しており、前記クローラ式走行装置2L・2Rを駆動するトランスミッションMは前記ミッションケース22内の走行系伝動機構R、正逆転付与機構S及び遊星歯車機構35L・35R、及び該ミッションケース22に載置されたHST装置Hより構成される。HST装置Hは、1組の走行油圧ポンプ23及び走行油圧モータ24からなる主変速機構である走行用の第一無段変速ユニット25と、1組の旋回油圧ポンプ26及び旋回油圧モータ27からなる旋回機構である旋回用の第二無段変速ユニット28とからなる。また、ミッションケース22は左側(図7及び図8において左側)のケース部22L及び右側のケース部22Rより構成され、ケース部22L・22Rがミッションケース22の左右方向で中央付近において接合されている。
【0010】
また、図10及び図11に示すように前記走行用の第一無段変速ユニット25は、機体の前後方向における後方(図10における右側)に横置きしたケース内に走行油圧ポンプ23及び走行油圧モータ24が並設されており、該走行油圧ポンプ23の入力軸23a及び、該走行油圧モータ24の出力軸24aの各々が機体左右方向に軸支され、互いに前後方向に並列されている。
【0011】
また、前記旋回用の第二無段変速ユニット28においては、機体の前後方向における前方(図10における左側)から旋回油圧ポンプ26及び、旋回油圧モータ27が並設され横置きのケースに内装されており、該旋回油圧ポンプ26の入力軸26a及び、該旋回油圧モータ27の出力軸27aの各々が機体左右方向に軸支され、互いに前後方向に並列されている。
【0012】
一方、図3、図6及び図12で示すように前記ミッションケース22の右側のケース部22Rの右上部には、ミッションケース22の上面よりも上方に延出する入力ケース部22aが突出形成されている。入力ケース部22aはケース部22Rの右端部に一体形成され、該入力ケース部22aの右端開口を閉じるべく蓋体22bが固定されている。そして、該ミッションケース22の上面に臨む入力ケース部22aの左側面において、機体後方から順に走行用の第一無段変速ユニット25及び旋回用の第二無段変速ユニット28を並設させるように、両無段変速ユニット25・28のケースを取り付けている。このように、ミッションケース22上に走行用及び旋回用の第一・第二無段変速ユニット25・28を機体の前後方向に並列させたので、HST装置Hが、ミッションケース22上にコンパクトに収納され、特に、機体の前後方向に並設させたことにより、左右方向のサイズを小さくすることができ、二条用、三条用といった小型のコンバインにおいても二つの第一・第二無段変速ユニット25・28を装備可能となったのである。また、それぞれの第一・第二無段変速ユニット25・28は、その構成要素である油圧ポンプ及び油圧モータを機体前後方向に並列に配置しているため、左右方向の幅が小さくユニットとしてコンパクトな構成となっている。
【0013】
また、ミッションケース22内には走行系伝動機構R及び正逆転付与機構Sが配設されており、該走行系伝動機構Rの動力受入部Ra及び正逆転付与機構Sの動力受入部Saが、該入力ケース部22a内に設けられている。そして、前記走行用の第一無段変速ユニット25の走行油圧モータ24の出力軸24aの一端が動力受入部Raを構成する伝達ギヤ42に挿入係合され、また、前記旋回用の第二無段変速ユニット28の旋回用油圧モータ27の出力軸27aの一端が該動力受入部Saを構成する伝達ギヤ97に挿入係合されている。
【0014】
また、機体の前後方向に並列された走行用及び旋回用油圧モータ24・27の各々が出力される動力を受け入れるための動力受入部Ra・Saを入力ケース部22aの左側面の前後に設けたので、動力伝達の構成が非常にシンプルとなり、また小型のコンバインにおいても充分搭載可能なようコンパクトなトランスミッションを構成することが可能となったのである。
【0015】
また、走行用の第一無段変速ユニット25のケースから入力ケース部22aとは反対側へ、前記走行油圧ポンプ23の入力軸23aが突出しており、その端部には二連の入力プーリー23bが入力軸23aに一体的に装着されており、また、旋回用の第二無段変速ユニット28のケースから入力ケース部22aとは反対側へ、前記旋回油圧ポンプ26の入力軸26aが突出しており、その端部には一連の入力プーリー26bが入力軸26aに一体的に装着されている。そして、前記入力プーリー23bの一方と入力プーリー26bとの間には第一無端帯である伝動ベルト30が巻回されており、旋回油圧ポンプ26の入力軸26aを伝動ベルト30と、入力プーリー23b・26bを介し、前記走行油圧ポンプ23の入力軸23aに連動連結させている。31は伝動ベルト30を適当な張り具合に調整するテンションプーリーである。また、前記エンジン21の出力軸21aには出力プーリー21bが一体的に装着されており、該出力プーリー21bと前記走行用油圧ポンプ23の入力プーリー23bの他方との間には第二無端帯である伝動ベルト29が巻回されている。このようにして走行油圧ポンプ23の入力軸23aを伝達ベルト29、プーリー等を介しエンジン21に連動連結させている。
【0016】
また、ミッションケース22の左側ケース部22Lの側面から、刈取PTO軸55が突出しており、該刈取PTO軸55上には一体的に回転する刈取出力プーリー55bが固設され、該刈取出力プーリー55bと刈取入力ギヤボックス120の刈取入力プーリー121との間に刈取伝動ベルト122が巻回されている。そしてミッションケース22内の副変速駆動軸53からギヤ56、55aを介して、エンジン21の出力を刈取入力ギヤボックス120に伝達するのである。
【0017】
また、第一・第二無段変速ユニット25・28の各々のケース上面には、走行油圧ポンプ23及び旋回油圧ポンプ26に対する変速アーム23c、26cが配設されており、該変速アーム23c、26cの回動操作により、走行油圧ポンプ23及び旋回油圧ポンプ26の可動斜板145、146がそれぞれ傾動し、走行油圧モータ24及び旋回油圧モータ27の回転速度及び回転方向が制御される。
【0018】
次に、図4及び図7乃至図9より、差動機構33の構成について説明する。ミッションケース22内の差動機構33は左右の1対の遊星歯車機構35L・35Rを有し、各遊星歯車機構35L・35Rは第一要素であるサンギヤ36L・36Rと、該サンギヤ36L・36Rの外周で噛合う複数のプラネタリギヤ37L・37Rと、第二要素であるリングギヤ38L・38Rと一体的に構成されプラネタリギヤ37L・37Rに噛合うインターナルギヤ38a・38aと、サンギヤ軸39と同軸線上の車軸40L・40Rに固設されプラネタリアギヤ37L・37Rを枢支する第三要素であるキャリヤ41L・41R等から構成されている。該プラネタリアギヤ37L・37Rは車軸40L・40Rから放射状に均等配置されてキャリヤ41L・41Rにそれぞれ回転自在に軸支され、左右のサンギヤ36L・36Rを挟んで左右のキャリヤ41L・41Rを配置させると共に、前記インターナルギヤ38a・38aは各プラネタリギヤ37L・37Rに噛み合い、サンギヤ軸39とは同一軸芯状に配置させ、車軸40L・40Rに回転自在に軸支させている。
【0019】
そして、左右の前記サンギヤ36L・36Rは共通のサンギヤ軸39の外周面上に刻設され、両ギヤ36L・36Rの中間部に係止したセンタギヤ46を介して、副変速機構32等からなる走行系伝動機構Rに連動連結され、さらに走行系伝動機構Rの入力部には、前記第一無段変速ユニット25に対する前記動力受入部Raである伝達ギヤ42が連動連結されている。
【0020】
一方、左右の前記リングギヤ38L・38Rは、支軸63上に遊嵌したギヤ63c・63d、アイドル軸62上のアイドル歯車62a等からなる正逆転付与機構Sに連動連結され、さらに正逆転付与機構Sの入力部には旋回用の第二無段変速ユニット28に対する動力受入部Saである伝達ギヤ97が連動連結されている。
【0021】
このような構成で、走行油圧ポンプ23の可動斜板145に対する変速アーム23cが、運転席近傍に配備した走行操作具である主変速レバー68にリンク機構を介して連動連係されており、走行用の第一無段変速ユニット25は該主変速レバー68の回動操作により可動斜板145の傾斜角度が変更されて走行油圧モータ24の正逆の回転方向と回転数増減及び回転停止の制御を行うことが可能となっている。また、旋回油圧ポンプ26の可動斜板146に対する変速アーム26cが操向ハンドル19にリンク機構を介して連動連係されており、旋回用の第二無段変速ユニット28は該操向ハンドル19の回動により可動斜板146の傾斜角度が変更されて旋回油圧モータ27の正逆の回転方向と回転数増減及び回転停止の制御を行うよう構成されている。
【0022】
そして、操向ハンドル19を直進走行位置におくと、旋回油圧ポンプ26が中立位置となり、旋回油圧モータ27の駆動が停止して左右リングギヤ38が静止固定された状態となり、主変速レバー68にて走行油圧ポンプ23より圧油を吐出させて走行油圧モータ24を駆動すると、その回転はセンタギヤ46から左右のサンギヤ36L・36Rに同一回転数で伝達され、左右遊星歯車機構35L・35Rのプラネタリギヤ37L・37R、キャリヤ41L・41Rを介し、左右の駆動スプロケット34L・34Rが左右同回転方向の同一回転数で駆動されて、機体の前進直進走行が行われる。また、主変速レバー68にて走行油圧ポンプ23からの圧油吐出方向を反転させると、機体は後進状態で直進走行する。
【0023】
ここで、操向ハンドル19を右に切ると、旋回油圧ポンプ26は作動状態となって圧油を吐出し、該圧油を受けて旋回油圧モータ27が駆動される。該旋回油圧モータ27から出力された動力は旋回入力軸90からクラッチ装置Cを経て正逆転付与機構Sに至り、ここで同一回転数のまま二手に分けられ、その一方は前記遊星歯車機構35のリングギヤ38Lを正転させ、他方はリングギヤ38Rを逆転させる。正転するリングギヤ38Lの回転数はサンギヤ36Lによって正転している左キャリヤ41Lの回転数に加算される一方、逆転するリングギヤ38Rの回転数はサンギヤ36Rによって正転している右キャリヤ41Rの回転数に減算される。これによって両駆動スプロケット34L・34Rの駆動状態を維持しつつ、駆動スプロケット34Lの回転数が駆動スプロケット34Rのそれよりも高くなって右方へ進路が変更されるのである。
【0024】
旋回油圧ポンプ26からの吐出油量は操向ハンドル19の切れ角度が大きくなるに従って増加し、これに応じて旋回油圧モータ27の回転数も無段に増加するので、左右の駆動スプロケット34・34に生じる相対回転差は次第に大きくなり、より小さな旋回半径で機体が旋回することとなる。また、操向ハンドル19を左に切ると、旋回油圧ポンプ26の圧油吐出方向が反転して旋回油圧モータ27の回転方向が逆になり、これによって最終的に、キャリヤ41Lの回転数が減算される一方、キャリヤ41Rの回転数が加算されて、駆動スプロケット34Rの回転数が駆動スプロケット34Lのそれよりも高くなって左方へ進路が変更されるのである。
【0025】
前述の通りミッションケース22内の走行系伝動機構Rにはギヤ式変速装置である副変速機構32が配設されているが、副変速機構32は、副変速駆動軸53及び副変速従動軸45との間に構成されており、該副変速駆動軸53には小径ギヤ50及び中径ギヤ51が一体的に固定されており、さらに大径ギヤ52が副変速駆動軸53上に回転自在に取り付けられている。また、大径ギヤ52と中径ギヤ51との間にはスプラインハブ71が副変速駆動軸53上に設置されている。
【0026】
また、前記副変速従動軸45上には、大径ギヤ47及び中径ギヤ48が回転自在に取り付けられ、また、大径ギヤ47と中径ギヤ48との間にはスプラインハブ70が副変速従動軸45上に設置されている。また、中径ギヤ48をはさんでスプラインハブ70の反対側には出力ギヤ49が副変速従動軸45の外周に刻設されている。
【0027】
そして、前記スプラインハブ70上にはM・Lクラッチスライダ80が、スプラインハブ71上にはHクラッチスライダ81がそれぞれ摺動可能に設置され、図17及び図18で示すようにM・Lクラッチスライダ80及びHクラッチスライダ81はそれぞれのクラッチフォーク100a・100bに係止され、該クラッチフォーク100a・100bはフォーク軸101上に摺動可能に外嵌されたシフトボス100より放射状に突出され、該シフトボス100はデテント機構103によって低速、中速、高速、ニュートラル位置で保持できるようにし、該シフトボス100はシフト軸73より突出したフォーク102に係合され、該クラッチ軸73は副変速レバー69にリンク機構を介して連係されており、該副変速レバー69の操作により該H及びM・Lクラッチスライダ80・81が摺動するようにして、副変速機構32の切換操作機構74を構成している。
【0028】
そして副変速レバー69を低速にセットした場合には、図13の如く、前記M・Lクラッチスライダ80が図示のLoの位置に摺動されて大径ギヤ47がスプラインハブ70に係合し、一体摺動する前記Hクラッチスライダ81もLo’位置に摺動する。このような状態において、走行用の第一無段変速ユニット25からギヤ44を介して副変速駆動軸53が駆動されると、小径ギヤ50及び中径ギヤ51は回転するが、中径ギヤ51と噛み合う中径ギヤ48は副変速従動軸45上で空回りし、小径ギヤ50の回転がM・Lクラッチスライダ80によりスプラインハブ70と一体的に回転する大径ギヤ47を介して副変速駆動軸45に伝達される。なお、Hクラッチスライダ81はLo’位置にあるため、副変速駆動軸53の駆動力は大径ギヤ52には伝達されない。このような機構で、エンジン21の駆動力は低速に変速されて出力ギヤ49より出力されるのである。
【0029】
次に、副変速レバー69を中速にセットした場合には、図14の如く、前記M・Lクラッチスライダ80が図中Mdの位置に摺動され、連動する前記Hクラッチスライダ81が図中Md’の位置に摺動する。このような状態において、同様にエンジン21の駆動力により副変速駆動軸53が駆動されると、副変速駆動軸53に一体的に装着された小径ギヤ50及び中径ギヤ51が駆動する。しかし、小径ギヤ50と噛み合う大径ギヤ47は副変速従動軸45上で空回りするため動力が伝達されず、中径ギヤ51の駆動力がM・Lクラッチスライダ80によりスプラインハブ70と一体的に回転する中径ギヤ48を介して副変速従動軸45に伝達される。なお、Hクラッチスライダ81は図中Md’の位置にあるため、副変速駆動軸53の駆動力は大径ギヤ52へは伝達されない。このような機構で、エンジン21の駆動力を中速に変速するのである。
【0030】
次に、副変速レバー69を高速にセットした場合には、図15の如く、前記M・Lクラッチスライダ80が図中Hiの位置に摺動され、連動する前記Hクラッチスライダ81が図中Hi’の位置に摺動する。このような状態において、同様にエンジン21の駆動力により副変速駆動軸53が駆動すると、副変速駆動軸53に一体的に装着された小径ギヤ50及び中径ギヤ51が駆動される。しかし、小径ギヤ50及び中径ギヤ51と噛み合う大径ギヤ47及び中径ギヤ48は副変速従動軸45上で空回りするため動力は伝達されない。そして、Hクラッチスライダ81は図中Hi’の位置にあるため、副変速駆動軸53の駆動力が大径ギヤ52に伝達され、該大径ギヤ52と噛み合う小径ギヤ49により副変速従動軸45が駆動されるのである。このような機構で、エンジン21の駆動力を高速に変速するのである。
【0031】
最後に、副変速レバー69をニュートラルにセットした場合、図16の如く、前記M・Lクラッチスライダ80が図中Nの位置に摺動され、連動する前記Hクラッチスライダ81が図中N’の位置に摺動する。このような状態において、同様にエンジン21の駆動力により副変速駆動軸53が駆動すると、副変速駆動軸53に一体的に装着された小径ギヤ50及び中径ギヤ51が駆動される。しかし、小径ギヤ50及び中径ギヤ51と噛み合う大径ギヤ47及び中径ギヤ48は副変速従動軸45上で空回りするため動力は伝達されない。そして、Hクラッチスライダ81が図中N’の位置にあるため、副変速駆動軸53の駆動力は大径ギヤ52にも伝達されない。よってエンジン21の駆動力は走行系伝動機構Rにおいて伝達されず、駆動スプロケット34への動力を遮断するのである。
【0032】
以上のような構成において走行用油圧モータ24の回転出力が、出力軸24aから入力ケース部22a内の伝達ギヤ42を介して、カウンター軸43上のギヤ43a、入力用ギヤ44を介して副変速機構32に伝達され、副変速機構32において変速したのち出力ギヤ49からカウンターギヤ54、センタギヤ46を経由して左右のサンギヤ36L・36Rを回転駆動させるのである。そして、左右の遊星歯車機構35L・35Rを介し車軸40に伝達させることにより、左右の駆動スプロケット34L・34Rを回転駆動させクローラ式走行装置2L・2Rを駆動させる。
【0033】
一方、ミッションケース22内の正逆転付与機構Sを構成するクラッチ軸61上には、ギヤ61b及びギヤ61cが回転自在に取り付けられており、該ギヤ61b・61cの間には、スプラインハブ72がクラッチ軸61上に一体的に固定されている。そして、スプラインハブ72上には両ギヤ61b・61cに係合可能なステアリングクラッチスライダ82が摺動可能に装着されクラッチ装置Cを構成している。また、両ギヤ61b・61cは旋回入力軸90に固設したギヤ90a・90bに常時噛合している。
【0034】
そして、ステアリングクラッチスライダ82は図17及び図18で示すようにクラッチフォーク100cを係合しており、前述したクラッチフォーク100a・100bとともにクラッチフォーク100cはフォーク軸101上に摺動可能に外嵌されたシフトボス100より放射状に突出され、該副変速レバー69の操作により該H及びM・Lクラッチスライダ80・81が摺動するのに伴って該ステアリングクラッチスライダ82も同時に摺動する。そして、前述の如く図13乃至図15において、M・LクラッチスライダがLo、Md、Hiの位置に移動した時には、該ステアリングクラッチスライダ82は図中、Lo”、Md”、Hi”の位置に移動する。この時、ステアリングクラッチスライダ82はギヤ61b・61cの何れかをクラッチ軸61に係合するため、旋回入力軸90に伝達されたエンジン21の駆動力は、クラッチ軸61を駆動する。このようにしてエンジン21の駆動力が差動機構33へと伝動されていく。
【0035】
そして、前述の如く副変速レバー69がニュートラルにセットされた場合、つまり、図16で示すようにM・Lクラッチスライダ80及びHクラッチスライダ81が図中N・N’の位置に移動した時には、ステアリングクラッチスライダ82は図中N”の位置に移動する。これにより旋回入力軸90からギヤ61b・61cに伝達された駆動力は、ギヤ61b・61cがクラッチ軸61上で空回りするためクラッチ軸61に伝動されることはない。つまり副変速レバー69がニュートラルの位置にあり、エンジン21の動力が走行系伝動機構Rにおいて遮断されている場合には、正逆転付与機構Sにおいてもエンジン21の動力が遮断されるのである。
【0036】
そして、クラッチ軸61上の出力ギヤ61aの回転は支軸63上に遊嵌した旋回入力ギヤ63bに直接的に伝達され、ギヤ63dを介してリングギヤ38Rに伝達される。また左側のリングギヤ38Lに対しては、クラッチ軸61上の出力ギヤ61aの回転はアイドル軸62上のアイドルギヤ62aにて逆転されたあと、支軸63上の旋回入力ギヤ63aに伝達され、ギヤ63cを介してリングギヤ38Lに伝達される。このようにして旋回油圧モータ27の回転出力が、左右のリングギヤ38L・38Rを互いに逆回転方向へ、且つ、左右同一回転数で駆動するよう伝達されるのである。
【0037】
以上の如く、クラッチ装置Cを構成したので、作業者が副変速レバー69をニュートラルの状態にした状態で、誤って操向ハンドル19を回動させてしまっても、作業機が旋回することはない。これは、副変速レバー69をニュートラルにすることで作業者自身は走行することがないと勘違いし易く、この状態で操向ハンドル19に手を掛けて運転席20から降りようとしたり、また運転席20上で移動を行ったりした場合にも、突然作業機が旋回して急発進することを防止する非常に重要な牽制機構となるのである。
【0038】
また、上述の牽制機構はミッションケース22外に余分なスペースを必要とせず、ミッションケース22内のわずかなスペースに収めることができるので、コンパクトな構成で牽制機構を安価に提供できると共に、複雑な構成を必要とせず、シンプルな構成でミッションケース22内に収めているので、長時間に渡って安定した牽制作動を得ることが可能なのである。
【0039】
また、正逆転付与機構Sの旋回入力軸90には直進性を安定させるためのブレーキ機構Bが装備されている。このブレーキ機構Bは、一対の回転部材により構成されており、一方の回転部材は旋回入力軸90上で一体的に回転する前記伝動ギヤ91であり、他方の回転部材は旋回入力軸90に外嵌され、伝動ギヤ91よりも歯数が少ない摩擦板で構成した制動ギヤ92である。そして、伝動ギヤ91は旋回用油圧モータ27からの動力を伝達する駆動ギヤ96aと噛み合っており、該伝動ギヤ91を介して、旋回入力軸90に動力が伝達されるように構成されている。
【0040】
また、同じく駆動ギヤ96aと噛み合う制動ギヤ92が旋回入力軸90に複数(本実施例においては2枚)外嵌されており、さらに複数(本実施例においては3枚)の相手側摩擦板93・93・93が前記制動ギヤ92を挟み込むようにして旋回入力軸90と一体回転するよう装着され、該相手側摩擦板93と制動ギヤ92は、蓋体22bにて受け止められた皿バネ95のバネ力を受ける押圧板94を介して常時押圧されている。そして、この押圧力を受けることにより伝動ギヤ91、相手側摩擦板93、及び制動ギヤ92は常時圧接状態を保つ。
【0041】
このような構成において駆動ギヤ96aから動力が伝達されると、伝動ギヤ91より旋回入力軸90に動力が伝達される一方、駆動ギヤ96aにより動力を伝達された制動ギヤ92が伝動ギヤ91とは異なる回転数(伝動ギヤ91よりわずかに回転数が高い。)で旋回入力軸90上で回転する。この時、伝動ギヤ91と制動ギヤ92間において相対回転差が発生し、複数の制動ギヤ92と相手側摩擦板93が挟み合うように重合していることにより、伝動ギヤ91、相手側摩擦板93及び制動ギヤ92の間に摩擦抵抗が発生し、該旋回入力軸90に対するブレーキ作用が発生し、旋回油圧ポンプ26の中立位置が正確に出ておらず、旋回油圧モータ27が微動に回転しようとしても、旋回入力軸90が制動されているので左右リングギヤ38L・38Rの静止固定状態が維持される。
【0042】
また、図示せぬハンドブレーキを操作することにより走行系伝動機構Rに制動力を付与させる駐車ブレーキ機構Tについて説明する。まず、ハンドブレーキに連動連結したブレーキアーム113を回動操作すると連動してカム軸110が回転する。そしてカム軸110の回転によりプレッシャープレート111が回動するとともに図7において左方向への推力が発生して、副変速従動軸45上に一体的に装着された摩擦板とミッションケース22側に装着された摩擦板とが重合してなる多板式摩擦ブレーキ112を押圧する。この押圧により副変速従動軸45に抵抗を与え駐車ブレーキ作用を発生させるのである。
【0043】
また、図7、図8及び図12に示すように走行油圧ポンプ23の入力軸23aの他端はケース外側に突出し、外側面に第一・第二無段変速ユニット25・28に対する作動油補給用のチャージポンプCPが付設され、前記入力軸23aからの動力によって駆動され、また、旋回用油圧ポンプ26の入力軸26aの他端も、入力ケース部22a、蓋体22bを貫通して突出し、該蓋体22b外側面に刈取部の昇降用ポンプSPを付設し、動力を伝えている。
【0044】
前記チャージポンプCPと昇降用油圧ポンプSPとの各々の吸入側は図12に示すようにミッションケース22のケース部22R外側面に配設したサクションポート151・152に配管C1・C2を介して接続されている。図10で示すようにミッションケース22の内部には互いに仕切られた第一・第二油室142a・142bが形成され、該第一油室142aは、ミッションケース22内に収容した歯車などを潤滑する潤滑油が溜められた油溜めに開放されその内部にストレーナ141が横架されている。このストレーナ141にて濾過された油がミッションケース22のケース部22L外側面に取付けた外装式の油フィルタ140を通過して更に濾過され、第二油室142b内に貯められてサクションポート151・152より吸い込まれるようになっている。
【0045】
また、図11に示すように、ミッションケース22のケース部22L前方寄りの外側面には、前記刈取部8を対地昇降操作自在な昇降バルブユニットVUが配置されている。即ち、昇降バルブユニットVUのバルブケース150がケース部22Lの外側面に脱着自在に付設され、該バルブケース150の正面にはポンプポート153とシリンダポート155が、下面にはタンクポートが、上面には3位置切換式で電磁操作式の方向制御弁147が配設されている。昇降用ポンプSPから送られる作動油がポンプポート153に導入される。
【0046】
【発明の効果】
本発明のコンバインの動力制御装置は以上のように構成したので、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の如く、走行操作具のシフト操作によって左右の車軸(40L・40R)を同方向へ駆動する走行用の第一無段変速ユニット(25)と、ステアリング操作具の操作量に応じて左右の車軸に相対回転差を生ぜしめるように駆動する旋回用の第二無段変速ユニット(28)とを備えた作業車両のトランスミッションにおいて、前記走行用の第一無段変速ユニット(25)から左右車軸(40L・40R)へ至る動力伝達系に、中立位置を有するギヤ式変速装置(32)を介在させる一方、旋回用の第二無段変速ユニット(28)から左右車軸へ至る動力伝達系にクラッチ装置(C)を介在させると共に、該ギヤ式変速装置(32)は、変速駆動軸(53)及び変速従動軸(45)との間に噛合配置したギヤ連を、クラッチフォーク(100a・100b)を摺動させることにより選択して変速すべく構成し、該クラッチ装置(C)は、クラッチ軸(61)上の、2枚の遊転ギヤ(61b・61c)を、クラッチフォーク(100c)の摺動により、該クラッチ軸(61)と係合または離脱することにより形成し、前記ギヤ式変速装置(32)を変速操作するクラッチフォーク(100a・100b)と、前記クラッチ装置(C)を切換え操作するクラッチフォーク(100c)とを、前記ギヤ式変速装置(32)とクラッチ装置(C)との間に配置した共通のフォーク軸(101)上で一体摺動自在に設置して、連動連係させ、該ギヤ式変速装置(32)が中立位置へシフトされたときにクラッチ装置(C)が自動的に切り操作されるようにしたので、機体停止状態で作業者がハンドルに触れた場合などにおいて不測に機体が旋回するのを防止することができる。これは作業者自身は機体停止状態においては機体が走行することを予測していないことが多く、この状態でハンドルに手を掛けて運転席から降りようとしたり、また運転席上で移動を行ったりした場合にも、突然作業機が旋回することを防止できるものである。
また、クラッチ装置(C)の構成がシンプルとなり、ミッションケース内にコンパクトに収めることができ、不測の旋回を防止する牽制機構を安価に提供可能となるとともに、牽制機構をミッションケース内に収めて長時間に渡って安定した性能が維持可能となった。
【0047】
請求項2に記載の如く、走行操作具のシフト操作によって左右の車軸(40L・40R)を同方向へ駆動する走行用の第一無段変速ユニット(25)と、ステアリング操作具の操作量に応じて左右の車軸に相対回転差を生ぜしめるように駆動する旋回用の第二無段変速ユニット(28)とを備えた作業車両のトランスミッションにおいて、前記走行用の第一無段変速ユニット(25)から左右車軸(40L・40R)へ至る動力伝達系に、中立位置を有するギヤ式変速装置(32)を介在させる一方、旋回用の第二無段変速ユニット(28)から左右車軸へ至る動力伝達系にクラッチ装置(C)を介在させると共に、該ギヤ式変速装置(32)は、変速駆動軸(53)及び変速従動軸(45)との間に噛合配置したギヤ連を、クラッチフォーク(100a・100b)を摺動させることにより選択して変速すべく構成し、前記クラッチ装置(C)は、該クラッチフォーク(100c)によりクラッチスライダ(82)をクラッチ軸(61)上で摺動し、該クラッチ軸(61)上の遊転ギヤ(61b)を、該クラッチスライダ(82)を介して該クラッチ軸(61)に、係合・離脱させる構成とし、前記ギヤ式変速装置(32)を変速操作するクラッチフォーク(100a・100b)と、前記クラッチ装置(C)を切換え操作するクラッチフォーク(100c)とを、前記ギヤ式変速装置(32)とクラッチ装置(C)との間に配置した共通のフォーク軸(101)上で一体摺動自在に設置して、連動連係させ、前記ギヤ式変速装置(32)を中立位置にシフト操作すると、該クラッチ装置(C)は自動的に切り操作されると共に、該ギヤ式変速装置(32)が中立を外れた位置にシフトされた時には、前記クラッチスライダ(82)を前記遊転ギヤ(61b)に対して係合状態を持続するように構成したので、機体停止状態で作業者がハンドルに触れた場合などにおいて不測に機体が旋回するのを防止することができる。これは作業者自身は機体停止状態においては機体が走行することを予測していないことが多く、この状態でハンドルに手を掛けて運転席から降りようとしたり、また運転席上で移動を行ったりした場合にも、突然作業機が旋回することを防止できるものである。
また、クラッチ装置(C)の構成がシンプルとなり、ミッションケース内にコンパクトに収めることができ、不測の旋回を防止する牽制機構を安価に提供可能となるとともに、牽制機構をミッションケース内に収めて長時間に渡って安定した性能が維持可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 コンバインの全体側面図である。
【図2】 同じくコンバインの平面図である。
【図3】 本コンバインの正面模式図。
【図4】 トランスミッションのスケルトン図である。
【図5】 トランスミッション全体の模式斜視図。
【図6】 トランスミッションより無段変速ユニットを分離させた状態を示す模式斜視図。
【図7】 走行用の第一無段変速ユニットを含むトランスミッションの断面展開図。
【図8】 旋回用の第二無段変速ユニットを含むトランスミッションの断面展開図。
【図9】 遊星歯車機構の断面図。
【図10】 トランスミッションの左側面断面図。
【図11】 トランスミッションの左側面図。
【図12】 トランスミッションの右側面図。
【図13】 クラッチスライダが低速状態に位置するミッション装置の断面展開図。
【図14】 クラッチスライダが中速状態に位置するミッション装置の断面展開図。
【図15】 クラッチスライダが高速状態に位置するミッション装置の断面展開図。
【図16】 クラッチスライダがニュートラル状態に位置するミッション装置の断面展開図。
【図17】 クラッチ機構の正面断面図。
【図18】 クラッチ機構の側面図。
【符号の説明】
19 操向ハンドル
32 副変速機構(ギヤ式変速装置)
40L 車軸
40R 車軸
45 副変速従動軸
53 副変速駆動軸
61 クラッチ軸
68 主変速レバー
69 副変速レバー
70 スプラインハブ
71 スプラインハブ
72 スプラインハブ
73 シフト軸
74 切換操作機構
80 M・Lクラッチスライダ
81 Hクラッチスライダ
82 ステアリングクラッチスライダ
100a クラッチフォーク
100b クラッチフォーク
100c クラッチフォーク

Claims (2)

  1. 走行操作具のシフト操作によって左右の車軸(40L・40R)を同方向へ駆動する走行用の第一無段変速ユニット(25)と、ステアリング操作具の操作量に応じて左右の車軸に相対回転差を生ぜしめるように駆動する旋回用の第二無段変速ユニット(28)とを備えた作業車両のトランスミッションにおいて、前記走行用の第一無段変速ユニット(25)から左右車軸(40L・40R)へ至る動力伝達系に、中立位置を有するギヤ式変速装置(32)を介在させる一方、旋回用の第二無段変速ユニット(28)から左右車軸へ至る動力伝達系にクラッチ装置(C)を介在させると共に、該ギヤ式変速装置(32)は、変速駆動軸(53)及び変速従動軸(45)との間に噛合配置したギヤ連を、クラッチフォーク(100a・100b)を摺動させることにより選択して変速すべく構成し、該クラッチ装置(C)は、クラッチ軸(61)上の、2枚の遊転ギヤ(61b・61c)を、クラッチフォーク(100c)の摺動により、該クラッチ軸(61)と係合または離脱することにより形成し、前記ギヤ式変速装置(32)を変速操作するクラッチフォーク(100a・100b)と、前記クラッチ装置(C)を切換え操作するクラッチフォーク(100c)とを、前記ギヤ式変速装置(32)とクラッチ装置(C)との間に配置した共通のフォーク軸(101)上で一体摺動自在に設置して、連動連係させ、該ギヤ式変速装置(32)が中立位置へシフトされたときにクラッチ装置(C)が自動的に切り操作されるようにしたことを特徴とする走行車両の動力制御装置。
  2. 走行操作具のシフト操作によって左右の車軸(40L・40R)を同方向へ駆動する走行用の第一無段変速ユニット(25)と、ステアリング操作具の操作量に応じて左右の車軸に相対回転差を生ぜしめるように駆動する旋回用の第二無段変速ユニット(28)とを備えた作業車両のトランスミッションにおいて、前記走行用の第一無段変速ユニット(25)から左右車軸(40L・40R)へ至る動力伝達系に、中立位置を有するギヤ式変速装置(32)を介在させる一方、旋回用の第二無段変速ユニット(28)から左右車軸へ至る動力伝達系にクラッチ装置(C)を介在させると共に、該ギヤ式変速装置(32)は、変速駆動軸(53)及び変速従動軸(45)との間に噛合配置したギヤ連を、クラッチフォーク(100a・100b)を摺動させることにより選択して変速すべく構成し、前記クラッチ装置(C)は、該クラッチフォーク(100c)によりクラッチスライダ(82)をクラッチ軸(61)上で摺動し、該クラッチ軸(61)上の遊転ギヤ(61b)を、該クラッチスライダ(82)を介して該クラッチ軸(61)に、係合・離脱させる構成とし、前記ギヤ式変速装置(32)を変速操作するクラッチフォーク(100a・100b)と、前記クラッチ装置(C)を切換え操作するクラッチフォーク(100c)とを、前記ギヤ式変速装置(32)とクラッチ装置(C)との間に配置した共通のフォーク軸(101)上で一体摺動自在に設置して、連動連係させ、前記ギヤ式変速装置(32)を中立位置にシフト操作すると、該クラッチ装置(C)は自動的に切り操作されると共に、該ギヤ式変速装置(32)が中立を外れた位置にシフトされた時には、前記クラッチスライダ(82)を前記遊転ギヤ(61b)に対して係合状態を持続するように構成したことを特徴とする走行車両の動力制御装置。
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