JP4817281B2 - パーキンソン病治療剤 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(thyrotropin releasing hormone;以下「TRH」と略称する)またはその誘導体を含有する経口投与可能なパーキンソン病の治療または予防剤、特に、L−DOPAとの併用により相乗効果を示すパーキンソン病の治療または予防剤に関する。
背景技術
パーキンソン病は錐体外路機能の異常を主症状とする基底核変性疾患であり、黒質−線条体ドパミン神経の変性によって基底核のドパミンが欠乏している。ドパミン補充療法が著効を奏して以来、ドパミン前駆物質としてL−DOPA(レボドパ)が使用され、その補助薬と共にドパミン作用薬が治療の主流となっている。現在パーキンソン病の治療剤として使用されているまたは開発されている薬物としては、L−DOPA、ドパミンアゴニスト、ドパミン遊離促進剤(アマンタジン)、抗コリン剤、L−DOPA代謝阻害剤(MAO−B,COMT阻害剤)、ノルエピネフリン前駆体が挙げられる。これらは、(アマンタジン、抗コリン剤)、ドパミンアゴニスト、(L−DOPAまたはL−DOPA+MAO−B,COMT阻害剤)の順で使用される。L−DOPAはgold standardであるが、連用によるwearing−off、on−off等作用の減弱、およびジスキネジアの発現が認められることから、使用にあたっては他剤との併用によりL−DOPAの使用量をできる限り少なくすることが望まれる。また、L−DOPAは経口剤であることから、患者のQOLを考えると、併用される薬剤も経口剤であることが望ましい。
TRH(サイロトロピン放出ホルモン)として知られる、L−ピログルタミル−L−ヒスチジル−L−プロリンアミド(p−Glu−His−Pro−NH)は、視床下部から発見されたアミノ酸3個からなるホルモンである。また、その作用発現はTRH受容体を介して行われていると考えられている。TRHはTSH(甲状腺刺激ホルモン)やプロラクチンの分泌を促進するばかりでなく、脳神経賦活作用(運動刺激作用等)、交感神経作用(血圧上昇、呼吸促進等)、脊髄作用(脊髄運動神経刺激等)、中枢神経系作用(抗うつ作用等)、あるいは末梢作用(胃酸分泌抑制やグルカゴン分泌促進作用等)を有していることが知られている。TRHは、このような様々な作用を有していることから臨床への応用が検討され、脊髄小脳変性症治療剤として運動障害改善や脳機能障害に伴う意識障害改善の目的で、静注剤として使用されている(祖父江、金澤、小川編、神経ペプチド’91、メディカルレビュー社)。
中枢神経系への作用を増強したTRH誘導体も、その構造は一般にTRH同様、3つのアミノ酸又はその誘導体から構成されており、その多くは分子量が約370〜430程度のものであり、例えば以下の文献に記載されている:J.Med.Chem,33,2130−2137(1990)および特開昭61−33197号(例:タルチレリン;TA−0910);Biomedical Research 14(5)317−328(1993)およびZA7505956(モンチレリン;CG3703);Arzneim.−Forsch/Drug Res.,39,297−303(1989)および特開昭56−8354号(ポサチレリン;RGH2202);Eur.J.Pharmacol.276,177−182(1995)および特開平3−236397号(例:JTP−2942);特公平2−36574号(例:1−メチル−L−4,5−ジヒドロオロチル−L−ヒスチジル−L−プロリンアミド);特開昭52−116465(例:2,3,4,5−テトラヒドロ−2−オキソ−L−5−フランカルボニル−L−ヒスチジル−L−プロリンアミド);特公平3−236397(例:(1S,2R)−2−メチル−4−オキソシクロペンチルカルボニル−L−ヒスチジル−L−プロリンアミド);特公昭59−36612(例:オロチル−L−ヒスチジル−L−プロリンアミド);Eur.J.Pharmacol.,271,357(1994)(例:TRH−SR);特開昭52−3080;Eur.J.Pharmacol.277,63−69(1995)および特開昭60−27982(例:アゼチレリン;YM14673);特開昭60−23326(例:DN1417);特開昭62−234029;特開昭56−8354;WO96/11209号;WO98/08867等。本発明の実施例として用いられている化合物は、WO98/08867に記載されている。
日本脳炎ウイルスで惹起したパーキンソン病モデルマウスに対し、TRH−SR(sustained release microspheres of TRH,武田薬品工業)を腹部皮下注射で投与することにより、線条体におけるドーパミンレベルが無処置群と比較して増大したことが、Journal of the Neurological Science 159(1998)135−139に記載されている。しかしながら、該文献において「脳炎後のパーキンソン症候群のメカニズムはパーキンソン病のメカニズムとは異なっている」の記載がある。また、「TRH−SRがL−DOPA補助剤としての可能性がある」との記載はあるが、「併用によるL−DOPAの作用の増大や相乗的な作用の増大」についての記載は全くない。さらにTRH−SRは基本的には注射剤であり、「経口投与の可能性」についての記載もない。
発明の開示
経口投与可能なパーキンソン病の治療または予防剤を提供する。
本発明者らは、モノアミン神経を破壊する6−OHDAの脳室内投与またはMPTPを投与したマウスを用いて自発運動量を測定する試験およびモノアミン系を枯渇させるレセルピンを処置したマウスでのカタレプシーに対する効果を検討する試験等を行うことで、TRHおよびTRH誘導体が経口投与可能なパーキンソン病の治療または予防剤となりうること、特に、L−DOPAとの併用で著効を示すことを見出した。
本発明者らは、以下の本発明を完成した。
本発明は、I)TRHまたはTRH誘導体を有効成分として含有するパーキンソン病の予防または治療用の医薬組成物、に関する。
さらに詳しくは、以下II)〜XXVIII)に関する。
II)TRHまたはTRH誘導体を有効成分として含有するL−DOPA作用増強作用を有する医薬組成物。
III)パーキンソン病の予防または治療用であるII)に記載のL−DOPA作用増強作用を有する医薬組成物。
IV)TRHまたはTRH誘導体が、式(I):
Figure 0004817281
(式中、Aはチアゾリル、イミダゾリル、またはアルキルを示し、Xは単結合、酸素原子、または硫黄原子を示し、mは0から4の整数を示し、Yは置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいカルボキシ、シアノまたは式:
Figure 0004817281
(式中、RおよびRは同一または異なって、水素原子、置換されていてもよいアルキルを示すか、またはRとRが一緒になってそれらが結合する窒素原子とともに酸素原子、窒素原子、あるいは硫黄原子を含んでいてもよく置換されていてもよい非芳香族複素環基を示す)で表される基を示し、Zは式:
Figure 0004817281
(式中、Rは水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいカルボキシ、または置換されていてもよいアシルを示し、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子または置換されていてもよいアルキルを示し、Wは−(CH−基(nは0,1,2または3)、酸素原子、硫黄原子、または置換されていてもよいイミノを示す)で表される基または式:
Figure 0004817281
(式中、Rは水素原子または低級アルキル、破線(...)は結合の存在または不存在を表わす)で表わされる基または式:
Figure 0004817281
(式中、Rは水素原子または低級アルキル)で表わされる基または式:
Figure 0004817281
で表わされる基または式:
Figure 0004817281
(式中、Rは水素原子または低級アルキル)で表わされる基を示す。ただし、チアゾリル環の窒素原子は置換されていてもよいアルキルまたはアルケニルにより4級窒素となっていてもよい)で表わされる化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩、またはその溶媒和物であるI)〜III)のいずれかに記載の医薬組成物。
V)TRHまたはTRH誘導体が、式(II):
Figure 0004817281
(式中、X、Y、Z、mは前記と同意義、Aは4−チアゾリル、または5−チアゾリルを示す。ただし、チアゾリル環の窒素原子は置換されていてもよいアルキルまたはアルケニルにより4級窒素となっていてもよい)で表わされる化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩、またはその溶媒和物であるI)〜III)のいずれかに記載の医薬組成物。
VI)TRHまたはTRH誘導体が、式(III):
Figure 0004817281
(式中、A、X、Y、mは前記と同意義、Zは式:
Figure 0004817281
(式中、Rは水素原子、置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいカルボキシ、または置換されていてもよいアシルを示し、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子または置換されていてもよいアルキルを示し、Wは−(CH−基(nは0,1,2または3)、酸素原子、硫黄原子、または置換されていてもよいイミノを示す)で表される基または式:
Figure 0004817281
で表される基を示す。ただし、チアゾリル環の窒素原子は置換されていてもよいアルキルまたはアルケニルにより4級窒素となっていてもよい)
で表わされる化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩、またはその溶媒和物であるI)〜III)のいずれかに記載の医薬組成物。
VII)TRHまたはTRH誘導体が、式(IV):
Figure 0004817281
(式中、X、Y、Z、mは前記と同意義。ただし、チアゾリル環の窒素原子は置換されていてもよいアルキルまたはアルケニルにより4級窒素となっていてもよい)
で表わされる化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩、またはその溶媒和物であるI)〜III)のいずれかに記載の医薬組成物。
VIII)TRHまたはTRH誘導体が、式(V):
Figure 0004817281
(式中、X、Y、Z、mは前記と同意義。ただし、チアゾリル環の窒素原子は置換されていてもよいアルキルまたはアルケニルにより4級窒素となっていてもよい)
で表わされる化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩、またはその溶媒和物であるI)〜III)のいずれかに記載の医薬組成物。
IX)TRHまたはTRH誘導体が、式(VI):
Figure 0004817281
(式中、W、X、Y、m、R、R、Rは前記と同意義)
で表わされる化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩、またはその溶媒和物であるI)〜III)のいずれかに記載の医薬組成物。
X)TRHまたはTRH誘導体が、式(VII):
Figure 0004817281
(式中Yは前記と同意義)
で表わされる化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩、またはその溶媒和物であるI)〜III)のいずれかに記載の医薬組成物。
XI)TRHまたはTRH誘導体が、式(VIII):
Figure 0004817281
(式中Yは前記と同意義)
で表わされる化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩、またはその溶媒和物であるI)〜III)のいずれかに記載の医薬組成物。
XII)TRHまたはTRH誘導体が、式(IX):
Figure 0004817281
で表わされる化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩、またはその溶媒和物であるI)〜III)のいずれかに記載の医薬組成物。
XIII)mが1または2である化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩、またはその溶媒和物を有効成分として含有するIV)〜IX)のいずれかに記載の医薬組成物。ただし、mが1の時、Xは単結合ではない。
XIV)Xが硫黄原子、mが1、Yが置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいカルボキシ、または置換されていてもよいカルバモイルである化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩、またはその溶媒和物を有効成分として含有するIV)〜IX)のいずれかに記載の医薬組成物。
XV)Xが単結合、mが2または3、Yが置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいカルボキシ、または置換されていてもよいカルバモイルである化合物、そのプロドラッグ、その製薬上許容される塩、またはその溶媒和物を有効成分として含有するIV)〜IX)のいずれかに記載の医薬組成物。
XVI)経口投与剤である、I)〜XV)のいずれかに記載の医薬組成物。
XVII)L−DOPAとの併用により相乗効果を示すI)〜XVI)のいずれかに記載の医薬組成物。
XVIII)非有効量のL−DOPAと併用することにより、相乗効果を示すXVII)記載の医薬組成物。
XIX)I)〜XV)のいずれかに記載のTRHまたはTRH誘導体の治療上効果を示す量を人を含む哺乳類に投与することからなる、パーキンソン病の治療方法。
XX)I)〜XV)のいずれかに記載のTRHまたはTRH誘導体の治療上効果を示す量を人を含む哺乳類に投与することからなる、L−DOPA作用の増強方法。
XXI)パーキンソン病を治療するための医薬を製造するためのI)〜XV)のいずれかに記載のTRHまたはTRH誘導体の使用。
XXII)L−DOPA作用を増強するための医薬を製造するためのI)〜XV)のいずれかに記載のTRHまたはTRH誘導体の使用。
XXIII)TRHまたはTRH誘導体を有効成分として含有する自発的運動量増加作用を有する医薬組成物。
XXIV)TRHまたはTRH誘導体を有効成分として含有する運動障害改善作用を有する医薬組成物。
XXV)I)〜XV)のいずれかに記載のTRHまたはTRH誘導体の治療上効果を示す量を人を含む哺乳類に投与することからなる、自発的運動量の増加方法。
XXVI)I)〜XV)のいずれかに記載のTRHまたはTRH誘導体の治療上効果を示す量を人を含む哺乳類に投与することからなる、運動障害の改善方法。
XXVII)自発的運動量を増加するための医薬を製造するためのI)〜XV)のいずれかに記載のTRHまたはTRH誘導体の使用。
XXVIII)運動障害を改善するための医薬を製造するためのI)〜XV)のいずれかに記載のTRHまたはTRH誘導体の使用。
本明細書中、「TRH」とは、サイロトロピン放出ホルモンとして知られる、L−ピログルタミル−L−ヒスチジル−L−プロリンアミド(p−Glu−His−Pro−NH)を意味する。
本明細書中、「TRH誘導体」とは、TRHと同様に3つのアミノ酸又はその誘導体から構成されており、分子量が約370〜約430のTRHホルモン作用を有する化合物を包含する。例えば、J.Med.Chem,33,2130−2137(1990)および特開昭61−33197号(例:タルチレリン;TA−0910);Biomedical Research 14(5)317−328(1993)およびZA7505956(モンチレリン;CG3703);Arzneim.−Forsch/Drug Res.,39,297−303(1989)および特開昭56−8354号(ポサチレリン;RGH2202);Eur.J.Pharmacol.276,177−182(1995)および特開平3−236397号(例:JTP−2942);特公平2−36574号(例:1−メチル−L−4,5−ジヒドロオロチル−L−ヒスチジル−L−プロリンアミド);特開昭52−116465(例:2,3,4,5−テトラヒドロ−2−オキソ−L−5−フランカルボニル−L−ヒスチジル−L−プロリンアミド);特公平3−236397(例:(1S,2R)−2−メチル−4−オキソシクロペンチルカルボニル−L−ヒスチジル−L−プロリンアミド);特公昭59−36612(例:オロチル−L−ヒスチジル−L−プロリンアミド);Eur.J.Pharmacol.,271,357(1994)(例:TRH−SR);特開昭52−3080;Eur.J.Pharmacol.277,63−69(1995)および特開昭60−27982(例:アゼチレリン;YM14673);特開昭60−23326(例:DN1417);特開昭62−234029;特開昭56−8354;WO96/11209号;WO98/08867に記載されている化合物が挙げられる。具体的には、以下に示す化合物が例示される。
Figure 0004817281
本明細書中、「L−DOPA作用増強剤」とは、L−DOPAを単独投与した際の治療効果を、併用することで増強させることができる薬剤を包含する。特に、L−DOPAの単独投与時と比較して相乗作用を与えることのできる薬剤が好ましい。さらに好ましくは、L−DOPA単独投与では治療効果を示さない投与量と併用することにより治療効果を示す薬剤が挙げられる。例えばL−DOPAを使用している疾患の治療剤として有用である。即ち、L−DOPAを投与している疾患または投与を予定している疾患に対し、併用することによりL−DOPAの作用を増強させるような薬剤を意味する。そのような疾患としてパーキンソン病やパーキンソン症候群があげられる。特に、パーキンソン病が好ましい。
本明細書中、「自発的運動量増加作用剤」とは、自発的運動量を増加させることができる薬剤を包含する。
本明細書中、「運動障害改善作用剤」とは、神経毒、ウイルス、脳血管障害など何らかの原因により低下した運動機能を改善できる薬剤を包含する。
以下に各用語の意味を定義する。各用語は本明細書において単独でまたは他の用語と一緒になって統一した意味で使用する。
本明細書中、「ハロゲン」とはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を意味する。
本明細書中、「アルキル」とは、直鎖状もしくは分枝状のC〜Cアルキル、または環状のC〜Cアルキルを包含する。好ましくは、直鎖状もしくは分枝状のC〜Cアルキルが挙げられる。さらに好ましくは、直鎖状もしくは分枝状のC〜Cアルキルが挙げられる。例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。
本明細書中、特に、「低級アルキル」と限定する場合は、直鎖状もしくは分枝状のC〜Cアルキルを包含する。例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルが挙げられる。
本明細書中、「アルケニル」とは、直鎖状または分枝状のC〜Cアルケニルを包含する。好ましくは、直鎖状または分枝状のC〜Cアルケニルが挙げられる。さらに好ましくは、直鎖状のC〜Cアルケニルが挙げられる。例えば、n−プロペニル、n−ブテニル、n−ヘキセニル等が挙げられる。
本明細書中、「アリール」とは、単環状もしくは縮合環状芳香族炭化水素を包含する。好ましくは、単環状芳香族炭化水素が挙げられる。例えば、フェニル、ナフチル等が挙げられる。
本明細書中、「ヘテロアリール」とは、任意に選ばれる、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を環内に1個以上含む5〜6員の芳香環を包含し、これらは炭素環もしくは他の複素環と縮合していてもよく、結合可能な全ての位置で置換しうる。例えば、ピロリル(例えば、1−ピロリル)、インドリル(例えば、2−インドリル)、カルバゾリル(例えば、3−カルバゾリル)、イミダゾリル(例えば、4−イミダゾリル)、ピラゾリル(例えば、1−ピラゾリル)、ベンゾイミダゾリル(例えば、2−ベンゾイミダゾリル)、インダゾリル(例えば、3−インダゾリル)、インドリジニル(例えば、6−インドリジニル)、ピリジル(例えば、4−ピリジル)、キノリル(例えば、5−キノリル)、イソキノリル(例えば、3−イソキノリル)、アクリジル(例えば、1−アクリジル)、フェナンスリジニル(例えば、2−フェナンスリジニル)、ピリダジニル(例えば、3−ピリダジニル)、ピリミジニル(例えば、4−ピリミジニル)、ピラジニル(例えば、2−ピラジニル)、シンノリニル(例えば、3−シンノリニル)、フタラジニル(例えば、2−フタラジニル)、キナゾリニル(例えば、2−キナゾリニル)、イソオキサゾリル(例えば、3−イソキサゾリル)、ベンゾイソオキサゾリル(例えば、3−ベンゾイソキサゾリル)、オキサゾリル(例えば、2−オキサゾリル)、ベンゾオキサゾリル(例えば、2−ベンゾオキサゾリル)、ベンゾオキサジアゾリル(例えば、4−ベンゾオキサジアゾリル)、イソチアゾリル(例えば、3−イソチアゾリル)、ベンゾイソチアゾリル(例えば、2−ベンゾイソチアゾリル)、チアゾリル(例えば、2−チアゾリル)、ベンゾチアゾリル(例えば、2−ベンゾチアゾリル)、フリル(例えば、3−フリル)、ベンゾフリル(例えば、3−ベンゾフリル)、チエニル(例えば、2−チエニル)、ベンゾチエニル(例えば、2−ベンゾチエニル)、テトラゾリル等が挙げられる。
本明細書中、「非芳香族複素環基」とは、任意に選ばれる、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子を環内に1個以上含む非芳香族の5〜7員環を包含し、これらは結合可能な全ての位置で置換しうる。例えば、モルホリノ、ピペリジノ、1−ピロリジニル、2−ピロリン−3−イル等が挙げられる。
本明細書中、「アシル」とはアルキル部分が前記「アルキル」であるアルカノイル、およびアリール部分が前記「アリール」であるアロイルを包含する。例えば、アセチル、ベンゾイル等が挙げられる。
本明細書中、「アルキルオキシ」とはアルキル部分が前記「アルキル」であるアルキルオキシを包含する。例えば、メチルオキシ、エチルオキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、tert−ブチルオキシが挙げられる。
本明細書中、RおよびRにおける「置換されていてもよいアルキル」とは、全ての可能な位置で1個以上の置換基、例えば、ヒドロキシ、アルキルオキシ(例えば、メトキシ、エトキシ)、メルカプト、アルキルチオ(例えば、メチルチオ)、シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル)、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、カルボキシ、カルバモイル、C〜C20アルキルオキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、テトラデカニルオキシカルボニル、ペンタデカニルオキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル(例えば、フェニルオキシカルボニル)、ニトロ、シアノ、SO(pは1〜3の整数、Rは水素またはアルキル)、アルキルで置換されていてもよいPO(OH)もしくはP(O)OH、置換もしくは非置換アミノ(例えば、メチルアミノ、ジメチルアミノ、カルバモイルアミノ)、置換されていてもよいアリール(例えば、フェニル、トリル)、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよい非芳香族複素環基、アリールオキシ、アシルオキシ、アシルオキシカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、非芳香族複素環により置換されたカルボニル、ヒドラジノ、ヒドロキシアミノ、アルキルオキシアミノ、ホルミル等を有していてもよい前記「アルキル」を包含する。例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル、イソプロピルオキシカルボニルメチル、テトラデカニルオキシカルボニルメチル、ペンタデカニルオキシカルボニルメチル等が挙げられる。好ましい置換基としては、C〜C20アルキルオキシカルボニル、フェニルが挙げられる。
本明細書中、Y、R、R、およびRにおける「置換されていてもよいアルキル」とは、全ての可能な位置で1個以上の置換基、例えば、ヒドロキシ、アルキルオキシ(例えば、メトキシ、エトキシ)、メルカプト、アルキルチオ(例えば、メチルチオ)、シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル)、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、カルボキシ、カルバモイル、アルキルオキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、アリールオキシカルボニル(例えば、フェニルオキシカルボニル)、ニトロ、シアノ、SO(pは1〜3の整数、Rは水素またはアルキル)、アルキルで置換されていてもよいPO(OH)もしくはP(O)OH、置換もしくは非置換アミノ(例えば、メチルアミノ、ジメチルアミノ、カルバモイルアミノ)、置換されていてもよいアリール(例えば、フェニル、トリル)、置換されていてもよいヘテロアリール、置換されていてもよい非芳香族複素環基、アリールオキシ、アシルオキシ、アシルオキシカルボニル、アルキルカルボニル、非芳香族複素環により置換されたカルボニル、複素環状イミノ、ヒドラジノ、ヒドロキシアミノ、アルキルオキシアミノ、ホルミル等を有していてもよい前記「アルキル」を意味する。例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル、ヒドロキシメチル、tert−ブチルカルボニルオキシメチル、モルホリノメチル、ピペリジノメチル、N−メチル−1−ピペラジニルメチル、エチルカルボニルメチル、モルホリノカルボニルメチル、アセチルオキシメチル等が挙げられる。好ましい置換基としては、フェニル、ヒドロキシ、アルキルカルボニルオキシ、モルホリノ、ピペリジノ、N−アルキル置換ピペラジニル、アルキルカルボニル、モルホリノカルボニル、アシルオキシが挙げられる。
本明細書中、チアゾリル環上の窒素原子における「置換されていてもよいアルキル」とは、ハロゲンまたはアルキルで置換されていてもよいフェニルによって置換されていてもよいC〜C直鎖状または分枝状のアルキルを包含する。例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、ベンジル、4−メチルベンジルが挙げられる。
本明細書中、「置換されていてもよいアリール」、「置換されていてもよいヘテロアリール」、および「置換されていてもよい非芳香族複素環基」とは、置換可能な任意の位置に置換基、例えば、ヒドロキシ、アルキルオキシ(例えば、メトキシ、エトキシ)、メルカプト、アルキルチオ(例えば、メチルチオ)、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、カルボキシ、アルキルオキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、ニトロ、シアノ、ハロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、アリールオキシ(例えば、フェニルオキシ)、置換もしくは非置換アミノ(例えば、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ベンジリデンアミノ)、グアニジノ、アルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、neo−ペンチル、tert−ペンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル)、アルケニル(例えば、ビニル、プロペニル)、アルキニル(例えば、エチニル、フェニルエチニル)、アルカノイル(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル)、アシルオキシ(例えば、アセチルオキシ)、アシルアミノ、アルキルスルホニル(例えば、メチルスルホニル)、フェニル、ベンジル、アゾ基(例えば、フェニルアゾ)、置換されていてもよいヘテロアリール(例えば、3−ピリジル)、置換されていてもよいウレイド(例えば、ウレイド、フェニルウレイド)等を1またはそれ以上有していてもよい、前記「アリール」、「ヘテロアリール」、および「非芳香族複素環基」を包含する。
本明細書中、Yにおける「置換されていてもよいカルボキシ」の置換基としては、直鎖状もしくは分枝状のC〜C20アルキル、環状のC〜Cアルキル、またはアリールが挙げられる。これらのアルキルおよびアリールは、それぞれ前記「置換されていてもよいアルキル」および「置換されていてもよいアリール」で挙げた置換基の1以上によってさらに置換されていてもよい。「置換されていてもよいカルボキシ」の例としては、カルボキシ、メトキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、デシルオキシカルボニル、フェニルオキシメチルカルボニル、テトラデシルオキシカルボニル、イコサニルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、トリルオキシカルボニル等のアルキルオキシカルボニルまたはアリールオキシカルボニルが挙げられる。好ましい置換基としては、直鎖状もしくは分枝状のC〜C20アルキルまたはベンジルが挙げられる。
本明細書中、Yにおける「置換されていてもよいカルバモイル」の置換基としては、直鎖状もしくは分枝状のC〜Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル)が挙げられる。このアルキルは、前記「置換されていてもよいアルキル」で挙げた置換基の1以上によってさらに置換されていてもよい。「置換されていてもよいカルバモイル」の例としては、カルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−プロピルカルバモイル、メチルエチルカルバモイル、ベンジルカルバモイル、イソプロピルオキシカルボニルメチルカルバモイル、テトラデカニルオキシカルボニルメチルカルバモイル、ベンジルオキシカルボニルメチルカルバモイル、アセチルオキシメチルカルバモイル、アセチルカルバモイル等が挙げられる。好ましい置換基としては、C〜C20アルキルオキシカルボニルアルキル、アシルオキシアルキルが挙げられる。
本明細書中、Rにおける「置換されていてもよいカルボキシ」の置換基としては、前記「置換されていてもよいアルキル」および「置換されていてもよいアリール」が挙げられる。「置換されていてもよいカルボキシ」の例としては、カルボキシ、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、フェニルオキシメチルカルボニル、トリルオキシカルボニル等のアルキルオキシカルボニルまたはアリールオキシカルボニルが挙げられる。
本明細書中、「置換されていてもよいアシル」とはアルキル部分が「置換されていてもよいアルキル」であるアルカノイル、アリール部分が「置換されていてもよいアリール」であるアロイルを包含する。例えば、トルオイル等が挙げられる。
本明細書中、「置換されていてもよいイミノ」とは前記「置換されていてもよい低級アルキル」、「置換されていてもよいアリール」、アルキルオキシカルボニル等によって置換されていてもよいイミノを包含する。
発明を実施するための最良の形態
パーキンソン病の治療または予防剤として有用なTRHまたはTRH誘導体はWO98/08867等に記載の公知の方法で合成することができる。
パーキンソン病の治療剤としての効果は、モノアミン神経を破壊する6−OHDAの脳室内投与またはMPTPを投与したマウスを用いて自発運動量を測定する試験およびモノアミン系を枯渇させるレセルピンを処置したマウスでのカタレプシーに対する効果を検討する試験等を行うことで確認することができる(Matsuura,K.et al.(1996)Brain Res.733 p101−104,Shiozaki,S.et al.(1999)Psychopharmacology 147 p90−95参照)。
本明細書中、「溶媒和物」とは、例えば有機溶媒との溶媒和物、水和物等を包含する。水和物を形成する時は、任意の数の水分子と配位していてもよい。
「本発明化合物」という場合には、製薬上許容される塩、またはその水和物も包含される。例えば、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム等)、アンモニウム、有機塩基およびアミノ酸との塩、または無機酸(塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸等)、および有機酸(酢酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等)との塩が挙げられる。これらの塩は、通常行われる方法によって形成させることができる。
プロドラッグは、化学的または代謝的に分解できる基を有する本発明化合物の誘導体であり、加溶媒分解によりまたは生理学的条件下でインビボにおいて薬学的に活性な本発明化合物となる化合物である。適当なプロドラッグ誘導体を選択する方法および製造する方法は、例えばDesign of Prodrugs,Elsevier,Amsterdam 1985に記載されている。本発明化合物がカルボキシル基を有する場合は、もとになる酸性化合物と適当なアルコールを反応させることによって製造されるエステル誘導体、またはもとになる酸性化合物と適当なアミンを反応させることによって製造されるアミド誘導体のようなプロドラッグが例示される。プロドラッグとして特に好ましいエステルとしては、メチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチルエステル、tert−ブチルエステル、モルホリノエチルエステル、N,N−ジエチルグリコールアミドエステル等が挙げられる。本発明化合物がヒドロキシル基を有する場合は、例えばヒドロキシル基を有する化合物と適当なアシルハライドまたは適当な酸無水物とを反応させることに製造されるアシルオキシ誘導体のようなプロドラッグが例示される。プロドラッグとして特に好ましいアシルオキシとしては、−OCOC、−OCO(t−Bu)、−OCOC1531、−OCO(m−COONa−Ph)、−OCOCHCHCOONa、−OCOCH(NH)CH、−OCOCHN(CH等が挙げられる。本発明化合物がアミノ基を有する場合は、アミノ基を有する化合物と適当な酸ハロゲン化物または適当な混合酸無水物とを反応させることにより製造されるアミド誘導体のようなプロドラッグが例示される。プロドラッグとして特に好ましいアミドとしては、−NHCO(CH20CH、−NHCOCH(NH)CH等が挙げられる。
また、本発明化合物は特に断りのない限り、特定の異性体に限定するものではなく、全ての可能な異性体やラセミ体を含むものである。
本発明化合物は後述する試験例の記載の通り、優れたパーキンソン病の治療効果を有する。特に、L−DOPAとの併用で著しい効果を有する。
本発明化合物を、上記の疾患の治療を目的としてヒトに投与する場合は、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、液剤等として経口的に、または注射剤、坐剤、経皮吸収剤、吸入剤等として非経口的に投与することができる。また、本化合物の有効量にその剤型に適した賦形剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、滑沢剤等の医薬用添加剤を必要に応じて混合し、医薬製剤とすることができる。注射剤の場合には、適当な担体と共に滅菌処理を行って製剤とする。患者のQOLを考えると、経口投与が好ましい。
投与量は疾患の状態、投与ルート、患者の年齢、または体重によっても異なるが、成人に経口で投与する場合、通常0.1〜100mg/kg/日であり、好ましくは1〜20mg/kg/日である。
以下に実施例および試験例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
実施例中、以下の略号を使用する。
Me:メチル
THF:テトラヒドロフラン
DCC:1,3−ジシクロヘキシルカルボジミド
p.o.:経口投与
i.p.:腹腔内投与
6−OHDA:6−ヒドロキシドパミン
MPTP:1−メチル−4−フェニル−1,2,3,6−テトラヒドロピリジンDA:ドパミン
実施例
実施例1 式(IX)で表わされる化合物の調製
Figure 0004817281
(第1工程)
文献記載の方法(Synth.Commun.,20,3507(1990))で合成したN−(tert−ブトキシカルボニル)−3−(4−チアゾリル)−L−アラニン(1,21.79g,80mmol)にトリフルオロ酢酸(80ml)を加え氷冷下2時間半撹拌した。ついで反応混合物にp−トルエンスルホン酸水和物(15.22g,80mmol)を加えて室温で30分間撹拌した。反応混合物を減圧下濃縮乾固した。得られた残渣に水およびメタノールを加えて減圧下濃縮乾固することにより過剰のトリフルオロ酢酸を除去した。得られた残渣にエーテルを加え析出した結晶を濾取して化合物(2)29.8g(quantitative)を得た。
NMR(CDOD):9.01(1H,d,J=1.8Hz),7.70(2H,m),7.46(1H,d,J=1.8Hz),7.23(2H,m),4.38(1H,dd,J=4.8 and 7.6Hz),3.45(2H,m),2.37(3H,s).
(第2工程)
化合物(2)38.85g(112.8mmol)のエタノール(200ml)−THF(600ml)溶液に、室温で攪拌しながらジフェニルジアゾメタン(39g,201mmol)を少量ずつ30分間かけて加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した後、さらにジフェニルジアゾメタン(10g,51.5mmol)を加えて1時間攪拌した。反応混合物に酢酸(0.1ml)を加えて過剰の試薬を分解した後、減圧下濃縮乾固して溶媒を留去した。得られた残渣(92g)にエーテル(1L)を加えて結晶化させ、化合物(3)49.05g(96.1%)を得た。
mp:139−140℃
[α]=−34.7°(c=1.006,CHCl,23℃)
IR(KBr)cm−1:1753,1602,1512,1496,1260,1224,1171,1124,1036,1012.
NMR(CDOD):8.92(1H,d,J=2Hz),7.70(2H,m),7.2−7.4(13H,m),6.91(1H,s),4.62(1H,t,J=5.8Hz),3.47(2H,d,J=5.8Hz),2.36(3H,s).
元素分析(C2626
計算値:C,61.16;H,5.13;N,5.49;S,12.56.
実測値:C,61.14;H,5.32;N,5.41;S,12.46.
(第3工程)
シス−L−5−メチル−2−オキソ−オキサゾリン−4−カルボン酸13.95g(96.14mmol)、化合物(3)49.09g(96.14mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール2.6g(19.23mmol)およびトリエチルアミン14.1ml(101mmol)のTHF(1L)溶液に氷冷下、DCC(20.83g,101mmol)を加えた。同温度で10分間撹拌した後冷却浴を除き、室温でさらに20時間攪拌した。析出した沈殿物を除去した後、濾液を減圧下濃縮乾固して油状残渣(82.7g)を得た。残渣を酢酸エチル(700ml)に加温溶解し不溶物を濾去した。濾液を炭酸ナトリウム水溶液および水で順次洗浄した。有機層にメタノール(20ml)を加えた後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下に少量まで濃縮した。析出した結晶を濾取し酢酸エチル−エーテル(2:3)混液で洗浄して化合物(4)35.69g(79.8%)を得た。さらに母液を減圧下濃縮乾固した後、酢酸エチル−エーテル混液から結晶化させ化合物(4)2.62g(5.9%)を得た。
mp:176−177℃
[α]=−39.2°(c=1.007,CHCl,24℃)
IR(KBr)cm−1:1739,1681,1508,1453,1386,1237,1193,1089.
NMR(CDCl):8.71(1H,d,J=1.8Hz),8.18(1H,d,J=7.8Hz),7.2−7.4(10H,m),6.82(1H,s),6.66(1H,d,J=1.8Hz),5.79(1H,s),5.12(1H,m),4.94(1H,m),4.35(1H,dd,J=1.8 and 9.0Hz),3.40(1H,dd,J=5.7 and 15Hz),3.29(1H,dd,J=4.5 and 15Hz),1.27(3H,d,J=6.3Hz).
元素分析(C2423S)
計算値:C,61.92;H,4.98;N,9.03;S,6.89.
実測値:C,61.95;H,5.01;N,8.94;S,6.62.
(第4工程)
化合物(4)41.24g(88.59mmol)に氷冷下、アニソール(240ml)およびトリフルオロ酢酸(120ml)を加え15分間攪拌した。冷却浴を除いた後さらに室温で2時間30分攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮乾固して得た油状残渣にエーテル(500ml)を加えて粉末化し濾取した。得られた粉末を水(50ml)−メタノール(300ml)混液に加温溶解し不溶物を濾去した。濾液を減圧下に少量まで濃縮し、種晶およびメタノールを加え室温に3日間放置した。析出した結晶を濾取し化合物(5)14.89g(56.1%)を得た。母液を減圧下濃縮乾固し、再びメタノール−エーテル混液から結晶化してさらに化合物(5)10.3g(38%)を得た。
mp:214−215℃
[α]=−4.2°(c=0.5,HO,22℃)
IR(KBr)cm−1:1753,1707,1655,1548,1529,1409,1343,1264,1236,1102,1092.
NMR(DMSO−d6):9.02(1H,d,J=1.8Hz),8.46(1H,d,J=7.8Hz),7.74(1H,s),7.38(1H,d,J=1.8Hz),4.77(1H,dq,J=6.6 and 8.7Hz),4.66(1H,m),4.21(1H,d,J=8.7Hz),3.24(1H,dd,J=5.1 and 15Hz),3.13(1H,dd,J=8.4 and 15Hz),1.13(3H,d,J=6.6Hz).
元素分析(C1113S)
計算値:C,44.14;H,4.38;N,14.04;S,10.71.
実測値:C,43.94;H,4.478;N,14.09;S,10.58.(第5工程)
化合物(5)12.1g,(40.48mmol)およびN−ヒドロキシスクシンイミド(4.66g,40.48mM)のTHF(242ml)懸濁液に氷冷下、DCC(8.35g,40.48mmol)を加え30分間撹拌した。冷却浴を除き、さらに室温で2時間撹拌した。得られた化合物(5)のN−ヒドロキシスクシンイミドエステル溶液を、文献記載の方法(Tetrahedron,27,2599(1971))で合成した(R)−(+)−2−メチルピロリジン塩酸塩(5.42g)およびトリエチルアミン(8.46ml,60.72mmol)のTHF(121ml)懸濁液に室温で加えた。反応混合物をさらに15時間撹拌した。析出した不溶物を除去した後濾液を減圧下濃縮乾固した。残渣(24.6g)を水(150ml)に溶解し不溶物を濾去した。濾液をゲル濾過カラムクロマトグラフィー(MCI Gel CHP−20P,600ml)で精製した。40%含水メタノール溶液で溶出される分画を集め粗製の化合物(IX)8.87gを得た。ついでシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム−メタノール混液)で精製した後、凍結乾燥して化合物(IX)5.37g(35.7%)を得た。
mp:192−194℃
[α]=−1.9°(c=1.005,HO,25℃)
IR(KBr)cm−1:1755,1675,1625,1541,1516,1448,1232,1097.
NMR(CDOD):8.97(1H,t,J=2.1Hz),7.34(1H,t,J=2.1Hz),5.19 and 5.04(total 1H,each t,J=7.5Hz),4.92(1H,dq,J=6.6 and 8.7Hz),4.36 and 4.35(1H,d,J=8.7Hz),4.07 and 3.92(total 1H,each m),3.78(1H,m),3.42(1H,m),3.22(2H,m),1.5−2.0(4H,m),1.28 and 1.22(total 3H,each d,J=6.6Hz),1.21 and 1.02(total 3H,each d,J=6.6Hz).
元素分析(C1622S HO)
計算値:C,49.99;H,6.29;N,14.57;S,8.34.
実測値:C,49.99;H,6.29;N,14.79;S,8.36.
試験例
試験例1
正常動物での化合物(IX)の自発運動量増加作用を測定した。
実験方法:
C57BL/6マウス(オス)に化合物(IX)を経口投与し、自発運動測定装置(スキャネット、東洋産業)を用い自発運動量の測定を行った。予め装置のケージに入れ60分以上馴化させた動物に対し、化合物(IX)(1,3,10mg/kg)あるいはビークル(vehicle、注射用水、大塚製薬)を経口投与し、ケージに戻した後5時間の自発運動量を計測した。結果を表1および図1に示した。
表1および図1から、化合物(IX)は3mg/kg(p.o.)以上で有意な自発運動量増大作用を有することがわかる。
Figure 0004817281
試験例2
パーキンソン病モデル動物として、モノアミン神経を破壊する6−OHDAを脳室内投与したマウスを用い、6−OHDAによる自発運動量低下に対する化合物(IX)単独投与およびL−DOPAとの併用による効果を検討した。
実験方法:
C57BL/6マウス(オス)にデシプラミン(desipramine(25mg/kg,i.p.),0.5% 乳酸)を投与し、30分後に6−OHDA(40μg/μl/mouse,0.2% アスコルビン酸)を脳室内投与した。1日後、マウスを自発運動測定装置に入れ、90分後に化合物(IX)(0.3,1mg/kg,p.o.)を単独およびL−DOPA(10mg/kg,i.p.,0.1N HClに溶解し注射用水(大塚製薬)で希釈)と共に投与し、5時間自発運動量を測定した。L−DOPAを投与する場合は30分前にカルビドパ(carbidopa(25mg/kg,i.p.),0.5% 乳酸)を投与した。結果を表2および図2に示した。
表2および図2から、6−OHDA脳室内投与により自発運動量は無処置動物の1/6程度に低下することがわかった。化合物(IX)の1mg/kg(p.o.)単独投与では有意な自発運動量の増大は認められなかったが、単独で自発運動量増大作用を示さない用量のL−DOPA(10mg/kg,i.p.)と化合物(IX)(1mg/kg,p.o.)を併用することにより、有意かつ顕著な自発運動量の増大作用(相乗効果)が認められた。
Figure 0004817281
試験例3
モノアミン系を枯渇させるレセルピンを処置したマウスでのカタレプシーに対する化合物(IX)単独投与およびL−DOPAとの併用による効果を検討した。
実験方法:
ddyマウス(オス)にレセルピン(5mg/kg,i.p.,アポプロン注(第一製薬)を使用)を投与し、1日後、化合物(IX)(0.3,1,3mg/kg,p.o.)およびL−DOPA(25,100mg/kg,i.p.,0.1N HClに溶解し注射用水(大塚製薬)で希釈)等を投与し、1時間後にカタレプシーテストを行った。L−DOPAを投与する場合は30分前にカルビドパ(carbidopa(25mg/kg,i.p.),0.5% 乳酸)を投与した。
高さ4.5cmのバーに前肢あるいは後肢をのせ、両足が床につくまでの時間を測定し(Cut off time 30秒)、スコア化した(5秒未満:0ポイント、5秒以上10秒未満:1ポイント、10秒以上15秒未満:2ポイント、15秒以上20秒未満:3ポイント、20秒以上25秒未満:4ポイント、25秒以上30秒未満:5ポイント、30秒以上:6ポイント)。
前肢は3回測定してポイントを合計し、後肢は5回測定して上下を除き3回のポイントを合計した。前肢、後肢の合計ポイントをカタレプシースコアとした。結果を表3および図3に示した。
表3および図3から、レセルピン処置によって惹起されたカタレプシーに対し、L−DOPA(100mg/kg,i.p.)と化合物(IX)(1,3mg/kg,p.o.)の併用により有意な抑制作用を示すことがわかった。
Figure 0004817281
試験例4
パーキンソン病モデル動物としてDA神経毒であるMPTPを投与したマウスを用いMPTPによる自発運動量低下に対する化合物(IX)単独投与による効果を検討した。
実験方法:
C57BL/6マウス(オス)にMPTP(40mg/kg,i.p.,生理食塩水)を24時間間隔で2回投与し、最終投与1日後マウスを自発運動測定装置に入れ、30分後に化合物(IX)(0.3,1.3mg/kg,p.o.)を単独で投与した。
表4および図4からMPTP処置により自発運動量の低下したマウスに対し、化合物(IX)(3mg/kg,p.o.)は単独で有意な自発運動量増大作用を示すことがわかった。
Figure 0004817281
以上の結果から、経口投与された化合物(IX)は、単独もしくはL−DOPAとの併用で運動機能障害改善作用を示すことが明らかとなり、抗パーキンソン病薬としての有用性が示された。
製剤例
製剤例1
以下の成分を含有する顆粒剤を製造する。
Figure 0004817281
式(I)で表わされる化合物と乳糖を60メッシュのふるいに通す。コーンスターチを120メッシュのふるいに通す。これらをV型混合機にて混合する。混合末にHPC−L(低粘度ヒドロキシプロピルセルロース)水溶液を添加し、練合、造粒(押し出し造粒 孔径 0.5〜1mm)、乾燥する。得られた乾燥顆粒を振動ふるい(12/60メッシュ)で櫛過し顆粒剤を得ることができる。
製剤例2
以下の成分を含有するカプセル充填用散剤を製造する。
Figure 0004817281
式(I)で表わされる化合物、乳糖を60メッシュのふるいに通す。コーンスターチは120メッシュのふるいに通す。これらとステアリン酸マグネシウムをV型混合機にて混合する。10倍散100mgを5号硬ゼラチンカプセルに充填する。
製剤例3
以下の成分を含有するカプセル充填用顆粒剤を製造する。
Figure 0004817281
式(I)で表わされる化合物、乳糖を60メッシュのふるいに通す。コーンスターチを120メッシュのふるいに通す。これらを混合し、混合末にHPC−L溶液を添加して練合、造粒、乾燥する。得られた乾燥顆粒を整粒後、その150mgを4号硬ゼラチンカプセルに充填する。
製剤例4
以下の成分を含有する錠剤を製造する。
Figure 0004817281
式(I)で表わされる化合物、乳糖、微結晶セルロース、CMC−Na(カルボキシメチルセルロース ナトリウム塩)を60メッシュのふるいに通し、混合する。混合末にステアリン酸マグネシウム混合し、製錠用混合末を得る。本混合末を直打し、150mgの錠剤を得ることができる。
製剤例5
以下の成分を含有する放出制御錠を製造する。
Figure 0004817281
式(I)で表わされる化合物、乳糖、微結晶セルロースを60メッシュのふるいに通し、混合する。混合末にラブリーWAX−120H(フロイント産業社製)を加温溶融させて顆粒に成形する。得られた顆粒に、60メッシュのふるいに通したステアリン酸マグネシウムを加え、打錠して放出制御錠を得ることができる。
製剤例6
以下の成分を含有する持続放出二層錠を製造する。
Figure 0004817281
速放部:式(I)で表わされる化合物、乳糖、微結晶セルロースを60メッシュのふるいに通し、混合する。混合末にメチルセルロース溶液を加えて練合、造粒、乾燥工程を経て顆粒を得ることができる。
持続性部:式(I)で表わされる化合物、乳糖、微結晶セルロースを60メッシュのふるいに通し、混合する。混合末にステアリン酸を加えて加温溶融させ、練合、造粒、乾燥工程を経て顆粒を得ることができる。
二層打錠:速放部顆粒にステアリン酸マグネシウムを加えて打錠する。次に持続性部にステアリン酸マグネシウムを加え、速放錠に重ねて打錠し、持続放出二層錠を得ることができる。
製剤例7
以下の成分を含有する腸溶性顆粒を製造する。
Figure 0004817281
活性成分、微結晶セルロース、コーンスターチ、CMC−Naを20メッシュのふるいに通し、完全に混合する。得られた混合末にHPC(ヒドロキシプロピルセルロース)もしくはMC(メチルセルロース)の溶液を加え、練合物を16メッシュのふるいに通す。生成した顆粒を50〜60℃で乾燥する。乾燥顆粒にHP−55(ヒドロキシプロピルメチルセルロース フタレート、信越化学社製)のグリセリン脂肪酸エステル、エタノール、ジクロルメタン、タルク溶液をスプレーコーティングすることにより腸溶性顆粒を得ることができる。
製剤例8
以下の成分を含有する腸溶性顆粒を製造する。
Figure 0004817281
製剤例7と同様に生成した顆粒をオイドラギットL30D−55(レームファーマ社製)のポリソルベート80(ポリオキシエチレンソルビタン モノオレート、花王社製)、PEG6000(ポリエチレングリコール、マクロゴール6000、ライオン社製)、タルク、精製水よりなるコーティング液でスプレーコーティングを行う。得られた顆粒を乾燥後、16メッシュのふるいを通し、腸溶性顆粒を得ることができる。
製剤例9
以下の成分を含有する舌下錠を製造する。
Figure 0004817281
式(I)で表わされる化合物、乳糖、コーンスターチを80メッシュのふるいに通し、混合する。混合末をメチルセルロース溶液で練合し、造粒、乾燥を経た顆粒を整粒する。得られた顆粒に、60メッシュのふるいに通したタルク、ステアリン酸マグネシウムを混合して製錠し、舌下錠を得ることができる。
製剤例10
以下の成分を含有する注射剤を製造する。
Figure 0004817281
上記成分をアンプルに充填する。
製剤例11
以下の成分を含有する注射用凍結乾燥製剤を製造する。
Figure 0004817281
上記成分を凍結乾燥用バイアルに充填し、凍結乾燥することにより注射用凍結乾燥製剤を得ることができる。
製剤例12
以下の成分を含有する坐剤を製造する。
Figure 0004817281
式(I)で表わされる化合物を60メッシュのふるいに通す。50〜60℃で溶融させたウィテップゾール(高級脂肪酸トリグリセリド、ミツバ貿易社製)液中に化合物を分散させる。この溶液を攪拌しながら38〜40℃付近まで冷却し、薬液を得る。薬液をアルミ箔のコンテナーに充填し、シール後、冷却して坐剤を得ることができる。
製剤例13
以下の成分を含有する経鼻剤を製造する。
Figure 0004817281
式(I)で表わされる化合物をカルボキシビニールポリマーに溶融後、L−アルギニン、塩化ナトリウムを添加する。pH調製を行い、さらに精製水を添加することにより粘度調整して、薬液を得ることができる。
製剤例14
以下の成分を含有する経皮製剤を製造する。
Figure 0004817281
式(I)で表わされる化合物をミリスチン酸イソプロピルに分散後、アクリル系粘着剤(例えばニカゾール)に混合し、貼付用支持体に添付することにより、経皮製剤を得ることができる。
製剤例15
以下の成分を含有する軟膏剤を製造する。
Figure 0004817281
式(I)で表わされる化合物と流動パラフィンを分散させ、白色ワセリンと練合し軟膏剤を得ることができる。
産業上の利用可能性
TRH誘導体が経口投与可能なパーキンソン病の治療または予防剤、特に、L−DOPAとの併用により相乗効果を示すパーキンソン病の治療または予防剤として利用できることを見出した。
【図面の簡単な説明】
図1は、正常マウスでの化合物(IX)経口投与による自発運動量増大作用を示したグラフである。
図2は、6−OHDA脳室内投与マウスでの化合物(IX)およびL−DOPA併用による自発運動量増大作用を示したグラフである。
図3は、化合物(IX)およびL−DOPA併用によるレセルピン惹起カタレプシー抑制効果を示したグラフである。
図4は、MPTP処置マウスでの化合物(IX)経口投与による自発運動量増大作用を示したグラフである。

Claims (9)

  1. 式(IX):
    Figure 0004817281
    で表わされる化合物、その製薬上許容される塩、またはその溶媒和物を有効成分として含有するパーキンソン病の予防または治療用の医薬組成物。
  2. 式(IX):
    Figure 0004817281
    で表わされる化合物、その製薬上許容される塩、またはその溶媒和物を有効成分として含有するL−DOPA作用増強作用を有する医薬組成物。
  3. パーキンソン病の予防または治療用である請求の範囲第2項記載のL−DOPA作用増強作用を有する医薬組成物。
  4. 経口投与剤である、請求の範囲第1項記載の医薬組成物。
  5. 経口投与剤である、請求の範囲第2項または第3項記載の医薬組成物。
  6. L−DOPAとの併用により相乗効果を示す請求の範囲第1項記載の医薬組成物。
  7. 非有効量のL−DOPAと併用することにより、相乗効果を示す請求の範囲第6項記載の医薬組成物。
  8. L−DOPAとの併用により相乗効果を示す請求の範囲第2項または第3項記載の医薬組成物。
  9. 非有効量のL−DOPAと併用することにより、相乗効果を示す請求の範囲第8項記載の医薬組成物。
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