JP2017078024A - 新規テトラヒドロピリドピリミジノン誘導体 - Google Patents

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渉 宮永
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Abstract

【課題】モノアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(MGAT)2阻害活性の高い新規化合物の提供。【解決手段】一般式(I)で表されるジヒドロ−ピリド−ピリミジン系化合物又はその医薬的に許容できる塩。【選択図】なし

Description

本発明は、モノアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ阻害活性を有する新規テトラヒドロピリドピリミジノン誘導体とその生理的に許容される塩、ならびにそれを含有する医薬組成物に関する。
肥満に起因ないしは関連する健康障害として、耐糖能障害・2型糖尿病、脂質代謝異常、高血圧など数多くの疾患が知られており、これら疾病の予防や改善を目的とした肥満症の治療は重要である。肥満症の治療には、食事療法、運動療法、行動療法が行われるが、必要があれば薬物療法が導入される。現在、抗肥満薬としてオルリスタット、マジンドール、シブトラミンなどの薬物が使用されているが、薬効・副作用の両面とも十分に満足出来るものはなく、より優れた薬剤の開発が望まれている。
食事由来の中性脂肪(トリアシルグリセロール(TG))は、消化管内において膵リパーゼにより2−モノアシルグリセロール(MG)と遊離脂肪酸に加水分解された後、小腸内腸管粘膜上皮細胞へ吸収されTGへ再合成される。この再合成反応は、モノアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(MGAT)とジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(DGAT)が触媒するモノアシルグリセロール経路と、グリセロール3リン酸経路によって行われることが知られている。小腸における食後TG再合成の70〜80%はモノアシルグリセロール経路によって担われており、再合成されたTGは他の脂質とともにカイロミクロンへ取り込まれ、血液輸送を介して肝臓や脂肪などの各組織へ運搬される。
MGATはMGをジアシルグリセロール(DG)へとアシル化する酵素であり、MGAT1,MGAT2,MGAT3の3つのアイソフォームがこれまでに同定されている。このうち、小腸において高発現しているMGAT2,MGAT3が小腸におけるTG再合成に関与していることが推察されている。
マウスを用いた実験において、高脂肪食負荷により小腸におけるMGAT2の発現が亢進し、MGAT活性が上昇したことが報告されている(非特許文献1)。またMGAT2遺伝子欠損マウスにおいて、高脂肪食負荷による体重増加の抑制、インスリン抵抗性惹起の抑制、血中コレステロール上昇の抑制、脂肪肝形成などの抑制、エネルギー消費の亢進が確認され、MGAT2は脂質吸収とエネルギー代謝の鍵酵素であることが示された(非特許文献2)。
これらの知見より、MGAT2酵素活性阻害剤は、肥満や肥満に関連する種々の疾病の治療、もしくは予防に有用であることが予測された。
これまでに、MGAT2阻害活性を有する化合物として、特許文献1〜4にいくつかの化合物が記載されている。しかしながら、これらの化合物のMGAT2阻害活性はそれほど高くなく、従来の化合物よりもMGAT2阻害活性が高く、従って、脂肪吸収の抑制や肥満症の治療・予防により有用な新規な化合物に対する大きな需要が存在する。
国際公開第2008/038768号パンフレット 国際公開第2010/095767号パンフレット 国際公開第2012/091010号パンフレット 国際公開第2012/124744号パンフレット
Journal of Biological Chemistry,279,18878−18886,2004 Nature Medicine,15,442−446,2009
本発明は、以上の課題に鑑みてなされたものであり、MGAT2阻害活性の高い新規化合物を提供することを目的とする。
本発明者らは、下記一般式(I)で表される化合物又はその生理的に許容される塩が、極めて高いMGAT2阻害作用を有することを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、以下の構成を有する。
<1> 下記一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容できる塩。
式中、
1は、直鎖状のC1-6アルキレン基(必要により、重水素原子で置換されていてもよい)を表し;
2は、単結合、−S1−U−S2−V−、−S3−C(=O)−NH−S4−、又は−S5−W−S6−を表し;
1及びS2は、それぞれ独立して直鎖状のC1-6アルキレン基を表し、必要により、C1-3アルキル基から選択される同一又は異なる1〜3個の置換基で置換されていてもよく、あるいは、前記直鎖状のC1-6アルキレン基を構成する1つの炭素原子上の2個の置換基が結合して、該炭素原子とともに3〜7員環を形成していてもよく;
U及びVは、それぞれ独立して−S−、−O−、又は−NJ−(式中Jは、水素原子、C1-6アルキル基、又はC1-6ヒドロキシアルキル基を表す)を表し;
3は、直鎖状のC1-6アルキレン基を表し、必要により、重水素原子、ハロゲン原子、C1-3アルキル基、及びC1-3ハロアルキル基から選択される同一又は異なる1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
4は、単結合、C1-6アルキレン基又は−C1-6アルキレン−O−を表し;
5は、C1-6ヒドロキシアルキル基、C1-6アミノアルキル基、及びC1-6チオアルキル基(必要により、これらの基に含まれる水酸基、アミノ基、又はメルカプト基は、C1-3アルキル基で置換されていてもよい)から選択される1〜3個の置換基で置換されている直鎖状のC1-6アルキレン基を表し;
Wは、単結合、−S−、−O−、又は−NH−を表し;
6は、単結合又はC1-3アルキレン基を表し;
Qは、C3-8シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、インダニル基、テトラリニル基、3〜6員の飽和又は不飽和複素環式基あるいは9〜10員の飽和または不飽和の2環性複素環式基を表し、必要により、重水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、C1-3アルキル基、C1-3ハロアルキル基、C1-3アルキルチオ基、ニトリル基、C1-3アルコキシ基、C1-3ハロアルコキシ基、C1-3アルキルアミノ基、及びC2-6ジアルキルアミノ基から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよく;
Yは、単結合、−S−、−O−、又は−NR5−(式中R5は、水素原子、C1-6アルキル基、又はC1-6ハロアルキル基を表す)を表し;
Zは、単結合又はC1-6アルキレン基を表し;
3は、C3-8アルキル基、C3-8シクロアルキル基、又は3〜8員の飽和若しくは不飽和複素環式基を表し、必要により、重水素原子、ハロゲン原子、C1-3アルキル基、C1-3ハロアルコキシ基及びC1-3ハロアルキル基から選択される同一又は異なる1〜7個の置換基を有していてもよく;
4は、C1-6アルキル基、フェニル基、C3-8シクロアルキル基、又は3〜8員の飽和若しくは不飽和複素環式基を表し、必要により、重水素原子、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3ハロアルキル基,C1-3アルコキシ基、及びC1-3ハロアルコキシ基から選択される同一又は異なる1〜7個の置換基を有していてもよい。
<2> R1が、直鎖上のC1-3アルキレン基である、上記<1>に記載の化合物又はその医薬的に許容できる塩。
<3> S1及びS2が、それぞれ独立して直鎖状のC1-3アルキレン基を表し;
Uが、−O−、又は−NJ−(式中Jは、水素原子、C1-3アルキル基、又はC1-3ヒドロキシアルキル基を表す)を表し;
Vが、−O−を表し;
3が、直鎖状のC1-3アルキレン基を表し;
4が、単結合又は−C1-3アルキレン−O−を表し;
5が、1〜2個のC1-3ヒドロキシアルキル基で置換されている直鎖状のC1-3アルキレン基を表し;
Wが、単結合、又は−O−を表し;
6が、単結合を表す、
上記<1>又は<2>に記載の化合物又はその医薬的に許容できる塩。
<4> QがC3-8シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、インダニル基、又はテトラリニル基を表し、必要により、ハロゲン原子、C1-3アルキル基、及びC1-3ハロアルキル基から選択される同一又は異なる1〜3個の置換基で置換されていてもよい、上記<1>〜<3>のいずれかに記載の化合物又はその医薬的に許容できる塩。
<5> Yが、−S−、−O−、又は−NH−である、上記<1>〜<4>のいずれかに記載の化合物又はその医薬的に許容できる塩。
<6> Zが、単結合又はC1-3アルキレン基である、上記<1>〜<5>のいずれかに記載の化合物又はその医薬的に許容できる塩。
<7> R3がC3-6アルキル基又はC3-7シクロアルキル基である、上記<1>〜<6>のいずれかに記載の化合物又はその医薬的に許容できる塩。
<8> R4が、C1-6アルキル基、フェニル基、C3-7シクロアルキル基、又は5〜6員の飽和若しくは不飽和複素環式基である、上記<1>〜<7>のいずれかに記載の化合物又はその医薬的に許容できる塩。
<9> 下記の化合物からなる群から選択される、上記<1>に記載の化合物又はその医薬的に許容できる塩。
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−(インダン−2−イルアミノ)プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
(±)−2−シクロブチルスルファニル−6−[3−(インダン−1−イルアミノ)プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
(±)−2−シクロブチルスルファニル−3−フェニル−6−[3−(テトラリン−1−イルアミノ)プロパノイル]−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
6−[3−[2−[2−(3−クロロ−4−フルオロ−フェノキシ)エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−2−シクロブチルスルファニル−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[2−[2−(2−ナフチルオキシ)エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[2−[2−(2,4−ジクロロフェノキシ)エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[2−[2−(4−フルオロフェノキシ)エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−3−(4−フルオロフェニル)−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−[[2−(2−シクロブチルスルファニル−4−オキソ−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−6−イル)−2−オキソ−エチル]アミノ]−N−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]アセトアミド
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[[(1S,2S)−2−ヒドロキシ−1−[[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル]プロピル]アミノ]プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
<10> 上記<1>〜<9>のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容しうる塩を有効成分として含む、モノアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(MGAT)阻害剤。
<11> 上記<1>〜<9>のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容しうる塩を有効成分として含む、脂肪吸収抑制剤。
<12> 上記<1>〜<9>のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容しうる塩を有効成分として含む、肥満症の予防及び/又は治療剤。
<13> 上記<1>〜<9>のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容しうる塩を有効成分として含む、脂質代謝異常症の予防及び/又は治療剤。
<14> 上記<1>〜<9>のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容しうる塩を有効成分として含む、医薬組成物。
本発明の一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容できる塩は、従来の化合物に比べて極めてMGAT阻害活性が高い。したがって、MGAT阻害剤として優れており、脂肪吸収の抑制や肥満症の治療・予防に好適に用いることが出来る。
本明細書に用いられる用語の定義について、以下に説明する。
「C1-6アルキレン基」とは、炭素数1〜6の直鎖状の脂肪族炭化水素の両末端の水素原子を2個除いて誘導される2価の基である。具体的にはメチレン、エチレン、プロピレン、などの基が挙げられる。
「C1-6アルキル基」とは、炭素数1〜6の直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素から任意の水素原子を1個除いて誘導される1価の基である。具体的にはメチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、2,3−ジメチルプロピル、などの基が挙げられる。
「C3-8シクロアルキル基」とは、炭素数3〜8の環状の脂肪族炭化水素から任意の水素原子を1個除いて誘導される1価の基である。具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどの基が挙げられる。
「ハロアルキル基」とは、アルキル基を構成する水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換えられた基(ハロゲン化アルキル基)を意味する。同様に、「ハロアルコキシ基」とは、アルコキシ基を構成する水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置き換えられた基(ハロゲン化アルコキシ基)を意味する。
「ヒドロキシアルキル基」とは、アルキル基を構成する水素原子の一部又は全部が水酸基で置き換えられた基を意味する。同様に、「アミノアルキル基」とは、アルキル基を構成する水素原子の一部又は全部がアミノ基で置き換えられた基を意味する。同様に、「チオアルキル基」とは、アルキル基を構成する水素原子の一部又は全部がメルカプト基で置き換えられた基を意味する。
また、本明細書及び特許請求の範囲において、特に断りのない限り、「アルキル基」、「アルキレン基」及び「アルコキシ基」(ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、ヒドロキシアルキル基などを構成するアルキル基、アルコキシ基も含む)は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子を意味する。
「複素環式基」とは、酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子から選択される1〜3個のヘテロ原子を含む飽和又は不飽和の環(複素環)から1個の水素原子を除いた基を意味する。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子が挙げられる。
「2環性複素環式基」とは、複素環を含む2つの環を縮合して得られる縮合環から1個の水素原子を除いた基を意味する。
飽和の複素環式基としては、例えばピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、テトラヒドロフランなどから1個の水素原子を除いた基が挙げられる。
不飽和の複素環式基としては、例えばチオフェン、フラン、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、ピリジンなどから1個の水素原子を除いた基が挙げられる。
不飽和の2環性複素環式基としては、例えばインドール、インドリン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾオキサゾール、ベンゾジオキサゾールなどから1個の水素原子を除いた基が挙げられる。
置換基の数は、例えば1〜3個の場合、1、2又は3個のいずれでもよく、複数の置換基は互いに同一であっても異なっていてもよい。
以下、本発明の一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容できる塩について説明する。
一般式(I)において、R1は、直鎖状のC1-6アルキレン基(必要により、重水素原子で置換されていてもよい)を表す。
1は、直鎖状のC1-3アルキレン基がより好ましく、直鎖状のC1-2アルキレン基がさらにより好ましい。すなわち、R1としては、メチレン基又はエチレン基が特に好適に用いられる。
一般式(I)において、Qは、C3-8シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、インダニル基、テトラリニル基、3〜6員の飽和又は不飽和複素環式基あるいは9〜10員の飽和または不飽和の2環性複素環式基を表す。Qは、必要により、重水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、C1-3アルキル基、C1-3ハロアルキル基、C1-3アルキルチオ基、ニトリル基、C1-3アルコキシ基、C1-3ハロアルコキシ基、C1-3アルキルアミノ基、及びC2-6ジアルキルアミノ基から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよい。
Qは、C3-8シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、インダニル基、テトラリニル基が好ましく、フェニル基、ナフチル基、インダニル基、テトラリニル基がより好ましく、フェニル基、インダニル基がさらにより好ましい。
Qが置換基を有する場合、該置換基としては、ハロゲン原子、C1-3アルキル基、又はC1-3ハロアルキル基が好ましく、ハロゲン原子又はC1-3ハロアルキル基がより好ましい。該置換基の数は、1〜3個がより好ましく、1〜2個がさらにより好ましい。Qの基が無置換であることも好ましい。
一般式(I)において、Yは、−S−、−O−、又は−NR5−(式中R5は、水素原子、C1-6アルキル基、又はC1-6ハロアルキル基を表す)を表す。
Yは、−S−、−O−又は−NH−が好ましく、−S−、又は−NH−がより好ましく、−S−がさらにより好ましい。
一般式(I)において、Zは、単結合又はC1-6アルキレン基を表す。
Zは、単結合又はC1-3アルキレン基が好ましく、単結合又はC1-2アルキレン基がより好ましく、単結合又はメチレン基がさらにより好ましく、単結合であることが特に好ましい。
一般式(I)において、R3は、C3-8アルキル基、C3-8シクロアルキル基、又は3〜8員の飽和若しくは不飽和複素環式基を表し、必要により、重水素原子、ハロゲン原子、C1-3アルキル基、C1-3ハロアルコキシ基、及びC1-3ハロアルキル基から選択される同一又は異なる1〜7個の置換基を有していてもよい。
3はC3-6アルキル基又はC3-7シクロアルキル基が好ましく、C3-6シクロアルキル基がより好ましく、C4-5シクロアルキル基がさらにより好ましく、シクロブチル基が特に好ましい。
3が置換基を有する場合、該置換基の数は1〜7個であり、1〜6個が好ましく、1〜4個がより好ましく、1〜2個がさらにより好ましく、1個が特に好ましい。R3の基が無置換であることも好ましい。
一般式(I)において、R4は、C1-6アルキル基、フェニル基、C3-8シクロアルキル基、又は3員〜8員の飽和若しくは不飽和複素環式基を表し、必要により、重水素原子、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3ハロアルキル基,C1-3アルコキシ基、及びC1-3ハロアルコキシ基から選択される同一又は異なる1〜7個の置換基を有していてもよい。
4は、C1-6アルキル基、フェニル基、C3-7シクロアルキル基、又は5〜6員の飽和若しくは不飽和複素環式基がより好ましく、フェニル基がさらにより好ましい。
4が置換基を有する場合、該置換基の数は1〜7個であり、1〜6個が好ましく、1〜4個がより好ましく、1〜2個がさらにより好ましく、1個が特に好ましい。R4の基が無置換であることも好ましい。
一般式(I)において、R2は、単結合、−S1−U−S2−V−、−S3−C(=O)−NH−S4−、又は−S5−W−S6−を表す。
1及びS2は、それぞれ独立して直鎖状のC1-6アルキレン基を表し、必要により、C1-3アルキル基から選択される同一又は異なる1〜3個の置換基で置換されていてもよく、あるいは、前記直鎖状のC1-6アルキレン基を構成する1つの炭素原子(メチレン基)上の2個の置換基が結合して、該炭素原子とともに3〜7員環(炭素数3〜7のシクロアルキレン)、好ましくは3〜5員環(炭素数3〜5のシクロアルキレン)、より好ましくは3員環(シクロプロピレン)を形成していてもよい。
U及びVは、それぞれ独立して−S−、−O−、又は−NJ−(式中Jは、水素原子、C1-6アルキル基、又はC1-6ヒドロキシアルキル基を表す)を表す。
3は、直鎖状のC1-6アルキレン基を表し、必要により、重水素原子、ハロゲン原子、C1-3アルキル基、及びC1-3ハロアルキル基から選択される同一又は異なる1〜3個の置換基で置換されていてもよい。
4は、単結合、C1-6アルキレン基又は−C1-6アルキレン−O−を表す。
5は、C1-6ヒドロキシアルキル基、C1-6アミノアルキル基、及びC1-6チオアルキル基(必要により、これらの基に含まれる水酸基、アミノ基、又はメルカプト基は、C1-3アルキル基で置換されていてもよい)から選択される1〜3個の置換基で置換されている直鎖状のC1-6アルキレン基を表す。
Wは、単結合、−S−、−O−、又は−NH−を表す。
6は、単結合又はC1-3アルキレン基を表す。
2が、−S1−U−S2−V−である場合、S1及びS2は、それぞれ独立して直鎖状のC1-3アルキレン基が好ましく、直鎖状のC1-2アルキレン基がより好ましい。すなわち、S1及びS2としては、それぞれ独立して、メチレン基又はエチレン基が特に好適に用いられる。
Uは、−O−、又は−NJ−(式中Jは、水素原子、C1-3アルキル基、又はC1-3ヒドロキシアルキル基を表す)が好ましく、−O−がより好ましい。
Vは、−O−であることが好ましい。
1及び/又はS2の置換基の数としては、1〜2個が好ましく、1個がより好ましい。S1及び/又はS2の基が無置換であることも好ましい。
2が、−S3−C(=O)−NH−S4−である場合、S3は、直鎖状のC1-3アルキレン基が好ましく、直鎖状のC1-2アルキレン基がより好ましい。すなわち、S3としては、メチレン基又はエチレン基が特に好適に用いられる。
3が置換基を有する場合、該置換基は、重水素原子、ハロゲン原子、C1-3アルキル基、及びC1-3ハロアルキル基から選択される同一又は異なる1〜2個の置換基で置換されていることが好ましく、1個の置換基で置換されていることがより好ましい。S3が無置換であることも好ましい。
4は、単結合、又は−C1-3アルキレン−O−が好ましい。
2が、−S5−W−S6−である場合、S5は、C1-3ヒドロキシアルキル基、C1-3アミノアルキル基、及びC1-3チオアルキル基(必要により、これらの基に含まれる水酸基、アミノ基、又はメルカプト基は、C1-3アルキル基で置換されていてもよい)から選択される1〜2個、好ましくは1個の置換基で置換されている直鎖状のC1-3アルキレン基が好ましい。S5は、1〜2個、好ましくは1個のC1-3ヒドロキシアルキル基で置換されている直鎖状のC1-3アルキレン基であることがより好ましい。
Wは、単結合又は−O−が好ましく、−O−がより好ましい。
6は、単結合であることが好ましい。
以下に、一般式(I)で表される化合物の好ましい具体例を列挙するが、本発明の化合物はこれらに限定されるものではない。
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−(インダン−2−イルアミノ)プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
(±)−2−シクロブチルスルファニル−6−[3−(インダン−1−イルアミノ)プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−(シクロペンチルアミノ)プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
(±)−2−シクロブチルスルファニル−3−フェニル−6−[3−(テトラリン−1−イルアミノ)プロパノイル]−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−(シクロヘキシルアミノ)プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
6−[3−(シクロブチルアミノ)プロパノイル]−2−シクロブチルスルファニル−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−シクロブチルスルファニル−3−フェニル−6−[3−[2−[2−[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[2−[2−(4−フルオロフェノキシ)エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[2−[2−(4−メトキシフェノキシ)エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
6−[3−[2−[2−(4−tert−ブチルフェノキシ)エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−2−シクロブチルスルファニル−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[[1−(2−フェノキシエトキシメチル)シクロプロピル]アミノ]プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[2−[2−(2,4−ジフルオロフェノキシ)エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
6−[3−[2−[2−(4−クロロフェノキシ)エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−2−シクロブチルスルファニル−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−シクロブチルスルファニル−3−フェニル−6−[3−[2−(2−テトラリン−6−イルオキシエトキシ)エチルアミノ]プロパノイル]−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
6−[3−[2−[2−(4−ブロモフェノキシ)エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−2−シクロブチルスルファニル−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[2−[2−(3,4−ジフルオロフェノキシ)エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
6−[3−[2−[2−(3−クロロ−4−フルオロ−フェノキシ)エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−2−シクロブチルスルファニル−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[2−[2−(2−ナフチルオキシ)エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[2−[2−(2,4−ジクロロフェノキシ)エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[2−[2−(4−フルオロフェノキシ)エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−3−(4−フルオロフェニル)−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[2−[2−(4−メチルフェノキシ)エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
3−[[3−(2−シクロブチルスルファニル−4−オキソ−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−6−イル)−3−オキソ−プロピル]アミノ]−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパンアミド
2−[[3−(2−シクロブチルスルファニル−4−オキソ−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−6−イル)−3−オキソ−プロピル]アミノ]−N−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトアミド
2−[[3−(2−シクロブチルスルファニル−4−オキソ−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−6−イル)−3−オキソ−プロピル]アミノ]−N−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]アセトアミド
2−[[2−(2−シクロブチルスルファニル−4−オキソ−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−6−イル)−2−オキソ−エチル]アミノ]−N−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]アセトアミド
6−[3−[[(1R)−1−(ベンジルオキシメチル)−2−ヒドロキシ−エチル]アミノ]プロパノイル]−2−シクロブチルスルファニル−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[[(1S)−1−(シクロヘキシルメチル)−2−ヒドロキシ−エチル]アミノ]プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[[(1R)−1−(ヒドロキシメチル)−2−[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]エチル]アミノ]プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[[(1S,2S)−2−ヒドロキシ−1−[[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル]プロピル]アミノ]プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[[(2S)−3−ヒドロキシ−2−[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]プロピル]アミノ]プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[2−[2−ヒドロキシエチル−[2−[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]エチル]アミノ]エチルアミノ]プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
これらの中でも、一般式(I)で表される化合物としては、下記の化合物からなる群から選択される化合物が特に好ましい。
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−(インダン−2−イルアミノ)プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
(±)−2−シクロブチルスルファニル−6−[3−(インダン−1−イルアミノ)プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
(±)−2−シクロブチルスルファニル−3−フェニル−6−[3−(テトラリン−1−イルアミノ)プロパノイル]−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
6−[3−[2−[2−(3−クロロ−4−フルオロ−フェノキシ)エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−2−シクロブチルスルファニル−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[2−[2−(2−ナフチルオキシ)エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[2−[2−(2,4−ジクロロフェノキシ)エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[2−[2−(4−フルオロフェノキシ)エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−3−(4−フルオロフェニル)−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
2−[[2−(2−シクロブチルスルファニル−4−オキソ−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−6−イル)−2−オキソ−エチル]アミノ]−N−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]アセトアミド
2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[[(1S,2S)−2−ヒドロキシ−1−[[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル]プロピル]アミノ]プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
一般式(I)で表される化合物の医薬的に許容できる塩としては、例えば、酸付加塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩が挙げられる。
酸付加塩は、有機酸塩であっても無機酸塩であってもよい。有機酸塩としては、トリフルオロ酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、マロン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等が挙げられる。無機酸塩としては塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等が挙げられる。
アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。
アルカリ土類金属塩としてはカルシウム塩、マグネシウム塩が挙げられる。
また、有機塩基としての塩は、アンモニア、メチルアミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン等との塩が挙げられる。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容できる塩は、その水和物や溶媒和物の形態も含むものである。
<<用途>>
モノアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(MGAT)は、2−モノアシルグリセロール(MG)をジアシルグリセロール(DG)へとアシル化する酵素であり、DGは、その後ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(DGAT)によりトリアシルグリセロール(TG)へと再合成され、TGは肝臓や脂肪などの組織に蓄積されることとなる。
したがって、モノアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼの活性を顕著に阻害することができる本発明の一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容できる塩は、モノアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(MGAT)の活性を阻害するMGAT阻害剤、特にモノアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2(MGAT2)阻害剤として有用である。
また、モノアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ活性を阻害することにより、MGからDG、TGへの再合成が阻害され、その結果、体内、特に肝臓や脂肪組織への脂肪吸収が抑制される。したがって、本発明の一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容できる塩は、脂肪吸収抑制剤として有用である。
さらに、MGAT活性を阻害する本発明の一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容できる塩は、脂質代謝異常症の治療剤及び/又は予防剤として、あるいは肥満症治療剤及び/又は予防剤として有用である。同様に、本発明の一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容できる塩は、医薬組成物として、特に脂質代謝異常症を治療及び/又は予防するための医薬組成物、あるいは肥満症を治療及び/又は予防するための医薬組成物として有用である。
脂質代謝異常症としては、例えば、高コレステロール血症、高トリグリセライド血症が挙げられる。
本発明のMGAT阻害剤、脂肪吸収抑制剤、脂質代謝異常症治療剤及び/又は予防剤、肥満症治療剤及び/又は予防剤、並びに医薬組成物は、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容できる塩は単独で用いられてもよく、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容できる塩を有効成分として含む組成物の形態で用いられてもよい。
組成物の形態として用いられる場合、該組成物は、例えば、担体(好ましくは医薬的や生理学的に許容される固体又は液体の担体)や添加物などを含んでいてもよい。また、必要に応じて、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤、等張化剤等を適宜添加することもできる。
上記担体としては、例えば、グルコース、乳糖、ショ糖、澱粉、マンニトール、デキストリン、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルデンプン、エチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ゼラチン、アルブミン、アミノ酸、水、生理食塩水等が挙げられる。
上記添加物としては、目的に応じて当該目的に対して通常用いられるものであれば特に制限されないが、具体的には、例えば、香料、糖類、甘味料、食物繊維類、ビタミン類、グルタミン酸ナトリウム(MSG)などのアミノ酸類、イノシン一リン酸(IMP)などの核酸類、塩化ナトリウムなどの無機塩類、水などが挙げられる。
<<投与形態>>
本発明のMGAT阻害剤、脂肪吸収抑制剤、脂質代謝異常症治療及び/又は予防剤、肥満症治療及び/又は予防剤、並びに医薬組成物は、乾燥粉末、ペースト、溶液などの物性に制限なしに経口投与可能な形態で用いることができる。
このような経口投与可能な形態としては、例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠、舌下錠、口腔内崩壊錠を含む)、カプセル剤(ソフトカプセル、マイクロカプセルを含む)、顆粒剤、散剤、トローチ剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、フィルム剤(例、口腔内崩壊フィルム)、凍結乾燥剤等が挙げられる。
また、本発明のMGAT阻害剤、脂肪吸収抑制剤、脂質代謝異常症治療及び/又は予防剤、肥満症治療及び/又は予防剤、並びに医薬組成物は、注射剤(例、皮下注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、腹腔内注射剤、点滴剤)、外用剤(例、経皮製剤、軟膏剤)、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤)、ペレット、経鼻剤、経肺剤(吸入剤)、点眼剤等の非経口剤での形態でも用いることができる。
これらはそれぞれ経口的あるいは非経口的(例、局所、直腸、静脈投与)に安全に投与できる。これらの製剤は、速放性製剤または徐放性製剤等の放出制御製剤(例、徐放性マイクロカプセル)であってもよい。これらの製剤は製剤上の常套手段により調製することができる。
さらに、サプリメントなどで用いられている顆粒や錠剤、又はゼラチンカプセルなどに上記一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容できる塩を収納した形態で用いてもよい。
本発明のMGAT阻害剤、脂質代謝異常症治療剤、肥満症治療剤及び/又は予防剤、脂肪吸収抑制剤及び/又は予防剤、あるいは医薬組成物をヒトに投与する場合、本発明の一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容できる塩の投与量は、MGATの活性を阻害するのに有効な量(有効量)であればよく、その量は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状等によっても異なるが、例えばヒトに経口投与する場合には、約0.3mg〜約1g/kg/日、好ましくは約1mg〜約500mg/kg/日の量となるように投与すればよい。該量は、1日1回投与してもよいが、1日1〜5回、好ましくは1日1〜3回に分けて投与してもよく、2、3、4、5、6、7日又はそれ以上の日毎に1回の間隔で投与してもよい。
本発明のMGAT阻害剤は、その効果の増強を目的として、その他の抗肥満剤や、糖尿病治療剤、高脂血症治療剤等と組み合わせて用いることができる。
本発明のMGAT阻害剤、脂肪吸収抑制剤、脂質代謝異常症治療及び/又は予防剤、肥満症治療及び/又は予防剤あるいは医薬組成物と抗肥満剤、糖尿病治療剤、高脂血症治療剤とを組み合わせて用いる場合、これらの投与時期は特に限定されず、投与対象に対し、これらを同時に投与してもよいし、時間差をおいて別々に投与しても良い。
<<製造方法>>
本発明の一般式(I)で表される化合物の製造方法を以下に記す。本発明の化合物は例えば下記の製造方法A,Bによって製造することができる。
<製造方法A>
一般式(I)で表される化合物の内、R1がエチレン基、Yが−S−である化合物(下記A8)は、例えば下記の製法によって製造することができる。
[a−1工程]
本工程は化合物(A1)に適当な溶媒とアミンの存在下、Boc2O(ジターシャリーブチルジカーボネート)を加えて室温で攪拌し(A2)を得る工程である。溶媒は好ましくはジクロロメタン、アミンは好ましくはトリエチルアミンである。反応後、抽出により精製する。
[a−2工程]
本工程は化合物(A2)をアンモニア水の存在下で加熱し(A3)を得る工程である。反応後、抽出し、カラムクロマトグラフィーで精製する。
[a−3工程]
本工程は化合物(A3)に適当な溶媒とアミンの存在下、対応するイソチオシアネートを加えて加熱し(A4)を得る工程である。反応後、反応液を濃縮し、結晶化により精製する。
[a−4工程]
本工程は化合物(A4)に適当な溶媒とアミンの存在下、対応するアルキルハライド(R3−Hal)を加えて攪拌し(A5)を得る工程である。反応後、抽出・濃縮し、カラムクロマトグラフィーを行うか、あるいは結晶化により精製する。
[a−5工程]
本工程は化合物(A5)に適当な溶媒と酸触媒の存在下で保護基を脱保護し(A6)を得る工程である。反応後、反応液を濃縮し、結晶化により精製する。
[a−6工程]
本工程は化合物(A6)に適当な溶媒と塩基の存在下で、アクリル酸クロライドを加えて室温で攪拌し(A7)を得る工程である。反応後、抽出・濃縮し、結晶化により精製する。
[a−7工程]
本工程は化合物(A7)に適当な溶媒と塩基の存在下で、対応するアミンを加えて80℃で加熱撹拌し(A8)を得る工程である。反応後、反応液を濃縮し、逆相分取カラムで精製する。
<製造方法B>
一般式(I)で表される化合物の内、R1がメチレン基、Yが−S−である化合物(下記B2)は、例えば下記の製法によって製造することができる。
[b−1工程]
本工程は化合物(A6)に適当な溶媒とアミンの存在下で、クロロアセチルクロライドを加えて(B1)を得る工程である。反応後、精製することなく[b−2工程]に用いる。
[b−2工程]
本工程は化合物(B1)に適当な溶媒と塩基の存在下で、対応するアミンを加えて80℃で加熱撹拌し(B2)を得る工程である。反応後、反応液を濃縮し、逆相分取カラムで精製する。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。但し、本発明はこれらの説明内容に限定されるものではない。
[参考例1]
<2−シクロブチルスルファニル−3−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン 塩酸塩
2−cyclobutylsulfanyl−3−phenyl−5,6,7,8−tetrahydropyrido[4,3-d]pyrimidin−4−one hydrochloride)(下記式(VI)の化合物)の合成>
(工程(i))
化合物I(10.0g)をジクロロメタン(200mL)に溶かし、トリエチルアミン(20mL)を加えた。ついでBoc2O(10.6g)を加えて室温で20時間攪拌した。反応液に飽和食塩水を加えてジクロロメタンで3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。精製することなく、そのまま工程(ii)へ進んだ。
(工程(ii))
化合物IIに28%アンモニア水(130mL)を加えて、80℃で2時間半攪拌した。反応液に飽和食塩水を加えてジクロロメタンで3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。シリカゲルカラム(酢酸エチル:ヘキサン=40/60)で精製して化合物III(9.7g,75%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3) δ 4.10−4.20(2H,m),4.07(2H,brs),3.72(1H,t,J=4.7),3.51(2H,t,J=4.4),2.44(1H,t,J=4.7),2.28(2H,t,J=4.3),1.47(9H,s),1.25(3H,t,J=5.3).MS:271[M+H]+
(工程(iii))
化合物III(9.7g)をピリジン(49mL)に溶かしてフェニルイソチオシアネート(8.6mL)を加えて90℃で15時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、トルエンで溶解させた。ジエチルエーテルを加えて結晶化させて化合物IV(8.2g,64%)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ 12.74(1H,brs),7.36−7.48(3H,m),7.16−7.18(2H,m),4.06(2H,brs),3.57(2H,t,J=4.2),2.55(2H,brs),1.42(9H,s).MS:360[M+H]+
(工程(iv))
化合物IV(10.0g)のDMF(100ml)溶液にシクロブチルブロマイド(2.9ml),ジアザビシクロウンデセン(4.6ml)を加えて40℃で2日間攪拌した。反応後、食塩水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた化合物は精製することなく、次の反応に用いた。
(工程(v))
化合物Vのメタノール(100ml)溶液に4N−HCl/ジオキサンを30ml加えて0℃で6時間攪拌した。反応後、溶液を減圧濃縮した。得られた固体をメタノール−酢酸エチルで結晶化させ、化合物VI(5.9g)を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6) δ 8.80(s,2H),7.61-7.51(m,3H),7.36-7.27(m,4H),7.26-7.17(m,3H),4.32(s,1H),4.27-4.12(m,4H),3.81(t,J=5.8Hz,1H),3.65(t,J=5.7Hz,1H),2.98-2.86(m,2H),2.80-2.73(m,1H),2.70-2.59(m,2H), 2.44-2.28(m,3H),2.04-1.86(m,6H).MS:314[M+H]+
[実施例1]
<2−シクロブチルスルファニル−6−[3−(インダン−2−イルアミノ)プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン トリフルオロ酢酸塩
2−cyclobutylsulfanyl−6−[3−(indan−2−ylamino)propanoyl]−3−phenyl−7,8−dihydro−5H−pyrido[4,3−d]pyrimidin−4−one trifluoroacetate (下記式(VIII)の化合物)の合成>
(工程(vi))
化合物VI(2.0g)のジクロロメタン(15ml)溶液にアクリル酸クロライド(693mg),ジイソプロピルエチルアミン(2.99ml)を加えて室温で1時間攪拌した。ジクロロメタン、1NHClを加えた後に、ジクロロメタンで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。分取シリカゲルカラム(酢酸エチル;ヘキサン/1:4)で精製して化合物VIIを1.7g得た。
(工程(vii))
化合物VII(46mg)をテトラヒドロフラン(0.5ml)に溶かした。ジアザビシクロウンデセン(56μl)、インダン−2−アミン(24μl)を加えて80℃で15時間攪拌した。減圧濃縮し逆相分取カラムで精製して化合物VIII(48mg,62%)を得た。
[実施例2〜24及び26〜31]
実施例1の方法に準じて、下記表1に示す実施例2〜24の化合物及び実施例26〜31の化合物を合成した。
[実施例25]
<2−[[2−(2−シクロブチルスルファニル−4−オキソ−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−6−イル)−2−オキソ−エチル]アミノ]−N−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]アセトアミド トリフルオロ酢酸塩
2−[[2−(2−cyclobutylsulfanyl−4−oxo−3−phenyl−7,8−dihydro−5H−pyrido[4,3−d]pyrimidin−6−yl)−2−oxo−ethyl]amino]−N−[2−(4−fluorophenoxy)ethyl]acetamide trifluoroacetate (下記式(X)の化合物)の合成>
(工程(viii))
化合物VI(100mg)のジクロロメタン(2ml)溶液にクロロアセチルクロライド(33μl),ジイソプロピルエチルアミン(0.25ml)を加えて室温で15時間攪拌し、化合物IXを得た。化合物IXは精製することなく、次工程(ix)に用いた。
(工程(ix))
工程(viii)で得た化合物IXのジクロロメタン溶液に2−アミノ−N−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]アセトアミドのトリフルオロ酢酸塩(140mg),ジイソプロピルエチルアミン(0.25ml)を加えて50℃で15時間攪拌した。減圧濃縮し逆相分取カラムで精製して化合物X(41mg,21%)を得た。















[薬理試験]
本発明の実施例1〜31の化合物についてその薬理作用を調べた。
<(1)ヒトMGAT2組換え酵素の調製>
Am.J.Physiol.Endocrinol.Metab.285:E927−E937,2003.記載のヒトMGAT2遺伝子を、Jump−InTM CHO−K1 Kit(Life technologies社)にて添付説明書通り発現させた。この細胞を終濃度1mMトリス塩酸(pH7.4)、1mMエチレンジアミン四酢酸、1mMジチオトレイトール、250mMスクロース、コンプリート・プロテアーゼインヒビターカクテル(Roche applied Science社)を含む緩衝液に懸濁した後、テフロンホモジナイザー(アズワン社)を用いて破砕し、130Gにて10分遠心した。この上清を更に100,000Gにて1時間遠心し、ペレットを組換え酵素を含むミクロソームとして取得し、これを800−1900μg/ml程度のタンパク質濃度に懸濁したものをMGAT組換え酵素溶液とした。
<(2)ヒトMGAT2活性阻害作用試験>
50mMトリス塩酸(pH7.4)、6mM塩化マグネシウム、2mg/mLウシ血清アルブミンを含む緩衝液に、被検化合物を加え、最終的にジメチルスルホキシド濃度が0.3%になるようにした。更に2−モノオレオイルグリセロール、オレオイルCoA、1−14C−オレオイルCoA(Perkin Elmer社)、オルリスタット(SIGMA社)をそれぞれ終濃度50μM、50μM、2.2μM、8.3μMとなるように添加し、37℃にて10分間保温した。10分後、ヒトMGAT2組換え酵素溶液を終濃度0.67μg/mLとなるように添加し、反応溶液量150μLにて反応を開始した。反応は37℃にて30分間行った。
30分後、300μLのイソプロパノール:ヘプタン:水=(80:20:2)を反応液に添加し、反応を停止した。更に200μLのヘプタン、100μLの水を加え撹拌した後、上層100μLを96ウェルプレート(Corning社)へ移し変え、100μLの液体シンチレーター(ルーマセーフプラス、Lumac社)と混合した後、TopCount NXTTM マイクロプレートシンチレーション・ルミネッセンスカウンター(Perkin Elmer社)を用いて、14Cカウントを定量した。
被験化合物を添加しないときの14CカウントをA、WO2008/038768実施例8番の化合物(比較例1)10μMを添加したときの14CカウントをBと規定し、被験化合物を添加したときの14CカウントをCとした場合において、{1−(C−B)/(A−B)}x100(%)をヒトMGAT2活性阻害率として算出した(下記の表中のvs比較例1の欄)。また実施例1〜31及び比較例1について複数濃度における阻害率を算出し、XLFit(IDBS社)を用いた4係数ロジスティック回帰分析により50%阻害濃度(IC50値)を求めた。

* 比較例1の化学構造式を以下に示す。
表2から判るように、本発明の化合物は、その構造により、特に従来の化合物にはない「−C(=O)−R1−NH−」の構造を有することにより、従来の化合物である比較例1の化合物よりも極めて高いMGAT2阻害活性が得られた。したがって、本発明の化合物は、従来の化合物よりもMGAT2阻害剤として優れており、脂肪吸収抑制作用を有し、脂質代謝異常症や肥満症に対しても有効に作用すると考えられる。
本発明の一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容できる塩は、従来の化合物に比べてMGAT2阻害活性が極めて高い。したがって、MGAT2阻害剤として優れており、脂肪吸収の抑制、脂質代謝異常症の治療・予防、肥満症の治療・予防に好適に用いることが出来る。したがって、産業上、極めて有用である。

Claims (14)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容できる塩。
    式中、
    1は、直鎖状のC1-6アルキレン基(必要により、重水素原子で置換されていてもよい)を表し;
    2は、単結合、−S1−U−S2−V−、−S3−C(=O)−NH−S4−、又は−S5−W−S6−を表し;
    1及びS2は、それぞれ独立して直鎖状のC1-6アルキレン基を表し、必要により、C1-3アルキル基から選択される同一又は異なる1〜3個の置換基で置換されていてもよく、あるいは、前記直鎖状のC1-6アルキレン基を構成する1つの炭素原子上の2個の置換基が結合して、該炭素原子とともに3〜7員環を形成していてもよく;
    U及びVは、それぞれ独立して−S−、−O−、又は−NJ−(式中Jは、水素原子、C1-6アルキル基、又はC1-6ヒドロキシアルキル基を表す)を表し;
    3は、直鎖状のC1-6アルキレン基を表し、必要により、重水素原子、ハロゲン原子、C1-3アルキル基、及びC1-3ハロアルキル基から選択される同一又は異なる1〜3個の置換基で置換されていてもよく;
    4は、単結合、C1-6アルキレン基又は−C1-6アルキレン−O−を表し;
    5は、C1-6ヒドロキシアルキル基、C1-6アミノアルキル基、及びC1-6チオアルキル基(必要により、これらの基に含まれる水酸基、アミノ基、又はメルカプト基は、C1-3アルキル基で置換されていてもよい)から選択される1〜3個の置換基で置換されている直鎖状のC1-6アルキレン基を表し;
    Wは、単結合、−S−、−O−、又は−NH−を表し;
    6は、単結合又はC1-3アルキレン基を表し;
    Qは、C3-8シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、インダニル基、テトラリニル基、3〜6員の飽和又は不飽和複素環式基あるいは9〜10員の飽和または不飽和の2環性複素環式基を表し、必要により、重水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、C1-3アルキル基、C1-3ハロアルキル基、C1-3アルキルチオ基、ニトリル基、C1-3アルコキシ基、C1-3ハロアルコキシ基、C1-3アルキルアミノ基、及びC2-6ジアルキルアミノ基から選択される同一又は異なる1〜5個の置換基で置換されていてもよく;
    Yは、単結合、−S−、−O−、又は−NR5−(式中R5は、水素原子、C1-6アルキル基、又はC1-6ハロアルキル基を表す)を表し;
    Zは、単結合又はC1-6アルキレン基を表し;
    3は、C3-8アルキル基、C3-8シクロアルキル基、又は3〜8員の飽和若しくは不飽和複素環式基を表し、必要により、重水素原子、ハロゲン原子、C1-3アルキル基、C1-3ハロアルコキシ基及びC1-3ハロアルキル基から選択される同一又は異なる1〜7個の置換基を有していてもよく;
    4は、C1-6アルキル基、フェニル基、C3-8シクロアルキル基、又は3〜8員の飽和若しくは不飽和複素環式基を表し、必要により、重水素原子、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、C1-3アルキル基、C1-3ハロアルキル基,C1-3アルコキシ基、及びC1-3ハロアルコキシ基から選択される同一又は異なる1〜7個の置換基を有していてもよい。
  2. 1が、直鎖上のC1-3アルキレン基である、請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容できる塩。
  3. 1及びS2が、それぞれ独立して直鎖状のC1-3アルキレン基を表し;
    Uが、−O−、又は−NJ−(式中Jは、水素原子、C1-3アルキル基、又はC1-3ヒドロキシアルキル基を表す)を表し;
    Vが、−O−を表し;
    3が、直鎖状のC1-3アルキレン基を表し;
    4が、単結合又は−C1-3アルキレン−O−を表し;
    5が、1〜2個のC1-3ヒドロキシアルキル基で置換されている直鎖状のC1-3アルキレン基を表し;
    Wが、単結合、又は−O−を表し;
    6が、単結合を表す、
    請求項1又は2に記載の化合物又はその医薬的に許容できる塩。
  4. QがC3-8シクロアルキル基、フェニル基、ナフチル基、インダニル基、又はテトラリニル基を表し、必要により、ハロゲン原子、C1-3アルキル基、及びC1-3ハロアルキル基から選択される同一又は異なる1〜3個の置換基で置換されていてもよい、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容できる塩。
  5. Yが、−S−、−O−、又は−NH−である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容できる塩。
  6. Zが、単結合又はC1-3アルキレン基である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容できる塩。
  7. 3がC3-6アルキル基又はC3-7シクロアルキル基である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容できる塩。
  8. 4が、C1-6アルキル基、フェニル基、C3-7シクロアルキル基、又は5〜6員の飽和若しくは不飽和複素環式基である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物又はその医薬的に許容できる塩。
  9. 下記の化合物からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容できる塩。
    2−シクロブチルスルファニル−6−[3−(インダン−2−イルアミノ)プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
    (±)−2−シクロブチルスルファニル−6−[3−(インダン−1−イルアミノ)プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
    (±)−2−シクロブチルスルファニル−3−フェニル−6−[3−(テトラリン−1−イルアミノ)プロパノイル]−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
    6−[3−[2−[2−(3−クロロ−4−フルオロ−フェノキシ)エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−2−シクロブチルスルファニル−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
    2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[2−[2−(2−ナフチルオキシ)エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
    2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[2−[2−(2,4−ジクロロフェノキシ)エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
    2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[2−[2−(4−フルオロフェノキシ)エトキシ]エチルアミノ]プロパノイル]−3−(4−フルオロフェニル)−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
    2−[[2−(2−シクロブチルスルファニル−4−オキソ−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−6−イル)−2−オキソ−エチル]アミノ]−N−[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]アセトアミド
    2−シクロブチルスルファニル−6−[3−[[(1S,2S)−2−ヒドロキシ−1−[[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]メチル]プロピル]アミノ]プロパノイル]−3−フェニル−7,8−ジヒドロ−5H−ピリド[4,3−d]ピリミジン−4−オン
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容しうる塩を有効成分として含む、モノアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(MGAT)阻害剤。
  11. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容しうる塩を有効成分として含む、脂肪吸収抑制剤。
  12. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容しうる塩を有効成分として含む、肥満症の予防及び/又は治療剤。
  13. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容しうる塩を有効成分として含む、脂質代謝異常症の予防及び/又は治療剤。
  14. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容しうる塩を有効成分として含む、医薬組成物。
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