JP4816223B2 - 反射防止積層体の製造方法 - Google Patents

反射防止積層体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、基材とその上に形成された無機微粒子層とを有する反射防止積層体の製造方法に関する。
LCD、PDP、CRT、有機EL、無機EL、FEDのような各種ディスプレイにおいては、太陽光や蛍光灯といった外部光が表面で反射することにより、映り込みやギラツキが発生し、画像の視認性が低下することが問題となっていた。
上記問題はディスプレイ表面での屈折率の急激な変化が原因であり、これを緩和する手法として、ディスプレイの表面に当該表面を構成する材料よりも低い屈折率をもつ材料からなる反射防止膜を形成することが知られている。反射防止膜を有する基材として、例えば鎖状シリカ微粒子およびその鎖状シリカ微粒子の重量に対して5〜30重量%の非粒子状シリカからなり、110〜250nmの厚みを有する膜がガラス基板表面に被覆されており、その膜表面に凹凸が形成されている可視光反射防止ガラス板が知られている(特許文献1参照)。
特開平11−292568号公報
しかしながら前記のような反射防止膜を形成するためには、加水分解および/または縮重合が可能な有機珪素化合物やこれらの加水分解物から選択される珪素化合物を用いて、高温処理することが必須であった。そのため、反射防止膜を形成させる基材として、耐熱性に優れるものしか用いることができないという問題があった。
本発明の目的は、高温で処理することなく形成することができ、反射防止性能および膜強度に優れる反射防止積層体の製造方法を提供する。
すなわち本発明は、粒径が10〜60nmである3個以上の粒子が鎖状に連なった無機微粒子鎖(A)、平均粒子径が1〜20nmである無機微粒子(B)、および液体分散媒を用いて、下式(1)および(2)を満たす混合無機微粒子分散液を調製すること、
該混合無機微粒子分散液を基材上に塗布すること、および
前記基材に塗布した前記分散液から分散媒を除去して基材上に無機微粒子層を形成すること
を含む、反射防止積層体の製造方法を提供する。
(1)0.55≦RVa≦0.90
(2)0.10≦RVb≦0.45
但し、RVaは前記分散液中における前記無機微粒子鎖(A)と無機微粒子(B)の合計体積に対する前記無機微粒子鎖(A)の体積の割合であり、RVbは前記分散液中における前記無機微粒子鎖(A)と無機微粒子(B)の合計体積に対する前記無機微粒子(B)の体積の割合である。
本発明によれば、高温処理が必須ではないため、耐熱性に劣る材料から形成される基材上にも反射防止性能および膜強度に優れる反射防止膜が積層された反射防止積層体を製造することができる。
以下、本発明について詳述する。
本発明の方法で製造される反射防止積層体とは、主にLCD、PDP、CRT、有機EL、無機EL、FEDのような各種ディスプレイの反射防止材として使用される部材であり、より具体的には、ディスプレイ表面での外部光に起因する映り込みの防止や、ディスプレイ内部の発光体または発光層から発生した光のディスプレイ内部での反射に起因するディスプレイの輝度の低下防止を目的として、主にディスプレイの表面もしくは内部に配されるものである。
本発明において、基材としては、用途に応じた適度な機械的剛性を有する透明材料、例えば透明プラスチックフィルムまたはシート、透明ガラスを使用することができる。透明プラスチックフィルムまたはシートの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、ポリメタクリル酸メチル等のフィルムまたはシートを挙げることができる。透明性に優れ光学的に異方性が無いことから、トリアセチルセルロースやポリエチレンテレフタレートからなるフィルムまたはシートが好ましい。また、偏光板、拡散板、導光板、輝度向上フィルム、反射偏光板などの光学用部材を基材として使用することもできる。基材は、紫外線硬化性樹脂等からなるハードコート層や導電性微粒子等を含有する帯電防止層を表面層として有していてもよい。
本発明の方法で使用する混合無機微粒子分散液は、粒径が10〜60nmである3個以上の粒子が鎖状に連なった無機微粒子鎖(A)、平均粒子径が1〜20nmである無機微粒子(B)および液体分散媒を用いて調製され、下式(1)および(2)を満たす。
(1)0.55≦RVa≦0.90
(2)0.10≦RVb≦0.45
但し、RVaは前記分散液中における前記無機微粒子鎖(A)と無機微粒子(B)の合計体積に対する前記無機微粒子鎖(A)の体積の割合であり、RVbは前記分散液中における前記無機微粒子鎖(A)と無機微粒子(B)の合計体積に対する前記無機微粒子(B)の体積の割合である。
無機微粒子鎖(A)の化学組成と無機微粒子(B)の化学組成とは同じであってもよく、また異なっても良い。無機微粒子鎖(A)および無機微粒子(B)として使用される無機微粒子の例としては、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、カオリン等が挙げられる。溶媒中での分散性が良好であり、屈折率が低く、また、粒径分布が小さい粉体の入手が容易であるので、無機微粒子鎖(A)と無機微粒子(B)はシリカであることが好ましい。
本発明の方法で使用される無機微粒子鎖(A)とは、粒径が10〜60nmである粒子が3個以上鎖状に連なっている無機微粒子の鎖である。このような無機微粒子鎖としては市販品を使用することができ、その例としては、日産化学工業株式会社製のスノーテックス(登録商標)UP、OUP、PS−S、PS−SO、PS−M、PS−MO(これらは、水を分散媒とするシリカゾルである)、および日産化学工業株式会社製のIPA−ST−UP(これは、イソプロパノールを分散媒とするシリカゾルである)などを挙げることができる。無機微粒子鎖を形成している粒子の粒径、および無機微粒子鎖の形状は透過型電子顕微鏡により観察により決定できる。ここで、「鎖状に連なった」という表現は、「環状に連なった」に相対する表現であり、直線状に連なったものだけではなく、折れ曲がって連なったものも包含される。
本発明の方法で使用される無機微粒子(B)の平均粒子径は1〜20nmである。ここで無機微粒子(B)の平均粒子径は動的光散乱法またはシアーズ法により求められる。動的光散乱法による平均粒子径の測定は、市販の粒度分布測定装置を使用して行うことができる。シアーズ法とは、Analytical Chemistry, vol. 28, p. 1981-1983, 1956に記載された方法であって、シリカ粒子の平均粒子径の測定に適用される分析手法であり、pH=3のコロイダルシリカ分散液をpH=9にするまでに消費されるNaOHの量から表面積を求め、求めた表面積から球相当径を算出する方法である。このようにして求められた球相当径を平均粒子径とする。
混合無機微粒子分散液は、典型的には、例えば下記[1]〜[5]のいずれかの方法により調製することができるが、これらの方法に限定されるものではない。
[1]無機微粒子鎖(A)の粉末と無機微粒子(B)の粉末とを同時に共通の液体分散媒中に添加し、分散させる方法。
[2]無機微粒子鎖(A)を第一の液体分散媒中に分散させて第一の分散液を調製し、別途、無機微粒子(B)を第二の液体分散媒中に分散させて第二の分散液を調製し、次いで第一および第二の分散液を混合する方法。
[3]無機微粒子鎖(A)を液体分散媒中に分散させて分散液を調製し、次いで該分散液に無機微粒子(B)の粉末を添加し、分散させる方法。
[4]無機微粒子(B)を液体分散媒中に分散させて分散液を調製し、次いで該分散液に無機微粒子鎖(A)の粉末を添加し、分散させる方法。
[5]分散媒中で粒成長させて無機微粒子鎖(A)を含有する第一の分散液を調製し、別途、分散媒中で粒成長させて無機微粒子(B)を含有する第二の分散液を調製し、次いで第一および第二の分散液を混合する方法。
超音波分散、超高圧分散等の強分散手法を適用することにより、混合無機微粒子分散液中において、無機微粒子を特に均一に分散させることが出来る。
より均一な分散を達成するために、混合無機微粒子分散液の調製に使用する無機微粒子鎖(A)の分散液や無機微粒子(B)の分散液や、最終的に得られる混合無機微粒子分散液中で無機微粒子はコロイド状態であることが好ましい。分散媒には水や揮発性の有機溶媒を用いることができる。
前記[2]、[3]、[4]または[5]の方法において、無機微粒子鎖(A)の分散液、無機微粒子(B)の分散液、または無機微粒子鎖(A)の分散液と無機微粒子(B)の分散液の両方がコロイダルアルミナである場合には、陽性に帯電するアルミナ粒子を安定化させるため、コロイダルアルミナ中に塩素イオン、硫酸イオン、酢酸イオンなどの陰イオンを対アニオンとして添加することが好ましい。コロイダルアルミナのpHは特に限定されるものではないが、分散液の安定性の観点からpH2〜6であることが好ましい。
また、前記[1]の方法においても、無機微粒子鎖(A)および無機微粒子(B)の少なくとも一方がアルミナであって、混合無機微粒子分散液がコロイド状態である場合には、該混合無機微粒子分散液に塩素イオン、硫酸イオン、酢酸イオンなどの陰イオンを添加することが好ましい。
前記[2]、[3]、[4]または[5]の方法において、無機微粒子鎖(A)の分散液、無機微粒子(B)の分散液、または無機微粒子鎖(A)の分散液と無機微粒子(B)の分散液の両方がコロイダルシリカである場合には、陰性に帯電するシリカ粒子を安定化させるため、コロイダルシリカ中にアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンなどの陽イオンを対カチオンとして添加することが好ましい。コロイダルシリカのpHは特に限定されるものではないが、分散液の安定性の観点からpH8〜11であることが好ましい。
また、前記[1]の方法においても、無機微粒子鎖(A)および無機微粒子(B)のうちの少なくとも一つがシリカであって、混合無機微粒子分散液がコロイド状態である場合には、該混合無機微粒子分散液にアンモニウムイオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンなどの陽イオンを添加することが好ましい。
本発明の混合無機微粒子分散液は、下式(1)および(2)を満たさなければならない。
(1)0.55≦RVa≦0.90
(2)0.10≦RVb≦0.45
但し、RVaは前記分散液中における前記無機微粒子鎖(A)と無機微粒子(B)の合計体積に対する前記無機微粒子鎖(A)の体積の割合であり、RVbは前記分散液中における前記無機微粒子鎖(A)と無機微粒子(B)の合計体積に対する前記無機微粒子(B)の体積の割合である。
換言すれば、上式におけるRVaおよびRVbは、それぞれ無機微粒子鎖(A)の体積分率および無機微粒子(B)の体積分率に相当する。無機微粒子鎖(A)および無機微粒子(B)が同じ化学種であれば、一般に、無機微粒子鎖(A)および無機微粒子(B)の体積分率(RVaおよびRVb)は、無機微粒子鎖(A)および無機微粒子(B)の重量分率と等しい。
混合無機微粒子分散液に含まれる無機微粒子鎖(A)および無機微粒子(B)の量は特に限定されるものではないが、塗工性および分散性の観点から1〜20重量%であることが好ましく、3〜10重量%であることがより好ましい。
本発明の方法では、無機微粒子鎖(A)と無機微粒子(B)と液体分散媒とを使用して調整した無機微粒子混合液を、基材上に塗布し、ついで、塗布した無機微粒子混合液から液体分散媒を適当な手段で除去することにより、前記基材上に無機微粒子層が形成される。この無機微粒子層は反射防止機能を有するので、本発明の方法によって反射防止積層体が形成されることになる。無機微粒子層の厚さは特に限定されない。ディスプレイ内部における外部光の反射を効果的に防止するためにディスプレイの表面層として使用するのに適した反射防止積層体の製造においては、反射防止積層体における無機微粒子層の厚みを50〜150nmとすることが好ましく、80〜130nmとすることがより好ましい。無機微粒子層の厚みは、混合無機微粒子分散液中の無機微粒子鎖(A)および無機微粒子(B)の量、および混合無機微粒子分散液の塗布量を変更することにより調節することができる。
本発明において、混合無機微粒子分散液には、無機微粒子の分散の安定化などを目的として、界面活性剤、有機系電解質などの添加剤を添加してもよい。
混合無機微粒子分散液が界面活性剤を含む場合、その含有量は分散媒100重量部に対し、通常0.1重量部以下である。用いられる界面活性剤は特に限定されるものではなく、例えばアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、カルボン酸のアルカリ金属塩が挙げられ、具体的にはカプリル酸ナトリウム、カプリル酸カリウム、デカン酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、ステアリン酸テトラメチルアンモニウム、ステアリン酸ナトリウムなどが挙げられる。特に、炭素原子数6〜10のアルキル鎖を有するカルボン酸のアルカリ金属塩が好ましい。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム、臭化−N−オクタデシルピリジニウム、臭化セチルトリエチルホスホニウムなどが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステルグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
両性界面活性剤としては、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインなどが挙げられる。
混合無機微粒子分散液が有機系電解質を含む場合、その含有量は液体分散媒100重量部に対し、通常0.01重量部以下である。本発明における有機系電解質とは、電離性イオン性基を有する有機化合物(ただし、界面活性剤を除く)を指す。例えば、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ブチルスルホン酸カリウム、フェニルホスフィン酸ナトリウム、ジエチルリン酸ナトリウムなどが挙げられる。該有機系電解質はベンゼンスルホン酸誘導体であることが好ましい。
本発明において、基材上に混合無機微粒子分散液を塗布する方法は特に限定されず、例えば、グラビアコーティング、リバースコーティング、刷毛ロールコーティング、スプレーコーティング、キスコーティング、ダイコーティング、ディッピング、バーコーティングなどの公知の方法で塗布することができる。
基材に混合無機微粒子分散液を塗布する前に、基材の表面にコロナ処理、オゾン処理、プラズマ処理、フレーム処理、電子線処理、アンカーコート処理、洗浄処理などの前処理を行なうことが好ましい。
基材上に塗布した混合無機微粒子分散液から液体分散媒を除去することにより、基材上に無機微粒子層を形成する。液体分散媒の除去は、例えば、常圧下または減圧下における加熱により行なうことができる。液体分散媒の除去の際の圧力、加熱温度は、使用する材料(すなわち、無機微粒子鎖(A)、無機微粒子(B)および液体分散媒)に応じて適宜選択することができる。例えば、分散媒が水であるときは、一般的には50〜80℃で、好ましくは約60℃で乾燥することができる。
本発明の方法によれば、200℃を超えるような高温での処理を行うことなく、強度に優れた無機微粒子層を基材上に形成することができる。これは、形成された無機微粒子層が、無機微粒子鎖(A)の間隙に無機微粒子(B)が位置する構造となっており、無機微粒子(B)を介して無機微粒子鎖(A)が繋ぎ止められているからであると推定される。
本発明の方法で形成された反射防止積層体の無機微粒子層の上には、更にフッ素系化合物等からなる防汚層を形成してもよい。防汚層の形成には、ディップコーティング法を使用することができる。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
使用した主な材料は以下のとおりである。
[基材]
富士写真フィルム株式会社製のトリアセチルセルロースフィルム(商品名:フジタック;反射率:4.0%;透過率:93.0%;厚み:80μm)
[無機微粒子鎖(A)]
(1)スノーテックス(登録商標)PS−M(日産化学工業株式会社製の鎖状コロイダルシリカ;球状粒子の粒径:18〜25nm;動的光散乱法による平均粒径111nm;固形分濃度:20重量%) 以下、これを「PS−M」と記す。
(2)スノーテックス(登録商標)PS−S(日産化学工業株式会社製の鎖状コロイダルシリカ;球状粒子の粒径:10〜18nm;動的光散乱法による平均粒径106nm;固形分濃度20重量% 以下、これを「PS−S」と記す。
[無機微粒子(B)]
スノーテックス(登録商標)ST−XS(日産化学工業株式会社製のコロイダルシリカ;平均粒径4〜6nm;固形分濃度20重量%) 以下、これを「ST−XS」と記す。
なお、実施例の評価は以下の方法により行なった。
各実施例および比較例における混合無機微粒子分散液中の無機微粒子鎖および無機微粒子の全無機微粒子に対する体積分率は表1にまとめた。なお、全ての例において無機微粒子層の形成に使用した無機微粒子鎖(A)および無機微粒子(B)は共にシリカであったので、無機微粒子鎖(A)および無機微粒子(B)の重量分率をこれらの体積分率として使用した。
(1)反射率:島津製作所製の分光光度計UV−3150を用いて可視光領域における入射角5°の相対正反射強度を測定した。測定の際には、フィルムの裏面に黒色テープを貼った。
(2)透過率:島津製作所製の分光光度計UV−3150を用いて、可視光領域における全光線透過率を測定した。
(3)膜強度:無機微粒子層表面をキムワイプS−200(登録商標:クレシア社製の産業用ワイパー)で擦り、無機微粒子層の剥離の有無を確認した。剥離が無いものは膜強度に優れ、剥離があるものは膜強度に劣るものと判断した。表1では、剥離が無いものを○、剥離があるものを×、とした。
[実施例1]
無機微粒子鎖(A)としてPS−M(50g)と、無機微粒子(B)としてST−XS(12.5g)とを187.5gの純水に投入、マグネチックスターラーを用いて攪拌し、混合無機微粒子分散液を調製した。混合液中の固形分濃度はPS−Mが4重量%、ST−XSが1重量%である。この混合液をバーコーターを用いてトリアセチルセルロースフィルム基材上に塗布し、60℃で乾燥して無機微粒子層を形成した。得られた無機微粒子層の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)写真から求めた該無機微粒子層の厚みは114nm、可視光領域での最小反射率は0.3%であり、膜強度は優れていた。
[実施例2]
無機微粒子鎖(A)としてPS−M(50g)と、無機微粒子(B)としてST−XS(25g)とを175gの純水に投入、マグネチックスターラーを用いて攪拌し、混合無機微粒子分散液を調製した。混合液中の固形分濃度はPS−Mが4重量%、ST−XSが2重量%である。この混合液をバーコーターを用いてトリアセチルセルロースフィルム基材上に塗布し、60℃で乾燥して無機微粒子層を形成した。得られた無機微粒子層の可視光領域での最小反射率は0.9%であり、膜強度は優れていた。
[実施例3]
無機微粒子鎖(A)としてPS−M(62.5g)と、無機微粒子(B)としてST−XS(18.75g)とを168.75gの純水に投入、マグネチックスターラーを用いて攪拌し、混合無機微粒子分散液を調製した。混合液中の固形分濃度はPS−Mが5重量%、ST−XSが1.5重量%である。この混合液をバーコーターを用いてトリアセチルセルロースフィルム基材上に塗布し、60℃で乾燥して無機微粒子層を形成した。得られた無機微粒子層の可視光領域での最小反射率は0.5%、最大透過率は95.3%であり、膜強度は優れていた。
[実施例4]
無機微粒子鎖(A)としてPS−M(56.25g)およびPS−S(6.25g)と、無機微粒子(B)としてST−XS(18.75g)とを168.75gの純水に投入、マグネチックスターラーを用いて攪拌し、混合無機微粒子分散液を調製した。混合液中の固形分濃度はPS−Mが4.5重量%、PS−Sが0.5重量%、ST−XSが1.5重量%である。この混合液をバーコーターを用いてトリアセチルセルロースフィルム基材上に塗布し、60℃で乾燥して無機微粒子層を形成した。得られた無機微粒子層の可視光領域での最小反射率は0.5%、最大透過率は94.7%であり、膜強度は優れていた。
[実施例5]
無機微粒子(A)としてPS−M(56.25g)およびPS−S(6.25g)と、無機微粒子(B)としてST−XS(25.00g)とを162.50gの純水に投入、マグネチックスターラーを用いて攪拌し、混合無機微粒子分散液を調製した。混合液中の固形分濃度はPS−Mが4.5重量%、PS−Sが0.5重量%、ST−XSが2.0重量%である。この混合液をバーコーターを用いてトリアセチルセルロースフィルム基材上に塗布し、60℃で乾燥して無機微粒子層を形成した。得られた無機微粒子層の可視光領域での最小反射率は0.6%、最大透過率は95.1%であり、膜強度に優れるものであった。
[比較例1]
無機微粒子鎖(A)の代わりに、スノーテックス(登録商標)ST−ZL(日産化学株式会社製のコロイダルシリカ;BET比表面積法による平均粒子径78nm、固形分濃度40重量%)(37.5g)と、無機微粒子(B)としてST−XS(12.5g)とを200gの純水に投入、マグネチックスターラーを用いて攪拌し、混合無機微粒子分散液を調製した。混合液中の固形分濃度はST−ZLが6重量%、ST−XSが1.0重量%である。この混合液をバーコーターを用いてトリアセチルセルロースフィルム基材上に塗布し、60℃で乾燥して無機微粒子層を形成した。得られた無機微粒子層の可視光領域での最小反射率は1.6%であり、反射防止効果は不十分であった。最大透過率は94.5%であった。また、膜強度は優れていた。
[比較例2]
無機微粒子鎖(A)としてPS−M(50g)を200gの純水に投入し、マグネチックスターラーを用いて攪拌し、混合無機微粒子分散液を調製した。塗工液中の固形分濃度はPS−Mが4重量%である。この塗工液をバーコーターを用いてトリアセチルセルロースフィルム基材上に塗布し、60℃で乾燥して無機微粒子層を形成した。得られた無機微粒子層の可視光領域での最小反射率は0.2%であり、十分な反射防止効果を示したが、膜強度は劣っていた。
[比較例3]
無機微粒子鎖(A)としてPS−M(50g)と、無機微粒子(B)としてST−XS(50g)とを150gの純水に投入し、マグネチックスターラーを用いて攪拌し、混合無機微粒子分散液を調製した。混合液中の固形分濃度はPS−Mが4重量%、ST−XSが4重量%である。この混合液をバーコーターを用いてトリアセチルセルロースフィルム基材上に塗布し、60℃で乾燥して無機微粒子層を形成した。得られた無機微粒子層の可視光領域での最小反射率は1.7%であり、反射防止効果は不十分であった。また、膜強度は優れていた。
Figure 0004816223

Claims (3)

  1. 粒径が10〜60nmである3個以上の粒子が鎖状に連なった無機微粒子鎖(A)、
    平均粒子径が1〜20nmである無機微粒子(B)、および
    液体分散媒
    を用いて、下式(1)および(2)を満たす混合無機微粒子分散液を調製すること、
    該混合無機微粒子分散液を基材上に塗布すること、および
    前記基材に塗布した前記分散液から分散媒を除去して基材上に無機微粒子層を形成すること
    を含む、反射防止積層体の製造方法。
    (1)0.55≦RVa≦0.90
    (2)0.10≦RVb≦0.45
    但し、RVaは前記分散液中における前記無機微粒子鎖(A)と無機微粒子(B)の合計体積に対する前記無機微粒子鎖(A)の体積の割合であり、RVbは前記分散液中における前記無機微粒子鎖(A)と無機微粒子(B)の合計体積に対する前記無機微粒子(B)の体積の割合である。
  2. 前記無機微粒子層の厚さが50〜150nmである請求項1に記載の反射防止積層体の製造方法。
  3. 無機微粒子鎖(A)と無機微粒子(B)がシリカである請求項1または請求項2記載の反射防止積層体の製造方法。
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