JP4812973B2 - 生分解性結束材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生分解性結束材に関する。詳しくは、塑性変形可能で、適度な柔軟性と優れた形状保持性、結束力を有し、パン、菓子等の食品包装袋の開封部の結束材、栽培植物のつる・茎等の支柱への結束材、野菜類の結束材、電線等線状物の結束材、等に用いられる生分解性結束材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、前記結束材などには、針金を芯材として、これにポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂、紙等を被覆することにより得られるビニタイ、プラクチックタイ、紙タイ等と呼称される製品が使用されている。しかしながら、食品を充填した包装袋の口部を、前記の針金を芯材とする結束材にて結束する場合は、針金が金属探知器に検知されるため、金属製異物の検出が困難になる。
最近、金属探知機にかからない結束材として、針金の代わりにポリエチレンテレフタレートに代表される熱可塑性樹脂の可撓性モノフィラメントを芯材とした結束材、及び、芯材及び被覆材の両部を生分解性樹脂で形成した生分解性結束材が提案されている。
【0003】
例えば、特開平10−264961号公報には、生分解性脂肪族ポリエステル樹脂100重量部に対し、充填剤50〜300重量部を含有してなる芯材を、生分解性脂肪族ポリエステル樹脂を主材とするテープ部材で被覆した生分解性結束紐が開示されている。そして、該発明の好ましい態様を示したものと思われる実施例には、芯材及び被覆材の両部を生分解性樹脂であるビオノーレ(昭和高分子社製、商品名、1,4−ブタンジオールとアジピン酸の重合体)により形成された生分解性結束紐が記載されている。ビオノーレは、良好な柔軟性を有する樹脂であるから、可塑剤など添加しなくとも柔軟性に富んだ結束紐が得られるものと思われる。該発明には、柔軟性を付与するためには、可塑剤を添加しても良いことが記載されている。しかし、適当な可塑剤、その添加量などについては何ら言及されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の解決課題は、上記問題に鑑み、金属探知機適性が良好で、優れた形状保持性と結束力、並びに適度の柔軟性を有する生分解性結束材を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、脂肪族ポリエステルに特定量の充填剤及び可塑剤を添加することにより得られる結束材が、上記課題を解決し得るものであることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0006】
すなわち、本発明は、脂肪族ポリエステル100重量部、充填剤5〜300重量部、及び可塑剤1〜100重量部を含む生分解性結束材である。
【0007】
本発明において、脂肪族ポリエステルが乳酸系ポリマーであることが好ましい。又、充填剤としては、無機粉体又は有機粉体が用いられ、好ましい無機粉体としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、二酸化チタン、又はこれらの混合物、好ましい有機粉体としてはコーンスターチが挙げられる。
【0008】
好ましい可塑剤としては、クエン酸エステル、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステル、グリセリンエステル、又はこれらの混合物が挙げられる。これらの内、更に好ましくはグリセリンエステルである。グリセリンエステルとしては、一般式(1)[化2]
【0009】
【化2】
【0010】
(式中、nは1〜9の整数、R1〜R4はそれぞれ独立に炭素数1〜18のアシル基である)で表される化合物が挙げられる。
【0011】
本発明に係わる生分解性結束材は、優れた形状保持性、結束力、強度等を付与することを考慮すると、少なくとも1軸方向に1.5〜7倍延伸されたものが好ましい。主な特性としては、360度ひねり戻り角度が150度以下であることが好ましい。
【0012】
本発明に係わる生分解性結束材の特徴は、特定量の可塑剤を含有するために適度の柔軟性を有し、しかも優れた形状保持特性及び結束力を有する点にある。そのため、例えば、脂肪族ポリエステルとして乳酸系ポリマーの如く柔軟性に乏しい樹脂を用いた場合であっても、適度の柔軟性と優れた形状保持性、結束力を兼ね備えた結束材となし得る。生分解性であるから、使用後の廃棄処理が容易であることは言うまでもない。従って、パン、菓子等の食品包装袋の開封部の結束材、栽培植物のつる・茎等の支柱への結束材、野菜類の結束材、電線等線状物の結束材、等の生分解性結束材として極めて有用である。
尚、本発明における360度ひねり戻り角は、後述する実施例に記載した方法により測定した値を意味する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明に係わる生分解性結束材は、脂肪族ポリエステル100重量部に対して、充填剤5〜300重量部、及び可塑剤1〜100重量部を含む樹脂組成物を押出成形、射出成形等の公知の成形法により、棒状、あるいはひも状等に成形することにより製造される。先ず、本発明に用いる脂肪族ポリエステル組成物について説明する。
【0014】
本発明に用いる脂肪族ポリエステルは、分子中に乳酸単位を含む脂肪族ポリエステルである。具体的には、(1)ポリ乳酸、及び乳酸と他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸とのコポリマー、(2)多官能多糖類単位及び乳酸単位を含む脂肪族ポリエステル、(3)脂肪族多価カルボン酸単位、脂肪族多価アルコール単位、及び乳酸単位を含む脂肪族ポリエステル、及び(4)これらの混合物である。これらの内、得られる生分解性結束材の透明性、加水分解性等を考慮すると、ポリ乳酸、及び乳酸と他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸とのコポリマーが好ましい。
【0015】
乳酸には、L−体とD−体とが存在するが、本発明において単に乳酸という場合は、特にことわりがない限り、L−体とD−体との両者を指すこととする。また、ポリマーの分子量は特にことわりがない限り、重量平均分子量を指すこととする。本発明に用いるポリ乳酸としては、構成単位がL−乳酸のみからなるポリ(L−乳酸)、D−乳酸のみからなるポリ(D−乳酸)、及びL−乳酸単位とD−乳酸単位とが種々の割合で存在するポリ(DL−乳酸)等が挙げられる。
乳酸−他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸コポリマーのヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。
【0016】
本発明に用いるポリ乳酸の製造方法として、L−乳酸、D−乳酸、またはDL−乳酸を直接脱水縮合する方法、これら各乳酸の環状2量体であるラクチドを開環重合する方法等が挙げられる。開環重合は、高級アルコール、ヒドロキシカルボン酸等の水酸基を有する化合物の存在下で行ってもよい。何れの方法によって製造されたものでもよい。乳酸−他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸コポリマーの製造方法として、上記各乳酸と上記ヒドロキシカルボン酸を脱水重縮合する方法、上記各乳酸の環状2量体であるラクチドと上記ヒドロキシカルボン酸の環状体を開環共重合する方法等が挙げられる。何れの方法によって製造されたものでもよい。共重合体に含まれる乳酸単位の量は少なくとも40モル%であることが好ましい。
【0017】
多官能多糖類単位及び乳酸単位を含む脂肪族ポリエステルの製造に用いる多官能多糖類としては、例えば、セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロイド、ビスコースレーヨン、再生セルロース、セロハン、キュプラ、銅アンモニアレーヨン、キュプロファン、ベンベルグ、ヘミセルロール、デンプン、アクロペクチン、デキストリン、デキストラン、グリコーゲン、ペクチン、キチン、キトサン、アラビアガム、グァーガム、ローカストビーンガム、アカシアガム等、及びこれらの混合物、及びこれらの誘導体が挙げられる。これらの内で特に酢酸セルロース、エチルセルロースが好ましい。
【0018】
多官能多糖類単位及び乳酸単位を含む脂肪族ポリエステルの製造方法として、上記多官能多糖類と上記ポリ乳酸、乳酸−他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸コポリマー等を反応する方法、上記多官能多糖類と上記各乳酸、環状エステル類等を反応する方法等が挙げられる。何れの方法によって製造されたものでもよい。該脂肪族ポリエステルに含まれる乳酸単位の量は少なくとも50モル%であることが望ましい。
【0019】
脂肪族多価カルボン酸単位、脂肪族多価アルコール単位及び乳酸単位を含む脂肪族ポリエステルの製造に用いる脂肪族多価カルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等、及びこれらの無水物が挙げられる。これらは、酸無水物との混合物であってもよい。また、脂肪族多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
【0020】
脂肪族多価カルボン酸単位、脂肪族多価アルコール単位及び乳酸単位を含む脂肪族ポリエステルの製造方法として、上記脂肪族多価カルボン酸及び上記脂肪族多価アルコールと、上記ポリ乳酸、乳酸−他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸コポリマー等を反応する方法、上記脂肪族多価カルボン酸及び上記脂肪族多価アルコールと、上記各乳酸、環状エステル類等を反応する方法等が挙げられる。何れの方法によって製造されたものでもよい。該脂肪族ポリエステルに含まれる乳酸単位の量は少なくとも50モル%であることが好ましい。
【0021】
脂肪族ポリエステルの分子量は、結束材への加工性、得られる結束材の強度及び分解性に影響を及ぼす。分子量が低いと得られる結束材の強度が低下し、使用する際に張力で破断することがある。また、分解速度が早くなる。逆に分子量が高いと加工性が低下する。かかる点を考慮すると、脂肪族ポリエステルの分子量は、約1万〜約100万程度の範囲が好ましい。さらに好ましい範囲は10万〜30万である。
【0022】
本発明に用いる充填剤としては、無機充填剤および有機充填剤がある。無機充填剤としては、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ホウ素、アルミニウム、珪素、チタン、ジルコニウム、ハフニウム等の金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、珪酸塩の無機粉体が挙げられる。また、有機充填剤としては、小麦、玉葱、米などの穀物、馬鈴薯、甘藷、タピオカなどの芋類の澱粉、セルロース、キチン、キトサン等の多糖類の有機粉体が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、また、2種以上を組合わせて用いても良い。これらの中で、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、珪酸マグネシウム、シリカ、タルク、およびカオリン等の無機粉体が好ましい。有機粉体としてはコーンスターチが好ましい。更に好ましくは、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、二酸化チタン、及びコーンスターチである。
充填剤の含有量は、脂肪族ポリエステル100重量部に対して、5〜300重量部である。更に好ましくは20〜200重量部である。
【0023】
本発明に用いる可塑剤としては、分子内に2個以上のカルボン酸エステル基を有する可塑剤が好ましい。例えば、ヒドロキシ多価カルボン酸エステル、多価アルコールエステル、多価カルボン酸エステルが挙げられる。ヒドロキシ多価カルボン酸エステルとしては、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル等のクエン酸エステル、多価アルコールエステルとしては、グリセリントリアセテート、グリセリントリプロピオネート、グリセリンジアセトモノラウレート等のグリセリンエステル、ジグリセリンテトラアセテート、ジグリセリンオレート等のジグリセリンエステル、トリエチレングリコールエステル、トリエチレングリコールジカプリレート等のトリエチレングリコールエステル、テトラグリセリンカプリレート、テトラグリセリンステアレート、テトラグリセリンオレート、ヘキサグリセリンラウレート、ヘキサグリセリンオレート、デカグリセリンプロピオネート、デカグリセリンラウレート、デカグリセリンベヘネート、デカグリセリンステアレート、デカグリセリンオレート、等のポリグリセリンエステル、多価カルボン酸エステルとしては、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル等のフタル酸エステル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソブチル等のアジピン酸エステル、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル等のセバシン酸エステル、アゼライン酸ジオクチル、アゼライン酸ジヘキシル等のアゼライン酸エステル等が挙げられる。
【0024】
これらの可塑剤の内、生分解性結束材として、形状保持性、柔軟性、結束力に優れ、結束材として望ましい性能を考慮すると、好ましい可塑剤として、クエン酸エステル、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、セバシン酸エステル、アゼライン酸エステル、グリセリンエステルが挙げられる。更に、これらの内、脂肪族ポリエステルとの相溶性、耐ブリードアウト性等を考慮すると、グリセリンエステルが更に好ましい。グリセリンエステルの内、上記一般式(1)で表される化合物(A)が特に好ましい。可塑剤の含有量は、脂肪族ポリエステル100重量部に対して、1〜100重量部である。好ましくは、10〜80重量部である。かかる量の可塑剤を含むことにより、適度の柔軟性を有する結束材が得られる。
【0025】
上記一般式(1)で表される化合物(A)は、グリセリン縮合物をアシル化することにより得られるアシル化ポリグリセリンである。化合物(A)の製造に用いられるグリセリン縮合物としては、グリセリン2〜10分子の縮合物であるジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、デカグリセリン等が挙げられる。また、アシル化剤としては、無水酢酸、炭素数1〜18のカルボン酸クロライド等が挙げられる。
【0026】
一般式(1)におけるnの値は、樹脂との相溶性、及び得られるフィルムの柔軟性に影響する。nの値が大きすぎると、樹脂との相溶性が悪くなり、また、得られるフィルムの弾性率が大きくなり、柔軟性が低下する。また、アシル基の炭素数は、得られるフィルムの柔軟性に影響を及ぼす。アシル基の炭素数が多すぎると、得られるフィルムの弾性率が大きくなり、柔軟性が低下する。かかる観点から、上記一般式(1)におけるnは、1〜9の整数が好ましい。また、R1〜R4は、炭素数1〜18のアシル基が好ましい。R1〜R4は、それぞれ同一のアシル基でもよいし、異なるアシル基でもよい。具体的な化合物としては、ジグリセリンテトラアセテート、ジグリセリンテトラオクタネート、トリグリセリンペンタステアレート、デカグリセリンドデカベヘネート等が挙げられる。
【0027】
本発明に用いる脂肪族ポリエステル組成物には、主成分である脂肪族ポリエステル、充填剤および可塑剤の他に、用途に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、アンチブロッキング剤、流動パラフィン、ポリエチレンワックス等の炭化水素類、ステアリン酸等の脂肪酸類、オシキ脂肪酸類、脂肪酸アミド類、アルキレンビス脂肪酸アミド類、脂肪酸低級アルコールエステル類、脂肪酸多価アルコールエステル類、脂肪酸ポリグリコールエステル類、脂肪族アルコール類、多価アルコール類、ポリグリコール類、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸類等の滑剤、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、脂肪族アミンおよび脂肪族アマイド硫酸塩類、脂肪族アルコ−ルリン酸エステル塩類、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン酸塩類、脂肪族アミドスルホン酸塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類、脂肪族アミン塩類、第4級アンモニウム塩類、アルキルピリジウム塩類、ポリオキシエチエンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類、イミダゾリン誘導体、高級アルキルアミン類等の帯電防止剤、グリセリンモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート等のソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等の防曇剤、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール類や、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、サリチル酸p−tert−ブチルフェニル等のサリチル酸誘導体等の紫外線吸収剤、パラメトキシフェノール等のフェノール系、トリフェニルホスファイト等のホスファイト系、2−メルカプトベンズイミダゾール等の硫黄系、フェニルナフチルアミン等のアミン系の熱安定剤、酸化防止剤、着色防止剤、硫酸バリウム、酸化チタン、カオリン、カーボンブラック等の充填剤、顔料、デカブロモジフェニルエーテル等のハロゲン系、三酸化アンチモン等のアンチモン系の難燃剤等の他の添加剤を添加してもよい。
【0028】
次いで、本発明に用いられる脂肪族ポリエステル組成物、及びその製造方法の一例について説明する。脂肪族ポリエステルに充填剤、及び可塑剤を添加、混合する方法としては、脂肪族ポリエステルと充填剤、可塑剤、場合によっては他の添加剤を高速攪拌機または低速攪拌機などを用いて均一に混合した後、十分な混練能力を有する一軸あるいは多軸の押出機を用いて溶融混練する方法等を採用することが出来る。本発明に係る樹脂組成物の形状は、通常、ペレット、棒状、粉末等が好ましい。
【0029】
本発明の生分解性結束材は、以上のようにして得られた樹脂組成物を、Tダイが装着された押出機を用いる溶融押出法によりシート状に成形する。得られたシートを機械方向(以下、MD方向という)又はMD方向と直交する方向(以下、TD方向という)に1軸延伸するか、又は、MD方向及びTD方向に2軸延伸する。MD方向の延伸はロール延伸により、TD方向の延伸はテンター延伸によることが好ましい。延伸後、緊張下で熱処理することにより得られた脂肪族ポリエステル延伸シートから生分解性結束材が製造される。
【0030】
上記各種の添加剤を含む脂肪族ポリエステル組成物の溶融押出温度は、好ましくは100〜280℃、より好ましくは130〜250℃の範囲である。成形温度が低いと成形安定性が得難く、また過負荷に陥り易い。逆に、成形温度が高いと脂肪族ポリエステルが分解することがあり、分子量低下、強度低下、着色等が起こるので好ましくない。
【0031】
本発明の生分解性結束材は、機械的強度を考慮すると、MD及びTD方向の少なくとも一軸方向に、1.5〜7倍延伸することが好ましい。MD方向及びTD方向に2軸延伸することが更に好ましい。延伸倍率が1.5倍未満であると、力学物性や寸法精度の経時安定性をもたらす結晶化が進行し難い。また、7倍を超えると、延伸時に破れ等が生じ好ましくない。延伸温度は用いる脂肪族ポリエステルのガラス転移温度(Tg)〜(Tg+50)℃の範囲が好ましい。さらに好ましくは、Tg〜(Tg+30)℃の範囲である。延伸温度がTg未満では延伸が困難であり、(Tg+50)℃を超えると均一な延伸が困難となり好ましくない。また、耐熱性及び寸法安定性向上のため、延伸後緊張下にて(Tg+10)℃以上、融点未満の温度で熱処理を行う。
【0032】
本発明の脂肪族ポリエステルを主成分とする生分解性結束材は、目的に応じて工程条件を設定することにより、テープ状、カットシート状、パイプ状(シームレス筒状)に製造することができる。テープ状結束材の形状としては、幅1〜10mm程度、厚み0.01〜2mm程度、パイプ状結束材の形状としては、内径0.01〜3mm程度、肉厚0.01〜2mm程度のものがそれぞれ挙げられる。
【0033】
例えば、脂肪族ポリエステル樹脂、充填剤および可塑剤を含む脂肪族ポリエステル樹脂組成物を、先端に、幅20mm、厚み3mmのスリットを有するダイスを備えた押出機を用いて、シリンダー設定温度160〜200℃で溶融、押し出すことにより、幅10mm、厚み1mmの長さ方向(MD方向)に連続した板状物を得る。その後、得られた板状物をMD方向に5倍延伸し、130℃で60秒間熱処理することにより、幅5mm、厚み0.5mmの1軸延伸されたテープ状の結束材が得られる。
【0034】
また、同様に、脂肪族ポリエステル樹脂、充填剤および可塑剤を含む脂肪族ポリエステル樹脂組成物を、先端に、幅500mm、厚み3mmのスリットを有するダイスを備えた押出機を用いて、シリンダー設定温度160〜200℃で溶融、押し出すことにより、幅450mm、厚み1mmの長さ方向(MD方向)に連続した板状物を得る。その後、得られた板状物をMD方向に3倍、TD方向に4倍延伸し、130℃で60秒間熱処理することにより、幅1000mm、厚み0.2mmの2軸延伸フィルムが得られる。このフィルムをスリットすることにより、幅5mm、厚み0.2mmのテープ状の結束材が得られる。
【0035】
また、同様に、先端に、外径10mm、ギャップ2mmの円形状のスリットを有するダイスを備えた押出機を用いて、シリンダー設定温度160〜200℃で溶融、押し出すことにより、外径5mm、内径3.4mm、肉厚0.8mmのMD方向に連続したパイプ状物を得る。その後、得られたパイプ状物をMD方向に5倍延伸し、130℃で60秒間熱処理することにより、外径3mm、内径2.4mm、肉厚0.3mmのパイプ状の結束材が得られる。
【0036】
本発明の脂肪族ポリエステル製の生分解性結束材は、必要に応じて表面に帯電防止性、防曇性、粘着性、ガスバリヤー性、密着性および易接着性等の機能を有する層をコーティングにより形成することができる。例えば、結束材の片面あるいは両面に、帯電防止剤を含む水性塗工液を塗布、乾燥することによって帯電防止層を形成することができる。水性塗工液を塗布する方法は、公知の方法が適用できる。すなわち、スプレーコート方式、エアーナイフ方式、リバースコート方式、キスコート方式、グラビアコート方式、マイヤーバー方式、ロールブラッシュ方式等が適用できる。また、アクリル樹脂系粘着剤、例えば、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等を主成分とし、他のビニル系モノマーを共重合せしめたコポリマーを、有機溶剤中に均一に溶解した溶剤系および水中に粒子状に分散させた水エマルジョン系の塗布液を公知の方法でフィルムに塗布、乾燥させ、粘着性を付与することができる。
【0037】
また、本発明の脂肪族ポリエステル製の生分解性結束材は、必要に応じて、他樹脂およびフィルムをラミネートすることにより、帯電防止性、防曇性、粘着性、ガスバリヤー性、密着性および易接着性等の機能を有する層を形成することができる。その際、押出ラミ、ドライラミ等の公知の方法を用いることができる。
【0038】
本発明に係わる生分解性結束材は、上記のようにして製造される。主たる特性としては、360度ひねり戻り角が150度以下であることが挙げられる。即ち、ひねりに対する形状保持性に優れることを意味する。又、可塑剤を含有することから、適度の柔軟性を有する。更に、生分解性を有することから使用後の廃棄処理が容易である。
【0039】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明についてさらに詳細に説明する。これらの実施例は、発明の一実施態様を説明するものであって、これにより本発明が制限されるものではない。尚、本発明に係る生分解性結束材の性能評価は、実施の形態により、以下の2種類の評価を行なった。
【0040】
(1)360度ひねり戻り角(度)
室温において、生分解性結束材を二本束ねて360度ひねり、その状態に10秒間保持する。その後、力を解放して10分間放置し、戻った角度を戻り角(度)とする。
【0041】
製造例1
<ポリ乳酸の調製>
L−ラクタイド100重量部、オクタン酸第一スズ0.01重量部、及びラウリルアルコール0.03重量部を攪拌機を備えた肉厚の円筒型ステンレス製重合容器へ装入し、真空で2時間脱気した後、窒素ガスで置換した。この混合物を窒素雰囲気下で攪拌しつつ200℃で3時間加熱した。温度をそのまま保ちながら、排気管及びガラス製受器を介して真空ポンプにより徐々に脱気し反応容器内を3mmHgまで減圧にした。脱気開始から1時間後、モノマーや低分子量揮発分の留出がなくなったので、容器内を窒素置換し、容器下部からポリマーを紐状に抜き出してペレット化し、平均直径3mm、長さ3mmのポリ乳酸樹脂を得た。この樹脂の重量平均分子量Mwは約13万であった。
【0042】
調製例2
<ジグリセリンテトラアセテートの調製>
ジグリセリン84g、及び無水酢酸415gを反応フラスコに入れ、強酸性イオン交換樹脂(ダウケミカル社製、商品名:ダウエックスMSC−1)2.5gを追加し、撹拌しながら80〜90℃で1時間反応を行った。冷却後、イオン交換樹脂を濾別し、生成した酢酸および未反応の無水酢酸を減圧留去し、ジグリセリンテトラアセテート161.5gを得た。これは、一般式(1)におけるR1〜R4が全て炭素数2のアシル基、nは1である、酸価が0.2、水酸基価が3.1である。
【0043】
参考例1
製造例1で得られたポリ乳酸樹脂100重量部、平均粒径1.0μmの炭酸カルシウム粒子((株)同和カルファイン製、ACE−25)100重量部、およびアセチルクエン酸トリブチル(協和発酵工業(株)製)20重量部をリボンブレンダーで混合後、押出機によりシリンダー設定温度170〜210℃でペレット化し、ポリ乳酸樹脂組成物を得た。該ペレットを50℃のオーブンで2時間熱処理し結晶化を行った。次いで、先端に幅20mm×厚み3mmのスリットを有するダイスを備えた押出機により、シリンダー設定温度160〜200℃で溶融し、幅12mm×厚み1.2mmの長さ方向に連続した板状物を得た。得られた板状物を長さ方向に5倍延伸し、130℃で60秒間熱処理を行った後、30℃の空気を用いて冷却し、幅5mm×厚み0.5mmの生分解性結束材を得た。得られた生分解性結束材の評価結果を〔表1〕に示す。
【0044】
参考例2
製造例1で得られたポリ乳酸樹脂100重量部、平均粒径1.4μmのシリカ粒子(富士シリシア化学(株)製、サイリシア310)10重量部、およびアセチルクエン酸トリブチル(協和発酵工業(株)製)100重量部をリボンブレンダーで混合後、押出機によりシリンダー設定温度170〜210℃でペレット化し、ポリ乳酸樹脂組成物を得た。該ペレットを50℃のオーブンで2時間熱処理し結晶化を行った。次いで、先端に幅20mm×厚み3mmのスリットを有するダイスを備えた押出機により、シリンダー設定温度160〜200℃で溶融し、幅15mm×厚み1.5mmの長さ方向に連続した板状物を得た。得られた板状物を長さ方向に7倍延伸し、130℃で60秒間熱処理を行った後、30℃の空気を用いて冷却し、幅5mm×厚み0.5mmの生分解性結束材を得た。得られた生分解性結束材の評価結果を〔表1〕に示す。
【0045】
参考例3
製造例1で得られたポリ乳酸樹脂100重量部、平均粒径1.0μmの硫酸バリウム粒子(バライト工業(株)製、沈降性硫酸バリウム、HD)30重量部、およびアセチルクエン酸トリブチル(協和発酵工業(株)製)50重量部をリボンブレンダーで混合後、押出機によりシリンダー設定温度170〜210℃でペレット化し、ポリ乳酸樹脂組成物を得た。該ペレットを50℃のオーブンで2時間熱処理し結晶化を行った。次いで、先端に幅20mm×厚み3mmのスリットを有するダイスを備えた押出機により、シリンダー設定温度160〜200℃で溶融し、幅10mm×厚み1.0mmの長さ方向に連続した板状物を得た。得られた板状物を長さ方向に4倍延伸し、130℃で60秒間熱処理を行った後、30℃の空気を用いて冷却し、幅5mm×厚み0.5mmの生分解性結束材を得た。得られた生分解性結束材の評価結果を〔表1〕に示す。
【0046】
参考例4
製造例1で得られたポリ乳酸樹脂100重量部、平均粒径0.21μmの二酸化チタン粒子(石原産業(株)製、タイペークCR−60)180重量部、およびグリセリンジアセトモノラウレート(理研ビタミン(株)製、商品名:リケマールPL−012)20重量部をリボンブレンダーで混合後、押出機によりシリンダー設定温度170〜210℃でペレット化し、ポリ乳酸樹脂組成物を得た。該ペレットを50℃のオーブンで2時間熱処理し結晶化を行った。次いで、先端に幅20mm×厚み3mmのスリットを有するダイスを備えた押出機により、シリンダー設定温度160〜200℃で溶融し、幅15mm×厚み1.5mmの長さ方向に連続した板状物を得た。得られた板状物を長さ方向に7倍延伸し、130℃で60秒間熱処理を行った後、30℃の空気を用いて冷却し、幅5mm×厚み0.5mmの生分解性結束材を得た。得られた生分解性結束材の評価結果を〔表1〕に示す。
【0047】
参考例5
製造例1で得られたポリ乳酸樹脂100重量部、コーンスターチ(日本コーンスターチ(株)製、ホワイトコンス)180重量部、およびグリセリンジアセトモノラウレート(理研ビタミン(株)製、商品名:リケマールPL−012)5重量部をリボンブレンダーで混合後、押出機によりシリンダー設定温度170〜210℃でペレット化し、ポリ乳酸樹脂組成物を得た。該ペレットを50℃のオーブンで2時間熱処理し結晶化を行った。次いで、先端に幅20mm×厚み3mmのスリットを有するダイスを備えた押出機により、シリンダー設定温度160〜200℃で溶融し、幅12mm×厚み1.2mmの長さ方向に連続した板状物を得た。得られた板状物を長さ方向に5倍延伸し、130℃で60秒間熱処理を行った後、30℃の空気を用いて冷却し、幅5mm×厚み0.5mmの生分解性結束材を得た。得られた生分解性結束材の評価結果を〔表1〕に示す。
【0048】
参考例6
製造例1で得られたポリ乳酸樹脂100重量部、平均粒径1.0μmの炭酸カルシウム粒子((株)同和カルファイン製、ACE−25)100重量部、およびグリセリンジアセトモノラウレート(理研ビタミン(株)製、商品名:リケマールPL−012)100重量部をリボンブレンダーで混合後、押出機によりシリンダー設定温度170〜210℃でペレット化し、ポリ乳酸樹脂組成物を得た。該ペレットを50℃のオーブンで2時間熱処理し結晶化を行った。次いで、先端に幅20mm×厚み3mmのスリットを有するダイスを備えた押出機により、シリンダー設定温度160〜200℃で溶融し、幅12mm×厚み1.2mmの長さ方向に連続した板状物を得た。得られた板状物を長さ方向に5倍延伸し、130℃で60秒間熱処理を行った後、30℃の空気を用いて冷却し、幅5mm×厚み0.5mmの生分解性結束材を得た。得られた生分解性結束材の評価結果を〔表1〕に示す。
【0049】
実施例7
製造例1で得られたポリ乳酸樹脂100重量部、平均粒径1.0μmの炭酸カルシウム粒子((株)同和カルファイン製、ACE−25)5重量部、および調製例2で得られたジグリセリンテトラアセテート3重量部をリボンブレンダーで混合後、押出機によりシリンダー設定温度170〜210℃でペレット化し、ポリ乳酸樹脂組成物を得た。該ペレットを50℃のオーブンで2時間熱処理し結晶化を行った。次いで、先端に幅20mm×厚み3mmのスリットを有するダイスを備えた押出機により、シリンダー設定温度160〜200℃で溶融し、幅12mm×厚み1.2mmの長さ方向に連続した板状物を得た。得られた板状物を長さ方向に5倍延伸し、130℃で60秒間熱処理を行った後、30℃の空気を用いて冷却し、幅5mm×厚み0.5mmの生分解性結束材を得た。得られた生分解性結束材の評価結果を〔表2〕に示す。
【0050】
実施例8
製造例1で得られたポリ乳酸樹脂100重量部、平均粒径1.0μmの硫酸バリウム粒子(バライト工業(株)製、沈降性硫酸バリウム、HD)50重量部、および調製例2で得られたジグリセリンテトラアセテート50重量部をリボンブレンダーで混合後、押出機によりシリンダー設定温度170〜210℃でペレット化し、ポリ乳酸樹脂組成物を得た。該ペレットを50℃のオーブンで2時間熱処理し結晶化を行った。次いで、先端に幅20mm×厚み3mmのスリットを有するダイスを備えた押出機により、シリンダー設定温度160〜200℃で溶融し、幅10mm×厚み1.0mmの長さ方向に連続した板状物を得た。得られた板状物を長さ方向に4倍延伸し、130℃で60秒間熱処理を行った後、30℃の空気を用いて冷却し、幅5mm×厚み0.5mmの生分解性結束材を得た。得られた生分解性結束材の評価結果を〔表2〕に示す。
【0051】
実施例9
製造例1で得られたポリ乳酸樹脂100重量部、平均粒径1.4μmのシリカ粒子(富士シリシア化学(株)製、サイリシア310)100重量部、および調製例2で得られたジグリセリンテトラアセテート100重量部をリボンブレンダーで混合後、押出機によりシリンダー設定温度170〜210℃でペレット化し、ポリ乳酸樹脂成物を得た。該ペレットを50℃のオーブンで2時間熱処理し結晶化を行った。次いで、先端に幅20mm×厚み3mmのスリットを有するダイスを備えた押出機により、シリンダー設定温度160〜200℃で溶融し、幅10mm×厚み1.0mmの長さ方向に連続した板状物を得た。得られた板状物を長さ方向に4倍延伸し、130℃で60秒間熱処理を行った後、30℃の空気を用いて冷却し、幅5mm×厚み0.5mmの生分解性結束材を得た。得られた生分解性結束材の評価結果を〔表2〕に示す。
【0052】
実施例10
製造例1で得られたポリ乳酸樹脂100重量部、コーンスターチ(日本コーンスターチ(株)製、ホワイトコンス)300重量部、および調製例2で得られたジグリセリンテトラアセテート100重量部をリボンブレンダーで混合後、押出機によりシリンダー設定温度170〜210℃でペレット化し、ポリ乳酸樹脂組成物を得た。該ペレットを50℃のオーブンで2時間熱処理し結晶化を行った。次いで、先端に幅20mm×厚み3mmのスリットを有するダイスを備えた押出機により、シリンダー設定温度160〜200℃で溶融し、幅10mm×厚み1.0mmの長さ方向に連続した板状物を得た。得られた板状物を長さ方向に4倍延伸し、130℃で60秒間熱処理を行った後、30℃の空気を用いて冷却し、幅5mm×厚み0.5mmの生分解性結束材を得た。得られた生分解性結束材の評価結果を〔表2〕に示す。
【0053】
実施例11
製造例1で得られたポリ乳酸樹脂100重量部、平均粒径1.0μmの炭酸カルシウム粒子((株)同和カルファイン製、ACE−25)50重量部、および調製例2で得られたジグリセリンテトラアセテート30重量部をリボンブレンダーで混合後、押出機によりシリンダー設定温度170〜210℃でペレット化し、ポリ乳酸樹脂組成物を得た。該ペレットを50℃のオーブンで2時間熱処理し結晶化を行った。次いで、先端に幅20mm×厚み3mmのスリットを有するダイスを備えた押出機により、シリンダー設定温度160〜200℃で溶融し、幅5mm×厚み0.5mmの生分解性結束材を得た。得られた生分解性結束材の評価結果を〔表2〕に示す。
【0054】
実施例12
製造例1で得られたポリ乳酸樹脂100重量部、平均粒径1.0μmの炭酸カルシウム粒子((株)同和カルファイン製、ACE−25)30重量部、および調製例2で得られたジグリセリンテトラアセテート50重量部をリボンブレンダーで混合後、押出機によりシリンダー設定温度170〜210℃でペレット化し、ポリ乳酸樹脂組成物を得た。該ペレットを50℃のオーブンで2時間熱処理し結晶化を行った。次いで、先端に幅500mm×厚み3mmのスリットを有するダイスを備えた押出機を用いて、シリンダー設定温度160〜200℃で溶融、押し出すことにより、幅450mm×厚み1.0mmの長さ方向に連続した板状物を得た。得られた板状物を長さ方向に3倍、幅方向に4倍延伸し、130℃で60秒間熱処理することにより、幅1000mm×厚み0.2mmのフィルムを得た。このフィルムをスリットすることにより、幅5mm×厚み0.2mmのテープ状の生分解性結束材を得た。得られた生分解性結束材の評価結果を〔表2〕に示す。
【0055】
比較例1
製造例1で得られたポリ乳酸樹脂100重量部を、押出機によりシリンダー設定温度170〜210℃でペレット化した。該ペレットを50℃のオーブンで2時間熱処理し結晶化を行った。次いで、先端に幅20mm×厚み3mmのスリットを有するダイスを備えた押出機により、シリンダー設定温度160〜200℃で溶融し、幅5mm×厚み0.5mmの生分解性結束材を得た。得られた生分解性結束材の評価結果を〔表3〕に示す。
【0056】
比較例2
製造例1で得られたポリ乳酸樹脂100重量部、およびアセチルクエン酸トリブチル(協和発酵工業(株)製)20重量部をリボンブレンダーで混合後、押出機によりシリンダー設定温度170〜210℃でペレット化し、ポリ乳酸樹脂組成物を得た。該ペレットを50℃のオーブンで2時間熱処理し結晶化を行った。次いで、先端に幅20mm×厚み3mmのスリットを有するダイスを備えた押出機により、シリンダー設定温度160〜200℃で溶融し、幅12mm×厚み1.2mmの長さ方向に連続した板状物を得た。得られた板状物を長さ方向に5倍延伸し、130℃で60秒間熱処理を行った後、30℃の空気を用いて冷却し、幅5mm×厚み0.5mmの生分解性結束材を得た。得られた生分解性結束材の評価結果を〔表3〕に示す。
【0057】
比較例3
製造例1で得られたポリ乳酸樹脂100重量部、および平均粒径1.0μmの炭酸カルシウム粒子((株)同和カルファイン製、ACE−25)30重量部をリボンブレンダーで混合後、押出機によりシリンダー設定温度170〜210℃でペレット化し、ポリ乳酸樹脂組成物を得た。該ペレットを50℃のオーブンで2時間熱処理し結晶化を行った。次いで、先端に幅20mm×厚み3mmのスリットを有するダイスを備えた押出機により、シリンダー設定温度160〜200℃で溶融し、幅12mm×厚み1.2mmの長さ方向に連続した板状物を得た。得られた板状物を長さ方向に5倍延伸し、130℃で60秒間熱処理を行った後、30℃の空気を用いて冷却し、幅5mm×厚み0.5mmの生分解性結束材を得た。得られた生分解性結束材の評価結果を〔表3〕に示す。
【0058】
比較例4
製造例1で得られたポリ乳酸樹脂100重量部、および平均粒径1.0μmの炭酸カルシウム粒子((株)同和カルファイン製、ACE−25)400重量部、およびアセチルクエン酸トリブチル(協和発酵工業(株)製)30重量部をリボンブレンダーで混合後、押出機によりシリンダー設定温度170〜210℃でペレット化し、ポリ乳酸樹脂組成物を得た。該ペレットを50℃のオーブンで2時間熱処理し結晶化を行った。次いで、先端に幅20mm×厚み3mmのスリットを有するダイスを備えた押出機により、シリンダー設定温度160〜200℃で溶融し、幅12mm×厚み1.2mmの長さ方向に連続した板状物を得た。得られた板状物を長さ方向に5倍延伸しようと試みたが、延伸切れが発生し、延伸不能であった。
【0059】
比較例5
製造例1で得られたポリ乳酸樹脂100重量部、平均粒径1.0μmの硫酸バリウム粒子(バライト工業(株)製、沈降性硫酸バリウム、HD)100重量部、およびグリセリンジアセトモノラウレート(理研ビタミン(株)製、商品名:リケマールPL−012)をリボンブレンダーで混合後、押出機によりシリンダー設定温度170〜210℃でペレット化し、脂肪族ポリエステル組成物を得た。該ペレットを50℃のオーブンで2時間熱処理し結晶化を行った。次いで、先端に幅20mm×厚み3mmのスリットを有するダイスを備えた押出機により、シリンダー設定温度160〜200℃で溶融し、幅12mm×厚み1.2mmの長さ方向に連続した板状物を得た。得られた板状物を長さ方向に5倍延伸し、130℃で60秒間熱処理を行った後、30℃の空気を用いて冷却し、幅5mm×厚み0.5mmの生分解性結束材を得た。得られた生分解性結束材の評価結果を〔表3〕に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
【発明の効果】
本発明に係わる生分解性結束材は、特定量の充填剤及び可塑剤を含有し、優れた形状保持性と結束力、並びに適度の柔軟性を有する。使用後の廃棄処理が容易であることは言うまでもない。従って、パン、菓子等の食品包装袋の開封部の結束材、栽培植物のつる・茎等の支柱への結束材、野菜類の結束材、電線等線状物の結束材、等の生分解性結束材として、極めて有用である。
Claims (7)
- 脂肪族ポリエステルが乳酸系ポリマーである請求項1記載の生分解性結束材。
- 充填剤が、無機粉体又は有機粉体である請求項1記載の生分解性結束材。
- 無機粉体が、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、及び二酸化チタンから選ばれた少なくとも1種の粉体であり、且つ、有機粉体がコーンスターチである請求項3記載の生分解性結束材。
- 一般式(1)で表わされるグリセリンエステルがジグリセリンテトラアセテートである請求項1記載の生分解性結束材。
- 少なくとも1軸方向に1.5〜7倍延伸された請求項1記載の生分解性生結束材。
- 360度ひねり戻り角度が150度以下である請求項1記載の生分解性結束材。
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