ところが、駆動源の出力を大きくしたり、減速機の駆動伝達剛性を高めたりするものでは、大きさや重量などが嵩み、コスト高を招くおそれがある。また、無端ベルト2をテンションローラに掛けまわすものでは、ショックを吸収する部材の質量が大きくなると、応答性が悪くなって、周波数の高い急激な負荷変動には即座に対応することができず、十分な改善が得られなかった。
そこで、この発明の第1の目的は、画像担持装置で担持する画像を第1転写ニップ位置および第2転写ニップ位置で転写しながら、無端ベルト装置を介して転写する画像転写装置において、大きさや重量などが嵩んだり、コスト高を招いたりすることなく、一方の転写ニップ位置で生じた無端ベルトのトルク変動が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することにある。
この発明の第2の目的は、無端ベルト装置とで第2転写ニップを形成して二次転写装置を配置し、その二次転写装置により無端ベルトで担持する画像を、第2転写ニップを通過する記録材に二次転写するタイプの画像転写装置において、大きさや重量などが嵩んだり、コスト高を招いたりすることなく、第2転写ニップ位置で生じた無端ベルトのトルク変動が第1転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することにある。
この発明の第3の目的は、無端ベルト装置のまわりに、無端ベルトで担持する画像を加熱する加熱手段を備え、その加熱手段で加熱した画像を二次転写装置で記録材に転写定着する転写定着タイプの画像転写装置において、同様に、大きさや重量などが嵩んだり、コスト高を招いたりすることなく、第2転写ニップ位置で生じた無端ベルトのトルク変動が第1転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することにある。
この発明の第4の目的は、無端ベルトで担持する画像を第2転写ニップ位置で転写画像担持装置に二次転写するタイプの画像転写装置において、大きさや重量などが嵩んだり、コスト高を招いたりすることなく、一方の転写ニップ位置で生じた無端ベルトのトルク変動が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することにある。
この発明の第5の目的は、画像担持装置として、像担持体に画像を形成する作像装置を備えるタイプの画像転写装置において、同様に、大きさや重量などが嵩んだり、コスト高を招いたりすることなく、一方の転写ニップ位置で生じた無端ベルトのトルク変動が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することにある。
この発明の第6の目的は、画像担持装置として、中間転写体で画像を担持する中間転写装置を備えるタイプの画像転写装置において、同様に、大きさや重量などが嵩んだり、コスト高を招いたりすることなく、一方の転写ニップ位置で生じた無端ベルトのトルク変動が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することにある。
この発明の第7の目的は、無端ベルト装置の無端ベルトに継ぎ目を有するタイプの画像転写装置において、同様に、大きさや重量などが嵩んだり、コスト高を招いたりすることなく、一方の転写ニップ位置で生じた無端ベルトのトルク変動が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することにある。
この発明の第8の目的は、無端ベルト装置専用の駆動源でベルト支持部材としてのローラを駆動して無端ベルトを走行するタイプの画像転写装置において、同様に、大きさや重量などが嵩んだり、コスト高を招いたりすることなく、一方の転写ニップ位置で生じた無端ベルトのトルク変動が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することにある。
この発明の第9の目的は、無端ベルト装置の外部に備える駆動源で外側から駆動力を伝達して、ローラその他のベルト支持部材に掛けまわす無端ベルトを走行するタイプの画像転写装置において、同様に、大きさや重量などが嵩んだり、コスト高を招いたりすることなく、一方の転写ニップ位置で生じた無端ベルトのトルク変動が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することにある。
この発明の第10の目的は、無端ベルトを走行する駆動源を制御して、一方の転写ニップ位置で生じた無端ベルトのトルク変動が他方の転写ニップ位置に影響することを有効確実に阻止することにある。
この発明の第11の目的は、無端ベルトに連続してトルク変動が発生するときにも、一方の転写ニップ位置で生じた無端ベルトのトルク変動が他方の転写ニップ位置に影響することを常に有効に阻止することにある。
この発明の第12の目的は、無端ベルトで担持する画像を、第2転写ニップを通過する記録材に二次転写するタイプの画像転写装置において、大きさや重量などが嵩んだり、コスト高を招いたりすることなく、記録材が第2転写ニップを通過するときに生ずる無端ベルトのトルク変動が第1転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することにある。
この発明の第13の目的は、無端ベルトで担持する画像を、第2転写ニップを通過する記録材に二次転写するタイプの画像転写装置において、第2転写ニップに記録材が進入するときにも、第2転写ニップから記録材が抜けるときにも、大きさや重量などが嵩んだり、コスト高を招いたりすることなく、第2転写ニップ位置における無端ベルトのトルク変動が第1転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することにある。
この発明の第14の目的は、画像転写装置を備え、画像担持装置で担持する画像を第1転写ニップ位置および第2転写ニップ位置で転写しながら、無端ベルト装置を介して転写する画像形成装置において、画像転写装置の大きさや重量などが嵩んだり、コスト高を招いたりすることなく、一方の転写ニップ位置で生じた無端ベルトのトルク変動が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することにある。
この発明の第15の目的は、無端ベルトで担持する画像を第2転写ニップ位置で記録材に二次転写するタイプの画像形成装置において、その画像転写装置の大きさや重量などが嵩んだり、コスト高を招いたりすることなく、第2転写ニップ位置で生じた無端ベルトのトルク変動が第1転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することにある。
この発明の第16の目的は、無端ベルトで担持する画像を第2転写ニップ位置で転写画像担持装置に二次転写するタイプの画像形成装置において、その画像転写装置の大きさや重量などが嵩んだり、コスト高を招いたりすることなく、一方の転写ニップ位置で生じた無端ベルトのトルク変動が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することにある。
この発明の第17の目的は、無端ベルト装置のまわりに、無端ベルトで担持する画像を加熱する加熱手段を備え、その加熱手段で加熱した画像を二次転写装置で記録材に転写定着する転写定着タイプの画像形成装置において、その画像転写装置の大きさや重量などが嵩んだり、コスト高を招いたりすることなく、第2転写ニップ位置で生じた無端ベルトのトルク変動が第1転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することにある。
この発明の第18の目的は、無端ベルト装置専用の駆動源でベルト支持部材としてのローラを駆動して無端ベルトを走行するタイプの画像転写方法において、大きさや重量などが嵩んだり、コスト高を招いたりすることなく、一方の転写ニップ位置で生じた無端ベルトのトルク変動が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することにある。
この発明の第19の目的は、無端ベルト装置専用の駆動源でベルト支持部材としてのローラを駆動して一方の転写ニップ位置で無端ベルトを走行するとともに、無端ベルト装置の外部の駆動源により外側から駆動力を伝達して他方の転写ニップ位置で無端ベルトを走行するタイプの画像転写方法において、大きさや重量などが嵩んだり、コスト高を招いたりすることなく、一方の転写ニップ位置で生じた無端ベルトのトルク変動が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することにある。
この発明の第20の目的は、無端ベルト装置の外部の駆動源により外側から駆動力を伝達して無端ベルトを走行するタイプの画像転写方法において、大きさや重量などが嵩んだり、コスト高を招いたりすることなく、一方の転写ニップ位置で生じた無端ベルトのトルク変動が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することにある。
このため、請求項1に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、ローラや固定のニップ形成部材などのベルト支持部材に無端ベルトを掛けまわして無端ベルト装置を構成し、その無端ベルト装置との間に第1転写ニップを形成して画像担持装置を備え、その画像担持装置で担持する画像を前記第1転写ニップ位置で前記無端ベルト装置の前記無端ベルトに一次転写し、その無端ベルトで担持する画像を第2転写ニップ位置で二次転写する画像転写装置において、
前記第1転写ニップ位置と前記第2転写ニップ位置間で前記無端ベルトにたわみを生ずるように、前記ベルト支持部材に前記無端ベルトを掛けまわすとともに、その無端ベルトを前記第1転写ニップ位置と前記第2転写ニップ位置とで個別に駆動することを特徴とする。
そして、第1転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度と、無端ベルト上の画像を二次転写する第2転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度とを適宜に設定し、第1転写ニップ位置と第2転写ニップ位置間で無端ベルトに常にたわみを発生し、一方の転写ニップ位置で発生したトルク変動が他方の転写ニップ位置に影響しないようにする。
請求項2に記載の発明は、上述した第2の目的を達成すべく、請求項1に記載の画像転写装置において、前記無端ベルト装置とで前記第2転写ニップを形成して二次転写装置を配置し、その二次転写装置により前記無端ベルトで担持する画像を、前記第2転写ニップを通過する記録材に二次転写することを特徴とする。
そして、第1転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度と、無端ベルト上の画像を記録材に二次転写する第2転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度とを適宜に設定し、第2転写ニップの下流位置で無端ベルトに常にたわみを発生する。
請求項3に記載の発明は、上述した第3の目的を達成すべく、請求項2に記載の画像転写装置において、前記無端ベルト装置のまわりに、前記無端ベルトで担持する画像を加熱する加熱手段を備え、その加熱手段で加熱した画像を前記二次転写装置で記録材に転写定着することを特徴とする。
そして、第1転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度と、無端ベルト上の画像を記録材に転写定着する第2転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度とを適宜に設定し、第2転写ニップの下流位置で無端ベルトに常にたわみを発生する。
請求項4に記載の発明は、上述した第4の目的を達成すべく、請求項1に記載の画像転写装置において、前記無端ベルトで担持する画像を前記第2転写ニップ位置で転写画像担持装置に二次転写することを特徴とする。
そして、第1転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度と、無端ベルト上の画像を転写画像担持装置に二次転写する第2転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度とを適宜に設定して、第1転写ニップ位置と第2転写ニップ位置間で無端ベルトに常にたわみを発生する。
請求項5に記載の発明は、上述した第5の目的を達成すべく、請求項1ないし4のいずれか1に記載の画像転写装置において、前記画像担持装置として、ドラム状またはベルト状の像担持体に画像を形成する作像装置を備えることを特徴とする。
そして、第1転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度と、無端ベルト上の画像を二次転写する第2転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度とを適宜に設定し、第1転写ニップ位置と第2転写ニップ位置間で無端ベルトに常にたわみを発生する。
請求項6に記載の発明は、上述した第6の目的を達成すべく、請求項1ないし4のいずれか1に記載の画像転写装置において、前記画像担持装置として、ドラム状またはベルト状の中間転写体で画像を担持する中間転写装置を備えることを特徴とする。
そして、第1転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度と、無端ベルト上の画像を二次転写する第2転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度とを適宜に設定し、第1転写ニップ位置と第2転写ニップ位置間で無端ベルトに常にたわみを発生する。
請求項7に記載の発明は、上述した第7の目的を達成すべく、請求項1ないし6のいずれか1に記載の画像転写装置において、前記無端ベルトに継ぎ目を有することを特徴とする。
そして、第1転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度と、第2転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度とを適宜に設定し、第1転写ニップ位置と第2転写ニップ位置間で無端ベルトに常にたわみを発生する。
請求項8に記載の発明は、上述した第8の目的を達成すべく、請求項1ないし7のいずれか1に記載の画像転写装置において、前記ベルト支持部材としてローラを用い、そのローラを駆動して前記無端ベルトを走行する、前記無端ベルト装置専用の駆動源を備えることを特徴とする。
そして、無端ベルト装置専用の駆動源を備え、その駆動源でベルト支持部材としてのローラを駆動して無端ベルトを走行し、第1転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度と第2転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度とを適宜に設定し、第1転写ニップ位置と第2転写ニップ位置間で無端ベルトに常にたわみを発生する。
請求項9に記載の発明は、上述した第9の目的を達成すべく、請求項1ないし7のいずれか1に記載の画像転写装置において、外側から駆動力を伝達して、前記ベルト支持部材に掛けまわす前記無端ベルトを走行する駆動源を前記無端ベルト装置の外部に備えることを特徴とする。
そして、無端ベルト装置の外部に備える駆動源で外側から駆動力を伝達して、ベルト支持部材に掛けまわす無端ベルトを走行し、第1転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度と第2転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度とを適宜に設定し、第1転写ニップ位置と第2転写ニップ位置間で無端ベルトに常にたわみを発生する。
請求項10に記載の発明は、上述した第10の目的を達成すべく、請求項8または9に記載の画像転写装置において、前記駆動源で駆動して、前記第1転写ニップ位置で前記無端ベルトを走行する走行速度より、前記第2転写ニップ位置で前記無端ベルトを走行する走行速度を速くすることを特徴とする。
そして、駆動源を制御して、第1転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度より第2転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度を速くし、第2転写ニップの下流位置で無端ベルトに常にたわみを発生する。
請求項11に記載の発明は、上述した第11の目的を達成すべく、請求項8ないし10のいずれか1に記載の画像転写装置において、前記無端ベルトのたわみ量を検知するたわみ量検知手段と、そのたわみ量検知手段の出力信号に基づき前記駆動源をフィードバック制御する駆動制御手段とを備えることを特徴とする。
そして、たわみ量検知手段で無端ベルトのたわみ量を検知して、そのたわみ量検知手段の出力信号に基づき駆動制御手段で駆動源をフィードバック制御し、第1転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度と第2転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度とを異ならしめ、第1転写ニップ位置と第2転写ニップ位置間で無端ベルトに常に一定のたわみを発生する。
請求項12に記載の発明は、上述した第12の目的を達成すべく、請求項8ないし10のいずれか1に記載の画像転写装置において、前記第2転写ニップを通過する記録材を検知する記録材検知手段と、その記録材検知手段の出力信号に基づき前記駆動源をフィードバック制御する駆動制御手段とを備えることを特徴とする。
そして、記録材検知手段で第2転写ニップを通過する記録材を検知したとき、その記録材検知手段の出力信号に基づき駆動制御手段で駆動源をフィードバック制御し、第1転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度と第2転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度とを可変して第2転写ニップの下流位置に発生する無端ベルトのたわみ量を調整する。
請求項13に記載の発明は、上述した第13の目的を達成すべく、請求項12に記載の画像転写装置において、前記記録材検知手段で記録材を検知したとき、前記第1転写ニップ位置で前記無端ベルトを走行する走行速度と、前記第2転写ニップ位置で前記無端ベルトを走行する走行速度とを等しくするか、または前者より後者を遅くすることを特徴とする。
そして、記録材検知手段で第2転写ニップを通過する記録材を検知したとき、その記録材検知手段の出力信号に基づき駆動制御手段で駆動源をフィードバック制御し、第1転写ニップ位置で無端ベルトを走行する走行速度と、第2転写ニップ位置で無端ベルトを走行する走行速度とを等しくするか、または前者より後者を遅くし、第2転写ニップの上流位置で無端ベルトにたわみを発生する。
請求項14に記載の発明は、請求項1ないし13に記載の画像転写装置において、前記無端ベルトを、基層がポリイミドまたは金属、その基層の上がシリコンゴム層、表層がフッ素樹脂の3層構造とすることを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、上述した第14の目的を達成すべく、画像形成装置において、請求項1に記載の画像転写装置を備えることを特徴とする。
そして、画像転写装置を備える画像形成装置において、画像転写装置の第1転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度と、無端ベルト上の画像を二次転写する第2転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度とを適宜に設定し、第1転写ニップ位置と第2転写ニップ位置間で無端ベルトに常にたわみを発生する。
請求項16に記載の発明は、上述した第15の目的を達成すべく、請求項15に記載の画像形成装置において、前記画像担持装置で担持する画像を前記第1転写ニップ位置で前記無端ベルト装置の前記無端ベルトに一次転写し、その無端ベルトで担持する画像を前記第2転写ニップ位置で記録材に二次転写することを特徴とする。
そして、画像転写装置を備える画像形成装置において、画像転写装置の第1転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度と、無端ベルト上の画像を記録材に二次転写する第2転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度とを適宜に設定し、第2転写ニップの下流位置で無端ベルトに常にたわみを発生する。
請求項17に記載の発明は、上述した第16の目的を達成すべく、請求項15に記載の画像形成装置において、前記画像担持装置で担持する画像を前記第1転写ニップ位置で前記無端ベルト装置の前記無端ベルトに一次転写し、その無端ベルトで担持する画像を前記第2転写ニップ位置で前記転写画像担持装置に二次転写することを特徴とする。
そして、画像転写装置を備える画像形成装置において、画像転写装置の第1転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度と、無端ベルト上の画像を転写画像担持装置に二次転写する第2転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度とを適宜に設定し、第1転写ニップ位置と第2転写ニップ位置間で無端ベルトに常にたわみを発生する。
請求項18に記載の発明は、上述した第17の目的を達成すべく、請求項15に記載の画像形成装置において、前記無端ベルト装置のまわりに、前記無端ベルトで担持する画像を加熱する加熱手段を備え、その加熱手段で加熱した画像を前記二次転写装置で記録材に転写定着することを特徴とする。
そして、画像転写装置を備える画像形成装置において、画像転写装置の第1転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度と、無端ベルト上の画像を記録材に転写定着する第2転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度とを適宜に設定し、第2転写ニップの下流位置で無端ベルトに常にたわみを発生する。
請求項19に記載の発明は、上述した第18の目的を達成すべく、画像転写方法であって、無端ベルト装置と画像担持装置とで第1転写ニップを形成する一方、他装置とで第2転写ニップを形成し、それら第1転写ニップ位置および第2転写ニップ位置の双方で各々別個に、前記無端ベルト装置専用の駆動源により、前記無端ベルト装置の無端ベルトを掛けまわすベルト支持部材であるローラを駆動して前記無端ベルトを走行し、前記第1転写ニップ位置で前記無端ベルトを走行する走行速度と、前記第2転写ニップ位置で前記無端ベルトを走行する走行速度とを異ならしめて、前記第1転写ニップ位置と前記第2転写ニップ位置間で前記無端ベルトにたわみを生じ、前記画像担持装置で担持する画像を前記第1転写ニップ位置で前記無端ベルト装置の前記無端ベルトに一次転写し、その無端ベルトで担持する画像を第2転写ニップ位置で二次転写することを特徴とする。
請求項20に記載の発明は、上述した第19の目的を達成すべく、画像転写方法であって、無端ベルト装置と画像担持装置とで第1転写ニップを形成する一方、他装置とで第2転写ニップを形成し、それら第1転写ニップ位置または第2転写ニップ位置のいずれか一方で、前記無端ベルト装置専用の駆動源により、前記無端ベルト装置の無端ベルトを掛けまわすベルト支持部材であるローラを駆動して前記無端ベルトを走行し、いずれか他方で、前記無端ベルト装置の外部の駆動源により、外側から駆動力を伝達して前記無端ベルトを走行し、前記第1転写ニップ位置で前記無端ベルトを走行する走行速度と、前記第2転写ニップ位置で前記無端ベルトを走行する走行速度とを異ならしめて、前記第1転写ニップ位置と前記第2転写ニップ位置間で前記無端ベルトにたわみを生じ、前記画像担持装置で担持する画像を前記第1転写ニップ位置で前記無端ベルト装置の前記無端ベルトに一次転写し、その無端ベルトで担持する画像を第2転写ニップ位置で二次転写することを特徴とする。
請求項21に記載の発明は、上述した第20の目的を達成すべく、画像転写方法であって、無端ベルト装置と画像担持装置とで第1転写ニップを形成する一方、他装置とで第2転写ニップを形成し、それら第1転写ニップ位置および第2転写ニップ位置の双方で各々別個に、前記無端ベルト装置の外部の駆動源により、外側から駆動力を伝達して前記無端ベルト装置の無端ベルトを走行し、前記第1転写ニップ位置で前記無端ベルトを走行する走行速度と、前記第2転写ニップ位置で前記無端ベルトを走行する走行速度とを異ならしめて、前記第1転写ニップ位置と前記第2転写ニップ位置間で前記無端ベルトにたわみを生じ、前記画像担持装置で担持する画像を前記第1転写ニップ位置で前記無端ベルト装置の前記無端ベルトに一次転写し、その無端ベルトで担持する画像を第2転写ニップ位置で二次転写することを特徴とする。
請求項22に記載の発明は、上述した第1の目的を達成すべく、画像担持装置と無端ベルト装置との間に形成して、前記画像担持装置で担持する画像を前記無端ベルト装置の無端ベルトに一次転写する第1転写ニップ位置で、前記無端ベルトを走行する走行速度と、前記無端ベルト上の画像を二次転写する第2転写ニップ位置で、前記無端ベルトを走行する走行速度とを異ならしめて、前記第1転写ニップ位置と前記第2転写ニップ位置間で前記無端ベルトにたわみを形成することを特徴とする、たわみ作成方法である。
請求項1に記載の発明によれば、一方の転写ニップ位置で発生したトルク変動が他方の転写ニップ位置に影響しないように、第1転写ニップ位置と第2転写ニップ位置間でたわませてベルト支持部材に無端ベルトを掛けまわすとともに、第1転写ニップ位置での走行速度と第2転写ニップ位置での走行速度とを適宜に設定するだけでよいので、画像転写装置の駆動源の出力を大きくしたり、駆動源の駆動力を伝える減速機の駆動伝達剛性を高めたりする必要をなくし、大きさや重量などが嵩んだり、コスト高を招いたりするおそれをなくすことができる。また、無端ベルトの継ぎ目が転写ニップ位置を通過したり、記録材が第2転写ニップ位置に進入したり、第2転写ニップ位置を抜けたりしたときなどに生ずる無端ベルトのトルク変動を、無端ベルトに発生するたわみで吸収し、そのトルク変動により無端ベルトの走行速度が変化してその変化が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止し、いわゆるショックジターなどの画像ひずみの発生をなくすことができる。
請求項2に記載の発明によれば、特に記録材が第2転写ニップ位置に進入したり、第2転写ニップ位置を抜けたりしたときなどに生ずる無端ベルトのトルク変動を、無端ベルトに発生するたわみで吸収し、そのトルク変動により無端ベルトの走行速度が変化してその変化が第1転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することができる。
請求項3に記載の発明によれば、特に転写定着タイプの画像転写装置において、記録材が第2転写ニップ位置に進入したり、第2転写ニップ位置を抜けたりしたときなどに生ずる無端ベルトのトルク変動を、無端ベルトに発生するたわみで吸収し、そのトルク変動により無端ベルトの走行速度が変化してその変化が第1転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することができる。
請求項4に記載の発明によれば、特に第2転写ニップ位置で転写画像担持装置に二次転写するタイプの画像転写装置において、無端ベルトの継ぎ目が転写ニップ位置を通過するときなどに生ずる無端ベルトのトルク変動を、無端ベルトに発生するたわみで吸収し、そのトルク変動により無端ベルトの走行速度が変化してその変化が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することができる。
請求項5に記載の発明によれば、特に画像担持装置として、像担持体に画像を形成する作像装置を備えるタイプの画像転写装置において、無端ベルトの継ぎ目が一方の転写ニップ位置を通過したり、記録材が第2転写ニップ位置に進入したり、第2転写ニップ位置を抜けたりしたときなどに生ずる無端ベルトのトルク変動を、無端ベルトに発生するたわみで吸収し、そのトルク変動により無端ベルトの走行速度が変化してその変化が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することができる。
請求項6に記載の発明によれば、特に画像担持装置として、中間転写体で画像を担持する中間転写装置を備えるタイプの画像転写装置において、無端ベルトの継ぎ目が一方の転写ニップ位置を通過したり、記録材が第2転写ニップ位置に進入したり、第2転写ニップ位置を抜けたりしたときなどに生ずる無端ベルトのトルク変動を、無端ベルトに発生するたわみで吸収し、そのトルク変動により無端ベルトの走行速度が変化してその変化が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することができる。
請求項7に記載の発明によれば、特に無端ベルト装置の無端ベルトに継ぎ目を有するタイプの画像転写装置において、無端ベルトの継ぎ目が一方の転写ニップ位置を通過したりしたときなどに生ずる無端ベルトのトルク変動を、無端ベルトに発生するたわみで吸収し、そのトルク変動により無端ベルトの走行速度が変化してその変化が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することができる。
請求項8に記載の発明によれば、無端ベルト装置専用の駆動源でベルト支持部材としてのローラを駆動して無端ベルトを走行するタイプの画像転写装置において、無端ベルトのトルク変動を、無端ベルトに発生するたわみで吸収し、そのトルク変動により無端ベルトの走行速度が変化してその変化が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することができる。
請求項9に記載の発明によれば、無端ベルト装置の外部に備える駆動源で外側から駆動力を伝達して、ベルト支持部材に掛けまわす無端ベルトを走行するタイプの画像転写装置において、無端ベルトのトルク変動を、無端ベルトに発生するたわみで吸収し、そのトルク変動により無端ベルトの走行速度が変化してその変化が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することができる。
請求項10に記載の発明によれば、無端ベルトを走行する駆動源を制御して第2転写ニップの下流位置で無端ベルトにたわみを確実に発生し、そのたわみで、特に記録材が第2転写ニップに進入するときの無端ベルトのトルク変動を吸収して、そのトルク変動により無端ベルトの走行速度が変化してその変化が第1転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することができる。記録材が第2転写ニップから抜けるときよりも第2転写ニップに進入するときの無端ベルトのトルク変動の方が大きいことから、後者に比べ前者のトルク変動が無視できるような場合に、このような構成とすると特に有効である。
請求項11に記載の発明によれば、無端ベルトに生ずるトルク変動を、無端ベルトに発生するたわみで吸収し、無端ベルトのたわみ量が減少しても、その減少をたわみ量検知手段で検知し、また第2転写ニップ位置を記録材が通過するとき、無端ベルトの走行速度が不安定となってたわみ量が乱れたときも、その乱れをたわみ量検知手段で検知し、駆動制御手段で駆動源をフィードバック制御することにより、たわみ量を元に戻して次のトルク変動発生時にも、そのトルク変動を吸収するようにし、無端ベルトに連続してトルク変動が発生するときにも、一方の転写ニップ位置で生じた無端ベルトのトルク変動が他方の転写ニップ位置に影響することを常に有効に阻止することができる。
請求項12に記載の発明によれば、記録材が第2転写ニップを通過するとき、その通過に合わせて駆動源をフィードバック制御し、無端ベルトのたわみ量を調整してそのたわみ量で無端ベルトのトルク変動を吸収し、そのトルク変動により無端ベルトの走行速度が変化してその変化が第1転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することができる。
請求項13に記載の発明によれば、記録材が第2転写ニップ位置に進入する前は、第2転写ニップの下流位置で無端ベルトにたわみを発生し、記録材が第2転写ニップ位置に進入するときの無端ベルトのトルク変動を吸収する一方、第2転写ニップを通過する記録材を検知したときは、第2転写ニップの上流位置で無端ベルトにたわみを発生し、記録材が第2転写ニップ位置を抜けたときの無端ベルトのトルク変動を吸収し、トルク変動により無端ベルトの走行速度が変化してその変化が第1転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することができる。
請求項14に記載の発明によれば、無端ベルトを、基層がポリイミドまたは金属、その基層の上がシリコンゴム層、表層がフッ素樹脂の3層構造とするので、画像担持性や画像転写性に優れた無端ベルトを有する画像転写装置を提供することができる。
請求項15に記載の発明によれば、画像転写装置を備える画像形成装置において、画像転写装置の第1転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度と、第2転写ニップ位置での無端ベルトの走行速度とを異ならしめるだけでよいので、画像転写装置の駆動源の出力を大きくしたり、駆動源の駆動力を伝える減速機の駆動伝達剛性を高めたりする必要をなくし、画像転写装置の大きさや重量などが嵩んだり、コスト高を招いたりするおそれがない。また、無端ベルトの継ぎ目が転写ニップ位置を通過したり、記録材が第2転写ニップ位置に進入したり、第2転写ニップ位置を抜けたりしたときなどに生ずる無端ベルトのトルク変動を、無端ベルトに発生するたわみで吸収し、そのトルク変動により無端ベルトの走行速度が変化してその変化が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止し、いわゆるショックジターなどの画像ひずみの発生をなくすことができる。
請求項16に記載の発明によれば、画像転写装置を備える画像形成装置において、特に記録材が画像転写装置の第2転写ニップ位置に進入したり、第2転写ニップ位置を抜けたりしたときなどに生ずる無端ベルト装置の無端ベルトのトルク変動を、無端ベルトに発生するたわみで吸収し、そのトルク変動により無端ベルトの走行速度が変化してその変化が第1転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することができる。
請求項17に記載の発明によれば、画像転写装置を備える画像形成装置において、特に第2転写ニップ位置で転写画像担持装置に二次転写するタイプの画像転写装置において、無端ベルトの継ぎ目が転写ニップ位置を通過するときなどに生ずる無端ベルトのトルク変動を、無端ベルトに発生するたわみで吸収し、そのトルク変動により無端ベルトの走行速度が変化してその変化が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することができる。
請求項18に記載の発明によれば、画像転写装置を備える画像形成装置において、特に転写定着タイプの画像転写装置において、記録材が第2転写ニップ位置に進入したり、第2転写ニップ位置を抜けたりしたときなどに生ずる無端ベルトのトルク変動を、無端ベルトに発生するたわみで吸収し、そのトルク変動により無端ベルトの走行速度が変化してその変化が第1転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することができる。
請求項19に記載の発明によれば、無端ベルト装置専用の駆動源でベルト支持部材としてのローラを駆動して無端ベルトを走行するタイプの画像転写方法において、転写ニップ位置間での無端ベルトの走行速度差から無端ベルトにたわみを生じてそのたわみで無端ベルトのトルク変動を吸収し、そのトルク変動により無端ベルトの走行速度が変化してその変化が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することができる。
請求項20に記載の発明によれば、無端ベルト装置専用の駆動源でベルト支持部材としてのローラを駆動して一方の転写ニップ位置で無端ベルトを走行するとともに、無端ベルト装置の外部の駆動源により外側から駆動力を伝達して他方の転写ニップ位置で無端ベルトを走行するタイプの画像転写方法において、転写ニップ位置間での無端ベルトの走行速度差から無端ベルトにたわみを生じてそのたわみで無端ベルトのトルク変動を吸収し、そのトルク変動により無端ベルトの走行速度が変化してその変化が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することができる。
請求項21に記載の発明によれば、無端ベルト装置の外部の駆動源により外側から駆動力を伝達して無端ベルトを走行するタイプの画像転写方法において、転写ニップ位置間での無端ベルトの走行速度差から無端ベルトにたわみを生じてそのたわみで無端ベルトのトルク変動を吸収し、そのトルク変動により無端ベルトの走行速度が変化してその変化が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することができる。
請求項22に記載の発明によれば、画像担持装置と無端ベルト装置との間に形成して、画像担持装置で担持する画像を無端ベルト装置の無端ベルトに一次転写する第1転写ニップ位置で、無端ベルトを走行する走行速度と、無端ベルト上の画像を二次転写する第2転写ニップ位置で、無端ベルトを走行する走行速度とを異ならしめて、第1転写ニップ位置と第2転写ニップ位置間で無端ベルトにたわみを形成するだけでよいので、画像転写装置の駆動源の出力を大きくしたり、駆動源の駆動力を伝える減速機の駆動伝達剛性を高めたりする必要をなくし、大きさや重量などが嵩んだり、コスト高を招いたりすることなく、無端ベルトの継ぎ目が転写ニップ位置を通過したり、記録材が第2転写ニップ位置に進入したり、第2転写ニップ位置を抜けたりしたときなどに生ずる無端ベルトのトルク変動を、無端ベルトに発生するたわみで吸収し、そのトルク変動により無端ベルトの走行速度が変化してその変化が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止し、いわゆるショックジターなどの画像ひずみの発生をなくすことができる。
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の最良形態につき説明する。
図1には、複写機、プリンタ、ファクシミリまたはそれらの複合機などの画像形成装置における内部機構の要部構成を示す。
図示画像形成装置では、複数の作像装置100b・100c・100m・100yでそれぞれの感光体10b・10c・10m・10y上に作像したトナー画像を、中間転写装置200の中間転写体20に転写し、その中間転写体20上のトナー画像を無端ベルト装置300の無端ベルト30上に転写し、その無端ベルト30上のトナー画像を二次転写装置400で、用紙・OHPフィルム等の記録材pに転写する。
作像装置100としては、中間転写装置200のベルト状中間転写体20の張り渡し方向に沿って、ブラック・シアン・マゼンタ・イエロの4つもの100b・100c・100m・100yを横に並べてタンデム型に備える。各作像装置100b・100c・100m・100yには、ドラム状の感光体10b・10c・10m・10yを互いに平行に並べて設け、ともに同じ反時計まわりに回転可能とする。
そして、各感光体10b・10c・10m・10yのまわりには、それぞれ帯電装置11b・11c・11m・11y、現像装置12b・12c・12m・12y、転写装置13b・13c・13m・13y、感光体クリーニング装置14b・14c・14m・14yを配置する。また、それら4つの各作像装置100上には、露光装置15を備える。
中間転写装置200は、エンドレスベルト状の中間転写体20を、図示例では各1つの駆動ローラ22と従動ローラ23間に掛けまわして図中時計まわりに走行可能に設ける。前述の転写装置13b・13c・13m・13yは、ローラ状で、中間転写体20の内側に設け、感光体10b・10c・10m・10yとの間で中間転写体20を挟んで備える。また、中間転写体20まわりには、図示例では、駆動ローラ22の左に、転写後に中間転写体20上に残留する残留トナーを除去する転写体クリーニング装置25を設け、従動ローラ23の右下に無端ベルト装置300を配置する。
無端ベルト装置300は、ベルト支持部材である大ローラ31と小ローラ32間に無端ベルト30を掛けまわして構成する。そして、無端ベルト30および中間転写体20を介して大ローラ31を従動ローラ23に押し当て、画像担持装置である中間転写装置200との間に第1転写ニップn1を形成する。他方、無端ベルト30を介して小ローラ32に外側から二次転写装置400の加圧ローラ40を押し当て、無端ベルト装置300と二次転写装置400との間に第2転写ニップn2を形成する。
以上のような中間転写装置200や無端ベルト装置300の下には、記録材pを積載して収容する記録材トレイ50と、その記録材トレイ50内に積載する記録材pの最上位の記録材の先端に接触して記録材pを上から順に一枚ずつ分離して繰り出す供給ローラ51と、その供給ローラ51で繰り出した記録材pを案内するガイド部材52と、そのガイド部材52で案内する記録材pをタイミングを取って第2転写ニップn2位置へと送り出すレジストローラ53などを備える。
さて、いまこの画像形成装置を用いて記録材pにカラー画像を記録するときは、複写機であれば不図示のスタートスイッチの操作により、プリンタであればホストからの画像信号に基づき、またファクシミリであれば電話回線を通して送られてくる画像信号に基づき、適宜のタイミングで各作像装置100のそれぞれの感光体10、中間転写装置200の中間転写体20、無端ベルト装置300の無端ベルト30、供給ローラ51などを回転駆動する。
そして、それぞれの感光体10の回転とともに、帯電装置11で感光体10の表面を一様に帯電して後、原稿読取装置からの読取信号やホストからの画像信号や電話回線を通しての画像信号に基づき、露光装置15で書込み光を照射して書込みを行い、感光体10上に静電潜像を形成し、それから現像装置12でそれぞれ別個のトナーを付着してその静電潜像を可視像化し、個々の感光体10上にそれぞれブラック・シアン・マゼンタ・イエロの単色トナー画像を形成する。
各感光体10上の単色トナー画像は、それぞれ転写装置13に所定の転写バイアスを印加して中間転写体20上に順次重ねて転写し、中間転写体20上に合成カラー画像を形成する。画像転写後の各感光体10は、感光体クリーニング装置14で残留トナーを除去して表面を清掃し、図示しない除電装置で除電することにより初期化して再度の画像形成に備える。
一方、中間転写体20上の合成カラー画像は、転写バイアスを印加することにより第1転写ニップn1位置において転写電界を形成し、無端ベルト30上に静電的に一次転写する。このとき、転写バイアスに交流成分またはパルス成分を重畳すると、トナーに及ぼす静電力が振動し、その振動によりトナーの付着力を弱めてトナーを移動しやすくすることができる。画像転写後の中間転写体20は、転写体クリーニング装置25で残留トナーを除去して表面を清掃し、初期化して再度の画像転写に備える。
他方、供給ローラ51の回転とともに、記録材トレイ50内に積載する記録材pの最上位の記録材pから一枚ずつ分離して繰り出し、ガイド部材52で案内して搬送し、レジストローラ53でタイミングを取って第2転写ニップn2に導く。そして、第2転写ニップn2位置で二次転写装置400の加圧ローラ40に転写バイアスを印加して、上述した無端ベルト30で保持するトナー画像を、第2転写ニップn2を通過する記録材pに転写し、記録材pにカラー画像を記録する。
なお、以上の説明では、記録材pにカラー画像を記録する場合について説明したが、上述した画像形成装置では、選択された単色モードまたは複数色モードにしたがい、適宜作像装置100のいくつかを選択使用し、モノクロ画像またはカラー画像を任意に形成することができるようになっている。
図2には、画像担持装置である中間転写装置200の中間転写体20で担持するトナー画像を無端ベルト装置300の無端ベルト30を介して記録材pに転写する画像転写装置500を拡大して示す。
図示画像転写装置500では、コストの低減を図るため、継ぎ目33を有する無端ベルト30を使用し、それを大ローラ31と小ローラ32間にたるみを持って掛けまわしてなる。無端ベルト30は、基層がポリイミド、その基層の上がシリコンゴム層、表層がフッ素樹脂の3層構造よりなる。基層には、ポリイミドに代えてニッケルなどの金属を用いてもよい。そして、無端ベルト装置300専用の駆動源である第1駆動源34と第2駆動源35を備え、第1駆動源34で減速機36を介して大ローラ31を回転駆動し、第2駆動源35で減速機37を介して小ローラ32を回転駆動するようにし、無端ベルト30の、第1転写ニップn1位置での走行速度と第2転写ニップn2位置での走行速度とを適宜に設定する。
例えば、第1転写ニップn1位置で無端ベルト30を走行する走行速度より、第2転写ニップ位置n2位置で無端ベルト30を走行する走行速度を若干速く設定する。
そして、記録材pが第2転写ニップn2位置に進入するときの無端ベルト30のトルク変動を、第2転写ニップn2の下流位置の無端ベルト30のたわみtで吸収し、第2転写ニップn2位置を抜けるときの無端ベルト30のトルク変動を、第2転写ニップn2の上流位置の無端ベルト30のたわみtで吸収する。また、たわみtの吸収が第2転写ニップn2の上流位置よりも下流位置の方が多いことから、下流位置の無端ベルト30のたわみtが徐々に減少することを、第1転写ニップn1位置で無端ベルト30を走行する走行速度より、第2転写ニップ位置n2位置で無端ベルト30を走行する走行速度を速くすることで徐々に修復する。
これにより、一方の転写ニップ位置で発生したトルク変動が他方の転写ニップ位置に影響しないように、第1転写ニップn1位置と第2転写ニップn2位置間でたわませて大ローラ31と小ローラ32間に無端ベルト30を掛けまわすとともに、第1転写ニップn1位置での走行速度と第2転写ニップn2位置での走行速度とを適宜に設定するだけでよいので、画像転写装置500の駆動源の出力を大きくしたり、それらの駆動源の駆動力を伝える減速機36・37などの駆動伝達剛性を高めたりする必要をなくし、大きさや重量などが嵩んだり、コスト高を招いたりするおそれをなくすことができる。
また、無端ベルト30の凸状の継ぎ目33が転写ニップ位置n1・n2を通過したり、記録材pが第2転写ニップn2位置に進入したり、第2転写ニップn2位置を抜けたりしたときなどに生ずる無端ベルト30のトルク変動を、無端ベルト30に発生するたわみtで吸収し、そのトルク変動により無端ベルト30の走行速度が変化してその変化が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止し、いわゆるショックジターなどの画像ひずみの発生をなくすことができる。
なお、この例では、画像担持装置である中間転写装置200に第3駆動源26を設け、その第3駆動源26で減速機27を介して駆動ローラ22を回転駆動して中間転写体20を走行する。他方、二次転写装置400には駆動源を設けず、加圧ローラ40は、無端ベルト30の走行に従動して回転する。
さて、図2に示す例では、無端ベルト装置300に専用の駆動源34・35を備え、それらの駆動源34・35により大ローラ31と小ローラ32を個別に駆動して無端ベルト30を走行した。しかし、図3(A)に示すように、第1駆動源34はなくし、第3駆動源26で走行する中間転写体20との摩擦接触により無端ベルト30に駆動力を伝達し、すなわち無端ベルト装置300の外部に備える第3駆動源26を用い、外側から駆動力を伝達して第1転写ニップn1位置で無端ベルト30を走行するようにしてもよい。
また逆に、図3(B)に示すように、第2駆動源35はなくし、別に二次転写装置400の加圧ローラ40を駆動する第4駆動源41を備え、その第4駆動源41で減速機42を介して加圧ローラ40を回転駆動し、摩擦接触により無端ベルト30に駆動力を伝達し、すなわち無端ベルト装置300の外部に備える第4駆動源41を用い、外側から駆動力を伝達して第2転写ニップn2位置で無端ベルト30を走行するようにしてもよい。
またさらに、図3(C)に示すように、無端ベルト装置300の専用の駆動源34・35の双方をなくして、無端ベルト装置300の外部に備える第3駆動源26を用い、外側から駆動力を伝達して第1転写ニップn1位置で無端ベルト30を走行するとともに、無端ベルト装置300の外部に備える第4駆動源41を用い、外側から駆動力を伝達して第2転写ニップn2位置で無端ベルト30を走行するようにしてもよい。
ここで、専用の駆動源34・35を用いて大ローラ31や小ローラ32を回転駆動しないときには、例えば図4に示すように、回転するローラに代えて、ベルト支持部材として、回転せずに固定して備えて第2転写ニップn2を形成するようなニップ形成部材38を用いることもできる。
図5には、画像転写装置500の他例を拡大して示す。
この例では、無端ベルト30を走行する駆動源を制御して、第1転写ニップn1位置で無端ベルト30を走行する走行速度よりも、第2転写ニップn2位置で無端ベルト30を走行する走行速度の方を速くし、第2転写ニップn2の下流位置で無端ベルト30に常にたわみを発生するようにする。
このように、第2転写ニップn2の下流位置で無端ベルト30にたわみを確実に発生し、そのたわみで、特に記録材pが第2転写ニップn2に進入するときの無端ベルト30のトルク変動を吸収することで、そのトルク変動により無端ベルト30の走行速度が変化してその変化が第1転写ニップn1位置に影響することを有効に阻止することができる。
この例の画像転写装置500では、記録材pが第2転写ニップn2から抜けるときの無端ベルト30のトルク変動が、第1転写ニップn1位置に影響することを防止することはできない。しかし、記録材pが第2転写ニップn2から抜けるときよりも第2転写ニップn2に進入するときの無端ベルト30のトルク変動の方が大きいことから、後者に比べ前者のトルク変動が無視できるような場合に、この例のような構成とすると、特に有効である。
図6には、画像転写装置500のさらに他例を拡大して示す。
この図6に示す画像転写装置500では、図2に示す構成の画像転写装置500に加えて、無端ベルト30のたわみ量を検知するたわみ量検知手段として、第2転写ニップn2の下流位置に備えるマイクロスイッチ60と、上流位置に備えるマイクロスイッチ61を設けるとともに、それらのマイクロスイッチ60・61の出力信号に基づき、駆動源である、例えば第1駆動源34および第4駆動源41をフィードバック制御する駆動制御手段62を備える。
そして、マイクロスイッチ60・61のオンオフにより無端ベルト30のたわみ量を検知し、それらのマイクロスイッチ60・61の出力信号を駆動制御手段62に入力して、それらの出力信号に基づき駆動制御手段62で第1駆動源34や第4駆動源41をフィードバック制御し、減速機36・42を介して大ローラ31および加圧ローラ40を回転することにより無端ベルト30を走行し、第1転写ニップn1位置での無端ベルト30の走行速度と第2転写ニップn2位置での無端ベルト30の走行速度とをゆるやかに異ならしめ、第1転写ニップn1位置と第2転写ニップn2位置間で無端ベルト30に常に一定のたわみを発生するようにする。
これにより、無端ベルト30に生ずるトルク変動を、無端ベルト30に発生するたわみで吸収し、そのトルク変動を吸収することで無端ベルト30のたわみ量が減少しても、その減少をたわみ量検知手段であるマイクロスイッチ60・61で検知する。また、第2転写ニップn2位置を記録材pが通過するとき、無端ベルト30の走行速度が不安定となってたわみ量が乱れたときも、その乱れをマイクロスイッチ60・61で検知する。そして、駆動制御手段62で第1駆動源34や第4駆動源41をフィードバック制御することにより、たわみ量をゆるやかに元に戻して次のトルク変動発生時にも、そのトルク変動を確実に吸収するようにし、無端ベルト30に連続してトルク変動が発生するときにも、一方の転写ニップ位置で生じた無端ベルト30のトルク変動が他方の転写ニップ位置に影響することを常に有効に阻止する。
なお、図示例では、たわみ量検知手段であるマイクロスイッチ60・61を第2転写ニップn2の下流位置と上流位置に設けたが、これに限らず、1つであってもよいし、また3つ以上であってもよい。
ところで、上述した例では、画像担持装置である中間転写装置200で担持するトナー画像を第1転写ニップn1位置で無端ベルト装置300の無端ベルト30に一次転写し、その無端ベルト30で担持するトナー画像を第2転写ニップn2位置で記録材pに二次転写する画像転写装置500について説明した。
図7には、画像転写装置500のまたさらに他例を拡大して示す。
この例の画像転写装置500では、画像担持装置である作像装置100b・100c・100m・100yでトナー画像を形成して、それぞれのドラム状の感光体10b・10c・10m・10yで担持するトナー画像を第1転写ニップn1位置で、転写装置13b・13c・13m・13yにより無端ベルト装置の無端ベルトである中間転写装置200の中間転写体20に一次転写し、その中間転写体20で担持するトナー画像を第2転写ニップn2位置で二次転写装置400の加圧ローラ40により記録材pに二次転写するものである。
そして、第1転写ニップn1位置と第2転写ニップn2位置間で中間転写体20に常にたわみtを生ずるように、ベルト支持部材である駆動ローラ22と従動ローラ23に中間転写体20を掛けまわし、第3駆動源26と第5駆動源65とを駆動して減速機27を介して駆動ローラ22を回転駆動するとともに減速機66を介して加圧ローラ40を回転駆動し、中間転写体20を第1転写ニップn1位置と第2転写ニップn2位置とで個別に駆動してそのたわみtを維持する。
これにより、特に画像担持装置として、感光体10b・10c・10m・10yに画像を形成する作像装置100b・100c・100m・100yを備えるタイプの画像転写装置500において、無端ベルトである中間転写体20の継ぎ目が一方の転写ニップ位置を通過したり、記録材pが第2転写ニップn2位置に進入したり、第2転写ニップn2位置を抜けたりしたときなどに生ずる中間転写体20のトルク変動を、中間転写体20に発生するたわみtで吸収し、そのトルク変動により中間転写体20の走行速度が変化してその変化が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することができる。
なお、図中符号67は、中間転写体20に付着するトナーを模式的に示したものであり、その中間転写体20で担持するトナー画像を形成している。
さて、図7に示すような画像転写装置500にあっては、第2転写ニップn2を記録材pが通過するごとに中間転写体20のたわみ量が減ずることから、記録材pが第2転写ニップn2を通過していないときに第5駆動源65を駆動して二次転写装置400の加圧ローラ40を回転し、たわみ量を元に戻して一定に保持するようにしてなる。第2転写ニップn2に記録材pがないから、すべりを発生することなく、中間転写体20を確実に走行してたわみ量を元に戻すことができる。
図8には、図7に示す画像転写装置500の変形例を示す。
この例では、図7に示す構成の画像転写装置500の第2転写ニップn2位置と感光体10yの第1転写ニップn1位置との間に一対のローラ68を設けて中間転写体20を挟み、たわみtを形成する範囲を制限したものである。
図9には、画像転写装置500のまたさらに他例を拡大して示す。
この例の画像転写装置500では、作像装置100b・100c・100m・100yでトナー画像を形成して、それぞれのドラム状の感光体10b・10c・10m・10yで担持するトナー画像を、画像担持装置である中間転写装置200の中間転写体20に転写し、その中間転写体20で担持するトナー画像を第1転写ニップn1位置で、無端ベルト装置の無端ベルトである転写定着装置700の転写定着ベルト70に一次転写し、その転写定着ベルト70で担持するトナー画像を第2転写ニップn2位置で二次転写装置400の加圧ローラ40により記録材pに二次転写するものである。
転写定着装置700では、転写定着ベルト70を小ローラ71と大ローラ72との間にたるみtを持って掛けまわし、小ローラ71を転写定着ベルト70と中間転写体20を介して中間転写装置200の駆動ローラ22に押し当てる一方、大ローラ72を転写定着ベルト70を介して二次転写装置400の加圧ローラ40に押し当ててなる。
そして、無端ベルト装置である転写定着装置700のまわりには、転写定着ベルト70で担持するトナー画像を加熱する加熱手段73を備え、その加熱手段73でトナー67を加熱して、加熱したトナー画像を二次転写装置400の加圧ローラ40で記録材pに転写して同時に定着する。加熱手段73は、例えばトナー画像を加熱するハロゲンヒータ74と、そのハロゲンヒータ74の熱を転写定着ベルト70に向けて反射する反射板75とで構成してなる。
また、この例では、第6駆動源76の駆動力を減速機77を介して駆動ローラ23に伝達して、従動ローラ23との間に掛けまわす中間転写体20を矢示方向に走行するとともに、第1転写ニップn1位置でその中間転写体20と摩擦接触する転写定着ベルト70を走行する一方、第7駆動源78の駆動力を減速機79を介して大ローラ72に伝達して第2転写ニップn2位置で転写定着ベルト70を矢示方向に走行するとともに、第2転写ニップn2位置でその転写定着ベルト70と摩擦接触する加圧ローラ40を矢示方向に従動回転する。そして、通常時は、第1転写ニップn1位置で転写定着ベルト70を走行する走行速度より、第2転写ニップn2位置で転写定着ベルト70を走行する走行速度を速くし、第2転写ニップn2の下流位置にたわみtを形成する。
ところで、記録材pの搬送方向における第2転写ニップn2の上流位置には、第2転写ニップn2を通過する記録材pを検知するフォトセンサ等の記録材検知手段80を備えてなる。そして、その記録材検知手段80の出力信号を入力する駆動制御手段81を備え、その出力信号に基づき第6駆動源76および第7駆動源78をフィードバック制御する。具体的には、駆動制御手段81では、記録材検知手段80で記録材pを検知したとき、第1転写ニップn1位置で転写定着ベルト70を走行する走行速度と、第2転写ニップn2位置で転写定着ベルト70を走行する走行速度とを等しくするか、または前者より後者を遅くする。
これにより、記録材pが第2転写ニップn2位置に進入する前は、第2転写ニップn2の下流位置で転写定着ベルト70にたわみを発生し、記録材pが第2転写ニップn2位置に進入するときの転写定着ベルト70のトルク変動を吸収する。一方、第2転写ニップn2を通過する記録材pを検知したときは、第6駆動源76および第7駆動源78をフィードバック制御して第2転写ニップn2の上流位置で転写定着ベルト70にたわみを発生し、記録材pが第2転写ニップn2位置を抜けたときの転写定着ベルト70のトルク変動を吸収し、トルク変動により転写定着ベルト70の走行速度が変化してその変化が第1転写ニップn1位置に影響することを有効に阻止することができる。
すなわち、記録材pが第2定着ニップn2に進入すると、転写定着ベルト70の走行速度が遅くなり、速度変動が発生する。このとき、第2転写ニップn2の下流位置で転写定着ベルト70がたわんでいることから、転写定着ベルト70の走行速度が遅くなってもそのたわみ量が変化するだけで第1転写ニップn1位置の転写定着ベルト70の走行速度に何ら影響を及ぼすことはない。
また、記録材pが第2定着ニップn2に進入する前後のタイミングで、転写定着ベルト70の走行速度を遅くすることにより、第2転写ニップn2の上流位置で転写定着ベルト70にたわみを生ずる。この状態で、記録材pの後端が第2転写ニップn2から抜けると、記録材pの走行速度は速くなり、速度変動を発生するが、第2転写ニップn2の上流位置で転写定着ベルト70がたわんでいることから、転写定着ベルト70の走行速度が速くなってもそのたわみ量が変化するだけで第1転写ニップn1位置の転写定着ベルト70の走行速度に何ら影響を及ぼすものではない。
さて、上述した例では、すべて画像担持装置で担持する画像を第1転写ニップn1位置で無端ベルト装置の無端ベルトに一次転写し、その無端ベルトで担持する画像を第2転写ニップn2位置で記録材pに二次転写する場合について説明したが、無端ベルトで担持する画像を記録材ではなく、転写画像を担持する転写画像担持装置に二次転写するようにしてもよい。
図10には、画像転写装置500のまたさらに他例を拡大して示す。
この画像転写装置500では、作像装置100b・100c・100m・100yの感光体10b・10c・10m・10y上のトナー画像を中間転写装置200の中間転写体20に一次転写し、その中間転写体20で担持するトナー画像を、ヒータ83を内蔵する転写定着ローラ84に二次転写し、その転写定着ローラ84で担持するトナー画像を転写ローラ85で記録材pに転写して同時に定着するものである。
記録材pは、記録材トレイ50から供給ローラ51で繰り出してガイド部材52で案内して搬送ローラ54で搬送し、レジストローラ53でタイミングを取って第3転写ニップn3位置へと送り出す。
そして、第1転写ニップn1位置での無端ベルトである中間転写体20の走行速度と、中間転写体20上の画像を転写画像担持装置である転写定着ローラ84に二次転写する第2転写ニップn2位置での中間転写体20の走行速度とを適宜に設定して、第1転写ニップn1位置と第2転写ニップn2位置間で中間転写体20に常にたわみを発生する。
このようにすると、特に第2転写ニップn2位置で、転写画像担持装置である転写定着ローラ84に二次転写するタイプの画像転写装置500において、無端ベルトである中間転写体20の継ぎ目が転写ニップ位置を通過するときなどに生ずる中間転写体20のトルク変動を、中間転写体20に発生するたわみで吸収し、そのトルク変動により中間転写体20の走行速度が変化してその変化が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することができる。
図11には、画像転写装置500のまたさらに他例を拡大して示す。
この画像転写装置500では、カラー作像装置800の感光体10上のトナー画像を、第1転写ニップn1位置で転写定着装置700の転写定着ベルト70に一次転写し、その転写定着ベルト70で担持するトナー画像を、第2転写ニップn2位置で二次転写装置400の加圧ローラ40により記録材pに二次転写して同時に定着するものである。
画像担持装置であるカラー作像装置800では、ベルトでもよいが、図示例ではドラムの感光体10のまわりに、イエロ・シアン・マゼンタ・ブラックの4つ現像装置12y・12c・12m・12bを備える。そして、記録材pにフルカラー画像を記録するときには、感光体10の図中矢示方向の回転とともに、まず不図示の帯電装置で帯電して露光装置で書込みを行うことにより感光体10上に第1色目の静電潜像を形成し、第1色目の現像装置で現像を行って感光体10上に第1色目のトナー画像を形成する。
次いで、1回転後、同様に不図示の帯電装置で帯電して露光装置で書込みを行うことにより感光体10上に第2色目の静電潜像を形成し、第2色目の現像装置で現像を行って感光体10上に、第1色目のトナー画像に重ねて第2色目のトナー画像を形成する。同じように、第3色目、第4色目のトナー画像を形成することにより、感光体10上にフルカラー画像を形成する。図中符号86は、フルカラー画像を形成するトナーを模式的に示す。
無端ベルト装置である転写定着装置700では、誘導発熱層を有する転写定着ベルト70を、ベルト支持部材である大ローラ31と小ローラ32間に掛けまわしてなり、そのまわりに、誘導コイルを備える誘導加熱装置87を設ける。そして、その誘導加熱装置87の誘導コイルで、図中矢示方向に回転する転写定着ベルト70の誘導発熱層を発熱し、第1転写ニップn1位置で、転写定着装置700の転写定着ベルト70に一次転写したフルカラー画像を加熱する。
第2転写ニップn2には、図示省略するが、例えば同様に記録材トレイから供給ローラで繰り出した記録材pをレジストローラでタイミングを取って送り込む。そして、その記録材pに、加熱したフルカラー画像を、第2転写ニップn2位置で二次転写装置400の加圧ローラ40により二次転写して加圧し、転写と同時に定着する。
この画像転写装置500でも、第1転写ニップn1位置での無端ベルトである転写定着ベルト70の走行速度と、第2転写ニップn2位置での転写定着ベルト70の走行速度とを適宜に設定して、第1転写ニップn1位置と第2転写ニップn2位置間で中間転写体20に常にたわみを発生する。
このようにすると、特に画像担持装置であるカラー作像装置800の感光体10で担持する画像を第1転写ニップn1位置で、無端ベルト装置の無端ベルトである転写定着装置700の転写定着ベルト70に一次転写し、その転写定着ベルト70で担持する画像を第2転写ニップn2位置で記録材pに二次転写するタイプの画像転写装置500において、転写定着ベルト70の継ぎ目が転写ニップ位置を通過するときなどに生ずる転写定着ベルト70のトルク変動を、転写定着ベルト70に発生するたわみで吸収し、そのトルク変動により転写定着ベルト70の走行速度が変化してその変化が他方の転写ニップ位置に影響することを有効に阻止することができる。