JP2007264593A - 定着装置およびこれを用いた画像形成装置 - Google Patents

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伸 茅原
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淳 中藤
Hiroomi Tamura
博臣 田村
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Abstract

【課題】厚紙先端の突入、または厚紙後端が抜ける時に発生する急激な負荷の変動要因を減少させる様にして、1次転写部に伝播する転写の位置誤差要因を低減させ、1次転写部における微少な位置変動(ショックジター)を解消し形成画像劣化を防止した定着装置・画像形成装置を提供する。
【解決手段】転写定着ベルト1周内で局所的に速度差を設ける、あるいは転写定着ベルトのテンショナーを所望時に瞬間的に解除することで、転写定着ベルトに弛みを設けて急激な負荷変動による定着部の速度変動が2次転写部や1次転写部に伝搬しないよう構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等において中間転写ベルトを用いた定着装置に関する。
複写機やファクシミリあるいはプリンタさらには印刷機などの画像形成装置においては、記録用紙などのシート上に転写されて担持されている未定着画像を加熱定着することにより複写物や記録物を得ることができる。定着に際しては、未定着画像を担持しているシートを挟持搬送しながら未定着画像を加熱することにより未定着画像中に含まれる現像剤、特にトナーの溶融軟化及びシートへの浸透を行わせることによりシートにトナーを定着することが行われる。なお、定着装置は、一般にクリーニング手段を備えている(例えば、特許文献1参照)。
従来の画像形成方式には用紙上に一旦、中間転写ベルトまたは感光体から静電気的にトナーを転写させ搬送下流の定着装置に導くことで上記、画像形成を行うものがある(例えば、特許文献2、特許文献3、等参照)。この方式であれば、用紙(特に厚紙)先端が定着に入る際、または後端が定着を抜ける際の定着ローラの回転変動は画像に悪影響を及ぼさなかった。
近来、2次転写部から定着までを一体で構成する方式が提案されている(例えば、特許文献4あるいは特許文献5参照)。この方式によれば装置の小型化や用紙搬送信頼性の向上等の効果が得られる。しかしながら上記方式においては、冒頭で述べた定着方式で問題にならなかった用紙の突入または抜けるときのショックジターが画像上に悪影響を及ぼすようになる。
本発明で着目する、画像形成装置でのショックジターについて説明する。図9は、タンデム型に感光体を配した電子写真記録方式の画像形成装置における、厚紙転写が行われる位置(2次転写部)を模式的に示す説明図である。厚紙Pが2次転写ローラおよび対向ローラで形成される2次転写ニップ部nに突入する時、また、離脱する時それぞれに搬送方向に負荷変動が発生する。この2次転写部で発生する負荷変動は中間転写ベルトを伝播して駆動ローラに伝わる。駆動ローラ軸は、回転ジョイント機構や減速機構を経由の後、駆動モータ(DCモータやパルスモータ)に連結されている。ベルトの移動は、駆動ローラに巻き付き、その摩擦駆動力により微少な移動量もコントロールしている。前記した2次転写部での負荷変動が、同じく前記した駆動ローラ部で制御出来ないと、若干の移動位置誤差が、その上流にある感光体ドラムに対向した1次転写部に伝播して転写の位置誤差を発生することになる。この部分が画像における微少な位置変動(ショックジター)となって見栄えの悪い画像不良を招く。
ベルトの移動を制御すべき駆動ローラ部及び伝達系には、いくつかの変動要因がある。負荷の変動によるベルトの微少スリップ、あるいは伸び。ジョイント機構や減速機構である歯車部での回転伝達時の撓み、あるいはモータの保持力が負荷変動に負けるなどの理由による。こうして、用紙先端、後端が定着ニップを通過する際、特に厚紙の場合、負荷変動が2次転写部から中間転写ベルトを経て上記1次転写部に伝播するため、画像における微少な位置変動(ショックジター)を招いていた。上記定着ニップの面圧は図4の2次転写面圧の5倍程度あり、上記ショックジターが増長される傾向にあり帯状のバンディングが顕著になるといった悪影響が生じていた。
図10(a)および図10(b)に示すように、2次転写部相当位置に計測ローラ対60を配置して、実験により得られた速度変動計測例を図11に示す。2対のローラ群で厚紙Pを搬送した際、計測ローラ60における速度変動は、厚紙Pの先端が計測ローラ60に突入する時(a)より、後端が抜け出る時(b)の方が速度変動が大きいといった実測結果が得られている。
特開2000−089601号公報 特許第3042414号公報 特開平10−268595号公報 特開平10−063121号公報 特開2004−145260号公報
したがって、本発明の目的とするところは、前述した厚紙先端の突入、または厚紙後端が抜ける時に発生する急激な負荷の変動要因を減少させる様にして、1次転写部に伝播する転写の位置誤差要因を低減させ、1次転写部における微少な位置変動(ショックジター)を解消した装置を供給することにある。
下記において請求項1〜請求項9、請求項14および請求項16は先の出願(基礎出願)に係るものである。
請求項1記載の発明は、画像転写部において(中間転写体、感光体ドラム、感光体ベルトなどの)像担持体上のトナー画像(以下、画像と記載する場合がある)が転写される転写定着部材が、張架された無端ベルトで構成され、該転写定着ベルト上の画像を加熱する加熱手段と、転写定着ローラと加圧部材を対向させ、これらローラ間の対向間隙に上記転写定着ベルトを走行可能に設けるとともに、上記加圧部材と転写定着ベルトとで定着ニップを形成し、該定着ニップを通過する記録媒体上に画像を加圧して定着させる構成の定着装置において、少なくとも記録媒体先端が上記定着ニップを通過する時(「少なくとも」とは、記録媒体後端が上記定着ニップを通過する時つまり、用紙が定着ニップから抜ける時を含む)、ベルト回転順方向における定着ニップから上記画像転写部までの区間で転写定着ベルトを弛ませるように構成したことを特徴とする。
本発明では、用紙(特に厚紙)突入時、定着ニップローラ対が用紙をくわえこむ時に生じる速度変動がベルトの弛みによって吸収されるので、先端突入時のショックジターを良好に回避できる。画像形成されないベルト部位が弛むので画像に悪影響がない。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の定着装置において、上記転写定着ベルトを弛ませるために、ベルト回転順方向における定着ニップから上記画像転写部までの区間に、周速が上記転写定着ローラの周速よりも高くなるように高速で回転する高速ローラを転写定着ベルトに当接するように設けたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2に記載の定着装置において、前記定着ローラよりも高速で回転する高速ローラが、転写定着ベルト表面の残余トナーを掻き取るクリーニングローラであることを特徴とする。ベルトを弛ませる高速ローラとクリーニングローラを兼ねることができるので構成がシンプルで効率的で好ましい。
請求項4記載の発明は、請求項1に記載の定着装置において、ベルト回転順方向における定着ニップから上記画像転写部までの区間に張力付与手段を設け、記録媒体先端が上記定着ニップを通過する時、転写定着ベルトへの張力付与を解除することで該転写定着ベルトを弛ませるように構成したことを特徴とする。ベルトは、通常駆動時には適度なテンションで張架されているため、良好な走行安定性を確保できる。
請求項5記載の発明は、画像転写部において(中間転写体、感光体ドラム、感光体ベルトなどの)像担持体上のトナー画像が転写される転写定着部材が、張架された無端ベルトで構成され、該転写定着ベルト上の画像を加熱する加熱手段と、転写定着ローラと加圧部材を対向させ、これらローラ間の対向間隙に上記転写定着ベルトを走行可能に設けるとともに、上記加圧部材と転写定着ベルトとで定着ニップを形成し、該定着ニップを通過する記録媒体上に画像を加圧して定着させる構成の定着装置において、ベルト回転順方向における上記画像転写部から定着ニップまでの区間に張力付与手段を設け、記録媒体後端が上記定着ニップを通過する時、上記張力付与手段による張力付与を解除することで上記転写定着ベルトを弛ませるように構成したことを特徴とする。用紙(特に厚紙)後端が抜ける時、定着ニップローラ対が密着する時に生じる速度変動がベルトの弛みによって吸収されるので、後端抜け時のショックジターを良好に回避できる。
請求項6記載の発明は、請求項4または5に記載の定着装置において、記録媒体厚みを検出する手段もしくは記録媒体厚みを入力する手段を更に設け、記録媒体厚さが一定以上の場合にのみ、記録媒体先端または後端が上記ニップを通過する時、張力付与を解除するように構成したことを特徴とする。負荷変動が少ないため張力付与解除を行わなくてもショックジターが発生しない薄紙の場合は、無駄な張力解除を行わないことでベルトに余計な負荷を与えず、ベルトの耐久性アップにつながる。
請求項7記載の発明は、請求項3に記載の定着装置において前記クリーニングローラが断熱層を有することを特徴とする。また、請求項8記載の発明は、請求項4〜6のいずれか1項に記載の定着装置において、上記張力付与手段は、断熱層を有するテンションローラ(図2を参照)であることを特徴とする。断熱層を有することにより、定着装置全体の加熱時間短縮が図れる。
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の定着装置において、転写定着ベルト両端に一定厚みのサイドガイド部材を貼付して転写定着ベルトの蛇行補正を行うことを特徴とする。転写定着ベルトに寄り力が生じた場合でも、一方のサイドガイド部材が張架するローラ群の端部に当接することで、当接箇所より外側への寄りを阻止することができる。
請求項10記載の発明は、上記張力付与手段をクリーニングローラで構成したことを特徴とする請求項4に記載の定着装置である。
請求項10の発明は、用紙(特に厚紙)突入時の速度変動による画像品質不良の防止に有効である。すなわち、用紙(特に厚紙)突入時、定着ニップローラ対が用紙をくわえこむ時に生じる速度変動がベルトの弛みによって吸収されるので、先端突入時のショックジターを良好に回避できる。ベルトの弛みを張力付与手段により調節することができ、これをクリーニングローラで構成することで、機能を共有することができるため低コストで課題解決ができる。
請求項11記載の発明において、上記クリーニングローラは、ベルト回転順方向における該クリーニングローラ下流に位置するベルト張架部材(例えば、図4の張架ローラ103)と転写定着ローラの共通接線の位置よりも、転写定着ベルトが形成するベルトループの内側に食い込むような位置に、転写定着ベルトに張力を付与するように構成されていることを特徴とする請求項10に記載の定着装置である。
請求項11の発明は、転写定着部材の良好なクリーニング性確保による画像品質不良の防止に効果的である。すなわち、クリーニングローラ下流に位置する張架部材と定着ローラとの接線位置より内側に食込むような位置に張力付与させるよう構成したことにより、クリーニングローラとベルトとの接触面積を大きくすることができるため、接触面積の小さい状態よりトナーを容易にローラ側に転移させることができ、クリーニング性能が向上する。
請求項12記載の発明は、上記クリーニングローラが、周速が転写定着ベルトと略等速となるように回転することを特徴とする請求項11に記載の定着装置である。
請求項12の発明は、転写定着部材の良好なクリーニング性確保による画像品質不良の防止。部品の長寿命化。低コスト化に有効である。すなわち、クリーニングローラとベルトとの接触面積を大きくすることができるため、接触面積の小さい状態よりトナーを容易にローラ側に転移させることができ、これによりベルトとの速度差をつけなくても良好にクリーニングできることから、クリーニングローラとベルトとの線速差による擦れによる劣化が抑えられ、部品の長寿命化に繋がる。また、クリーニングローラを別駆動にする構成が不要となりコストダウンに繋がる。
請求項13記載の発明は、前記クリーニングローラが転写定着ベルトに対し接離可能であることを特徴とする請求項12に記載の定着装置である。
請求項13の発明では、更なる省エネ構成を狙った、転写定着部材の良好なクリーニング性確保による画像品質不良の防止に効果がある。すなわち、転写定着部材との接離を行う具体的方法として、接触時の転写定着部材の温度低下=エネルギ消費発生、非接触時の転写定着部材の温度低下なし=エネルギ消費抑制、と使い分けることにより、より効率的なエネルギ消費となることから、省エネ化が可能となる。
請求項14記載の発明では、請求項1から13のいずれか1項に記載の定着装置を用いて画像形成装置を構成する。したがって、それぞれの定着装置に対応した効果が得られる。
請求項15記載の発明は、ワーデル実用球形度φが0.8以上のトナーを現像剤として用いることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置である。
請求項15の発明では、転写性を向上させて高画質化を図るのに効果がある。すなわち、ワーデル実用球形度φが0.8以上の値をもつトナーは転写性が向上することから、これを利用して高画質化を図ることができる。なお、上記ワーデル実用球形度φの詳細に関しては、後に説明する。
また、請求項16記載の発明の画像形成方法は、請求項1から13のいずれか1項に記載の定着装置により定着ニップを通過する記録媒体上に画像を加圧して定着させる過程を含むことを特徴とする。定着ニップで負荷変動や回転変動による位置変動が発生してもベルトの弛みがこれを吸収するので、例えば、2次転写部から中間転写ベルトへの位置変動の伝搬が低減もしくは解消され、中間転写ベルトから1次転写部に伝搬する微少な位置変動(ショックジター)を解決することができる。
本発明によれば、たとえ定着ニップで負荷変動や回転変動による位置変動が発生しても転写定着ベルトの弛みがこれを吸収するので、例えば、2次転写部から中間転写ベルトへの位置変動の伝搬が低減もしくは解消され、中間転写ベルトから1次転写部に伝搬する微少な位置変動(ショックジター)による形成画像劣化を防止することができる。
本発明は、前述のような目的を達成するため、転写定着ベルトに弛みを設けて急激な負荷変動による定着部(定着ニップ)の速度変動が2次転写部や1次転写部に伝搬しないよう構成したものである。弛みを設ける具体的方式として、転写定着ベルト1周内で局所的に速度差を設ける方式、あるいは転写定着ベルトのテンショナーを所望時に瞬間的に解除する方式を採用している。以下に詳述するこれらの手段によれば、たとえ定着ニップで負荷変動や回転変動による位置変動が発生してもベルトの弛みがこれを吸収するので、2次転写部から中間転写ベルトへの位置変動の伝搬が低減もしくは解消され、従来みられた中間転写ベルトから1次転写部に微少な位置変動が伝搬して(ショックジター)が発生してしまう問題を解決することができる。
以下に本発明の第1実施形態1〜第9実施形態について説明するが、これらのうち第1実施形態〜第3実施形態(図1〜図3)は先の出願に係るものである。
つぎに、本発明を画像形成装置であるタンデム型の電子写真式カラー複写機に適用した実施形態を挙げ、図面に従って説明する。
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1の実施形態である画像形成装置としてのカラー複写機の内部要部を示す側面図である。図1に基づいて本実施形態における画像形成装置としてのタンデム型のカラー複写機の構成及び動作の概要を説明する。
カラー複写機1は、装置本体中央部に位置する画像形成部1Aと、該画像形成部1Aの下方に位置する給紙部1Bと、画像形成部1Aの上方に位置する図示しない画像読取部を有している。画像形成部1Aには、水平方向に延びる転写面を有する中間転写体としての中間転写ベルト2が配置されており、該中間転写ベルト2の上面には、色分解色と補色関係にある色の画像を形成するための構成が設けられている。すなわち、補色関係にある色のトナー(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)による像を担持可能な像担持体としての感光体3Y、3M、3C、3Bが中間転写ベルト2の転写面に沿って並置されている。
各感光体3Y、3M、3C、3Bはそれぞれ同じ方向(反時計回り方向)に回転可能なドラムで構成されており、その周りには、回転過程において画像形成処理を実行する帯電装置4、光書き込み手段としての書き込み装置5、現像装置6、1次転写装置7、及びクリーニング装置8が配置されている。各符号に付記しているアルファベットは、感光体3と同様、トナーの色別に対応している。
各現像装置6には、それぞれのカラートナーが収容されている。中間転写ベルト2は、駆動ローラ9と、従動ローラ10に掛け回されて感光体3Y、3M、3C、3Bとの対峙位置において同方向に移動可能な構成を有している。従動ローラ10と対向する位置には、中間転写ベルト2の表面をクリーニングするクリーニング装置11が設けられている。
感光体3Yの表面が帯電装置4により一様に帯電され、画像読取部からの画像情報に基づいて感光体3Y上に静電潜像が形成される。該静電潜像はイエローのトナーを収容した現像装置6Yによりトナー像として可視像化され、該トナー像は所定のバイアスが印加される1次転写装置7Yにより中間転写ベルト2上に1次転写される。他の感光体3M、3C、3Bでもトナーの色が異なるだけで同様の画像形成がなされ、それぞれの色のトナー像が中間転写ベルト2上に順に転写されて重ね合わせられる。転写後感光体3上に残留したトナーはクリーニング装置8により除去され、また、転写後に図示しない除電ランプにより感光体3の電位が初期化され、次の作像工程に備えられる。
しかして、駆動ローラ9の近傍には、定着装置12が設けられている。定着装置12は、中間転写ベルト2上の画像としての未定着トナー像を転写される転写定着部材としての転写定着ベルト13と、中間転写ベルト2と2次転写ニップnを形成する2次転写ローラ対41、21、該転写定着ベルト13を回転駆動させるための転写定着ローラ22、該転写定着ベルト13とで定着ニップNを形成する加圧部材(対向部材)としての加圧ローラ14を有している。本実施形態の定着装置12は、ショックジターを解消するための機構(以下、簡略に解消機構とも記す)を含み構成されている。この解消機構は、転写定着ベルト13およびこれと協働して機能するいくつかの部材により実現されるが、その詳細構成については、後で詳細に説明する。
転写定着ベルト13は100μm相当のポリイミド等の基材にシリコーンゴム等の弾性層、さらに表層はPFAコート等の離型層がコーティングされている。また、転写定着ベルト13近傍の外側あるいは内部に転写定着ベルト13上の画像を加熱する加熱手段としてのハロゲンヒータ15および反射板40が設けられている。対向部材(加圧部材)となる加圧ローラ14は、芯金14aとゴム等の弾性層14bを有している。
給紙部1Bは、記録媒体としての用紙Pを積載収容する給紙トレイ16と、該給紙トレイ16内の用紙Pを最上のものから順に1枚ずつ分離して給紙する給紙コロ17と、給紙された用紙Pを搬送する搬送ローラ対18と、用紙Pが一旦停止され、斜めずれを修正された後、転写定着ベルト13上の画像の先端と搬送方向の所定位置とが一致するタイミングで定着ニプNに向けて送り出されるレジストローラ対19を有している。
感光体3Y、3M、3C、3Bから中間転写ベルト2上に1次転写されたトナー像T(以下、単にトナーともいう)は、図示しないバイアス印加手段により駆動ローラ9下流の2次転写ローラ41に印加されるバイアス(AC、パルスなどの重畳を含む)により転写定着ベルト13に静電気力で2次的に転写される。2次転写性能つまりは中間転写ベルト2と転写定着ベルト13の密着性を良好にする為、2次転写ローラ41は図示しない両端に設けられた軸受を介してスプリングによって転写定着ベルト13の中心方向に加圧される。
図1に示すように、中間転写ベルト2と転写定着ベルト13との間には、転写定着ベルト13から中間転写ベルト2への熱放射(熱移動)を抑制する熱遮蔽部材又は熱移動抑止部材としての断熱プレート20が設けられている。断熱プレート20は、中間転写ベルト2から転写定着ベルト13への2次転写を阻害しない状態で中間転写ベルト2への熱放射を極力抑えるように、開口部を有する形状に形成されており、図示しない定着装置本体、画像形成装置本体のいずれの側に設けてもよい。熱移動抑止部材としては、放射率の低い金属光沢を有する板状のものが好ましく、特に2枚の金属シートを微小空隙又は断熱材を挟んで配置すると優れた効果が得られる。また、ノートパソコンのCPU冷却用に用いられるマイクロヒートパイプ構造を内包する薄板を用いた場合、熱移動抑止部材を低温に保ち熱移動を抑制することができる。
また、本実施形態では、中間転写ベルト2の転写定着ベルト13に対する転写部(転写定着ベルト13との対向部)と、最も上流側の感光体3Bに対する転写部との間に中間転写ベルト2の熱を奪う冷却部材としての冷却ローラ210が設けられている。冷却ローラ210は熱伝導率の高い材料で形成されており、中間転写ベルト2に接触して回転する。本実施形態によれば、中間転写体の温度を低減でき、中間転写体側の熱劣化を抑制できる。また、転写定着部材の設計上の自由度を大きくすることができる。なお、本実施形態では断熱プレート20と冷却ローラ210を同時に設ける構成としたが、いずれか一方のみを設けた構成としてもよい。
中間転写ベルト2から転写定着ベルト13に転写されたトナー像Tは定着ニップNで用紙Pに定着されるまで、転写定着ベルト13上において単独で加熱される。トナーTのみを予め加熱する過程が十分に得られることから、従来方式のトナーTと用紙Pを同時に加熱する方式に比べて加熱温度を低くできる。実験の結果、転写定着ベルト13の温度は110〜120℃の低温でも十分な画質が得られることが確認されている。ちなみに、従来のカラー画像形成装置では十分な光沢を得るために用紙による温度低下を考慮して白黒画像形成装置に比べて1.5倍ほどの熱量を与えていた。このため、用紙が必要以上に加熱されるとともに、トナーと用紙の密着性も必要以上に高められていた。
本実施形態では、用紙Pを考慮せずに十分な光沢を得るための温度を独立に設定できるので、転写定着ベルト13の温度(定着設定温度)を低くできる。また、用紙Pは定着ニップNのみで加熱されるので過剰に加熱されず、トナーTと用紙の密着性も必要以上に高められることはない。本実施形態の場合、低温定着が可能でウォームアップ時間を短くでき、省エネルギー性を向上させることができる。また、中間転写体への熱移動を抑制できるので耐久性を向上させることができる。また、中間転写体の温度を低減でき、中間転写体側の熱劣化を抑制できる。以上のように、本実施形態における定着装置12はそれ自体が未定着トナー像の被転写機能を有するものであり、未定着トナー像を保持した用紙を単に加熱・加圧する従来の定着装置に対し、「転写型定着装置」として位置付けられるものである。
続いてショックジターを解消するための、本実施形態における構成例について詳細に説明する。張架された転写定着ベルト13は図示しない駆動モータによって回転される転写定着ローラ22によって図1中、反時計方向に回転駆動される。ベルト回転方向における定着ニップNから2次転写ニップnまでの区間(=図1に示すB区間)には高速ローラとしてのクリーニングローラ23及び向かい合わせのベルト内側位置に対向ローラ24が設けられる。クリーニングローラ23は明示してないが断熱層を有しており、定着装置全体の加熱時間短縮が図れる。転写定着ベルト表面の残余トナーを掻き取るクリーニングローラを定着ローラよりも高速で回転するローラとして兼用しており、シンプルで効率的な構成となっている。
クリーニングローラ(高速ローラ)23はベルト回転方向と同方向に駆動され、その速度は転写定着ローラ22による転写定着ベルト13の駆動速度:Vよりも速い速度:V’に設定されている。転写定着ベルト13の周長は内側の3つのローラ(ローラ群)の接線同士を結んだ長さよりも若干長く設定される。ベルト長さを必要周長より適度に長くしておくことで、この差分の弛みをベルト回転順方向における定着ニップから中間転写体上の画像転写部までの区間(2次転写部)に設けることができる。画像形成されないベルト部位が弛むので画像に悪影響がない。
2次転写ローラ対21は、駆動される転写定着ローラ22によってベルトを介して連れ回りとしても良いし、略同速に駆動される2次転写ローラ対21にオーバーランクラッチを設けても良い。ベルト駆動系をシンプルに構成できる。なお、転写定着ベルト13上の残余トナーは、クリーニングローラ23に転写され、スクレーパ25によって掻き取り回収される。
以上の構成により、回転駆動中の転写定着ベルト13はクリーニングローラ23によって他よりも速く繰り出され、B区間のクリーニングローラ23〜2次転写ローラ対21の間で若干の弛みが形成される。厚紙が定着ニップNに突入すると、加圧力の高い定着ローラ対を押し広げるために負荷が増大して、一瞬、転写定着ローラ22の回転速度が遅くなる。
本実施形態では、たとえ転写定着ローラ22の回転速度が厚紙突入で遅くなっても、2次転写ローラ21のベルト繰り出し量との差分を、上記クリーニングローラ23から2次転写ローラ対21の間の弛みが吸収する。これによって用紙(特に厚紙)突入時、定着ニップローラ対が用紙をくわえこむ時に生じる速度変動がベルトの弛みによって吸収されるので、速度変化が2次転写部あるいは中間転写ベルトを経て上記1次転写部に伝播するのを防ぐ事ができ先端突入時のショックジターを良好に回避できる。従来のものでは、このように生じた2次転写ローラ対21との速度差がそのまま伝わる結果、前記ショックジターが生じていた。
〔第2実施形態〕
上述したものと異なる構成で、クリーニングローラ23から2次転写ローラ対21の間の弛みを形成することもできる。図2に本発明第2の実施形態であるカラー複写機の内部要部を示す側面図を、図3に張力付与手段を説明する拡大図(a),(b),(c)を示す。このカラー複写機1の概略構成は図1の第1実施形態と類似しており、同等部分には同一符号を付して説明は省略する。転写定着ベルト13を張架する2次転写ローラ対21と転写定着ローラ22についても第1実施形態と同等で駆動方式も同様な構成をとる。ベルト回転方向における2次転写ニップnから定着ニップNまでの区間(A区間)の内側とベルト回転方向における定着ニップNから2次転写ニップnまでの区間(B区間)の内側、各々にテンションローラ(張力付与ローラ)25、26が設けられている。明示してないが、テンションローラ25、26は断熱層を有しており、定着装置全体の加熱時間短縮が図れる。各テンションローラはそれぞれスプリング27、28によって軸受31を介して内側から加圧され、転写定着ベルト13に適度な張力が与えられる。スプリング27、28の端面は摺動部材29を介してカム30に係合され、カム面30の位置によってスプリング取付け長さが変化する。
図3の(a)の状態ではスプリング取付け長さLが短いため転写定着ベルト13全体に適度な張力が与えられる。ベルトは、通常駆動時に適度なテンションで張架されているため良好な走行安定性を確保できる。これに対し、カム30が中心32で時計方向に90°回転して図3の(b)の状態になるとA区間に設けられたスプリング27のみ取付け長さが長くなり(L´)、ベルト回転中であれば一瞬、A区間に弛みが発生する。このときB区間では、90°回転してもカム30の周面の位置(軸心からの距離=L)が変わらないようカム形状が設定されているためB区間での張力の変動はなくベルト弛みも発生しない。これとは反対にカム30が中心32で反時計方向に90°回転すれば、上記と同様の作用で、一瞬、B区間に弛みが発生する。
なお、転写定着ベルト両端に一定厚みのサイドガイド部材を貼付した方式で良好に蛇行補正も行える。転写定着ベルトに寄り力が生じた場合でも、一方のサイドガイド部材が張架するローラ群の端部に当接することで、当接箇所より外側への寄りを阻止する事ができる。以上はベルト引っ張り方向の作用力で寄り(蛇行)を阻止するので薄いベルトでも座屈や破損の恐れがない。
上記の、図3の(a)状態から図3の(b)状態への回転動作は、厚紙が定着ニップNを抜ける直前で行われるように制御される。回転動作のタイミングは、例えば、レジストローラ対19手前に設けた用紙厚検出センサ50によって搬送される用紙の有無を検出した信号変化時点から一定時間経過とする。厚紙が定着ニップNを抜けるときには回転負荷変動によって転写定着ローラ22の回転速度が速くなる。このため、既存の構成の場合には、2次転写ローラ対21との速度差が生じて前述したショックジターが生じてしまっていた。本実施形態では、たとえ転写定着ローラ22の回転速度が厚紙抜けで速くなっても、2次転写ローラ21のベルト繰り出し量との差分をA区間のベルト弛みが吸収する。これによってショックジターが2次転写部あるいは中間転写ベルトを経て前述した1次転写部に伝播するのを防ぐことが可能となる。2次転写部の加圧条件を変えないので次の用紙との間隔が短くても転写定着ベルトに良好な画像を形成できる。2次転写ローラを定着ローラとは別に駆動するよう構成すれば、弛みをほぼ一定に保つことができて、再度張力を付与した時にもショックを与えない。
また、図3の(a)状態から図3の(c)状態への回転動作は、(例えば用紙厚検出センサ50の検出信号に基づいて、)厚紙が定着ニップNに突入する直前で行われるように制御される。厚紙先端が定着ニップNに突入する際は、カム30が中心32で反時計方向に90°回転し図3の(c)状態とすれば、上記と同様の作用で、一瞬、B区間にベルト弛みが発生する。これによって第1実施形態の場合と同じように転写定着ローラ22の回転速度が厚紙突入で遅くなっても2次転写ローラ21のベルト繰り出し量との差分を、B区間の弛みが吸収できる。これによってショックジターが2次転写部あるいは中間転写ベルトを経て1次転写部に伝播するのを防ぐことができる。
本実施形態でも2次転写ローラ対21は、駆動される転写定着ローラ22によってベルトを介して連れ回りとしても良い。2次転写ローラを連れ回りとした構成では、別途駆動しなくても良いため駆動系をシンプルに構成できる。略同速に駆動される2次転写ローラ対21にオーバーランクラッチを設けても良く、ベルト駆動系をシンプルに構成できる。
〔第3実施形態〕
ショックジターは、厚紙通紙時に顕著であって、普通紙(70K紙相当以下)のような薄紙では影響が現れにくい。従って、以上説明した第2実施形態のいずれにおいても、レジストローラ対19手前に設けた用紙厚検出センサ50によって搬送される用紙厚みが検出された場合、もしくはセンサを設けなくても操作者によって厚紙の載置が入力された場合のみ、記録紙先端または後端が定着ニップを通過する時に張力付与を解除するような構成としても良い。負荷変動が少ないため張力付与解除を行わなくてもショックジターが発生しない薄紙の場合は、無駄な張力解除が行われないので、ベルトに余計な負荷を与えず、ベルトの耐久性アップにつながる。
本発明によれば、従来みられた中間転写ベルトから1次転写部に微少な位置変動が伝搬して(ショックジター)が発生してしまう問題を解決することができ、600DPI以上の高画質デジタルプリンタにおいても著しい画質劣化(ショックジター)がない画像形成装置を実現することができる。
〔第4実施形態〕
ショックジターを解消するための実施形態について説明する。
図4は定着装置すなわち、転写定着ベルトおよびその周囲(転写定着ベルト装置)の構造を示す側面図である。この転写定着ベルト装置は、請求項10〜請求項13に対応している。また図4において、既出の図面に記載された符号と同一の符号は、同一の要素等を示している。
この定着装置において、画像が転写される転写定着ベルト13(転写定着部材)は、張架状態にある無端ベルトで構成されている。この転写定着ベルト13上の画像を加熱するハロゲンヒータ15、転写定着ベルト13とで定着ニップNを形成する加圧ローラ14等を備えており、ニップNを通過する記録媒体上に画像を加圧して定着させる構成となっている。また、この定着装置ではニップNの下流側に、張力付与手段100を設けている。
上記張力付与手段100は、周速が転写定着ベルト13の走行速度とほぼ等しくなるように回転するクリーニングローラ101、スプリング102、クリーニングローラ101の表面に付着・残留する現像剤を除去するクリーニングブレード250などを備えて構成されている。このスプリング102は、図略のカム機構により動作して、クリーニングローラ101を転写定着ベルト13に対し接離可能とするものである。
上記スプリング102は、図4に示すようにクリーニングローラ101が、これより下流の張架ローラ103(これは、転写定着ベルト13を張架している)と定着ローラ22の共通接線Sの位置より内側に食込むような位置に移動することで、転写定着ベルト13に張力を付与するものである。なお、上記「共通接線Sの位置より内側」とは、「無端状の転写定着ベルト13で形成されるループの内側」という意味である。
符号104は張架ローラであって、スプリング105により図4において左右に移動して、転写定着ベルト13の張力を調整するものである。
図4の定着装置の構成・作用等について更に説明する。
張架された転写定着ベルト13は、図示しない駆動モータによって回転される転写定着ローラ22によって図4中、反時計方向に回転駆動される。ベルト回転方向における定着ニップNから2次転写ニップnまでの区間(=図1に示すB区間)には、張架ローラ103が設けられ、その上流側に張力付与手段としてクリーニング部材、例えばクリーニングローラ101が、スプリングなどの加圧手段102により転写定着ベルト13に接触している。クリーニングローラ101は明示しない断熱層を有しており、定着装置全体の加熱時間短縮が図れる。
転写定着ローラ22が駆動ローラの場合、その下流側の転写定着ベルト13が弛むことになるので、通常状態においては、この弛み分をクリーニングローラ101が吸収するような張力付与手段となっている。ただし、この張力付与手段の張力としては、後述するように種々の紙厚が突入した場合に、転写定着ベルト13が容易に変動できる程度の加圧力に設定される。これにより、弛みをベルト回転順方向における定着ニップから中間転写体上の画像転写部までの区間(2次転写部)に設けることができる。この場合、画像形成されないベルト部位が弛むので画像の品質に悪影響は生じない。
上記クリーニングローラ101の位置は、張力付与手段により、転写定着ベルト13が張架ローラ103と転写定着ローラ22の共通接線Sよりも内側に入るように維持され、これにより、クリーニングローラ101の転写定着ベルト13への接触面積が大きくなるよう構成され、接触面積が小さい構成に比べてクリーニング性が良好となる。
2次転写ローラ対21は、駆動される転写定着ローラ22によってベルト13を介して連れ回りする構成としても良いし、略同速に駆動される2次転写ローラ対21にオーバーランクラッチを設けても良い。こうすることで、ベルト駆動系の構成がシンプルになる。なお、転写定着ベルト13上の残余トナーは、クリーニングローラ101に転写され、スクレーパ250によって掻き取り回収される。
以上の構成により、B区間の転写定着ローラ22〜クリーニングローラ101の間で若干の弛み(通常状態では加圧状態で見かけ上の弛みはない)が形成される。厚紙が定着ニップNに突入すると、加圧力の高い定着ローラ対(14,22)を押し広げるために負荷が増大して、一瞬、転写定着ローラ22の回転速度が遅くなる。
本実施形態では、たとえ転写定着ローラ22の回転速度が厚紙突入で遅くなっても、2次転写ローラ対21のベルト繰り出し量との差分を、B区間の中でベルトの動きを吸収する。特に、転写定着ローラ22〜張架ローラ103間で吸収し、張架ローラ103〜2次転写ローラ対21間の動きを抑制する。具体的には、B区間の転写定着ローラ22〜クリーニングローラ101の間で若干の弛みが吸収される状態(クリーニングローラ101が加圧方向とは反対方向に戻される状態)となるため、張架ローラ103〜2次転写ローラ対21のベルトを引っ張る力が直接伝わり難くなり、2次転写部への影響を抑えることになる。これによって用紙(特に厚紙)突入時、定着ニップローラ対が用紙をくわえこむ時に生じる速度変動が、ベルトの弛みによって吸収されるので、速度変化が2次転写部あるいは中間転写ベルトを経て上記1次転写部に伝播するのを防ぐことができ、先端突入時のショックジターを良好に回避できる。従来のものでは、このように生じた2次転写ローラ対21との速度差がそのまま伝わる結果、前記ショックジターが生じていた。
ベルト回転方向における2次転写ニップnから定着ニップNまでの区間(A区間)の内側にテンションローラ104(張力付与ローラ)がスプリング105によって軸受を介して内側から加圧され、転写定着ベルト13に適度な張力が与えられる。明示してないが、テンションローラ104は断熱層を有しており、定着装置全体の加熱時間短縮が図れる。ベルトは、通常駆動時に適度なテンションで張架されているため、良好な走行安定性を確保できる。
厚紙が定着ニップNを抜けるときには回転負荷変動によって転写定着ローラ22の回転速度が速くなる。たとえ転写定着ローラ22の回転速度が厚紙抜けで速くなっても、2次転写ローラ21のベルト繰り出し量との差分をA区間のベルト弛みを吸収できる程度の適度なテンションで張架しておくのが望ましい。これによってショックジターが2次転写部あるいは中間転写ベルトを経て、前述した1次転写部に伝播するのを防ぐことが可能となる。2次転写部の加圧条件を変えないので、次の用紙との間隔が短くても転写定着ベルトに良好な画像を形成できる。2次転写ローラを定着ローラとは別に駆動するように構成すれば、弛みをほぼ一定に保つことができて、再度張力を付与した時にもショックを与えない。厚紙の種類によっては厚紙抜けのショックジターの効果が得られない場合には、本構成に限定せず、図3のカム構成としても構わない。
なお、転写定着ベルト13両端(幅方向の両端部)に一定厚みのサイドガイド部材を貼付した構造とすれば、このベルト13の蛇行補正も行うこともできる。この場合、転写定着ベルト13に寄り力が生じた場合でも、一方のサイドガイド部材が、張架するローラ群の端部に当接することで、当接箇所より外側への寄りを阻止することができる。以上はベルト引っ張り方向の作用力で寄り(蛇行)を阻止するので、薄いベルトでも座屈や破損の恐れがない。
クリーニングローラ101は断熱層を有する。別の実施例として、転写定着ベルト13の端部温度上昇抑制や、感光体回りの作像部への温度上昇抑制による画像品質維持のため、また、マシン構成やトナー構成によっては、クリーニング性を良好にするため、クリーニングローラ101がヒートパイプ構成をとる場合もある。これらを考慮し、クリーニングローラ101を転写定着ベルト13と接離可能な構成とする。
転写定着ベルト13に接触する部材があると、温度低下に役立つ反面、温度を維持するためには電力を消費することになる。特に、画像出力動作中ではない、マシン立上げ時やプロセス調整などで空回し状態にあるときには、できるだけ接触することを避け、非接触状態をとることが望ましい。したがって、プロセス調整に入ったときには、クリーニングローラ101を接離動作によって非接触とし、通常の画像出力動作になった場合には、接触させるよう構成する。また、図示しない非接触型温度センサによって、転写定着ベルト13の温度を検出し、一定温度になるまでは、同様に接離動作によってクリーニングローラ101を非接触にする。これによって、消費エネルギを抑えることができ、省エネ化に繋がる。
以上では、中間転写ベルト方式の実施例を中心に説明してきたが、図7、図8に示す別の実施形態である、転写定着ベルト13が感光体ドラム301あるいは、感光体ベルト401に直接接触する方式においても、同様の効果が得られる。したがって本発明は、転写定着ベルト方式の定着装置であれば良く、中間転写ベルト方式に限定されるものではない。
〔第5実施形態〕
図5は、図4の転写定着ベルト装置を設けたカラー複写機の内部構成要部(その1)を示す側面図である。このカラー複写機は、図1において定着装置を図4の定着装置に交換したものである。
〔第6実施形態〕
図6は、図4の転写定着ベルト装置を設けたカラー複写機の内部構成要部(その2)を示す側面図である。このカラー複写機は、図2において定着装置を図4の定着装置に交換したものである。
〔第7実施形態〕
図7は、図4の転写定着ベルト装置を設けたカラー複写機の内部構成要部(その3)を示す側面図である。このカラー複写機は、感光体ドラム301上のトナー像を転写定着ベルト13に転写するように構成されている。
本実施例では、クリーニング部材がこのクリーニング部材下流に位置する張架部材と定着ローラの共通接線の位置より内側に食い込むような位置に、転写定着ベルトに張力を付与するように構成したことで、クリーニングローラ101と転写定着ベルト13の接触面積を大きくすることができるため、接触面積の小さい状態に比べて、トナーをより容易にローラ側に転移させる(クリーニングする)ことができることは明らかである。これにより、ベルトとの速度差をつけない状態(略等速)でも良好にクリーニングできる。以上の構成から、クリーニングローラとベルトとの線速差による擦れによる劣化が抑えられ、部品の長寿命化に繋がる。また、クリーニングローラを別駆動にするための部品構成が不要となりコストダウンに繋がる。
なお、マシン構成やトナー構成によっては、クリーニング性に違いがでてくる場合もあるので、その時には線速差が0%(等速)に限定するものではなく、多少の線速差を持った構成でも構わない。
また、以上説明したことは図7、図8に示す定着装置についても当てはまる。
〔第8実施形態〕
図8は、図4の転写定着ベルト装置を設けたカラー複写機の内部構成要部(その4)を示す側面図である。このカラー複写機は、感光体ベルト401上のトナー像を転写定着ベルト13に転写するように構成されている。
〔第9実施形態〕
球形トナーの実施形態を説明する。中間転写ベルト2から転写定着部材へのトナーの転写性(転写効率、忠実性)は高画質化に影響を及ぼし、このトナーの転写性はトナーの形状に関与していることが知られている。本実施形態では、上記各実施形態における高画質化を達成すべくトナー形状の最適化を目的としている。
特開平9−258474号公報には、ワーデル実用球形度φが0.8以上のトナーは転写性が向上することが記載されており、本実施形態はこれを利用して高画質化を図るものである。したがってトナーとして、ワーデル実用球形度φが0.8以上であるものを用いる。
ここでの球形度φは、下記式
φ=(粒子投影面積に等しい円の直径)/(粒子投影像に外接する円の直径)
で表され、スライドグラス上にトナーを適当量とり、顕微鏡で拡大(500 倍)し、任意の100個のトナーについて測定することで容易に計算することができる。本実施形態では2次転写効率、忠実性を高めることができ、高画質が実現できる。
本発明の第1実施形態であるカラー複写機の内部構成要部を示す側面図である。 本発明の第2実施形態であるカラー複写機の内部構成要部を示す側面図である。 (a)〜(c)は、図2のカラー複写機における、張力付与手段を説明する拡大図である。 本発明の第4実施形態に係るもので、転写定着ベルトおよびその周囲(転写定着ベルト装置)の構造を示す側面図である。 本発明の第5実施形態に係るもので、図4の転写定着ベルト装置を設けたカラー複写機の内部構成要部(その1)を示す側面図である。 本発明の第6実施形態に係るもので、図4の転写定着ベルト装置を設けたカラー複写機の内部構成要部(その2)を示す側面図である。 本発明の第7実施形態に係るもので、図4の転写定着ベルト装置を設けたカラー複写機の内部構成要部(その3)を示す側面図である。 本発明の第8実施形態に係るもので、図4の転写定着ベルト装置を設けたカラー複写機の内部構成要部(その4)を示す側面図である。 タンデム型画像形成装置における、転写が行われる2次転写部を模式的に示す説明図である。 2次転写部相当の計測ローラ対に搬送される厚紙Pの先端が突入(a)および離脱(b)する様子の説明図である。 実験で得られた、計測ローラ(2次転写部相当)での速度変動計測例を示す図である。
符号の説明
1…カラー複写機(画像形成装置)
1A…画像形成部
1B…給紙部
2…中間転写ベルト
3Y、3M、3C、3B…感光体
4…帯電装置
5…書き込み装置
6…現像装置
7…1次転写装置
8…クリーニング装置
9…駆動ローラ
10…従動ローラ
11…クリーニング装置
12…定着装置
13…転写定着ベルト(転写定着部材)
14…加圧ローラ(加圧部材)
14a…芯金
14b…弾性層
15…ハロゲンヒータ(加熱手段)
16…給紙トレイ
17…給紙コロ
18…搬送ローラ対
19…レジストローラ対
20…断熱プレート
21…2次転写ローラ
22…転写定着ローラ
23…クリーニングローラ(高速ローラ)
24…対向ローラ
25、26…テンションローラ
27、28…スプリング
29…摺動部材
30…カム
31…軸受
32…中心
40…反射板
41…2次転写ローラ
50…用紙厚検出センサ
100…張力付与手段
101…クリーニングローラ
102…スプリング
103…張架ローラ
104…張架ローラ
105…スプリング
210…冷却ローラ
250ク…リーニングブレード
301…感光体ドラム
401…感光体ベルト
N…定着ニップ
n…2次転写ニップ
P…用紙
S…共通接線
T…トナー

Claims (16)

  1. 画像転写部において像担持体上のトナー画像(以下、画像という)が転写される転写定着部材が、張架された無端ベルトで構成され、該転写定着ベルト上の画像を加熱する加熱手段と、転写定着ローラと加圧部材を対向させ、これらローラ間の対向間隙に上記転写定着ベルトを走行可能に設けるとともに、上記加圧部材と転写定着ベルトとで定着ニップを形成し、該定着ニップを通過する記録媒体上に画像を加圧して定着させる構成の定着装置において、
    少なくとも記録媒体先端が上記定着ニップを通過する時、ベルト回転順方向における定着ニップから上記画像転写部までの区間で転写定着ベルトを弛ませるように構成したことを特徴とする定着装置。
  2. 上記転写定着ベルトを弛ませるために、ベルト回転順方向における定着ニップから上記画像転写部までの区間に、周速が上記転写定着ローラの周速よりも高くなるように高速で回転する高速ローラを転写定着ベルトに当接するように設けたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 上記高速ローラが、転写定着ベルト表面の残余トナーを掻き取るクリーニングローラであることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. ベルト回転順方向における定着ニップから上記画像転写部までの区間に張力付与手段を設け、記録媒体先端が上記定着ニップを通過する時、転写定着ベルトへの張力付与を解除することで該転写定着ベルトを弛ませるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  5. 画像転写部において像担持体上のトナー画像(以下、画像という)が転写される転写定着部材が、張架された無端ベルトで構成され、該転写定着ベルト上の画像を加熱する加熱手段と、転写定着ローラと加圧部材を対向させ、これらローラ間の対向間隙に上記転写定着ベルトを走行可能に設けるとともに、上記加圧部材と転写定着ベルトとで定着ニップを形成し、該定着ニップを通過する記録媒体上に画像を加圧して定着させる構成の定着装置において、
    ベルト回転順方向における上記画像転写部から定着ニップまでの区間に張力付与手段を設け、記録媒体後端が上記定着ニップを通過する時、上記張力付与手段による張力付与を解除することで上記転写定着ベルトを弛ませるように構成したことを特徴とする定着装置。
  6. 記録媒体厚みを検出する手段もしくは記録媒体厚みを入力する手段を更に設け、記録媒体厚さが一定以上の場合にのみ、記録媒体先端または後端が上記定着ニップを通過する時、張力付与を解除するように構成したことを特徴とする請求項4または5に記載の定着装置。
  7. 上記クリーニングローラが断熱層を有することを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  8. 上記張力付与手段は、断熱層を有するテンションローラであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の定着装置。
  9. 転写定着ベルト両端に一定厚みのサイドガイド部材を貼付して転写定着ベルトの蛇行補正を行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の定着装置。
  10. 上記張力付与手段をクリーニングローラで構成したことを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  11. 上記クリーニングローラは、ベルト回転順方向における該クリーニングローラ下流に位置するベルト張架部材と転写定着ローラの共通接線の位置よりも、転写定着ベルトが形成するベルトループの内側に食い込むような位置に、転写定着ベルトに張力を付与するように構成されていることを特徴とする請求項10に記載の定着装置。
  12. 上記クリーニングローラは、周速が転写定着ベルトと略等速となるように回転することを特徴とする請求項11に記載の定着装置。
  13. 上記クリーニングローラは、転写定着ベルトに対し接離可能であることを特徴とする請求項12に記載の定着装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  15. ワーデル実用球形度φが0.8以上のトナーを現像剤として用いることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
  16. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の定着装置により、上記定着ニップを通過する記録媒体上に画像を、加圧して定着させる過程を含むことを特徴とする画像形成方法。
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