JP4808117B2 - サニタリーショーツ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
従来のサニタリーショーツとしては、着用時に着用者の腹側に配される前身頃と背側に配される後身頃と股間部に配されるクロッチ部とが別々のパーツから形成されたものが知られている。
このような従来のサニタリーショーツにおいては、前身頃を形成する生地と後身頃を形成する生地とを、着用者の両側部において縫合等により接合していたため、身体に接合線の跡が付いたり、接合線によって装着感が悪化したりする場合がある。
このような筒状の脚回り部を有するサニタリーショーツは、着用者の脚回りに対するフィット性が良好であり、生理用ナプキンのズレを防止する、動きによっても生理用ナプキンの端部と身体とに隙間が発生し難い等の利点を有するが、従来のものは、接合部による生地と生地の不連続性による身体との密着性の喪失や接合部の違和感が生じ易い等の問題があった。
本発明のサニタリーショーの製造方法によれば、着用者の胴回りに生地同士の接合線による跡が付きにくく、着用者の脚回りに対するフィット性に優れたサニタリーショーツを、丸編み機により製造した筒状の編地を用いて効率良く製造することができる。
本発明の一実施形態(第1実施形態ともいう)であるサニタリーショーツ1(以下、単にショーツ1ともいう)は、生理用ナプキン等の吸収性物品がクロッチ部4に取り付けられて使用されるサニタリーショーツである。
ショーツ1は、図1に示すように、筒状の胴回り部5及び一対の筒状の脚回り部6,6を有している。胴回り部5は、着用時に着用者の腹側に配される前身頃2と、着用時に着用者の背側に配される後身頃3とからなり、クロッチ部4は、図2に示すように、ショーツ1の幅方向中央部において、前身頃2と後身頃3との間に位置している。ショーツ1の着用状態において、クロッチ部4の幅方向中央部から脚回り部4の下端までの股下丈Hは、5〜100mm程度、特に20〜50mm程度であることが好ましい。股下丈Hは、図1に示すような形態で計測するため、女性の腰部から脚部を模したモデルに装着した状態でおこない、脚部は内方下端部との距離を計測する。
また、一対の側部片14,14、前方クロッチ片12及び後方クロッチ片13は、筒状の編地11における前記他方部Dを、図3(b)に示すように切断して形成したものであり、筒状の編地11における胴回り部5を形成する部分(胴回り部を形成する筒状の編地)から延出している。
本実施形態のショーツ1は、胴回り部5、一対の側部片14,14、前方クロッチ片12及び後方クロッチ片13は、一枚の連続した編地(生地)から形成されている。
また、前記両接合部43,44間の長さショーツの前後方向(X方向)は、内層4Aの長さが外層4Bの長さより短くなっている。内層4A及び外層4Bの該長さは、ショーツ1の幅方向中央部において各層の表面に沿って測定し、また、ショーツに外力を加えない状態において測定する。
また、両接合部43,44間の内層4Aの長さが外層4Bの長さより短くなっていることで、ショーツ着用時に、内層4Aが、ショーツ外面を形成する外層4Bから着用者の肌方向に向かって浮かぶため、生理用ナプキンにウイング部が形成されている場合に、内層4Aと外層4Bの間にウイング部が挿入・固定し易く、また、内層4Aの肌対向面に配した吸収性物品を、着用者に対して良好にフィットさせることができる。
これにより、前方クロッチ片12と後方クロッチ片13とが重なった部分41は、一枚の編地のみからなる場合や単に2枚の編地を重ねて両者を接合しない場合に比べて剛性が大きく増大している。
そのため、前方クロッチ片12と後方クロッチ片13とが重なった部分41に、ナプキン等の吸収性物品を固定して用いることで、身体に対して吸収性物品を良好にフィットさせることができる。
また、クロッチ片は通気性を高める観点から網目状に形成しても良く、網目状構造によって伸張性も高めることができる。
本実施形態における外面形成用生地7は、一対の突出部分72,72それぞれの、ショーツ前後方向において相対向する一対の縁部72a,72aが、各側部片14の、一対の縁部14a,14aと縫合されている。尚、本実施形態のショーツ1の製造の際には、ショーツの一枚分の長さに切断した筒状の編地11の他方部Dの切断する際に、図3(b)に示すように、筒状の編地11の軸長方向と略平行な切れ目15を入れている。
難伸長領域31は、後身頃3の幅方向中央部に縦方向に延びるように形成されており、難伸長領域31は、少なくとも該縦方向において、その両側に位置する部分32,32よりも伸長応力を高めるように形成されており、結果として使用者の装着時に伸長しにくくなっている。
難伸長領域31は、下記方法により測定した50%伸長時の引張荷重が10〜100cN、特に15〜30cNであることが好ましい。
〔引張荷重の測定方法〕
腰天からクロッチ部にいたる方向を長手方向としたときに、長手方向120mm/幅方向10mmの大きさで難伸長領域を切り出し試験片となし、テンシロン引張・圧縮試験機RTA‐100((株)ボールドウイン製)を使用して計測する。RTA−100のチャック間距離を100mmとし、試験片の長手方向上端と下端の各々10mmをチャックによって把持する。ヘッドスピードを300mm/分で稼動させ、100%伸張時もしくは500cN荷重を上限として計測をおこなう。試験片の幅方向が10mm未満である場合は、10mm幅への換算をおこなう。上記試験片を3点計測した平均値を難伸張領域の引張荷重とする。
編み込む糸を代えて難伸長領域を形成する方法としては、例えば、難伸張領域の両側に位置する部分より剛性の高い繊維(太い繊維、剛性の高い素材等)を配合する方法を用いることができる。また、編み込む繊維の本数を両側に位置する部分より多くする方法等を用い、難伸張領域を形成することもできる。
尚、後身頃3の縦方向における難伸長領域31の長さは、ショーツの外面に沿って測定したショーツの前後長(後身頃3の胴開口部端から、クロッチ部を経て、前身頃2の胴開口部端に至る長さ)の20%以上、特に30〜40%であることが好ましい。
尚、内層4A又は外層4Bが伸縮性を有する場合、内層4A及び外層4Bの前記接合部43,44間の長さは、両層を切り出し、それぞれ自然に収縮させた状態で測定する。
第2実施形態のショーツ1Aも、図7に示すように、丸編み機により製造した筒状の編地11の軸長方向の一方部Uについては筒状の形態を維持する一方、該編地の軸長方向の他方部Dを切断して一対の側部片14,14、前方クロッチ片12及び後方クロッチ片13を形成する工程、前方クロッチ片12と後方クロッチ片13とを接合してクロッチ部4を形成する工程、及び一対の側部片14,14それぞれを筒状となして一対の脚回り部6,6を形成する工程を経て製造したものである。
そして、前方クロッチ片12と後方クロッチ片13とが、上述したショーツ1と同様の態様で接合されて、高剛性のクロッチ部4が形成されている。また、一対の脚回り部6,6それぞれが、各側部片14を、一対の縁部14a,14a同士を直接縫合して筒状にすることにより形成されている。前方クロッチ片12と後方クロッチ片13とを接合し、また、側部片14それぞれを筒状となしたのみでは、図7(c)に示すように、筒状の脚回り部6とクロッチ部4との間に隙間が生じてしまうので、脚回り部6を構成する編地を、図7(c)に示す方向に引っ張り、クロッチ部4の両側縁並びに前身頃2及び後身頃3の下縁部に縫合してある〔図7(d)〕。
例えば、上記実施形態のショーツ1,1Aにおいては、前方クロッチ片12と後方クロッチ片13とを、後方クロッチ片13が着用者の肌側寄りに位置するように重ねて接合していたが、前方クロッチ片12が着用者の肌側寄りに位置するように重ねて接合しても良い。また、前方クロッチ片12と後方クロッチ片13とを、それぞれの先端部を他方の先端部から離間した部位に位置させた状態で接合するのに代えて、前方クロッチ片12の先端部12aと後方クロッチ片13の先端部13aとを縫合しても良い。
また、外面形成用生地7として、中央部分71と突出部分72とが一枚の連続するシートからなるものを用いるのに代えて、各部分を構成する別々のシートを用いても良い。また、中央部分71のみからなる外面形成用生地7を用いて2重クロッチ部を形成する一方、側部片14を、第2実施形態と同様に単独で筒状となして筒状の脚回り部を形成しても良い。
また、第2実施形態のショーツにおけるクロッチ部4の内側に別材を固定して、内外2層からなる2重クロッチ部を形成しても良い。
また、上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
また、サニタリーショーツに装着される吸収性物品としては、生理用ナプキン、失禁用パッド、パンティライナーが挙げられる。ショーツを装着される吸収性物品は、ウイング部を有しないものであっても良い。吸収性物品におけるウイング部は、縦長の本体における長手方向の両側縁それぞれから外方に延出し、吸収性物品の使用時に、クロッチ部(2重クロッチ部の内層)の非肌当接面側に折り曲げられ粘着部等を介して固定される部分である。
2 前身頃
3 後身頃
11 筒状の編地
12 前方クロッチ片
13 後方クロッチ片
4 クロッチ部
4A 内層
4B 外層
5 胴回り部
6 脚回り部
Claims (3)
- 吸収性物品がクロッチ部に取り付けられて使用されるサニタリーショーツであって、
筒状の胴回り部及び一対の筒状の脚回り部を有し、
前記胴回り部は、筒状の編地から形成されており、
一対の前記脚回り部は、前記胴回り部を形成する前記筒状の編地から延出した一対の側部片それぞれを筒状となして形成されており、
前記クロッチ部は、前記胴回り部を形成する前記筒状の編地から延出した、前方クロッチ片及び後方クロッチ片を互いに接合して形成されており、
前記前方クロッチ片及び前記後方クロッチ片は、それぞれの先端部を他方の先端部から離間した部位に位置させた状態で互いに接合されており、該前方クロッチ片と該後方クロッチ片との接合部が、該前方クロッチ片と該後方クロッチ片の重なった部分の実質的に全周に亘って形成されており、
前記クロッチ部は、前記前方クロッチ片及び前記後方クロッチ片からなる内層と、該内層の外面側に配された、該前方クロッチ片及び該後方クロッチ片とは別体の外面形成用生地からなる外層とを備え、該内層と該外層とが、ショーツの前後方向に離間した複数個所で互いに接合されて2重クロッチ部が形成されており、ショーツの前後方向において、該内層と該外層の接合部間における該内層の長さは、該接合部間における該外層の長さより短く、
前記外面形成用生地は、前記前方クロッチ片及び/又は前記後方クロッチ片に重なる中央部分と、該中央部分から延出する一対の突出部分とを有しており、一対の前記側部片それぞれは、一つの該突出部分を周方向の一部に含んで筒状となされており、
前記筒状の編地は伸縮性を有しており、前記外面形成用生地も編地で且つ伸縮性を有している、サニタリーショーツ。 - 後身頃に、胴開口部の周縁部付近からクロッチ部方向に向かって延びる難伸長領域が形成されており、該難伸長領域は、前記編地の繊維密度をその両側に位置する部位より高めて形成されている請求項1に記載のサニタリーショーツ。
- 請求項1記載のサニタリーショーツの製造方法であって、
丸編み機により製造した筒状の編地の軸長方向の一方部については筒状の形態を維持する一方、該編地の軸長方向の他方部の所定箇所を切断して一対の側部片、前方クロッチ片及び後方クロッチ片を形成する工程、前記前方クロッチ片と前記後方クロッチ片とを接合してクロッチ部を形成する工程、及び一対の前記側部片それぞれを筒状となして一対の脚回り部を形成する工程を具備する、サニタリーショーツの製造方法。
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