JP2004137630A - サニタリーショーツおよびその製造方法 - Google Patents
サニタリーショーツおよびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004137630A JP2004137630A JP2002304006A JP2002304006A JP2004137630A JP 2004137630 A JP2004137630 A JP 2004137630A JP 2002304006 A JP2002304006 A JP 2002304006A JP 2002304006 A JP2002304006 A JP 2002304006A JP 2004137630 A JP2004137630 A JP 2004137630A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- crotch
- stretch
- abdomen
- knitting
- center line
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Undergarments, Swaddling Clothes, Handkerchiefs Or Underwear Materials (AREA)
Abstract
【課題】通気性を保持しながら生理用品の確実な保持ができ、かつ着用感がよいサニタリーショーツを経済的に提供する。
【解決手段】本発明のサニタリーショーツ10は、編み組織を変えて伸縮強度を強化させた部分133、137を有する腹部130と臀部135を連続して形成した丸編編成の胴部13と、臀部135の下部に延設する伸縮強化部を有する股部15とを有する。そして、股部15の端縁を腹部130の伸縮強化部133の下端に結合させ、腹部の伸縮強化部133と股部の伸縮強化部137を中心線Oに沿って連続させた構成を具備し、伸縮強化部の伸縮強度は胴回り方向に比べて中心線方向に大きくしてなる構成を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明のサニタリーショーツ10は、編み組織を変えて伸縮強度を強化させた部分133、137を有する腹部130と臀部135を連続して形成した丸編編成の胴部13と、臀部135の下部に延設する伸縮強化部を有する股部15とを有する。そして、股部15の端縁を腹部130の伸縮強化部133の下端に結合させ、腹部の伸縮強化部133と股部の伸縮強化部137を中心線Oに沿って連続させた構成を具備し、伸縮強化部の伸縮強度は胴回り方向に比べて中心線方向に大きくしてなる構成を有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は着用感に優れ、生理用品の保持が確実であって、かつ簡単に製造できるサニタリーショーツに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
サニタリーショーツは経血の漏れを防止するために、防水性を持たせた素材で形成する、あるいは防水布を重ねあわせた構成とするものが多い。しかし、防水素材は通気性がないため、内部が蒸れて着用感が悪かった。
そこで、防水布の装着位置や防水布の装着範囲などを工夫して、生理用ナプキンの保持や着用感を優れたものとする工夫が成されている。・・・特許文献1、特許文献2参照
【0003】
また、生理用品(ナプキン)を体の動きに対応して身体に密着させるために、ショーツの中心領域において、別の生地で形成された縦方向に延びる伸縮部を縫合した構成が特許文献3に開示され、特許文献4には、伸縮部を伸縮性の不織布、ゴム糸などの弾性糸が織り込まれた伸縮性の織布、または多孔性通気ゴムシートで形成した吊上げ部材とした構成が開示されている。
【0004】
前記特許文献3、4に開示されているものは、何れもパーツ毎に裁断されている部分を縫合してショーツを形成した後に、ショーツ本体とは別体に形成されている伸縮部あるいは吊上げ部材をショーツ本体に取付ける工程を要するものであった。
また、生理用品のずれ防止と着用時の蒸れ防止対策として不織繊維層に伸縮性を有する編糸をステッチ縫合した不織布で構成されたサニタリーショーツが特許文献5に開示されている。
【0005】
【特許文献1】
実用新案登録第3047126号公報
【特許文献2】
実用新案登録第3010747号公報
【特許文献3】
特開2001−276129号公報
【特許文献4】
特開2001−245929号公報
【特許文献5】
特開2000−60900号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、生理用品(ナプキン)自体の防水性が向上されている現在、サニタリーショーツの防水性の要求は弱まり、着用性・通気性などの要求が高まっている。さらに、出願人は漏れにくさを追求した結果、防水布を用いた従来のサニタリーショーツに比べて、着用する身体に防水布を用いないサニタリーショーツを密着させた方が漏れにくいことが判明した。
また、特許文献1〜4に開示された従来の技術は、複数の構成部材を縫合して構成されており、部品点数が多く、縫製工程が煩雑であり、さらに縫合線が股部分、脇部分にあって、着用感が良いものではなかった。また、特許文献5に開示されているショーツは嵩高くなってしまい、薄いショーツの要望を満足させるものではなかった。
【0007】
そこで、本発明はこのような問題に鑑みて、製作容易であって、通気性を保持しながら生理用品の保持が確実にでき、かつ薄く着用感、および身体への密着性のよいサニタリーショーツを経済的に提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のサニタリーショーツは、編み組織を変えて伸縮強度を強化させた部分を有する腹部と臀部を連続して形成した丸編編成の胴部と、臀部の下部に延設する伸縮強化部を有する股部とを有し、股部の端縁を伸縮強化部を含む腹部の下端に結合させ、腹部の伸縮強化部と股部の伸縮強化部を中心線に沿って連続させている。さらに、股部には中心線に沿ってクロッチ部を重合して配設している。
クロッチ部は長さ寸法を股部の長さ寸法より短く形成され、中心線に沿って股部と共に湾曲形状をなすが、クロッチ部の曲率半径は股部の曲率半径より大きくなる構成を有し、クロッチ部の上に装着される生理用品をクロッチ部と股部の伸縮強化部とで二重に身体側に持ち上げ保持する構成となっている。
【0009】
また、本発明において、伸縮強化部の伸縮強度を胴回り方向に比べて中心線方向に大きくして、サニタリーショーツを着用者の身体に密着させる構成を有する。
【0010】
上記の構成により、本発明のサニタリーショーツは着用者の身体に密着して漏れを防止でき、かつ製造が簡単で経済的に提供できる。
【0011】
本発明のサニタリーショーツの製造方法は、編成を変えて伸縮性を強化させた伸縮強化部を配設し、股部を連続した臀部と腹部を連続して筒状に編成する丸編編成工程と、該伸縮強化部を回避して丸編編成の筒状体の両側を湾曲形状に切断して足繰り部を形成する足繰り部形成工程と、腹部に連続する部分を切断して腹部下端部を形成する工程と、臀部に連続した股部の端縁を腹部下端に連結させる結合工程とを有している。そして、前記結合工程において、該各部の伸縮強化部は中心線に沿って連続するよう結合されることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて説明する。
図1は本発明に係るサニタリーショーツの正面図、図2は背面図、図3、図4は構成説明図である。
【0013】
サニタリーショーツ本体10はウエスト(緊締)部11を有する筒状胴部13と、筒状胴部13の一部を延設した股部15とからなる。筒状胴部13は着用したとき前部となる腹部130と、着用したとき背部となる臀部135とを有し、股部15は臀部135に延設されている。股部15は臀部135下端から腹部130下端とを連絡している。股部15には生理用品などを装着するクロッチ部20を重合している。
【0014】
筒状胴部13と股部15は表にナイロンハイマルチ糸、裏に極細のスパンテックスを編み込んだ伸縮性を有する天竺編ダブルニット構造の立体編立てで編製されている。また、天竺編の筒状胴部13の腹部130の中心線O―Oに沿った中央部分と、臀部135と股部15の中心線OーOに沿った中心部分に編み組織を変えた伸縮強化部を形成している。
【0015】
伸縮強化部は例えばリブ編構成となっており、伸縮方向を矢印で示すように着用したときの縦方向(中心線OーO方向 以下単に中心線方向という)に伸縮強度を強めた構成となっている。伸縮強化部の伸縮強度は伸縮部分全体を均一に強くする、あるいは、伸縮強化部の中心部分をもっとも強くし中心線に対して幅方向に順次伸縮強度を弱くする構成などを有する。
腹部130の伸縮強化部133はウエスト11部分から腹部中央部分を被覆する範囲に配されており、その下端部131は幅寸法Wとして股部に連結している。
臀部135の伸縮強化部137はウエスト11部分から臀部の湾曲部を回避してその幅を狭くし、幅寸法をWとして股部15に延設している。
股部15の伸縮強化部は臀部の幅寸法をWとする伸縮強化部137が連続して形成される。
【0016】
次に伸縮強化部133,137を説明する。伸縮強化部133,137の引張り強度は腹部、臀部・股部ともに縦横とも天竺部より伸縮性を強めている。さらに、横方向(筒状胴部の胴回り方向)より縦方向(中心線方向)の伸縮を強く形成され、さらに臀部の引張り強度を腹部の引張り強度より強めると、生理用品がずれにくくなる。具体的には表1に示す引張り強度を有することが好ましい。
【0017】
ここで、引張り強度は、実際の編地を一定の力で引き伸ばして、その伸びを実測した。そして、天竺編の部分の伸びを1としたときの伸縮強化部の伸びを比であらわしている。ここで、横伸びとは胴回り方向への伸びを、縦伸びとは中心線方向への伸びを表している。
【0018】
【表1】
【0019】
また、筒状胴部の天竺編の伸縮率を1としたときの伸縮強化部の縦・横方向の伸縮率を表2に示す。
表2には本発明のサニタリーショーツの各構成部の引張り強度、および編組成について記載する。
【表2】
【0020】
このように、腹部、臀部・股部ともにリブ編みの伸縮強化部は天竺編の筒状胴部より伸縮率が低く、伸縮性を強くしていることが分かる。更に、股部を連続する臀部は特に縦方向の伸縮性を強めている。
このように形成するサニタリーショーツ10の股部15にはクロッチ部20を重合している。クロッチ部20は生理用品を装着させる場合、生理用品を身体方向に押し上げる作用をなす。
【0021】
次に、丸編素材からショーツを構成する方法を説明する。・・・図4〜図9参照
丸編み本体100を編成する。まず、成形編機を使用して、ウエスト緊締部11を編成した後、天竺編みにより円筒状に長さ寸法L1編み、筒状胴部13を形成する。このとき、筒状胴部13の対称位置に編組織を例えばリブ編みに変えた伸縮強化部133,137を同時に編成する。そして、腹部130に相当する半円部はリブ編みによる伸縮強化部133を編み止めて編み止め部(下端部)131を形成する。伸縮強化部133は腹部130の中央部分を被覆できる広さとし、編み止め部(下端部)131の幅寸法をWとしている。
【0022】
さらに、天竺編みにより円筒状編みを長さ寸法L2編む。このとき、臀部135に相当する半円部はウエスト緊締部11からリブ編み部分を臀部の湾曲部を回避して形成しその幅を狭くした幅寸法Wとする。さらに幅寸法Wとする伸縮強化部137を長さ寸法L2リブ編みで編みつづける。この場合の長さ寸法L1は着用胴部の長さ寸法とし、長さ寸法L2は股部15の長さ寸法とする。
このように編成する本体100の両側を湾曲形状に切断して股繰り部151を形成する。
【0023】
そして、腹部130の編み止め部(下端部)131にそって腹部下端を切断する。
これにより、編成本体100は切り込んだ股繰り部151を形成する股部15が連続された臀部135と、編み止め部(下端部)131を下端とする腹部130が筒状になった筒状胴部13が形成される。
【0024】
次に、クロッチ部20を股部15に取付ける。・・・図3〜図6参照
クロッチ部20はナイロンなどの網組織(チュールネット)地で矩形状に形成され、長手方向の両端縁にはゴム等を取付けて端縁伸縮部21を構成している。このクロッチ部20の一端を筒状胴部13の臀部135の下部(股部の一端)に固定し、股部15に重合して取付ける。このとき、クロッチ部20の幅寸法Vは臀部135の下部(股部の一端)の固定部の幅寸法と等しくしている。更に、クロッチ部20の他端と股部15の端部152を一緒にして腹部130の下端部(編み止め部131)に縫合する。このとき、クロッチ部20の長さ寸法K1と股部15の長さ寸法K2との関係を、K1<K2とすることにより、股部15に対してクロッチ部20の湾曲形状の曲率半径が大きく、吊り上がり形状をなし、この部分に介在させる生理用品を確実に身体側押し当てる作用をなす。
なお、股部に伸縮強化部を形成しない形態においても、クロッチ部の吊り上がり現象で生理用品を身体側に押し当てる事ができる。
【0025】
このように構成されるサニタリーショーツ10は、全体に伸縮性があって履き易く、ナイロンハイマルチ糸とスパンテックスのダブルニットで薄地仕上げとなり、接触感覚が繊細で軟らかい風合いとなっている。そして、股部15に装着される生理用品は、両側に取付翼部を有するものにおいては取付翼部をクロッチ部20の裏側に折り込んで取付ける。生理用品はクロッチ部20で身体側に押し上げられると共に、股部15の伸縮強化部137がさらにクロッチ部20を押さえつけるので、二重の保持となると共に、サニタリーショーツ10は着用者の身体に密着し激しい体の動きにも生理用品が移動したり経血が漏れ出すことが無い。
【0026】
また、サニタリーショーツ10は、リブ編編成の伸縮強化部133,137と、その他の部分を天竺編とした筒状に編成した構成となっているので、胴部に縫合などによる結合部がなく、着用感がよい。さらに、股部15の端部152と腹部130の端部を1ヶ所縫合等の手段で連結する事により生理用品保持機能を有するショーツが形成でき、製造工程を簡略化させる事ができ、経済的に提供することができる。
【0027】
以上、全体を筒形状に編成した場合を説明したが、図10に示すように、臀部・股部は連続して編成するが、腹部130は足繰り部151Aを編立てにより形成し、長さ寸法L1で編み止めて腹部下端部131Aを形成する丸編編成により形成するサニタリーショーツにおいても、同様の作用・効果を奏する。この場合、足繰り部の切断は破線で示すように臀部の延長部分の1枚の切断で股部が形成できる。
【0028】
【発明の効果】
本発明によるサニタリーショーツは、着用者の身体に密着すると共に通気性を保ちながら生理用品の保持が確実にでき、かつ薄く着用感がよい。また、1ヶ所の縫製工程ですみ、製造工程が簡単でサニタリーショーツを経済的に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るショーツの正面図。
【図2】本発明に係るショーツの背面図。
【図3】本発明に係るショーツの構成説明図。
【図4】本発明に係るショーツの股部の一部を破断した斜視図。
【図5】クロッチ部の説明図。
【図6】クロッチ部を取付けた股部の断面説明図。
【図7】丸編み本体の背面図。
【図8】丸編み本体の正面図。
【図9】本発明に係るショーツの構成説明図。
【図10】他の実施例を示す構成説明図。
【符号の説明】
10 サニタリーショーツ
11 ウエスト部
13 筒状胴部
15 股部
20 クロッチ部
100 筒状本体
130 腹部
131 編み止め部(下端部)
133 伸縮強化部
135 臀部
137 伸縮強化部
151 股繰り部
【発明の属する技術分野】
本発明は着用感に優れ、生理用品の保持が確実であって、かつ簡単に製造できるサニタリーショーツに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
サニタリーショーツは経血の漏れを防止するために、防水性を持たせた素材で形成する、あるいは防水布を重ねあわせた構成とするものが多い。しかし、防水素材は通気性がないため、内部が蒸れて着用感が悪かった。
そこで、防水布の装着位置や防水布の装着範囲などを工夫して、生理用ナプキンの保持や着用感を優れたものとする工夫が成されている。・・・特許文献1、特許文献2参照
【0003】
また、生理用品(ナプキン)を体の動きに対応して身体に密着させるために、ショーツの中心領域において、別の生地で形成された縦方向に延びる伸縮部を縫合した構成が特許文献3に開示され、特許文献4には、伸縮部を伸縮性の不織布、ゴム糸などの弾性糸が織り込まれた伸縮性の織布、または多孔性通気ゴムシートで形成した吊上げ部材とした構成が開示されている。
【0004】
前記特許文献3、4に開示されているものは、何れもパーツ毎に裁断されている部分を縫合してショーツを形成した後に、ショーツ本体とは別体に形成されている伸縮部あるいは吊上げ部材をショーツ本体に取付ける工程を要するものであった。
また、生理用品のずれ防止と着用時の蒸れ防止対策として不織繊維層に伸縮性を有する編糸をステッチ縫合した不織布で構成されたサニタリーショーツが特許文献5に開示されている。
【0005】
【特許文献1】
実用新案登録第3047126号公報
【特許文献2】
実用新案登録第3010747号公報
【特許文献3】
特開2001−276129号公報
【特許文献4】
特開2001−245929号公報
【特許文献5】
特開2000−60900号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、生理用品(ナプキン)自体の防水性が向上されている現在、サニタリーショーツの防水性の要求は弱まり、着用性・通気性などの要求が高まっている。さらに、出願人は漏れにくさを追求した結果、防水布を用いた従来のサニタリーショーツに比べて、着用する身体に防水布を用いないサニタリーショーツを密着させた方が漏れにくいことが判明した。
また、特許文献1〜4に開示された従来の技術は、複数の構成部材を縫合して構成されており、部品点数が多く、縫製工程が煩雑であり、さらに縫合線が股部分、脇部分にあって、着用感が良いものではなかった。また、特許文献5に開示されているショーツは嵩高くなってしまい、薄いショーツの要望を満足させるものではなかった。
【0007】
そこで、本発明はこのような問題に鑑みて、製作容易であって、通気性を保持しながら生理用品の保持が確実にでき、かつ薄く着用感、および身体への密着性のよいサニタリーショーツを経済的に提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のサニタリーショーツは、編み組織を変えて伸縮強度を強化させた部分を有する腹部と臀部を連続して形成した丸編編成の胴部と、臀部の下部に延設する伸縮強化部を有する股部とを有し、股部の端縁を伸縮強化部を含む腹部の下端に結合させ、腹部の伸縮強化部と股部の伸縮強化部を中心線に沿って連続させている。さらに、股部には中心線に沿ってクロッチ部を重合して配設している。
クロッチ部は長さ寸法を股部の長さ寸法より短く形成され、中心線に沿って股部と共に湾曲形状をなすが、クロッチ部の曲率半径は股部の曲率半径より大きくなる構成を有し、クロッチ部の上に装着される生理用品をクロッチ部と股部の伸縮強化部とで二重に身体側に持ち上げ保持する構成となっている。
【0009】
また、本発明において、伸縮強化部の伸縮強度を胴回り方向に比べて中心線方向に大きくして、サニタリーショーツを着用者の身体に密着させる構成を有する。
【0010】
上記の構成により、本発明のサニタリーショーツは着用者の身体に密着して漏れを防止でき、かつ製造が簡単で経済的に提供できる。
【0011】
本発明のサニタリーショーツの製造方法は、編成を変えて伸縮性を強化させた伸縮強化部を配設し、股部を連続した臀部と腹部を連続して筒状に編成する丸編編成工程と、該伸縮強化部を回避して丸編編成の筒状体の両側を湾曲形状に切断して足繰り部を形成する足繰り部形成工程と、腹部に連続する部分を切断して腹部下端部を形成する工程と、臀部に連続した股部の端縁を腹部下端に連結させる結合工程とを有している。そして、前記結合工程において、該各部の伸縮強化部は中心線に沿って連続するよう結合されることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて説明する。
図1は本発明に係るサニタリーショーツの正面図、図2は背面図、図3、図4は構成説明図である。
【0013】
サニタリーショーツ本体10はウエスト(緊締)部11を有する筒状胴部13と、筒状胴部13の一部を延設した股部15とからなる。筒状胴部13は着用したとき前部となる腹部130と、着用したとき背部となる臀部135とを有し、股部15は臀部135に延設されている。股部15は臀部135下端から腹部130下端とを連絡している。股部15には生理用品などを装着するクロッチ部20を重合している。
【0014】
筒状胴部13と股部15は表にナイロンハイマルチ糸、裏に極細のスパンテックスを編み込んだ伸縮性を有する天竺編ダブルニット構造の立体編立てで編製されている。また、天竺編の筒状胴部13の腹部130の中心線O―Oに沿った中央部分と、臀部135と股部15の中心線OーOに沿った中心部分に編み組織を変えた伸縮強化部を形成している。
【0015】
伸縮強化部は例えばリブ編構成となっており、伸縮方向を矢印で示すように着用したときの縦方向(中心線OーO方向 以下単に中心線方向という)に伸縮強度を強めた構成となっている。伸縮強化部の伸縮強度は伸縮部分全体を均一に強くする、あるいは、伸縮強化部の中心部分をもっとも強くし中心線に対して幅方向に順次伸縮強度を弱くする構成などを有する。
腹部130の伸縮強化部133はウエスト11部分から腹部中央部分を被覆する範囲に配されており、その下端部131は幅寸法Wとして股部に連結している。
臀部135の伸縮強化部137はウエスト11部分から臀部の湾曲部を回避してその幅を狭くし、幅寸法をWとして股部15に延設している。
股部15の伸縮強化部は臀部の幅寸法をWとする伸縮強化部137が連続して形成される。
【0016】
次に伸縮強化部133,137を説明する。伸縮強化部133,137の引張り強度は腹部、臀部・股部ともに縦横とも天竺部より伸縮性を強めている。さらに、横方向(筒状胴部の胴回り方向)より縦方向(中心線方向)の伸縮を強く形成され、さらに臀部の引張り強度を腹部の引張り強度より強めると、生理用品がずれにくくなる。具体的には表1に示す引張り強度を有することが好ましい。
【0017】
ここで、引張り強度は、実際の編地を一定の力で引き伸ばして、その伸びを実測した。そして、天竺編の部分の伸びを1としたときの伸縮強化部の伸びを比であらわしている。ここで、横伸びとは胴回り方向への伸びを、縦伸びとは中心線方向への伸びを表している。
【0018】
【表1】
【0019】
また、筒状胴部の天竺編の伸縮率を1としたときの伸縮強化部の縦・横方向の伸縮率を表2に示す。
表2には本発明のサニタリーショーツの各構成部の引張り強度、および編組成について記載する。
【表2】
【0020】
このように、腹部、臀部・股部ともにリブ編みの伸縮強化部は天竺編の筒状胴部より伸縮率が低く、伸縮性を強くしていることが分かる。更に、股部を連続する臀部は特に縦方向の伸縮性を強めている。
このように形成するサニタリーショーツ10の股部15にはクロッチ部20を重合している。クロッチ部20は生理用品を装着させる場合、生理用品を身体方向に押し上げる作用をなす。
【0021】
次に、丸編素材からショーツを構成する方法を説明する。・・・図4〜図9参照
丸編み本体100を編成する。まず、成形編機を使用して、ウエスト緊締部11を編成した後、天竺編みにより円筒状に長さ寸法L1編み、筒状胴部13を形成する。このとき、筒状胴部13の対称位置に編組織を例えばリブ編みに変えた伸縮強化部133,137を同時に編成する。そして、腹部130に相当する半円部はリブ編みによる伸縮強化部133を編み止めて編み止め部(下端部)131を形成する。伸縮強化部133は腹部130の中央部分を被覆できる広さとし、編み止め部(下端部)131の幅寸法をWとしている。
【0022】
さらに、天竺編みにより円筒状編みを長さ寸法L2編む。このとき、臀部135に相当する半円部はウエスト緊締部11からリブ編み部分を臀部の湾曲部を回避して形成しその幅を狭くした幅寸法Wとする。さらに幅寸法Wとする伸縮強化部137を長さ寸法L2リブ編みで編みつづける。この場合の長さ寸法L1は着用胴部の長さ寸法とし、長さ寸法L2は股部15の長さ寸法とする。
このように編成する本体100の両側を湾曲形状に切断して股繰り部151を形成する。
【0023】
そして、腹部130の編み止め部(下端部)131にそって腹部下端を切断する。
これにより、編成本体100は切り込んだ股繰り部151を形成する股部15が連続された臀部135と、編み止め部(下端部)131を下端とする腹部130が筒状になった筒状胴部13が形成される。
【0024】
次に、クロッチ部20を股部15に取付ける。・・・図3〜図6参照
クロッチ部20はナイロンなどの網組織(チュールネット)地で矩形状に形成され、長手方向の両端縁にはゴム等を取付けて端縁伸縮部21を構成している。このクロッチ部20の一端を筒状胴部13の臀部135の下部(股部の一端)に固定し、股部15に重合して取付ける。このとき、クロッチ部20の幅寸法Vは臀部135の下部(股部の一端)の固定部の幅寸法と等しくしている。更に、クロッチ部20の他端と股部15の端部152を一緒にして腹部130の下端部(編み止め部131)に縫合する。このとき、クロッチ部20の長さ寸法K1と股部15の長さ寸法K2との関係を、K1<K2とすることにより、股部15に対してクロッチ部20の湾曲形状の曲率半径が大きく、吊り上がり形状をなし、この部分に介在させる生理用品を確実に身体側押し当てる作用をなす。
なお、股部に伸縮強化部を形成しない形態においても、クロッチ部の吊り上がり現象で生理用品を身体側に押し当てる事ができる。
【0025】
このように構成されるサニタリーショーツ10は、全体に伸縮性があって履き易く、ナイロンハイマルチ糸とスパンテックスのダブルニットで薄地仕上げとなり、接触感覚が繊細で軟らかい風合いとなっている。そして、股部15に装着される生理用品は、両側に取付翼部を有するものにおいては取付翼部をクロッチ部20の裏側に折り込んで取付ける。生理用品はクロッチ部20で身体側に押し上げられると共に、股部15の伸縮強化部137がさらにクロッチ部20を押さえつけるので、二重の保持となると共に、サニタリーショーツ10は着用者の身体に密着し激しい体の動きにも生理用品が移動したり経血が漏れ出すことが無い。
【0026】
また、サニタリーショーツ10は、リブ編編成の伸縮強化部133,137と、その他の部分を天竺編とした筒状に編成した構成となっているので、胴部に縫合などによる結合部がなく、着用感がよい。さらに、股部15の端部152と腹部130の端部を1ヶ所縫合等の手段で連結する事により生理用品保持機能を有するショーツが形成でき、製造工程を簡略化させる事ができ、経済的に提供することができる。
【0027】
以上、全体を筒形状に編成した場合を説明したが、図10に示すように、臀部・股部は連続して編成するが、腹部130は足繰り部151Aを編立てにより形成し、長さ寸法L1で編み止めて腹部下端部131Aを形成する丸編編成により形成するサニタリーショーツにおいても、同様の作用・効果を奏する。この場合、足繰り部の切断は破線で示すように臀部の延長部分の1枚の切断で股部が形成できる。
【0028】
【発明の効果】
本発明によるサニタリーショーツは、着用者の身体に密着すると共に通気性を保ちながら生理用品の保持が確実にでき、かつ薄く着用感がよい。また、1ヶ所の縫製工程ですみ、製造工程が簡単でサニタリーショーツを経済的に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るショーツの正面図。
【図2】本発明に係るショーツの背面図。
【図3】本発明に係るショーツの構成説明図。
【図4】本発明に係るショーツの股部の一部を破断した斜視図。
【図5】クロッチ部の説明図。
【図6】クロッチ部を取付けた股部の断面説明図。
【図7】丸編み本体の背面図。
【図8】丸編み本体の正面図。
【図9】本発明に係るショーツの構成説明図。
【図10】他の実施例を示す構成説明図。
【符号の説明】
10 サニタリーショーツ
11 ウエスト部
13 筒状胴部
15 股部
20 クロッチ部
100 筒状本体
130 腹部
131 編み止め部(下端部)
133 伸縮強化部
135 臀部
137 伸縮強化部
151 股繰り部
Claims (4)
- 股部を連続編成した臀部と腹部とを連続して丸編編成すると共に、股部を連続編成した臀部と腹部には編み組織を変えて伸縮強度を強化させた伸縮強化部を有し、臀部に連続して形成した股部の伸縮強化部を伸縮強化部を含む腹部の下端部に接合させ、腹部の伸縮強化部と臀部および股部の伸縮強化部を中心線に沿って連続するよう連結させるとともに、股部にはクロッチ部を重合してなるサニタリーショーツ。
- 伸縮強化部の伸縮強度は胴回り方向に比べて中心線方向に大きくしてなる請求項1記載のサニタリーショーツ。
- クロッチ部は、股部の中心線に沿った長さ寸法を股部の長さ寸法より短く形成し、股部にクロッチ部を重合したとき形成されるクロッチ部の中心線に沿った湾曲面はその曲率半径を股部の湾曲面の曲率半径より大きくしてなる請求項1または2記載のサニタリーショーツ。
- 股部を連続編成した臀部と、腹部とを連続させた筒状体を丸網編成する丸編筒状体形成工程と、
丸編編成の筒状体の両側を湾曲形状に切断して足繰り部を形成する足繰り部形成工程と、
腹部に連続する足繰り部を形成している部分を切断して腹部下端部を形成する工程と、
臀部に連続した股部の端縁を腹部下端に連結させる結合工程とを有し、
前記丸編筒状体形成工程において、腹部および臀部と股部に中心線に沿って編組織を変えて伸縮強度を強くした伸縮強化部を編成すると共に、前記足繰り部形成工程において、切断は伸縮強化部を回避して足繰り部が形成され、前記結合工程において、該各部の伸縮強化部は中心線に沿って連続するよう結合されるサニタリーショーツの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002304006A JP2004137630A (ja) | 2002-10-18 | 2002-10-18 | サニタリーショーツおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002304006A JP2004137630A (ja) | 2002-10-18 | 2002-10-18 | サニタリーショーツおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004137630A true JP2004137630A (ja) | 2004-05-13 |
Family
ID=32451564
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002304006A Pending JP2004137630A (ja) | 2002-10-18 | 2002-10-18 | サニタリーショーツおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004137630A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008073235A (ja) * | 2006-09-21 | 2008-04-03 | Kao Corp | サニタリーショーツ及びその製造方法 |
JP2008073236A (ja) * | 2006-09-21 | 2008-04-03 | Kao Corp | サニタリーショーツ及びその製造方法 |
JP2010104727A (ja) * | 2008-10-31 | 2010-05-13 | Wacoal Corp | 生理用ショーツ |
-
2002
- 2002-10-18 JP JP2002304006A patent/JP2004137630A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008073235A (ja) * | 2006-09-21 | 2008-04-03 | Kao Corp | サニタリーショーツ及びその製造方法 |
JP2008073236A (ja) * | 2006-09-21 | 2008-04-03 | Kao Corp | サニタリーショーツ及びその製造方法 |
JP2010104727A (ja) * | 2008-10-31 | 2010-05-13 | Wacoal Corp | 生理用ショーツ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CN106793838B (zh) | 内裤、制作内裤的方法以及至少部分地制造内裤的方法 | |
CN1209055C (zh) | 内裤 | |
US8732865B2 (en) | Pants | |
EP2961289B1 (en) | Upper and lower torso graments having an improved band | |
TWI677328B (zh) | 支撐物 | |
JP2001245929A (ja) | 生理用ショーツ | |
JP2007186829A (ja) | 衣料および衣料の製造方法 | |
WO2003092417A1 (fr) | Vetement ayant pour fonction d'adherer a la silhouette | |
JP5004676B2 (ja) | 男性用下着 | |
JP2005320642A (ja) | 衣料 | |
JPH10212606A (ja) | ヒップ形状を整える衣類 | |
JP2004137630A (ja) | サニタリーショーツおよびその製造方法 | |
JP4808117B2 (ja) | サニタリーショーツ及びその製造方法 | |
JP4142353B2 (ja) | 生理用ショーツ | |
JP3645840B2 (ja) | ボトム | |
JP3003961U (ja) | 股部を有する衣類 | |
JP3155830U (ja) | インナーウェア | |
JP4392120B2 (ja) | パンティガードルおよびその形成方法 | |
JP3118296U (ja) | 下半身衣類 | |
JP3119729U (ja) | 衣服 | |
CN215303089U (zh) | 新无缝线塑型腰带 | |
JPH0736651Y2 (ja) | 生理用シヨ−ツ | |
JPH11350206A (ja) | 女性用下着 | |
JP2017209264A (ja) | 骨盤ベルト | |
JP2005054347A (ja) | 衣料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Effective date: 20060127 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20060127 |
|
A072 | Dismissal of procedure |
Effective date: 20060613 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A072 |