JP4807934B2 - 透光性電磁波シールド膜およびその製造方法 - Google Patents
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Description
銅箔を透明基材に貼合し、フォトリソグラフィー法を利用してエッチング加工する方法が提案されている。この方法は微細加工が可能で、高開口率(高透過率)のメッシュを作成することができ、導電性も高く電磁波シールド能に優れる利点を有している。特開2003−46293号公報(特許文献1)には、5μm厚み、線幅12μmの金属メッシュが開示されている。また、特開平11−340682号公報(特許文献2)には、エッチング加工したメッシュのふくれ率が小さいことが、透過率の点で有利であることが記載されている。しかしながら、これらのメッシュをPDPに装着して画像を見た場合には、モアレの問題があった。従ってモアレのでない金属メッシュが望まれている。
特開平11−26980号公報(特許文献3)には、ステンレス板上にレジストパターンを形成した後、ステンレス上に電着メッシュを形成し、電着形成したメッシュを透明基板に接着して転写する工法が記載されており、具体例として線幅30μm、銅膜厚み3μmのメッシュが開示されている。これも前述同様モアレの問題がある他、線幅が太く、注視すると容易にメッシュ形状であることが認識できてしまう欠点があった。しかし線幅を細くすることは容易ではなく、細線を得ようとすると、透明基板に金属メッシュを転写する工程で、転写が不完全で欠陥を発生する問題点があった。
(2) 導電性金属薄膜の開口率が85%以上であり、表面抵抗が0.5Ω/sq以下である、(1)に記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法。
(3) 導電性金属薄膜の抵抗率が2.5μΩcm以下であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法。
(4) 導電性金属薄膜の厚みが2.5〜8μmであることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか一項に記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法。
(5) ヘイズが5%以下であることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれか一項に記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法。
(6) 前記交点太り率が1.1以上1.5以下であることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれか一項に記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法。
(7) スペースが格子状であるフォトマスクを介して露光することを特徴とする、(1)〜(6)のいずれか一項に記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法。
(8) 前記銀塩含有層中にバインダーをAg/バインダー体積比で1/3以上含有することを特徴とする、(1)〜(7)のいずれか一項に記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法。
(9) 前記銀塩がロジウムイオンおよびイリジウムイオンのうち少なくとも一方をドープされていることを特徴とする、(1)〜(8)のいずれか一項に記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法。
(11)(1)〜(9)に記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法で得られた透光性電磁波シールド膜を有するPDP。
本発明の透光性電磁波シールド膜の製造方法で得られる透光性電磁波シールド膜(以下、便宜上本発明の透光性電磁波シールド膜とも言う)は、支持体と該支持体上に形成されたメッシュ状の導電性金属薄膜を有する。導電性金属薄膜は、導電性金属部と光透過性部からなる。そこでまず支持体、導電性金属部、光透過性部の順に以下に説明する。
本発明の透光性電磁波シールド膜を構成する支持体としては、プラスチックフィルム、プラスチック板、ガラスなどを用いることができる。
プラスチックフィルム及びプラスチック板の原料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル類、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、EVAなどのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などを用いることができる。
透明性、耐熱性、取り扱いやすさ及び価格の点から、上記プラスチックフィルムはポリエチレンテレフタレートフィルムであることが好ましい。
本発明におけるプラスチックフィルム及びプラスチック板は、単層で用いることもできるが、2層以上を組み合わせた多層フィルムとして用いることも可能である。
本発明の透光性電磁波シールド膜は、支持体上にメッシュ状の導電性金属薄膜を有しており、該導電性金属薄膜は導電性を有するメッシュ状の導電性金属部とそれ以外の光透過性部からなっている。導電性金属部の製造方法は、支持体上に設けられた光センサとして銀塩を含有する銀塩含有層を露光して現像処理することにより金属銀部と光透過性部とを形成し、さらに該金属銀部を物理現像及び/又はメッキ処理することにより前記金属銀部に導電性金属粒子を担持させた導電性金属部を形成する。ここでは、露光部に金属銀を形成させる場合と、未露光部に金属銀を形成させる場合がある。物理現像核を利用した銀塩拡散転写法(DTR法)は、未露光部に金属銀を形成させる方法である。本発明においては、透明性を高めるために露光部に金属銀を形成させることが好ましい。
但し、金、銀、銅などの金属粒子の分散物から得られる導電性金属薄膜の場合、導電性薄膜の抵抗率の実測値から得られる比抵抗を、本発明における抵抗率と定義する。なぜなら、金属粒子分散物から得られる導電性金属薄膜の導電性は、金属単体の導電性に比べて著しく高い(導電性が低い)ことが知られているためである。
導電性金属部が経時的に酸化され変色するのを防止する観点からは、導電性を変色防止処理することが好ましい。その手段としては、金属表面の腐食抑制剤を利用することなどが挙げられ、例えば、メルカプト化合物などを利用することができる。
また、導電性金属部の線幅は、アース接続などの目的においては、20μmより広い部分を有していてもよい。
本発明のメッシュの交点とは、メッシュをなす線の交差部または交点部を言う。メッシュをなす線の線幅に対して、交点部の線幅が太い場合、交点が太っていると言う。交点の太り度合いを「交点太り率」と呼ぶこととし、次のように定義する。
交点太り率=Cw/(1.4142×Lw)
ここにおいてCwは、電磁波シールド膜面を真上から観察し、メッシュをなす線の交差部または交点部に内接する円を描いたとき、その円の平均直径を表す。またLwは、メッシュをなす線の平均線幅を表す。具体的には、Cwは、5カ所の交差部または交点部に内接する円について測定した直径の平均値であり、Lwは交点と交点の間の中点部の線幅を5箇所で測定した際の平均値である。Cwを得るための内接円は、2点以上のできるだけ多くの内接点を有することを条件に、できるだけ大きな面積を有するものとし、且つ、交点部領域をはみ出さないものとする。交点太り率は、メッシュをなす2直線が直交する場合、太らないで2直線が重なった場合の重なり部の正方形の対角線が、交点が太ることによっておよそ何倍に伸びるかを数値化したものに相当する。交点太りがない場合、交点太り率は1である。交点太りがあれば交点太り率>1であり、交点が細っている場合は交点太り率<1である。
交点太り率が1より大きい場合は、交点太り率ができるだけ1に近いほどモアレが顕在化しにくいため好ましい。本発明において、交点太り率は1を超え1.5以下である。
本発明における「光透過性部」とは、透光性電磁波シールド膜のうち導電性金属部以外の透明性を有する部分を意味する。光透過性部における透過率は、好ましくは95%以上、より好ましくは97%以上であり、最も好ましくは99%以上である。なお、本発明における「透過率」とは、特に断らない限り、支持体の光吸収及び反射の寄与を除いた380〜780nmの波長領域における透過率の平均で示される値を指し、(透光性電磁波シールド材料の透過率)/(支持体の透過率)×100(%)で表される。本発明の態様であれば開口率にほぼ等しい。
本発明の透光性電磁波シールド膜における支持体の厚さは、5〜200μmであることが好ましく、30〜150μmであることがさらに好ましい。5〜200μmの範囲であれば所望の可視光の透過率が得られやすく、かつ取り扱いも容易であるという利点がある。
本発明では、上述した銀塩含有層の塗布厚みをコントロールすることにより所望の厚さの金属銀部を形成し、さらに物理現像及び/又はメッキ処理により導電性金属粒子からなる層の厚みを自在にコントロールできるため、8μm未満、好ましくは5μm未満の厚みを有する透光性電磁波シールド膜であっても容易に形成することができる。
本発明では、必要に応じて、別途、機能性を有する機能層を設けていてもよい。この機能層は、用途ごとに種々の仕様とすることができる。例えば、ディスプレイ用電磁波シールド材用途としては、屈折率や膜厚を調整した反射防止機能を付与した反射防止層や、ノングレアー層またはアンチグレアー層(共にぎらつき防止機能を有する)、近赤外線を吸収する化合物や金属からなる近赤外線吸収層、特定の波長域の可視光を吸収する色調調節機能をもった層、指紋などの汚れを除去しやすい機能を有した防汚層、傷のつき難いハードコート層、衝撃吸収機能を有する層、ガラス破損時のガラス飛散防止機能を有する層などを設けることができる。これらの機能層は、銀塩含有層と支持体とを挟んで反対側の面に設けてもよく、さらに同一面側に設けてもよい。
これらの機能性膜はPDPに直接貼合してもよく、PDP本体とは別に、ガラス板やアクリル樹脂板などの透明基板に貼合してもよい。これらの機能性膜を光学フィルター(または単にフィルター)と呼ぶ。
本発明の電磁波シールド膜の製造方法は、以下の(d)の方法である。
(a)メッシュ状の導電性金属薄膜を電解メッキによって得た後、
透明支持体にメッシュ状の導電性金属薄膜を転写して得る方法
(b)無電解メッキ触媒のメッシュ状パターンを形成し、
無電解メッキすることによってメッシュ状の導電性金属薄膜を得る方法
(c)導電性ペーストのメッシュ状パターンを形成することによって
導電性金属薄膜を得る方法
(d)支持体上に設けられた銀塩を含有する銀塩含有層を露光し、
現像処理することにより金属銀部と光透過性部とを形成し、
さらに前記金属銀部を物理現像及び/又はメッキ処理することにより
前記金属銀部に導電性金属を担持させる、
メッシュ状の導電性金属薄膜の形成方法
(e)支持体上の金属薄膜をエッチングする方法
(b)は、パラジウム触媒などの無電解メッキ触媒のメッシュ状パターンを、種々の印刷法などによって支持体上に形成し、無電解メッキする方法である。
(c) 銀ペーストなどの導電性ペーストを種々の印刷法などによって支持体上に形成する方法である。
(d)は、本発明の製造方法であり、以下で詳細に説明する。
(e)は、支持体上に一様な金属薄膜を形成し、レジストパターンをその上に作成した後、エッチングによってメッシュ状の金属薄膜を得る方法であり、酸化剤を含有するエッチング液を利用するウエットエッチング法(ケミカルエッチング法)のほかに、ドライエッチング法がある。
以下、この方法について、より詳しく説明する。
本発明において、光センサーとして銀塩を含有する層(銀塩含有層)が支持体上に設けられる。銀塩含有層は、銀塩のほか、バインダー、溶媒等を含有することができる。
本発明で用いられる銀塩としては、ハロゲン化銀などの無機銀塩及び酢酸銀などの有機銀塩が挙げられるが、光センサーとしての特性に優れるハロゲン化銀を用いることが好ましい。
本発明では、光センサーとして機能させるためにハロゲン化銀を使用する。ハロゲン化銀に関する銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等で用いられる技術は、本発明においてもそのまま用いることもできる。
尚、ハロゲン化銀粒子の球相当径とは、粒子形状が球形の同じ体積を有する粒子の直径である。
本発明において、ハロゲン化銀に含有されるロジウム化合物及び/又はイリジウム化合物の含有率は、ハロゲン化銀の、銀のモル数に対して、10-10〜10-2モル/モルAgであることが好ましく、10-9〜10-3モル/モルAgであることがさらに好ましい。
本発明において、ハロゲン化銀に含まれるPdイオン及び/又はPd金属の含有率は、ハロゲン化銀の、銀のモル数に対して10-4〜0.5モル/モルAgであることが好ましく、0.01〜0.3モル/モルAgであることがさらに好ましい。
使用するPd化合物の例としては、PdCl4や、Na2PdCl4等が挙げられる。
本発明で使用できる乳剤としては、例えば、特開平11−305396号公報、特開2000−321698号公報、特開平13−281815号公報、特開2002−72429号公報の実施例に記載されたカラーネガフィルム用乳剤、特開2002−214731号公報に記載されたカラーリバーサルフィルム用乳剤、特開2002−107865号公報に記載されたカラー印画紙用乳剤などを好適に用いることができる。
本発明の銀塩含有層において、バインダーは、銀塩粒子を均一に分散させ、かつ銀塩含有層と支持体との密着を補助する目的で用いることができる。本発明においては、非水溶性ポリマー及び水溶性ポリマーのいずれもバインダーとして用いることができるが、水溶性ポリマーを用いることが好ましい。
バインダーとしては、例えば、ゼラチン、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、澱粉等の多糖類、セルロース及びその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリサッカライド、ポリビニルアミン、キトサン、ポリリジン、ポリアクリル酸、ポリアルギン酸、ポリヒアルロン酸、カルボキシセルロース等が挙げられる。これらは、官能基のイオン性によって中性、陰イオン性、陽イオン性の性質を有する。
本発明の銀塩含有層で用いられる溶媒は、特に限定されるものではないが、例えば、水、有機溶媒(例えば、メタノール等アルコール類、アセトンなどケトン類、ホルムアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、酢酸エチルなどのエステル類、エーテル類等)、イオン性液体、及びこれらの混合溶媒を挙げることができる。
本発明の銀塩含有層に用いられる溶媒の含有量は、前記銀含有層に含まれる銀塩、バインダー等の合計の質量に対して30〜90質量%の範囲であり、50〜80質量%の範囲であることが好ましい。
本発明では、支持体上に設けられた銀塩含有層の露光を行う。露光は、電磁波を用いて行うことができる。電磁波としては、例えば、可視光線、紫外線などの光、X線などの放射線等が挙げられる。さらに露光には波長分布を有する光源を利用してもよく、特定の波長の光源を用いてもよい。
本発明では、銀塩含有層を露光した後、さらに現像処理が行われる。現像処理は、銀塩写真フィルムや印画紙、印刷製版用フィルム、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる通常の現像処理の技術を用いることができる。現像液については特に限定はしないが、PQ現像液、MQ現像液、MAA現像液等を用いることもでき、例えば、富士フィルム社製のCN−16、CR−56、CP45X、FD−3、パピトール、KODAK社製のC−41、E−6、RA−4、D−19、D−72などの現像液、又はそのキットに含まれる現像液を用いることができ、また、リス現像液を用いることができる。
リス現像液としては、D−85などを用いることができる。本発明では、上記の露光及び現像処理を行うことにより金属銀部、好ましくはパターン状金属銀部が形成されると共に、後述する光透過性部が形成される。
本発明では、前記露光及び現像処理により形成された金属銀部に導電性を付与する目的で、前記金属銀部に導電性金属粒子を担持させるための物理現像及び/又はメッキ処理を行う。本発明では物理現像又はメッキ処理のみで導電性金属粒子を金属性部に担持させることが可能であるが、さらに物理現像とメッキ処理を組み合わせて導電性金属粒子を金属銀部に担持させることもできる。
本発明における「物理現像」とは、金属や金属化合物の核上に、銀イオンなどの金属イオンを還元剤で還元して金属粒子を析出させることをいう。この物理現象は、インスタントB&Wフィルム、インスタントスライドフィルムや、印刷版製造等に利用されており、本発明ではその技術を用いることができる。
また、物理現像は、露光後の現像処理と同時に行っても、現像処理後に別途行ってもよい。
無電解銅メッキ液に含まれる化学種としては、硫酸銅や塩化銅、還元剤として、ホルマリンやグリオキシル酸、銅の配位子として、EDTA,トリエタノールアミン等、その他、浴の安定化やメッキ皮膜の平滑性向上のための添加剤としてポリエチレングリコール、黄血塩、ビピリジン等が挙げられる。
電解銅メッキ浴としては、硫酸銅浴やピロリン酸銅浴が挙げられる。
本発明では、現像処理後の金属銀部、並びに物理現像及び/又はメッキ処理後に形成される導電性金属部は、好ましくは酸化処理が行われる。酸化処理を行うことにより、例えば、光透過性部に金属が僅かに沈着していた場合に、該金属を除去し、光透過性部の透過性をほぼ100%にすることができる。
酸化処理としては、例えば、Fe(III)イオン処理など、種々の酸化剤を用いた公知の方法が挙げられる。酸化処理は、銀塩含有層の露光及び現像処理後、あるいは物理現像又はメッキ処理後に行うことができ、さらに現像処理後と物理現像又はメッキ処理後のそれぞれで行ってもよい。
本発明による金属メッシュと従来技術による金属メッシュとを比較するために、以下のサンプルを作成して評価した。
[本発明のサンプルA〜Cと比較サンプル1〜3の作成法]
水媒体中のAg60gに対してゼラチン7.5gを含む、球相当径平均0.05μmの沃臭化銀粒子を含有する乳剤を調製した。この際、Ag/ゼラチン体積比は1/1とし、ゼラチン種としては平均分子量2万の低分子量ゼラチン及び、過酸化水素で酸化処理を行ったゼラチンを質量比およそ2:1で混合して用いた。
また、この乳剤中にはK3Rh2Br9及びK2IrCl6を添加して、臭化銀粒子にRhイオン及びIrイオンをともに5X10-7mol/molAgドープした。この乳剤表面近傍にはNa2PdCl4を添加してPdを存在させ、水洗後、更に塩化金酸とチオ硫酸ナトリウムを用いて金硫黄増感を行った後、ゼラチン硬膜剤と共に、銀の塗布量が1g/m2となるようにポリエチレンテレフタレート(PET)上に塗布した。PETは塗布前にあらかじめ親水化処理したものを用いた。乾燥させた塗布膜に格子状のフォトマスク(例:ライン/スペース=195μm/5μm(ピッチ200μm)の、スペースが格子状であるフォトマスク)を介して紫外線ランプを用いて露光し、下記の現像液で現像し、さらに定着液(スーパーフジフィックス:富士写真フイルム社製)を用いて現像処理を行った後、純水でリンスした。
現像液1リットル中に、以下の化合物が以下の濃度で含まれる。
ハイドロキノン 0.037mol/L
N−メチルアミノフェノール 0.016mol/L
メタホウ酸ナトリウム 0.140mol/L
水酸化ナトリウム 0.360mol/L
臭化ナトリウム 0.031mol/L
メタ重亜硫酸カリウム 0.187mol/L
前述の背景技術欄に挙げた以下の2つの方式と本発明を比較するために、以下の特許文献の実施例にしたがって順に比較サンプル4〜6の作成を行った。
(1)フォトリソグラフィー法を利用したエッチング加工メッシュ
特開2003−46293号公報の実施例1
特開平11−340682号公報の実施例1
(2)電着加工メッシュ
特開平11−26980号公報の実施例1
但し、上記特許文献の実施例で作成されている金属メッシュの開口率はそれぞれ異なっている。開口率が異なるもの同士で導電性を比較することは意味がないため、基本的に開口率が本発明のサンプルAと同じ値(87%)となるようにサンプル4〜6を作成した。
このようにして得られた本発明のサンプルA〜C及び比較サンプル1〜6について交点太り率、導電性金属部を構成する線の線幅とピッチ、導電性金属薄膜の開口率と表面抵抗値を測定し、モアレと視認妨害性を評価した。尚、本発明のサンプルA〜Cにはヘイズの問題は特にないことを確認した。
交点太り率は、光学顕微鏡または走査型電子顕微鏡で写真撮影して前述の定義に従って求めた。数値が小さいことは、交点部の太りの度合いが小さいことを示す。
日立製PDP及び松下電器製PDP前面に、モアレが最小のバイアス角度で各サンプルの電磁波シールド膜を設置し、目視による官能評価を行った。PDPに正対して観察すると共に、PDPに対して視点を様々な位置に置いてPDP画像表示面に対して斜め方向から観察を行った。いずれの方向からもモアレが顕在化しなかった場合を○、モアレが問題のないレベルでほんの少し見られるサンプルを△、モアレが顕在化したサンプルを×と評価した。
金属細線がディスプレイ画像を視認する際の悪影響となるか否かを判断する材料として、作製したサンプルをPDP画像を背景にして0.5m離れた距離から目視観察し、金属細線パターンが認識されるか否かを評価した。細線パターンが認識される場合は視認妨害あり(×)、認識されない場合は視認妨害なし(○)とした。
これらの評価結果を、まとめて下表に示す。
比較例であるサンプル1は、交点太り率が高くて線幅が太く、モアレが発生し視認妨害があった。サンプル1の交点太り率を小さくしたサンプル2も、モアレが発生し視認妨害があった。サンプル1の線幅を小さくしたサンプル3でも、モアレの問題があった。従って、単に線幅を細くしたり、単に交点太り率を小さくしたりするだけでは、モアレの問題は解消しなかった。ところが驚くべきことに、サンプル1の線幅を小さくし、且つ交点太り率を小さくした本発明のサンプルA〜Cでは、モアレの問題が解消し、視認妨害もないことが判った。
金属メッシュの交点太り率がPDPの画質に与える影響を明らかにする目的で、以下のサンプルを作成して評価した。
ライン/スペース=190μm/10μm(ピッチ200μm)のスペースが格子状であるフォトマスクを用いて、金属部の線幅が16μm、膜厚が4μmであって、交点太り率の異なるサンプルD〜Gを実施例1と同様の方法により作成した。尚、交点太り率を変更するために、フォトマスクの交点部形状を変更して実験を行った。
得られたサンプルD〜Gのモアレを実施例1と同様に評価した。結果を下表に示す。
金属メッシュの金属部の線幅がPDPの画質に与える影響を明らかにする目的で、以下のサンプルを作成して評価を行った。
ライン/スペース=195μm/5μm(ピッチ200μm)のスペースが格子状であるフォトマスク及び、ライン/スペース幅を変えたフォトマスク(ピッチ200μm)を用いて、金属部の線幅の異なる膜厚3μmのサンプルH〜Lを実施例1と同様の方法により作成した。これらサンプルH〜Lの交点太り率は1.0〜1.4であった。
得られたサンプルの視認妨害性を実施例1と同様に評価した。結果を下表に示す。
金属メッシュの金属部の膜厚がPDPの画質に与える影響を明らかにする目的で、以下のサンプルを作成して評価を行った。
ライン/スペース=195μm/5μm(ピッチ200μm)のスペースが格子状であるフォトマスク及び、スペース幅を変えたフォトマスクを用いて、金属部の膜厚の異なる線幅16μmのサンプルM〜Oを実施例1と同様の方法により作成した。これらのサンプルM〜Oの交点太り率は1.0〜1.5であった。
得られたサンプルのモアレを実施例1と同様に評価した。結果を下表に示す。
Claims (11)
- 支持体上に設けられた光センサとしてハロゲン化銀を含有する銀塩含有層を露光し、現像処理することにより金属銀部と光透過性部とを形成し、
さらに前記金属銀部を物理現像及び/又はメッキ処理することにより前記金属銀部に導電性金属粒子を担持させた導電性金属部を形成する、支持体と該支持体上に形成されたメッシュ状の導電性金属薄膜及び光透過性部を有する透光性電磁波シールド膜の製造方法であって、
メッシュを構成する線の線幅が3〜18μmであり、かつ、メッシュを構成する線の交点における交点太り率が1を超え1.5以下であることを特徴とする、透光性電磁波シールド膜の製造方法。 - 導電性金属薄膜の開口率が85%以上であり、表面抵抗が0.5Ω/sq以下である、請求項1に記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法。
- 導電性金属薄膜の抵抗率が2.5μΩcm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法。
- 導電性金属薄膜の厚みが2.5〜8μmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法。
- ヘイズが5%以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法。
- 前記交点太り率が1.1以上1.5以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法。
- スペースが格子状であるフォトマスクを介して露光することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法。
- 前記銀塩含有層中にバインダーをAg/バインダー体積比で1/3以上含有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法。
- 前記ハロゲン化銀がロジウムイオンおよびイリジウムイオンのうち少なくとも一方をドープされていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法で得られた透光性電磁波シールド膜を有するプラズマディスプレイパネル用のフィルター部材。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の透光性電磁波シールド膜の製造方法で得られた透光性電磁波シールド膜を有するプラズマディスプレイパネル。
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