JP4805858B2 - 紙おむつ - Google Patents

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本発明は、テープ型、パンツ型等の紙おむつに関するものである。より詳しくは、尿や軟便等の体液が背中側から漏れるのを防止するに好適な紙おむつに関するものである。
従来、通常使い捨てされるこの種の紙おむつは、テープ型の例を図1に示すように、透液性のトップシート101と不透液性のバックシート102との間に吸収体103が介在されるのが、一般的である。この従来の紙おむつにおいては、トップシート101を透過した尿や軟便等の体液が、吸収体103で吸収され、体液の衣類側への漏れは、バックシート102で防止される。
そして、近年では、吸収体103側方の製品側端部に、糸ゴム等からなる脚周り用弾性伸縮部材121が伸長下で固定されて、前後方向に伸縮する脚周り伸縮部120が形成されたものが、汎用化されている。この脚周り伸縮部120は、ガスケットカフスや平面ギャザーなどとも呼ばれ、体液の横漏れを防止する。また、同様に、製品前後端部に、特に背側端部に、糸ゴム等からなる胴周り用弾性伸縮部材131が伸長下で固定されて、製品幅方向に伸縮する胴周り伸縮部130が形成されたものも、汎用化されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。この胴周り伸縮部130は、ウエストシャーリングあるいはウエストギャザーなどとも呼ばれ、体液の前後漏れを防止する。この従来の紙おむつは、製品後端部(背側端部)の両側端部に設けられたファスニングテープ等からなる止着テープ109,109を側方に引っ張り、製品前端部(腹側端部)の両側端部に止着して、使用される。
しかしながら、従来の紙おむつの胴周り伸縮部130は、体液の前後漏れを防止するためのものであり、ある程度の強い伸縮力が付与されるため、胴周り部は製品幅方向に大きく縮む。したがって、例えば、テープ型の紙おむつの場合は、装着時に胴周り伸縮部130を完全に伸ばして止着テープ109,109をFTT(フロントターゲットテープ)等が設けられた紙おむつ前面に止めると、胴周り伸縮部130の伸縮性が生かされ背中部の隙間ができず、背漏れや紙おむつの下ズレを防止できるが、胴周り伸縮部130の伸縮力が強すぎると、完全に伸ばして装着することが難しく、結果として背中部に隙間が生じてしまう問題がある。特に、約9ヶ月までの低月齢児は、水様便・軟便を排泄するが、従来の紙おむつでは固形分の便を吸収することができないため、排便に気付かず授乳やおむつ換えを行うと、おむつにかかる圧力で便が押し出され背中や脚などの開口部から漏れるとの問題が顕著に生じる。また、例えば、パンツ型の紙おむつの場合は、胴周り部に脚等が引っかかるため、紙おむつを装着しづらいといった、問題がある。
特開2001‐245922号公報 特開平9‐215709号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、装着が容易で、かつ背中からの便漏れを効果的に防止することができる紙おむつを提供することにある。
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
透液性のトップシートと不透液性のバックシートとの間に吸収体が介在された紙おむつであって、
前記トップシートの背側端部上に、
積層された2枚以上のベースシートと、これらベースシート間に製品幅方向に沿って伸長下で固定された複数の弾性伸縮部材と、を有する伸縮シートの、背側端部が固定され、
前記複数の弾性伸縮部材のうち、製品前後方向において所定範囲内のものが、前記ベースシートに固定された状態で切断されて、前記伸縮シートの製品幅方向の伸縮力が低下させられ、
前記伸縮シート上に、少なくとも前記弾性伸縮部材の切断領域を覆うように、不透液性の被覆シートが積層され、
使用状態において、前記伸縮シート及び前記被覆シートで構成された積層体が、前記伸縮シートの収縮力によって、前記トップシートから起立する、
ことを特徴とする紙おむつ。
〔請求項2記載の発明〕
前記複数の弾性伸縮部材のうち、切断をされたものの弾性諸元と、切断をされてないものの弾性諸元との間に、次式(1)及び(2)の少なくとも一方の関係が成立している、請求項1記載の紙おむつ。
−0.2Ln≦{(Ln/(Tn/100))−(2×Ls/(Ts/100)+H)}≦0.2Ln …(1)
0.8≦(Ln/(Tn/100)/(2×Ls/(Ts/100)+H)≦1.2 …(2)
ここで、
Lnは、切断をされてない弾性伸縮部材の固定時伸長長さ(mm)、
Tnは、切断をされてない弾性伸縮部材の固定時伸長率(%)、
Hは、切断領域の幅(mm)、
Lsは、切断領域の側方に隣接する各切断をされた弾性伸縮部材の固定時伸長長さ(mm)、
Tsは、切断をされた弾性伸縮部材の固定時伸長率(%)、
である。
〔請求項3記載の発明〕
前記積層体は、1のシートが3つ折りされて、前記トップシートの背側端部上を製品背側から製品腹側に向かって延在する下側ベースシートと、この下側ベースシートの腹側端縁で折り返されて前記製品背側に向かって延在する上側ベースシートと、この上側ベースシートの背側端縁で折り返されて前記製品腹側に向かって延在する被覆シートと、を有する構成とされている、請求項1又は請求項2記載の紙おむつ。
〔請求項4記載の発明〕
前記被覆シートには、
製品背側から製品腹側に向かって延在し、この延在端縁で折り返されて前記製品背側に向かって延在し、この延在端縁で再度折り返されて前記製品腹側に向かって延在するタックが、
少なくとも製品幅方向中央部に、1つ又は2つ以上形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の紙おむつ。
〔請求項5記載の発明〕
前記被覆シートの表面は、吸汗性を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の紙おむつ。
本発明によると、装着が容易で、かつ背中からの便漏れを効果的に防止することができる紙おむつとなる。
次に、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明の紙おむつは、通常使い捨てにされるものであり、テープ型の紙おむつのほか、パンツ型の紙おむつにも適用可能である。以下では、テープ型の紙おむつを例に説明する。
〔紙おむつの基本的な構造等〕
図2及び図3に、本形態のテープ型の紙おむつTを示した。本形態の紙おむつTは、不織布や多孔フィルムなどからなる長方形状などの形状の透液性のトップシート1とポリエチレンシートやポリラミ不織布、ミクロボイドを形成して蒸気は透過するが液は透過しないシートなどからなる不透液性のバックシート2との間に、適宜高分子吸収性ポリマーが添加されるなどした綿状パルプなどからなり、例えば、長方形状や砂時計形状などの適宜形状とされた、図示例では砂時計形状とされたある程度の剛性を有する吸収体3が介在された、吸収性本体4を有する。
吸収体3は、例えば、ティシュペーパーやクレープ紙、親水性不織布などからなる被覆シート3Aで被覆することができる。被覆シート3Aによって、吸収体3の形状保持性が向上する。
バックシート2の裏面には、外形シート5が備えられている。外形シート5は、最終製品の外面全体に及んで製品形状を規定する連続シートである。図示例の外形シート5は、砂時計形状に成形されている。外形シート5は、ムレ防止などの点から、通気性及び不透液性(撥水性)の少なくとも一方、好ましくは両方の特性を有するとよい。外形シート5の素材は、適宜選択することができる。具体的には、例えば、ポリプロピレン主体の熱融着繊維及びレーヨン繊維を混綿したレーヨンスパンレース不織布と、ウレタンやイソプレンゴム系の材料を主体とするメルトブロー不織布と、を熱融着、超音波接合、ホットメルト接着剤による接合などして一体化したものを例示することができるが、特に好ましいのは、ポリプロピレンやポリエチレン、又はこれらを複合した繊維により構成される、スパンボンド不織布又はSMS不織布である。
外形シート5の使用面側には、不透液性のバックシート2が設けられており、体液の裏抜けが防止されているので、外形シート5自体は、通気性及び透液性を有するものであってもよい。なお、符号9,9は、メカニカルファスナーや粘着テープ等からなる止着テープである。
本形態において、吸収性本体4の両側端部使用面側には、バリヤーカフスや立体ギャザーなどとも呼ばれる起立ギャザー10,10が備えられている。この起立ギャザー10は、基端部(製品側方側の端部)が吸収性本体4に固定され、この固定部と固定されていない起立部との境界が起立始点、つまり起立部の近位縁となっている。この近位縁は、起立ギャザー10を吸収性本体4に固定するためのホットメルト接着剤層6の製品幅方向中央側端縁6Xと一致し、トップシート1上に位置する。
このトップシート1の側縁1Xは、バックシート2の側縁2Xよりも製品幅方向中央側に位置している。トップシート1の側縁1Xがバックシート2の側縁2X上に位置していると、体液がトップシート1内部を側縁1Xまで伝わり染み出しが生じるおそれがある。トップシート1の側端部は、バックシート2に、例えば、ホットメルト接着剤などによって固定することができる。
本形態において、起立ギャザー10は、下側起立シート11、不透液層14及び上側起立シート12がこの順に積層された積層構造とされている。したがって、起立ギャザー10を透過する滲み出しは完全に防止され、しかも、肌触りが悪化するおそれがない。また、積層構造とすると、防漏性が高まるばかりでなく、特に起立ギャザー10としての形状保持性が良好となり、着用中において、捲れなどが生じず、漏れ防止効果がより高いものとなる。
本形態の起立ギャザー10は、その先端縁(遠位縁)10X近傍に、帯状ゴムや糸状ゴムなどからなる1本又は2本以上の、図示例では2本の弾性伸縮部材13,13が伸長下でホットメルト接着剤などにより固定されている。起立ギャザー10は、かかる弾性伸縮部材13,13の収縮によって起立し、先端縁10X近傍が着用者の脚周りに当接する。起立した起立ギャザー10,10とトップシート1とで囲まれる、上方開口のほぼ台形の空間によって、尿や軟便等の体液の閉じ込め用ポケット空間が形成される。このポケット空間内に、尿や軟便等の体液が排泄されると、主に、尿等の液体はトップシート1を通過して吸収体3内に吸収され、他方、軟便等の固形分は起立ギャザー10,10がバリヤー(障壁)になってその乗り越えが防止される。
起立シート11,12は、例えば、撥水処理した不織布によって形成することができ、実質的に通気性を有する素材によって形成することができる。また、微細な通気用孔開き柔軟フィルムなどで形成してもよい。
本形態において、起立ギャザー10をどのようにして積層構造とするかは、特に限定されない。例えば、図示例のように、連続する起立シート(11,12)を、不透液層14を挟んで折り返し、この折り返し縁10Xから一方が下側起立シート11と、他方が上側起立シート12と、なるようにすることや、複数枚の起立シートを、不透液層14を挟んで重ね合わせることなどにより、積層構造とすることができる。本形態では、起立シート11,12を、内面側(下側)を短くして段違いに内折りして2重に形成している。
一方、起立シート11,12間に介在される不透液層14も、どのようにして形成するかが、特に限定されない。例えば、フィルムシートを起立シート11,12にラミネートし、このラミネートされたフィルムシートが不透液層14となるようにすることや、起立シート11,12を、ホットメルト接着剤を塗工して貼り合わせ、塗工したホットメルト接着剤が固化して形成された層が不透液層14となるようにすることができる。このホットメルト接着剤の塗工は、スパイラル塗工によるのが好ましく、カーテン塗工によるのがより好ましく、ベタ塗工によるのが特に好ましい。
このようにしてなる起立ギャザー10の下側起立シート11及び不透液層14の基端部(製品側方側の端部)は、トップシート1の側縁1Xを越えてバックシート2上まで延在するのが、つまり下側起立シート11の側縁11X及び不透液層14の側縁がトップシート1の側縁1Xよりも製品幅方向側方に位置するのが好ましい。下側起立シート11の側縁11X及び不透液層14の側縁がトップシート1の側縁1X上、あるいはトップシート1の側縁1Xよりも幅方向中央側に位置すると、トップシート1の内部を側縁1Xまで伝わった体液は、単に起立ギャザー10を吸収性本体4に固定するためのホットメルト接着剤層6及び上側起立シート12を透過するのみで表面に滲み出すことになってしまう。これに対し、本形態によると、トップシート1の内部を側縁1Xまで伝わった体液は、ホットメルト接着剤層6及び上側起立シート12のほか、下側起立シート11及び不透液層14によって表面への透過が阻止されるため、滲み出しのおそれが全くない。
この際、近位縁6Xから下側起立シート11の側縁11X及び不透液層14の側縁までの距離は、5〜30mm、好ましくは15〜25mmである。
さらに、起立ギャザー10基端部の吸収性本体4に対する固定は、近位縁6Xから上側起立シート12のバックシート2上の部位6Yまで連続するホットメルト接着剤層6によって、行われているのが好ましい。これにより、トップシート1の内部を側縁1Xまで伝わった体液の染み出しが防止される。この際、ホットメルト接着剤層6の塗工幅は、5〜35mm、好ましくは5〜20mmである。
なお、以上における起立ギャザー10の構造や配置等は、あくまで一例である。本形態においては、起立ギャザー10を積層構造とせず、一重構造等の他の構造とすることはもちろん、起立ギャザー10自体を省略することなどもできる。
本形態において、吸収体3側方の上側起立シート12の基端部(製品側方の端部)は、バックシート2に固定され、両者12,2によってフラップ部が構成されている。このフラップ部には、より詳細には、上側起立シート12の基端部とバックシート2との間には、単数又は複数の、図示例では3本の脚周り用弾性伸縮部材21,21…が、伸長下でホットメルト接着剤などによって固定されて、脚周り用弾性伸縮部材21,21…の伸縮力により前後方向に伸縮するひだ状の脚周り伸縮部20が形成されている。この脚周り伸縮部20は、製品側端部に位置し、一般には、平面ギャザー、ガスケットカフスなどとも呼ばれる。脚周り用弾性伸縮部材21は、上側起立シート12の基端部とバックシート2との間ではなく、バックシート2と外形シート5との間に備えることもできる。脚周り伸縮部20が形成されていると、仮に、体液が起立ギャザー10を乗り越えたとしても、脚周り伸縮部20によって横漏れが防止される。
ところで、以上のように脚周り伸縮部20が形成され、しかも前述したように、起立ギャザー10が先端部10Xに弾性伸縮部材13が伸長下で固定されて起立するように構成されている場合においては、起立ギャザー10の弾性伸縮部材13の伸長率と脚周り伸縮部20の弾性伸縮部材21の伸長率との差を小さくし、かつ起立ギャザー10の弾性伸縮部材13の伸長率が脚周り伸縮部20の弾性伸縮部材21の伸長率よりも若干高くなるようにするとよい。具体的には、起立ギャザー10の弾性伸縮部材13の伸長率/脚周り伸縮部20の弾性伸縮部材21の伸長率(以下「伸長率比」ともいう。)が、1.0〜1.2とされているのが好ましく、1.0〜1.1とされているのがより好ましい。伸長率比が1.0を下回ると、脚周り伸縮部20が起立ギャザー10に覆い被さろうとして起立ギャザー10の起立が悪くなる。他方、伸長率比が1.2を上回ると、起立ギャザー10が肌を強く圧迫して肌に跡つきが生じる。この際、起立ギャザー10の弾性伸縮部材13の伸長率は、230〜280%、好ましくは250〜260%、脚周り伸縮部20の弾性伸縮部材21の伸長率は、220〜260%、好ましくは235〜245%、起立ギャザー10の弾性伸縮部材13の伸長率−脚周り伸縮部20の弾性伸縮部材21の伸長率は、0〜40%、好ましくは10〜20%である。
なお、弾性伸縮部材13,21の伸長率(%)とは、「伸長固定されている状態における弾性伸縮部材13,21の長さ/伸長されていない状態(自由状態)における弾性伸縮部材13,21の長さ×100」を意味する。
ところで、吸収体3は、股間部の幅が前後端部の幅の55〜85%とされているのが好ましく、70〜80%とされているのがより好ましい。股間部の幅が前後端部の幅の55%を下回ると、股間部での吸収能力が足りず漏れやすく、また、股間部の吸収体強度が弱く、よれやわれが発生し起立ギャザー10や脚周り伸縮部20のフィット性も悪化する。他方、股間部の幅が前後端部の幅の85%を上回ると、股間部の切り欠き(括れ)が小さいために股間部のフィット性が悪くなり、起立ギャザー10や脚周り伸縮部20のフィット性も悪化する。この際、「(前後端部の幅−股間部の幅)/2」は、10〜30mm、好ましくは12〜18mmである。
また、吸収体3の最幅広部の側縁3Xよりも側方に起立ギャザー10の近位縁6Xが位置するのが好ましい。この形態によると、起立ギャザー10の起立が安定する。側縁3Xから近位縁6Xまでの距離は、0〜30mm、好ましくは10〜20mmである。
さらに、起立ギャザー10の近位縁6Xから遠位縁10Xまでの距離が、近位縁6Xから脚周り用弾性伸縮部材21までの最短距離以上で、かつ近位縁6Xから吸収体3の股間部側縁3Yまでの距離以下であると、より好ましいものとなる。近位縁6Xから脚周り用弾性伸縮部材21までの最短距離が近位縁6Xから遠位縁10Xまでの距離よりも長いと、脚周り伸縮部20が起立ギャザー10に覆い被さって、起立ギャザー10を越えて内側に入り、横漏れの原因となるおそれがある。他方、近位縁6Xから遠位縁10Xまでの距離が近位縁6Xから吸収体3の股間部側縁3Yまでの距離よりも長いと、起立ギャザー10が股間部(製品前後方向中央部)で高く起立し過ぎて、股間に食い込み、装着の不快感や漏れにつながるおそれがある。
以上の場合、近位縁6Xから吸収体3の股間部側縁3Yまでの距離は、15〜35mm、好ましくは20〜30mm、近位縁6Xから脚周り用弾性伸縮部材21までの最短距離は、10〜35mm、好ましくは20〜30mm、両距離の合計距離は、25〜70mm、好ましくは40〜60mmとすることができる。
〔積層体50〕
本形態の紙おむつ1は、図2に示すように、トップシート1の後端部、バックシート2の後端部及び外形シート5の後端部で構成される製品後端部(背側端部)上に、好ましくは製品前端部(腹側端部)上にも、積層体50が設けられている。この積層体50は、図4及び図5に示すように、伸縮シート51及び被覆シート52から主になる。
伸縮シート51は、積層された2枚以上のベースシート、図示例では下側ベースシート51A及び上側ベースシート51Bからなる2枚のベースシートと、これらベースシート51A,51B間に製品幅方向に沿って伸長下で固定された帯状ゴムや糸状ゴム等からなる複数の弾性伸縮部材60と、で構成されている。積層体50は、図4に示すように、背側端部(基端部)が、トップシート1にホットメルトHM等の接着剤や、ヒートシールなどによって、固定されている。また、図示しないが、積層体50は、幅方向両側端部がトップシート1及び起立ギャザー10の少なくとも一方に固定されている。
もっとも、単に複数の弾性伸縮部材60をベースシート51A,51Bに伸長下で固定したのみであると、製品後端部が製品幅方向に大きく縮んでしまう。そこで、本形態では、複数の弾性伸縮部材60のうち、製品前後方向において所定範囲内の弾性伸縮部材61,61…が、ベースシート51A,51Bに固定された状態で切断されて、伸縮シート51の製品幅方向の伸縮力が低下させられている。この伸縮力の調節は、例えば、弾性伸縮部材60の数や固定時の伸長率を変えることによっても可能である。しかしながら、複数の弾性伸縮部材60をベースシート51A,51Bに固定した状態で切断する方が、前述した弾性伸縮部材13,21…と同じ弾性伸縮部材を使用できる点や、簡易に伸縮力を調節できる点などにおいて、有利である。また、弾性伸縮部材を、部位を特定して伸長固定する形態もあるが、この形態によると、部位を特定して伸長固定するための加工設備が複雑になる。
なお、複数の弾性伸縮部材60を切断する所定範囲は、どの程度伸縮力を低下させるかという観点から、弾性伸縮部材60の本数や固定時の伸長率等に基づいて、適宜設定することができる。
本形態によると、伸縮シート51は、使用状態において、伸縮シート51の収縮力によって、トップシート1から起立する。つまり、ホットメルトHMで固定された固定部と固定されていない起立部との境界が、起立始点(近位縁)となるように起立する。この起立によって伸縮シート51(積層体50)の先端部(遠位縁)近傍が着用者のウエスト周りに当接する。そして、起立した伸縮シート51とトップシート1とで囲まれる空間によって、尿や軟便等の体液の、特に軟便の閉じ込め用ポケット空間が形成される。このポケット空間内に、尿や軟便等の体液が移動しても、伸縮シート51(積層体50)がバリヤー(障壁)になり、その乗り越えによる背側部からの漏れが防止される。つまり、本形態では、単に製品後端部が収縮して着用者の肌に押し当てられ、もって背側部からの漏れが防止されるのではなく、かかるポケット空間が形成されることによっても背側部からの漏れが防止される(積層体50が、いわば「便漏れストッパー」として機能することになる。)。したがって、相対的に製品後端部の収縮を少なくすることができ、装着が容易でかつ背中からの便漏れを効果的に防止することができる紙おむつとなる。
もっとも、この形態によっても、背側部からの漏れ防止は完全ではない。複数の弾性伸縮部材60を、ベースシート51A,51Bに伸長下で固定した状態で切断すると、当然、ベースシート51A,51Bの切断領域R(図5に示すように、製品幅方向において切断幅内、製品前後方向において所定範囲内の領域)に、例えば、カッターによる切れ目(孔)や押圧・熱の負荷による劣化に起因する、バリヤー性低下部が形成されることがあり、このバリヤー性低下部から漏れや染み出しが生じるおそれがある。そこで、本形態では、被覆シート52が、伸縮シート51上に、少なくとも弾性伸縮部材60の切断領域Rを覆うように、図示例では伸縮シート51の全域を覆うように、積層されている。これにより、体液の切断領域Rからの漏れが防止される。
本形態において、被覆シート52は、実質的に通気性を有する素材によって形成することが好ましい。この素材としては、微細な通気用孔開き柔軟フィルムなどを用いてもよいが、特に不織布が好ましい。被覆シート52に不織布を用いる場合は、少なくともその裏面(非肌側面)は撥水性を示すことが望ましい。また、被覆シート52の表面(肌側面)は、例えば、親水性繊維や吸水性繊維を含む不織布(スパンレース不織布やエアスルー不織布、エアレイド不織布が好適)、また紙などの吸水性を有する素材で形成するのが好ましい。被覆シート52の表面は、着用者の肌と接する面であり、吸水性を有する素材で形成しておくことによって汗を吸収し、あせもやかぶれなどが防止される。また、被覆シート52の表面(肌側面)には、あせもやかぶれを防止する目的で、抗菌性を示す素材や、スキンケア成分を含む素材を用いてもよい。スキンケア成分の例としては、ビタミンE等のように皮膚の酸化劣化を抑制する酸化防止剤、皮膚の角質層の水分を保持し皮膚を柔軟にする動植物性油脂やグリセリン脂肪酸エステルのようなエモリエント剤・保湿剤などが挙げられる。不織布にこれら成分を付与する場合は、スキンケア成分を含む原綿から製造された不織布を用いてもよいし、不織布に対し塗工・噴霧などの方法でスキンケア成分を付与してもよい。また、被覆シート52に消臭成分を付与してもよいし、印刷により絵柄やデザインを付与してもよい。また、被覆シート52に肌を傷めにくい粘着剤を付与したり、帯電防止剤を添加せず静電気を発生しやすくしたプラスチック素材を用いたりすることにより、装着時に被覆シート52が肌に貼りつきやすいようにすれば、ポケット空間が形成されやすい。
ところで、複数の弾性伸縮部材60のうち、切断をされた弾性伸縮部材61,61…の弾性諸元と、切断をされてない弾性伸縮部材62,62…の弾性諸元との間には、次式(1)及び(2)の少なくとも一方の関係が、好ましくは両方の関係が成立していると、好ましいものとなる。
−0.2Ln≦{(Ln/(Tn/100))−(2×Ls/(Ts/100)+H)}≦0.2Ln …(1)
0.8≦(Ln/(Tn/100)/(2×Ls/(Ts/100)+H)≦1.2 …(2)
ここで、
Lnは、切断をされてない弾性伸縮部材62の固定時伸長長さ(mm)、
Tnは、切断をされてない弾性伸縮部材62の固定時伸長率(%)、
Hは、切断領域Rの幅(mm)、
Lsは、切断領域Rの側方に隣接する各切断をされた弾性伸縮部材61の固定時伸長長さ(mm)、
Tsは、切断をされた弾性伸縮部材61の固定時伸長率(%)、
である。
なお、弾性伸縮部材61,62の固定時伸長率(%)とは、「伸長固定されている状態における弾性伸縮部材61,62の長さ/伸長されていない状態(自由状態)における弾性伸縮部材61,62の長さ×100」を意味する。
関係式(1)は、要するに、伸縮シート51の所定範囲外における幅と所定範囲内における幅との差が、切断をされていない弾性伸縮部材62の固定時伸長長さLnの±20%以内となるように、複数の弾性伸縮部材60の弾性諸元を調節することを意味し、好ましくは±10%以内、より好ましくは±5%以内である。この形態によると、伸縮シート51が、製品前後方向のいずれにおいてもほぼ同幅となるため、例えば、止着テープ9,9が斜めを向いてしまい装着性が低下するなどの問題が生じなくなる。以上の関係は、例えば、外面シート5やバックシート2、トップシート1などの剛性によって多少の誤差を生じるが、この誤差の大部分は、伸縮シート51の所定範囲外における幅と所定範囲内における幅とを減算することによって相殺される。
一方、関係式(2)は、要するに、伸縮シート51の所定範囲外における幅と所定範囲内における幅との比が0.8〜1.2となるように、複数の弾性伸縮部材60の弾性諸元を調節することを意味し、好ましく0.9〜1.1、より好ましくは0.95〜1.05である。この形態によっても、関係式(1)を満たす場合と同様の効果が得られる。
関係式(1)や(2)は、例えば、弾性伸縮部材60の素材や太さ、本数、形状、切断領域Rの幅や所定範囲の長さなどを調節することによって、調節することができる。切断領域Rの幅や所定範囲の長さは、通常、幅20〜200mm、所定範囲の長さ10〜60mm、好ましくは、幅100〜140mm、所定範囲の長さ20〜40mmとすることができる。また、図示例では、切断領域Rを、製品前後方向及び幅方向のいずれに関しても、中央部としているが、これに限定する趣旨ではない。ただし、例えば、テープ型の紙おむつの場合は、装着時に着用者の体の下になる部分が収縮していると製品幅を広げづらく装着性が低下するため、少なくとも製品幅方向に関しては、切断領域Rが伸縮シート51の中央部であるのが好ましい。また、吸収体3を不要に収縮させないようにして、十分な吸収能力を発揮させるという観点からも、切断領域Rが伸縮シート51の中央部であるのが好ましい。この場合、切断領域Rは中央部に位置し、かつ吸収体3の幅に対し±50mm、好ましくは±20mmの幅を有すると好適である。さらに、製品前後方向に関しては、切断領域Rの前後方の少なくとも各1本は、切断されないようにすることが好ましい。伸縮シート51の前端部(切断領域Rの前方)の弾性伸縮部材が切断されていないと、伸縮シート51がトップシート1から離間して起立しやすい。伸縮シート51の後端部(切断領域Rの後方)の弾性伸縮部材が切断されていないと、製品背側部における密着性が向上する。
本形態において、複数の弾性伸縮部材60は、製品幅方向に沿って、積層体50の背側端部から腹側端部までの全範囲にわたって設けることができる。弾性伸縮部材60は相互に平行に設けても一部又は全部の弾性伸縮部材60を歪曲して設けても良い。このように広い範囲にわたって複数の弾性伸縮部材60を配置し、均等な締め付け力を付与することにより、伸縮シート51(積層体50)を体にフィットさせることができ、しかも、弾性伸縮部材60による跡付き等を防止することができる。
また、各弾性伸縮部材60の製品前後方向における配置間隔は、通常、2〜15mm、好ましくは、3〜8mmである。配置間隔が狭すぎると、積層体50がゴワゴワしたものとなり、装着性が低下する。他方、配置間隔が広すぎると、体に対するフィット性が低下する。さらに、複数の弾性伸縮部材60全体の張力は、伸縮シート51を100mmの長さに伸長した後、70mmの長さまで緩めた場合に、50〜200gfとなるようにするのが好ましい。50gf未満であると、伸縮シート51(積層体50)の起立が不十分になる。他方、200gfを超えると、装着前に伸縮シート51(積層体50)が起立してしまい、装着性が低下する。
本形態において、積層体50の背側端縁からトップシート1(バックシート2)の背側端縁までの距離X(図4参照)は、通常、0〜50mm、好ましくは、5〜15mmである。距離Xを5mm以上としておくと、例えば、長時間経過時における伸縮シート51を通した体液の滲み出しが完全に防止される。また、距離Xを5mm以上にしておくと、製品後端縁の厚みが抑えられ、肌触り性が向上する。他方、距離Xを50mm以下にすると、積層体50がウエスト部を締め付けるウエストシャーリングやウエストギャザーなどの胴周り伸縮部としての機能も果たすため好ましい。
また、起立した伸縮シート51とトップシート1とで囲まれるポケット空間において、このポケット領域の伸縮シート51が弾性伸縮部材60により収縮すると、十分なポケット空間を形成しないため、伸縮シート51の切断領域Rは、実質的にポケット領域と重なっていることが好ましい。具体的には、ポケット領域の60%以上、好ましくは80%以上が切断領域Rとなっていると好適である。
一方、積層体50の腹側端部は、図示例のように、平面状態において吸収体3と重なっているのが好ましい。この重なりがあると、使用状態、つまり製品が舟形となる前においては、製品後端部の製品幅方向の収縮が、ある程度の硬性を有する吸収体3によって阻止されるため、装着性が向上する。ただし、この重なりが広すぎると、体液が積層体50の上に乗ってそのまま流れ出てしまう場合がある。したがって、積層体50腹側端縁から吸収体3の背側端縁までの距離Y(図4参照)は、通常0〜60mm、好ましくは5〜30mmである。また、後述するタック50Aを設けると、タックによる付勢によって積層体の自由端部が固定端部方向に引っ張られるため、製品幅方向においてタック形成部近傍(図7の例では製品幅方向中央部)での距離Yは通常−10〜50mm、好ましくは0〜25mmである。
上記例において、積層体50は、下側ベースシート51A、上側ベースシート51B及び被覆シート52を、それぞれ別のシートで形成しているが、図4に示すように、積層体50を、1のシートが3つ折りされることにより、トップシート1の背側端部上を製品背側から製品腹側に向かって延在する下側ベースシート51Aと、この下側ベースシート51Aの腹側端縁で上側に折り返されて製品背側に向かって延在する上側ベースシート51Bと、この上側ベースシート51Bの背側端縁で上側に折り返されて製品腹側に向かって延在する被覆シート52と、が形成される構成とするのもまた、好ましい形態である。この形態によると、下側ベースシート51A、上側ベースシート51B、被覆シート52を相互に接合等する必要がないため製造が容易であり、1のシートを折りたたんで弾性伸縮部材60を挟持固定し、弾性伸縮部材60を切断した後、シートをもう一度折り返して切断領域Rを被覆することで、容易に本形態の積層体50を形成することができる。また、接合部を有しないため、積層体50が備わる部位、すなわち製品後端部の厚みが抑えられ、肌触り性・フィット性が向上する。この場合、1のシートを折り返し、弾性伸縮部材60の切断領域Rでシートが3層以上になっていれば足り、シートの折り方や配置方向は任意に決定できる。また、下側ベースシート51A、上側ベースシート51Bを1のシートで形成し、これを2つ折りすることで伸縮シート51としたものに、別のシートからなる被覆シート52を固定してもよい。
ここで、積層体50には、図6に示すように、製品背側から製品腹側に向かって延在し、この延在端縁で上側に折り返されて製品背側に向かって延在し、この延在端縁で再度上側に折り返されて製品腹側に向かって延在する、つまり、三層構造のタック50A、50A…が、少なくとも製品幅方向中央部に、1つ又は2つ以上、図示例では3つ形成されているのが好ましい。積層体50にタック50A、50A…が形成されていると、使用状態において、図7に示すように、積層体50に背側に向かう力が働き、積層体50の腹側端縁50Hが背側に付勢されるため、積層体50がトップシート1から遠ざかる方向に確実に起立する。この起立性促進機能は、例えば、積層体50に、製品前後方向に沿って伸長下で弾性伸縮部材を固定することによっても、発揮されうる。しかしながら、弾性伸縮部材の固定は、その数が少ないと、弾性伸縮部材の固定された部位のみが肌に強く当たるため、フィット感が低下する。他方、その数が多いと、ゴワゴワ感が生じ、また、コストが嵩む。したがって、これらの問題が生じない本形態のようなタック50A,50A…を形成する形態の方が、好ましい。
本形態では、タック50A,50Aを、積層体50に、つまり上下に重なる下側ベースシート51A,上側ベースシート51B及び被覆シート52に一体的に形成している。なお、理論上は、下側ベースシート51Aを除く上側ベースシート51B及び被覆シート52に一体的に形成することも可能である。ただし、下側ベースシート51A及び上側ベースシート51Bを除く被覆シート52にのみ形成すると、下側ベースシート51A及び上側ベースシート51Bに背側に向かう力が働かないため、積層体50がトップシート1から遠ざかる方向に確実に起立するとの効果は得られなくなる。
タック領域R2の幅は、特に限定されない。ただし、以上のように、積層体50の一部位のみが肌に強く当たるのを防止するためにタック形態を採用するのである以上、広い方が好ましい。具体的には、タック領域R2の幅は、通常、10〜200mm、好ましくは、30〜100mmとすることができる。なお、紙おむつは、新生児用のものからから大きなサイズのもの(Big)まで製品全体や吸収体3などの幅がさまざまであり、したがって積層体50の幅寸法もさまざまとなる。しかしながら、タック領域R2幅は、ほぼ上記記載の範囲となる。
一方、各タック50Aの製品前後方向に関する長さも、特に限定されない。ただし、各タック50Aの製品前後方向に関する長さが短すぎると、製品後方へある程度の力を生じさせるためには、タック50Aの数を増やさなければならなくなる。そして、タック50Aの数が増えると、当然、剛性が増し、肌触り性が低下する。したがって、各タック50Aの製品前後方向に関する長さZ(図6参照)は、通常、5〜30mm、好ましくは、10〜20mmである。この際、タック領域R2の製品前後方向に関する長さは、通常、10〜70mm、好ましくは、30〜60mmであり、この中に入るタック50Aの数は、通常、1〜4個、好ましくは、1〜2個である。
〔その他〕
(1)本形態のテープ型の紙おむつTの前後方向長さは、特に限定されないが、通常250〜1200mm、好ましくは300〜980mmである。
(2)本形態において、各弾性伸縮部材13、21、60は、その素材が特に限定されず、天然ゴムであっても合成ゴムであってもウレタン樹脂であってもよい。また、各弾性伸縮部材13、21、60の数、太さ、形状なども特に限定されない。各弾性伸縮部材13、21、60は、直線状ではなく、例えば、曲線状、波線状に配置固定することなどもできる。さらに、各弾性伸縮部材13、21、60の固定方法も特に限定されず、ホットメルト等の接着剤によって接着固定することのほか、ヒートシール、超音波シール等によって固定することもできる。
(3)本形態において、止着テープ9,9は、その形状が特に限定されず、例えば、1枚のシートを波線状にカットして切り出した山形形状とすることや、四角形状などとすることができる。また、止着テープ9,9の止着部と基端部の間を伸縮可能とした、伸縮テープを用いてもよい。
(4)本形態において、伸縮シート51及び被覆シート52の素材は、特に限定されず、例えば、不織布やフィルムなどを例示することができる。漏れをより確実に防止し、また、柔らかい肌触り性を得るという観点からは、耐水圧は100mmAq以上が好ましく、撥水性不織布が好ましい。伸縮シート51及び被覆シート52の目付けは、通常、5〜50g/m2、好ましくは8〜25g/m2である。
(5)積層体50は、前述したように、1のシートを3つ折り等の複数折りして形成するのが好ましい形態であるが、被覆シート52を、例えば、吸汗などの機能を有するものとするために、1のシートを2つ折り等して伸縮シート51を形成し、この伸縮シート51の使用面(表面)側に別体で、防漏性の高いフィルムやウレタン樹脂などを固定することもできる。
(6)弾性伸縮部材60の切断方法は、特に限定されず、例えば、エンボスロールを用いて熱や圧力によってカット(切断)する方法や、超音波カッター、ダイカッター等によりカット(切断)する方法を用いることができる。
(7)積層体50は、紙おむつを展開した寸法に対して、製品幅方向に、通常、30〜100%、好ましくは、50〜95%、製品長手方向に、通常、5〜30%、好ましくは5〜20%とする(伸長時寸法)。
(8)積層体50は、両側端部が、起立ギャザー10上に位置するように配置することもできる。ただし、見栄えという観点からは、起立ギャザー10とトップシート1との間に位置するように配置する方が好ましい。
(9)積層体50は、胴周りを締め付けるウエストシャーリングやウエストギャザーなどの胴周り伸縮部的に機能するが、別に胴周り伸縮部を併用してもよい。この場合、別に設ける胴周り伸縮部は、製品の背側端部において、長手方向に10〜50mm、幅方向には背側製品幅の70〜95%程度の範囲に配置すればよい。
本発明は、テープ型、パンツ型等の紙おむつ、特に、尿や軟便等の体液が背中側から漏れるのを防止するに好適な紙おむつとして、適用可能である。
従来のテープ型紙おむつの平面図である。 本形態のテープ型紙おむつの平面図である。 図2のI−I線矢視図である。 積層体の縦断面模式図である。 積層体の平面図である。 タックの縦断面模式図である。 積層体の平面図である。
符号の説明
1…トップシート、2…バックシート、3…吸収体、5…外面シート、9…止着テープ、10…起立ギャザー、11,12…起立シート、13,21,60…弾性伸縮部材、20…平面ギャザー、50…積層体、50A…タック、51A…下側ベースシート、51B…上側ベースシート、52…被覆シート、T…紙おむつ。

Claims (5)

  1. 透液性のトップシートと不透液性のバックシートとの間に吸収体が介在された紙おむつであって、
    前記トップシートの背側端部上に、
    積層された2枚以上のベースシートと、これらベースシート間に製品幅方向に沿って伸長下で固定された複数の弾性伸縮部材と、を有する伸縮シートの、背側端部が固定され、
    前記複数の弾性伸縮部材のうち、製品前後方向において所定範囲内のものが、前記ベースシートに固定された状態で切断されて、前記伸縮シートの製品幅方向の伸縮力が低下させられ、
    前記伸縮シート上に、少なくとも前記弾性伸縮部材の切断領域を覆うように、不透液性の被覆シートが積層され、
    使用状態において、前記伸縮シート及び前記被覆シートで構成された積層体が、前記伸縮シートの収縮力によって、前記トップシートから起立する、
    ことを特徴とする紙おむつ。
  2. 前記複数の弾性伸縮部材のうち、切断をされたものの弾性諸元と、切断をされてないものの弾性諸元との間に、次式(1)及び(2)の少なくとも一方の関係が成立している、請求項1記載の紙おむつ。
    −0.2Ln≦{(Ln/(Tn/100))−(2×Ls/(Ts/100)+H)}≦0.2Ln …(1)
    0.8≦(Ln/(Tn/100)/(2×Ls/(Ts/100)+H)≦1.2 …(2)
    ここで、
    Lnは、切断をされてない弾性伸縮部材の固定時伸長長さ(mm)、
    Tnは、切断をされてない弾性伸縮部材の固定時伸長率(%)、
    Hは、切断領域の幅(mm)、
    Lsは、切断領域の側方に隣接する各切断をされた弾性伸縮部材の固定時伸長長さ(mm)、
    Tsは、切断をされた弾性伸縮部材の固定時伸長率(%)、
    である。
  3. 前記積層体は、1のシートが3つ折りされて、前記トップシートの背側端部上を製品背側から製品腹側に向かって延在する下側ベースシートと、この下側ベースシートの腹側端縁で折り返されて前記製品背側に向かって延在する上側ベースシートと、この上側ベースシートの背側端縁で折り返されて前記製品腹側に向かって延在する被覆シートと、を有する構成とされている、請求項1又は請求項2記載の紙おむつ。
  4. 前記被覆シートには、
    製品背側から製品腹側に向かって延在し、この延在端縁で折り返されて前記製品背側に向かって延在し、この延在端縁で再度折り返されて前記製品腹側に向かって延在するタックが、
    少なくとも製品幅方向中央部に、1つ又は2つ以上形成されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の紙おむつ。
  5. 前記被覆シートの表面は、吸汗性を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の紙おむつ。
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