JP4805470B2 - 播種装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、野菜などの種子をまいて育苗する播種装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、搬送チェンによって育苗箱を搬送し、育苗箱内のトレイに、養土を入れて播種する作業を連続的に行っているが、前記チェンに養土が付着して灌水部に運ばれ、灌水部の水受部に養土が堆積したり、排水中に養土が混入して流出する等の不具合がある。また、チェンにフックを設けて育苗箱を搬送する場合、仕様の異なる育苗箱が傾いたり、フックと干渉して引掛る不具合がある。また、チェン及びスプロケットが育苗箱搬送面に露出し、スプロケットに衣服端などを巻込み易い不具合がある。また、コンベアフレームを分割して構成する場合、チェンを脱着する面倒な作業が必要になる。また、作業開始時、チェンに設けるフックの位置合せ作業を容易に行い得ない問題がある。また、播種ロールのガイドが固定されているから、種子落下防止構造の簡略化を容易に行い得ない問題がある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
然るに、本発明は、該課題を解決する為に次の如く構成したものである。
【0004】
請求項1においては、床土入れ機(6)及び播種機(28)を、コンベア(A)を構成する前コンベアフレーム(9)と後コンベアフレーム(35)の上に設け、育苗箱(2)を搬送させて養土を入れる作業、並びに播種作業を連続的に行う播種装置において、
該前コンベアフレーム(9)の上に設けた床土入れ機(6)の養土を入れる位置と、該養土に散水する灌水パイプ(7)の位置との間において、該前コンベアフレーム(9)を構成する搬送チェン(11・16)を分割して設置させ、該搬送チェン(11・16)にフック(19)を設けて、前記コンベア(A)を形成し、該フック(19)の二叉中央部を、該搬送チェン(11・16)に固定させ、該フック(19)の二叉両側を育苗箱(2)に当接させるものである。
【0005】
請求項2においては、請求項1記載の播種装置において、前記搬送チェン(11・16)を支えるチェンレール(45・46)に、スプロケットカバー(49・50)を形成したものである。
【0006】
請求項3においては、請求項1記載の播種装置において、前記床土入れ機(6)を設ける前コンベアフレーム(9)と、前記播種機(28)を設ける後コンベアフレーム(35)を分離自在に連結させ、各コンベアフレーム(9・35)間に架設させるチェンレール(47)を、一方のコンベアフレーム(9・35)に回動自在に設けたものである。
【0007】
請求項4においては、請求項1記載の播種装置において、前記コンベア(A)を構成する搬送チェン(11・16)に、搬送モータ(42)から動力を伝える系路中に、一方向クラッチ(62)を設けたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。
【0009】
図1は全体の側面図、図2は前半部の側面図、図3は後半部の側面図であり、苗ポットを蜂巣形に形成するトレイ1を育苗箱2にセットして段積する4本の支柱形ガイド3と、トレイ1に養土を入れる供給コンベア4及び鎮圧ローラ5を備える床土入れ機6と、トレイ1の養土に散水する灌水パイプ7を、支脚8で支える前コンベアフレーム9上に設ける。
【0010】
また、灌水パイプ7下方の前コンベアフレーム9後部に水受ケース10を取付けると共に、土入れ搬送チェン11をスプロケット12・13及び軸14・15を介して前コンベアフレーム9に張設させ、灌水用搬送チェン16及び後チェン17を前コンベアフレーム9に設け、レールフレーム18を介して支える育苗箱2をチェン11にフック19を介して係合させ、ガイド3段積部から1箱ずつ育苗箱2を床土入れ機6に搬出し、床土入れ機6のホッパ20の養土21を下方のトレイ1に充填させる作業を連続的に行わせる。次いで、前チェン16によって育苗箱2を灌水パイプ7下方に移動させ、トレイ1の養土に散水した後、後チェン16によって灌水後の育苗箱2を搬出する。
【0011】
さらに、突起22を有するローラ23を備える播種用孔形成機24と、播種ホッパ25の種子26を播種ローラ27によって繰出す播種機28と、ホッパ29の覆土30を繰出ローラ31から送出する覆土機32と、覆土上面に散水する灌水パイプ33を、支脚34で支える後コンベアフレーム35上に設ける。また、排水樋43及び覆土受ケース44をコンベアフレーム35下側に設けると共に、播種搬送チェン36をスプロケット37・38及び軸39・40を介してコンベアフレーム35に張設させ、レールフレーム41を介して育苗箱2にチェン36のフック19を係合させ、トレイ1の床土に播種孔を形成して種子26を投入させた後、覆土して灌水した育苗箱2を後側から育苗台車などに取出す。また、コンベア駆動モータ42を後コンベアフレーム35後部上面に設け、該モータ42によって各部及び各チェンを駆動するもので、前後コンベアフレーム9・35を直列に連結させて播種コンベアAを形成し、一連の播種作業を連続して行う。
【0012】
上記から明らかなように、床土入れ機6及び播種機28をコンベアAに設け、育苗箱2を搬送させて養土を入れる作業並びに播種作業を連続的に行う播種装置において、養土を入れる位置と、灌水する位置との間でコンベアAのチェン11・16を分割して設置させ、養土がコンベアAのチェン11によって灌水位置に搬送される不具合をなくし、養土をチェン11終端から容易に回収させ、かつパイプ7下方の灌水位置が養土によって汚れるのを防いで清浄に維持し、作業性の向上などを図るもので、パイプ7の散水を受けて排水させる水受ケース10及び排水樋43に養土が堆積したり、排水が汚れる不具合をなくし、作業環境を清潔に保つ。
【0013】
さらに、図4乃至図7に示す如く、前記各チェン11・16・17・36を支えるチェンレール45・46・47・48を設け、端面門形のチェンレール45〜48端部の上面及び左右側面を折曲げてスプロケットカバー49・50を一体形成すると共に、前チェン16をスプロケット51・52及び軸15・53を介して張設させ、軸53にチェンレール47を回転自在に設け、スプロケット54・55を介して後チェン17を張設させ、図7のように、スプロケット55をスプロケット37にクラッチ爪56及びボルト57を介して係脱自在に固定させ、図4の仮想線のように、ボルト57を取外したとき、スプロケット55を介して後チェン17を緊張させた状態で、軸53回りにチェンレール47を上方に回動させて前チェン16側に折畳み収納させる。また、前コンベアフレーム9後部を持上げて、該フレーム9後部のピン58を後コンベアフレーム35のフックアーム59から離脱させ、各フレーム9・35を分離させて格納すると共に、播種作業を行うとき、ピン58とフックアーム59の係合によって各コンベアフレーム9・35を直列に連結させ、各スプロケット37・55をボルト57止め固定させ、モータ42によって各チェン11・16・17・36を駆動させ、フック19の係合により育苗箱2を搬送し、一連の播種作業を連続的に行わせる。
【0014】
また、図5及び図6に示す如く、チェン11・16・17・36にフック19を設けてコンベアAを形成し、フック19の逆門形の二叉中央部をチェン11・16・17・36にボルト60止め固定させ、フック19の二叉両側を育苗箱に当接させ、フック19の2点接触によって育苗箱2が傾くのを防いで直進性を向上させ、育苗箱2の搬送を適正に行うと共に、平面視で表面積が少ない形状にフック19を形成し、土または水の付着を少なくし、スプロケット回行部でのフック19の可動範囲を少なくし、ステンレスなどの防錆材でフック19を形成し、肥料成分によって錆びるのを防ぎ、しかもボルト60止めによってフック19を脱着させ、フック19取付数の増減によって作業能率を変更でき、さらにフック19の後部突起61をチェンレール45〜48に当接させることにより、フック19が倒れるのを防いでいる。
【0015】
また、チェン11・16・17・36を支えるチェンレール45・46・47・48にスプロケットカバー49・50を形成し、チェンレール45〜48にスプロケットカバー49・50を一体形成して防護構造の簡略化並びに取扱い性向上などを行い、作業者が衣服または指などを挾むのを前記カバー49・50によって防ぐ。また、床土入れ機6を設ける前コンベアフレーム9と、播種機28を設ける後コンベアフレーム35を分離自在に連結させ、各コンベアフレーム9・35間に架設させるチェンレール47を一方の前コンベアフレーム9に回動自在に設け、床土入れ機16及び播種機28をコンパクトに収納させ、かつチェン17及びチェンレール47を分離させるものに比べて接続部の部品を紛失する不具合をなくし、接続操作も容易に行える。
【0016】
また、図8に示す如く、搬送モータであるコンベア駆動モータ42から搬送チェン36に動力を伝える系路中に一方向クラッチ62を設け、作業開始時、前記チェン36の回転によってフック19を始動位置にセットする操作を手動で容易に行え、取扱い操作性の向上などを容易に図れるもので、前記モータ42の出力軸63に一方向クラッチ62を介して出力スプロケット64を設け、前記軸40のスプロケット65とチェン66連結させ、育苗箱2搬送方向にだけ一方向クラッチ62を介してチェン36に動力を伝えて駆動し、作業開始時に手動操作でチェン36及びフック19を逆方向に移動させ、フック19をチェンレール48のマーカ67位置に待機させ、作業開始時のフック19の位置合せを行った後、播種作業を開始する。
【0017】
また、図9、図10に示す如く、播種機28の播種ロール27に形成する播種孔68から種子26が落下するのを防ぐステンレスフィルム製シート69を設け、播種ロール27の種子26落下防止構造の簡略化を容易に行え、シート69の落下ガイド孔70の種子26落下案内によって種子26の飛散を防止するもので、柔軟な可撓性で静電気防止材質でシート69を形成し、ロール27が合成樹脂でシート69を金属製として摩擦抵抗を小さくし、しかもシート69の後部をバネ71で引張り、ロール27にシート69を弾性を持たせて沿わせ、ロール27の最下点でガイド孔70から種子26を下方のトレイ1のポットに落下させ、正確な位置に種子26を落下させると共に、1粒の種子26が入る大きさに播種孔68を形成し、ガイド孔70に同時に2つの孔68が移動し、2粒ずつ種子26がトレイ1の同じポットに落下するように構成し、複数の種子26を同じ播種孔68に入れる構造に比べ、トレイ1の同一ポットに正確な種子26数で播種できる。
【0018】
さらに、図11は、図9の変形例を示すもので、前記バネ71を省き、シート69の後部に折曲げ部72を形成し、折曲げ部72の可撓性弾力を利用してシート69をロール27に沿わせることも行える。また、図12は、図10の変形例を示すもので、シート69の落下ガイド孔70を、3つの播種孔68が略同時に入る大きさに形成することにより、3粒ずつ種子26がトレイ1の同じポットに落下するように構成でき、ロール27またはシート69を交換することにより、種子26の種類または発芽率または大きさなどに応じて播種粒数を変更できる。
【0019】
また、図2に示す如く、トレイ1を育苗箱2にセットした状態で段積する4本のガイド3をコンベアAに設け、予めトレイ1を育苗箱2にセットした状態の育苗箱2を供給してトレイ1装填手間を省き、前コンベアフレーム9前部の1本のガイド3を取出すことによって多層状態の育苗箱2を効率良く補給でき、育苗箱2供給作業性の向上並びに育苗箱2供給構造の簡略化などを容易に行えると共に、1枚分のトレイ1と育苗箱2がチェン11及びフック19により取出されるようにシャッタ73を出口側に設け、1枚のトレイ1に対して誤って二重に育苗箱2がセットされた状態で取出されるのを防ぎ、しかもシャッタ73を高さ調節して使用するトレイ1の高さに出口高さを適応させるもので、最下段より上の育苗箱を与える板体またはリンク機構などを不要にし、安価に簡潔に構成している。
【0020】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように本発明は、次のような効果を奏するものである。
【0021】
請求項1においては、床土入れ機(6)及び播種機(28)を、コンベア(A)を構成する前コンベアフレーム(9)と後コンベアフレーム(35)の上に設け、育苗箱(2)を搬送させて養土を入れる作業、並びに播種作業を連続的に行う播種装置において、該前コンベアフレーム(9)の上に設けた床土入れ機(6)の養土を入れる位置と、該養土に散水する灌水パイプ(7)の位置との間において、該前コンベアフレーム(9)を構成する搬送チェン(11・16)を分割して設置させ、該搬送チェン(11・16)にフック(19)を設けて、前記コンベア(A)を形成し、該フック(19)の二叉中央部を、該搬送チェン(11・16)に固定させ、該フック(19)の二叉両側を育苗箱(2)に当接させるので、育苗箱(2)から洩れた養土が、コンベアAの上に載置されて、灌水位置に搬送される不具合をなくし、養土を容易に回収でき、かつ灌水位置が洩れた養土によって汚れるのを防いで清浄に維持でき、作業性の向上などを容易に図ることができるものである。
【0022】
また、チェン11・16にフック19を設けてコンベアAを形成し、フック19の二叉中央部をチェン11・16に固定させ、フック19の二叉両側を育苗箱に当接させるもので、フック19の2点接触によって育苗箱2が傾くのを防いで直進性を向上でき、育苗箱2の搬送を適正に行うことができるものである。
【0023】
請求項2においては、請求項1記載の播種装置において、前記搬送チェン(11・16)を支えるチェンレール(45・46)に、スプロケットカバー(49・50)を形成したので、チェンレール45〜48にスプロケットカバー49・50を一体形成して防護構造の簡略化並びに取扱い性向上などを容易に行うことができるものである。
【0024】
請求項3においては、請求項1記載の播種装置において、前記床土入れ機(6)を設ける前コンベアフレーム(9)と、前記播種機(28)を設ける後コンベアフレーム(35)を分離自在に連結させ、各コンベアフレーム(9・35)間に架設させるチェンレール(47)を、一方のコンベアフレーム(9・35)に回動自在に設けたので、床土入れ機16及び播種機28をコンパクトに収納でき、かつチェン17及びチェンレール47を分離させるものに比べて接続部の部品を紛失する不具合をなくし、接続操作も容易に行うことができるものである。
【0025】
請求項4においては、請求項1記載の播種装置において、前記コンベア(A)を構成する搬送チェン(11・16)に、搬送モータ(42)から動力を伝える系路中に、一方向クラッチ(62)を設けたので、作業開始時、前記チェン36の回転によってフック19を始動位置にセットする操作を手動で容易に行うことができ、取扱い操作性の向上などを容易に図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 全体の側面図。
【図2】 前半部の側面図。
【図3】 後半部の側面図。
【図4】 接合部の側面図。
【図5】 同平面図。
【図6】 チェンレール部の拡大図。
【図7】 スプロケット取付け説明図。
【図8】 一方向クラッチ駆動説明図。
【図9】 播種ロール部の側面図。
【図10】 同底面図。
【図11】 図9の変形例を示す側面図。
【図12】 図10の変形例を示す底面図。
【符号の説明】
1 トレイ
2 育苗箱
3 ガイド
6 床土入れ機
9 前コンベアフレーム
11・16・17・36 チェン
19 フック
27 播種ロール
28 播種機
35 後コンベアフレーム
42 モータ
45・46・47・48 チェンレール
49・50 スプロケットカバー
62 一方向クラッチ
68 播種孔
69 シート
A コンベア
Claims (4)
- 床土入れ機(6)及び播種機(28)を、コンベア(A)を構成する前コンベアフレーム(9)と後コンベアフレーム(35)の上に設け、育苗箱(2)を搬送させて養土を入れる作業、並びに播種作業を連続的に行う播種装置において、該前コンベアフレーム(9)の上に設けた床土入れ機(6)の養土を入れる位置と、該養土に散水する灌水パイプ(7)の位置との間において、該前コンベアフレーム(9)を構成する搬送チェン(11・16)を分割して設置させ、該搬送チェン(11・16)にフック(19)を設けて、前記コンベア(A)を形成し、該フック(19)の二叉中央部を、該搬送チェン(11・16)に固定させ、該フック(19)の二叉両側を育苗箱(2)に当接させることを特徴とする播種装置。
- 請求項1記載の播種装置において、前記搬送チェン(11・16)を支えるチェンレール(45・46)に、スプロケットカバー(49・50)を形成したことを特徴とする播種装置。
- 請求項1記載の播種装置において、前記床土入れ機(6)を設ける前コンベアフレーム(9)と、前記播種機(28)を設ける後コンベアフレーム(35)を分離自在に連結させ、各コンベアフレーム(9・35)間に架設させるチェンレール(47)を、一方のコンベアフレーム(9・35)に回動自在に設けたことを特徴とする播種装置。
- 請求項1記載の播種装置において、前記コンベア(A)を構成する搬送チェン(11・16)に、搬送モータ(42)から動力を伝える系路中に、一方向クラッチ(62)を設けたことを特徴とする播種装置。
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