JP4801122B2 - 易溶解性とろみ付スープ、及び該スープの製造方法、並びにとろみ付与剤 - Google Patents

易溶解性とろみ付スープ、及び該スープの製造方法、並びにとろみ付与剤 Download PDF

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本発明は、易溶解性で、溶解後にとろみを有する粉末状又は顆粒状のスープであり、熱湯を注加してしばらく経過しても、かき混ぜることで簡単に溶解し、ダマにならない粉末状又は顆粒状のスープに関する。また、スープの原料等に添加することで、スープにとろみをつけることのできるとろみ付与剤に関する。
粉末状又は顆粒状に形成され、これに熱湯を注加して、かき混ぜて喫食するタイプのスープは、例えば即席カップスープの他、即席麺に添付されている粉末スープ等各種のものがある。このようなスープにおいて、粘度(とろみ)を付加する方法としては、澱粉や高粘性の増粘多糖類をスープ原料に配合することが考えられるが、スープにとろみをつけるために澱粉や高粘性の増粘多糖類を用いると、熱湯を注加した後ダマ(ままこ)を生じ易く、均一に分散又は溶解できない場合が多い。これは、粉末の澱粉の周りにゲル状の糊化膜が形成されてしまい、内部に熱湯が侵入しない状態となってしまうことによるものである。
特にカップ入り即席麺に添付されるスープにおいては、喫食するために熱湯を注加した後に、すぐにかき混ぜることができないためダマになり易く、また形成されたダマが破壊されにくい。これは、カップ入り即席麺の場合、麺線を熱湯によって湯戻ししてからでないとかき混ぜることができず、麺線を湯戻ししている間に澱粉が糊化膜を発達させてしまうためである。しかも、即席麺の場合には、消費者は喫食時にスープと麺をかき混ぜる動作を、例えばコーンポタージュスープの場合のように多数回行うことをせず、この点も即席麺においてとろみ付の粉末スープの開発が困難な要因となっている。
澱粉を含有する粉末又は顆粒状スープの分散性、溶解性を改善して、ダマになりにくい(ままこを作らない)スープを製造する技術としては、代表的な技術として以下のようなものがある。一つは、界面活性剤、乳化剤、油脂等を添加するか又は澱粉表面にこれらをコーティングして、澱粉の分散性を向上させる技術。もう一つは、易溶性の糖類やガム類等を混合して溶解時の吸水性を向上させる技術。さらにもう一つは、粉末粒子の粒子サイズを特定の大きさにして分散性を向上させたり、又は粉末粒子の粒子表面を多孔質にすることで、吸水性を向上させて溶解し易いようにする技術等である。
本発明に関連すると思われる先行技術としては、以下の特許文献1〜3がある。特許文献1及び2は、溶解性の良い澱粉に関するもので、乾燥にマイクロ波での加熱処理工程を含むものである。このうち特許文献1は、コーンスターチに界面活性剤と水を加えて加熱し、さらにマイクロ波乾燥する技術、特許文献2は、澱粉に脂肪酸モノエステルを含む乳化剤と水を加えて加熱、好ましくはマイクロ波加熱乾燥して粉砕する技術である。また、特許文献3は、特定の加工澱粉を用いることで溶解性を向上させる技術で、オクテニルコハク酸澱粉を0.3〜20%含有させる技術である。これらの技術は、澱粉が熱湯注加時にダマになるのをある程度防止することが可能な技術であるが、充分とは言えず、上述した即席麺のスープとして使用可能な条件を、満足させるレベルのものではなかった。
特公平5−88241号公報 特公平2−38121号公報 特開2004−24182号公報
本発明は、熱湯注加によって容易に溶解する粉末状又は顆粒状の、澱粉を主体とするとろみ付スープを提供することを課題とする。
特に、熱湯注加後しばらく静置し、その後かき混ぜる場合でも、ダマを作らず、又は形成されたダマが容易に崩壊し、均一に溶解することができ、しかもかき混ぜる動作も少なくて済む、粉末状又は顆粒状の、澱粉を主体とするとろみ付スープを提供することを課題とする。
また、このような粉末状又は顆粒状のとろみ付スープを製造するために、シーズニングミックス(スープ原料となる粉末状の混合調味料)等に配合するとろみ付与剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題に対して、熱湯を注加した時に澱粉の熱湯に触れた部分のみがα化して、これによる糊化膜を形成しないように、熱湯注加後にα化を進行させるのではなく、前もってα化済みの澱粉を原料とし、これに分散性、溶解性の高い調味料等のスープ原料を、一体的に、かつ均一に分散させて配合させることができれば、溶解性はかなり向上できるものと考えた。しかし実際には、このような一体型のとろみ付粉末スープを製造しようとすると、α化澱粉と調味料等のスープ原料を加水混練する際に、強い粘性が生じて飴状になってしまい、製造することが困難であった。
そこで本発明者らは、当該問題点、すなわち、スープに粘性を持たせるために用いるα化澱粉を、スープの原料に直接添加して製造したのでは、製造工程中の加水混練時に飴状になって製造が困難である点を克服するために、前記製造工程中の加水混練時においては、澱粉をα化していない状態で混合し、加水混練後にマイクロ波で加熱してα化させることに思い至った。これは、澱粉をα化していない状態でスープ原料と加水混練することで、混練物が飴状になるのを防ぎ、混練後にマイクロ波加熱することで、澱粉をα化して粘性を付与し、同時に、加水混練物を膨化、乾燥させて多孔質にし、この多孔質性によって優れた溶解性を付与できるのではないかと考えたものであった。しかし、実際には、当該方法ではα化が不充分で粘性が充分でなかったり、多孔質にならずに溶解性が付与できない等、カップ入り即席麺のスープに使用可能なレベルの粉末スープは、容易に得ることができなかった。
本発明者らは前記課題を解決するために、前述した、マイクロ波を用いて、澱粉のα化とスープの膨化及び乾燥を同時に行ってしまうアイデアを基本とし、しかし、それだけでは上記課題に対して充分ではないので、使用する澱粉の種類や配合、添加物等について、鋭意研究を重ねたところ、目的とするとろみ付スープについて、次のような製造方法によって製造可能なことを見出し、本発明とした。
すなわち、本発明は、
a:シーズニングミックス1重量部と、
エーテル化処理された化工澱粉及び/又はエステル化処理された化工澱粉を合計で0.3〜1重量部と、
リン酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、及びミョウバンのいずれか一つ以上の添加物(食品添加物)と、
水と、を含有する混合物を調製し、
b:該混合物をマイクロ波で加熱し、
c:該マイクロ波のみ、又はさらに別途乾燥工程を付加して乾燥し、
d:該乾燥させた混合物を粉砕して顆粒状又は粉末状にする、
前記a〜dの各工程を含む顆粒状又は粉末状スープの製造方法である。
上記のような製造方法によれば、熱湯注加によって容易に溶解する粉末又は顆粒状の、澱粉を主体とするとろみ付スープが製造できる。しかも、熱湯注加後しばらく静置し、その後かき混ぜる場合でも、ダマを作らず、又は形成されたダマが容易に崩壊し、均一に溶解することができ、しかもかき混ぜる動作も少なくて良い。
なお、上記工程cは、「乾燥し」と記載しているが、該工程cの乾燥は完全に乾燥させることを要件とするものではなく、粉砕が可能な程度に乾燥すれば、工程dの顆粒化、粉末化の後に追加の乾燥を行ってもよく、上記製造方法は、このような製造方法も含む。また、本発明で言うシーズニングミックスとは、一般的な粉末スープ等として使用される混合調味料を指し、具体的にはグルタミン酸ソーダや核酸調味料等の旨み調味料、食塩、砂糖等の糖、各種エキス、スパイス、粉末醤油等を混合したもので、それ自体は溶解時にとろみを有していないか、又はほとんどとろみを有していないものである。
また、本発明は、前記工程aにおける添加物が、ピロリン酸ナトリウム(ピロリン酸四ナトリウム)、ピロリン酸カリウム(ピロリン酸四カリウム)、酸性ピロリン酸ナトリウム(ピロリン酸2水素ナトリウム)、ミョウバン(焼ミョウバンを含む)のいずれかから選択されることが好ましい。これらピロリン酸塩及びミョウバンは他の添加物に比べて、溶解性を上げ、最終形態の粉末又は顆粒状のスープを溶解させる際の撹拌の回数を格段に減らすことができ、かつ、溶解後の粘度が向上する。
また、前記工程aにおける添加物が、酸性ピロリン酸ナトリウム(ピロリン酸2水素ナトリウム)及び炭酸水素ナトリウムを含むことが好ましい。この配合は、ベーキングパウダーの一部において使用されている組み合わせであるが、この配合を持つものが最も溶解性を向上させ、また粘度も高くなる。この場合、酸性ピロリン酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの配合比は、重量比で1:1〜2:1程度が最もよく、この混合物を、前記シーズニングミックスとエーテル化又はエステル化処理された加工澱粉の合計重量に対して、0.3〜5重量%添加することが好ましい。なお、これら、酸性ピロリン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムは、いずれも単独で添加しても本発明の粉末スープの溶解性を向上する効果を有するが、併用することで格段に効果が向上するものである。
また、本発明は、前記工程aのエーテル化処理された化工澱粉及び/又はエステル化処理された化工澱粉が、いずれも架橋化された化工澱粉であることが好ましい。架橋化されているものの方が最終製品の攪拌時の溶解性が向上し、好ましい。
また、その場合架橋化工澱粉は、エーテル化架橋澱粉が高い粘度を付与しながら、かつ溶解性にも優れているので、例えば、餡かけ焼きそばの餡のように粘度の高いスープを目的とする場合には、エーテル化架橋澱粉のみを用いるか、エーテル化架橋澱粉にエステル化架橋澱粉を配合したものを用いるのが好ましい。
また、該澱粉としては、根茎由来の澱粉又はトウモロコシ由来の澱粉が、粘度付与の点で好ましい。根茎由来の澱粉としては、具体的には馬鈴薯、タピオカ由来のもの、特に馬鈴薯由来のものは粘性付与と溶解性の点で、タピオカ由来のものは最終製品の溶解後の透明度が高い点で優れている。トウモロコシ由来の澱粉の場合は、特にワキシー種由来のものが好ましい。
前記工程aにおいて、シーズニングミックス、化工澱粉、リン酸塩等の添加物、及び水を添加する順序は特に限定されないが、シーズニングミックスに対して、化工澱粉と、リン酸塩等の添加物とを添加し、さらに水分を加えて攪拌することによって前記混合物を調製することが好ましい。
また、本発明は、前記工程aで調製した混合物が、スラリー状となるように水分を加えて製造することが好ましい。スラリー状とすることで、ハンドリング性がよく、製造しやすい。この場合の製造方法としては、シーズニングミックスと化工澱粉と前記添加物を加水混練してスラリー状にした後、一旦棒状又は丸餅状に押し出して、これをマイクロ波加熱する。この加水混練時に、水分が少ないと混合物はかさ高いそぼろ状となって扱いにくく、一方、水分が多いと混合物は溶液状で、不用意に流れ出してしまい、マイクロ波照射による乾燥に時間を要する。しかし、水分が多い場合は、恐らくα化の度合いが高くなることによって、最終製品を熱湯で溶解したときの粘度が高く、しかも透明度の高いものとすることができる。スラリー状とした時の該混合物の水分は約18〜26重量%程度である。
また、本発明は、以下のような顆粒状又は粉末状スープを提供する。
すなわち、易溶解性で溶解後にとろみを有する顆粒状又は粉末状スープであって、
該顆粒状又は粉末状のスープは、シーズニングミックス1重量部に対して、エーテル化処理された化工澱粉及び/又はエステル化処理された化工澱粉が0.3〜1重量部と、リン酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、及びミョウバンのいずれか一つ以上とが添加されてなる混合物であり、当該混合物に対して、マイクロ波による加熱処理が施されていることを特徴とする、顆粒状又は粉末状のスープである。
このような顆粒状又は粉末状のスープであれば、澱粉によってとろみが付与されるスープでありながら、熱湯注加後しばらく静置し、その後かき混ぜる場合でも、ダマを作らず、均一に溶解することができる。
より具体的には、前記顆粒状又は粉末状のスープが、
熱湯を注加して喫食するタイプのカップ入り即席麺用のスープであって、
該即席麺の麺塊と共に熱湯を注加した後、数分間放置後にかき混ぜて調理するスープである。
また、本発明は、シーズニングミックスに添加して、スープにとろみを付与するとろみ付与剤であって、エーテル化処理された化工澱粉及び/又はエステル化処理された化工澱粉に、リン酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、ミョウバンのいずれか一つ以上が配合されてなる、スープ用とろみ付与剤を提供する。
当該とろみ付与剤は、粉末のスープ原料(シーズニングミックス)に加えて、以降、加水混練、マイクロ波処理、乾燥、粉砕することで、とろみを有する粉末又は顆粒状スープとすることができる。
本発明の製造方法によれば、澱粉を主体とするとろみ付スープであって、熱湯注加によって容易に溶解する粉末又は顆粒状のとろみ付スープが製造できる。
特に、熱湯注加後しばらく静置し、その後かき混ぜる場合でも、ダマを作らず、又は形成されたダマが容易に崩壊し、均一に溶解することができ、しかもかき混ぜる動作も少なくて済むため、カップ入り即席麺のとろみ付スープとして極めて有効である。
また、本発明の粉末状又は顆粒状スープは、上記の優れた効果を有するスープであり、また本発明のとろみ付与剤は、シーズニングミックスに混合して製造することで、該シーズニングミックスを原料とするスープにとろみを付与することができる。
以下、製造工程に沿って本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の顆粒状又は粉末状スープに用いられる主原料は、味、風味を与えるシーズニングミックスと、とろみを与える化工澱粉を混合したものよりなる。
シーズニングミックスは、一般的な粉末スープ等として使用される混合調味料であり、甘味、酸味、苦味、塩味、旨味の他、辛味、香味等を与えるものである。具体的にはグルタミン酸ソーダや核酸調味料等の旨み調味料、砂糖等の少糖やオリゴ糖類、食塩、各種エキス、スパイス、粉末醤油等を混合したもので、顆粒状又は粉末状で、水分含量は低く、通常5重量%程度以下である。なお、一般的に混合調味料に含まれる粉末醤油、粉末エキス等には、賦形剤、崩壊剤、結合剤等として、溶解性が良くほとんど粘性を有さないオリゴ糖類やデキストリンが用いられているが、本発明のシーズニングミックスにはこれらの物質も含むものとする。ただし、粘性を付与する澱粉を含む場合は、含まれる澱粉を除いたものを本発明のシーズニングミックスとする。例えば、コーンポタージュスープのように、高い粘性を持たせる目的で、澱粉を多量に添加しているスープ原料については、当該原料から、粘性を付与するための澱粉を除いたものを本発明のシーズニングミックスとする。
本発明において、上記シーズニングミックスと併せて、最終製品にとろみを付与する澱粉として、エーテル化又はエステル化処理された化工澱粉を主原料とする。澱粉がエーテル化又はエステル化処理されていることで、最終製品の粉末スープに溶解性が付与され、喫食時に熱湯を注加して溶かす際にダマを形成しにくくなる。澱粉の化工方法としてはエーテル化処理として、ヒドロキシプロピルエーテル化、エステル化処理としては酢酸エステル化、リン酸エステル化等のものが良い。また、該化工澱粉は、架橋化されているものが好ましい。架橋化されていることで、さらに溶解性が向上する。架橋化としてはリン酸架橋のものがよい。
本発明のとろみ付スープにおいて、より強い粘性を出すためには、エーテル化架橋澱粉を多く用いるのが良いが、粘度を調節するためには、これにエステル化架橋澱粉を加えて配合比を工夫するのが良い。例えば、餡かけ焼きそばの餡のような粘度の高いスープに適したとろみをつけるための好ましい配合比としては、エーテル化架橋澱粉とエステル化架橋澱粉の重量比として100:0〜20:80程度の範囲を提案できる。
また、澱粉の由来としては、根茎由来のもの、又はトウモロコシ由来のものが良く、特に馬鈴薯由来のものがよい。馬鈴薯由来のものが好ましい理由は、糊化温度が低く、しかも粘度の高いものを得やすいためである。また、馬鈴薯以外の根茎澱粉としては、タピオカ由来の澱粉が好ましい。タピオカ澱粉は最終の粉末スープを溶解した時の透明度が高く、スープの口当たりも滑らかである。トウモロコシ由来のものとしては、特にワキシーコンスターチの化工澱粉が粘度付与の効果が高い。
本発明は、これら、配合されたエーテル化又はエステル化処理された化工澱粉、好ましくはさらに架橋化された化工澱粉が、加水とマイクロ波による加熱処理によってα化されることで、最終的に粉末スープを溶解した時にスープに粘度が与えられるものであるが、初めからα化された澱粉を用いると、これをシーズニングミックスと混合してスラリーを作る時点で粘度が高すぎ、混合物が水分を抱え込んで乾燥が困難で、無理して製造しても粉末粒子に空隙がなく、溶解性の高い粉末スープにはならない。また、本発明者らの実験によると、澱粉に生澱粉を用いると溶解性が非常に悪く、喫食時に熱湯注加した際にダマになり、一方、酸化澱粉においては粘度が付与できなかった。なお、これらのα化澱粉や生澱粉、酸化澱粉等も、少量であれば、賦形剤や崩壊剤等の用途として添加することもできる。
本発明においては、上記シーズニングミックスに対して、エーテル化又はエステル化処理された化工澱粉、好ましくはさらに架橋化された化工澱粉を、重量比でシーズニングミックス1に対して1〜0.3の割合で配合して混合する(複数種の前記化工澱粉(化工方法、架橋化の有無、由来原料の異なる前記化工澱粉)を混合して用いる場合はその合計重量が1〜0.3)。この範囲よりもシーズニングミックスが多いとマイクロ波による発泡がうまくいかず、しかも焦げ等の問題が生じやすく、本発明の顆粒状又は粉末状スープを製造することが困難である。また、たとえ製造できたとしても、粘度が付与しにくく、溶解性も悪くなることがある。一方、この範囲よりもエーテル化又はエステル化処理された化工澱粉が多いと、乾燥させにくいため製造が困難で、たとえ製造できたとしても溶解性が悪い等の問題が生じる。
さらに、本発明においては、上記シーズニングミックスに対して、エーテル化及び/又はエステル化処理した化工澱粉の他、リン酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、ミョウバンのいずれか一つ以上を添加する。これら添加物の添加によって、最終製品の溶解性は格段に向上し、添加する物質の種類によっては、スープの粘度を向上させることもできる。
リン酸塩はピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウムの他、酸性ピロリン酸ナトリウム、第一リン酸カルシウム、リン酸1ナトリウム等に効果がある。特に好ましくはピロリン酸ナトリウム又はカリウム、酸性ピロリン酸ナトリウムであり、これらは混合して用いることもできる。
リン酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、及びミョウバンの総添加量としては、シーズニングミックスと前記加工澱粉を合計した粉体重量に対して0.3〜5重量%程度がよい。
炭酸水素ナトリウムは、ベーキングパウダーとして使用される素材であり、市販のベーキングパウダーとして添加しても良い。市販のベーキングパウダーは、発泡剤としての炭酸水素ナトリウム又は炭酸水素アンモニウムに、これと反応させて炭酸ガスを発生させるための酸剤よりなるが、本発明者らの実験によると炭酸水素アンモニウムには粉末スープの溶解性を向上させる効果がほとんど認められず、従ってベーキングパウダーを用いる場合は、炭酸水素ナトリウムを含むベーキングパウダーが好ましい。
ベーキングパウダーは発泡剤と酸剤が反応して炭酸ガスを発生するので、本発明の場合、このガス発生によって最終製品の粉末スープが多孔質となり、溶解し易くなるように思えるが、実際には、炭酸水素ナトリウムは酸剤を併用しなくとも効果があり、一方炭酸水素アンモニウムにほとんど効果が無く、そればかりでなく、一部の酸剤については、炭酸水素ナトリウムを併用しなくとも溶解性向上の効果を有する。従って、ベーキングパウダーの添加によって最終製品の粉末スープの溶解性が向上する理由は、前記理由だけでは説明できない。
一般にベーキングパウダーに使用される酸剤としては、酒石酸、酸性ピロリン酸ナトリウム、第一リン酸カルシウム、リン酸一ナトリウム、ミョウバン、グルコノデルタラクトン等が使用されているが、本発明者らの実験によると、酸性ピロリン酸ナトリウム及びミョウバンには、単体でも本発明の溶解性を向上させる効果が高く、第一リン酸カルシウム、リン酸一ナトリウムには弱いながら効果があり、その他の素材にはその効果が無いか、非常に弱い。従って、本発明においては、これら酸性ピロリン酸ナトリウム(前記リン酸塩の一種でもある)、ミョウバンも単体で、あるいは混合して使用可能である。また、特に好ましくは、炭酸水素ナトリウムと酸性ピロリン酸ナトリウムを併用することで、効果は高く、このような配合を有するベーキングパウダーが特に好ましく使用できる。該炭酸水素ナトリウムと酸性ピロリン酸ナトリウムの混合比は重量比で1:1〜1:2、特に好ましくは1:1.3(炭酸水素ナトリウム:酸性ピロリン酸ナトリウム=4NaHCO3+2Na2H2P2O7→Na4P2O7+2Na2HPO4+4CO2+3H2O=336:444=1:1.3)程度が好ましく、その場合のベーキングパウダー(賦形剤等を含まない炭酸水素ナトリウム+酸性ピロリン酸ナトリウム)の添加量としては、前記シーズニングミックスとエーテル化又はエステル化処理された化工澱粉の合計重量に対して、0.3〜3重量%程度添加することが好ましい。
上記、シーズニングミックスとエーテル化又はエステル化処理された化工澱粉は、粉体で混合するのが良く、リン酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、ミョウバンその他添加物も粉体で添加するのが良いが、前記主原料に加水して加水混練物を作るための水に溶解又は懸濁して用いてもよい。粉体で混合する場合は、均一に満遍なく混合するようにミキサー等を用いて混合するのが良い。
なお、本発明においては、エーテル化又はエステル化処理された化工澱粉(好ましくはさらに架橋化された化工澱粉)と、リン酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、ミョウバンのいずれか一つ以上をシーズニングミックスとは別に、予め粉体混合しておくこともできる。これらを予め粉体混合しておいたものは、各種のスープ原料(シーズニングミックス)に添加して使用することで、スープにとろみをつけるための、とろみ付与剤とすることもできる。
上記、シーズニングミックスと化工澱粉、それにリン酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、ミョウバンのいずれか一つ以上、その他さらに添加物を混合し、加水して混練したものは、好ましくはスラリー状とする。スラリー状にするのが好ましい理由は、スラリー状とすることで棒状、丸餅状等に押し出して、マイクロ波処理に掛けることができるためにハンドリング性、機械適性がよく、また、スラリー状のものをマイクロ波処理することによって、混合物中の澱粉をα化するために必要な水分を供給でき、かつ適切に多孔質に膨化、乾燥させることができるためである。このように、ハンドリング性、機械適正に優れたスラリー状にするには、シーズニングミックスの材料にもよるが、概ね混合物の水分含量が18〜26重量%程度になるように加水するのが良い。なお、スラリー状とは軟弱なゲル状、ないし容易に流れ出さない程度のゾル状の状態のことをいう。
加水混練時に、スラリー状となる水分含量よりも水分が少ないと、混合物はかさ高いそぼろ状となって扱いにくく、一方、水分が多いと混合物は溶液状で、不用意に流れ出してしまい、マイクロ波照射による乾燥に時間を要する。しかし、水分が澱粉をα化させるのに不充分なほど少ない量で無い限り、そぼろ状でも、溶液状でも、マイクロ波照射条件等を工夫することで、とろみ付スープを製造する本願の目的を達成することができる。このような本願の目的を達成できる混合物の水分含量としては、概ね14〜40重量%程度である。なお、水分が多い場合には、恐らく澱粉のα化の度合いが高くなることによって、最終製品を熱湯で溶解したときの粘度が高く、しかも透明度の高いものとすることができる場合がある。水分は、水で加水するのがよく、熱湯を用いると澱粉がα化して混練できないため、水温が澱粉の糊化温度以下の水を加水して万能ミキサー等で、できるだけ均一になるようによく混合する。なお、水で加水する替わりに水を含む液体、例えば液体醤油等によって水分を加えることもできる。
このように、よく混合、混練した混合物は、混合物がスラリー状の場合、マイクロ波加熱によって澱粉をα化、及び混合物が膨化しやすいように、棒状、または丸餅状に、例えばソーセージ等に用いる押し出し機や生クリームに用いる搾り出し袋を用いて、プレート上に数mm〜数cmの幅に押し出しておくのが良い。混合物がそぼろ状の場合は厚みが1cm〜3cm程度になるように、一方溶液状の場合には、流れ出さないように例えば皿状の容器等に薄く張って加熱する。
このように前処理した混合物をマイクロ波に掛けて、好ましくはできるだけ高温になるようにマイクロ波を用いて加熱する。これによって混合物を膨化させると共に、混合物中の化工澱粉をα化する。マイクロ波の出力は家庭用の500W等のものでも可能であるが、1000〜2000W程度で、例えば混合物がスラリー状で100gの場合、約20秒〜1分程度がよい。また、可能であれば、マイクロ波処理のみで、粉砕できる状態まで乾燥するのが良い。しかし、長時間のマイクロ波加熱は焦げが生じるので、焦げる場合はゴム板状の強度になった時点で、棚乾燥機等に移して、熱風乾燥等を追加して乾燥させることもできる。このように、別途乾燥機等に移して乾燥させた方が、電力使用量を節約できる。乾燥後の水分含量は10重量%以下、好ましくは5重量%以下に乾燥するのがよい。なお、この時点で完全に乾燥をさせておく必要はなく、粉砕できる状態まで乾燥できれば、粉砕後に追加乾燥しても良い。追加乾燥すると、より粘度が高くなる場合がある。乾燥条件は熱風乾燥80℃20分程度がよい。
上記のように乾燥したものは、薄板状又はボーロ状で、かつ内部に非常に多くの空隙を有する。次にこの乾燥物を顆粒状又は粉末状に粉砕するが、粉砕するサイズとしては、溶解性の点から2.5メッシュパス、好ましくは4メッシュパス程度で、かつ18メッシュオン程度がよい。すなわち、サイズとしては0.8mm〜4.5mm程度が良い。粉砕する方法としてはパワーミルやフェザーミル等の粉砕機を用いる。次いで、上記粒度となるように、必要に応じて篩過する。篩過はダルトン篩別機等によって行うが、微細な粉末の含有量が少ない場合には、通過させる篩のみを用いて篩別することもできる。
このようにして製造した粉末状又は顆粒状の本発明のスープは、そのまま包装されて商品化され流通に供することができるが、カップ容器や軟包材に個包装して、カップ入りスープや袋入りスープとして商品化することもできる。また、即席麺のスープに使用する場合は、即席麺塊と共に容器に投入するか又は、別添のスープとして軟包材で包装して、即席麺塊と共に容器又は包装体内に投入して商品化する。なお、本発明の粉末又は顆粒状のスープを用いたカップスープや即席麺商品においては、本発明によるスープ以外のスープをさらに、混合又は別添して加えることもできる。例えば、本発明以外の方法で製造された別の粉末スープや香辛料等を、本発明の粉末又は顆粒状のスープにブレンドする、あるいは、本発明のスープに別添として、例えば香味オイルや液体ソース等を添えて商品化することもできる。
このように、本発明の粉末状又は顆粒状のスープ、又は該スープが封入又は添付された商品は、喫食時には、本発明のスープの上から所定量の熱湯を注ぎ、撹拌して喫食するか、別途コップ等を用いて本発明のスープを溶解し、溶解したとろみ付スープを、例えばかた焼きそばや天津飯等の場合には、その上に掛けて喫食する。商品が汁物のラーメンタイプのカップ入り即席麺の場合には、本発明のスープと即席麺塊の上から熱湯を注加し、麺塊を湯戻しするためにしばらく放置後(通常は3〜5分)掻き混ぜて喫食する。
以下、本発明を実験例、実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、これら実験例、実施例の開示に基づいて限定的に解釈されるべきでない。
<実験例1>(各種澱粉の比較)
下記配合のシーズニングミックス120gに表1の通り各種澱粉80gを混合し、ビニール袋中で軽く混合した。これを万能ミキサーに入れて低速で2分間混合し、表1記載の量(g)の水をゆっくりと加水して、2分間高速撹拌した。このようにして作成したスラリーを生クリーム等を押し出す際に用いる搾り出し袋に投入し、直径約20mmの円形の口金より押し出し、テフロン(登録商標)シート上に約15cmの長さに4本の棒状に広げた。これを2000Wの電子レンジでマイクロ波を40秒間照射し、加熱して、水分含量10重量%程度に乾燥した。この様に乾燥させた棒状でかつボーロ状の乾燥物を、横回転パワーミルで粉砕し、4メッシュパス、18メッシュオンで篩い分けし、さらに棚乾燥機で80℃20〜30分乾燥して、水分約5重量%以下に乾燥した。
このように製造した粉末又は顆粒状の澱粉混合スープを、300mlのビーカーに10g量り取り、100mlの熱湯を静かに注加して3分間放置した。3分後ビーカーの外側からままこの部分が無いか確認した上で、スパーテルでビーカーの底を中央から4方向にすくい上げ、沈殿しているスープの状態を5段階で評価した(a)。
次いで、沈殿しているスープをスパーテルで撹拌して、完全にままこのない溶解した状態になるまでの撹拌回数を数え、5段階で評価した(b)。
さらに、溶解後試飲して、粘度(とろみ)について5段階で官能評価した(c)。結果を表2に示す。
以降の各実験例のサンプルによっては、参考のためB形粘度計で、25℃の状態で粘度を測定した。なお、粘度の測定方法は、直径4cm高さ9cmのコップにスープ100mlを入れ、所定のローターを取り付け、所定の回転数で1分間回転させた時の測定値から算出した(ただし、実測しなかった実験もある)。なお、当該B型粘度計による粘度測定は、喫食時の温度ではないために、温度が下がることによって粘度が大きく変わる場合も見受けられ、商品に搭載する場合の評価としては、官能評価が優先するものである。
以下に、上記判断基準を記載する。なお、以下の判断基準は、以降全ての実験例において共通の基準とした。また、評価3以上を商品化可能なレベルとし、全ての基準が3以上のものを、本発明の目的を達成するものとした。
a.ままこの状態
5:スパーテルを用いて縦横に動かした時、いずれの方向にも均質に、かつ完全に吸水されている。
4:スパーテルを用いて縦横に動かした時、何れの方向にもほぼ均質に吸水されている。
3:ままことはいえないが、スパーテルで掬い取った方向によって沈殿したスープの色に違いがあり、吸水が均質でない。
2:掬い取る方向によっては、吸水せずにままこになっているものがわずかに認められる。
1:沈殿したスープはままこになっている。
b.撹拌による溶解度の検査
5:5回程度の撹拌で完全に溶解する。
4:15回程度以下の撹拌で溶解し、カップ入り即席麺のスープとして使用可能なレベル。
3:溶解に25回程度以下の撹拌が必要で、少し掻き混ぜる手間が必要だが充分商品化可能なレベル。
2:溶解に25回程度以上の撹拌が必要で、掻き混ぜるのが煩わしいレベル。
1:溶解しないか溶解に100回以上の撹拌が必要。
c.試飲による粘度・粘質の評価
5:強いとろみを有し、餡掛けの餡に用いることができるレベル。
4:とろみを有し、飲み込む際に抵抗を感じるレベル。
3:粘度は高くないが、とろみ付の汁物に充分使用できるレベル。
2:とろみ付と言うレベルに達していない。
1:粘度が感じられない。
使用したシーズニングミックスの配合組成(重量比):食塩10/グルタミン酸ソーダ11/核酸調味料1/グラニュー糖7/マルトース10/肉エキスパウダー21/魚介エキスパウダー8/野菜エキスパウダー3/粉末醤油17/色素2/蛋白加水分解物10
各表中、*は本発明の範囲外にある例を示す。
Figure 0004801122
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表1、2の結果から、化工処理がされている澱粉の方が撹拌後の粘度が出せる傾向があった。従って、以降の実験についてはエーテル化、エステル化、あるいはこれらにさらに架橋処理された澱粉について検討した。
<実験例2>(添加物の検討)
実験例1において、エーテル化又はエステル化、又はこれらに架橋処理の施された澱粉が粘性付与の点で良好であったが、未だ溶解度が充分で無く、熱湯注加時にままこになり易く不充分であった。そこで、実験例1においてエーテル化架橋馬鈴薯澱粉を用いた系(少量の酸化澱粉も加えた)、又はエーテル化架橋馬鈴薯澱粉にエステル化架橋馬鈴薯澱粉を混合した系において、表3〜5の通り、種々の添加物(食品添加物)をシーズニングミックス、澱粉と共に粉体混合で添加して(各数値の単位はg)、ままこの形成の抑制、溶解性の向上を検討した。結果を表6〜8に示す。
Figure 0004801122
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上記各添加物を添加することで、溶解性が目的を達成できたものは、市販ベーキングパウダー、炭酸水素ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、第1リン酸カルシウム、リン酸1ナトリウム、ミョウバン、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウムであった。特に、炭酸水素ナトリウムと酸性ピロリン酸ナトリウムの混合物、又はこれを混合した市販のベーキングパウダーが溶解性がよく(上記表3の市販ベーキングパウダー1は、炭酸水素ナトリウム:焼ミョウバン:第1リン酸カルシウムが重量比約39:33:14で配合し、賦形剤として10重量%強のコーンスターチを含むもの。一方、市販ベーキングパウダー2は、炭酸水素ナトリウム:酸性ピロリン酸ナトリウム:第1リン酸カルシウムを約重量比31:35:9で含有し、賦形剤として約25重量%のコーンスターチを含むものである)、また単体では、酸性ピロリン酸ナトリウム、又はピロリン酸カリウムが良く、これらは粘度の向上も見られた。ミョウバンも効果は高かったが、ややえぐみが感じられた。しかし、ミョウバンは炭酸水素ナトリウムと併用することによってえぐみ無く使用できる。
<実験例3>(添加物添加量の検討)
実験例2において、効果の高かった炭酸水素ナトリムと酸性ピロリン酸ナトリウムと第1リン酸カルシウムを重量比で約31:35:9で配合する市販ベーキングパウダー2(賦形剤として25重量%のコーンスターチを含むため、実効物質としては重量の75%)を用い、これがどの程度添加されることによって、効果が生じるかを、実験例2の方法(澱粉は、エーテル化架橋馬鈴薯澱粉50+エステル化架橋馬鈴薯澱粉30の配合)によって検討した。また、該ベーキングパウダー6gの配合から、炭酸水素ナトリウムのみの配合、酸性剤のみの配合のものも作成して比較した。( )内は内訳。
Figure 0004801122
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表9、10の結果から、ベーキングパウダー(主として炭酸水素ナトリウム+酸性ピロリン酸ナトリウム)約0.4重量%程度(賦形剤であるコーンスターチを除いた重量としては0.3重量%)から溶解性向上の効果が見られ、添加量が増えるにつれて、溶解性だけでなく、粘度も上昇している。また、炭酸水素ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウムを単独で添加するより、混合して用いるのが好ましかった。炭酸水素ナトリウムと酸性ピロリン酸ナトリウム(少量の第1リン酸カルシウムを含む)の比較では、溶解性については酸性ピロリン酸ナトリウムの方が若干優れていた。
<実験例4>(各種澱粉の配合比)
実験例1において、エーテル化又はエステル化された化工澱粉が粘度を付与できる点で、本発明に使用できる可能性があることが示されたが、具体的にどのような澱粉が使用できるかを、今度は実験例1の製造方法において、ベーキングパウダー(実験例2の市販ベーキングパウダー2)をシーズニングミックスと各種澱粉の混合物に6g添加した条件で澱粉の種類を替えて検討した。
Figure 0004801122
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上記表11、12、13から、エーテル化又はエステル化処理されたいずれの澱粉も使用可能であるが、前述の実験例3−1のエーテル化架橋馬鈴薯澱粉とエステル化架橋馬鈴薯澱粉の混合が最も好ましく、次いで、エーテル化架橋馬鈴薯澱粉のみのものが良好であった。タピオカ由来のものや、トウモロコシ(ワキシーコーンを含む)、小麦由来のものも使用可能である。また、タピオカ由来のものは、溶解時のスープの透明性に優れていた。
<実験例5>(シーズニングミックスと澱粉の比率)
実験例3、4の結果から最も好ましい澱粉の配合であるエーテル化架橋馬鈴薯澱粉50:エステル化架橋馬鈴薯澱粉30の配合比に関して(実験例3-1)、実験例4と同じ方法で、シーズニングミックスと化工架橋澱粉の配合比を変えて(合計200g)、これらの配合割合をどのような割合にすることで本発明の粉末スープの製造が可能か、あるいはその物性について検討した。
Figure 0004801122
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表14、15の通り、シーズニングミックス対化工澱粉(エーテル化架橋澱粉+エステル化架橋澱粉)の配合比が約1:1〜1:0.3で配合することによって、特に3:2〜2:1で配合することによって溶解性の点で優れたものができた。なお、澱粉の含有量が少ないと粘度が充分に出せなくなる傾向があった。上記表の5-7はシーズニングミックスの配合量が多すぎる場合で、マイクロ波による発泡がうまくいかず、しかも焦げる等の問題が起こり製造不可能であり、一方、5-1は加工澱粉の配合量が多すぎて乾燥することができず製造不可能であった。
<実験例6>(異なるシーズニングミックス)
実験例3、4の結果から最も好ましい澱粉の配合であるエーテル化架橋馬鈴薯澱粉50:エステル化架橋馬鈴薯澱粉30の配合比において、実験例4と同じ方法で、シーズニングミックスを異なる素材(韓国風チゲスープと中華風甘酢スープ)とし、異なるシーズニングミックスでも製造可能か否か、あるいはその物性について検討した。使用したシーズニングミックスは以下の通りである。
韓国風チゲスープ:配合組成(重量比) 食塩6/グラニュー糖8/グルタミン酸ソーダ6/マルトース3/核酸調味料1/魚介類エキスパウダー11/蓄肉エキスパウダー34/野菜エキスパウダー10/酵母エキス3/魚醤パウダー10//キムチパウダー8
中華風甘酢スープ:配合組成(重量比) グルタミン酸ソーダ9/グラニュー糖20/核酸調味料0.5/粉末酢12/粉末醤油6/粉末エキスパウダー9/スパイス1/粉末トマトケチャップ30/肉類エキスパウダー11/野菜エキスパウダー10/蛋白加水分解物3
Figure 0004801122
表16の通り、韓国風チゲスープや中華風甘酢スープの場合でも、これらにとろみを付与したスープとすることができた。
(実施例1)
上記実験例1のシーズニングミックス120gに馬鈴薯由来架橋エーテル化澱粉(松谷化学工業製商品名:ファリネックスVA-17)50gと馬鈴薯由来架橋エステル化澱粉(松谷化学工業製商品名:パーフェクトアミールAC-75)30gを混合し、さらにベーキングパウダー(大宮糧食工業製商品名:Fアップ)6gを添加し、ビニール袋中で軽く混合した。これを万能ミキサーに入れて低速で2分間混合し、35mlの量の水をゆっくりと加水して、2分間高速撹拌した。このようにして作成したスラリーを生クリーム等を押し出す際に用いる搾り出し袋に投入し、直径約20mmの円形の口金より押し出し、テフロン(登録商標)シート上に約15cmの長さに4本に棒状に広げた。この100gを2000Wの電子レンジに45秒間照射し、加熱して乾燥した。この様に乾燥させた棒状でかつボーロ状の乾燥物を、横回転パワーミル、スクリーン7mmφで粉砕し、さらに棚温度80℃の熱風乾燥機で20分間乾燥した。これを4メッシュパス、18メッシュオンで篩い分けした。このように製造した、本発明のとろみ付き顆粒状スープは、水分含量約3重量%で、スタンディングパウチで保存した。
上記スープとは別に、常法によって逆円錐台形の即席油揚げ麺70g(外形サイズ上径約8cm×下径約6.5cm×高さ約5.5cm)を製造し、これをポリスチレン性のカップ状容器(開口径約9cm×底径約7cm×深さ約10cm)に投入し、麺塊の上から、上記顆粒状スープ6gを充填し、ラーメンタイプの即席麺とした。このようにして製造した、スープ入り即席麺にスープ上から熱湯を300ml注加し、蓋をして3分間放置した。放置後蓋を取り、箸で5、6回程度掻き混ぜて喫食したところ、とろみのあるスープとなり、ままこは生じていなかった。
(実施例2)
配合組成(重量比)が、食塩6/グルタミン酸ソーダ9/核酸調味料1/グラニュー糖6/マルトース8/野菜類エキスパウダー15/蓄肉類エキスパウダー18/魚介類エキスパウダー16/蛋白加水分解物3/粉末醤油3を混合したシーズニングミックス(八宝菜風味)240gに馬鈴薯由来架橋エーテル化澱粉(松谷化学工業製商品名:ファリネックスVA-17)110gと、馬鈴薯由来エーテル化澱粉(松谷化学工業製商品名:ファリネックスAG-100)50gを混合し、さらにベーキングパウダー(大宮糧食工業製商品名:Fアップ)12gを添加し、ビニール袋中で軽く混合した。これを万能ミキサーに入れて低速で2分間混合し、74mlの量の水をゆっくりと加水して、2分間高速撹拌した。このようにして作成したスラリーを生クリーム等を押し出す際に用いる搾り出し袋に投入し、直径約20mmの円形の口金より押し出し、テフロン(登録商標)シート上に約15cmの長さに4本に棒状に広げた。この100gを2000Wの電子レンジに45秒間照射し、加熱して乾燥した。この様に乾燥させた棒状でかつボーロ状の乾燥物を、横回転パワーミル、スクリーン7mmφで粉砕し、さらに棚温度80℃の熱風乾燥機で20分間乾燥した。これを4メッシュパス、18メッシュオンで篩い分けした。このように製造した、本発明のとろみ付き顆粒状スープは、水分含量約3重量%で、密閉できる小袋に1食分16gを入れて充填した。
上記スープとは別に、常法によって円盤形状の即席ノンフライ麺70g(外形サイズ上径約12.5cm×下径約12cm×高さ約2.5cm)を製造し、これをポリスチレン性の円盤型カップ状容器(開口径約15.7cm×深さ約5cm)に投入し、麺塊上に、上記顆粒状スープの充填された小袋を投入し、焼きそばタイプ商品とした。
このようにして製造した、焼きそばタイプ商品から、顆粒状スープ入りの小袋を取り出し、麺塊上から熱湯を500ml注加して蓋をするとともに、取り出した小袋から顆粒状スープを湯呑茶碗に空け、熱湯を150ml注加して、共に3分間放置した。3分間放置後、麺は湯切りをし、スープは箸で5、6回掻き混ぜて溶解し、溶解したスープを湯切りした麺塊上に掛け、箸で麺とスープを良く絡ませた。スープはままこがなく、粘度も充分に高く、美味しい餡かけ風焼きそばであった。

Claims (9)

  1. 易溶解性で溶解後にとろみを有する顆粒状又は粉末状スープの製造方法であって、
    a:シーズニングミックス1重量部と、
    エーテル化処理された化工澱粉及び/又はエステル化処理された化工澱粉を合計で0.3〜1重量部と、
    リン酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム及びミョウバンのいずれか一つ以上の添加物と、
    水と、を含有する混合物を調製し、
    b:該混合物をマイクロ波で加熱し、
    c:該マイクロ波のみ、又はさらに別途乾燥工程を付加して乾燥し、
    d:該乾燥させた混合物を粉砕して顆粒状又は粉末状にする、
    前記a〜dの各工程を含む顆粒状又は粉末状スープの製造方法。
  2. 前記工程aにおける添加物が、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、ミョウバンのいずれかから選択される、請求項1に記載の顆粒状又は粉末状スープの製造方法。
  3. 前記工程aにおける添加物が、酸性ピロリン酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムを含む、請求項1に記載の顆粒状又は粉末状スープの製造方法。
  4. 前記工程aのエーテル化処理された化工澱粉及び/又はエステル化処理された化工澱粉が、いずれも架橋化された化工澱粉である、請求項1から3のいずれかに記載の顆粒状又は粉末状スープの製造方法。
  5. 前記工程aのエーテル化処理された化工澱粉及び/又はエステル化処理された化工澱粉が、馬鈴薯由来、タピオカ由来、トウモロコシ由来のいずれかの化工澱粉である、請求項1から4のいずれかに記載の顆粒状又は粉末状スープの製造方法。
  6. 前記工程aで調製した混合物が、スラリー状となるように水分を加えて製造する、請求項1から5のいずれかに記載の顆粒状又は粉末状スープの製造方法。
  7. 易溶解性で溶解後にとろみを有する顆粒状又は粉末状スープであって、
    該顆粒状又は粉末状のスープは、シーズニングミックス1重量部に対して、エーテル化処理された化工澱粉及び/又はエステル化処理された化工澱粉が0.3〜1重量部と、
    リン酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、及びミョウバンのいずれか一つ以上とが添加されてなる混合物であり、
    当該混合物に対して、加水してマイクロ波による加熱処理が施されていることを特徴とする、
    顆粒状又は粉末状のスープ。
  8. 前記顆粒状又は粉末状のスープが、
    熱湯を注加して喫食するタイプのカップ入り即席麺用のスープであって、
    該即席麺の麺塊と共に熱湯を注加した後、数分間放置後にかき混ぜて調理するスープである、請求項7に記載の顆粒状又は粉末状のスープ。
  9. シーズニングミックスに添加後に、加水してマイクロ波による加熱処理を施すことで、スープにとろみを付与するとろみ付与剤であって、エーテル化処理された化工澱粉及び/又はエステル化処理された化工澱粉に、リン酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、ミョウバンのいずれか一つ以上が配合されてなる、スープ用とろみ付与剤。
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