JP4799783B2 - 伸縮性外用貼付剤 - Google Patents

伸縮性外用貼付剤 Download PDF

Info

Publication number
JP4799783B2
JP4799783B2 JP2001295213A JP2001295213A JP4799783B2 JP 4799783 B2 JP4799783 B2 JP 4799783B2 JP 2001295213 A JP2001295213 A JP 2001295213A JP 2001295213 A JP2001295213 A JP 2001295213A JP 4799783 B2 JP4799783 B2 JP 4799783B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive base
poe
stretchable
polyvinyl alcohol
external patch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001295213A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003093434A (ja
Inventor
高志 鎌倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teikoku Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Teikoku Seiyaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teikoku Seiyaku Co Ltd filed Critical Teikoku Seiyaku Co Ltd
Priority to JP2001295213A priority Critical patent/JP4799783B2/ja
Publication of JP2003093434A publication Critical patent/JP2003093434A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4799783B2 publication Critical patent/JP4799783B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚への初期粘着力に優れ、かつ粘着基剤からのライナー剥離性に優れる伸縮性外用貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から外用貼付剤は、支持体上に有効薬物成分を含有する粘着性の基剤層を塗工し、該粘着基剤層にライナーを積層した構造を有するものが一般的である。そして、実際の使用時には、粘着基剤層からライナーを剥離し、薬物含有の粘着層側を患部に貼付している。ところで近年、関節等の可動部、屈曲部への追随性を向上させるために支持体として、伸縮性不織布の使用や粘着基剤の粘着力を高めた貼付剤等の開発が行われてきている。
【0003】
しかしながら、この様に粘着力を高めた伸縮性貼付剤については、粘着基剤層からライナーを剥がす時の剥離性について、以下の様な問題点があった。すなわち、粘着基剤層からライナーを剥がす時の力が大きすぎる場合には、剥離時にかかる伸縮性支持体への負荷が大きくなりすぎて、伸縮性支持体の伸び戻りが起こらずに伸びきった状態となるため、追随性が損なわれ、この状態で関節等の可動部へ貼付すると、貼付剤が皮膚から剥離しやすくなる問題があった。つまり、伸縮性支持体を用いている外用貼付剤には、粘着基剤の粘着力をあげるとそれに伴った粘着基剤層とライナーの剥離性が悪くなるという問題が生じていた。
【0004】
このような問題を解決する方法として、ライナー表面をシリコンで離型処理をしたライナーを用いることにより、粘着剤層との剥離性を高めることが一般的に広く行われている。
【0005】
しかしながら、上記の方法を採用した場合には、貼付剤の保存中に、表面をシリコン処理したライナーから粘着基剤層へシリコン移行が起こり、この移行したシリコンによって粘着基剤が変性することにより初期粘着力の低下が見られ、長期間に渡り安定した初期粘着力を維持することが困難な問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明は、上記の問題点を鑑み、皮膚への初期粘着力に優れ、かつ粘着剤基剤層からライナーの剥離性に優れた伸縮性の外用貼付剤を提供することを課題とする。
【0007】
より詳細には、薬物含有の粘着基剤を、伸縮性を有する支持体上に塗布(塗工)し、プラスチックフィルム(以後、ライナーとする)で粘着剤層の表面を被覆することによって作製される外用貼付剤において、皮膚への初期接着性に優れ、かつ粘着基剤からのライナー剥離性を向上させた伸縮性貼付剤を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するための請求項1に記載の本発明は、その基本的態様として、伸縮性支持体、粘着基剤層、剥離ライナーからなる外用貼付剤において、該粘着基剤にポリビニルアルコールおよびポリオキシエチレン誘導体を配合したことを特徴とする伸縮性外用貼付剤である。
【0009】
そのなかでも本発明は、特に、粘着基剤中にポリビニルアルコールとポリオキシエチレン誘導体の両者を配合させる点に特徴を有する伸縮性の外用貼付剤、すなわち、パップ剤およびテープ剤(プラスター剤)に関するものである。
【0010】
すなわち本発明者らの検討の結果、伸縮性支持体、粘着性の薬物含有基剤、剥離ライナーからなる伸縮性貼付剤において、粘着基剤中にポリビニルアルコールを0.5〜5.0重量%、ポリオキシエチレン誘導体を0.01〜5.0重量%含有させることによって、皮膚への初期粘着性に優れ、かつ粘着基剤からのライナー剥離性に優れる伸縮性貼付剤が得られることを見いだし、本発明を完成させたのである。
【0011】
したがって請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の発明において、ポリビニルアルコールの配合量が粘着基剤全量に対し1.0〜5.0重量%であり、ポリオキシエチレン誘導体の配合量が粘着基剤全量に対し0.01〜5.0重量%であることを特徴とする伸縮性外用貼付剤である。
【0012】
また、請求項3に記載の本発明は、請求項1に記載の発明において、粘着基剤中に、その4%水溶液粘度が3〜50mPa・sであるポリビニルアルコールを含有する伸縮性外用貼付剤である。
【0013】
さらにまた請求項4に記載の本発明は、請求項1に記載の発明において、粘着基剤中に、その鹸化度が96モル%以下であるポリビニルアルコールを含有する伸縮性外用貼付剤である。
【0014】
本発明が提供する伸縮性外用剤は、特に薬物含有の粘着剤層から剥離するライナーの剥離力が優れたものである点に特徴を有するものである。したがって請求項5に記載の本発明は、請求項1に記載の発明において、180度定速ライナー剥離試験による剥離力が0.5〜5.0g/2cmであることを特徴とする伸縮性外用貼付剤である。
【0015】
【発明実施の形態】
本発明が提供する伸縮性外用貼付剤は、基本的には、粘着基剤中にポリビニルアルコールとポリオキシエチレン誘導体の両者を配合させる点に特徴を有するものであり、そのような粘着基剤に使用するポリビニルアルコールとしては、鹸化度が96モル%以下のもが好ましい。鹸化度が96モル%より大きい完全鹸化タイプになると、水に対する溶解性が小さくなり、粘着基剤中に皮膚への接着性に優れた特性を発揮さすだけのポリビニルアルコールを配合させることが困難となり、皮膚への初期粘着力が弱くなる。
【0016】
また、ポリビニルアルコールの4%水溶液粘度が3〜50mPa・sの範囲にあるものが好ましく使用される。4%水溶液粘度が3mPa・s未満になると、粘着基剤のゲル粘度が低過ぎて、粘着基剤を調整した時の粘度が不足するばかりでなく、伸縮性を有する支持体上へ展延した場合に、支持体の裏面から粘着基剤の浸みだし現象が起こるといった不都合が生じる。
【0017】
逆に、4%水溶液粘度が50mPa・sを越える場合には、粘着基剤のゲル粘度が高くなりすぎて、伸縮性を有する支持体上に均一に展延することが困難となり、貼付剤を作製することができなくなる。
【0018】
本発明の伸縮性外用貼付剤において、粘着基剤中に配合し得るポリビニルアルコールの配合量は、粘着剤基剤全体に対して1.0〜5.0重量%である。粘着基剤中のポリビニルアルコール配合量が1.0重量%よりも少ないと、皮膚への充分な初期粘着力が得られず、関節等の可動部への貼付が困難となる。また、逆に粘着基剤中のポリビニルアルコール配合量が5.0重量%を越える場合には、粘着基剤のゲル粘度が高くなりすぎて伸縮性を有する支持体上に均一に展延することが困難となり、貼付剤を作製することができなくなる。
【0019】
一方、本発明の粘着性基剤で用いられるポリオキシエチレン誘導体の例としては、ポリオキシエチレン(以下POE)ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビトール脂肪酸エステル、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POEグリセリン脂肪酸エステル等のエーテルエステル型、POEアルキルエーテル及びそのリン酸塩、POEポリオキシプロピレンアルキルエーテル、POEアルキルフェニルエーテル、POEラノリンアルコール等のエーテル型などを使用することができる。
【0020】
より具体的には、POEソルビタン脂肪酸エステルとして、例えばモノオレイン酸POE(6)ソルビタン(10)、モノパルミチン酸POE(20)ソルビタン(15.6)、モノステアリン酸POE(6)ソルビタン(15.6)、POE(4)ソルビタントリステアレート(1.0)、トリステアリン酸POE(20)ソルビタン(10.5)、トリオレイン酸POE(20)ソルビタン(11.0)、POE(20)ソルビタンモノラウレート(16.0)などが挙げられる。
【0021】
POEソルビトール脂肪酸エステルとしては、例えばテトラオレイン酸POE(6)ソルビトール(8.5)、モノラウリン酸POE(6)ソルビトール(14.0)などを挙げることができる。
【0022】
また、POEヒマシ油としては、例えばPOE(3)ヒマシ油(3.0)、POE(40)ヒマシ油(12.5)などを挙げることができ、また、POE硬化ヒマシ油としては、例えばPOE(5)硬化ヒマシ油(6.0)、POE(100)硬化ヒマシ油(16.5)などを挙げることができる。
【0023】
POEグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えばモノステアリン酸POE(5)グリセリル(9.5)などを、POEアルキルエーテルとしては、例えばPOE(2)ラウリルエーテル(9.5)、POE(50)ラウリルエーテル(21.0)、POE(2)セチルエーテル(8.0)、POE(40)セチルエーテル(20.0)、POE(2)ステアリルエーテル(8.0)、POE(20)ステアリルエーテル(18.0)、POE(2)オレイルエーテル(7.5)、POE(20)オレイルエーテル(17.0)、POE(5)ベヘニルエーテル(HLB7.0)などが挙げられる。
【0024】
さらにPOEアルキルエーテルリン酸塩としては、例えばPOE(10)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム(HLB17.0)、POE(5)セチルエーテルリン酸ナトリウム(HLB10.0)、POE(8)オレイルエーテルリン酸ナトリウム(HLB12.5)などが挙げられる。
【0025】
また、POEポリオキシプロピレンアルキルエーテルとしては、POE(10)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル(HLB16.5)、POE(20)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル(HLB12.5)などが挙げられる。
【0026】
さらにまた、POEアルキルフェニルエーテルとしては、例えばPOE(2)ノニルフェニルエーテル(HLB4.5)、POE(20)ノニルフェニルエーテル(HLB20.0)、POE(10)オクチルフェニルエーテル(HLB13.5)、POE(30)オクチルフェニルエーテル(HLB20.0)などが挙げられる。
【0027】
POEラノリンアルコールとしては、例えばPOE(5)ラノリンアルコール(HLB12.5)、POE(40)ラノリンアルコール(HLB17.0)などを挙げることができ、その他にもPOEラノリン、POE(6)ソルビットミツロウ(HLB7.5)などのPOEミツロウ誘導体、POE(15)オレイルアミン(HLB15.5)などのPOEアルキルアミンなどのポリオキシエチレン誘導体を挙げることができる。
【0028】
これらのポリオキシエチレン誘導体は、薬物および粘着基剤に応じて、単独または2種以上の組み合わせで適宜配合できる。
【0029】
本発明の伸縮性外用貼付剤において、粘着基剤中に配合できる上記のポリオキシエチレン誘導体の量は、粘着基剤全量に対して0.01〜5.0重量%であるのが好ましい。ポリオキシエチレン誘導体の配合量が0.01重量%よりも少なすぎると、粘着基剤からライナーを剥がす時の剥離力が大きくなりすぎて貼付剤の変形が見られるようになる。また、逆にポリオキシエチレン誘導体の配合量が5.0重量%よりも多すぎると、粘着基剤から浸みだしが起こり、皮膚への初期粘着力の低下が見られる。
【0030】
本発明の伸縮性外用貼付剤において、粘着基剤層中に配合される薬効成分は、経皮的および経粘膜的に適用され、生体膜を透過して生体内吸収性を示し得る薬物であれば特に制限はなく、従来公知の各種の薬効成分を用いることができる。
【0031】
このような薬効成分の例としては、ステロイド系抗炎症剤、非ステロイド系抗炎症剤、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、ホルモン剤、抗高血圧症剤、強心剤、抗不整脈用剤、血管拡張剤、局所麻酔剤、鎮痛剤、骨格筋弛緩剤、抗真菌剤、抗悪性腫瘍剤、尿失禁剤、抗てんかん剤、抗パーキンソン剤、抗ウィルス剤などを挙げることができる。
【0032】
より具体的には、ステロイド系抗炎症剤として、例えばヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、デキサメタゾン、フルオシノロンアセトニド、フルドロキシコルチド、吉草酸ベタメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、デキサメタゾン、酪酸クロベタゾンなどを、非ステロイド系抗炎症剤として、例えばインドメタシン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、イブプロフェン、ジクロフェナックナトリウム、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、フルフェナク酸、フェルビナク、スプロフェン、ロキソプロフェン、ピロキシカム、アスピリン、アセトアミノフェンなどを、抗アレルギー剤として、例えばトラニラスト、オキサトミド、イブジラスト、アゼラスチンなど、抗ヒスタミン剤として、例えばジフェンヒドラミン、メキタジン、トリペレナミンなど、ホルモン剤として、例えばインスリン、ノルエチステロン、エストラジオール、テストステロン、プロゲステロンなどを挙げることができる。
【0033】
また、抗高血圧症剤としては、例えばクロニジン、硫酸グアネチジン、レセルピンなどを、強心剤としては、例えばジキトキシン、ジゴキシンなどを、抗不整脈用剤としては、例えばピンドロール、アジマリン、塩酸プロプラノロールなどを、血管拡張剤としては、例えばニトログリセリン、硝酸イソソルビト、ニフェジピンなどを、局所麻酔剤としては、例えばベンゾカイン、リドカイン、プロカインなどを挙げることができる。
【0034】
さらに、鎮痛剤としては、例えばモルヒネ、コデイン、酒石酸ブトルファノールなどを、骨格筋弛緩剤としては、例えばエペリゾン、トルペリゾン、チザニジンなどを、抗真菌剤としては、例えばミコナゾール、ペンタマイシン、クロトリマゾール、ニトロフラゾンなどを、抗悪性腫瘍剤としては、例えばアクチノマイシン、プレオマイシン、マイトマイシンなどを、尿失禁剤としては、例えば塩酸オキシブチニン、塩酸テロリジンなどを、抗てんかん剤としては、例えばバルプロ酸、フェナセミドなどを、抗パーキンソン剤としては、例えばベンズトロピン、レボドパなどを、また、抗ウィルス剤としては、例えばアシクロビル、ビダラビンなどを挙げることができ、その他にもニコチン、ビタミン類、プロスタグランジン類などを挙げることができる。
【0035】
本発明が提供する伸縮性外用貼付剤において、粘着基剤中に配合する他の成分としては、パップ剤の場合は水溶性高分子、保湿剤、賦形剤、架橋剤等が挙げられる。
【0036】
それら成分の具体的な例として、水溶性高分子としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸部分中和物、ポリアクリル酸デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン・ビニルアセテート共重合体、カルボキシビニル共重合体、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ソーダ、ゼラチンなどが挙げられ、1種または2種以上配合することができ、その配合量としては3〜30重量%である。
【0037】
賦形剤としては、カオリン、酸化チタン、酸化亜鉛、無水ケイ酸などが挙げられる。保湿剤としては、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ブタンジオール、ソルビトールなどが挙げられ、その配合量は5〜60重量%が好ましい。
【0038】
架橋剤としては、水酸化アルミニウム、アルミニウムグリシネート、ジヒドロシキアルムニウムアミノアセテート、合成ヒドロタルサイト、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ジアルデヒドデンプンなどを挙げることができ、それらは単独または2種以上の組み合わせで適宜配合し使用することができる。また、その配合量は0.001〜5重量%が好ましい。
【0039】
プラスター剤の場合には、天然ゴム、合成イソプレンゴム、ポリイソブチレン、ポリビニルエーテル、ポリウレタン、ポリブテン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン・ブロック共重合体などのゴム系粘着剤、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸エステルや(メタ)アクリル酸エステルと水酸基、カルボキシル基、アミド基、アミノ基などの官能性モノマーとの共重合体であるアクリル系粘着剤等よりなる粘着剤を使用することができ、その配合量は粘着基剤全量に対して15〜80重量%とすることができる。
【0040】
さらに上記プラスター剤においては、石油樹脂、ロジン、水添ロジン、エステルガム、液状ポリブテン、鉱油などの粘着付与剤を配合することができ、この配合量は粘着基剤全量に対し10〜50重量%とすることができる。
【0041】
また本発明が提供する外用貼付剤においては、必要に応じて吸収促進剤、防腐剤、抗酸化剤、可塑剤、乳化剤、界面活性剤など、一般的に外用貼付剤に使用することができる成分を配合することができる。
【0042】
本発明の伸縮性外用貼付剤における支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、可塑化ポリ塩化ビニル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ポリエステル、ナイロン、ポリウレタンなどの多孔体、発泡体、織布、不織布、さらにはフィルムまたはシートと多孔体、発泡体、織布、不織布とのラミネート品などを用いることができる。
【0043】
また、粘着基剤層を被覆するライナーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなどを用いることができる。
【0044】
【実施例】
つぎに、本発明を実施例に基づいて、より具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでないことはいうまでもない。
【0045】
実施例1:
加水分解ゼラチン0.5gを精製水2.5gで溶解し、この溶解液とポリアクリル酸部分中和物3.0g、カルメロースナトリウム2.5g、ポリビニルアルコール3.0g、濃グリセリン20.0g、乾燥水酸化アルミニウム0.07g、70%D−ソルビトール液20.0g、カオリン3.0g、酒石酸1.2g、エデト酸ナトリウム0.1gおよび精製水の適量を均一に混合して、ゲルを調整した。次にポリエチレングリコール3.5g、POE(20)ソルビタンモノオレエート0.08gおよびヒマシ油1.0gにインドメタシン0.375gを溶解した後、先の調整したゲル中に均一になるように分散し、粘着基剤を得た。この粘着基剤をポリエステル製の不織布上に展延し、粘着基剤表面をポリプロピレンフィルムで被覆することにより伸縮性外用貼付剤を作製した。
【0046】
実施例2:
ゼラチン2.0gおよびポリビニルアルコール0.8gを50℃に加温した精製水2.5g中で溶解し、この溶解液とポリアクリル酸ナトリウム5.0g、カルメロースナトリウム3.0g、濃グリセリン15.0g、70%D−ソルビトール液35.0g、カオリン5.0g、酸化チタン0.6g、尿素1.0g、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート0.02g、酒石酸2.4gおよび精製水の適量を均一に混合して、ゲルを調整した。次にクロタミトン2.0g、ヒマシ油1.0g、POE(10)モノラウレート0.6gにl−メントール0.6g、ケトプロフェン0.3gを溶解した後、先の調整したゲル中に均一になるように分散し、粘着基剤を得た。この粘着基剤をポリエステル製の不織布上に展延し、粘着基剤表面をポリプロピレンフィルムで被覆することにより伸縮性外用貼付剤を作製した。
【0047】
実施例3:
ポリアクリル酸5.4g、ポリアクリル酸デンプン1.5g、カルメロースナトリウム3.0g、濃グリセリン26.0g、ポリビニルアルコール3.0g、カオリン2.0g、酸化チタン0.5g、合成ヒドロタルサイト0.15gおよび精製水の適量を均一に混合して、ゲルを調整した。次にポリエチレングリコール2.0g、POE(25)ラウリルエーテル2.0g、l−メントール0.3g、フルルビプロフェン0.33gを溶解した後、先の調整したゲル中に均一になるように分散し、粘着基剤を得た。この粘着基剤をポリエステル製の不織布上に展延し、粘着基剤表面をポリプロピレンフィルムで被覆することにより伸縮性外用貼付剤を作製した。
【0048】
実施例4:
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SISブロック共重合体)35.0g、水添ロジン44.0g、ポリブテン10.0g、ポリビルアルコール2.0g、POEラウリルエーテル2.0g、dl−カンフル2.0g、サリチル酸グリコール5.0gを加熱溶融し、均一に練合した後、支持体フィルム状に展延し、伸縮性外用貼付剤(プラスター剤)を得た。
【0049】
比較例1:
加水分解ゼラチン0.5gを精製水2.5gで溶解し、この溶解液とポリアクリル酸部分中和物3.0g、カルメロースナトリウム2.5g、ポリビニルアルコール3.0g、濃グリセリン20.0g、乾燥水酸化アルミニウム0.07g、70%D−ソルビトール液20.0g、カオリン3.0g、酒石酸1.2g、エデト酸ナトリウム0.1gおよび精製水の適量を均一に混合して、ゲルを調整した。次にポリエチレングリコール3.5g、ヒマシ油1.0gにインドメタシン0.375gを溶解した後、先の調整したゲル中に均一になるように分散し、粘着基剤を得た。この粘着基剤をポリエステル製の不織布上に展延し、粘着基剤表面をポリプロピレンフィルムで被覆することにより、伸縮性外用貼付剤を作製した。
なお、実施例1〜4ならびに比較例1で使用したポリビニルアルコールの4%水溶液の濃度は、24mPa・sであった。
【0050】
以上の実施例1〜4および比較例1において調製した外用貼付剤の各成分を表にまとめれば、以下の表1に記載のようになる。
【0051】
【表1】
Figure 0004799783
【0052】
本発明の効果を明らかにするために下記の試験を行った。
試験例1(剥離力試験):
実施例1〜3および比較例1で調製した外用貼付剤を、幅2cm、長さ10cmの短冊状に裁断し、試験片とした。この試験片のライナー辺縁部(2cm幅側)をレオメーターの重量測定部(ロードセル部)に接続した上部留め金で挟み、粘着基剤を昇降台に取り付けた下部留め金に固定した後、昇降台を50mm/分の速度で下降させ、粘着剤とライナーとを180度方向に剥離させた。その時に必要とした力を剥離力として求めた。
また、同じ大きさの試験片を、官能的に粘着基剤からライナーを剥離し評価した。
その結果を表2に示した。
【0053】
【表2】
表2:粘着基剤からのライナー剥離性
Figure 0004799783
【0054】
表2中の結果より明らかなように、ポリビニルアルコールを0.5〜5.0重量%含有する粘着基剤中に0.01〜5.0重量%のポリオキシエチレン誘導体を含有させた実施例1〜3で得られた外用貼付剤は、ポリオキシエチレン誘導体を含有させていない比較例1で得られた外用貼付剤に比較して、粘着基剤層からのライナー剥離性に優れる外用貼付剤であることが判明する。
【0055】
試験例2(粘着力試験):
実施例1〜3および比較例1で得られた外用貼付剤について、その初期粘着力を官能試験により評価した。
試験は、それぞれの貼付剤を肘に貼付して、その初期粘着力、粘着持続力、調布面のベタツキの有無、剥離時の皮膚面における痛みの程度を、官能的に評価した。なお、貼付時間は4時間とした。
それらの結果を、表3に示した。
【0056】
【表3】
表3:官能試験の結果
Figure 0004799783
【0057】
表3に示した結果から明らかなように、ポリビニルアルコールを0.5〜5.0重量%含有する粘着基剤中に0.01〜5.0重量%のポリオキシエチレン誘導体を含有させた実施例1〜3で得られた外用貼付剤は、ポリオキシエチレン誘導体を含有させていない比較例1の貼付剤に比較して、初期粘着力、粘着持続力に優れた外用貼付剤であることが判明する。
【0058】
【発明の効果】
以上記載したように、本発明の伸縮性外用貼付剤は、粘着基剤中にポリビニルアルコールとポリオキシエチレン誘導体を配合することにより、その180度定速剥離力を0.5〜5.0g/2cmとし、皮膚への初期接着性に優れ、かつ粘着基剤からライナーの剥離性に優れる貼付剤が提供され、その医療上の効果は多大なものである。

Claims (4)

  1. 伸縮性支持体、粘着基剤層、剥離ライナーからなる外用貼付剤において、剥離ライナーにシリコン処理を施すことなく、該粘着基剤層にポリビニルアルコールおよびポリオキシエチレン誘導体を配合し、180度定速ライナー剥離試験による剥離力が0.5〜5.0g/2cmであることを特徴とする伸縮性外用貼付剤。
  2. ポリビニルアルコールの配合量が粘着基剤全重量に対し1.0〜5.0重量%であり、ポリオキシエチレン誘導体の配合量が粘着基剤全重量に対し0.01〜5.0重量%であることを特徴とする請求項1に記載の伸縮性外用貼付剤。
  3. 4%水溶液粘度が3〜50mPa・sであるポリビニルアルコールを含有する請求項1記載の伸縮性外用貼付剤。
  4. 鹸化度が96モル%以下であるポリビニルアルコールを含有する請求項1記載の伸縮性外用貼付剤。
JP2001295213A 2001-09-27 2001-09-27 伸縮性外用貼付剤 Expired - Fee Related JP4799783B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001295213A JP4799783B2 (ja) 2001-09-27 2001-09-27 伸縮性外用貼付剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001295213A JP4799783B2 (ja) 2001-09-27 2001-09-27 伸縮性外用貼付剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003093434A JP2003093434A (ja) 2003-04-02
JP4799783B2 true JP4799783B2 (ja) 2011-10-26

Family

ID=19116683

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001295213A Expired - Fee Related JP4799783B2 (ja) 2001-09-27 2001-09-27 伸縮性外用貼付剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4799783B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10329594A1 (de) * 2003-06-30 2005-01-27 Follmann & Co Gesellschaft für Chemiewerkstoffe und -Verfahrenstechnik mbH & Co KG Klebstoffzusammensetzung
JP2005097447A (ja) * 2003-09-25 2005-04-14 Mikasa Seiyaku Co Ltd 粘着剤及びそれを用いた貼付用温熱材
JP5319950B2 (ja) * 2008-04-08 2013-10-16 帝國製薬株式会社 塩酸ブテナフィン含有水性貼付剤
JP5410072B2 (ja) * 2008-10-07 2014-02-05 久光製薬株式会社 エステル化抑制剤としての尿素誘導体及び尿素誘導体によるエステル化抑制方法
TWI505819B (zh) * 2010-07-29 2015-11-01 Hisamitsu Pharmaceutical Co 醫療用貼附劑
KR101743319B1 (ko) * 2010-07-29 2017-06-02 히사미쓰 세이야꾸 가부시키가이샤 의료용 첩부제
CN103140351B (zh) 2010-07-29 2015-09-16 久光制药株式会社 带材用支承膜以及带材
KR101943144B1 (ko) 2012-01-27 2019-01-28 히사미쓰 세이야꾸 가부시키가이샤 테이프재용 지지 필름 및 테이프재
KR101495594B1 (ko) 2014-04-04 2015-02-25 이수훈 테이핑 시트
JP6469136B2 (ja) 2014-12-22 2019-02-13 久光製薬株式会社 パップ剤
JP6680532B2 (ja) * 2014-12-26 2020-04-15 花王株式会社 含水ゲル組成物
CN110267653A (zh) * 2017-02-21 2019-09-20 久光制药株式会社 贴附剂用基质及使用其的贴附剂

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2938905B2 (ja) * 1989-11-20 1999-08-25 ライオン株式会社 パップ剤
JP3131262B2 (ja) * 1991-12-27 2001-01-31 日東電工株式会社 貼付剤および貼付製剤
JP3193161B2 (ja) * 1992-10-23 2001-07-30 久光製薬株式会社 経皮吸収性製剤
JPH10265372A (ja) * 1997-03-25 1998-10-06 Sekisui Chem Co Ltd 貼付剤
JP2000212078A (ja) * 1999-01-18 2000-08-02 Lion Corp パップ剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003093434A (ja) 2003-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3962684B2 (ja) 改善された水分吸収能および接着性を有する経皮投与剤
EP1928924A1 (en) Acrylic polymer-based adhesives
CA2896336C (en) Compositions and methods for transdermal delivery of non-steroidal anti-inflammatory agents
WO2002032431A1 (fr) Compositions pour preparations externes
US20140276479A1 (en) Transdermal drug delivery system with overlay
JP4799783B2 (ja) 伸縮性外用貼付剤
EP1318843B1 (en) Acryl adhesive useful in transdermal drug delivery systems
TW201431554A (zh) 左炔諾孕酮(levonorgestrel)及乙烯雌二醇之經皮藥物遞送系統
TWI415636B (zh) Bisoprolol transdermal device
JPWO2020066188A1 (ja) 含水系貼付剤
JPH04266818A (ja) 医療用粘着剤
JP2503095B2 (ja) 貼付剤
JP2688778B2 (ja) 疾患治療用貼付剤
JP3276194B2 (ja) 医療用貼付剤
JP2004256396A (ja) 低皮膚刺激性硬膏剤
JPH0533929B2 (ja)
JPH1045571A (ja) 貼付剤
JPH09278651A (ja) 経皮吸収貼付剤
JP3192765B2 (ja) テープ製剤
JPH05186371A (ja) 経皮吸収製剤
JP2003081815A (ja) 皮膚処理用製剤
US8586080B1 (en) Inhibiting crystallization of steroidal hormones in transdermal delivery systems
JPS62240614A (ja) 貼付剤
JPH10287557A (ja) 貼付剤
JPH04202140A (ja) 経皮吸収製剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080805

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101022

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101220

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110318

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110613

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20110620

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110706

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110803

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4799783

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees