JP4793934B2 - 車両のほろ構造 - Google Patents

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Description

この発明は、前側の車両と後側の車両とを連結する連結部の間隙部をこの前側の車両のほろとこの後側の車両のほろとによって覆う車両のほろ構造に関する。
新幹線などの高速車両には、騒音対策として車端連結部の隙間を覆うようにこの隙間の全周に外ほろが取り付けられている。従来の突き合わせ式の外ほろ構造(従来技術1)は、可撓性材料の板状部材を二つに折り曲げた状態でそれぞれの車両の車端部に取り付けて、この折り曲げられた部分の先端部を突き合わせている(例えば、特許文献1参照)。また、従来の膜式の外ほろ構造(従来技術2)は、ゴム製の膜状部材の両端部をそれぞれの車両の車端部に取り付けて、この膜状部材によって車端連結部を覆っており、従来のスライド式の外ほろ構造(従来技術3)は車端連結部に複数のゴム板をスライド自在に並べて配置し、これらのゴム板によって車端連結部を覆っている(例えば、特許文献2参照)。しかし、従来技術1では、曲線通過時などに先端部に隙間が形成されてしまう問題点があり、従来技術2では高速走行時に膜状部材がばたついてしまう問題点があり、従来技術3では構造が複雑になりゴム板から空力音が発生してしまう問題点がある。このため、これらの従来技術1〜3の問題点を解決するために、空力騒音と走行抵抗を低減可能な車両の外ほろ構造が提案されている。
従来の車両の外ほろ構造(従来技術4)は、一方の車両の車端連結部に取り付けられた凸状の外ほろ単位体と、他方の車両の車端連結部に取り付けられてこの凸状の外幌ほろ単位体と面接触する凹状の外ほろ単位体とを備えている(例えば、特許文献4参照)。この従来技術4では、凸状の外ほろ単位体と凹状の外ほろ単位体とを面接触によって密着させて車端連結部の隙間を塞いでいる。
特開平7-2103号公報
特開2003-118569号公報
特開平5-77725号公報
特開平9-136647号公報
従来技術4では、凸状の外ほろ単位体と凹状の外ほろ単位体とが常時面接触して密着している。このため、この従来技術4では、車両走行時の振動や曲線通過時の摩擦などによって、凸状の外ほろ単位体と凹状の外ほろ単位体とが摩耗し、保守や点検に手間がかかるとともに、劣化後の外ほろ単位体を頻繁に新品と交換する必要が生じコストが高くなってしまう問題点がある。
この発明の課題は、安価で簡易な構造によって車端連結部の隙間を塞ぐことができる車両のほろ構造を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図3及び図10に示すように、前側の車両(3A,3B)と後側の車両(3B,3A)とを連結する連結部の間隙部(Δ)をこの前側の車両のほろ(9A,9B)とこの後側の車両のほろ(9B,9A)とによって覆う車両のほろ構造であって、前記前側の車両のほろと前記後側の車両のほろとは、前記車両の連結部の間隙部の略全周を覆う全周ほろであり、この全周ほろの右側半分及び左側半分の一方に凹部を有する先端部(9a;9i)を備え、他方にこの凹部を有する先端部と接触する凸部を有する先端部(9b;9h)を備え、前記前側の車両のほろの先端部(9a,9b;9h,9i)と前記後側の車両のほろの先端部(9b,9a;9i,9h)とは、これらのほろの内側と外側の少なくとも二箇所(Pin,Pout)で互に線状に接触することを特徴とする車両のほろ構造(7)である。
請求項2の発明は、請求項に記載の車両のほろ構造において、図3に示すように、前記前側の車両のほろは、前記車両が複線(2A,2B)を左側通行するときには、進行方向左側に前記凹部を有する先端部を備え、進行方向右側に前記凸部を有する先端部を備えており、前記後側の車両のほろは、前記車両が複線を左側通行するときには、進行方向左側に前記凸部を有する先端部を備え、進行方向右側に前記凹部を有する先端部を備えることを特徴とする車両のほろ構造である。
請求項3の発明は、請求項に記載の車両のほろ構造において、図9に示すように、前記前側の車両のほろは、前記車両が複線(2A,2B)を右側通行するときには、進行方向右側に前記凹部を有する先端部を備え、進行方向左側に前記凸部を有する先端部を備えており、前記後側の車両のほろは、前記車両が複線を右側通行するときには、進行方向右側に前記凸部を有する先端部を備え、進行方向左側に前記凹部を有する先端部を備えることを特徴とする車両のほろ構造である。
請求項4の発明は、図10に示すように、前側の車両(3A,3B)と後側の車両(3B,3A)とを連結する連結部の間隙部(Δ)をこの前側の車両のほろとこの後側の車両のほろとによって覆う車両のほろ構造であって、前記前側の車両のほろ(9A,9B)と前記後側の車両(9B,9A)のほろとは、凹部を有する先端部(9a)と、この凹部を有する先端部と接触する凸部を有する先端部(9b)とを備えており、これらの車両の進行方向に応じて、前記凹部又は前記凸部を有する先端部(9i,9h)に変化前記前側の車両のほろの先端部(9h,9i)と前記後側の車両のほろの先端部(9i,9h)とは、これらのほろの内側と外側の少なくとも二箇所で互に線状に接触することを特徴とする車両のほろ構造(7)である。
請求項5の発明は、請求項に記載の車両のほろ構造において、前記前側の車両のほろは、前記凹部を有する先端部に変化し、前記後側の車両のほろは、前記凸部を有する先端部に変化することを特徴とする車両のほろ構造である。
請求項6の発明は、請求項又は請求項に記載の車両のほろ構造において、前記前側の車両のほろと前記後側の車両のほろとを前記凹部又は前記凸部を有する先端部に変更させる形状変更部(11A,11B)と、前記前側の車両のほろが前記凹部を有する先端部に変化し、前記後側の車両のほろが前記凸部を有する先端部に変化するように、前記形状変更部を動作制御する制御部(12A,12B)とを備えることを特徴とする車両のほろ構造である。
請求項7の発明は、請求項に記載の車両のほろ構造において、前記形状変更部は、流体圧に応じて前記先端部の形状を変更し、前記制御部は、前記流体圧を可変制御することを特徴とする車両のほろ構造である。
請求項8の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の車両のほろ構造において、図6及び図10に示すように、前記凹部を有する先端部(9a;9h,9i)は、凹状曲面(9e)とこの凹状曲面の両側に凸状曲面(9f)とを備えており、前記凸部を有する先端部(9b:9i,9h)は、前記凹状曲面と少なくとも二箇所で接触する凸状曲面(9g)を備えることを特徴とする車両のほろ構造である。
請求項9の発明は、請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の車両のほろ構造において、前記前側の車両のほろの先端部と前記後側の車両のほろの先端部とが接触状態になるように、これらの先端部を互いに吸着させる吸着部(10)を備えることを特徴とする車両のほろ構造である。
請求項10の発明は、請求項に記載の車両のほろ構造において、前記吸着部は、前記前側の車両のほろの先端部と前記後側の車両のほろの先端部とを磁気力によって互いに吸着させることを特徴とする車両のほろ構造である。
この発明によると、安価で簡易な構造によって車端連結部の隙間を塞ぐことができる。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る車両のほろ構造の側面図である。図2は、この発明の第1実施形態に係る車両のほろ構造の平面図である。図3は、この発明の第1実施形態に係る車両のほろ構造の横断面図である。図4は、図2のIV-IV線で切断した状態を示す縦断面図である。図5は、図2のV-V線で切断した状態を示す縦断面図である。
図3に示す沿線W1,W2は、軌道2に沿って存在する土地(領域)であり、軌道2を挟み二つに分かれて存在する。沿線W1は、下り線2Aの中心線から近い側(上り線2Bの中心線から遠い側)の土地であり、例えば東北新幹線の場合には下り線2Aを東京方面から仙台方面に向かう車両3A,3Bの進行方向左側(山側)の土地である。沿線W2は、上り線2Bの中心線から近い側(下り線2Aの中心線から遠い側)の土地であり、例えば東北新幹線の場合には上り線2Bを仙台方面から東京方面に向かう車両3A,3Bの進行方向左側(海側)の土地である。
図1及び図3に示す路盤1は、軌道2を支持する基盤であり、車両3A,3Bが通過するときに荷重を支持する構造物である。路盤1は、例えば、スラブ軌道区間に設置される路盤コンクリートや、良質な自然土などを用いて締め固められた土路盤などである。
図3に示す軌道2は、車両3A,3Bが走行する通路(線路)であり、図1に示すように車両3A,3Bの車輪5aを案内する一対のレール2aと、図3に示すように一対のレール2aを支持する矩形平板状のプレキャストのコンクリート版からなるスラブ版(軌道スラブ)2bなどから構成されている。軌道2は、図3に示すように、二本の本線で構成された複線であり、下り線2Aと上り線2Bとから構成されている。下り線2Aは、例えば、東北新幹線の場合には東京方面から仙台方面に向かう車両3A,3Bが走行する線路であり、上り線2Bは例えば東北新幹線の場合には仙台方面から東京方面に向かう車両3A,3Bが走行する線路である。
図1〜図3に示す車両3A,3Bは、軌道2に沿って走行する移動体である。車両3A,3Bは、電車、電気機関車などの電気車であり、例えば高速で走行する新幹線などの鉄道車両である。図3に示すように、車両3A,3Bは下り線2Aを走行するときには、車両3Aが進行方向前側の車両になり車両3Bが進行方向後側の車両になるが、終着駅で折り返して上り線2Bを走行するときには、車両3Aが進行方向後側の車両になり車両3Bが進行方向前側の車両になる。車両3A,3Bは、図1〜図5に示す車体4と、図1、図4及び図5に示す台車5と、図4及び図5に示す連結装置6と、図1〜図5に示すほろ構造7などを備えている。
図1〜図5に示す車体4は、乗客を積載し輸送するための構造物である。車体4は、図2及び図3に示す車体側面4a,4bと、車体端面4c,4dと、車体上面4eと、図1、図4及び図5に示す車体底面4fなどを備えている。図2及び図3に示す車体側面4a,4bは、車両3A,3Bの側構えを構成する外板(側板)であり、車外の眺望のための側窓4gと、乗客が乗降するときに使用する側出入口4hとを備えている。車体端面4c,4dは、車両3A,3Bの妻構えを構成する外板(妻板)であり、連結された前後の車両3A,3B間を乗客及び乗務員が移動するときに使用する図示しない妻入口などを備えている。車体端面4cは、車両3A側の妻面であり、車体端面4dは車両3B側の妻面である。車体上面4eは、車両3A,3Bの屋根構えを構成する外板(屋根板)であり、図示しない集電装置(パンタグラフ)などの屋根上機器が設置される。図1、図4及び図5に示す車体底面4fは、車両3A,3Bの床構造を構成する外板であり、台車5などの走行装置が設置されている。
図1、図4及び図5に示す台車5は、車体4を支持して軌道2上を走行する走行装置である。台車5は、レール2aと転がり接触する車輪5aなどを備えている。台車5は、車体底面4fに形成された凹状の切欠部(キャビティ)に収納されており、高速走行時に発生する空力騒音を低減するために車体側面4a,4bに側面が一部覆われている。
図4及び図5に示す連結装置6は、車両3Aと車両3Bとを連結するための装置である。連結装置6は、車両3A側の車体底面4fに装着された連結器6aと、この連結器6aと連結及び解放可能であり車両3B側の車体底面4fに装着された連結器6bとを備えている。連結装置6は、図3〜図5に示すように、車両3Aと車両3Bとを相互に連結する連結部に間隙部Δを形成するように、車両3Aと車両3Bとを連結している。
図6は、この発明の第1実施形態に係る車両のほろ構造の直線走行時の状態を示す横断面図である。図7は、この発明の第1実施形態に係る車両のほろ構造の曲線通過時の状態を示す横断面図である。図8は、この発明の第1実施形態に係る車両のほろ構造のS字曲線通過時の状態を示す横断面図である。
図6〜図8に示すほろ構造7は、車両3Aと車両3Bとを連結する連結部の間隙部Δを内ほろ8及び外ほろ9A,9Bによって覆う構造である。ほろ構造7は、車両3A,3Bの連結部に装着される部材であり、車両3A,3Bの左右方向及び上下方向の変位に対して追従可能なように、柔軟で変形可能な部材によって形成された覆いである。ほろ構造7は、図6〜図8に示すように、内ほろ8と、外ほろ(車間ほろ)9A,9Bと、吸着部10などを備えている。
内ほろ8は、車両3A,3Bの連結部の貫通路の外周部を形成する部材である。内ほろ8は、車両3A,3B間を通行する乗客及び乗務員が車内から軌道2上に転落するのを防止するとともに、風雨などから乗客及び乗務員を保護するために、貫通路を囲むように設置される貫通ほろである。内ほろ8は、柔軟なゴムと伸縮可能な金属枠とを組み合わせて形成されており、車両3A,3Bの車両端面4c,4dに取り付けられている。
外ほろ9A,9Bは、車両3A,3Bの連結部を外部から遮断する部材である。外ほろ9A,9Bは、車両3A,3Bの車体側面4a,4bと可能な限り同一面を構成するように、車体端面4c,4dに取り付けられている。外ほろ9A,9Bは、車両3A,3Bの連結部の隙間部Δに乗降場から乗客が転落するのを防止するとともに、空力特性の改善、騒音低減、振動減衰性の付与及びデザイン性などを目的として装着されている。外ほろ9A,9Bは、図1〜図8に示すように、車両3A,3Bの車体端面4c,4dの全周(縁部)に沿って、図4及び図5に示す連結装置6及び内ほろ8を囲むようにこの車体端面4c,4dに取り付けられている。外ほろ9A,9Bは、図6〜図8に示すように、先端部9a,9bと取付部9c,9dなどを備えている。図6に示す外ほろ9A,9Bは、車両3A,3Bの連結部の間隙部Δの略全周を覆う突き合せ式の全周ほろであり、図2〜図8に示すようにこの全周ほろの右側半分及び左側半分の一方に凹部を有する先端部9aを備え、他方に凸部を有する先端部9bを備えている。図6〜図8に示すように、外ほろ9Aは車両3Aの車両端面4cに装着されており、外ほろ9Bは車両3Bの車両端面4dに装着されている。図3に示すように、外ほろ9Aは車両3A,3Bが複線を左側通行(下り線2Aを走行)するときには、進行方向左側に凹部を有する先端部9aを備え、進行方向右側に凸部を有する先端部9bを備えている。一方、外ほろ9Bは、車両3A,3Bが複線を左側通行(上り線2Bを走行)するときには、進行方向左側に凸部を有する先端部9bを備え、進行方向右側に凹部を有する先端部9aを備えている。外ほろ9A,9Bは、図2に示すように、車両3A,3Bの車体上面4e及び車体底面4fの中心を境界として先端部9aと先端部9bとが入れ替わっている。
図6〜図8に示す先端部9a,9bは、外ほろ9Aと外ほろ9Bとを突き合わせたときに、互いに対向する部分である。先端部9a,9bは、外ほろ9A,9Bの内側と外側の少なくとも二箇所で接触する。先端部9aは、図6〜図8に示すように、水平面及び垂直面で切断したときの断面形状が凹状に形成されており、凹状曲面9eと凸状曲面9fとを備えている。凹状曲面9eは、先端部9b側の凸状曲面9gと嵌合する部分であり、先端部9aに形成された略U字状の湾曲面である。凹状曲面9eは、凸部側から凹部側に向かって徐々に幅が狭くなるように形成されている。凸状曲面9fは、凹状曲面9eの両側に形成された部分であり、凹状曲面9eと連続して形成された略U字状の湾曲面である。凸状曲面9fは、取付部9c側から凸部側に向かって徐々に幅が狭くなるように形成されている。先端部9bは、図6〜図8に示すように、水平面及び垂直面で切断したときの断面形状が凸状に形成されており、凸状曲面9gを備えている。凸状曲面9gは、外ほろ9A側の先端部9aの凹状曲面9eと二箇所で接触する部分であり、先端部9bに形成された略U字状の湾曲面である。凸状曲面9gは、凹状曲面9eと内側接触点Pin及び外側接触点Poutの二箇所で接触している。凸状曲面9gは、取付部9d側から凸部側に向かって徐々に幅が狭くなるように形成されており、凹状曲面9eと接触可能なように凸状曲面9fよりも僅かに先鋭に形成されている。先端部9a,9bは、図7に示すように、例えば、車両3A,3Bが進行方向右側に曲がる曲線を通過するときや、図8に示すようにシーサースクロッシングなどの渡り線(S字曲線)を通過するときにも互に接触する。先端部9a,9bは、車両3A,3Bの左右方向及び上下方向の変位に追従して変形可能なように、耐候性と耐摩耗性とを有する柔軟な膜状のゴムなどの可撓性部材によって形成されている。
取付部9c,9dは、外ほろ9A,9Bを車両3A,3Bに取り付ける部分である。取付部9c,9dは、外ほろ9A,9Bの基部となる部分であり、車体端面4c,4dと密着可能なように先端部9a,9bとは反対側に形成された平坦面である。取付部9c,9dは、ボルトなどの固定部材によって車体端面4c,4dに着脱自在に固定されている。
吸着部10は、外ほろ9Aの先端部9aと外ほろ9Bの先端部9bとが接触状態になるように、これらの先端部9a,9bを互に吸着させる部材であり、先端部9aと先端部9bとを磁気力(磁力)によって互に吸着する。吸着部10は、先端部9a,9bの裏面に接着剤などによって取り付けられており、先端部9a,9bの変形に追従して変形可能な可撓性を有する磁石などである。吸着部10は、先端部9aと先端部9bとを可能な限り接触状態にし、これらの間に間隙部が形成されて空力騒音が発生するのを抑制する。吸着部10は、外ほろ9A,9Bに作用する外力が所定値以下であるときには、磁気力によって先端部9aと先端部9bとを接触した状態に維持しており、外ほろ9A,9Bに作用する外力が一時的に所定値を越えたときには、先端部9aと先端部9bとを離れた状態から接触した状態に磁気力によって直ちに復元する。
次に、この発明の第1実施形態に係る車両のホロ構造の作用を説明する。
例えば、図3に示すように、車両3A,3Bが下り線2AをA方向に走行するときに、外ほろ9Aの先端部9aと外ほろ9Bの先端部9bとの間に間隙部が形成されると、車体4に沿って流れる気流Fがこれらの間の間隙部ではく離し渦が発生する。その結果、先端部9aと先端部9bとの間の間隙部で圧力変動が生じて空力騒音が発生する。また、先端部9aから剥離した渦が後側の車両3Bの車体側面4a,4b、車体上面4e及び車体底面4fなどに衝突して渦が変形し崩壊することによって、これらの表面で圧力変動を生じ空力騒音が発生する。
図6に示すように、吸着部10が発生する磁気力が先端部9aと先端部9bとの間に作用しているため、先端部9aと先端部9bとの間に間隙部が形成され難くなる。また、先端部9aと先端部9bとの間に間隙部が形成されても、磁気力によってこれらが直ちに再接触するため、これらの間から気流Fがはく離するのを抑制し、沿線W1,W2に放射する騒音が低減する。図7及び図8に示すように、曲線通過時やS字曲線通過時には車両3A,3Bの左右方向の変位によって、先端部9aと先端部9bとの間に間隙部が形成され易くなる。しかし、先端部9a側の凹状曲面9eと先端部9b側の凸状曲面9gとが嵌合しており、先端部9aと先端部9bとの間に磁気力が作用している。このため、車両3A,3Bの左右方向の変位に追従して先端部9a,9bが弾性変形し、先端部9aと先端部9bとの間に間隙部が形成されるのを可能な限り抑え、これらの間に間隙部が形成されても磁気力によってこれらを直ちに再接触させる。また、車両3A,3Bが上下方向及び左右方向に変位しても、先端部9aと先端部9bとが外ほろ9A,9Bの内側接触点Pinと外側接触点Poutの二箇所で線状に接触しているため、これらの間に作用する摩擦力が小さくなり、外ほろ9A,9Bの摩耗が少なくなる。
一般に、図3に示すように下り線2Aを車両3A,3Bが走行するときには、この下り線2Aに近い沿線W1側がこの下り線2Aから遠い沿線W2側よりも騒音対策の優先度が高く騒音対策が重要視される。図3に示す前側の車両3Aの進行方向左側(沿線W1側)には、凹部を有する先端部9aが配置されており、後側の車両3Bの進行方向左側には、前側の車両3A側の先端部9aと嵌合する凸部を有する先端部9bが配置されている。このため、車両3A,3BがA方向に走行すると、車体4に沿って流れる気流Fが車両3A側の先端部9aの凸状曲面9fに沿って、車両3B側の先端部9bの凸状曲面9gに導かれる。図6に示すように、車両3A側の先端部9aの凸状曲面9fと、車両3B側の先端部9bの凸状曲面9gとの間には僅かに段差部が存在するが、内側接触点Pin及び外側接触点Pout付近では先端部9aの幅よりも先端部9bの幅のほうが狭く形成されている。このため、図3に示すように、車両3A側の先端部9aの凸状曲面9fで気流Fが僅かにはく離しても、このはく離した気流Fが車両3B側の先端部9bの凸状曲面9gに直ちに再付着する。その結果、車両3A側の車体4から車両3B側の車体4に沿って空気抵抗の小さい方向に気流Fがスムーズに流れるため、先端部9aの凸状曲面9fと先端部9bの凸状曲面9gとの間の段差部で気流Fが大きく乱れるのを抑制し、沿線W1側に放射する騒音を抑制することができる。
一方、図3に示すように前側の車両3Aの進行方向右側(沿線W2側)には凸部を有する先端部9bが位置し、後側の車両3Bの進行方向右側には車両3A側の先端部9bと嵌合する凹部を有する先端部9aが位置する。このため、車両3A,3BがA方向に走行すると、車体4に沿って流れる気流Fが車両3A側の先端部9bの凸状曲面9gに沿って、車両3B側の先端部9aの凹状曲面9eに導かれる。しかし、図6に示すように、先端部9bの凸状曲面9fと先端部9aの凹状曲面9eとの間には僅かに段差部が存在しており、内側接触点Pin及び外側接触点Pout付近では先端部9bの幅よりも先端部9aの幅のほうが狭く形成されている。このため、図3に示すように、先端部9bの凸状曲面9gに沿って流れる気流Fの一部が先端部9aの凸状曲面9fに衝突し、凹状曲面9eの表面で圧力変動を生じ空力騒音が僅かに発生する。その結果、沿線W1側に比べて沿線W2側のほうに空力騒音が僅かに強く放射されるが、沿線W1よりも沿線W2が下り線2Aから離れており沿線W2側に与える騒音による影響が少ない。
次に、図3に示すように、下り線2Aを走行していた車両3A,3Bが終着駅で折り返して上り線2Bを走行するときには、この上り線2Bに近い沿線W2側がこの上り線2Bから遠い沿線W1側よりも騒音対策の優先度が高く騒音対策が重要視される。図3に示すように、前側の車両3Bの進行方向左側(沿線W2側)には、凹部を有する先端部9aが配置されており、後側の車両3Aの進行方向左側には、車両3B側の先端部9aと嵌合する凸部を有する先端部9bが配置されている。このため、先端部9aの凸状曲面9fと先端部9bの凸状曲面9gとの間の段差部で気流Fが大きく乱れるのを抑制し、沿線W2側に放射する騒音を抑制することができる。
一方、図3に示すように、前側の車両3Bの進行方向右側(沿線W1側)には、凸部を有する先端部9bが配置されており、後側の車両3Aの進行方向右側には、車両3B側の先端部9bと嵌合する凹部を有する先端部9aが配置されている。このため、先端部9bの凸状曲面9gに沿って流れる気流Fの一部が先端部9aの凸状曲面9fに衝突し、凹状曲面9eの表面で圧力変動を生じ空力騒音が僅かに発生する。その結果、沿線W2側に比べて沿線W1側のほうに空力騒音が僅かに高く放射されるが、沿線W2よりも沿線W1が上り線2Bから離れており沿線W1側に与える騒音による影響が少ない。
この発明の第1実施形態に係る車両のほろ構造は、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、外ほろ9Aの先端部9a,9bと外ほろ9Bの先端部9a,9bとがこれらの外ほろ9A,9Bの内側接触点Pinと外側接触点Poutの二箇所で互に接触する。このため、従来技術4のような凸状の外ほろ単位体と凹状の外ほろ単位体とを面接触によって密着させる構造に比べて、先端部9aと先端部9bとの接触が線状になって接触面積を大幅に減少させることができる。その結果、従来技術4に比べて摩擦抵抗が小さくなって外ほろ9A,9Bの寿命を延ばすことができるため、保守や点検に必要な手間が軽減され、外ほろ9A,9Bを交換するために必要なコストを削減することができる。また、先端部9aの凹状曲面9eと先端部9bの凸状曲面9gとの間には隙間を形成することができるため、車両3A,3Bの左右方向及び上下方向の変位に追従して、先端部9aと先端部9bとが完全に分離しない範囲内でこれらを相対移動可能にすることができる。その結果、従来技術4のような互いに密着する完全な嵌合構造に比べて、先端部9a,9bに過大な外力が作用せず、先端部9a,9bの破損を防止することができる。
(2) この第1実施形態では、凹部を有する先端部9aとこの先端部9aと接触する凸部を有する先端部9bとを外ほろ9A,9Bが備えている。このため、先端部9aと先端部9bとを簡単な構造によって嵌合させて、これらの間に間隙部が形成されて空力騒音が発生するのを抑えることができる。また、車両3A,3Bの上下方向及び左右方向の変位によって、先端部9aと先端部9bとの間に間隙部が形成されるのを可能な限り防ぐことができる。
(3) この第1実施形態では、外ほろ9A,9Bが車両3A,3Bの連結部の間隙部Δの略全周を覆う全周ほろであり、この全周ほろの右側半分及び左側半分の一方に凹部を有する先端部9aを備え、他方に凸部を有する先端部9bを備えている。このため、車両3A,3Bの進行方向に合わせて、騒音による影響が少なくなるように先端部9aと先端部9bとを配置することができる。
(4) この第1実施形態では、車両3A,3Bが複線を左側通行するときには、外ほろ9Aが進行方向左側に凹部を有する先端部9aを備え、進行方向右側に凸部を有する先端部9bを備えており、外ほろ9Bは進行方向左側に凸部を有する先端部9bを備え、進行方向右側に凹部を有する先端部9aを備えている。このため、騒音対策が重要視されている沿線W1,W2に近い側が空気の流れに対して抵抗が少なくなるように、順方向に先端部9a,9bを配置して、空力騒音を抑えることができる。
(5) この第1実施形態では、凹状曲面9eとこの凹状曲面9eの両側に凸状曲面9fとを先端部9aが備えており、凹状曲面9eと二箇所で接触する凸状曲面9gを先端部9bが備えている。このため、先端部9aと先端部9bとを嵌合させたときに、これらの間に大きな段差部が形成されず可能な限り平滑化して空力騒音の発生を抑えることができる。
(6) この第1実施形態では、先端部9aと先端部9bとが接触状態になるように、これらの先端部9a,9bを吸着部10が互いに吸着させる。このため、車両3A,3Bの上下方向及び左右方向の変位によって先端部9aと先端部9bとが大きくはみ出してこれらが分離するのを防ぐことができる。
(7) この第1実施形態では、先端部9aと先端部9bとを吸着部10が磁気力によって互いに吸着させる。このため、外ほろ9A,9Bに所定値以下の外力が作用しているときには、先端部9aと先端部9bとを磁気力によって吸着させて、これらが分離するのを防ぐことができる。また、外ほろ9A,9Bに所定値を超える外力が作用したときには、先端部9aと先端部9bとが分離するが、外力が所定値を下回ったときには先端部9aと先端部9bとを磁気力によって直ちに吸着させて、元の接触状態に簡単に復元することができる。
(第2実施形態)
図9は、この発明の第2実施形態に係る車両のほろ構造の横断面図である。以下では、図1〜図8に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図9に示す車両3A,3Bは、図3に示す複線を左側通行する車両3A,3Bとは異なり複線を右側通行しており、下り線2Aが右側であり、上り線2Bが左側である。図9に示すように、外ほろ9Aは車両3A,3Bが複線を右側通行(下り線2Aを走行)するときには、進行方向右側に凹部を有する先端部9aを備え、進行方向左側に凸部を有する先端部9bを備えている。一方、外ほろ9Bは、車両3A,3Bが複線を右側通行(下り線2Aを走行)するときには、進行方向右側に凸部を有する先端部9bを備え、進行方向左側に凹部を有する先端部9aを備えている。この第2実施形態には、第1実施形態と同様の効果がある。
(第3実施形態)
図10は、この発明の第3実施形態に係る車両のほろ構造の横断面図である。
図10に示すほろ構造7は、内ほろ8と、外ほろ9A,9Bと、吸着部10と、形状変更部11A,11Bと、制御部12A,12Bなどを備えている。外ほろ9A,9Bは、車両3A,3Bの進行方向に応じて、凹部又は凸部を有する先端部9h,9iに変化する。外ほろ9A,9Bは、例えば、作動流体が流入及び流出可能な袋体を内部に備えており、内部の流体圧が所定値以下になると凹部を有する先端部9h,9iに変化し、内部の流体圧が所定値を超えると凸部を有する先端部9h,9iに変化する。外ほろ9Aは、例えば、車両3Aが前側で車両3Bが後側で下り線2Aを左側走行するときには凹部を有する先端部9hに変化するが、終着駅で折り返して車両3Bが前側で車両3Aが後側で上り線2Bを左側走行するときには、凸部を有する先端部9hに変化する。一方、外ほろ9Bは、例えば、車両3Aが前側で車両3Bが後側で下り線2Aを左側走行するときには凸部を有する先端部9iに変化するが、終着駅で折り返して車両3Bが前側で車両3Aが後側で上り線2Bを左側走行するときには凹部を有する先端部9iに変化する。
形状変更部11A,11Bは、凹部又は凸部を有する先端部9h,9iに外ほろ9A,9Bを変更させる装置であり、流体圧に応じて凹部又は凸部を有する先端部9h,9iに外ほろ9A,9Bを変更する。形状変更部11A,11Bは、例えば油又は空気などの作動流体を供給及び排出する油圧回路又は空気圧回路などを備えている。形状変更部11A,11Bは、凸部を有する先端部9h,9iに外ほろ9A,9Bを変化させるときには、外ほろ9A,9B内の袋体に作動流体を供給し、凹部を有する先端部9h,9iに外ほろ9A,9Bを変化させるときには、外ほろ9A,9B内の袋体から作動流体を排出する。形状変更部11Aは、車両3A側に設置されており、外ほろ9Aの先端部9hの形状を変更し、形状変更部11Bは車両3B側に設置されており、外ほろ9Bの先端部9iの形状を変更する。
制御部12A,12Bは、形状変更部11A,11Bを動作制御する装置である。制御部12A,12Bは、車両3A,3Bが下り線2Aを走行するときには、外ほろ9Aが凹部を有する先端部9hに変化し、外ほろ9Bが凸部を有する先端部9iに変化するように、形状変更部11A,11Bを動作制御する。一方、制御部12A,12Bは、車両3A,3Bが上り線2Bを走行するときには、外ほろ9Aが凸部を有する先端部9iに変化し、外ほろ9Bが凹部を有する先端部9iに変化するように、形状変更部11A,11Bの変更動作を制御する。制御部12A,12Bは、例えば、外ほろ9A,9Bの袋体内の油圧又は空気圧などの流体圧を可変制御する。制御部12Aは、車両3A側に設置されており形状変更部11Aを動作制御し、制御部12Bは車両3B側に搭載されており形状変更部11Bを動作制御する。
次に、この発明の第3実施形態に係る車両のほろ構造の作用を説明する。
図10に示すように、車両3A,3Bが下り線2AをA方向に走行するときには、外ほろ9Aが凹部を有する先端部9hに変化し、外ほろ9Bが凸部を有する先端部9iに変化するように、制御部12A,12Bが形状変更部11A,11Bを動作制御する。下り線2Aを走行していた車両3A,3Bが終着駅で折り返して上り線2Bを走行するときには、外ほろ9Aが凸部を有する先端部9hに変化し、外ほろ9Bが凹部を有する先端部9iに変化するように、制御部12A,12Bが形状変更部11A,11Bを動作制御する。その結果、車体4に沿って流れる気流Fが車両3A側の先端部9hの凸状曲面9fに沿って、車両3B側の先端部9iの凸状曲面9gに導かれるため、気流Fが大きく乱れるのを抑制し、沿線W1,W2側に放射する騒音を抑制することができる。
この発明の第3実施形態には、第1実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
(1) この第3実施形態では、車両3A,3Bの進行方向に応じて外ほろ9A,9Bが凹部又は凸部を有する先端部9h,9iに変化する。例えば、図3に示すように、下り線2Aを車両3A,3Bが走行しているときには、進行方向右側では凸部を有する先端部9bから凹部を有する先端部9aに向かって空気抵抗が大きくなる方向に気流Fが流れるため、沿線W1側に比べて沿線W2側のほうが放射される騒音が大きくなってしまう。この第3実施形態では、図10に示すように、進行方向右側でも凹部を有する先端部9hから凸部を有する先端部9iに向かって空気抵抗が小さくなる方向に気流Fが流れるため、第1実施形態に比べて沿線W2側に放射する騒音を低減することができる。
(2) この第3実施形態では、車両3Aが前側で車両3Bが後側であるときには、外ほろ9Aが凹部を有する先端部9hに変化し、外ほろ9Bが凸部を有する先端部9iに変化する。また、この第3実施形態では、車両3Bが前側で車両3Aが後側であるときには、外ほろ9Aが凸部を有する先端部9iに変化し、外ほろ9Bが凹部を有する先端部9iに変化する。このため、先端部9iから先端部9hに向かって空気抵抗が小さくなる方向に気流Fが流れるため、沿線W1,W2に向かって放射される空力騒音を抑えることができる。
(3) この第3実施形態では、前側の車両3Aの外ほろ9Aが凹部を有する先端部9hに変化し、後側の車両3Bの外ほろ9Bが凸部を有する先端部9iに変化するように、形状変更部11A,11Bを制御部12A,12Bが動作制御する。また、この第3実施形態では、前側の車両3Bの外ほろ9Bが凹部を有する先端部9iに変化し、後側の車両3Aの外ほろ9Aが凸部を有する先端部9hに変化するように、形状変更部11A,11Bを制御部12A,12Bが動作制御する。このため、車両3A,3Bの進行方向に応じて空力騒音の発生し難い最適な形状に先端部9h,9iを変更することができる。
(4) この第3実施形態では、流体圧に応じて先端部9h,9iの形状を形状変更部11A,11Bが変更し、この流体圧を制御部12A,12Bが可変制御する。このため、油圧回路又は空気圧回路などを利用して先端部9h,9iの形状を簡単に変化させることができる。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、東北新幹線を例に挙げて説明したが、東海道新幹線などについてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、軌道2が複線である場合を例に挙げて説明したが、軌道2が複々線である場合についてもこの発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、車両3A,3Bが鉄道車両である場合を例に挙げて説明したが、リニアモータカーのような磁気浮上式の鉄道車両、車両を複数連結したトレーラー式の自動車などについてもこの発明を適用することができる。
(2) この実施形態では、先端部9a,9b及び先端部9h,9iが外ほろ9A,9Bの内側接触点Pinと外側接触点Poutの二箇所で接触する場合を例に挙げて説明したが、二箇所以上の複数箇所で線状に接触してもよい。また、この第3実施形態では、車両3A,3Bが左側通行である場合を例に挙げて説明したが、右側通行である場合についてもこの発明を適用することができる。
この発明の第1実施形態に係る車両のほろ構造の側面図である。 この発明の第1実施形態に係る車両のほろ構造の平面図である。 この発明の第1実施形態に係る車両のほろ構造の横断面図である。 図2のIV-IV線で切断した状態を示す縦断面図である。 図2のV-V線で切断した状態を示す縦断面図である。 この発明の第1実施形態に係る車両のほろ構造の直線走行時の状態を示す横断面図である。 この発明の第1実施形態に係る車両のほろ構造の曲線通過時の状態を示す横断面図である。 この発明の第1実施形態に係る車両のほろ構造のS字曲線通過時の状態を示す横断面図である。 この発明の第2実施形態に係る車両のほろ構造の横断面図である。 この発明の第3実施形態に係る車両のほろ構造の横断面図である。
符号の説明
1 路盤
2 軌道
2A 下り線
2B 上り線
2a レール
3A,3B 車両
4 車体
4a,4b 車体側面
4c,4d 車体端面
4e 車体上面
5 台車
5a 車輪
6 連結装置
6a,6b 連結器
7 ほろ構造
8 内ほろ
9A,9B 外ほろ
9a,9b 先端部
9c,9d 取付部
9e 凹状曲面
9f,9g 凸状曲面
9h,9i 先端部
10 吸着部
11A,11B 形状変更部
12A,12B 制御部
1,W2 沿線
Δ 間隙部
in 内側接触点
out 外側接触点
F 気流

Claims (10)

  1. 前側の車両と後側の車両とを連結する連結部の間隙部をこの前側の車両のほろとこの後側の車両のほろとによって覆う車両のほろ構造であって、
    前記前側の車両のほろと前記後側の車両のほろとは、前記車両の連結部の間隙部の略全周を覆う全周ほろであり、この全周ほろの右側半分及び左側半分の一方に凹部を有する先端部を備え、他方にこの凹部を有する先端部と接触する凸部を有する先端部を備え、
    前記前側の車両のほろの先端部と前記後側の車両のほろの先端部とは、これらのほろの内側と外側の少なくとも二箇所で互に線状に接触すること、
    を特徴とする車両のほろ構造。
  2. 請求項に記載の車両のほろ構造において、
    前記前側の車両のほろは、前記車両が複線を左側通行するときには、進行方向左側に前記凹部を有する先端部を備え、進行方向右側に前記凸部を有する先端部を備えており、
    前記後側の車両のほろは、前記車両が複線を左側通行するときには、進行方向左側に前記凸部を有する先端部を備え、進行方向右側に前記凹部を有する先端部を備えること、
    を特徴とする車両のほろ構造。
  3. 請求項に記載の車両のほろ構造において、
    前記前側の車両のほろは、前記車両が複線を右側通行するときには、進行方向右側に前記凹部を有する先端部を備え、進行方向左側に前記凸部を有する先端部を備えており、
    前記後側の車両のほろは、前記車両が複線を右側通行するときには、進行方向右側に前記凸部を有する先端部を備え、進行方向左側に前記凹部を有する先端部を備えること、
    を特徴とする車両のほろ構造。
  4. 前側の車両と後側の車両とを連結する連結部の間隙部をこの前側の車両のほろとこの後側の車両のほろとによって覆う車両のほろ構造であって、
    前記前側の車両のほろと前記後側の車両のほろとは、凹部を有する先端部と、この凹部を有する先端部と接触する凸部を有する先端部とを備えており、これらの車両の進行方向に応じて、前記凹部又は前記凸部を有する先端部に変化
    前記前側の車両のほろの先端部と前記後側の車両のほろの先端部とは、これらのほろの内側と外側の少なくとも二箇所で互に線状に接触すること、
    を特徴とする車両のほろ構造。
  5. 請求項に記載の車両のほろ構造において、
    前記前側の車両のほろは、前記凹部を有する先端部に変化し、
    前記後側の車両のほろは、前記凸部を有する先端部に変化すること、
    を特徴とする車両のほろ構造。
  6. 請求項又は請求項に記載の車両のほろ構造において、
    前記前側の車両のほろと前記後側の車両のほろとを前記凹部又は前記凸部を有する先端部に変更させる形状変更部と、
    前記前側の車両のほろが前記凹部を有する先端部に変化し、前記後側の車両のほろが前記凸部を有する先端部に変化するように、前記形状変更部を動作制御する制御部とを備えること、
    を特徴とする車両のほろ構造。
  7. 請求項に記載の車両のほろ構造において、
    前記形状変更部は、流体圧に応じて前記先端部の形状を変更し、
    前記制御部は、前記流体圧を可変制御すること、
    を特徴とする車両のほろ構造。
  8. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の車両のほろ構造において、
    前記凹部を有する先端部は、凹状曲面とこの凹状曲面の両側に凸状曲面とを備えており、
    前記凸部を有する先端部は、前記凹状曲面と少なくとも二箇所で接触する凸状曲面を備えること、
    を特徴とする車両のほろ構造。
  9. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の車両のほろ構造において、
    前記前側の車両のほろの先端部と前記後側の車両のほろの先端部とが接触状態になるように、これらの先端部を互いに吸着させる吸着部を備えること、
    を特徴とする車両のほろ構造。
  10. 請求項に記載の車両のほろ構造において、
    前記吸着部は、前記前側の車両のほろの先端部と前記後側の車両のほろの先端部とを磁気力によって互いに吸着させること、
    を特徴とする車両のほろ構造。
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