JP2010116075A - 併結編成車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】併結部近傍の車両動揺を低減し、乗心地性能を向上するための空気流れ制御装置を備えた併結編成車両を提供する。
【解決手段】軌道2上を高速で走行する併結編成車両3の、併結部前方側車両4の車体表面に、車両長手方向に延び且つ車体表面から車両外側に突出する空気流れ制御部品9が設置されている。空気流れ制御部品9は、併結編成車両3の走行時に生じる走行風を併結編成車両3の進行方向に対して左右方向又は軌道2の上面に対して上方向へ分流させるので、走行風に起因した併結部後方側車両5の表面の圧力変動による併結部後方側車両5の動揺を低減することができる。
【選択図】図1
【解決手段】軌道2上を高速で走行する併結編成車両3の、併結部前方側車両4の車体表面に、車両長手方向に延び且つ車体表面から車両外側に突出する空気流れ制御部品9が設置されている。空気流れ制御部品9は、併結編成車両3の走行時に生じる走行風を併結編成車両3の進行方向に対して左右方向又は軌道2の上面に対して上方向へ分流させるので、走行風に起因した併結部後方側車両5の表面の圧力変動による併結部後方側車両5の動揺を低減することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、鉄道車両や浮上式車両のような車両のうち、特に高速で編成車両が併結して走行する際に、併結部近傍の乱れた空気流れに起因して生じる車体の動揺を低減するための空気流れ制御装置を備えた併結編成車両に関する。
鉄道車両の高速化へのニーズは世界各国で年々高まっており、300km/hを超える速度での営業運転が実現している。しかしながら、運用上の関係から、2つ以上の編成車両が併結して高速走行を行う場合がある。その際、編成車両の併結部近傍においては走行風が大きく乱され、併結部後方の車体に作用する空気力が増加することが特許文献1に示されている。この空気力は車体の動揺を増加させるため、走行中の車両の乗心地が悪化し、その対策が必要となっている。特に、この空気力による車体の動揺はトンネル内走行時に顕著となることから、トンネル内走行時における車体動揺低減策が強く望まれている。
図12に、代表的な併結編成車両の枕木方向視点図を示す。図12には、併結部1に対して前方側に位置する編成車両と、併結部1に対して後方側に位置する編成車両が進行方向を図中左から右として軌道2上を、併結して走行する併結編成車両3が模式的に示されている。図12では、トンネルを示していないが、併結編成車両3が高速でトンネル内を走行する際には、併結部1の、車両進行方向に対して前方側の車両4と車両進行方向に対して後方側の車両5の間で非定常的な渦や乱れが生じ、車両進行方向に対して後方側の車両5に顕著な動揺が生じることがある。このような、トンネル内を走行する車両の車体動揺の低減を目指した従来技術としては、下記の特許文献2が提案されている。
図13、図14には、特許文献2で提案されているところの、鉄道車両がトンネル内を走行する際の車体動揺低減技術策が示されている。図13は空気流遮断部材を備えた車両の進行方向で見た模式図であり、図14は図13に示す空気流遮断部材を備えた車両の枕木方向で見た模式図である。図13及び図14に示すように、鉄道車両6には、当該鉄道車両6がトンネル内を走行する際の車両動揺低減技術として、車体の床下部の略中央部から略鉛直下方の軌道2の方向に向け且つ車両限界まで垂下するとともに、鉄道車両6の長手方向に連続的又は断続的に延びる部材7が設置されている。部材7は、車体の床下を車両の進行方向に対して左右方向に横断する空気流を遮断する作用を奏する。部材7を設置することにより、トンネル内を走行する鉄道車両6の車体側面とトンネルの内壁面との間の空間に生じる渦が鉄道車両6の車両進行方向に対して後方へ移動することで鉄道車両6がこれらの渦に引き寄せられることにより生じる動揺を低減することを図っている。
特許文献2に記載の空気流を遮断する部材7を車両の床下部に設置した場合、部材7の分だけ車両の側面積が増加する。その結果、(1)部材7が空気力を受ける面の面積、即ち着力面が増加するため、鉄道車両6が、車両進行方向に対して左右方向へ受ける空気力が増加する、(2)部材7を平板とした場合、部材7に車両進行方向に対して左右方向に非定常的な揚力が発生する、(3)部材7を併結部に対して前方側の車両や後方側の車両に設置しても、併結部で生じた渦や乱れが併結部に対して後方側の車両に衝突することは避けられないため、後方側の車両の車体動揺低減に対する効果は見込めない、といったことが懸念される。
特開2003−300463号公報
特開2004−90849号公報
編成車両が併結して高速で走行する際には、併結部後方の車両に動揺が生じることが知られている。また、これらの動揺現象は、少なからず走行風が、前方側の編成車両の最後尾部を通過する際にもたらす非定常的な渦・乱れが併結部後方の編成車両の特に先頭車両最前部に衝突することに起因している。そこで、車体動揺の低減策として、非定常的な渦や乱れを制御できる構造を実現する点で解決すべき課題がある。
本発明の目的は、極力簡略な構成で、併結部後方の車両の動揺を低減することが可能な空気流れ制御装置を備えた併結編成車両を提供することである。
この発明による併結編成車両は、編成車両同士が併結部を介して隣り合う車両同士を連結させることによって併結される併結編成車両において、前記両車両の連結側端部の車体表面から、車両外側に突出し且つ前記車両表面に沿って車両長手方向に延びる空気流れ制御装置を備え、前記空気流れ制御装置は、前記車両の車両進行方向対して前方側から後方側に向けて流れる走行風を、前記車両進行方向に対して左右方向又は前記車両の車体表面から車両外側へ案内することを特徴とする。
この併結編成車両によれば、走行風が併結部前方側車両を通過する際に発生する非定常的な渦や乱れは、空気流れ制御装置によって車両進行方向に対して左右方向又は車両の車体表面から車両外側へ案内されるため、当該非定常的な渦や乱れが併結部後方側車両に衝突するのを防ぐことができ、それら流れによる併結部後方側車両の車体動揺を抑えることができる。
また、この併結編成車両において、前記空気流れ制御装置が前記車両の上面から突出する突出量を10mm〜1000mmの範囲とし、且つ前記空気流れ制御装置が前記走行風を前記車両進行方向に対して左右方向又は前記車両の外側方向へ案内する角度を10〜45度の範囲にすることができる。
また、この併結編成車両において、前記空気流れ制御装置が、前記併結編成車両の併結部前方側又は後方側の車両の車体表面から車両外側方向へ突出する量を、任意に調節可能とすることができる。
一般に、併結編成車両の併結部近傍に生じる非定常的な渦や乱れの大きさは、併結編成車両の長さに応じて異なる。このため、空気流れ制御装置を搭載する併結編成車両の車両数や車両長さに合わせて、空気流れ制御装置の車体表面から車両外側に突出する量を調節可能とすることで、より効率良く併結部近傍に生じる非定常的な渦や乱れの制御が可能となり、ひいては併結部後方側の車両の動揺低減効果を最大限に引き出すことができる。
一般に、併結編成車両の併結部近傍に生じる非定常的な渦や乱れの大きさは、併結編成車両の長さに応じて異なる。このため、空気流れ制御装置を搭載する併結編成車両の車両数や車両長さに合わせて、空気流れ制御装置の車体表面から車両外側に突出する量を調節可能とすることで、より効率良く併結部近傍に生じる非定常的な渦や乱れの制御が可能となり、ひいては併結部後方側の車両の動揺低減効果を最大限に引き出すことができる。
また、上記の併結編成車両において、前記車両に前記空気流れ制御装置を格納可能な格納スペースと、前記格納スペースに関連して前記空気流れ制御装置を前記格納スペースから突出させるアクチュエータとを備えることができ、更にまた、前記併結編成車両は当該併結編成車両の位置や車速、或いは車両表面の圧力を検出するセンサを備えており、当該センサが検出した検出情報に基づいて前記アクチュエータを駆動して、前記空気流れ制御装置を前記車両の表面から外側方向へ突出させることができる。編成車両が併結されない場合には、空気流れ制御装置を格納スペースに格納することで、空気流れ制御装置が常時突出されることに起因して生じる僅かな空気抵抗の増加を回避することができる。また、併結編成車両が当該併結編成車両の位置や車速、或いは車両表面の圧力を検出するセンサを備え、センサが検出した検出情報に基づいてアクチュエータを駆動させることで、空気流れ制御装置を併結編成車両の走行状況に応じて作動させることができる。
また、上記の併結編成車両において、前記併結編成車両がトンネル区間を走行する際に、前記空気流れ制御装置を、前記併結部前方側又は後方側の車両の車体表面から車両外側に突出させることができる。
一般に、併結部近傍に生じる非定常的な渦や乱れによる併結部後方側車両の動揺は、トンネル区間走行時に大きくなることが知られており、トンネル区間以外を走行する際にはトンネル区間ほど動揺低減に対する要望が無いこともある。このため、トンネル区間を走行する時のみ空気流れ制御装置を車両の表面から車両外側に突出させることで、空気流れ制御装置を車両の表面から車両外側に常時突出させることに起因して僅かながら生じる、車両の空気抵抗の増加や、空力騒音の発生を極力抑えることが可能となる。
センサが検出した検出情報に基づいて併結編成車両がトンネル区間を走行することが判断されることに応じて、アクチュエータを駆動して空気流れ制御装置を車体表面から車両外側に突出させることができる。
一般に、併結部近傍に生じる非定常的な渦や乱れによる併結部後方側車両の動揺は、トンネル区間走行時に大きくなることが知られており、トンネル区間以外を走行する際にはトンネル区間ほど動揺低減に対する要望が無いこともある。このため、トンネル区間を走行する時のみ空気流れ制御装置を車両の表面から車両外側に突出させることで、空気流れ制御装置を車両の表面から車両外側に常時突出させることに起因して僅かながら生じる、車両の空気抵抗の増加や、空力騒音の発生を極力抑えることが可能となる。
センサが検出した検出情報に基づいて併結編成車両がトンネル区間を走行することが判断されることに応じて、アクチュエータを駆動して空気流れ制御装置を車体表面から車両外側に突出させることができる。
また、上記の併結編成車両において、前記空気流れ制御装置から、前記併結部前方側車両又は後方側車両の車体表面から車両外側へ噴流を発生させることができる。
空気流れ制御装置により走行風の制御を試みるが、これに加え、車両外方向への噴流発生機構を備えることで、非定常的な渦や乱れの制御効率をより高めることが可能となる。 前記噴流発生装置は、ファン、ブロワ、コンプレッサ或いは電極間に高電圧を印加することで噴流を生じる電気的アクチュエータとすることができる。
空気流れ制御装置により走行風の制御を試みるが、これに加え、車両外方向への噴流発生機構を備えることで、非定常的な渦や乱れの制御効率をより高めることが可能となる。 前記噴流発生装置は、ファン、ブロワ、コンプレッサ或いは電極間に高電圧を印加することで噴流を生じる電気的アクチュエータとすることができる。
また、上記の併結編成車両において、前記空気流れ制御装置に、空力騒音低減用の吸音材を貼り付けることができる。
空気流れ制御装置を設置することに起因して少なからず併結部近傍にて空力騒音が発生するが、この空力騒音を吸音材で吸収することで空力騒音の発生を極力低減することができる。吸音材としては、多孔質材や柔毛材を用いることができる。
空気流れ制御装置を設置することに起因して少なからず併結部近傍にて空力騒音が発生するが、この空力騒音を吸音材で吸収することで空力騒音の発生を極力低減することができる。吸音材としては、多孔質材や柔毛材を用いることができる。
本発明による併結編成車両は上記のように構成されているため、併結編成車両の併結部近傍に生じる非定常的な渦や乱れを制御でき、これら渦や乱れによる併結部後方側の車両の動揺が少ない併結編成車両を提供することができる。
以下、本発明による併結編成車両の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図3は本発明による併結編成車両の第一実施例を示す図である。図1は併結編成車両の併結部近傍の斜視図である。図2は併結編成車両の併結部近傍の枕木方向視点図である。図3は併結編成車両の併結部近傍の上面図である。図1〜図3中の矢印は併結編成車両の進行方向を表しており、8は連結器、9は併結部前方側車両4の車体表面から、車両外側に突出し且つ車体表面に沿って車両長手方向に延びる空気流れ制御装置、θ1は空気流れ制御装置9の軌道面から上方向への傾斜角度、θ2は空気流れ制御装置9の軌道の中心から、車両進行方向に対して側方への拡がり角度を表している。図1〜図3において、図12〜図14に示した符号と同一のものは同一部材を示す。空気流れ制御装置9は、併結部前方側車両4の先頭部のノーズプロフィールにおいて、両脇上面を向く側で、車両先端側ほど末広がり状態に開き且つ下方に傾斜するように起立した状態に配設されている板状物であり、周囲の空気流れを当該板状物に沿って案内する機能を奏する。空気流れ制御装置9とノーズプロフィールとの間には、空気が空気流れ制御装置9を潜って通過することになるような隙間は形成されていない。
車両走行時には、図1〜図3中の矢印と逆向きに走行風が流れる。空気流れ制御装置9を設置していない従来技術では、併結部前方側車両4の表面に沿って流れる走行風が併結部前方側車両4の表面から剥離し、渦や乱れた流れが生じ、それらが流下し、併結部後方側車両5に衝突する。この結果、併結部後方側車両5には空力的な動揺がもたらされる。この様子は図12の併結部近傍に示した。
本構成によれば、併結部前方側車両4の表面に空気流れ制御装置9を設置することにより、併結部後方側車両5の車体動揺を低減することができる。これは、空気流れ制御装置9によって渦や乱れた流れを併結部後方側車両5の側方へ流れるように案内することで、併結部後方側車両5への渦や乱れた流れの衝突を防ぐとともに、渦のスケールを小さくし、渦が併結部後方側車両5へ衝突した際に生じる圧力変動の大きさを小さくすることができるためである。
空気流れ制御装置9について、併結部前方側車両4の車両表面から車両外側の向きに突出する突出量は10mm〜1000mm程度である。また、空気流れ制御装置9について、併結部前方側車両4の車両表面において軌道面に対して上方向となる向きに傾斜する傾斜角度θ1、及び併結部前方側車両4の車両表面において軌道の中心から車両進行方向に対して左右側方となる向きに広がる広がり角度θ2は、それぞれ10〜45度が望ましい。また、空気流れ制御装置9を設置することで、少なからず併結部近傍にて発生する空力騒音が増加する。このため、空気流れ制御装置9に吸音材や多孔質材や柔毛材を貼り付け、空力騒音の発生を極力低減してもよい。
図4、図5は本発明による併結編成車両の第二実施例を示す図であり、図4は併結部前方側車両4の、空気流れ制御装置9を設置した箇所の車両進行方向断面図である。図5は図4に示した空気流れ制御装置9を、併結部前方側車両4内に格納した時の、空気流れ制御装置9を設置した箇所の車両進行方向断面図である。また、図4、図5において、図1〜図3、図12〜図14に示した符号と同一のものは同一部材を示し、10は空気流れ制御装置9の格納スペース、11は空気流れ制御装置9の駆動アクチュエータを、12は車輪を表している。
第二実施例の構成は、併結部前方側車両4の車体内側に、空気流れ制御装置9の格納スペース10が設けられており、空気流れ制御装置9を車両内の格納スペース10に格納可能である。また、格納スペース10に関連して駆動アクチュエータ11が配設されており、空気流れ制御装置9は駆動アクチュエータ11の作動によって格納スペース10から出没可動となっている。本構成によれば、空気流れ制御装置9が車両内に格納可能となっているため、空気流れ制御装置9を取り付けた併結部前方側車両4が併結編成車両3の先頭車として走行する場合や、併結走行を行わない場合などには併結部前方側車両4内に格納し、空気抵抗の低減や空力騒音の発生を抑制することができる。また、上記した通り、併結編成車両3の車両数に応じ、走行風により併結部前方側車両4の表面に発達する境界層の厚さが変わり、併結部前方側車両4から剥離する剥離渦のスケールも異なるため、併結部1における渦や乱れの大きさも異なる。このため、併結編成車両3の車両数に応じて空気流れ制御装置9の突出量を駆動アクチュエータ11の作動によって制御することで、より効率良く渦や乱れた流れを制御することが可能となり、より効率良く併結部後方側車両5の車体動揺を低減することができる。
駆動アクチュエータ11は、空気シリンダ、油圧シリンダなどの油圧機器、ラックアンドピニオン機構などを介したモータ付属の歯車機構、油圧を利用したリンク機構、などの駆動機構を利用して駆動してもよい。
図6は本発明による併結編成車両の第三実施例を示す図であり、併結部前方側車両4に空気流れ制御装置9を設置した箇所の車両進行方向断面図を表している。図6において図1〜図5、図12〜図14に示した符号と同一のものは同一部材を示す。13は位置情報センサ、14は位置情報センサ13による情報伝達回路を表している。
本構成は図4、図5に示した実施例2において、併結部前方側車両4に設置された位置情報センサ13と位置情報センサ13に接続された情報伝達回路14とを加えることで、空気流れ制御装置9を、走行位置に応じて併結部前方側車両4の表面から突出させる、或いは併結部前方側車両4内へ格納させることを可能にしたものである。こうした構成により、併結部後方側車両5の左右方向への動揺が比較的小さい区間を走行する場合には空気流れ制御装置9を格納スペース10に格納して空気抵抗の低減や流体騒音の発生を防ぎ、併結部後方側車両5の左右方向への動揺が比較的大きいトンネル内などの区間を走行する場合には、併結部前方側車両4の表面から突出した空気流れ制御装置9によって渦や乱れた流れを制御し、併結部後方側車両5の左右方向への動揺を低減することができる。位置情報センサ13は、併結編成車両が上記左右方向への動揺が比較的小さい区間を走行していること、及び左右方向への動揺が比較的大きいトンネル内などの区間を走行していることを検出し検出状態として情報伝達回路14に出力する。
位置情報センサ13ではなく、車速センサや圧力センサを使用して、併結部前方側車両4の車速や併結部前方側車両4の表面の圧力情報を用いて空気流れ制御装置9の制御を行っても良い。
さらに、位置情報センサ13に代えて、デジタルATC(自動列車制御装置)などの運行管理システムから得られる列車の地点情報(キロ程)とトンネル入出口の路線情報とを比較参照することによって得られる列車の位置情報と運行管理システムから得られる列車の速度情報に基づき、情報伝達回路14を介して空気流れ制御装置9を制御しても良い。
さらに、位置情報センサ13に代えて、デジタルATC(自動列車制御装置)などの運行管理システムから得られる列車の地点情報(キロ程)とトンネル入出口の路線情報とを比較参照することによって得られる列車の位置情報と運行管理システムから得られる列車の速度情報に基づき、情報伝達回路14を介して空気流れ制御装置9を制御しても良い。
図7は本発明による併結編成車両の第四実施例を示す図であり、併結部前方側車両4の空気流れ制御装置9を設置した箇所の車両進行方向断面図を表している。図7おいて図1〜図6示した符号と同一のものは同一部材を示す。15は噴流発生装置を表しており、図中において噴流発生装置15からの矢印は噴流を表している。
第四実施例の構成は、図4に示した第二実施例において、空気流れ制御装置9に噴流発生装置15を加えたものである。噴流発生装置15からの噴流を、空気流れ制御装置9での走行風を分流するための補助手段として用いることができる。噴流の向きは、地面方向が望ましいが、状況に応じて変更・設定可能である。また、噴流発生装置15からの噴流によって、剥離渦を併結部前方側車両4の表面から遠ざけたりすることに用いることができる。本実施例は、噴流発生装置15を備えているため、第二実施例に比べてより効率良く走行風や剥離渦を制御することが可能となり、車体の左右方向への動揺を更に低減することが可能となる。
噴流発生装置15としては、ファンやブロワを備えた送風装置やコンプレッサ、ポンプ、また、数千から数万ボルトの電圧を電極間に印加することで噴流を発生させることが可能な電気的なアクチュエータを使用することが望ましい。また、発生させる噴流の流速は、0.1〜30m/s程度が望ましい。
図8、図9は本発明による併結編成車両の第五実施例を示す図であり、図8は併結部1近傍の斜視図を、図9は併結部1近傍の上面図を表している。図8〜図9において図1〜図7に示した符号と同一のものは同一部材を示す。
第五実施例の構成は、併結部後方側車両5の併結部1近傍に、空気流れ制御装置9を取り付けたものとなっている。空気流れ制御装置9は、後方側の編成車両における併結部後方側車両5の先頭部の端部において、連結器8の車体幅方向両側にそれぞれ設けられている空気流れ制御板である。各空気流れ制御板は、全体としては車体幅方向中央側で車両先端側に向き車体幅方向外側部分ほど車両後方に下がるというように、斜めに取り付けられている。空気流れ制御装置9は、支持棒16によって併結部後方側車両5の先頭部に取り付けられている。図示の例では、空気流れ制御板は軌道2で定まる平面に対して垂直であるが、これに限ることはなく、下向きに傾斜して、渦や乱れを車体下方に向かうように案内させてもよい。本構成によれば、走行風が併結部前方側車両4の表面を通過後、併結部1にて生じる渦や乱れが、空気流れ制御装置9によって車両外側へ案内されるので、車体断面積が最も狭く、車体動揺に対する安定性が最も低い、併結部後方側車両5の先端部に衝突することを防ぐことができ、空気流れ制御装置9の効果を最大限に発揮することが可能となる。
以下では、本発明の効果を確認するために実施した試験の概要と結果を示す。試験では複数個の車両模型を風洞吐出口からの気流中に設置し、車両模型の下部に設置した流体力センサにより車両模型に作用する左右方向の変動流体力を測定し、測定結果を、予測式を用いて実機での流体力に換算して評価した。
図10に風洞試験結果を示す。図10の縦軸は車両模型に作用する左右方向の変動流体力を表している。図10より、従来技術に比べ、本発明は左右方向への変動流体力を1200N程度低減できており、車体の左右方向への動揺量を低減できていることが分かる。
図11に、図10の流体力計測結果に対してスペクトル解析を行った結果を示す。縦軸は左右方向の変動流体力、横軸は予測式を用いて実機スケールにおける値に換算した周波数を表している。図11より、図10に見られた変動流体力の低減は、10Hz以下の周波数における変動流体力の低減によるものであることが分かる。一般に、車両に作用する左右方向の変動力により乗客が体感する乗心地は、10Hz以下の周波数における変動力が大きく影響するため、本発明の効果は乗客の乗心地改善につながるとも言える。
以上より、本発明は従来技術に比べて優れており、併結編成車両用として効果があることが分かる。
1 併結部 2 軌道
3 併結編成車両 4 併結部前方側車両
5 併結部後方側車両
6 鉄道車両 7 空気流遮断部材
8 連結器 9 空気流れ制御装置
10 空気流れ制御装置の格納スペース
11 空気流れ制御装置の駆動アクチュエータ
12 車輪 13 位置情報センサ
14 位置情報センサの情報伝達回路 15 噴流発生装置
16 空気流れ制御装置の支持棒
θ1 空気流れ制御装置の軌道面から上方向への傾斜角度
θ2 空気流れ制御装置の軌道の中心線から側方への広がり角度
3 併結編成車両 4 併結部前方側車両
5 併結部後方側車両
6 鉄道車両 7 空気流遮断部材
8 連結器 9 空気流れ制御装置
10 空気流れ制御装置の格納スペース
11 空気流れ制御装置の駆動アクチュエータ
12 車輪 13 位置情報センサ
14 位置情報センサの情報伝達回路 15 噴流発生装置
16 空気流れ制御装置の支持棒
θ1 空気流れ制御装置の軌道面から上方向への傾斜角度
θ2 空気流れ制御装置の軌道の中心線から側方への広がり角度
Claims (9)
- 編成車両同士が併結部を介して隣り合う車両同士を連結させることによって併結される併結編成車両において、
前記両車両の連結側端部の車体表面から、車両外側に突出し且つ前記車両表面に沿って車両長手方向に延びる空気流れ制御装置を備え、
前記空気流れ制御装置は、前記車両の車両進行方向対して前方側から後方側に向けて流れる走行風を、前記車両進行方向に対して左右方向又は前記車両の車体表面から車両外側へ案内することを特徴とする併結編成車両。 - 請求項1に記載の併結編成車両において、
前記空気流れ制御装置が前記車両の上面から突出する突出量は10mm〜1000mmの範囲にあり、且つ前記空気流れ制御装置が前記走行風を前記車両進行方向に対して左右方向又は前記車両の外側方向へ案内する角度は10〜45度の範囲にあること
を特徴とする併結編成車両。 - 請求項1に記載の併結編成車両において、
前記空気流れ制御装置が前記車両の車体表面から突出する突出量が、任意に調節可能となっていること
を特徴とする併結編成車両。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の併結編成車両において、
前記車両に前記空気流れ制御装置を格納可能な格納スペースと、前記格納スペースに関連して前記空気流れ制御装置を前記格納スペースから突出させるアクチュエータとを備えていること
を特徴とする併結編成車両。 - 請求項4に記載の併結編成車両において、
前記併結編成車両は当該併結編成車両の位置や車速、或いは車両表面の圧力を検出するセンサを備えており、当該センサが検出した検出情報に基づいて前記アクチュエータを駆動して、前記空気流れ制御装置を前記車両の表面から外側方向へ突出させること
を特徴とする併結編成車両。 - 請求項5に記載の併結編成車両において、
前記アクチュエータは、前記検出情報に基づいて前記併結編成車両が前記トンネル区間を走行することが判断されることに応じて駆動されること
を特徴とする併結編成車両。 - 請求項1〜6のいずれか一項に記載の併結編成車両において、
前記空気流れ制御装置は前記車両外側方向へ噴流を発生させる噴流発生装置を備えていること
を特徴とする併結編成車両。 - 請求項7に記載の併結編成車両において、
前記噴流発生装置は、ファン、ブロワ、或いは電極間に高電圧を印加することで噴流を生じる電気的アクチュエータであること
を特徴とする併結編成車両。 - 請求項1〜8のいずれか一項に記載の併結編成車両において、
前記空気流れ制御装置に、空力騒音低減用の吸音材が貼り付けられていること
を特徴とする併結編成車両。
Priority Applications (1)
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2008
- 2008-11-13 JP JP2008291345A patent/JP2010116075A/ja active Pending
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