JP2005205947A - 車両の動揺抑制装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車両のメンテナンス作業が容易になりトンネル内を通過する車両の乗り心地を向上させることができる車両の動揺抑制装置を提供する。
【解決手段】 動揺抑制装置4は、トンネルT内を車両1が走行するときにこの車両1に作用する空気力の変動によって生ずるこの車両1の動揺を抑制する。動揺抑制装置4は、トンネルT内を車両1が走行するときに車両底面1aから空気Fを噴射して車両底面1aの空気の流れと車両側面1bの空気の流れとが交わるのを防ぎ、車両1の動揺の原因となる渦の発生を抑える。空気圧検出装置11は、トンネルTへの車両1の突入を検出しこの検出結果に基づいて流体噴射装置9,10を制御装置13が動作制御する。流体噴射装置9,10は、車両底面1aなどに形成された流体取入口5,6から取り込まれた空気Fを流体送出装置9a,10aによって圧縮してスリット部から噴射する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、トンネル内を車両が通過するときにこの車両に作用する空気力の変動によって生ずるこの車両の動揺を抑制する車両の動揺抑制装置に関する。
図15は、現車試験によって測定された明かり区間とトンネル区間とを走行する車両に作用するヨーイング振動角加速度の時間変化を示すグラフである。図16は、現車試験の試験結果に基づいて算出された明かり区間とトンネル区間とを走行する車両に作用する空気力の変化を示すグラフである。
図15に示す縦軸はヨーイング振動角加速度(rad/sec2)であり、横軸は時間(sec)である。図16に示す縦軸はヨーイングモーメント(Nm)であり、横軸は時間(sec)である。近年、新幹線などの高速列車がトンネルT内を移動中に、車両101に加わる変動空気力によって車両101が揺れて乗り心地が低下する問題が発生しており、この変動空気力は車両底面付近から発生する渦が主な原因の一つであることが分かっている。図15及び図16に示すように、明かり区間を車両101が走行する場合に比べて、トンネル区間を車両101が走行する場合には、ヨーイング振動角加速度及びヨーイングモーメントが大きく変化しており、明かり区間に比べてトンネル区間では車両101が大きく動揺している。
図17は、トンネル内を走行する車両に作用する空気力の発生原理を示す模式図であり、図17(A)は、トンネル内を走行する車両とトンネル側面との位置関係を示す図であり、図17(B)は車両側面とトンネル側面との間の速度分布を示す図であり、図17(C)は車両底面と軌道面との間の速度分布を示す図である。
図17(A)に示すように、トンネルT内を車両101がx軸方向に走行すると車両101の周囲の空気の流れが乱れて車両側面101bとトンネル側面T1との間に渦Vが発生し、車両101を左右に動揺させる空気力が車両101に作用する。図17(B)に示すように、車両側面101bとトンネル側面T1との間には、列車からみて車両101の進行方向とは逆方向に空気の流れが生じており、図17(C)に示すように車両底面(床下)101aと軌道面R3との間にも、車両101の進行方向とは逆方向に空気の流れが生じている。図17(A)に示すように、車両底面101a付近では車両底面101aと軌道面R3との間の距離が短いため、車両101の走行により車両101に空気が引きずられて空気の強い流れが生じる。図17(B)(C)に示すように、車両底面101aの空気の流れと車両側面101bの空気の流れとには差があるため、図17(A)に示すように速度差のある流れが交わるところでは渦Vが発生する。この渦Vは、先頭車両近くでは車両101の下側付近に留まっているが、トンネル側面T1に衝突すると巻き上がり車両側面101bに沿って広がり、後尾車両に向かうほど車両側面101bで大きく広がる。先頭車両から後尾車両に向かってこの渦Vが移動すると、車両側面101bに圧力の変化が生じて変動空気力が発生し、車両101に沿って移動する空気が最後尾の車両側面101bから剥離したときには、さらに大きな圧力変化が生じるため後尾車両ほど揺れが強くなる。
従来の車両の動揺抑制装置は、車両底面と軌道面との間の空気層と、この車両 側面とトンネル側面との間の空気層との境界に設置した仕切板(フィン)によってこれらの空気層を分離している(例えば、特許文献1参照)。このような従来の車両の動揺抑制装置では、車両底面の空気の流れと車両側面の空気の流れとが接する箇所に仕切板を設置して、渦の発生を低減し車両の動揺を抑制している。
図18は、従来の車両の動揺抑制装置を備える模型車両の風洞試験の結果を示すグラフであり、図18(A)は仕切板がないときの風洞試験の結果を示すグラフであり、図18(B)は仕切板があるときの風洞試験の結果を示すグラフである。
図18に示す縦軸は、模型車両に作用する空気力の左右成分(kN)であり、横軸は時間(sec)である。図18に示すように、仕切板を装着した場合には仕切板を装着しない場合に比べて、圧力の変動が減少するため空気力の左右成分の変動が小さくなり模型車両に発生する動揺が小さくなっている。
特開2002-053037号公報(段落番号0016、図1及び図2)
従来の車両の動揺抑制装置では、車両底面の両縁部に仕切板が取り付けられているため、床下機器や台車の点検や整備などの際に作業の妨げとなるという問題がある。特に、台車側面付近に仕切板が設置されていると目視により台車を点検することが困難であるとともに、メンテナンス作業の前後に仕切板を車両から着脱する手間がかかり整備関係者にとって負担になるという問題があった。
この発明の課題は、車両のメンテナンス作業が容易になりトンネル内を通過する車両の乗り心地を向上させることができる車両の動揺抑制装置を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、トンネル(T)内を車両(1)が通過するときにこの車両に作用する空気力の変動によって生ずるこの車両の動揺を抑制する車両の動揺抑制装置であって、前記車両の底面(1a)と通路面(R3)との間の空間(S1)と、前記車両の側面(1b,1c)と前記トンネル側面(T1,T2)との間の空間(S2,S3)とを仕切るように、これらの空間の間に流体(F)を噴射する流体噴射手段(9,10)を備えることを特徴とする車両の動揺抑制装置(4)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の車両の動揺抑制装置において、前記流体噴射手段は、空気及び/又は水を噴射することを特徴とする車両の動揺抑制装置である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の車両の動揺抑制装置において、前記車両がトンネルに突入したときに前記流体噴射手段が動作(S120;S270)し、この車両がこのトンネルから退出したときに前記流体噴射手段が停止(S140;S290)するように、この流体噴射手段を制御する制御手段(13)を備えることを特徴とする車両の動揺抑制装置である。
請求項4の発明は、請求項3に記載の車両の動揺抑制装置において、前記流体噴射手段は、前記車両毎に設置されており、前記制御手段は、前記流体噴射手段を前記車両毎に動作制御することを特徴とする車両の動揺抑制装置である。
請求項5の発明は、請求項3又は請求項4に記載の車両の動揺抑制装置において、前記車両がトンネルに突入したときの空気圧の変化(S110)と、前記車両がトンネルから退出したときの空気圧の変化(S130)とを検出する空気圧検出手段(11,12)を備え、前記制御手段は、前記空気圧検出手段の検出結果に基づいて前記流体噴射手段を動作制御(S120、S140)することを特徴とする車両の動揺抑制装置である。
請求項6の発明は、請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載の車両の動揺抑制装置において、前記車両が通過するトンネルに関するトンネル情報を記憶するトンネル情報記憶手段(17)を備え、前記制御手段は、前記車両の現在位置に関する現在位置情報と前記トンネル情報とに基づいて前記流体噴射手段を動作制御(S270、S290)することを特徴とする車両の動揺抑制装置である。
請求項7の発明は、請求項6に記載の車両の動揺抑制装置において、前記制御手段は、前記車両が通過するトンネルの長さが所定長さよりも短いときには、前記流体噴射手段の動作を規制することを特徴とする車両の動揺抑制装置である。
請求項8の発明は、請求項6又は請求項7に記載の車両の動揺抑制装置において、前記トンネル情報記憶手段は、前記トンネルの位置及び前記トンネルの長さを前記トンネル情報として記憶することを特徴としている車両の動揺抑制装置である。
請求項9の発明は、請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の車両の動揺抑制装置において、前記流体噴射手段は、前記流体を噴射する噴射口を備え、前記噴射口は、前記車両の長さ方向に沿って連続して形成されたスリット部(9d,10d)、又は前記車両の長さ方向に沿って間隔をあけて複数形成されたノズル部(9e,10e)であることを特徴とする車両の動揺抑制装置である。
請求項10の発明は、請求項9に記載の車両の動揺抑制装置において、前記噴射口は、前記車両の台車(3)付近に配置されていることを特徴としている車両の動揺抑制装置である。
請求項11の発明は、請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の車両の動揺抑制装置において、前記流体噴射手段は、前記車両の両側から流体を噴射可能であり、トンネル内にこの車両が突入したときにトンネル側面(T1)に近い側から流体を噴射することを特徴とする車両の動揺抑制装置である。
請求項12の発明は、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の車両の動揺抑制装置において、前記流体噴射手段は、前記流体を送出する流体送出装置(9a,10a)を備え、前記流体送出装置は、空気を圧縮する空気圧縮機又は空気を送出する送風機であることを特徴とする車両の動揺抑制装置である。
請求項13の発明は、請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の車両の動揺抑制装置において、前記車両の外部から空気を取り入れる空気取入口(5,6)を備え、前記流体噴射手段は、前記空気取入口から取り込まれた空気を噴射することを特徴とする車両の動揺抑制装置である。
この発明によると、車両のメンテナンス作業が容易になりトンネル内を通過する車両の乗り心地を向上させることができる。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る車両の動揺抑制装置を備える車両がトンネル内を走行している状態を示す正面図である。図2は、この発明の第1実施形態に係る車両の動揺抑制装置を備える車両がトンネル内を走行している状態を示す側面図である。図3は、この発明の第1実施形態に係る車両の動揺抑制装置のスリット部の斜視図である。
図1及び図2に示すトンネルTは、山腹などの地中を貫通して車両1などの移動体を通過させる固定構造物(土木構造物)である。図1に示すトンネルTは、下半分の両側部分の側壁部を構成するトンネル側面T1,T2などを備える複線トンネルである。軌道Rは、車両1が走行する通路(線路)であり、図1に示すように車両1を支持し案内する一対のレールR1,R2と、車両底面1aと対向する軌道面R3などから構成されている。
車両1は、高速で走行する新幹線などの鉄道車両であり、図1及び図2に示すように車体2と、台車3と、動揺抑制装置4などを備えている。車両1は、図1に示すように、車両底面(車両床下)1aと軌道面R3との間に空間S1を形成し、車両側面1bとトンネル側面T1との間に空間S2を形成し、車両側面1cとトンネル側面T2との間に空間S3を形成している。車体2は、乗客を積載し輸送するための構造物であり、台車3は車体2を支持して走行する装置である。台車3は、一対のレールR1,R2と転がり接触する車輪3a,3bなどから構成されている。
動揺抑制装置4は、トンネルT内を車両1が走行するときにこの車両1に作用する空気力の変動によって生ずるこの車両1の動揺を抑制する装置である。動揺抑制装置4は、例えば、トンネルT内を車両1がA方向に走行するときに車両底面1aの両縁部から空気Fを噴射して、車両底面1aの空気の流れと車両側面1bの空気の流れとが交わるのを防ぎ、車両1の動揺の原因となる渦の発生を抑える。動揺抑制装置4は、図1及び図2に示すように、流体取入口5,6と、管路7,8と、流体噴射装置9,10と、空気圧検出装置11,12と、制御装置13などを備えている。
図1に示す流体取入口5,6は、車両1の外部から空気Fを取り入れる部分であり、車両底面1aなどに形成された開口部である。流体取入口5は、車両底面1aの一方の縁部に配置されており、流体取入口6は車両底面1aの他方の縁部に配置されている。管路7は、流体取入口5から流入する空気Fを流体送出装置9aに送出する配管であり、管路8は流体取入口6から流入する空気Fを流体送出装置10aに送出する配管である。
流体噴射装置9は、車両底面1aと軌道面R3との間の空間S1と、車両側面1bとトンネル側面T1との間の空間S2とを仕切るように、これらの空間S1,S2の間に流体を噴射する装置である。流体噴射装置10は、車両底面1aと軌道面R3との間の空間S1と、車両側面1cとトンネル側面T2との間の空間S3とを仕切るように、これらの空間S1,S3の間に流体を噴射する装置である。流体噴射装置9,10は、いずれも同一構造であり、流体噴射装置9は車両床面1aの一方の縁部に配置されており、流体噴射装置10は車両床面1aの他方の縁部に配置されている。流体噴射装置9,10は、流体取入口5,6から取り込まれた空気Fを車両底面1aの両縁部から噴射する。流体噴射装置9,10は、図1に示す流体送出装置9a,10aと、管路9b,10bと、図3に示す管路9c,10cと、スリット部9d,10dなどを備えている。
図1に示す流体送出装置9a,10aは、車両1から空気Fを送出する装置であり、空気Fを圧縮する空気圧縮機(エアコンプレッサ)又は空気Fを送出する送風機(ファン)などである。流体送出装置9aは、管路7から流入する空気Fを管路9bに送出し、流体送出装置10aは管路8から流入する空気Fを管路10bに送出する。管路9bは、流体送出装置9aから排出された高圧の空気Fを管路9cに送出する配管であり、管路10bは流体送出装置10aから排出された高圧の空気Fを管路10cに送出する配管である。図3に示す管路9cは、管路9bを流れる空気Fが流入する配管であり、管路10cは管路10bを流れる空気Fが流入する配管である。管路9c,10cは、図3に示すように、車両1の長さ方向に沿ってこの車両底面1aの両縁部にそれぞれ配置されており、管路9c,10cの底部にはそれぞれスリット部9d,10dが形成されている。
スリット部9d,10dは、空気Fを噴射する噴射口である。スリット部9d,10dは、図3に示すように、車両1の長さ方向に沿って連続して形成されており、図1に示すようにスリット部9dは車両床面1aの一方の縁部に配置されており、スリット部10dは車両床面1aの他方の縁部に配置されている。スリット部9d,10dは、図3に示すように、略長方形状の細長い1個の長孔であり、噴射角度が軌道面R3に対して略垂直になるように高圧高速の空気ジェットを車両底面1aから噴射する。スリット部9d,10dは、例えば、車両1の速度が270〜300km/hであるときには、この車両1の速度と略同一の速度75〜83m/sで空気Fを噴射する。
図4は、この発明の第1実施形態に係る車両の動揺抑制装置の圧力検出装置の動作原理を説明するための模式図であり、図4(A)はトンネルに車両が突入した状態を示す模式図であり、図4(B)はトンネルから車両が退出した状態を示す模式図であり、図4(C)はトンネル区間を車両が走行するときに先頭車両で観察される圧力変動を示すグラフである。ここで、図4(C)に示す波形は列車速度240km/hのときの測定結果であり、横軸は時間(秒)であり、縦軸は圧力(kPa)である。
空気圧検出装置11,12は、車両1がトンネルTに突入したときの空気圧Pの変化と、車両1がトンネルTから退出したときの空気圧Pの変化とを検出する装置である。車両1がトンネルT内に突入すると突入時に発生する圧力波(圧縮波及び膨張波)がトンネルTの入口と出口との間を音速で行き来するため、図4(C)に示すように車両1に加わる圧力が複雑に変化する。空気圧検出装置11は、図4(A)に示すように、トンネルT内に車両1が突入したときには、図4(C)に示すように先頭の車両1に作用する空気圧Pの時間変動が大きくなるためこの空気圧Pの変化を検出する。空気圧検出装置12は、図4(B)に示すように、トンネルT外に車両1が退出したときには、図4(C)に示すように先頭の車両1に作用する空気圧Pの時間変動が収まり、空気圧Pが明かり区間走行中の圧力(略大気圧と見なせる圧力)に戻るためこの空気圧Pの変化を検出する。空気圧検出装置11,12は、車両1の外部の空気圧Pの変化に応じた電気信号を空気圧情報として出力する圧力センサなどである。
図1及び図2に示す制御装置13は、車両1がトンネルTに突入したときに流体噴射装置9,10が動作し、この車両1がこのトンネルTから退出したときに流体噴射装置9,10が停止するように、この流体噴射装置9,10を動作制御する中央処理部(CPU)である。制御装置13は、空気圧検出装置11,12の検出結果に基づいて流体噴射装置9,10を動作制御する。制御装置13は、図4(A)に示すように、空気圧Pの時間変動が所定値を超えたときには、A方向に走行する先頭の車両1がトンネルT内に突入したと判断して流体送出装置9a,10aに動作開始を指令する。制御装置13は、図4(B)に示すように、空気圧Pの時間変動が収まり空気圧Pが大気圧に戻ったときには、A方向に走行する先頭の車両1がトンネルT内から退出したと判断して流体送出装置9a,10aに動作停止を指令する。
次に、この発明の第1実施形態に係る車両の動揺抑制装置の動作を説明する。
図5は、この発明の第1実施形態に係る車両の動揺抑制装置の動作を説明するためのフローチャートである。以下では、制御装置13の動作を中心として説明する。
ステップ(以下、Sという)100において、空気圧検出装置11,12に制御装置13が動作開始を指令する。空気圧検出装置11,12に制御装置13が検出動作開始を指令すると空気圧検出装置11,12が車両1の外部の空気圧Pの変化を検出して、この検出結果を空気圧情報として制御装置13に出力する。
S110において、空気圧Pの時間変動が所定値を超えたか否かを制御装置13が判断する。図4(A)に示すように、車両1がA方向に走行する場合に先頭の車両1がトンネルTに突入すると、図4(C)に示すように空気圧Pの時間変動が大きくなる。空気圧検出装置11がこの空気圧Pの変化に応じた空気圧情報を制御装置13に出力すると、この空気圧情報に基づいて空気圧Pの時間変動が所定値を超えたか否かを制御装置13が判断する。空気圧Pの時間変動が所定値を超えたときには、先頭の車両1がトンネルT内に突入したと判断してS120に進み、空気圧Pの時間変動が所定値以下であるときには、先頭の車両1がトンネルT内に突入するまでS110の判断を繰り返す。
S120において、流体噴射装置9,10に制御装置13が動作開始を指令する。図1に示す制御装置13が流体送出装置9aに動作開始を指令すると、流体取入口5,6から取り込まれて管路7,8から流入する空気Fを流体送出装置9a,10aが管路9b,9c,10b,10cに送出し、エアカーテン状の空気ジェットがスリット部9d,10dから噴射される。
S130において、空気圧Pの時間変動が収まったか否かを制御装置13が判断する。図4(B)に示すように、車両1がA方向に走行する場合に先頭の車両1がトンネルTから退出すると、図4(C)に示すように空気圧Pの時間変動が収まり先頭の車両1がトンネルTに突入する前の大気圧に空気圧Pが戻る。空気圧検出装置12がこの空気圧Pの変化に応じた空気圧情報を制御装置13に出力すると、この空気圧情報に基づいて空気圧Pの時間変動が収まり空気圧Pが大気圧に戻ったか否かを制御装置13が判断する。空気圧Pの時間変動が収まり空気圧Pが大気圧に戻ったときには、先頭の車両1がトンネルT内から退出したと判断してS140に進み、空気圧Pの時間変動が収まらず空気圧Pが大気圧に戻っていないときには、先頭の車両1がトンネルT内から退出するまでS130の判断を繰り返す。
S140において、流体噴射装置9,10に制御装置13が動作停止を指令する。図1に示す制御装置13が流体送出装置9aに動作停止を指令すると、流体送出装置9a,10aが動作を停止してスリット部9d,10dからの空気ジェットの噴射が停止されて、S110に戻り一連の処理が繰り返される。
この発明の第1実施形態に係る車両の動揺抑制装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、車両底面1aと軌道面R3との間の空間S1と、車両側面1bとトンネル側面T1との間の空間S2とを仕切るように、これらの空間S1,S2の間に空気Fを流体噴射装置9が噴射する。また、この第1実施形態では、車両底面1aと軌道面R3との間の空間S1と、車両側面1cとトンネル側面T2との間の空間S3とを仕切るように、これらの空間S1,S3の間に空気Fを流体噴射装置10が噴射する。その結果、空間S1内の空気と空間S2内の空気とが接するのを防ぐとともに、空間S1内の空気の流れと空間S3内の空気の流れとが接するのを防ぐことができる。その結果、車両1の動揺の原因となる渦の発生を抑えることができる。
(2) この第1実施形態では、流体噴射装置9,10が空気Fを噴射するため、従来の車両の動揺抑制装置のような仕切板によって車両床面1aや車両側面1b,1cの下部が覆われることがなくメンテナンス作業を容易にすることができる。また、従来の車両の動揺抑制装置では、仕切板の高さが車両限界より10cm程度に制限されていたが、この第1実施形態では空気を噴射するため車両限界による影響を受けずに車両1の動揺を抑えることができる。
(3) この第1実施形態では、車両1がトンネルTに突入したときに流体噴射装置9,10が動作し、この車両1がこのトンネルTから退出したときに流体噴射装置9,10が停止するように、この流体噴射装置9,10を制御装置13が動作制御する。その結果、車両1の動揺が少ない明かり区間を走行しているときに流体噴射装置9,10が空気Fを噴射して、沿線の騒音の原因となるのを防止することができる。
(4) この第1実施形態では、車両1がトンネルTに突入したときに発生する空気圧Pの変化と、この車両1がトンネルTから退出したときに発生する空気圧Pの変化とを空気圧検出装置11,12が検出し、空気圧検出装置11,12の検出結果に基づいて流体噴射装置9,10を制御装置13が動作制御する。その結果、空気圧の変化によってトンネルTへの車両1の突入とトンネルTからの車両1の退出とを簡単に検出することができる。
(5) この第1実施形態では、車両1の長さ方向に沿ってスリット9d,10dが連続して形成されている。このため、高圧高速の空気ジェットが板状に噴射されて、空間S1内の空気の流れと空間S2,S3内の空気の流れとが接するのを防ぐことができる。
(6) この第1実施形態では、空気Fを圧縮する空気圧縮機又は空気Fを送出する送風機を流体噴射装置9,10が備える。その結果、車両1に搭載されている既存の空気圧縮機や送風機を使用して空気Fを噴射することができるため、動揺抑制装置4がコンパクトになり動揺抑制装置4の低コスト化を図ることができる。
(7) この第1実施形態では、流体取入口5,6が車両1の外部から空気Fを取り入れ、この流体取入口5,6から取り込まれた空気Fを流体噴射装置9,10が噴射する。このため、車両1の速度に応じて高圧の空気Fを取り込み空気ジェットとして利用することができる。
(第2実施形態)
図6は、この発明の第2実施形態に係る車両の動揺抑制装置を備える車両がトンネル内を走行している状態を示す正面図である。図7は、この発明の第2実施形態に係る車両の動揺抑制装置を備える車両がトンネル内を走行している状態を示す側面図である。以下では、図1〜図4に示す部分と同一の部分については同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図6及び図7に示す速度検出装置14は、車両1の速度を検出する装置であり、車輪3a,3bの回転数に応じて発生する距離パルス信号を速度情報として出力する速度発電機などである。ATS地上子15は、自動列車停止装置(ATS)のATS車上子16aとの間で相互に情報を送受信するために地上側の特定地点に設置されたコイルである。
現在位置検出装置16は、車両1の現在位置を検出する装置である。現在位置検出装置16は、ATS地上子15との間で相互に情報を送受信するために車両1側に設置されたATS車上子16aと、このATS車上子16aからの信号を受信して現在位置情報(絶対位置情報)を出力するATS受信機16bとを備えている。トンネル情報記憶装置17は、車両1が通過するトンネルTに関する情報を記憶する装置であり、トンネルTの位置及びトンネルTの長さなどをトンネル情報(地点情報)として記憶する。制御装置13は、車両1の現在位置に関する現在位置情報とトンネル情報とに基づいて流体噴射装置9,10を動作制御する。
次に、この発明の第2実施形態に係る車両の動揺抑制装置の動作を説明する。
図8は、この発明の第2実施形態に係る車両の動揺抑制装置の動作を説明するためのフローチャートである。
S200において、現在位置検出装置16に制御装置13が動作開始を指令する。現在位置検出装置16に制御装置13が動作開始を指令すると、ATS地上子15からの信号をATS車上子16aが受信可能な状態になる。
S210において、速度検出装置14に制御装置13が動作開始を指令する。速度検出装置14に制御装置13が動作開始を指令すると、速度検出装置14が車両1の現在の速度を検出してこの検出結果を速度情報として制御装置13に出力する。
S220において、現在位置情報を受信したか否かを制御装置13が判断する。図6に示すように、A方向に車両1が走行してATS車上子16aがATS地上子15上を通過すると、ATS車上子16aがATS地上子15から信号を受信してATS受信機16bが現在位置情報を制御装置13に出力する。制御装置13が現在位置情報を受信したときにはS230に進み、制御装置13が絶対位置情報を受信していないときには絶対位置情報を受信するまでS220の判断を繰り返す。
S230において、制御装置13がトンネル情報を読み取る。トンネル情報記憶装置17からトンネル情報を制御装置13が読み出して、現在位置情報とトンネル位置情報とに基づいて現在位置からトンネルTの入口までの距離(ATS地上子15からトンネル入口までの距離)を制御装置13が演算する。また、絶対位置情報とトンネル長さ情報とに基づいて現在位置からトンネルTの出口までの距離(ATS地上子15からトンネル出口までの距離)を制御装置13が演算する。
S240において、制御装置13が距離計測を開始する。速度検出装置14が出力する速度情報と現在位置情報を受信してからの経過時間とに基づいて、ATS地上子15からの移動距離を制御装置13が演算する。
S250において、トンネルTの入口を車両1が通過したか否かを制御装置13が判断する。トンネル情報記憶装置17から読み出したトンネルTの位置情報とATS地上子15からの移動距離とに基づいて、図7に示す先頭の車両1がトンネルTの入口を通過したか否かを制御装置13が判断する。トンネルTの入口を車両1が通過したときにはS260に進み、トンネルTの入口を車両1が通過していないときにはトンネルTの入口を車両1が通過するまでS250の判断を繰り返す。
S260において、トンネルTの長さが所定長さを超えるか否かを制御装置13が判断する。トンネルTの長さが短い場合には車両1の動揺が少ないため、流体噴射装置9,10を動作させる必要性が少ない。このため、トンネル情報記憶装置17から読み出したトンネルTの長さ情報に基づいて、トンネルTの長さが所定長さ(例えば100m)を超えるか否かを制御装置13が判断し、トンネルTの長さが所定長さを超えるときにはS270に進み、トンネルTの長さが所定長さ以下であるときにはS220に進む。
S270において、流体噴射装置9,10に制御装置13が動作開始を指令する。図6に示す制御装置13が流体送出装置9a,10aに動作開始を指令すると、空気ジェットがスリット部9d,10dから噴射される。
S280において、トンネルTの出口を車両1が通過したか否かを制御装置13が判断する。トンネル情報記憶装置17から読み出したトンネルTの長さ情報とATS地上子15からの移動距離とに基づいて、図7に示す後尾の車両1がトンネルTの出口を通過したか否かを制御装置13が判断する。トンネルTの出口を車両1が通過したときにはS290に進み、トンネルTの出口を車両1が通過していないときにはトンネルTの出口を車両1が通過するまでS280の判断を繰り返す。
S290において、流体噴射装置9,10に制御装置13が動作停止を指令する。図6に示す制御装置13が流体送出装置9a,10aに動作停止を指令すると空気ジェットの噴射が停止され、S220に戻り一連の処理が繰り返される。
この発明の第2実施形態に係る車両の動揺抑制装置には、第1実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
(1) この第2実施形態では、車両1が通過するトンネルTに関するトンネル情報をトンネル情報記憶装置17が記憶し、この車両1の現在位置に関する現在位置情報とトンネル情報とに基づいて流体噴射装置9,10を制御装置13が動作制御する。その結果、トンネル区間を正確に検知することができるためトンネル区間を走行するときだけ空気Fを噴射して沿線の騒音を防ぐことができる。
(2) この第2実施形態では、車両1が通過するトンネルTの長さが所定長さよりも短いときには、制御装置13が流体噴射装置9,10の動作を規制する。このため、トンネルTの長さが短く車両1の動揺が少ないときに流体噴射装置9,10が動作するのを防ぐことができる。
(3) この第2実施形態では、トンネルTの位置及びトンネルTの長さをトンネル情報としてトンネル情報記憶装置17が記憶する。このため、トンネルTへの車両1の突入とトンネルTからの車両1の退出と制御装置13が正確に判断することができる。
(第3実施形態)
図9は、この発明の第3実施形態に係る車両の動揺抑制装置を備える車両がトンネル内を走行している状態を示す斜視図である。
図9に示すノズル部9e,10eは、空気Fを噴射する噴射口である。ノズル部9e,10eは、車両1の長さ方向に沿って間隔をあけて複数形成されており、ノズル部9eは車両底面1aの一方の縁部に配置され、ノズル部10eは車両底面1aの他方の縁部に配置されている。ノズル部9e,10eは、単数又は複数列にわたり直線状又はジグザグ状に配置された多数の孔であり、管路9c,10c内の空気Fを高圧高速の空気ジェットにして車両底面1aから噴射する。ノズル部9e,10eは、図3に示すスリット部9d,10dと同様に車両1の速度と略同一の速度で空気Fを噴射する。この第3実施形態には、第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果がある。
(第4実施形態)
図10は、この発明の第4実施形態に係る車両の動揺抑制装置を備える車両がトンネル内を走行している状態を示す正面図である。
図10に示す流体噴射装置9,10は、車両1の両側から空気Fを噴射可能であり、トンネルT内にこの車両1が突入したときにトンネル側面T1,T2に近い側から空気Fを噴射する。図10に示すような複線トンネル内を車両1が通過する場合には、トンネル側面T2との間の距離が長い車両側面1c側にくらべて、トンネル側面T1との間の距離が短い車両側面1b側のほうが圧力の変動が大きくなる。このため、制御装置13は、図示しない列車情報読取装置によって読み取られた車両1の進行方向などに関する列車情報に基づいて、上下線のいずれの軌道Rを車両1が走行しているかを判断し、図10に示すようにトンネル側面T1,T2に近い側から空気Fを噴射するように流体噴射装置9,10を動作制御する。この第4実施形態では、第1実施形態〜第3実施形態の効果に加えて、車両1の動揺の主要因となる側の渦の発生を重点的に抑えることができる。
(第5実施形態)
図11は、この発明の第5実施形態に係る車両の動揺抑制装置を備える車両がトンネル内を走行している状態を示す正面図である。
図11に示す流体噴射装置9,10は、噴射角度が軌道面R3に対して略水平になるように、高圧高速の空気ジェットを車両1の速度と略同じ速度で車両底面1aから噴射する。この第5実施形態には、第1実施形態〜第4実施形態の効果と同様の効果がある。
(第6実施形態)
図12は、この発明の第6実施形態に係る車両の動揺抑制装置を備える車両がトンネル内を走行している状態を示す正面図である。
図12に示す流体噴射装置9,10は、図12に示すような単線トンネル内を車両1が走行するときには、車両底面1aの両縁部から空気Fを噴射する。制御装置13は、トンネル情報記憶装置17が記憶するトンネル情報と現在位置検出装置16が検出した現在位置情報とに基づいて、トンネルTが単線トンネルであるか否かを判断する。制御装置13は、単線トンネル内に車両1が突入したときには、車両底面1aの両縁部から空気Fを噴射するように流体噴射装置9,10を動作制御する。この第6実施形態には、第1実施形態〜第5実施形態の効果と同様の効果がある。
(第7実施形態)
図13は、この発明の第7実施形態に係る車両の動揺抑制装置を備える車両がトンネル内を走行している状態を示す斜視図である。
図13に示す流体噴射装置9,10は、スリット部9d,10dが車両1の台車3付近に配置されている。このため、この第7実施形態では、車両1の動揺の主要因となる台車3付近の渦の発生を重点的に抑えることができるとともに、動揺抑制装置4がコンパクトになり動揺抑制装置4の低コスト化を図ることができる。
(第8実施形態)
図14は、この発明の第8実施形態に係る車両の動揺抑制装置を車両毎に備える列車がトンネル内を走行している状態を示す側面図である。
図14に示す流体噴射装置9,10は、車両1毎に設置されており、制御装置13は車両1毎に流体噴射装置9,10を動作制御する。制御装置13は、図14に示すように、車両1の揺れが比較的小さい先頭の車両1側では空気Fの噴射量が少なくなるように流体噴射装置9,10を制御し、車両1の揺れが比較的大きい後尾の車両1側では空気Fの噴射量が多くなるように流体噴射装置9,10を制御する。この第8実施形態では、各車両1の揺れの程度に応じて空気Fの噴射量を車両1毎に調整することができるため車両1毎に揺れを抑制することができる。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、車両1として鉄道車両を例に挙げて説明したが、自動車などについてもこの発明を適用することができる。また、この実施形態では、流体として空気Fを噴射する場合を例に挙げて説明したが、水などの液体、空気以外の気体、空気と水の混合物などのような他の流体を噴射することもできる。さらに、この実施形態では、車両1側から流体を噴射する場合を例に挙げて説明したが、トンネルT側から流体を噴射することもできる。
(2) この実施形態では、流体送出装置9a,10aとして既存の空気圧縮機や送風機などを利用する場合を例に挙げて説明したが、専用の空気圧縮機や送風機などを噴射量に応じて新設又は増設することもできる。また、この実施形態では、流体取入口5,6から取り込まれた空気Fを流体送出装置9a,10aによってスリット部9d,10dなどに送出しているが、流体送出装置9a,10aを省略して流体取入口5,6から取り込まれた空気Fをスリット部9d,10dから直接噴射させることもできる。
(3) この実施形態では、流体取入口5,6を車両底面1aに配置した場合を例に挙げて説明したが設置場所を限定するものではない。例えば、先頭車両又は後尾車両の場合には、車両1の前面、側面、妻面又は屋根の少なくとも1箇所に設置することができ、中間車両の場合には車両1の側面、妻面又は屋根の少なくとも1箇所に設置することができる。また、この実施形態では、スリット部9d,10dなどを台車3付近に設置した場合を例に挙げて説明したが、比較的メンテナンス作業の支障とはならない台車3付近以外の部分については仕切板を設置することもできる。
この発明の第1実施形態に係る車両の動揺抑制装置を備える車両がトンネル内を走行している状態を示す正面図である。 この発明の第1実施形態に係る車両の動揺抑制装置を備える車両がトンネル内を走行している状態を示す側面図である。 この発明の第1実施形態に係る車両の動揺抑制装置のスリット部の斜視図である。 この発明の第1実施形態に係る車両の動揺抑制装置の圧力検出装置の動作原理を説明するための模式図であり、(A)はトンネルに車両が突入した状態を示す模式図であり、(B)はトンネルから車両が退出した状態を示す模式図であり、(C)はトンネル区間を車両が走行するときに先頭車両で観察される圧力変動を示すグラフである。 この発明の第1実施形態に係る車両の動揺抑制装置の動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の第2実施形態に係る車両の動揺抑制装置を備える車両がトンネル内を走行している状態を示す正面図である。 この発明の第2実施形態に係る車両の動揺抑制装置を備える車両がトンネル内を走行している状態を示す側面図である。 この発明の第2実施形態に係る車両の動揺抑制装置の動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の第3実施形態に係る車両の動揺抑制装置を備える車両がトンネル内を走行している状態を示す斜視図である。 この発明の第4実施形態に係る車両の動揺抑制装置を備える車両がトンネル内を走行している状態を示す正面図である。 この発明の第5実施形態に係る車両の動揺抑制装置を備える車両がトンネル内を走行している状態を示す正面図である。 この発明の第6実施形態に係る車両の動揺抑制装置を備える車両がトンネル内を走行している状態を示す正面図である。 この発明の第7実施形態に係る車両の動揺抑制装置を備える車両がトンネル内を走行している状態を示す斜視図である。 この発明の第8実施形態に係る車両の動揺抑制装置を車両毎に備える列車がトンネル内を走行している状態を示す側面図である。 現車試験によって測定された明かり区間とトンネル区間とを走行する車両に作用するヨーイング振動角加速度の時間変化を示すグラフである。 現車試験の試験結果に基づいて算出された明かり区間とトンネル区間とを走行する車両に作用する空気力の変化を示すグラフである。 トンネル内を走行する車両に作用する空気力の発生原理を示す模式図であり、(A)は、トンネル内を走行する車両とトンネル側面との位置関係を示す図であり、(B)は車両側面とトンネル側面との間の速度分布を示す図であり、(C)は車両底面と軌道面との間の速度分布を示す図である。 従来の車両の動揺抑制装置を備える模型車両の風洞試験の結果を示すグラフであり、(A)は仕切板がないときの風洞試験の結果を示すグラフであり、(B)は仕切板があるときの風洞試験の結果を示すグラフである。
符号の説明
1 車両
1a 車両底面
1b,1c 車両側面
2 車体
3 台車
4 動揺抑制装置
5,6 流体取入口(流体取入口)
7,8 管路
9,10 流体噴射装置
9a,10a 流体送出装置
9b,9c,10b,10c 管路
9d,10d スリット部
9e,10e ノズル部
11,12 空気圧検出装置
13 制御装置
14 速度検出装置
15 ATS地上子
16 現在位置検出装置
16a ATS車上子
16b ATS受信機
17 トンネル情報記憶装置
R 軌道
1,R2 レール
3 軌道面(通路面)
1,S2,S3 空間
T トンネル
1,T2 トンネル側面

Claims (13)

  1. トンネル内を車両が通過するときにこの車両に作用する空気力の変動によって生ずるこの車両の動揺を抑制する車両の動揺抑制装置であって、
    前記車両の底面と通路面との間の空間と、前記車両の側面と前記トンネル側面との間の空間とを仕切るように、これらの空間の間に流体を噴射する流体噴射手段を備えること、
    を特徴とする車両の動揺抑制装置。
  2. 請求項1に記載の車両の動揺抑制装置において、
    前記流体噴射手段は、空気及び/又は水を噴射すること、
    を特徴とする車両の動揺抑制装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の車両の動揺抑制装置において、
    前記車両がトンネルに突入したときに前記流体噴射手段が動作し、この車両がこのトンネルから退出したときに前記流体噴射手段が停止するように、この流体噴射手段を制御する制御手段を備えること、
    を特徴とする車両の動揺抑制装置。
  4. 請求項3に記載の車両の動揺抑制装置において、
    前記流体噴射手段は、前記車両毎に設置されており、
    前記制御手段は、前記流体噴射手段を前記車両毎に動作制御すること、
    を特徴とする車両の動揺抑制装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の車両の動揺抑制装置において、
    前記車両がトンネルに突入したときの空気圧の変化と、前記車両がトンネルから退出したときの空気圧の変化とを検出する空気圧検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記空気圧検出手段の検出結果に基づいて前記流体噴射手段を動作制御すること、
    を特徴とする車両の動揺抑制装置。
  6. 請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載の車両の動揺抑制装置において、
    前記車両が通過するトンネルに関するトンネル情報を記憶するトンネル情報記憶手段を備え、
    前記制御手段は、前記車両の現在位置に関する現在位置情報と前記トンネル情報とに基づいて前記流体噴射手段を動作制御すること、
    を特徴とする車両の動揺抑制装置。
  7. 請求項6に記載の車両の動揺抑制装置において、
    前記制御手段は、前記車両が通過するトンネルの長さが所定長さよりも短いときには、前記流体噴射手段の動作を規制すること、
    を特徴とする車両の動揺抑制装置。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の車両の動揺抑制装置において、
    前記トンネル情報記憶手段は、前記トンネルの位置及び前記トンネルの長さを前記トンネル情報として記憶すること、
    を特徴とする車両の動揺抑制装置。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の車両の動揺抑制装置において、
    前記流体噴射手段は、前記流体を噴射する噴射口を備え、
    前記噴射口は、前記車両の長さ方向に沿って連続して形成されたスリット部、又は前記車両の長さ方向に沿って間隔をあけて複数形成されたノズル部であること、
    を特徴とする車両の動揺抑制装置。
  10. 請求項9に記載の車両の動揺抑制装置において、
    前記噴射口は、前記車両の台車付近に配置されていること、
    を特徴とする車両の動揺抑制装置。
  11. 請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の車両の動揺抑制装置において、
    前記流体噴射手段は、前記車両の両側から流体を噴射可能であり、トンネル内にこの車両が突入したときにトンネル側面に近い側から流体を噴射すること、
    を特徴とする車両の動揺抑制装置。
  12. 請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の車両の動揺抑制装置において、
    前記流体噴射手段は、前記流体を送出する流体送出装置を備え、
    前記流体送出装置は、空気を圧縮する空気圧縮機又は空気を送出する送風機であること、
    を特徴とする車両の動揺抑制装置。
  13. 請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の車両の動揺抑制装置において、
    前記車両の外部から空気を取り入れる空気取入口を備え、
    前記流体噴射手段は、前記空気取入口から取り込まれた空気を噴射すること、
    を特徴とする車両の動揺抑制装置。

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